JP2002281106A - データ通信方法及びそのシステム - Google Patents

データ通信方法及びそのシステム

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JP2002281106A JP2001082064A JP2001082064A JP2002281106A JP 2002281106 A JP2002281106 A JP 2002281106A JP 2001082064 A JP2001082064 A JP 2001082064A JP 2001082064 A JP2001082064 A JP 2001082064A JP 2002281106 A JP2002281106 A JP 2002281106A
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仁 小幡
Kazuhisa Higuchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無線通信回線を含む通信網を介してTCPを
用いたデータ通信を行う場合に、通信網を構成する通信
回線の利用効率の低下を抑制するとともに、通信回線の
輻輳を未然に防止することが可能となるデータ通信方法
及びそのシステムを提供する。 【解決手段】 無線通信回線を含む携帯電話通信網を介
して複数の通信端末装置間でTCPを用いたデータ通信
を行なうデータ通信方法において、通信端末装置からデ
ータ送信するときの再送タイムアウト時間を、該通信網
の回線を有線通信回線のみで構成した場合の再送タイム
アウト時間の推奨値よりも長くする。通信端末装置から
データ送信するときの再送タイムアウト時間は、固定値
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線通信回線を含
む通信網を介して複数の通信端末装置間でトランスポー
ト制御プロトコル(TCP)を用いたデータ通信を行な
うデータ通信方法及びそのシステムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、通信網における通信に用いるネッ
トワーク・プロトコルとして、トランスポート制御プロ
トコル(Transport Control Protocol:以下「TCP」
という。)が知られている。このTCPは、ネットワー
ク階層のトランスポート層で用いられるフロー制御機能
を有するプロトコルであり、インターネットにおける通
信の標準的なプロトコルとして用いられている。また、
このTCPは、携帯電話などの移動情報端末から無線通
信回線を含む通信網を介してインターネットへ接続して
通信するときにも使用される。
【0003】図4は、上記TCPを用いて通信網の2つ
の通信端末装置(クライアント501、サーバー50
2)の間で通信を行なうときの接続確立処理およびデー
タ送信のシーケンスの一例を示している。図4に示すよ
うにTCPの接続確立処理では、まずアクティブオープ
ンを実行するクライアント501側からパッシブオープ
ンを実行するサーバー502側へ、クライアント501
の初期シーケンス番号(ISN:Initial Sequence Num
ber)とサーバー502のポート番号とを指定したセグ
メント1(SYNセグメント)が送信される。ここで、
「セグメント」とは、TCPが下位のネットワーク層と
のやりとりを行なう時のデータの単位である。また、
「SYNセグメント」とはセグメント内に設けられた複
数の制御フラグのうち、シーケンス番号の同期をとるた
めのSYN(Synchronize)フラグに「1」をセットし
たセグメントである。次に、サーバー502は、上記セ
グメント1を受信した後、サーバー側の初期シーケンス
番号を含むセグメント2(SYN+ACKセグメント)
で応答する。また、このセグメント2の送信において、
クライアント501の初期シーケンス番号に1を加算し
たACKを出すことにより、クライアント501のSY
Nに確認応答する。次に、クライアント501は、サー
バー502から送信されてきたセグメント2のSYNに
対して、サーバー502の初期シーケンス番号に1を加
算したセグメント3(ACKセグメント)を送信して確
認応答する。このようにクライアント501とサーバー
502との間で3つのセグメントの送受信を行なう3ウ
ェイハンドシェイクの接続確立処理を行なう。ここで、
上記「ACKセグメント」は、上記SYNセグメントや
後述のFINセグメントを含むTCPセグメントに対し
て確認応答するACK(Acknowledgement)フラグに
「1」がセットされたセグメントである。また、上記接
続処理手順の他にSYNセグメントと送信するデータを同
じセグメントで送信するTransaction TCP(T/TC
P)と呼ばれる機能を実行する場合もある。
【0004】また、上記TCPにおいて転送対象のデー
タを送信するときは、上記接続確立処理の後、クライア
ント501側からサーバー502側へ、転送対象のデー
タを含むセグメント4(データセグメント)が送信され
る。次に、サーバー502はセグメント4を受信する
と、セグメント5(ACKセグメント)を送信して確認
応答する。これにより、クライアント501側からサー
バー502側へのデータ転送が完了する。なお、転送対
象のデータ送信においては、上記クライアント501側
がACKセグメントを受け取るまでに、サーバー502
から受け取ったウィンドウと呼ばれるパラメータで規定
される複数のデータセグメントを送信する場合もある。
また、送信側のクライアント501で輻輳ウィンドウ
(cwnd)と呼ばれるパラメータを設定し、この輻輳
ウィンドウ(cwnd)の値を次第に増やすことによ
り、最初の1セグメントから次第にセグメント数を増加
させながらサーバー502に対してデータ送信を行う
「スロー・スタート」と呼ばれる機能を実行する場合も
ある。
【0005】以上のようにクライアント501とサーバ
ー502との間でセグメントの送受信を行ってデータ転
送を行うときに、通信回線上でのデータセグメントやA
CKセグメントを含むパケットの消失などにより、確認
応答のACKセグメントがクライアント501側に届か
ない場合がある。そこで、このようなセグメントの不達
によるデータ転送の信頼性低下を回避するために、再送
タイマーを用いて、例えば図5に示すように一定の再送
タイムアウト時間RTOが経過したタイミングでセグメ
ント4を再送する処理が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、無線通信回
線を含む通信網では、有線通信回線のみで構成された通
信網に比して回線品質が悪いため、クライアント501
がサーバー502へデータセグメントを送信してからサ
ーバー502からACKセグメントを受信するまでの往
復時間(RTT:Round Trip Time,図6参照)が長く
なってしまう傾向がある。そのため、無線通信回線を含
む通信網においては通信回線上でパケットの消失が発生
していないにもかかわらず、再送タイムアウト時間RT
Oの経過に基づいてデータセグメントを再送してしまう
おそれがある。このようにデータセグメントを誤って再
送してしまうと、通信回線上に無駄なパケットが存在
し、通信回線の利用効率が低下してしまう。また、上記
データセグメントの誤った再送がひどくなると通信回線
の輻輳も発生しやすくなる。さらに、上記「スロー・ス
タート」と呼ばれる機能を実行する場合にデータセグメ
ントを誤って再送してしまうと、上記輻輳ウィンドウ
(cwnd)が初期値の「1」になり、データ転送効率
が低下してしまう。
【0007】本発明は以上の背景の下でなされたもので
あり、その目的は、無線通信回線を含む通信網を介して
TCPを用いたデータ通信を行う場合に、通信網を構成
する通信回線の利用効率の低下を抑制するとともに、通
信回線の輻輳を未然に防止することが可能となるデータ
通信方法及びそのシステムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、無線通信回線を含む通信網を介
して複数の通信端末装置間でトランスポート制御プロト
コル(TCP)を用いたデータ通信を行なうデータ通信
方法であって、該通信端末装置からデータ送信するとき
の再送タイムアウト時間を、該通信網の回線を有線通信
回線のみで構成した場合の再送タイムアウト時間の推奨
値よりも長く設定したことを特徴とするものである。ま
た、請求項3の発明は、複数の通信端末装置と、無線通
信回線を含む通信網とを備え、該通信網を介して該複数
の通信端末間でトランスポート制御プロトコル(TC
P)を用いたデータ通信を行なうデータ通信システムで
あって、該通信端末装置の再送タイマーで用いる再送タ
イムアウト時間が、該通信網の回線を有線通信回線のみ
で構成した場合の再送タイムアウト時間の推奨値よりも
長いことを特徴とするものである。
【0009】なお、上記「通信端末装置」には、クライ
アント装置やサーバー装置等として用いられるコンピュ
ータのほか、データの送受信する機能を有するルーター
等の中継装置も含まれる。また、上記「無線通信回線を
含む通信網」には、携帯電話通信網のほか、通信衛星を
用いる衛星通信回線を経由した通信網も含まれる。ま
た、上記トランスポート制御プロトコル(TCP)に
は、通常のTCPのほか、オプションが設定されたTC
Pも含まれる。例えば、RFC(Request ForComment)
1379、1644に定義が記述されているトランザク
ション処理に適したT/TCPも含まれる。
【0010】この請求項1のデータ通信方法および請求
項3のデータ通信システムでは、通信端末装置からデー
タ送信するときの再送タイムアウト時間が、通信網の回
線を有線通信回線のみで構成した場合の再送タイムアウ
ト時間の推奨値よりも長いため、送信側の通信端末装置
から送信されたセグメント又は受信側の通信端末装置か
ら送信された確認応答セグメントが通信回線上に存在し
ている間に、送信側の通信端末装置からセグメントが再
送されてしまう確率が低下する。これにより、通信網を
構成する通信回線上に残る不要なセグメントが低減し、
通信回線の利用効率の低下が抑制されるとともに、通信
回線の輻輳が未然に防止される。
【0011】請求項2の発明は、請求項1のデータ通信
方法において、上記通信端末装置からデータ送信すると
きの再送タイムアウト時間が、固定値であることを特徴
とするものである。また、請求項4の発明は、請求項3
のデータ通信システムにおいて、上記通信端末装置から
データ送信するときの再送タイムアウト時間が、固定値
であることを特徴とするものである。
【0012】この請求項2のデータ通信方法および請求
項4のデータ通信システムでは、上記通信端末装置から
データ送信するときの再送タイムアウト時間が、固定値
であるため、ラウンドトリップ時間(RTT)を計測し
て再送タイムアウト時間に反映させる等のデータ処理が
不要となる。従って、上記情報端末装置が、小型化等の
点でハードウェア上の制約がある携帯電話機等の場合で
も、再送タイムアウト処理の組み込みが容易になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を情報端末装置とし
ての携帯電話機とインターネット(The Internet)上の
WWWサーバーとの間で無線通信回線を含む通信網を介
してデータ通信を行なうデータ通信方法及びそのシステ
ムに適用した一実施形態について説明する。図2は、本
実施形態に係る携帯電話通信網を用いたデータ通信シス
テムのブロック図である。このデータ通信システムの通
信網は、携帯電話通信網10と、通信プロトコル変換装
置20と、インターネット側通信網30とにより構成さ
れている。
【0014】上記形態電話通信網10は、通信端末装置
(移動情報端末)としての携帯電話機11との間で無線
通信回線12を介してデータ送受信する複数の基地局1
3と、各基地局13に対するデータ送受信を切り替えな
がら行なう交換機14とを備えている。この携帯電話通
信網10では、伝送速度が比較的低い無線通信回線を含
む場合でも高速のデータ転送が可能となるように、トラ
ンスポート層の通信プロトコルとして、トランザクショ
ン型のトランスポート制御プロトコルであるT/TCP
が用いられている。このT/TCPは、通常のTCPと
は異なりデータ送信に先立って行なうスリーウェイハン
ドシェイクの接続確立処理が不要であり、通常のTCP
を用いた場合に比して、データの高速転送が可能とな
る。特にクライアント(携帯電話機)からの要求に対し
てサーバーが応答するというようなトランザクション処
理を行なう場合に有利である。
【0015】上記通信プロトコル変換装置20は、携帯
電話通信網10に対してデータ送受信を行なう第1のデ
ータ送受信部21と、インターネット通信網第2の通信
網に対してデータ送受信を行なう第2のデータ送受信部
22と、後述の通信プロトコル変換を含むデータ処理を
行なうデータ処理部23とを備えている。上記第1のデ
ータ送受信部21及び第2のデータ送受信部22は、ネ
ットワーク・プロトコル階層のうち最下位のリンク層
(「ネットワークインターフェース層」とも呼ばれる)
における信号処理を行なうものであり、通信ケーブルと
の物理的なインターフェースに関するハードウェア的な
側面を処理する。また、上記データ処理部23では、後
述のトランスポート層における通信プロトコル変換のほ
か、IP(Internet Protocol)を用いたパケットのル
ーティング処理などのデータ処理も行なう。
【0016】上記インターネット側通信網30は、イン
ターネット40に接続するためのゲートウェイサーバー
31を備えている。このインターネット側通信網30で
は、トランスポート層の通信プロトコルとして、インタ
ーネット40で広く用いられている通常のTCPが採用
されている。また、ゲートウェイサーバー31と上記通
信プロトコル変換装置20との間は有線通信回線32で
結ばれている。この有線通信回線32は、必要に応じ
て、例えばショートメールなどの伝送データの容量を制
限した回線で構成したり、3000文字以上のロングメ
ールや画像データなどの比較的大容量のデータを伝送す
ることができるブロードバンドの回線で構成したり、あ
るいは、これらの複数の回線を切り替えて利用できるよ
うに構成したりすることができる。
【0017】図4は、携帯電話通信網10にある携帯電
話機11からインターネット側通信網30に接続された
インターネット40上のある特定のサイトのWWW(World
Wide Web)サーバーにデータを送信するときのセグメ
ントの送受信を示すシーケンス図である。通信プロトコ
ル変換装置20のデータ処理部23における携帯電話通
信網10とのデータ送受信では、まず、第1のデータ送
受信部21を介して、転送対象データ(data1)を含む
SYNセグメント(セグメント101)を携帯電話通信
網10から受信する。このセグメント101は、データ
の送信が終了したことを知らせるFINフラグも「1」
にセットされている。また、このセグメント101に
は、T/TCP特有のオプションである6ビットのコネ
クション・カウントの値をセットするための「CC」が
設けられている。データ処理部23は、セグメント10
1内のCC内の値(=x)と、データ処理部23内にキ
ャッシュしている前回のコネクションにおける最後のC
C値とを比較し、CC内の値(=x)がキャッシュされ
ているCC値よりも大きいときは、セグメント101に
含まれる転送対象データが新規のデータであると判断
し、インターネット側通信網30に転送する。一方、受
信したCC内の値(=x)がキャッシュされているCC
値よりも小さいとき、あるいはデータ処理部23内にC
C値がキャッシュされていないときは、通常のTCPに
おけるスリーウェイハンドシェイクが実行される。
【0018】次に、携帯電話通信網10から上記セグメ
ント101を受信したデータ処理部23は、携帯電話機
11に対してセグメント102(SYN+ACKセグメ
ント)を送信する。このセグメント102では、SYN
フラグとともに、上記セグメント101のSYNに対し
て確認応答するためのACKフラグにも「1」がセット
されている。また、このセグメント102は、送信側の
CC値をセットするためのデータ領域「CC」を有して
おり、この「CC」に、通信プロトコル変換装置20に
対する所定の値(=y)がセットされている。さらに、
受信したCC値をエコーするためのデータ領域「CC.
ECHO」も有しており、この「CC.ECHO」に上
記セグメント101のCCの値(=x)がセットされて
いる。
【0019】次に、上記セグメント102を受信した携
帯電話機10から、SYNに確認応答するためのセグメ
ント103(ACKセグメント)が送信されると、通信
プロトコル変換装置20は、携帯電話機10から送信さ
れてきたセグメント103を受信する。これにより、携
帯電話機11から通信プロトコル変換装置20に対する
一つのデータの転送が完了する。このように、携帯電話
通信網10の携帯電話機1から通信プロトコル変換装置
20へのデータ伝送は、3つのセグメント101,10
2,103の送受信で完了する。
【0020】一方、通信プロトコル変換装置20のデー
タ処理部23におけるインターネット側通信網30との
データ送受信では、まず、携帯電話通信網10から上記
セグメント101を受信した後、セグメント102を携
帯電話通信網10へ送信する前に、第2のデータ送受信
部22を介して、インターネット側通信網30の特定サ
イトのWWWサーバーに対する接続確立処理を開始して
いる。この接続確立処理は、インターネット側通信網3
0に対してSYNセグメント(セグメント201)を送
信することで開始される。その後のセグメントの送受信
は通常のTCPによる手順で行なわれ、データ転送が完
了した後、通常のTCPによる手順で接続終了処理が行
なわれる。
【0021】ここで、携帯電話機11からインターネッ
ト40の特定サイトのWWWサーバーへ複数の転送対象
データ(data1, data2, data3, ・・・)を続けて転送する
場合は、携帯電話通信網10から上記セグメント101
〜103の送受信を行なって転送対象データを受信しつ
つ、インターネット側通信網20に対しては、接続確立
処理を行なった後、転送対象データを含むセグメントの
送信を繰り返して行ない、最後に接続終了処理を行な
う。
【0022】以上のように、携帯電話通信網10との間
で最初のデータ転送処理に対するセグメント101の送
信からセグメント102の受信までの間に、インターネ
ット側通信網30に対する接続確立処理を開始すること
により、セグメント101〜103の送受信が完了した
後にインターネット側通信網30に対する接続確立処理
を開始していた従来の通信プロトコル変換方法の場合に
比して、通信プロトコル変換を伴うデータ転送の高速化
を図ることができる。
【0023】また、本実施形態では、送信側の通信端末
装置で輻輳ウィンドウ(cwnd)と呼ばれるパラメー
タを設定し、この輻輳ウィンドウ(cwnd)の値を次
第に増やすことにより、最初の1セグメントから次第に
セグメント数を増加させながら受信先の通信端末装置に
対してデータ送信を行う「スロー・スタート」と呼ばれ
る機能を実行している。
【0024】図1は、本発明の特徴部である再送タイム
アウト処理を伴う携帯電話機11や通信プロトコル変換
装置20等の通信端末装置からのデータ送信処理を示す
フローチャートである。図1の例では、携帯電話機11
からインターネット40上のWWWサーバーにデータを
送信する場合について示している。このデータ送信処理
では、まず、再送タイムアウト時間RTOを初期値10
秒に設定し、タイムアウトの回数をカウントするタイム
カウンタをリセットする(ステップ1,2)。次に、最
初のセグメント101を送信し、再送タイマーTをリセ
ットする(ステップ3)。このセグメント送信の後、再
送タイマーをモニターし、再送タイマーの時間Tが再送
タイムアウト時間RTOになる前に、WWWサーバーか
ら確認応答のセグメント102を受信したときは、次の
確認応答セグメント103を送信する(ステップ4,
5)。そして、次の送信データがあるか否かを判断し
(ステップ6)、すべてのデータが送信されるまでステ
ップ2〜6を繰り返す。
【0025】一方、再送タイマーの時間Tが再送タイム
アウト時間RTOになるまで、WWWサーバーから確認
応答のセグメント102を受信できなかったときは、上
記セグメント101を再送し、再送タイマーTをリセッ
トする(ステップ7,8,3)。なお、このセグメント
101の再送に先立って、セグメント101についての
最初のタイムアウトかどうかを判断し、連続してタイム
アウトが発生しているときは、上記再送タイムアウト時
間RTOを2倍にしていく「指数バックオフ」という処
理を行う(ステップ8,9)。ただし、再送タイムアウ
ト時間RTOの最大値は64秒と決められている。
【0026】以上、本実施形態によれば、携帯電話機1
1等の送信側の通信端末装置からデータ送信するときの
初期再送タイムアウト時間RTOを、通信網の回線を有
線通信回線のみで構成した場合の再送タイムアウト時間
の推奨値(6秒)よりも長い10秒に設定することによ
り、送信側の通信端末装置から送信されたセグメント又
はそれに応答する受信側の通信端末装置から送信された
確認応答セグメントが通信回線上に存在している間に、
送信側の通信端末装置からセグメントが再送されてしま
う確率を低下させることができる。従って、無線通信回
線を含む携帯電話通信網10を介してTCPを用いたデ
ータ通信を行う場合に、通信網を構成する無線通信回線
12および有線通信回線32上に残る不要なセグメント
を低減させ、通信回線の利用効率の低下を抑制するとと
もに、通信回線の輻輳を未然に防止することが可能とな
る。また、本実施形態によれば、上記初期再送タイムア
ウト時間RTOが固定値の10秒にしているので、ラウ
ンドトリップ時間(RTT)を計測して再送タイムアウ
ト時間に反映させる等のデータ処理が不要となり、上記
情報端末装置が、小型化等のためにハードウェア上の制
約がある携帯電話機等の場合でも、再送タイムアウト処
理の組み込みが容易になる。また、本実施形態によれ
ば、上記「スロー・スタート」と呼ばれる機能を実行す
る場合に、データセグメントを誤って再送する確率も低
下するため、上記輻輳ウィンドウ(cwnd)が初期値
の「1」になることによるデータ転送効率の低下を抑制
することができる。
【0027】なお、上記実施形態では、初期再送タイム
アウト時間RTOを10秒に設定しているが、限定され
るものではなく、通信網の回線を有線通信回線のみで構
成した場合の再送タイムアウト時間の推奨値(6秒)よ
りも長ければ、10秒に限定されるものではない。ここ
で、初期再送タイムアウト時間RTOは、通信網に含ま
れる無線通信回線における往復時間(RTT)等の伝送
特性に基づいて最適値に設定するのが好ましい。また、
上記実施形態では、T/TCPを用いる通信網が、携帯
電話機11と基地局13との間で直接通信を行なう無線
通信回線を含む携帯電話通信網である場合について説明
したが、本発明は、T/TCPを用いる通信網が、地上
の携帯電話や基地局と通信衛星との間で通信を行なう衛
星通信回線を含む通信網である場合にも適用できるもの
である。また、上記実施形態では、通常のTCPを用い
る通信網が、インターネット(The Internet)に接続す
るための通信回線を含む通信網(インターネット側通信
網30)である場合について説明したが、本発明は、通
常のTCPを用いる通信網がインターネットへの接続を
目的にするものではない通信網である場合にも適用でき
るものである。さらに、本発明は、上記T/TCPを用
いずに、通常のTCPのみを用いてデータ通信を行う場
合にも適用できるものである。
【0028】
【発明の効果】請求項1乃至4の発明によれば、無線通
信回線を含む通信網を介してTCPを用いたデータ通信
を行う場合に、通信網を構成する通信回線の利用効率の
低下を抑制するとともに、通信回線の輻輳を未然に防止
することが可能となるという優れた効果がある。特に、
請求項2及び4の発明によれば、ラウンドトリップ時間
(RTT)を計測して再送タイムアウト時間に反映させ
る等のデータ処理が不要となるので、上記情報端末装置
が、小型化等のためにハードウェア上の制約がある携帯
電話機等の場合でも、再送タイムアウト処理の組み込み
が容易になるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るデータ送信処理を示す
フローチャート。
【図2】同データ送信処理を行う通信システムの概略構
成を示すブロック図。
【図3】同データ通信システムにおける通信プロトコル
変換を伴うセグメント送受信を示すシーケンス図。
【図4】通常のTCPを用いた接続確立処理及びデータ
送信処理におけるセグメント送受信を示すシーケンス
図。
【図5】再送タイムアウト時間RTOを説明するための
シーケンス図。
【図6】往復時間RTTを説明するためのシーケンス
図。
【符号の説明】
10 携帯電話通信網 11 携帯電話機 12 無線通信回線 13 基地局 14 交換機 20 通信プロトコル変換装置 21 第1のデータ送受信部 22 第2のデータ送受信部 23 データ処理部 30 インターネット側通信網 31 ゲートウェイサーバー 32 有線通信回線 40 インターネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植月 伸次 東京都新宿区信濃町34番地 JR信濃町ビ ル ジェイフォン東日本株式会社内 Fターム(参考) 5K030 GA01 HA05 HB12 LA01 5K034 AA01 EE03 EE10 HH01 HH11 HH65 KK28 MM03 5K067 BB21 EE25 FF05 GG01 HH05 HH28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無線通信回線を含む通信網を介して複数の
    通信端末装置間でトランスポート制御プロトコル(TC
    P)を用いたデータ通信を行なうデータ通信方法であっ
    て、 該通信端末装置からデータ送信するときの再送タイムア
    ウト時間が、該通信網の回線を有線通信回線のみで構成
    した場合の再送タイムアウト時間の推奨値よりも長いこ
    とを特徴とするデータ通信方法。
  2. 【請求項2】請求項1のデータ通信方法において、 上記通信端末装置からデータ送信するときの再送タイム
    アウト時間が、固定値であることを特徴とするデータ通
    信方法。
  3. 【請求項3】複数の通信端末装置と、無線通信回線を含
    む通信網とを備え、該通信網を介して該複数の通信端末
    間でトランスポート制御プロトコル(TCP)を用いた
    データ通信を行なうデータ通信システムであって、 該通信端末装置の再送タイマーで用いる再送タイムアウ
    ト時間が、該通信網の回線を有線通信回線のみで構成し
    た場合の再送タイムアウト時間の推奨値よりも長いこと
    を特徴とするデータ通信システム。
  4. 【請求項4】請求項3のデータ通信システムにおいて、 上記通信端末装置からデータ送信するときの再送タイム
    アウト時間が、固定値であることを特徴とするデータ通
    信システム。
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