JP2002280431A - nタイプウェーハの少数キャリア拡散長測定法 - Google Patents
nタイプウェーハの少数キャリア拡散長測定法Info
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Abstract
拡散長を測定する方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 抵抗率が0.1〜50Ωcmのnタイプ
シリコンウェーハを、0.001〜10ppmのAl塩
を添加した弱酸化性水溶液に、30秒〜20分間浸漬し
た後、図1の装置を用いてSPV法を用いて光電圧を測
定することを特徴とするnタイプウェーハの少数キャリ
ア拡散長測定法であり、特に上記Al塩を添加した弱酸
化性水溶液が、Al(NO3)3を添加したSC−1溶
液である場合に最も望ましい結果が得られる。
Description
の少数キャリア拡散長を、SPV法を用いて測定する方
法に関するものである。
散長を測定する方法として、SPV法が知られている。
この方法は、シリコンウェハ表面へ光を照射することに
よって、シリコンウェハ内部に生成した過剰少数キャリ
アが、ウェハ表層部に存在する空乏層の電界によりウェ
ハ表面に移動し、その結果発生する表面光電圧(Sur
face Photovoltage:SPV)を測定
するものである。実際の測定においては、数波長の光を
別個にシリコンウェハ表面に照射し、それぞれの波長に
ついて、SPV値を測定する。そして、照射した光の浸
透深さと発生したSPVの値との関係から、少数キャリ
ア拡散長を求めるものである。
SPV法によって、少数キャリア拡散長を測定するに
は、シリコンウェハ表面に空乏層ができている必要があ
る。通常は、この条件を満足していれば他に特別な表面
処理は必要ないが、サンプルのシリコンウェハによって
はSPV信号が小さく、測定ができない場合がある。こ
の場合、そのサンプルがnタイプシリコンウェハであれ
ば、サンプルのシリコンウェハをH2O2溶液中で煮沸
処理したり,SC−1(過酸化水素とアンモニアを純水
に溶解した水溶液)で洗浄を行うことによって、測定が
可能になるとされている。しかし、実際にH2O2溶液
中での煮沸やSC−1洗浄を行っても、空乏層の電界が
小さい場合や低抵抗のウェハの場合には、十分な測定が
不可能である。
のシリコンウェハ表面に7nm以上の酸化膜を形成した
後、マイナスのコロナチャージを帯電させる方法もあ
る。しかし、この方法によれば、シリコンウェハ表面へ
の酸化処理が必要なため、手間がかかる上、酸化時にウ
ェハが汚染を受ける可能性もある。しかもコロナチャー
ジを帯電させるための装置も必要である。本発明は、上
記従来公知の測定方法における上記の問題点を改善し、
簡便で精度の高い少数キャリアの拡散長を測定する方法
を提供することを目的としている。
1〜50Ωcmのnタイプシリコンウェーハを、0.0
01〜10ppmのAl塩を添加した弱酸化性水溶液
に、30秒〜20分間浸漬した後、SPV法を用いて光
電圧を測定することを特徴とするnタイプウェーハの少
数キャリア拡散長測定法である。
ては、Al(NO3)3を添加したSC−1溶液である
ことが望ましい。
る。シリコンウェハを弱酸化性水溶液に浸漬すると、シ
リコンウェハ表面に自然酸化膜が形成される。そして、
生成した自然酸化膜は、弱酸化性水溶液中に存在する不
純物が取り込まれるが、添加したAl塩からのAl元素
が存在するため、マイナスの電荷を有することになり、
ウェハの表層部に大きな空乏層ができる。すなわち、本
発明の場合、処理液中にAlイオンが存在することか
ら、Al金属元素が、シリコンウェハ表面酸化膜に取り
込まれ、AlSiOの形で存在しマイナスの電荷として
働くことになって、大きな空乏層が形成されることにな
る。
面を弱酸化性水溶液処理した場合と、この処理を施さな
い場合とを比較した表面空乏層の形成を模式的に示す図
2に見られるように、この空乏層の影響により、シリコ
ンウェハ表面に光が照射されると過剰少数キャリアが発
生し、この過剰少数キャリアがウェハ表面へ有効に移動
されることになり、SPV信号強度が増幅されることに
なる。
の各波長で発生するSPV値との関係を示す図3から明
らかなように、各波長の光を照射した時に発生するSP
V値を測定する際のS/N比が向上し、SPVプロット
の直線性が良好になるため、安定した拡散長を測定する
ことが可能となる。
の自然酸化膜の直下に形成される空乏層に特定波長の光
を照射すると、その波長の光の浸透深さ領域に存在する
金属不純物元素の量に比例した光電圧が発生する。そこ
で、この光電圧を測定することによって、特定の深さの
領域に存在する不純物元素の濃度を算出することができ
る。
としては、例えば前述の過酸化水素、アンモニアの純水
溶液であるSC−1を用いることができる。ここでSC
−1を用いたのは、以下の理由による。すなわち、ウェ
ハ面内均一に、SC−1洗浄に添加した金属原子を含ん
だケミカル酸化膜を形成できるためである。また、サン
プルとなるシリコンウェハにおいて、抵抗率として0.
1〜50Ωcmのものが最も好ましい。本発明におい
て、この抵抗率の範囲のものを選択するのは、抵抗率が
上記範囲を上回った場合には、空乏層幅が、最も波長が
短い光の侵入深さよりも大きくなり、SPVプロットの
直線性が損なわれる問題が発生して測定が困難となり、
逆に上記範囲を下回った場合、空乏層の電界が小さく、
SPVが発生しなくなり測定が困難となるからである。
ては、酸素濃度として0.5〜2.0×1018/cc
のものを用いることが好ましい。
しては、例えばAl(NO3)3を用いることができ
る。本発明においては特にAl(NO3)3が選択した
のは、この物質が、原子吸光分析用の標準用液として販
売されており、不純物が少ないものだからであり、この
ような特徴を有する物質であれば、上記物質に置き換え
て使用することもできる。この例としては、AlCl3
等があげられる。また、弱酸化性水溶液へのAl塩の添
加量としては、0.001〜10ppmの範囲が望まし
く、添加量が上記範囲を上回った場合、SPV値が大き
くなりすぎてしまうため、得られる拡散長の値が、本来
よりも高い値となってしまう問題が発生して好ましくな
く、一方、下回った場合は、空乏層を増加させる効果が
小さく、測定誤差が大きくなる問題が発生して好ましく
ない。
弱酸化性水溶液への浸漬時間としては、30秒から20
分間の範囲が好ましい。浸漬時間がこの範囲より短い
と、Al原子を含んだケミカル酸化膜が十分に形成され
ない問題があり好ましくない。逆に上記範囲より長い
と、処理時間が長くなるだけで得られる効果は変わらな
く、これも好ましくない。シリコンウェハを浸漬する弱
酸化性水溶液の温度は、室温で用いられるが、沸騰ない
し氷結しない温度の範囲であれば使用可能である。
光電圧測定値から、次の手順によって拡散長を求めるこ
とができる。SPV値(ΔV)と照射光の侵入深さ(α
−1)には、次の関係がある。 Φeff/ΔV=A(S+D/L)(1+α−1*1/
L) 拡散長の測定時、ΦeffおよびA(S+D/L)の部
分は一定と考えてよいので、各波長の侵入深さ(α−
1)に対して、Φeff/ΔVをプロットすると、Φe
ff/ΔV=0となるα−1の値が拡散長Lとなる。
してAlを用いるため、表面処理によってウェハを汚染
し、拡散長値を変えてしまう可能性が考えられる。しか
し、室温でのSi中のAlの拡散速度は非常に遅いた
め、ウェハ内部に拡散する可能性は極めて低い。従っ
て、本発明による拡散長値を算出するにあたってAl元
素の存在を考慮する必要は無い。
方法において用いられる光電圧測定装置について説明す
る。図1が、本発明で用いることのできる光電圧測定装
置である。図において、表面に弱酸化性水溶液処理によ
って自然酸化膜2が生成したシリコンウェハ1を、金属
電極からなる試料台4上に載せ、シリコンウェハ1の上
方には適当な間隔を置いて、ガラス板5aの表裏に透明
電極5b、5cを形成してなる透明な測定電極5を対向
配置させ、測定電極5の上方からウェハ1の表面に光ビ
ームを断続的に照射させるようになっている。そしてこ
の装置においては照射する光の波長は自在に変更可能と
なっている。この装置においては、測定電極5とウェハ
1との間に容量が形成されており、光ビームがウェハに
照射されると、透明電極5bと金属電極4との間に、基
板表面の空乏層の広がりに応じた光電圧が発生するの
で、これを電圧測定器6で測定することによって、SP
V値を測定することができる。
ウェハを測定する最も好ましい方法は以下の通りであ
る。まず、サンプルとなるシリコンウェハを、Al(N
O3)3 を0.001〜10ppmの範囲で添加した
弱酸化性水溶液であるSC−1中に浸漬する。この際の
弱酸化性水溶液の温度を65℃とし、10分間、弱酸化
性溶液に浸漬したシリコンウェハを取り出し、室温にて
乾燥した後、図1に見られる測定装置にセットする。装
置の上方から、ハロゲンランプの光源を用い光度101
2〜1014フォトン/cm2・secで、波長0.8
μmの光をパルス状に照射した後、電圧計6で光電圧を
測定する。次いで、光の波長を1μmに変更して、同様
に光電圧を測定する。以下同様にして、所要の波長の光
を用いて光電圧を測定する。
17atoms/ccのnタイプCZ−Si(100)
ウェハに対して強制的にFe汚染を施した。このサンプ
ルシリコンウェハを、1ppmのAl(NO3)3を添
加した温度65℃のSC−1溶液に600秒間浸漬し、
シリコンウェハ表面に1.5nmの自然酸化膜を形成し
た。このサンプルであるシリコンウェハを図1に示す測
定装置にセットし、波長0.8μmの光を照射したとこ
ろ、4mVの光電圧が観測された。また、波長を1μm
に変更して同様に測定したところ、1mVの光電圧が観
測された。
シリコンウェハ中のFe元素の濃度と少数キャリア拡散
長との関係を図3に示す。また、図4には、表面処理な
しで測定できなかったウェハについて測定した少数キャ
リア拡散長を示している。図3より、Fe濃度の増加と
ともに小数キャリア拡散長が低下していることがわか
る。また、図4から、強制Fe汚染を行っていないウェ
ハについては、本発明による方法と、本発明による方法
を用いないで測定した小数キャリア拡散長が、ほぼ同じ
値を示していることがわかる。これにより、ウェハの金
属汚染量の大小に関わらず、本発明による方法を用いる
ことにより、正しい少数キャリア拡散長の測定が可能で
あることを確認できた。
十分な効果しか得られないもの、または、酸化処理が必
要なもののみであったが、本発明を用いることにより、
nタイプウェハについて、簡便に、少数キャリア拡散長
の測定を行うことが可能となった。
る光電圧測定装置の概略図。
って生ずる空乏層拡大効果を説明するための図。
ロット直線性を示す図。
拡散長の関係を示す図。
の比較を示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】抵抗率が0.1〜50Ωcmのnタイプシ
リコンウェーハを、0.001〜10ppmのAl塩を
添加した弱酸化性水溶液に、30秒〜20分間浸漬した
後、SPV法を用いて光電圧を測定することを特徴とす
るnタイプウェーハの少数キャリア拡散長測定法 - 【請求項2】上記Al塩を添加した弱酸化性水溶液が、
Al(NO3)3を添加したSC−1溶液であることを
特徴とする請求項1に記載のnタイプウェーハの少数キ
ャリア拡散長測定法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001074845A JP2002280431A (ja) | 2001-03-15 | 2001-03-15 | nタイプウェーハの少数キャリア拡散長測定法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001074845A JP2002280431A (ja) | 2001-03-15 | 2001-03-15 | nタイプウェーハの少数キャリア拡散長測定法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002280431A true JP2002280431A (ja) | 2002-09-27 |
Family
ID=18932035
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001074845A Withdrawn JP2002280431A (ja) | 2001-03-15 | 2001-03-15 | nタイプウェーハの少数キャリア拡散長測定法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002280431A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005217131A (ja) * | 2004-01-29 | 2005-08-11 | Kyocera Corp | 太陽電池およびこれを用いた太陽電池モジュール |
JP2011238656A (ja) * | 2010-05-06 | 2011-11-24 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 金属汚染評価用シリコンウエーハ及び金属汚染評価用シリコンウエーハの製造方法 |
JP2013051330A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-14 | Covalent Silicon Co Ltd | n型シリコンウェハの少数キャリア拡散長測定の前処理方法 |
-
2001
- 2001-03-15 JP JP2001074845A patent/JP2002280431A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011238656A (ja) * | 2010-05-06 | 2011-11-24 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 金属汚染評価用シリコンウエーハ及び金属汚染評価用シリコンウエーハの製造方法 |
JP2013051330A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-14 | Covalent Silicon Co Ltd | n型シリコンウェハの少数キャリア拡散長測定の前処理方法 |
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