JP2002280218A - 積層型電子部品および通信機器 - Google Patents

積層型電子部品および通信機器

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JP2002280218A
JP2002280218A JP2002002675A JP2002002675A JP2002280218A JP 2002280218 A JP2002280218 A JP 2002280218A JP 2002002675 A JP2002002675 A JP 2002002675A JP 2002002675 A JP2002002675 A JP 2002002675A JP 2002280218 A JP2002280218 A JP 2002280218A
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inductor
electrode
electronic component
circuit
multilayer electronic
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JP2002002675A
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English (en)
Inventor
Takehiko Yamakawa
岳彦 山川
Toshio Ishizaki
俊雄 石崎
Toru Yamada
徹 山田
Shoichi Kitazawa
祥一 北沢
Tomoyuki Iwasaki
智之 岩崎
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型でインピーダンスの高いインダクタと近
接に配置した複数のインダクタが相互結合しない積層型
電子部品を提供する。 【解決手段】 インダクタ電極108の上面近傍に接地
電極を設けず、近接した複数のインダクタ電極108,
109間に接地電極を配置し、高いインピーダンスを得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話などの移
動体通信機器に使用される積層型電子部品等に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信機器の小型化に伴い、積層型
電子部品は携帯電話機などの回路に多く用いられてい
る。積層型電子部品は積層体内にはインダクタやキャパ
シタを有し、フィルタやスイッチング回路などが構成さ
れ、上部にはSAWや半導体などが実装され複合デバイ
スを一体化することにより更なる小型化が実現できる。
【0003】以下に図面を参照しながら、上記した従来
の積層型電子部品の一例について説明する。
【0004】図13は従来の積層型電子部品の内部構造
である。積層型電子部品は誘電体層1301から誘電体
層1304がそれぞれ積層されている。誘電体層130
2には接地電極1305が配置され、誘電体層1303
にはインダクタ電極1306、1307が配置され、誘
電体層1304には接地電極1308が配置されてい
る。また、誘電体層1301には外付けインダクタ13
09が誘電体層1302のビアホールを介してインダク
タ電極1306に接続されている。また接地電極130
5と接地電極1308は側面電極1310と接続されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、インダクタ電極1306、1307が接
地電極1305、1306と近接しているためインピー
ダンスが低くなってしまい、高いインピーダンスを必要
とする際には外付けインダクタ1309を別途接続する
必要があるという問題点を有していた。
【0006】またインダクタ電極1306とインダクタ
電極1307とが近接しており、電磁界結合するため、
インダクタ電極間のアイソレーションを良好に保てない
という問題点を有していた。
【0007】本発明は上記問題点に鑑み、外付けインダ
クタを用いず積層体内で大きいインピーダンスをもった
インダクタを提供すること、互いに影響することが少な
い近接した複数のインダクタを提供することが可能な積
層型電子部品を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の本発明(請求項1に対応)は、複数の誘電
体シートを積層して一体化してなる積層体と、前記積層
体内の、異なる、前記誘電体シート間に設けられた複数
の接地電極と、前記積層体内の、前記複数の接地電極が
設けられていない前記誘電体シート面に設けられたイン
ダクタ電極とを備え、前記インダクタ電極の全部または
一部は、前記複数の接地電極により挟まれないように配
置されている積層型電子部品である。
【0009】また、第2の本発明(請求項2に対応)
は、前記複数の接地電極により挟まれない前記インダク
タ電極の一部とは、一個のインダクタ電極の一部分であ
る第1の本発明の積層型電子部品である。
【0010】また、第3の本発明(請求項3に対応)
は、前記複数の接地電極により挟まれない前記インダク
タ電極の一部とは、複数個のインダクタ電極の内一つま
たは複数個である第1の本発明の積層型電子部品であ
る。
【0011】また、第4の本発明(請求項4に対応)
は、前記複数の接地電極により挟まれない前記インダク
タ電極の全部または一部は、前記複数の接地電極に挟ま
れない誘電体シートに配置されている第1の本発明の積
層型電子部品である。
【0012】また、第5の本発明(請求項5に対応)
は、前記複数の接地電極により挟まれない前記インダク
タ電極の全部または一部は、前記複数の接地電極に挟ま
れる誘電体シートに配置されている第1の本発明の積層
型電子部品である。
【0013】また、第6の本発明(請求項6に対応)
は、前記複数の接地電極により挟まれない前記インダク
タ電極の一部は、前記接地電極に形成されたスロット
が、前記インダクタ電極と重なることにより形成される
第1または第2の本発明の積層型電子部品である。
【0014】また、第7の本発明(請求項7に対応)
は、前記複数の接地電極により挟まれない前記インダク
タ電極の全部は、前記接地電極に形成された、前記イン
ダクタ電極と実質同一の形状を有するスロットが、前記
インダクタ電極と重なることにより形成される第1また
は第3の本発明の積層型電子部品である。
【0015】また、第8の本発明(請求項8に対応)
は、前記複数の接地電極により挟まれない前記インダク
タ電極の一部および他の残りの部分は、同一の前記誘電
体シート上に配置されている第2または第3の本発明の
積層型電子部品である。
【0016】また、第9の本発明(請求項9に対応)
は、複数の誘電体シートを積層して一体化してなる積層
体と、前記積層体内の、異なる、前記誘電体シート間に
設けられた複数の接地電極と、前記積層体内の、前記複
数の接地電極が設けられていない前記誘電体シート面に
設けられた複数のインダクタ電極と、前記複数のインダ
クタ電極の間に設けられた、内部接地電極とを備えた積
層型電子部品である。
【0017】また、第10の本発明(請求項10に対
応)は、前記内部接地電極は、ビアホールを介して前記
複数の接地電極と接続している第9の本発明の積層型電
子部品である。
【0018】また、第11の本発明(請求項11に対
応)は、前記複数のインダクタ電極の全部または一部
は、同一の前記誘電体シート上に配置された第9の本発
明の積層型電子部品である。
【0019】また、第12の本発明(請求項12に対
応)は、前記スロットの延伸する方向は、前記インダク
タ電極の延伸する方向と直交する第6の本発明の積層型
電子部品である。
【0020】また、第13の本発明(請求項13に対
応)は、前記インダクタ電極はスパイラル形状である第
12の本発明の積層型電子部品である。
【0021】また、第14の本発明(請求項14に対
応)は、前記インダクタ電極はメアンダ形状である第1
2の本発明の積層型電子部品である。
【0022】また、第15の本発明(請求項15に対
応)は、前記複数の接地電極により挟まれないように配
置されている前記インダクタ電極の全部または一部で形
成されるインダクタは、チョークコイルとして用いられ
る第1の本発明の積層型電子部品である。
【0023】また、第16の本発明(請求項16に対
応)は、前記複数の接地電極により挟まれない前記イン
ダクタ電極の一部で形成されるインダクタはローパスフ
ィルタで用いられ、前記一部以外のインダクタ電極で形
成されるインダクタはハイパスフィルタで用いられる第
3の本発明の積層型電子部品である。
【0024】また、第17の本発明(請求項17に対
応)は、前記複数の接地電極により挟まれない前記イン
ダクタ電極の一部で形成されるインダクタはバンドパス
フィルタで用いられ、前記一部以外のインダクタ電極で
形成されるインダクタはハイパスフィルタで用いられる
第3の本発明の積層型電子部品である。
【0025】また、第18の本発明(請求項18に対
応)は、前記複数の接地電極により挟まれない前記イン
ダクタ電極の一部で形成されるインダクタはローパスフ
ィルタで用いられ、前記一部以外のインダクタ電極で形
成されるインダクタはバンドパスフィルタで用いられる
第3の本発明の積層型電子部品である。
【0026】また、第19の本発明(請求項19に対
応)は、前記複数の接地電極により挟まれない前記イン
ダクタ電極の一部で形成される第1のインダクタはバン
ドパスフィルタで用いられ、前記一部以外のインダクタ
電極で形成されるインダクタは、前記第1のインダクタ
電極で形成されるインダクタを用いたバンドパスフィル
タより高い周波数帯域のバンドパスフィルタで用いられ
る第3の本発明の積層型電子部品である。
【0027】また、第20の本発明(請求項20に対
応)は、前記複数の接地電極により挟まれない前記イン
ダクタ電極の一部で形成されるインダクタはGSMの回
路で用いられ、前記一部以外のインダクタ電極で形成さ
れるインダクタは、DCSの回路で用いられる第3の本
発明の積層型電子部品である。
【0028】また、第21の本発明(請求項21に対
応)は、前記複数の接地電極により挟まれない前記イン
ダクタ電極の一部で形成されるインダクタはAMPSの
回路で用いられ、前記一部以外のインダクタ電極で形成
されるインダクタは、CDMA2000の回路で用いら
れる第3の本発明の積層型電子部品である。
【0029】また、第22の本発明(請求項22に対
応)は、前記複数の接地電極により挟まれない前記イン
ダクタ電極の一部で形成されるインダクタはPDCの回
路で用いられ、前記一部以外のインダクタ電極で形成さ
れるインダクタは、W−CDMAの回路で用いられる第
3の本発明の積層型電子部品である。
【0030】また、第23の本発明(請求項23に対
応)は、前記複数の接地電極により挟まれない前記イン
ダクタ電極の一部で形成されるインダクタはGSMの回
路で用いられ、前記一部以外のインダクタ電極で形成さ
れるインダクタは、W−CDMAの回路で用いられる第
3の本発明の積層型電子部品である。
【0031】また、第24の本発明(請求項24に対
応)は、前記複数の接地電極により挟まれない前記イン
ダクタ電極の一部で形成されるインダクタはDCSの回
路で用いられ、前記一部以外のインダクタ電極で形成さ
れるインダクタは、W−CDMAの回路で用いられる第
3の本発明の積層型電子部品である。
【0032】また、第25の本発明(請求項25に対
応)は、信号をアンテナより受信する、少なくとも低雑
音増幅器、フィルタおよびミキサを有する受信手段と、
信号を前記アンテナより送信する、少なくともミキサ、
フィルタおよびパワーアンプを有する送信手段と、前記
アンテナと、前記受信手段または前記送信手段との接続
を切り替えるアンテナスイッチとを備え、前記送信手段
のフィルタ、前記受信手段のフィルタ、前記アンテナス
イッチの全部または一部に第1から第24のいずれかの
本発明の積層型電子部品を用いた通信機器である。
【0033】以上のような本発明の積層型電子部品は、
その一例として、インダクタ電極の片面の接地電極を取
り除くという構成としたものである。
【0034】また、その一例として、近接した複数のイ
ンダクタ電極間に設置電極からのビアホールを設ける構
成、または接地電極を設ける構成としたものである。
【0035】また、その一例として、インダクタ電極と
近接する接地電極に、インダクタ電極と垂直にスロット
を備えた構成としたものである。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0037】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1における積層型電子部品の内部構造を示す図であ
る。図1において、101〜104は誘電体層、10
5、106は接地電極、107、108はインダクタ電
極、109は内部接地電極である。
【0038】本実施の形態において、積層型電子部品の
本体となる積層セラミック体は、一例として、Mg2
iO4からなる結晶相とSi−Ba−La−B−O系か
らなるガラス相で構成される比誘電率が7.2の誘電体
層101〜104が積層されているものであり、誘電体
層103の主面には、インダクタ電極107とインダク
タ電極108とが設けられ、さらにインダクタ電極10
7とインダクタ電極108との間に内部接地電極109
が配置されている。また誘電体層104には、そのほぼ
全面に接地電極106が配置され、誘電体層102の主
面にはインダクタ電極108の上面には重ならない様に
接地電極105が配置され、接地電極105と接地電極
106と内部接地電極109とは、側面電極110によ
って接続されている。
【0039】図2は、図1に示す本実施の形態の複数の
積層インダクタを用いた積層型電子部品の一例であり、
ローパスフィルタとバンドパスフィルタとを備えた分波
器の等価回路図である。図2において、201はバンド
パスフィルタ部を表し、202はローパスフィルタ部を
表し、212はアンテナを表している。また、バンドパ
スフィルタ部201において、203はチョークコイ
ル、204はバイパスコンデンサ、205はバラクタダ
イオード、206はコンデンサ、207は共振器、20
8は印加電圧ポート、209a、bは結合コンデンサで
ある。また、ローパスフィルタ部202において、21
0は結合インダクタ、211a、bは並列コンデンサで
ある。
【0040】バンドパスフィルタ部201は、結合コン
デンサ209a、bを複数直列接続し、結合コンデンサ
209a、bのそれぞれの間から並列に共振器207が
接続された共振周波数可変構造のバンドパスフィルタで
ある。チョークコイル203は高周波信号を阻止するた
めにあり、バイパスコンデンサ204は高周波電位をも
たないようにする為に高周波的に短絡する様に設けられ
ている。
【0041】ローパスフィルタ部202は、結合インダ
クタ210を、結合コンデンサ209a、bに直列に配
し、その両端からそれぞれ並列に並列コンデンサ211
a、bが接続されている。
【0042】以上のように構成された本実施の形態の積
層型電子部品について、その動作を説明する。
【0043】図1に示す積層型電子部品において、積層
型スパイラル状の線路電極として形成されたインダクタ
電極107、108は、その線路幅、線路幅間隔、電極
の導電率、接地電極105または106までの間隔、誘
電体層102,103等の誘電率などの要素よりインダ
クタとしてのインピーダンスが決定される。
【0044】一方、図2に示す分波器においては、印加
電圧ポート208から与えた電圧によりバラクタダイオ
ード205にかかる電圧が変わり、共振器207にかか
る容量が変化することにより共振器207の共振周波数
を変化させることができる。
【0045】ここで図1のインダクタ電極108は、図
2のチョークコイル203として動作し、インダクタ電
極107は、結合インダクタ210として動作するもの
として表わされている。
【0046】チョークコイル203は高周波信号を阻止
するための手段であることから、フィルタなどのRF回
路を構成するインダクタと比べ、より高いインピーダン
スが必要となる。
【0047】そこでチョークコイル203用のインダク
タ電極108は、その下面となる誘電体層104に設け
られた接地電極106のみと対向している。すなわち、
インダクタ電極108の上面となる誘電体層101,1
02において、インダクタ電極108と対向する面に
は、接地電極を設けず、インダクタ電極108が2つの
接地電極に挟まれないようにした。これにより、インダ
クタ電極108は、少なくとも2つの接地電極の一方か
ら遠ざかって配置されることとなり、接地電極に挟まれ
るよう配置されたインダクタ電極よりも、高いインピー
ダンスを得ることができる。
【0048】また、結合インダクタ210用のインダク
タ電極107にはその上下面となる誘電体層104,1
02のいずれにも接地電極106、105を設け、これ
ら2つの接地電極に挟まれ、近接されるように配置し
た。これにより高いアイソレーションを得ている。
【0049】ここで、図1の積層電子部品においては、
誘電体層102において、誘電体層103のインダクタ
電極108が配置された部分と対向する部分には、接地
電極を設けないようにして、インダクタ電極108が2
つの接地電極に挟まれない構成を実現したが、図15に
示すように、誘電体層102のほぼ全面に接地電極を設
けた構成としてもよい。このとき、誘電体層102に設
けられた電極層105には、スロット105aを開口す
る。スロット105aはインダクタ電極108と実質同
一の形状を有し、積層電子部品内において、インダクタ
電極108と、スロット105aは対向するが、接地電
極105の金属部分とインダクタ電極108は対向する
ことがない。したがって、図1に示す例と同様、インダ
クタ電極108は、2つの接地電極に挟まれないように
配置されることとなり、接地電極に挟まれるよう配置さ
れたインダクタ電極よりも、高いインピーダンスを得る
ことができる。
【0050】次に、このような積層電子部品の小型化の
ためには、これら複数のインダクタを同一誘電体層もし
くは近接した層に配置する必要がある。
【0051】しかし複数のインダクタ電極が同一誘電体
層または近傍に配置されると、インダクタ電極同士の結
合により回路が十分に動作しない恐れがある。
【0052】そこで、本実施の形態においては、内部接
地電極109を、インダクタ電極107とインダクタ電
極108との間に配置し、その両端を側面電極110で
接続するようにしている。これにより、インダクタ電極
107と108との相互結合を抑圧することができる。
ただし、図示しないが、内部接地電極109を省いた構
成も本実施の形態に属する。また、接地電極105が誘
電体層102のほぼ全面に設けられ、インダクタ電極1
08および107の両方が接地電極間に挟まれており、
内部接地電極109がインダクタ電極108および10
7と同一の誘電体シートに設けられた構成も、本実施の
形態に属する。
【0053】なお、図1においては、内部接地電極10
9と、接地電極105および接地電極106とは側面電
極110で接続されているが、インダクタ電極107と
インダクタ電極108との間に複数個のビアホールを設
け、このビアホールにより接地電極105と接地電極1
06とを接続しても同様の効果が得られる。
【0054】また、上記の説明においては、本実施の形
態による積層電子部品は、ローパスフィルタとバンドパ
スフィルタとを備えた分波器において用いるものとして
説明を行ったが、これはローパスフィルタとハイパスフ
ィルタとを備えた分波器で用いるようにしてもよい。
【0055】このとき、インダクタ電極107により形
成されるインダクタをハイパスフィルタに用い、インダ
クタ電極108により形成されるインピーダンスが大き
いインダクタはローパスフィルタに用いるのが望まし
い。信号の通過帯域はローパスフィルタの方が低いた
め、ローパスフィルタにおけるインダクタの方がハイパ
スフィルタにおけるインダクタよりインピーダンスが大
きいインダクタが必要となるからである。これにより最
適なインピーダンスのインダクタをもった積層型電子部
品が実現できる。
【0056】また、バンドパスフィルタとハイパスフィ
ルタとを備えた分波器で用いるようにしてもよい。
【0057】このとき、インダクタ電極107により形
成されるインダクタをハイパスフィルタに用い、インダ
クタ電極108により形成されるインピーダンスが大き
いインダクタを、ハイパスフィルタよりも通過帯域の低
いバンドパスフィルタに用いるのが望ましい。これは、
バンドパスフィルタにおけるインダクタの方がハイパス
フィルタにおけるインダクタよりインピーダンスが大き
いインダクタが必要となるからである。これにより、最
適なインピーダンスのインダクタをもった積層型電子部
品が実現できる。
【0058】また、ローパスフィルタとバンドパスフィ
ルタとを備えた分波器で用いるようにしてもよい。
【0059】このとき、インダクタ電極107により形
成されるインダクタをバンドパスフィルタに用い、イン
ダクタ電極108により形成されるインピーダンスが大
きいインダクタをローパスフィルタに用いるのが望まし
い。これは、通過帯域はローパスフィルタの方が低いた
め、ローパスフィルタにおけるインダクタの方がバンド
パスフィルタにおけるインダクタよりインピーダンスが
大きいインダクタが必要となるからである。これによ
り、最適なインピーダンスのインダクタをもった積層型
電子部品が実現できる。
【0060】また、互いに異なる周波数帯域をもつ二つ
のバンドパスフィルタを備えた分波器で用いるようにし
てもよい。
【0061】このとき、インダクタ電極107により形
成されるインダクタを一方のバンドパスフィルタに用
い、インダクタ電極108により形成されるインピーダ
ンスがより大きい方のインダクタを、一方のバンドパス
フィルタよりも通過帯域の低いバンドパスフィルタに用
いるのが望ましい。これは、低域側のバンドパスフィル
タにおけるインダクタの方が高域側のバンドパスフィル
タにおけるインダクタよりインピーダンスが大きいイン
ダクタが必要となるからである。これにより、最適なイ
ンピーダンスのインダクタをもった積層型電子部品が実
現できる。
【0062】また、DCS側の回路とGSM側の回路と
を備えた分波器で用いるようにしてもよい。ここで図5
は図1に示す本実施の形態の複数の積層インダクタを用
いた積層型電子部品の一例であり、GSMの回路とDC
Sの回路とを備えた分波器の等価回路図である。図5に
おいて、516はGSM回路、517はDCS回路、5
05はアンテナ端子である。また、GSM回路516に
おいて、501は第1のローパスフィルタ、503は第
2のローパスフィルタ、512はGSM送信回路、51
3はGSM受信回路、506はGSM送信端子、507
はGSM受信端子、510はコントロール端子である。
また、DCS回路517において、502はハイパスフ
ィルタ、504は第3のローパスフィルタ、508はD
CS送信端子、509はDCS受信端子、511はコン
トロール端子、514はDCS送信回路、515はDC
S受信回路である。
【0063】また、図16は、図5に示す分波器のブロ
ック構成図であり、図において、図5に対応する部分は
同一符号を付し、詳細な説明は省略する。またGSM回
路はGSM送信回路512およびGSM受信回路513
を含み、DCS側スイッチ回路はDCS送信回路514
およびDCS受信回路515を含んでいる。
【0064】このような分波器の動作は、次の通りであ
る。アンテナ端子505から入力した信号は、第1のロ
ーパスフィルタ501とハイパスフィルタ502でGS
M回路516とDCS回路517に分けられる。GSM
回路では、コントロール端子510の印加電圧により、
GSM送信回路512かGSM受信回路513かどちら
かを動作させるかが選択される。同様にコントロール端
子511の印加電圧によりDCS送信回路514かDC
S受信回路515かどちらを動作させるかが選択され
る。
【0065】このとき、第1のローパスフィルタ内50
1のインダクタLgは、ハイパスフィルタ502内のイ
ンダクタLpと比べ、より高いインピーダンスが必要と
なる。
【0066】そこで、図1や図15に示す本実施の形態
のインダクタ電極108を、第1のローパスフィルタ5
01内に構成されるインダクタLgとして用い、インダ
クタ電極107を、ハイパスフィルタ502内に構成さ
れるインダクタLpとして用いるものとすればよい。
【0067】また、インダクタ電極107を、DCS受
信回路515内に構成されるインダクタL12として用
い、インダクタ電極108を、GSM受信回路513内
に構成されるインダクタL6として用いるものとしても
よい。
【0068】また、インダクタ電極107を、DCS送
信回路514内に構成されるインダクタL11として用
い、インダクタ電極108を、GSM送信回路513内
に構成されるインダクタL3として用いるものとしても
よい。
【0069】さらに、インダクタ電極107を、第3の
ローパスフィルタ504内に構成されるインダクタL7
として用い、インダクタ電極108を、第2のローパス
フィルタ503内に構成されるインダクタL2として用
いるものとしてもよい。
【0070】要するに、インダクタ電極107により形
成されるインダクタはDCS側の回路に用い、インダク
タ電極108により形成されるインピーダンスが大きい
インダクタはGSM側の回路に用いるのが望ましい。こ
れは、図3に示すように、通過帯域はGSM側の回路の
方が低いため、GSM側の回路におけるインダクタの方
がDCS側の回路におけるインダクタよりインピーダン
スが大きいインダクタが必要となるからである。
【0071】さらに、DCS回路517において、イン
ダクタ電極107を、ハイパスフィルタ502内に構成
されるインダクタLp、第3のローパスフィルタ504
内に構成されるインダクタL7、DCS受信回路515
内に構成されるインダクタL12の全部または一部とし
て用い、インダクタ電極108を、DCS送信回路51
4内に構成されるインダクタLcc2として用いるもの
としてもよい。
【0072】また、GSM回路516において、インダ
クタ電極107を、第1のローパスフィルタ501内に
構成されるインダクタLg、第2のローパスフィルタ5
03内に構成されるインダクタL2、GSM受信回路5
13内に構成されるインダクタL6の全部または一部と
して用い、インダクタ電極108を、GSM送信回路5
12内に構成されるインダクタLcc1として用いるも
のとしてもよい。
【0073】要するに、インダクタ電極107により形
成されるインダクタは通常のインダクタを含む回路に用
い、インダクタ電極108により形成されるインピーダ
ンスが大きいインダクタはチョークコイルを含む回路に
用いるのが望ましい。 これは、図2の分波器の場合と
同様、チョークコイルLcc1、Lcc2は高周波信号
を阻止するための手段であることから、フィルタなどの
RF回路を構成するインダクタと比べ、より高いインピ
ーダンスが必要となるからである。
【0074】このように、最適なインピーダンスのイン
ダクタをもった積層型電子部品が実現できる。
【0075】また、これはCDMA2000側の回路と
AMPS側の回路とを備えた分波器で用いるようにして
もよい。
【0076】このとき、インダクタ電極107により形
成されるインダクタはCDMA2000側の回路に用
い、インダクタ電極108により形成されるインピーダ
ンスがより大きいインダクタはAMPS側の回路に用い
るのが望ましい。これは、図3に示すように、通過帯域
はAMPS側の回路の方が低いため、AMPS側の回路
におけるインダクタの方がCDMA2000側の回路に
おけるインダクタよりインピーダンスが大きいインダク
タが必要となるからである。これにより、最適なインピ
ーダンスのインダクタをもった積層型電子部品が実現で
きる。
【0077】また、W−CDMA側の回路とPDC側の
回路とを備えた分波器で用いるようにしてもよい。この
とき、インダクタ電極107により形成されるインダク
タはW−CDMA側の回路に用い、インダクタ電極10
8により形成されるインピーダンスが大きいインダクタ
はPDC側の回路に用いるのが望ましい。これは、図3
のように通過帯域はPDC側の回路の方が低いため、P
DC側の回路におけるインダクタの方がW−CDMA側
の回路におけるインダクタよりインピーダンスが大きい
インダクタが必要となるからである。これにより、最適
なインピーダンスのインダクタをもった積層型電子部品
が実現できる。
【0078】また、W−CDMA側の回路とGSM側の
回路とを備えた分波器で用いるようにしてもよい。この
とき、インダクタ電極107により形成されるインダク
タはW−CDMA側の回路に用い、インダクタ電極10
8により形成されるインピーダンスが大きいインダクタ
はGSM側の回路に用いるのが望ましい。図3に示すよ
うに通過帯域はGSM側の回路の方が低いため、GSM
側の回路におけるインダクタの方がW−CDMA側の回
路におけるインダクタよりインピーダンスが大きいイン
ダクタが必要となるからである。これにより、最適なイ
ンピーダンスのインダクタをもった積層型電子部品が実
現できる。
【0079】また、W−CDMA側の回路とDCS側の
回路とを備えた分波器で用いるようにしてもよい。この
とき、インダクタ電極107により形成されるインダク
タはW−CDMA側の回路に用い、インダクタ電極10
8により形成されるインピーダンスが大きいインダクタ
はDCS側の回路に用いるのが望ましい。これは、図3
に示すように、通過帯域はDCS側の回路の方が低いた
め、DCS側の回路におけるインダクタの方がW−CD
MA側の回路におけるインダクタよりインピーダンスが
大きいインダクタが必要となるからである。これによ
り、最適なインピーダンスのインダクタをもった積層型
電子部品が実現できる。
【0080】(実施の形態2)つぎに本発明の実施の形
態2について説明を行う。ただし、第1の実施の形態と
共通する点については詳細な説明を省略し、相違する点
について説明する。
【0081】図4は本発明の実施の形態2における積層
型電子部品の内部構造を示す図である。図4において、
401〜405は誘電体層、406、407は接地電
極、408、409はインダクタ電極である。
【0082】本実施の形態において、積層型電子部品の
本体となる積層セラミック体は、一例として、Mg2
iO4からなる結晶相とSi−Ba−La−B−O系か
らなるガラス相で構成される比誘電率が7.2の誘電体
層401〜405が積層されているものであり、誘電体
層402の主面にはインダクタ電極408が、誘電体層
404の主面にはインダクタ電極409が、それぞれ配
置されている。また誘電体層403、405には、その
ほぼ全面に接地電極406、407が配置され、接地電
極406と接地電極407は側面電極410によって接
続されている。
【0083】図5は図4に示す本実施の形態の複数の積
層インダクタを用いた積層型電子部品の一例であり、G
SMの回路とDCSの回路とを備えた分波器の等価回路
図である。図5において、516はGSM回路、517
はDCS回路、505はアンテナ端子である。また、G
SM回路516において、501は第1のローパスフィ
ルタ、503は第2のローパスフィルタ、512はGS
M送信回路、513はGSM受信回路、506はGSM
送信端子、507はGSM受信端子、510はコントロ
ール端子である。また、DCS回路517において、5
02はハイパスフィルタ、504は第3のローパスフィ
ルタ、508はDCS送信端子、509はDCS受信端
子、511はコントロール端子、514はDCS送信回
路、515はDCS受信回路である。
【0084】以上のように構成された本実施の形態によ
る積層型電子部品について、その動作を説明する。
【0085】図4に示す積層型電子部品において、積層
型スパイラル状の線路電極として形成されたインダクタ
電極408、409は、その線路幅、線路幅間隔、電極
の導電率、接地電極406,407までの間隔、誘電体
層401〜404等の誘電率などの要素より積層型電子
部品としてのインピーダンスが決定される。
【0086】このとき、本実施の形態においては、イン
ダクタ電極408は、その下面となる誘電体層403に
設けられた接地電極406のみと対向している。すなわ
ち、インダクタ電極408の上面近傍となる誘電体層4
01には接地電極を設けず、インダクタ電極408が2
つの接地電極に挟まれないようにした。
【0087】これにより、インダクタ電極408は、少
なくとも2つの接地電極の一方からは遠ざかって配置さ
れることとなり、接地電極に挟まれるよう配置されたイ
ンダクタ電極よりも高いインピーダンスを得ることがで
きる。
【0088】また、インダクタ電極409には、その上
下面となる誘電体層403,105のいずれにも接地電
極406、407を設け、これら2つの接地電極に挟ま
れ、近接されるように配置した。これにより、インダク
タ電極409は、高いアイソレーションを得ている。
【0089】ところで、小型化のためにはこれら複数の
インダクタを同一誘電体層もしくは近接した層に配置す
る必要がある。
【0090】しかし複数のインダクタ電極が同一誘電体
層または近傍に配置されると、インダクタ同士の結合に
より回路が十分に動作しない恐れがある。
【0091】そこで、本実施の形態においては、内部接
地電極406をインダクタ電極408とインダクタ電極
409との間に配置し、その縁部を側面電極410を介
して接地電極407と接続するようにしている。これに
より、インダクタ電極408と409との相互結合を抑
圧することができる。
【0092】一方、図5に示す分波器の動作は、次の通
りである。アンテナ端子505から入力した信号は、第
1のローパスフィルタ501とハイパスフィルタ502
でGSM回路516とDCS回路517に分けられる。
GSM回路では、コントロール端子510の印加電圧に
よりGSM送信回路512かGSM受信回路513かど
ちらかを動作させるかが選択される。同様にコントロー
ル端子511の印加電圧によりDCS送信回路514か
DCS受信回路515かどちらを動作させるかが選択さ
れる。
【0093】このとき、第1のローパスフィルタ内のイ
ンダクタLgは、ハイパスフィルタ内のインダクタLp
と比べ、より高いインピーダンスが必要となる。
【0094】そこで、図4のインダクタ電極408を、
第1のローパスフィルタ内に構成されるインダクタLg
として動作し、インダクタ電極409を、ハイパスフィ
ルタ内に構成されるインダクタLpとして動作するもの
とすればよい。
【0095】また、インダクタ電極409を、DCS受
信回路515内に構成されるインダクタL12として用
い、インダクタ電極408を、GSM受信回路513内
に構成されるインダクタL6として用いるものとしても
よい。
【0096】また、インダクタ電極409を、DCS送
信回路514内に構成されるインダクタL11として用
い、インダクタ電極408を、GSM送信回路512内
に構成されるインダクタL3として用いるものとしても
よい。
【0097】さらに、インダクタ電極409を、第3の
ローパスフィルタ504内に構成されるインダクタL7
として用い、インダクタ電極408を、第2のローパス
フィルタ503内に構成されるインダクタL2として用
いるものとしてもよい。
【0098】要するに、インダクタ電極409により形
成されるインダクタはDCS側の回路に用い、インダク
タ電極408により形成されるインピーダンスが大きい
インダクタはGSM側の回路に用いるのが望ましい。こ
れは、図3に示すように、通過帯域はGSM側の回路の
方が低いため、GSM側の回路におけるインダクタの方
がDCS側の回路におけるインダクタよりインピーダン
スが大きいインダクタが必要となるからである。
【0099】さらに、DCS回路517において、イン
ダクタ電極409を、ハイパスフィルタ502内に構成
されるインダクタLp、第3のローパスフィルタ504
内に構成されるインダクタL7、DCS受信回路515
内に構成されるインダクタL12の全部または一部とし
て用い、インダクタ電極408を、DCS送信回路51
4内に構成されるインダクタLcc2として用いるもの
としてもよい。
【0100】また、GSM回路516において、インダ
クタ電極409を、第1のローパスフィルタ501内に
構成されるインダクタLg、第2のローパスフィルタ5
03内に構成されるインダクタL2、GSM受信回路5
13内に構成されるインダクタL6の全部または一部と
して用い、インダクタ電極408を、GSM送信回路5
12内に構成されるインダクタLcc1として用いるも
のとしてもよい。
【0101】要するに、インダクタ電極409により形
成されるインダクタは通常のインダクタを含む回路に用
い、インダクタ電極408により形成されるインピーダ
ンスが大きいインダクタはチョークコイルを含む回路に
用いるのが望ましい。 これは、図2の分波器の場合と
同様、チョークコイルLcc1、Lcc2は高周波信号
を阻止するための手段であることから、フィルタなどの
RF回路を構成するインダクタと比べ、より高いインピ
ーダンスが必要となるからである。
【0102】このように、最適なインピーダンスのイン
ダクタをもった積層型電子部品が実現できる。
【0103】なお、上記の説明においては、本実施の形
態による積層電子部品は、DCSの回路とGSMの回路
を備えた分波器において用いるものとして説明を行った
が、これは、実施の形態1にて説明したようなローパス
フィルタとバンドパスフィルタとを備えた分波器で用い
るようにしてもよい。
【0104】このとき、インダクタ電極409により形
成されるインダクタをローパスフィルタに用い、インダ
クタ電極408により形成されるインピーダンスが大き
いインダクタは、上記のローパスフィルタよりも通過帯
域の低いバンドパスフィルタに用いるのが望ましい。バ
ンドパスフィルタにおけるインダクタの方がローパスフ
ィルタにおけるインダクタよりインピーダンスが大きい
インダクタが必要となるからである。これにより最適な
インピーダンスのインダクタをもった積層型電子部品が
実現できる。
【0105】また、バンドパスフィルタとローパスフィ
ルタとを備えた分波器で用いるようにしてもよい。
【0106】このとき、インダクタ電極409により形
成されるインダクタはバンドパスフィルタに用い、イン
ダクタ電極408により形成されるインピーダンスが大
きいインダクタを、ローパスフィルタに用いるのが望ま
しい。これは、通過帯域はローパスフィルタの方が低い
ため、ローパスフィルタにおけるインダクタの方がバン
ドパスフィルタにおけるインダクタよりインピーダンス
が大きいインダクタが必要となるからである。これによ
り、最適なインピーダンスのインダクタをもった積層型
電子部品が実現できる。
【0107】また、互いに異なる周波数帯域をもつ二つ
のバンドパスフィルタを備えた分波器で用いるようにし
てもよい。
【0108】このとき、インダクタ電極409により形
成されるインダクタを一方のバンドパスフィルタに用
い、インダクタ電極408により形成されるインピーダ
ンスがより大きい方のインダクタを、一方のバンドパス
フィルタよりも通過帯域の低いバンドパスフィルタに用
いるのが望ましい。これは、低域側のバンドパスフィル
タにおけるインダクタの方が高域側のバンドパスフィル
タにおけるインダクタよりインピーダンスが大きいイン
ダクタが必要となるからである。これにより、最適なイ
ンピーダンスのインダクタをもった積層型電子部品が実
現できる。
【0109】また、これはCDMA2000側の回路と
AMPS側の回路とを備えた分波器で用いるようにして
もよい。
【0110】このとき、インダクタ電極409により形
成されるインダクタはCDMA2000側の回路に用
い、インダクタ電極408により形成されるインピーダ
ンスがより大きいインダクタはAMPS側の回路に用い
るのが望ましい。これは、図3に示すように、通過帯域
はAMPS側の回路の方が低いため、AMPS側の回路
におけるインダクタの方がCDMA2000側の回路に
おけるインダクタよりインピーダンスが大きいインダク
タが必要となるからである。これにより、最適なインピ
ーダンスのインダクタをもった積層型電子部品が実現で
きる。
【0111】また、W−CDMA側の回路とPDC側の
回路とを備えた分波器で用いるようにしてもよい。この
とき、インダクタ電極409により形成されるインダク
タはW−CDMA側の回路に用い、インダクタ電極40
8により形成されるインピーダンスが大きいインダクタ
はPDC側の回路に用いるのが望ましい。これは、図3
のように通過帯域はPDC側の回路の方が低いため、P
DC側の回路におけるインダクタの方がW−CDMA側
の回路におけるインダクタよりインピーダンスが大きい
インダクタが必要となるからである。これにより、最適
なインピーダンスのインダクタをもった積層型電子部品
が実現できる。
【0112】また、W−CDMA側の回路とGSM側の
回路とを備えた分波器で用いるようにしてもよい。この
とき、インダクタ電極409により形成されるインダク
タはW−CDMA側の回路に用い、インダクタ電極40
8により形成されるインピーダンスが大きいインダクタ
はGSM側の回路に用いるのが望ましい。図3に示すよ
うに通過帯域はGSM側の回路の方が低いため、GSM
側の回路におけるインダクタの方がW−CDMA側の回
路におけるインダクタよりインピーダンスが大きいイン
ダクタが必要となるからである。これにより、最適なイ
ンピーダンスのインダクタをもった積層型電子部品が実
現できる。
【0113】また、W−CDMA側の回路とDCS側の
回路とを備えた分波器で用いるようにしてもよい。この
とき、インダクタ電極409により形成されるインダク
タはW−CDMA側の回路に用い、インダクタ電極40
8により形成されるインピーダンスが大きいインダクタ
はDCS側の回路に用いるのが望ましい。これは、図3
に示すように、通過帯域はDCS側の回路の方が低いた
め、DCS側の回路におけるインダクタの方がW−CD
MA側の回路におけるインダクタよりインピーダンスが
大きいインダクタが必要となるからである。これによ
り、最適なインピーダンスのインダクタをもった積層型
電子部品が実現できる。
【0114】(実施の形態3)図6は本発明の実施の形
態3における積層型電子部品の内部構造を示すものであ
る。図6において、601〜604は誘電体層、605
はインダクタ電極、606、607は接地電極、608
はスロットである。
【0115】本実施の形態において、積層型電子部品の
本体となる積層セラミック体は、一例として、Mg2
iO4からなる結晶相とSi−Ba−La−B−O系か
らなるガラス相で構成される比誘電率が7.2の誘電体
層601〜604が積層されてるものであり、誘電体層
603にはインダクタ電極605が配置されている。ま
た誘電体層602、604には、そのほぼ全面に接地電
極606、607が配置され、接地電極606には、誘
電体の積層面から見てインダクタ電極605の線路の延
伸方向と直交するようなスロット608a〜dが開口さ
れており、接地電極606と接地電極607とは、側面
電極609によって接続されている。
【0116】図7は、図6に示す本実施の形態の積層イ
ンダクタを用いた積層型電子部品の一例であり、図6の
積層電子部品をインダクタとしてチョークコイルに用い
た共振周波数調整装置の等価回路図である。図7におい
て、701は、インダクタ電極605にて実現されるチ
ョークコイル、702はバイパスコンデンサ、703は
バラクタダイオード、704はコンデンサ、705は共
振器、706は印加電圧ポートである。チョークコイル
701は高周波信号を阻止するためにあり、バイパスコ
ンデンサ702は高周波電位をもたないようにする為に
高周波的に短絡する様に設けられている。
【0117】図8は、誘電体層602上の接地電極60
6上に開口した1つのスロット608と誘電体層603
のインダクタ電極605の一部との位置関係を説明する
ための模式拡大図である。
【0118】以上のように構成された、本実施の形態の
積層型電子部品について、その動作を説明する。
【0119】スロット608(a、b、c、dのいずれ
でも可)上にはあらゆる電界が存在するが、その中で図
8(a)(b)内のX軸方向の電界となる、Ex成分の
電界がスロット608上の進行波(定在波)を表す。
【0120】ここで、スロット608の長さをLとした
ときのインダクタ電極605の一部である直線部分の単
純化された等価回路を図9に示す。図9には、インダク
タ電極605の一部であるストリップラインとスロット
608とがなす十字交差部の等価回路がインピーダンス
比n:1の理想トランス900で表されている。このイ
ンピーダンス比nは上記の十字交差部の不連続から、ス
ロット幅g、ストリップライン幅w、厚さt、スロット
長L、誘電体基板誘電率、周波数といった諸量から決定
される。
【0121】今スロットの長さLが、入力される信号の
波長に比べて十分小さいとすれば、図9の理想トランス
900によりインピーダンスがn倍されたストリップラ
インとスロットとの等価回路は、さらに図10に示すよ
うに伝送線路に直列に挿入されたインダクタンス100
0として表される。このインダクタンス1000によ
り、インダクタ電極605のインピーダンスは増加す
る。
【0122】これにより、インダクタ電極を長く引き回
すことなく高インピーダンスのインダクタを得ることが
でき、これを図7のチョークコイル701として用いる
ことにより、小型化した共振周波数調整器が得られる。
【0123】なお、インダクタ電極605は図11のよ
うに折り返し電極の連続形であるメアンダ型のインダク
タ電極1101とし、一直線のスロット1102のよう
な構成としても同様の効果が得られる。
【0124】また、スロットの形状は、図6のスロット
608a〜dのように、インダクタ電極の延伸方向と直
交するものが一番望ましいが、これに限定する必要はな
く、ただ任意の角度で交差するものでもよいし、スロッ
トの延伸方向と平行となっていてもよい。また、スロッ
トの形状も直線ではなく、湾曲していても良いし、蛇行
していてもよい。インダクタ電極と合同のパターンを有
するものであってもよい。個数も4つ以上でもよいし、
単数でもよい。要するに、本発明のスロットは、その形
状、個数に限定されるものではなく、インダクタ電極と
接近する接地電極の面積を部分的に削減して、インダク
タ電極が接地電極に挟まれて配置されないような構成を
作り出せるものであればよい。
【0125】(実施の形態4)図12は本発明の実施の
形態4における積層型電子部品の内部構造を示す図であ
る。ただし、図1と同一部または相当部には、同一符号
を付し、詳細な説明は省略する。インダクタ電極107
及びインダクタ電極108の上面には、ほぼ全面に接地
電極105が配置され、接地電極105の、インダクタ
電極108と対向する部分には、インダクタ電極108
と直交するようなスロット1201が開口されている。
インダクタ電極108は本発明の第3の実施の形態にお
けるインダクタ電極605と同様に、接地電極105に
スロット1201を入れることにより高インピーダンス
のインダクタとして動作することができる。
【0126】このような図12に示す積層型電子部品
は、実施の形態1や2と同様の各電子部品に用いること
ができる。すなわち、図5に示すようなハイパスフィル
タとローパスフィルタとを備えた分波器で用いる場合
は、インダクタ電極107により形成されるインダクタ
はハイパスフィルタに用い、インダクタ電極108によ
り形成される、インピーダンスがより大きいインダクタ
はローパスフィルタに用いるようにすれば、通過帯域は
ローパスフィルタの方が低いため、ローパスフィルタに
おけるインダクタの方が、ハイパスフィルタにおけるイ
ンダクタよりインピーダンスが大きいインダクタとなっ
て動作する。したがって、全体として最適なインピーダ
ンスのインダクタをもった積層型電子部品が実現でき
る。
【0127】また、ハイパスフィルタとバンドパスフィ
ルタとを備えた分波器で用いるようにしてもよい。
【0128】このとき、インダクタ電極107により形
成されるインダクタをハイパスフィルタに用い、インダ
クタ電極108により形成されるインピーダンスが大き
いインダクタは、ハイパスフィルタよりも通過帯域の低
いバンドパスフィルタに用いるのが望ましい。信号の通
過帯域はバンドパスフィルタの方が低いため、バンドパ
スフィルタにおけるインダクタの方がハイパスフィルタ
におけるインダクタよりインピーダンスが大きいものが
必要となるからである。これにより最適なインピーダン
スのインダクタをもった積層型電子部品が実現できる。
【0129】また、ローパスフィルタとバンドパスフィ
ルタとを備えた分波器で用いるようにしてもよい。
【0130】このとき、インダクタ電極107により形
成されるインダクタをバンドパスフィルタに用い、イン
ダクタ電極108により形成されるインピーダンスが大
きいインダクタをローパスフィルタに用いるのが望まし
い。これは、通過帯域はローパスフィルタの方が低いた
め、ローパスフィルタにおけるインダクタの方がバンド
パスフィルタにおけるインダクタよりインピーダンスが
大きいインダクタが必要となるからである。これによ
り、最適なインピーダンスのインダクタをもった積層型
電子部品が実現できる。
【0131】また、互いに異なる周波数帯域をもつ二つ
のバンドパスフィルタを備えた分波器で用いるようにし
てもよい。
【0132】このとき、インダクタ電極107により形
成されるインダクタを一方のバンドパスフィルタに用
い、インダクタ電極108により形成されるインピーダ
ンスがより大きい方のインダクタを、一方のバンドパス
フィルタよりも通過帯域の低いバンドパスフィルタに用
いるのが望ましい。これは、低域側のバンドパスフィル
タにおけるインダクタの方が高域側のバンドパスフィル
タにおけるインダクタよりインピーダンスが大きいイン
ダクタが必要となるからである。これにより、最適なイ
ンピーダンスのインダクタをもった積層型電子部品が実
現できる。
【0133】また、図5および図16に示すような、D
CS側の回路とGSM側の回路とを備えた分波器で用い
るようにしてもよい。特にこの場合、インダクタ電極1
08を、第1のローパスフィルタ501内に構成される
インダクタLgとして用い、インダクタ電極107を、
ハイパスフィルタ502内に構成されるインダクタLp
として用いるものとすればよい。
【0134】また、インダクタ電極107を、DCS受
信回路515内に構成されるインダクタL12として用
い、インダクタ電極108を、GSM受信回路513内
に構成されるインダクタL6として用いるものとしても
よい。
【0135】また、インダクタ電極107を、DCS送
信回路514内に構成されるインダクタL11として用
い、インダクタ電極108を、GSM送信回路513内
に構成されるインダクタL3として用いるものとしても
よい。
【0136】さらに、インダクタ電極107を、第3の
ローパスフィルタ504内に構成されるインダクタL7
として用い、インダクタ電極108を、第2のローパス
フィルタ503内に構成されるインダクタL2として用
いるものとしてもよい。
【0137】要するに、インダクタ電極107により形
成されるインダクタはDCS側の回路に用い、インダク
タ電極108により形成されるインピーダンスが大きい
インダクタはGSM側の回路に用いるのが望ましい。こ
れは、図3に示すように、通過帯域はGSM側の回路の
方が低いため、GSM側の回路におけるインダクタの方
がDCS側の回路におけるインダクタよりインピーダン
スが大きいインダクタが必要となるからである。
【0138】さらに、DCS回路517において、イン
ダクタ電極107を、ハイパスフィルタ502内に構成
されるインダクタLp、第3のローパスフィルタ504
内に構成されるインダクタL7、DCS受信回路515
内に構成されるインダクタL12の全部または一部とし
て用い、インダクタ電極108を、DCS送信回路51
4内に構成されるインダクタLcc2として用いるもの
としてもよい。
【0139】また、GSM回路516において、インダ
クタ電極107を、第1のローパスフィルタ501内に
構成されるインダクタLg、第2のローパスフィルタ5
03内に構成されるインダクタL2、GSM受信回路5
13内に構成されるインダクタL6の全部または一部と
して用い、インダクタ電極108を、GSM送信回路5
12内に構成されるインダクタLcc1として用いるも
のとしてもよい。
【0140】要するに、インダクタ電極107により形
成されるインダクタは通常のインダクタを含む回路に用
い、インダクタ電極108により形成されるインピーダ
ンスが大きいインダクタはチョークコイルを含む回路に
用いるのが望ましい。これは、図2の分波器の場合と同
様、チョークコイルLcc1、Lcc2は高周波信号を
阻止するための手段であることから、フィルタなどのR
F回路を構成するインダクタと比べ、より高いインピー
ダンスが必要となるからである。
【0141】このように、最適なインピーダンスのイン
ダクタをもった積層型電子部品が実現できる。
【0142】また、これはCDMA2000側の回路と
AMPS側の回路とを備えた分波器で用いるようにして
もよい。
【0143】このとき、インダクタ電極107により形
成されるインダクタはCDMA2000側の回路に用
い、インダクタ電極108により形成されるインピーダ
ンスがより大きいインダクタはAMPS側の回路に用い
るのが望ましい。これは、図3に示すように、通過帯域
はAMPS側の回路の方が低いため、AMPS側の回路
におけるインダクタの方がCDMA2000側の回路に
おけるインダクタよりインピーダンスが大きいインダク
タが必要となるからである。これにより、最適なインピ
ーダンスのインダクタをもった積層型電子部品が実現で
きる。
【0144】また、W−CDMA側の回路とPDC側の
回路とを備えた分波器で用いるようにしてもよい。この
とき、インダクタ電極107により形成されるインダク
タはW−CDMA側の回路に用い、インダクタ電極10
8により形成されるインピーダンスが大きいインダクタ
はPDC側の回路に用いるのが望ましい。これは、図3
のように通過帯域はPDC側の回路の方が低いため、P
DC側の回路におけるインダクタの方がW−CDMA側
の回路におけるインダクタよりインピーダンスが大きい
インダクタが必要となるからである。これにより、最適
なインピーダンスのインダクタをもった積層型電子部品
が実現できる。
【0145】また、W−CDMA側の回路とGSM側の
回路とを備えた分波器で用いるようにしてもよい。この
とき、インダクタ電極107により形成されるインダク
タはW−CDMA側の回路に用い、インダクタ電極10
8により形成されるインピーダンスが大きいインダクタ
はGSM側の回路に用いるのが望ましい。図3に示すよ
うに通過帯域はGSM側の回路の方が低いため、GSM
側の回路におけるインダクタの方がW−CDMA側の回
路におけるインダクタよりインピーダンスが大きいイン
ダクタが必要となるからである。これにより、最適なイ
ンピーダンスのインダクタをもった積層型電子部品が実
現できる。
【0146】また、W−CDMA側の回路とDCS側の
回路とを備えた分波器で用いるようにしてもよい。この
とき、インダクタ電極107により形成されるインダク
タはW−CDMA側の回路に用い、インダクタ電極10
8により形成されるインピーダンスが大きいインダクタ
はDCS側の回路に用いるのが望ましい。これは、図3
に示すように、通過帯域はDCS側の回路の方が低いた
め、DCS側の回路におけるインダクタの方がW−CD
MA側の回路におけるインダクタよりインピーダンスが
大きいインダクタが必要となるからである。これによ
り、最適なインピーダンスのインダクタをもった積層型
電子部品が実現できる。
【0147】なお、上記の各実施の形態において、誘電
体層上に設けるインダクタ電極の数は、1つまたは2つ
として説明を行ったが、本発明はこれに限定するもので
はなく、同一の誘電体層上に、3つ以上のインダクタ電
極を備えたものとしてもよい。また、互いに異なる誘電
体のそれぞれに、単数または複数のインダクタ電極を備
えたものとしてもよい。
【0148】また、インダクタ電極を有する誘電体層を
挟み込む接地電極は、実施の形態1の接地電極105,
106のように2つであるとして説明を行ったが、本発
明は、これに限定する必要はなく、複数のインダクタ電
極を、複数の接地電極が幾重にも挟み込むような構成で
あってもよい。要するに、複数のインダクタ電極のう
ち、複数の接地電極に挟み込まれていないように配置さ
れているものが少なくとも一つあるか、複数のインダク
タ電極のうち、一つまたは複数のインダクタ電極のその
一部が複数の接地電極に挟み込まれていないように配置
されていればよい。
【0149】ここで図14に、本発明のインダクタ電極
の配列例を模式的に示す。図14の(a)〜(d)にお
いて、1400は誘電体層、1401、1402,14
03は誘電体層1400の一主面上に配置されたインダ
クタ電極である。
【0150】インダクタ電極1401は、その一部が複
数の接地電極に挟み込まれたものであり、インダクタ電
極1402は、その全てが複数の接地電極に挟みこまれ
たものであり、インダクタ電極1403は、複数の接地
電極に挟み込まれていないように配置されたものであ
る。ただし、インダクタ電極1401,1402につい
て、接地電極に挟まれた部分は模式的に破線にて示し
た。
【0151】図14(a)(b)に示すように、誘電体
層1400の上面のインダクタ電極は、その一部分のみ
が複数の接地電極に挟み込まれたインダクタ電極140
1と、全てが複数の接地電極に挟みこまれたインダクタ
電極1402とが配置されていてもよいし、図14
(c)に示すように、誘電体層1400の上面のインダ
クタ電極は、一部分のみが複数の接地電極に挟み込まれ
たインダクタ電極1401と、複数の接地電極に挟み込
まれていないインダクタ電極1403とが配置されてい
てもよい。また、図14(d)に示すように、誘電体層
1400の上面のインダクタ電極は、一部分のみが複数
の接地電極に挟み込まれたインダクタ電極1401と、
複数の接地電極に挟み込まれていないインダクタ電極1
403と、全てが複数の接地電極に挟み込まれたインダ
クタ電極1402とが混在していても良い。
【0152】さらに、本発明は、図17に示すような構
成例としてもよい。図17に示す積層インダクタは、実
施の形態1と同様に、1701〜1703は誘電体層、
1707は接地電極、1704、1705はインダクタ
電極、1706は内部接地電極であり、積層セラミック
体の組成は実施の形態1と同様である。誘電体層170
2の主面には、インダクタ電極1704とインダクタ電
極1705とが設けられ、さらにインダクタ電極170
4とインダクタ電極1705との間に内部接地電極17
06が配置されている。また誘電体層1703には、そ
のほぼ全面に接地電極106が配置され、接地電極17
07と内部接地電極1706とは、側面電極によって接
続されている。
【0153】このような積層インダクタによれば、イン
ダクタ電極1704、1705のいずれも接地電極17
07にのみ対向しており、2つの接地電極に挟まれない
ようになっているため、高インピーダンスの2つのイン
ダクタ素子を得ることができる。
【0154】このような積層インダクタのインダクタ電
極1704および1705は、例えば図5および図16
に示す、GSMの回路とDCSの回路とを備えた分波器
において、DCS送信回路514内に構成されるインダ
クタLcc2およびGSM送信回路512内に構成され
るインダクタLcc1として用いることができる。これ
は、チョークコイルLcc1、Lcc2は高周波信号を
阻止するための手段であることから、フィルタなどのR
F回路を構成するインダクタと比べ、より高いインピー
ダンスが必要となるからである。
【0155】次に、図18に、本発明を用いた通信機器
の一例を示す。通信機器は、本発明の送信手段に対応す
る低雑音増幅器(LNA)1802,フィルタa180
3およびミキサa1804と、本発明の受信手段に対応
するミキサb1807、フィルタb1810およびパワ
ーアンプ(PA)1808と、送信手段または受信手段
とアンテナ1809との接続の切替を行うアンテナスイ
ッチ1801と、ミキサa1804およびミキサb18
07に発振信号を出力する局部発振器1806と、信号
処理回路1805とを備えている。
【0156】このような通信機器においては、アンテナ
1809で受信された信号fRF=f LO−fIFは、アンテ
ナスイッチ1801により低雑音増幅器1802に入力
され、fLO−fIFで示される影像周波数を除去するフィ
ルタa1803を通過したのち、ミキサa1804(周
波数変換器)に入力され、中間周波数(IF)に変換さ
れ、信号処理回路1805に入力される。なお、fLO
局部発振器1806で発生される。
【0157】一方、送信手段側で、信号処理回路180
5から出力され、局部発振器1806、ミキサb180
7により周波数fRFに変換された変調信号は、フィルタ
b1810を通過した後、パワーアンプ1808を経
て、アンテナスイッチ1801からアンテナ1809に
出力される。このようにして、例えばマイクロ波やミリ
波送帯における通信動作される。
【0158】このとき、アンテナスイッチ1801はチ
ョークコイルを含み、フィルタa1803、フィルタb
1810は通常のコイルを含むので、本発明の積層電子
部品を用いることにより、各手段に最適なインピーダン
スを一個の積層電子部品により提供できる。
【0159】また、アンテナスイッチ1801は送受信
を分離するアンテナ直下のデバイスであり、GSMやD
CS等のTDMA(Time Division Multiple Access)
方式の送受切り替えを時分割により行われるシステムに
用いられる。したがってアンテナスイッチ1801とし
て図5のような分波器を用いた場合、本発明の積層電子
部品を利用することができ、最適なインピーダンスが得
られ、高性能な通信機器が得られる。
【0160】なお、各実施の形態の誘電体層は、本発明
の誘電体シートの一例である。
【0161】以上のように、本発明の実施の形態によれ
ば、インダクタ電極の上面近傍に接地電極を設けないこ
とから高インピーダンスのインダクタを得ることができ
る。
【0162】また、本発明の実施の形態によれば、近接
した複数のインダクタ電極間に接地電極を配置すること
によりインダクタの相互結合を抑圧することができる。
【0163】また、本発明の実施の形態によれば、近接
した複数のインダクタ電極間に接地電極と接続するビア
ホールを配置することによりインダクタの相互結合を抑
圧することができる。
【0164】また、本発明の実施の形態によれば、イン
ダクタ電極と対向する接地電極にインダクタ電極と垂直
となるスロットを配置することにより高いインピーダン
スのインダクタを得ることができる。
【0165】また、本実施の形態による積層型電子部品
を搭載することにより、小型化且つ最適なインピーダン
スで動作する高性能の通信機器を得ることができる。
【0166】
【発明の効果】以上のように本発明は、高インピーダン
スのインダクタとして動作する積層電子部品を得ること
ができる。
【0167】また、本発明は、複数のインダクタの相互
結合を抑圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における積層型電子部品
の内部構造図である。
【図2】本発明の実施の形態2におけるローパスフィル
タとバンドパスフィルタからなる分波器の等価回路図で
ある。
【図3】各地域における携帯電話システムの周波数帯域
図である。
【図4】本発明の実施の形態2における積層型電子部品
の内部構造図である。
【図5】本発明の実施の形態2における積層型電子部品
の等価回路図である。
【図6】本発明の実施の形態3における積層型電子部品
の内部構造図である。
【図7】本発明の実施の形態3における共振周波数調整
装置の等価回路図である。
【図8】本発明の実施の形態3における積層型電子部品
の内部構造一部拡大図である。
【図9】本発明の実施の形態3における積層型電子部品
の一部の等価回路図である。
【図10】本発明の実施の形態3における積層型電子部
品の一部の等価回路図である。
【図11】本発明の実施の形態3における積層型電子部
品の内部構造図である。
【図12】本発明の実施の形態4における積層型電子部
品の内部構造図である。
【図13】従来の積層型電子部品の内部構造図である。
【図14】本発明のインダクタ電極の配置例を示す図で
ある。
【図15】本発明の実施の形態1における積層型電子部
品の他の構成例を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態2における積層型電子部
品のブロック図である。
【図17】本発明の積層型電子部品の他の実施例を示す
図である。
【図18】通信機器の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
101〜104 誘電体層 105、106 接地電極 107、108 インダクタ電極 109 接地電極 110 側面電極 201 バンドパスフィルタ 202 ローパスフィルタ 203 チョークコイル 204 バイパスコンデンサ 205 バラクタダイオード 206 コンデンサ 207 共振器 208 印加電圧ポート 209 結合コンデンサ 210 結合インダクタ 211 並列コンデンサ 401〜405 誘電体層 406、407 接地電極 408、409 インダクタ電極 410 側面電極 501 第1のローパスフィルタ 502 ハイパスフィルタ 503 第2のローパスフィルタ 504 第3のローパスフィルタ 505 アンテナ端子 506 GSM送信端子 507 GSM受信端子 508 DCS送信端子 509 DCS受信端子 510 コントロール端子 511 コントロール端子 512 GSM送信回路 513 GSM受信回路 514 DCS送信回路 515 DCS受信回路 516 GSM回路 517 DCS回路 601〜604 誘電体層 605 インダクタ電極 606、607 接地電極 608 スロット 609 側面電極 701 チョークコイル 702 バイパスコンデンサ 703 バラクタダイオード 704 コンデンサ 705 共振器 706 印加電圧ポート 900 理想トランス 1000 インダクタンス 1101 インダクタ電極 1102 スロット 1201 スロット 1301〜1304 誘電体層 1305 接地電極 1306、1307 インダクタ電極 1308 接地電極 1309 外付けインダクタ 1310 側面電極 1400 誘電体層 1401、1402,1403 インダクタ電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 徹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 北沢 祥一 京都府京田辺市大住浜55番12 松下日東電 器株式会社内 (72)発明者 岩崎 智之 京都府京田辺市大住浜55番12 松下日東電 器株式会社内 Fターム(参考) 5E070 AA01 AA05 CB02 CB13 EA01

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体シートを積層して一体化し
    てなる積層体と、 前記積層体内の、異なる、前記誘電体シート間に設けら
    れた複数の接地電極と、 前記積層体内の、前記複数の接地電極が設けられていな
    い前記誘電体シート面に設けられたインダクタ電極とを
    備え、 前記インダクタ電極の全部または一部は、前記複数の接
    地電極により挟まれないように配置されている積層型電
    子部品。
  2. 【請求項2】 前記複数の接地電極により挟まれない前
    記インダクタ電極の一部とは、一個のインダクタ電極の
    一部分である請求項1に記載の積層型電子部品。
  3. 【請求項3】 前記複数の接地電極により挟まれない前
    記インダクタ電極の一部とは、複数個のインダクタ電極
    の内一つまたは複数個である請求項1に記載の積層型電
    子部品。
  4. 【請求項4】 前記複数の接地電極により挟まれない前
    記インダクタ電極の全部または一部は、前記複数の接地
    電極に挟まれない誘電体シートに配置されている請求項
    1に記載の積層型電子部品。
  5. 【請求項5】 前記複数の接地電極により挟まれない前
    記インダクタ電極の全部または一部は、前記複数の接地
    電極に挟まれる誘電体シートに配置されている請求項1
    に記載の積層型電子部品。
  6. 【請求項6】 前記複数の接地電極により挟まれない前
    記インダクタ電極の一部は、前記接地電極に形成された
    スロットが、前記インダクタ電極と重なることにより形
    成される請求項1または2に記載の積層型電子部品。
  7. 【請求項7】 前記複数の接地電極により挟まれない前
    記インダクタ電極の全部は、前記接地電極に形成され
    た、前記インダクタ電極と実質同一の形状を有するスロ
    ットが、前記インダクタ電極と重なることにより形成さ
    れる請求項1または3に記載の積層型電子部品。
  8. 【請求項8】 前記複数の接地電極により挟まれない前
    記インダクタ電極の一部および他の残りの部分は、同一
    の前記誘電体シート上に配置されている請求項2または
    3に記載の積層型電子部品。
  9. 【請求項9】 複数の誘電体シートを積層して一体化し
    てなる積層体と、 前記積層体内の、異なる、前記誘電体シート間に設けら
    れた複数の接地電極と、 前記積層体内の、前記複数の接地電極が設けられていな
    い前記誘電体シート面に設けられた複数のインダクタ電
    極と、 前記複数のインダクタ電極の間に設けられた、内部接地
    電極とを備えた積層型電子部品。
  10. 【請求項10】 前記内部接地電極は、ビアホールを介
    して前記複数の接地電極と接続している請求項9に記載
    の積層型電子部品。
  11. 【請求項11】 前記複数のインダクタ電極の全部また
    は一部は、同一の前記誘電体シート上に配置された請求
    項9に記載の積層型電子部品。
  12. 【請求項12】 前記スロットの延伸する方向は、前記
    インダクタ電極の延伸する方向と直交する請求項6に記
    載の積層型電子部品。
  13. 【請求項13】 前記インダクタ電極はスパイラル形状
    である請求項12に記載の積層型電子部品。
  14. 【請求項14】 前記インダクタ電極はメアンダ形状で
    ある請求項12に記載の積層型電子部品。
  15. 【請求項15】 前記複数の接地電極により挟まれない
    ように配置されている前記インダクタ電極の全部または
    一部で形成されるインダクタは、チョークコイルとして
    用いられる請求項1に記載の積層型電子部品。
  16. 【請求項16】 前記複数の接地電極により挟まれない
    前記インダクタ電極の一部で形成されるインダクタはロ
    ーパスフィルタで用いられ、 前記一部以外のインダクタ電極で形成されるインダクタ
    はハイパスフィルタで用いられる請求項3に記載の積層
    型電子部品。
  17. 【請求項17】 前記複数の接地電極により挟まれない
    前記インダクタ電極の一部で形成されるインダクタはバ
    ンドパスフィルタで用いられ、 前記一部以外のインダクタ電極で形成されるインダクタ
    はハイパスフィルタで用いられる請求項3に記載の積層
    型電子部品。
  18. 【請求項18】 前記複数の接地電極により挟まれない
    前記インダクタ電極の一部で形成されるインダクタはロ
    ーパスフィルタで用いられ、 前記一部以外のインダクタ電極で形成されるインダクタ
    はバンドパスフィルタで用いられる請求項3に記載の積
    層型電子部品。
  19. 【請求項19】 前記複数の接地電極により挟まれない
    前記インダクタ電極の一部で形成される第1のインダク
    タはバンドパスフィルタで用いられ、 前記一部以外のインダクタ電極で形成されるインダクタ
    は、前記第1のインダクタ電極で形成されるインダクタ
    を用いたバンドパスフィルタより高い周波数帯域のバン
    ドパスフィルタで用いられる請求項3に記載の積層型電
    子部品。
  20. 【請求項20】 前記複数の接地電極により挟まれない
    前記インダクタ電極の一部で形成されるインダクタはG
    SMの回路で用いられ、 前記一部以外のインダクタ電極で形成されるインダクタ
    は、DCSの回路で用いられる請求項3に記載の積層型
    電子部品。
  21. 【請求項21】 前記複数の接地電極により挟まれない
    前記インダクタ電極の一部で形成されるインダクタはA
    MPSの回路で用いられ、 前記一部以外のインダクタ電極で形成されるインダクタ
    は、CDMA2000の回路で用いられる請求項3に記
    載の積層型電子部品。
  22. 【請求項22】 前記複数の接地電極により挟まれない
    前記インダクタ電極の一部で形成されるインダクタはP
    DCの回路で用いられ、 前記一部以外のインダクタ電極で形成されるインダクタ
    は、W−CDMAの回路で用いられる請求項3に記載の
    積層型電子部品。
  23. 【請求項23】 前記複数の接地電極により挟まれない
    前記インダクタ電極の一部で形成されるインダクタはG
    SMの回路で用いられ、 前記一部以外のインダクタ電極で形成されるインダクタ
    は、W−CDMAの回路で用いられる請求項3に記載の
    積層型電子部品。
  24. 【請求項24】 前記複数の接地電極により挟まれない
    前記インダクタ電極の一部で形成されるインダクタはD
    CSの回路で用いられ、 前記一部以外のインダクタ電極で形成されるインダクタ
    は、W−CDMAの回路で用いられる請求項3に記載の
    積層型電子部品。
  25. 【請求項25】 信号をアンテナより受信する、少なく
    とも低雑音増幅器、フィルタおよびミキサを有する受信
    手段と、 信号を前記アンテナより送信する、少なくともミキサ、
    フィルタおよびパワーアンプを有する送信手段と、 前記アンテナと、前記受信手段または前記送信手段との
    接続を切り替えるアンテナスイッチとを備え、 前記送信手段のフィルタ、前記受信手段のフィルタ、前
    記アンテナスイッチの全部または一部に請求項1から2
    4のいずれかに記載の積層型電子部品を用いた通信機
    器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015022839A1 (ja) * 2013-08-12 2015-02-19 株式会社村田製作所 電力分配器
US10033103B2 (en) 2014-02-27 2018-07-24 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multilayer coil device, antenna module, and wireless communication module

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