JP2002279904A - プラズマディスプレイパネルの製造方法およびプラズマディスプレイパネル - Google Patents
プラズマディスプレイパネルの製造方法およびプラズマディスプレイパネルInfo
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- JP2002279904A JP2002279904A JP2001074678A JP2001074678A JP2002279904A JP 2002279904 A JP2002279904 A JP 2002279904A JP 2001074678 A JP2001074678 A JP 2001074678A JP 2001074678 A JP2001074678 A JP 2001074678A JP 2002279904 A JP2002279904 A JP 2002279904A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 銀を含有する電極を備えるパネルの製造にお
いて、黄変の発生を抑制するプラズマディスプレイパネ
ルの製造方法を提供し、また、その方法によって製造さ
れる黄変発生の少ないプラズマディスプレイパネルを提
供する。 【解決手段】 誘電体ガラス層は、乾式粉砕法によって
粉砕する際に水分を添加して作製されたガラス粉末に、
バインダー成分を加えて、3本ロールなどでよく混練し
てガラスペーストを作製し、前記ガラスペーストをダイ
コート法により、表示電極12が配設された前面ガラス
基板の上に塗布し、乾燥させた後、ガラスの軟化点より
少し高い550℃〜600℃で焼結して形成される。こ
のように粒子表面に水酸基が付加されたガラス粒子から
なるガラスペーストを用いて形成された前記誘電体ガラ
ス層では、Agコロイドの析出が抑制されるので、パネ
ルでの黄変の発生が少ない。
いて、黄変の発生を抑制するプラズマディスプレイパネ
ルの製造方法を提供し、また、その方法によって製造さ
れる黄変発生の少ないプラズマディスプレイパネルを提
供する。 【解決手段】 誘電体ガラス層は、乾式粉砕法によって
粉砕する際に水分を添加して作製されたガラス粉末に、
バインダー成分を加えて、3本ロールなどでよく混練し
てガラスペーストを作製し、前記ガラスペーストをダイ
コート法により、表示電極12が配設された前面ガラス
基板の上に塗布し、乾燥させた後、ガラスの軟化点より
少し高い550℃〜600℃で焼結して形成される。こ
のように粒子表面に水酸基が付加されたガラス粒子から
なるガラスペーストを用いて形成された前記誘電体ガラ
ス層では、Agコロイドの析出が抑制されるので、パネ
ルでの黄変の発生が少ない。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示デバイスなど
に用いるプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」
という)の製造方法及びその方法により製造されるPD
Pに関し、特に銀(Ag)を含有する電極を備えるPD
Pの製造方法及びその方法により製造されるPDPに関
する。
に用いるプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」
という)の製造方法及びその方法により製造されるPD
Pに関し、特に銀(Ag)を含有する電極を備えるPD
Pの製造方法及びその方法により製造されるPDPに関
する。
【0002】
【従来の技術】PDPの製造においては、Agを含有す
る表示電極が主表面の一方に配設された前面ガラス基板
の上に、誘電体ガラスからなるガラス粉末を主成分とす
るペーストを塗付し、乾燥させた後に、550〜600
℃で焼結する、という方法により誘電体ガラス層が形成
される。
る表示電極が主表面の一方に配設された前面ガラス基板
の上に、誘電体ガラスからなるガラス粉末を主成分とす
るペーストを塗付し、乾燥させた後に、550〜600
℃で焼結する、という方法により誘電体ガラス層が形成
される。
【0003】このように形成される前記誘電体ガラス層
は、パネルの高品位化の要求によるセル構造の微細化に
対応するべく、その薄膜化が要求されている。このため
に、誘電体ガラス層の形成に用いるガラス粉末には、そ
の平均粒径が0.1〜1.5μmまで細粒化されたもの
が用いられる。従来の粒径の粗いガラス粉末は、湿式粉
砕法を用いて作製されてきたが、上記の細粒化されたガ
ラス粉末を作製するには、これに替わって乾式粉砕法が
用いられる。
は、パネルの高品位化の要求によるセル構造の微細化に
対応するべく、その薄膜化が要求されている。このため
に、誘電体ガラス層の形成に用いるガラス粉末には、そ
の平均粒径が0.1〜1.5μmまで細粒化されたもの
が用いられる。従来の粒径の粗いガラス粉末は、湿式粉
砕法を用いて作製されてきたが、上記の細粒化されたガ
ラス粉末を作製するには、これに替わって乾式粉砕法が
用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにAgを含有する電極を備えたPDPでは、誘電体
ガラス層中に黄変が発生し易い。そして、この黄変は、
特に青色の輝度の低下及び色度の低下を起こす。したが
って、黄変は、青色の蛍光体層を有するPDPにおい
て、その画質を著しく劣化させる原因となる。このよう
な黄変の発生は、次のようなメカニズムによるものと考
えられる。即ち、PDPの製造工程の中でも、誘電体ガ
ラス層の焼結工程において、電極に含まれるAgが誘電
体ガラス層中や前面ガラス基板中にAgイオンの形で拡
散し、拡散したAgイオンが誘電体ガラス中のナトリウ
ム(Na)イオン、あるいは鉛(Pb)イオン、及び前
面ガラス基板中のスズ(Sn)イオンによって還元され
てAgのコロイド粒子を析出し、このAgコロイド粒子
が400nmの波長に吸収域があるために、誘電体ガラ
ス層を黄色に変色させ、いわゆる黄変を発生させる、と
いうメカニズムによるものである。
ようにAgを含有する電極を備えたPDPでは、誘電体
ガラス層中に黄変が発生し易い。そして、この黄変は、
特に青色の輝度の低下及び色度の低下を起こす。したが
って、黄変は、青色の蛍光体層を有するPDPにおい
て、その画質を著しく劣化させる原因となる。このよう
な黄変の発生は、次のようなメカニズムによるものと考
えられる。即ち、PDPの製造工程の中でも、誘電体ガ
ラス層の焼結工程において、電極に含まれるAgが誘電
体ガラス層中や前面ガラス基板中にAgイオンの形で拡
散し、拡散したAgイオンが誘電体ガラス中のナトリウ
ム(Na)イオン、あるいは鉛(Pb)イオン、及び前
面ガラス基板中のスズ(Sn)イオンによって還元され
てAgのコロイド粒子を析出し、このAgコロイド粒子
が400nmの波長に吸収域があるために、誘電体ガラ
ス層を黄色に変色させ、いわゆる黄変を発生させる、と
いうメカニズムによるものである。
【0005】特に、誘電体ガラス層の形成において、乾
式粉砕法によって作製されたガラス粉末を用いる場合に
は、湿式粉砕法により作製されたガラス粉末を用いる場
合よりも、パネルにおける黄変の発生が顕著となる。本
発明は、上記問題を解決するためになされたものであ
り、Agを含有する電極を備えるパネルを製造する上に
おいて、黄変の発生を抑制するPDPの製造方法を提供
すること、及び、黄変の発生を抑制することによって高
画質で表示できるPDPを提供することを目的とする。
式粉砕法によって作製されたガラス粉末を用いる場合に
は、湿式粉砕法により作製されたガラス粉末を用いる場
合よりも、パネルにおける黄変の発生が顕著となる。本
発明は、上記問題を解決するためになされたものであ
り、Agを含有する電極を備えるパネルを製造する上に
おいて、黄変の発生を抑制するPDPの製造方法を提供
すること、及び、黄変の発生を抑制することによって高
画質で表示できるPDPを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、基板の主表面の一方に、銀を含有する
電極を配設する工程と、前記基板の前記電極が配設され
た面上に、誘電体ガラス層を形成する工程とを備えるP
DPの製造方法であって、前記誘電体ガラス層を形成す
る工程は、乾式粉砕法を用いてガラス粉末を作製すると
ともに、前記ガラス粉末の粒子の表面に、水を反応させ
て水酸基を付加する第1ステップと、粒子表面に水酸基
が付加された前記ガラス粉末を用いて、前記電極が配設
された前記基板に層を形成する第2ステップとを備える
ことを特徴とする。
めに、本発明は、基板の主表面の一方に、銀を含有する
電極を配設する工程と、前記基板の前記電極が配設され
た面上に、誘電体ガラス層を形成する工程とを備えるP
DPの製造方法であって、前記誘電体ガラス層を形成す
る工程は、乾式粉砕法を用いてガラス粉末を作製すると
ともに、前記ガラス粉末の粒子の表面に、水を反応させ
て水酸基を付加する第1ステップと、粒子表面に水酸基
が付加された前記ガラス粉末を用いて、前記電極が配設
された前記基板に層を形成する第2ステップとを備える
ことを特徴とする。
【0007】このようなPDPの製造方法では、乾式粉
砕法によってガラス粉末を作製する際に、ガラス粒子の
表面に水酸基(−OH基)が付加されるために多価原子
価イオンの発生が抑制され、ガラス表面の活性を小さく
することが出来る。これにより、誘電体ガラス層形成時
の焼結工程において、Agイオンが電極から誘電体ガラ
ス中に拡散したとしても、そのAgイオンの前記多価原
子価イオンによる還元が抑制されるのでAgコロイドの
析出が抑制される。したがって、このような製造方法に
よれば、誘電体ガラス層の形成において、乾式粉砕法に
より作製されたガラス粉末を用いることによって薄い誘
電体ガラス層を形成することが出来、且つパネルにおけ
る黄変の発生を抑制することが出来る。
砕法によってガラス粉末を作製する際に、ガラス粒子の
表面に水酸基(−OH基)が付加されるために多価原子
価イオンの発生が抑制され、ガラス表面の活性を小さく
することが出来る。これにより、誘電体ガラス層形成時
の焼結工程において、Agイオンが電極から誘電体ガラ
ス中に拡散したとしても、そのAgイオンの前記多価原
子価イオンによる還元が抑制されるのでAgコロイドの
析出が抑制される。したがって、このような製造方法に
よれば、誘電体ガラス層の形成において、乾式粉砕法に
より作製されたガラス粉末を用いることによって薄い誘
電体ガラス層を形成することが出来、且つパネルにおけ
る黄変の発生を抑制することが出来る。
【0008】また、本発明は、基板の主表面の一方に、
銀を含有する電極を配設する工程と、前記基板の前記電
極が配設された面上に、誘電体ガラス層を形成する工程
とを備えるPDPの製造方法であって、前記誘電体ガラ
ス層を形成する工程は、ガラス粉末の粒子の表面に水酸
基及びカルボキシル基の少なくとも1つを付加する第1
ステップと、前記第1ステップで処理された前記ガラス
粉末を用いて、前記電極が配設された前記基板に層を形
成する第2ステップとを備えることを特徴とする。
銀を含有する電極を配設する工程と、前記基板の前記電
極が配設された面上に、誘電体ガラス層を形成する工程
とを備えるPDPの製造方法であって、前記誘電体ガラ
ス層を形成する工程は、ガラス粉末の粒子の表面に水酸
基及びカルボキシル基の少なくとも1つを付加する第1
ステップと、前記第1ステップで処理された前記ガラス
粉末を用いて、前記電極が配設された前記基板に層を形
成する第2ステップとを備えることを特徴とする。
【0009】このような特徴を有するPDPの製造方法
では、誘電体材料を作製する際に、ガラス粒子の表面に
水酸基(−OH基)及びカルボキシル基(−COOH
基)の少なくとも一方が付加されることにより、ガラス
表面の活性を低くすることが出来るので、パネルにおけ
る黄変の発生を抑制することが出来る。前記第1ステッ
プにおいて、ガラス粒子の表面に水酸基及びカルボキシ
ル基の少なくとも1つを付加する処理としては、ガラス
粉末をバインダー成分と混練するとともに、水酸基及び
カルボキシル基の少なくとも1つを有する界面活性剤を
添加する方法を用いて容易に行うことが出来る。
では、誘電体材料を作製する際に、ガラス粒子の表面に
水酸基(−OH基)及びカルボキシル基(−COOH
基)の少なくとも一方が付加されることにより、ガラス
表面の活性を低くすることが出来るので、パネルにおけ
る黄変の発生を抑制することが出来る。前記第1ステッ
プにおいて、ガラス粒子の表面に水酸基及びカルボキシ
ル基の少なくとも1つを付加する処理としては、ガラス
粉末をバインダー成分と混練するとともに、水酸基及び
カルボキシル基の少なくとも1つを有する界面活性剤を
添加する方法を用いて容易に行うことが出来る。
【0010】さらに、この場合の前記界面活性剤として
は、非イオン性界面活性剤であることがより好ましい。
また、本発明は、第1電極の主表面の一方に、銀を含有
する第1電極を配設する工程と、前記第1電極が配設さ
れた前記第1基板に誘電体ガラス層を形成する工程と、
第2基板の主表面の一方に、少なくとも青色を含む1色
以上の蛍光体層を形成する工程とを備えるPDPの製造
方法であって、前記誘電体ガラス層を形成する工程は、
ガラス粉末に遷移金属の酸化物を添加して誘電体材料を
作製する第1ステップと、前記第1電極が配設された前
記第1基板の少なくとも青色の光が透過する領域に、前
記誘電体材料を用いて層を形成する第2ステップとを備
えることを特徴とする。
は、非イオン性界面活性剤であることがより好ましい。
また、本発明は、第1電極の主表面の一方に、銀を含有
する第1電極を配設する工程と、前記第1電極が配設さ
れた前記第1基板に誘電体ガラス層を形成する工程と、
第2基板の主表面の一方に、少なくとも青色を含む1色
以上の蛍光体層を形成する工程とを備えるPDPの製造
方法であって、前記誘電体ガラス層を形成する工程は、
ガラス粉末に遷移金属の酸化物を添加して誘電体材料を
作製する第1ステップと、前記第1電極が配設された前
記第1基板の少なくとも青色の光が透過する領域に、前
記誘電体材料を用いて層を形成する第2ステップとを備
えることを特徴とする。
【0011】このような製造方法では、前記誘電体材料
に含まれる遷移金属の酸化物が黄色と補色関係にあるこ
とから、前記遷移金属の酸化物を含有する誘電体ガラス
層内でAgコロイドが発生した場合においても、パネル
の黄変の発生を抑制することが出来る。そのため、パネ
ルにおいて、特に青色の色度の低下を抑制することが出
来る。
に含まれる遷移金属の酸化物が黄色と補色関係にあるこ
とから、前記遷移金属の酸化物を含有する誘電体ガラス
層内でAgコロイドが発生した場合においても、パネル
の黄変の発生を抑制することが出来る。そのため、パネ
ルにおいて、特に青色の色度の低下を抑制することが出
来る。
【0012】前記遷移金属の酸化物としては、酸化銅
(CuO)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化ニッケル
(NiO)、酸化マンガン(Mn2O3)、酸化コバルト
(Co2O3)、酸化鉄(Fe2O3)の中の少なくとも1
種であることが好ましい。また、本発明は、主表面の一
方に、銀を含有する第1電極が配設されるとともに、誘
電体ガラス層が形成された第1パネルと、主表面の一方
に、少なくとも青色を含む1色以上の蛍光体層が形成さ
れた第2パネルとが、対向配置されてなるPDPであっ
て、前記誘電体ガラス層の少なくとも青色の光が透過す
る領域には、遷移金属の酸化物を含有することを特徴と
する。
(CuO)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化ニッケル
(NiO)、酸化マンガン(Mn2O3)、酸化コバルト
(Co2O3)、酸化鉄(Fe2O3)の中の少なくとも1
種であることが好ましい。また、本発明は、主表面の一
方に、銀を含有する第1電極が配設されるとともに、誘
電体ガラス層が形成された第1パネルと、主表面の一方
に、少なくとも青色を含む1色以上の蛍光体層が形成さ
れた第2パネルとが、対向配置されてなるPDPであっ
て、前記誘電体ガラス層の少なくとも青色の光が透過す
る領域には、遷移金属の酸化物を含有することを特徴と
する。
【0013】このようなPDPでは、前記誘電体ガラス
層の中にAgコロイドが析出した場合であっても、誘電
体ガラス層の少なくとも青色の光が透過する領域に黄色
と補色関係にある遷移金属の酸化物を含有するので、少
なくとも青色の色度の低下が少ない。前記遷移金属の酸
化物としては、酸化銅(CuO)、酸化クロム(Cr2
O3)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガン(Mn2
O3)、酸化コバルト(Co2O3)、酸化鉄(Fe
2O3)の中の少なくとも1種であることが好ましい。
層の中にAgコロイドが析出した場合であっても、誘電
体ガラス層の少なくとも青色の光が透過する領域に黄色
と補色関係にある遷移金属の酸化物を含有するので、少
なくとも青色の色度の低下が少ない。前記遷移金属の酸
化物としては、酸化銅(CuO)、酸化クロム(Cr2
O3)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガン(Mn2
O3)、酸化コバルト(Co2O3)、酸化鉄(Fe
2O3)の中の少なくとも1種であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態にかかるPD
Pの製造方法について説明する。先ず、PDPの構造の
一例として、交流面放電型PDPの要部斜視図を図1に
示す。ここでは、便宜上3つのセルのみを示す。図1に
示す前面パネル10は、前面ガラス基板11の一方の主
表面(図では、下面)に、銀を含有する表示電極12を
配設するとともに、誘電体ガラス層13を形成して、さ
らに保護層14を形成して作製される。そして、PDP
は、前記前面パネル10と、アドレス電極22及び蛍光
体層25などが形成された背面パネル20とを対向配置
し、それによって形成される放電空間に放電ガスを封入
することで作製される。
Pの製造方法について説明する。先ず、PDPの構造の
一例として、交流面放電型PDPの要部斜視図を図1に
示す。ここでは、便宜上3つのセルのみを示す。図1に
示す前面パネル10は、前面ガラス基板11の一方の主
表面(図では、下面)に、銀を含有する表示電極12を
配設するとともに、誘電体ガラス層13を形成して、さ
らに保護層14を形成して作製される。そして、PDP
は、前記前面パネル10と、アドレス電極22及び蛍光
体層25などが形成された背面パネル20とを対向配置
し、それによって形成される放電空間に放電ガスを封入
することで作製される。
【0015】このようなPDPの製造方法については、
「最新プラズマディスプレイパネル製造技術」(プレスジ
ャーナル)等の文献、及び、特開平11−345564
号公報等に詳しく開示されているので、ここでの説明は
省略する。以下では、この発明の特徴部分である誘電体
ガラス層13の形成方法について説明する。 (誘電体ガラス層の形成)先ず、誘電体ガラス層13の
形成に用いるガラス粉末は、PbO−B2O3−SiO3
−CaO系ガラスなどの誘電体ガラスをジェットミル
(例えば、(株)スギノマシン製 HJP300−02
型)を用いて、その粒径が0.1〜1.5μmとなるま
で粉砕した後、その最大粒径が平均粒径の3倍以内とな
るように粒度分布調整をすることにより作製される。
「最新プラズマディスプレイパネル製造技術」(プレスジ
ャーナル)等の文献、及び、特開平11−345564
号公報等に詳しく開示されているので、ここでの説明は
省略する。以下では、この発明の特徴部分である誘電体
ガラス層13の形成方法について説明する。 (誘電体ガラス層の形成)先ず、誘電体ガラス層13の
形成に用いるガラス粉末は、PbO−B2O3−SiO3
−CaO系ガラスなどの誘電体ガラスをジェットミル
(例えば、(株)スギノマシン製 HJP300−02
型)を用いて、その粒径が0.1〜1.5μmとなるま
で粉砕した後、その最大粒径が平均粒径の3倍以内とな
るように粒度分布調整をすることにより作製される。
【0016】次に、図2に示す3つの方法の内の何れか
を用いて、誘電体ガラス層13の形成に用いるガラスペ
ーストを作製する。図2は、ガラスペーストの作製方法
を示すブロック図である。以下で、ガラスペースト作製
の3つの方法について説明する。 (方法1) 図2(a)のステップS101において、
ガラス材料をジェットミルによって粉砕する際に、水分
を添加する。ここで、前記水分の添加量は、少なくとも
10-6wt%とする。このようにガラス材料を粉砕した
場合には、粉砕時に生じる活性面が添加された水分と反
応して、ガラス粒子の表面に水酸基(−OH基)を生成
する。このようにして作製されたガラス粉末は、乾式粉
砕法によっても、その表面に水酸基(−OH基)を有す
るので、焼結過程におけるAgイオンの還元反応の原因
となる多価原子価イオンの発生が抑制され、ガラス粒子
の表面の活性が低いものとなる。
を用いて、誘電体ガラス層13の形成に用いるガラスペ
ーストを作製する。図2は、ガラスペーストの作製方法
を示すブロック図である。以下で、ガラスペースト作製
の3つの方法について説明する。 (方法1) 図2(a)のステップS101において、
ガラス材料をジェットミルによって粉砕する際に、水分
を添加する。ここで、前記水分の添加量は、少なくとも
10-6wt%とする。このようにガラス材料を粉砕した
場合には、粉砕時に生じる活性面が添加された水分と反
応して、ガラス粒子の表面に水酸基(−OH基)を生成
する。このようにして作製されたガラス粉末は、乾式粉
砕法によっても、その表面に水酸基(−OH基)を有す
るので、焼結過程におけるAgイオンの還元反応の原因
となる多価原子価イオンの発生が抑制され、ガラス粒子
の表面の活性が低いものとなる。
【0017】次に、ステップS102において、このガ
ラス粉末35〜70wt%にエチルセルロースを5〜1
5wt%含むターピネオール、ブチルカルビトールアセ
テート、あるいはペンタンジオールからなるバインダー
成分を加えて、3本ロールなどでよく混練することによ
りガラスペーストを作製する。 (方法2) 図2(b)のステップS202において、
ジェットミルによって作製されたガラス粉末とバインダ
ー成分を混練する際に、分子内に水酸基(−OH基)、
あるいはカルボキシル基(−COOH基)の少なくとも
1つを有する非イオン性界面活性剤(例えば、(株)第
一工業製薬製 ノイゲン)を添加してガラスペーストを
作製する。ここで、前記界面活性剤の添加量は、0.1
〜3wt%とする。そして、界面活性剤を添加する形態
は、ガラス粉末に界面活性剤を混合しておいてからバイ
ンダー成分を混合しても良いし、バインダー成分に界面
活性剤を混合しておいてからガラス粉末を混合しても良
い。
ラス粉末35〜70wt%にエチルセルロースを5〜1
5wt%含むターピネオール、ブチルカルビトールアセ
テート、あるいはペンタンジオールからなるバインダー
成分を加えて、3本ロールなどでよく混練することによ
りガラスペーストを作製する。 (方法2) 図2(b)のステップS202において、
ジェットミルによって作製されたガラス粉末とバインダ
ー成分を混練する際に、分子内に水酸基(−OH基)、
あるいはカルボキシル基(−COOH基)の少なくとも
1つを有する非イオン性界面活性剤(例えば、(株)第
一工業製薬製 ノイゲン)を添加してガラスペーストを
作製する。ここで、前記界面活性剤の添加量は、0.1
〜3wt%とする。そして、界面活性剤を添加する形態
は、ガラス粉末に界面活性剤を混合しておいてからバイ
ンダー成分を混合しても良いし、バインダー成分に界面
活性剤を混合しておいてからガラス粉末を混合しても良
い。
【0018】上記ガラスペーストの作製におけるガラス
粉末及びバインダー成分などの混合比率、あるいは、バ
インダー成分などは、上記(方法1)と同様である。以
上のように作製されたガラスペーストにおいて、そこに
含まれるガラス粒子は、それが乾式粉砕法を用いて作製
されたものであっても、その表面に水酸基(−OH基)
あるいはカルボキシル基(−COOH基)の少なくとも
1つを付加することにより、上記(方法1)と同様に、
その表面の活性を低いものとすることが出来る。
粉末及びバインダー成分などの混合比率、あるいは、バ
インダー成分などは、上記(方法1)と同様である。以
上のように作製されたガラスペーストにおいて、そこに
含まれるガラス粒子は、それが乾式粉砕法を用いて作製
されたものであっても、その表面に水酸基(−OH基)
あるいはカルボキシル基(−COOH基)の少なくとも
1つを付加することにより、上記(方法1)と同様に、
その表面の活性を低いものとすることが出来る。
【0019】なお、添加する界面活性剤としては、上記
のものに限定されるものではないが、HLB(親水親油
バランス)値が8以上である非イオン性界面活性剤であ
ることが望ましい。これは、添加する界面活性剤が乳化
剤以上の親水性を有するとともに、混練中あるいは混練
後のガラスペーストにおいて、イオン反応を呈さないも
のであることが望ましいためである。
のものに限定されるものではないが、HLB(親水親油
バランス)値が8以上である非イオン性界面活性剤であ
ることが望ましい。これは、添加する界面活性剤が乳化
剤以上の親水性を有するとともに、混練中あるいは混練
後のガラスペーストにおいて、イオン反応を呈さないも
のであることが望ましいためである。
【0020】(方法3) 図2(c)のステップS30
2において、ジェットミルによって作製されたガラス粉
末65wt%と上記(方法1)と同様のバインダー成分
を混練する際に、遷移金属の酸化物からなるガラスフリ
ット(PbO−B2O3−SiO3−MO)を添加してガ
ラスペーストを作製する。前記MOは、酸化銅(Cu
O)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化ニッケル(Ni
O)、酸化マンガン(Mn 2O3)、酸化コバルト(Co
2O3)、酸化鉄(Fe2O3)などである。ここで、前記
ガラスフリットの添加量は、3〜5wt%であることが
好ましい。これは、添加量が3wt%以上でパネルにお
ける黄色の発生を抑制する効果が現れ、添加量が5wt
%を超えると、逆に遷移金属の酸化物の青〜緑色が目立
ってくるためである。
2において、ジェットミルによって作製されたガラス粉
末65wt%と上記(方法1)と同様のバインダー成分
を混練する際に、遷移金属の酸化物からなるガラスフリ
ット(PbO−B2O3−SiO3−MO)を添加してガ
ラスペーストを作製する。前記MOは、酸化銅(Cu
O)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化ニッケル(Ni
O)、酸化マンガン(Mn 2O3)、酸化コバルト(Co
2O3)、酸化鉄(Fe2O3)などである。ここで、前記
ガラスフリットの添加量は、3〜5wt%であることが
好ましい。これは、添加量が3wt%以上でパネルにお
ける黄色の発生を抑制する効果が現れ、添加量が5wt
%を超えると、逆に遷移金属の酸化物の青〜緑色が目立
ってくるためである。
【0021】以上の(方法1)〜(方法3)の何れかの
方法によって作製されたガラスペーストを、ダイコート
法を用いて、前面ガラス基板11の表示電極12が配設
された面を被覆するように塗布する。次に、ガラスペー
ストが塗布された前記前面ガラス基板11を乾燥させた
後、ガラスの軟化点より少し高い550℃〜600℃で
焼結する。
方法によって作製されたガラスペーストを、ダイコート
法を用いて、前面ガラス基板11の表示電極12が配設
された面を被覆するように塗布する。次に、ガラスペー
ストが塗布された前記前面ガラス基板11を乾燥させた
後、ガラスの軟化点より少し高い550℃〜600℃で
焼結する。
【0022】このようにして、誘電体ガラス層13が形
成される。こうして形成された誘電体ガラス層の優位性
を説明する前に、上記のような処理をしていないガラス
ペーストを用いて誘電体ガラス層を形成した場合につい
て説明する。このような場合は、その焼結工程におい
て、表示電極内のAgが誘電体ガラス層中にAgイオン
の形で拡散し、Agイオンが前記誘電体ガラス層内のN
aイオン、あるいは、Pbイオンなどの多価原子価イオ
ンによって還元されることにより、誘電体ガラス層内に
Agコロイド粒子が析出する。Agイオンの還元反応
は、次式: 2Ag+ + Xn+ →2Ag° + X(n+2)+ …(式1) Xn+:多価原子価イオン、Ag°:Agコロイド に示される。
成される。こうして形成された誘電体ガラス層の優位性
を説明する前に、上記のような処理をしていないガラス
ペーストを用いて誘電体ガラス層を形成した場合につい
て説明する。このような場合は、その焼結工程におい
て、表示電極内のAgが誘電体ガラス層中にAgイオン
の形で拡散し、Agイオンが前記誘電体ガラス層内のN
aイオン、あるいは、Pbイオンなどの多価原子価イオ
ンによって還元されることにより、誘電体ガラス層内に
Agコロイド粒子が析出する。Agイオンの還元反応
は、次式: 2Ag+ + Xn+ →2Ag° + X(n+2)+ …(式1) Xn+:多価原子価イオン、Ag°:Agコロイド に示される。
【0023】したがって、このような製造方法では、パ
ネルに黄変が発生し易い。これに対して、(方法1)及
び(方法2)によるガラスペーストを用いて誘電体ガラ
ス層を形成する場合には、ガラス粒子の表面に水酸基
(−OH基)及びカルボキシル基(−COOH基)の少
なくとも一つを付加することによって粒子表面の活性を
低く出来るため、誘電体ガラス層13の焼結工程などに
おいて誘電体ガラス層13にAgイオンが拡散したとし
ても、多価原子価イオンによるAgイオンの還元を抑制
して、Agコロイドの析出を抑制することが出来る。
ネルに黄変が発生し易い。これに対して、(方法1)及
び(方法2)によるガラスペーストを用いて誘電体ガラ
ス層を形成する場合には、ガラス粒子の表面に水酸基
(−OH基)及びカルボキシル基(−COOH基)の少
なくとも一つを付加することによって粒子表面の活性を
低く出来るため、誘電体ガラス層13の焼結工程などに
おいて誘電体ガラス層13にAgイオンが拡散したとし
ても、多価原子価イオンによるAgイオンの還元を抑制
して、Agコロイドの析出を抑制することが出来る。
【0024】従って、このような方法を用いることによ
り、Agコロイド析出による黄変の発生が少ないPDP
を作製することが可能となる。また、上記説明の(方法
3)によるガラスペーストを用いて誘電体ガラス層を形
成する場合には、図3に示すように、その誘電体ガラス
層の中に前記遷移金属の酸化物を含有することとなるの
で、Agコロイドが析出した場合においても、黄変の発
生が抑制される。それは、前記遷移金属の酸化物が、図
4に示すようなL*a*b*均等色空間において、Ag
コロイドによる黄色に対して補色関係にある、青みをお
びた色を有するためである。ここで、前記L*a*b*
均等色空間は、国際照明委員会(CIE)制定のXYZ
表色系に基礎をおく表色系であり、L*は明るさを表
し、a*b*は色みを表す。
り、Agコロイド析出による黄変の発生が少ないPDP
を作製することが可能となる。また、上記説明の(方法
3)によるガラスペーストを用いて誘電体ガラス層を形
成する場合には、図3に示すように、その誘電体ガラス
層の中に前記遷移金属の酸化物を含有することとなるの
で、Agコロイドが析出した場合においても、黄変の発
生が抑制される。それは、前記遷移金属の酸化物が、図
4に示すようなL*a*b*均等色空間において、Ag
コロイドによる黄色に対して補色関係にある、青みをお
びた色を有するためである。ここで、前記L*a*b*
均等色空間は、国際照明委員会(CIE)制定のXYZ
表色系に基礎をおく表色系であり、L*は明るさを表
し、a*b*は色みを表す。
【0025】なお、(方法1)のガラスペーストを用い
る場合は、ガラス表面への水酸基(−OH基)を付加す
る方法として、ガラス粉砕時にガラス材料に水分を添加
する方法を用いたが、ペーストの状態において、ガラス
粒子の表面に水酸基(−OH基)が付加されれば良く、
上記(方法1)に限定されるものではない。例えば、粉
砕されたガラス粉末を水蒸気雰囲気中に通すなどの方法
によっても可能である。
る場合は、ガラス表面への水酸基(−OH基)を付加す
る方法として、ガラス粉砕時にガラス材料に水分を添加
する方法を用いたが、ペーストの状態において、ガラス
粒子の表面に水酸基(−OH基)が付加されれば良く、
上記(方法1)に限定されるものではない。例えば、粉
砕されたガラス粉末を水蒸気雰囲気中に通すなどの方法
によっても可能である。
【0026】また、(方法2)及び(方法3)のガラス
ペーストを用いる場合については、乾式粉砕法に限ら
ず、湿式粉砕法によって作製されたガラス粉末を用いて
誘電体ガラス層の形成を行った場合にも効果がある。ま
た、(方法3)のガラスペーストを用いる場合について
は、前面パネル10と背面パネル20とを対向配置した
際に、前記背面パネル20の青色の蛍光体層に対向する
領域にのみストライプ状に形成し、他の部分について
は、遷移金属の酸化物を含有しない誘電体ガラス層を形
成すればよい。これによって、青色の色度の低下を抑制
することが出来る。 (その他の事項)なお、誘電体ガラス層が放電時の絶縁
性確保のために複数層積層して形成される場合、上記説
明の(方法1)及び(方法2)に方法によるガラスペー
ストを用いる誘電体ガラス層は、少なくとも表示電極1
2に接する部分に形成されればよく、また、(方法3)
のガラスペーストを用いる誘電体ガラス層は、積層する
層の少なくとも一層に適用されればよい。
ペーストを用いる場合については、乾式粉砕法に限ら
ず、湿式粉砕法によって作製されたガラス粉末を用いて
誘電体ガラス層の形成を行った場合にも効果がある。ま
た、(方法3)のガラスペーストを用いる場合について
は、前面パネル10と背面パネル20とを対向配置した
際に、前記背面パネル20の青色の蛍光体層に対向する
領域にのみストライプ状に形成し、他の部分について
は、遷移金属の酸化物を含有しない誘電体ガラス層を形
成すればよい。これによって、青色の色度の低下を抑制
することが出来る。 (その他の事項)なお、誘電体ガラス層が放電時の絶縁
性確保のために複数層積層して形成される場合、上記説
明の(方法1)及び(方法2)に方法によるガラスペー
ストを用いる誘電体ガラス層は、少なくとも表示電極1
2に接する部分に形成されればよく、また、(方法3)
のガラスペーストを用いる誘電体ガラス層は、積層する
層の少なくとも一層に適用されればよい。
【0027】さらに、誘電体ガラス層を形成する方法と
しては、上記のようなガラスペーストを基板に塗付・焼
結する方法以外に、上記(方法3)において用いたガラ
スペーストをフィルム状にし、パネルに貼り付ける方法
であっても良いし、溶射法を用いても良い。このような
方法によっても、パネルにおける黄変の発生を抑制する
ことが出来る。
しては、上記のようなガラスペーストを基板に塗付・焼
結する方法以外に、上記(方法3)において用いたガラ
スペーストをフィルム状にし、パネルに貼り付ける方法
であっても良いし、溶射法を用いても良い。このような
方法によっても、パネルにおける黄変の発生を抑制する
ことが出来る。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明は、PDPの製造
方法において、乾式粉砕法によって作製され、粒子の表
面に水酸基(−OH基)及びカルボキシル基(−COO
H基)の少なくとも1つが付加されたガラス粉末を含む
ガラスペーストを用いて誘電体ガラス層を形成すること
によって、前記誘電体ペースト内でのガラス粒子表面の
活性を低減し、それによって誘電体ガラス層焼結工程中
での表示電極の周辺におけるAgコロイドの析出を抑制
し、パネルの黄変を低減することを可能にする。
方法において、乾式粉砕法によって作製され、粒子の表
面に水酸基(−OH基)及びカルボキシル基(−COO
H基)の少なくとも1つが付加されたガラス粉末を含む
ガラスペーストを用いて誘電体ガラス層を形成すること
によって、前記誘電体ペースト内でのガラス粒子表面の
活性を低減し、それによって誘電体ガラス層焼結工程中
での表示電極の周辺におけるAgコロイドの析出を抑制
し、パネルの黄変を低減することを可能にする。
【0029】また、本発明は、PDPの製造方法におい
て、前記誘電体ガラス層に酸化銅(CuO)、酸化クロ
ム(Cr2O3)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガ
ン(Mn2O3)、酸化コバルト(Co2O3)、酸化鉄
(Fe2O3)等の黄色と補色関係にある色を有する遷移
金属の酸化物を含有させることによって、仮にAgコロ
イドが析出したとしても、パネルの黄変を低減すること
を可能にする。
て、前記誘電体ガラス層に酸化銅(CuO)、酸化クロ
ム(Cr2O3)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガ
ン(Mn2O3)、酸化コバルト(Co2O3)、酸化鉄
(Fe2O3)等の黄色と補色関係にある色を有する遷移
金属の酸化物を含有させることによって、仮にAgコロ
イドが析出したとしても、パネルの黄変を低減すること
を可能にする。
【0030】これにより、本発明は、高画質で表示でき
るPDPを提供することを可能にする。
るPDPを提供することを可能にする。
【図1】 交流面放電型PDPの要部斜視図である。
【図2】 本実施の形態にかかる誘電体ガラス層の形成
に用いるガラスペーストの作製方法を示すブロック図で
ある。
に用いるガラスペーストの作製方法を示すブロック図で
ある。
【図3】 本実施の形態にかかる遷移金属の酸化物を含
有する誘電体ガラス層の模式図である。
有する誘電体ガラス層の模式図である。
【図4】 L*a*b*均等色空間(CIE制定)の概
略を示す図である。
略を示す図である。
10 前面パネル 11 前面ガラス基板 12 表示電極 13 誘電体ガラス層 14 保護層 20 背面パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 拓 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C027 AA05 5C040 FA04 GC18 GC19 GD09 KA03 KB19 MA30
Claims (8)
- 【請求項1】 基板の主表面の一方に、銀を含有する電
極を配設する工程と、前記基板の前記電極が配設された
面上に、誘電体ガラス層を形成する工程とを備えるプラ
ズマディスプレイパネルの製造方法であって、 前記誘電体ガラス層を形成する工程は、 乾式粉砕法を用いてガラス粉末を作製するとともに、前
記ガラス粉末の粒子の表面に水を反応させて水酸基を付
加する第1ステップと、 粒子表面に水酸基が付加された前記ガラス粉末を用い
て、前記電極が配設された前記基板に層を形成する第2
ステップとを備えることを特徴とするプラズマディスプ
レイパネルの製造方法。 - 【請求項2】 基板の主表面の一方に、銀を含有する電
極を配設する工程と、前記基板の前記電極が配設された
面上に、誘電体ガラス層を形成する工程とを備えるプラ
ズマディスプレイパネルの製造方法であって、 前記誘電体ガラス層を形成する工程は、 ガラス粉末の粒子の表面に水酸基及びカルボキシル基の
少なくとも1つを付加する第1ステップと、 前記第1ステップで処理された前記ガラス粉末を用い
て、前記電極が配設された前記基板に層を形成する第2
ステップとを備えることを特徴とするプラズマディスプ
レイパネルの製造方法。 - 【請求項3】 前記第1ステップにおいて、ガラス粉末
をバインダー成分と混練するとともに、水酸基及びカル
ボキシル基の少なくとも1つを有する界面活性剤を添加
することによって、ガラス粒子の表面に水酸基及びカル
ボキシル基の少なくとも1つを付加することを特徴とす
る請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルの製造
方法。 - 【請求項4】 前記第1ステップにおいて添加する前記
界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であることを特徴
とする請求項3に記載のプラズマディスプレイパネルの
製造方法。 - 【請求項5】 第1基板の主表面の一方に、銀を含有す
る第1電極を配設する工程と、前記第1電極が配設され
た前記第1基板に誘電体ガラス層を形成する工程と、第
2基板の主表面の一方に、少なくとも青色を含む1色以
上の蛍光体層を形成する工程とを備えるプラズマディス
プレイパネルの製造方法であって、 前記誘電体ガラス層を形成する工程は、 ガラス粉末に遷移金属の酸化物を添加して誘電体材料を
作製する第1ステップと、 前記第1電極が配設された前記第1基板の少なくとも青
色の光が透過する領域に、前記誘電体材料を用いて層を
形成する第2ステップとを備えることを特徴とするプラ
ズマディスプレイパネルの製造方法。 - 【請求項6】 前記遷移金属の酸化物は、酸化銅(Cu
O)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化ニッケル(Ni
O)、酸化マンガン(Mn2O3)、酸化コバルト(Co
2O3)、酸化鉄(Fe2O3)の中の少なくとも1種であ
ることを特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプ
レイパネルの製造方法。 - 【請求項7】 主表面の一方に、銀を含有する第1電極
が配設されるとともに、誘電体ガラス層が形成された第
1パネルと、主表面の一方に、少なくとも青色を含む1
色以上の蛍光体層が形成された第2パネルとが、対向配
置されてなるプラズマディスプレイパネルであって、 前記誘電体ガラス層の少なくとも青色の光が透過する領
域には、遷移金属の酸化物を含有することを特徴とする
プラズマディスプレイパネル。 - 【請求項8】 前記遷移金属の酸化物は、酸化銅(Cu
O)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化ニッケル(Ni
O)、酸化マンガン(Mn2O3)、酸化コバルト(Co
2O3)、酸化鉄(Fe2O3)の中の少なくとも1種であ
ることを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプ
レイパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001074678A JP2002279904A (ja) | 2001-03-15 | 2001-03-15 | プラズマディスプレイパネルの製造方法およびプラズマディスプレイパネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001074678A JP2002279904A (ja) | 2001-03-15 | 2001-03-15 | プラズマディスプレイパネルの製造方法およびプラズマディスプレイパネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002279904A true JP2002279904A (ja) | 2002-09-27 |
Family
ID=18931898
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001074678A Pending JP2002279904A (ja) | 2001-03-15 | 2001-03-15 | プラズマディスプレイパネルの製造方法およびプラズマディスプレイパネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002279904A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007042554A (ja) * | 2005-08-05 | 2007-02-15 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | プラズマディスプレイパネル |
JP2015036359A (ja) * | 2013-08-13 | 2015-02-23 | 東ソー株式会社 | シリカ固化体の製造方法およびシリカ固化体 |
JP2015036358A (ja) * | 2013-08-13 | 2015-02-23 | 東ソー株式会社 | シリカ粉末の固化方法および高純度シリカ固化体 |
-
2001
- 2001-03-15 JP JP2001074678A patent/JP2002279904A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007042554A (ja) * | 2005-08-05 | 2007-02-15 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | プラズマディスプレイパネル |
JP2015036359A (ja) * | 2013-08-13 | 2015-02-23 | 東ソー株式会社 | シリカ固化体の製造方法およびシリカ固化体 |
JP2015036358A (ja) * | 2013-08-13 | 2015-02-23 | 東ソー株式会社 | シリカ粉末の固化方法および高純度シリカ固化体 |
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