JP2002279677A - 光ピックアップの波面収差補正ミラー - Google Patents

光ピックアップの波面収差補正ミラー

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JP2002279677A JP2001083206A JP2001083206A JP2002279677A JP 2002279677 A JP2002279677 A JP 2002279677A JP 2001083206 A JP2001083206 A JP 2001083206A JP 2001083206 A JP2001083206 A JP 2001083206A JP 2002279677 A JP2002279677 A JP 2002279677A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報を読み書きするときに不具合を生じさせ
るチルトの影響を、圧電素子を使用した波面収差補正ミ
ラーを使用することにより、チルトによる波面収差を補
正して解決する。 【解決手段】 光ディスクに情報を読み書きする装置で
あって、レーザ光の光軸上にレーザー光の収差を補正す
る手段を有する光ピックアップにおいて、収差補正手段
としてミラーが薄いシリコン基板と薄い圧電基板または
圧電薄膜で構成されており、シリコン基板と薄い圧電基
板または圧電薄膜間には絶縁層が設けられており、薄い
圧電基板または圧電薄膜の両面に接している電極が少な
くとも片方の面は分割されており、分割されている電極
パターンに応じてミラー面が変形し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク装置の
光ピックアップ、特にその波面収差補正ミラーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に光ディスクを用いた情報記憶媒体
として、コンパクト・ディスク(CD)やデジタル・ビ
デオ・ディスク(DVD)などがある。DVDはCDに
比べて記録密度が高いため、情報を読み書きする際に要
求される条件が厳しい。例えば、光ピックアップの光軸
とディスク面は垂直であることが理想であるが、実際に
は、ディスクは樹脂で作られているため、厳密に見ると
相当な曲面となっている。したがって、ディスクを回転
すると、光ピックアップの光軸とディスク面は、常に垂
直ではなくなる(以下、光ピックアップの光軸に対して
ディスク面が傾斜している状態を適宜「チルト」とい
う。)。また、図13に示すように、記録層(108
a、108b)は樹脂層(102a、102b)の上面
に形成されている。そのため、ディスク面が対物レンズ
(101a、101b)の光軸に対して垂直でなくなる
と、対物レンズ(101a、101b)を透過した光の
光路が曲がり(屈折し)、光のスポット位置が正しい位
置からずれてコマ収差(103a、103b)を生じ
る。そして、この収差が許容値を超えると、正しく読み
書きができなくなる。
【0003】チルトの影響を少なくする手段として、対
物レンズ(101a、101b)と記録層(108a、
108b)との間の樹脂層(102a、102b)を薄
くすることが考えられる。実際、DVD(図13
(B))の樹脂層(102b)の厚みがCD(図13
(A))の樹脂層(102b)の厚みの約半分であるの
は、この効果を狙ったものである。しかし、この方法の
場合、更に高密度記録を達成するために樹脂層を薄くし
てチルトの影響を少なくしようとすれば、ディスク上の
ゴミや傷が読み書きの精度を著しく低下させる原因とな
るという不具合が生じる。以上の事情から、アクチュエ
ータによって光軸を若干傾けて対応しているのが現状で
ある。
【0004】チルトを光学的に補正する手段として、液
晶、透明圧電素子、可変ミラーを用いたものが、特開平
10−79135号公報、特開平5−333274号公
報、特開平5−333274号公報でそれぞれ提案され
ている。これらうち、特開平10−79135号公報に
記載されている、液晶板を用いて位相制御することによ
りコマ収差補正をする方法は、レーザーが液晶板を通過
するため光量が減衰し、書き込みに必要なエネルギーを
得ることが困難であり、また液晶の特性から特にタンジ
ェンシャルチルト制御に要求される高周波動作に使用す
るのは困難であると考えられる。
【0005】特開平5−144056号公報に提案され
ている方法は、実際に透明圧電素子単体で必要変位を得
るのに高電圧が必要となるので、光ピックアップなどに
適用できないものである。特開平5−333274号公
報に提案されている方法は、ミラー自体を積層型圧電素
子で変形させ位相制御する方法であるが、光ピックアッ
プなどの小さい部品に用いるには配線が複雑になるとい
う問題があり、組み付けコストも高くなる。また、配線
の問題が解決できたとしても、積層型圧電素子をかなり
小さくする必要があるため、技術的にもコスト的にも容
易でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このよう
に、情報を読み書きするときに不具合を生じさせるチル
トの影響を、圧電素子を使用した波面収差補正ミラーを
使用することにより、チルトによる波面収差を補正して
解決するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、光ディスクに
情報を読み書きする装置であり、レーザ光の光軸上にレ
ーザー光の収差を補正する手段を有する光ピックアップ
において、収差補正手段としてミラーが薄いシリコン基
板と薄い圧電基板または圧電薄膜で構成されており、シ
リコン基板と薄い圧電基板または圧電薄膜間には絶縁層
が設けられており、薄い圧電基板または圧電薄膜の両面
に接している電極が少なくとも片方の面は分割されてお
り、分割されている電極パターンに応じてミラー面が変
形し得ることを特徴とする。この波面収差補正ミラーで
は、収差補正手段としてミラーが薄いシリコン基板と薄
い圧電基板または圧電薄膜で構成されており、シリコン
基板と薄い圧電基板または圧電薄膜間には絶縁層が設け
られており、薄い圧電基板または圧電薄膜の両面に接し
ている電極が少なくとも片方の面は分割されており、分
割されている電極パターンに応じてミラー面が可変する
ので、波面収差を補正して書き込み時、読み出し時の不
具合を解決することができる。
【0008】本発明の他の形態は、電極が2分割されて
おり、分割された電極には互いに逆極性の同電位が印加
される。この場合、2分割の場合分割された電極には互
いに逆極性の同電位が供給されるので、圧電材料は圧電
極性が一方向の一枚ですむ。
【0009】本発明の他の形態は、シリコン基板が矩形
であり、シリコン基板を固定する部分は4辺のうち対向
した2辺であることを特徴とする。この波面収差補正ミ
ラーによれば、シリコン基板が矩形の場合シリコン基板
を固定する部分は4辺のうち対向した2辺であるので、
圧電材料とシリコン基板で構成されるミラー部が効率よ
く変形することができる。
【0010】本発明の他の形態は、シリコン基板の固定
する辺の固定領域が、辺の中央部分から端に向かうにし
たがって、その幅がシリコン基板の中心から遠ざかる方
向に小さくなっていくこと特徴とする。この波面収差補
正ミラーによれば、シリコン基板の固定する辺の固定領
域が、辺の中央部分から端に行くにしたがって、その面
積がシリコン基板の中心から遠ざかる方向に小さくなっ
て行くので、圧電材料とシリコン基板で構成されるミラ
ー部がより効率よく変形することができる。
【0011】本発明の他の形態は、電極パターンがシリ
コン基板の固定する辺と平行な電極の辺のパターンが、
辺の中央部で窪みを有するパターンに形成されているこ
とを特徴とする。この波面収差補正ミラーによれば、電
極パターンがシリコン基板の固定する辺と平行な電極の
辺のパターンが、辺の中央部がくぼむようなパターンに
なっているので、圧電材料とシリコン基板で構成される
ミラー部の変形が理想的な形となる。
【0012】本発明の他の形態は、シリコン基板は固定
部分の厚みが厚く、変形部分の厚みが相対的に薄いこと
を特徴とする。この波面収差補正ミラーによれば、シリ
コン基板は固定する部分の厚さが厚く、可変するミラー
部分の厚さが相対的に薄いので、ミラー部分をしっかり
固定でき、組み付けによるバラツキを少なくすることが
できる。
【0013】本発明の他の形態は、シリコン基板の薄い
部分はエッチングによって形成されることを特徴とす
る。この波面収差補正ミラーによれば、シリコン基板の
薄い部分はエッチングによって形成されるので、ミラー
部分への加工による残留応力を極力低減することが可能
となり、ミラー面の初期の平面度を維持しやすくなる。
また、変形するミラー部の厚みをより薄く作ることが容
易になる。
【0014】本発明の他の形態は、シリコン基板の固定
する部分と可変するミラー部分の間に、可変するミラー
部分の厚さよりも薄い溝を設けたことを特徴とする。こ
の波面収差補正ミラーによれば、シリコン基板の固定す
る部分と可変するミラー部分の間に、可変するミラー部
分の厚さよりも薄い溝を設けたので、圧電材料とシリコ
ン基板で構成されるミラー部がより効率よく変形するこ
とができる。
【0015】本発明の他の形態は、シリコン基板の固定
する部分と可変するミラー部分の間の薄い溝の幅が、固
定する部分の辺の中央から辺の端に向かうにしたがって
広がっていくことを特徴とする。この波面収差補正ミラ
ーによれば、シリコン基板の固定する部分と可変するミ
ラー部分の間の薄い溝の幅が、固定する部分の辺の中央
から辺の端に向かって行くほど広がっていくので、圧電
材料とシリコン基板で構成されるミラー部がよりさらに
効率よく変形することができる。
【0016】本発明の他の形態は、電極パターンがシリ
コン基板の固定部分にパターニングされており、その固
定部分にパターニングされている部分の電極から外部制
御信号を供給することを特徴とする。この波面収差補正
ミラーによれば、電極パターンがシリコン基板の固定部
分までパターニングされており、その固定部分にパター
ニングされている部分の電極から外部制御信号を供給す
るので、ミラー面で電極の接合しなくてよくなり、ミラ
ー変形時における接合の影響はなくなる。
【0017】本発明の他の形態は、シリコン基板を固定
する固定部材側に電極がパターニングされており、シリ
コン基板側のパターニングされた電極とシリコン基板を
固定する固定部材側のパターニングされた電極が電気的
に接触結合して、シリコン基板を固定する固定部材側の
パターニングされた電極から外部制御信号を供給するこ
とを特徴とする。この波面収差補正ミラーによれば、シ
リコン基板を固定する固定部材側にも電極がパターニン
グされており、シリコン基板側のパターニングされた電
極とシリコン基板を固定する固定部材側のパターニング
された電極が電気的に接触結合して、シリコン基板を固
定する固定部材側のパターニングされた電極から外部制
御信号を供給するので、ミラー面で電極の接合しなくて
よくなり、ミラー変形時における接合の影響はなくな
り、さらにより電極の接合がしやすくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態を説明する。図1は本発明の波面収差補正ミ
ラー(ミラーアクチュエータ)を示す。この波面収差ミ
ラーは、シリコン基板(6)を有する。シリコン基板
(6)は、一方の面がミラー材(1)を支持し、反対側
の面が絶縁層(7)を支持している。絶縁層(7)は電
極(4)を支持している。また、電極(4)は、圧電極
性が一方向の圧電材料(2)を支持し、さらに圧電材料
(2)が2つの個別電極(5)を支持している。
【0019】このように構成されたミラーは、電極
(4)を接地し、個別電極(5)の一方にプラス極性、
片方にマイナス極性の電圧を印加すると、図1に示すA
−A’で切断した断面は、例えば図2(B)で示す断面
形状になる。逆の極性の電圧をそれぞれの個別電極に印
加した場合、逆の形状となる。つまり、シリコン基板
(6)は電圧が印加されても伸び縮みしないが、圧電材
料(2)は電圧が印加されると伸び縮みする。そのた
め、個別電極にプラス極性の電圧を印加した場合に該電
圧印加部分の圧電材料(2)が縮むとした場合、マイナ
ス極性の電圧を印加した場合には該電圧印加部分の圧電
材料(2)は伸びる。その結果、個別電極にプラス極性
の電圧を印加した場合、シリコン基板のミラー材(1)
の面は凸面となる。逆に、個別電極にマイナス極性の電
圧を印加した場合、シリコン基板のミラー材(1)の面
は凹面となる。
【0020】このミラーアクチュエータを光ピックアッ
プの光軸上に設置した例が図3に示してある。図3にお
いて、(10)はミラーアクチュエータ、(11)は光
ディスク、(12)は対物レンズ及び対物光学系、(1
3)立ち上げミラー、(14)は偏向ビームスプリッ
タ、(15)はレーザ素子及びレーザ光学系、(16)
は光検出素子及び光検出光学系である。
【0021】このような構成を備えた光ピックアップで
は、レーザー素子から発せられたレーザー光は、レーザ
光学系により平行光に変換される。この平行光は、偏向
ビームスプリッタ(14)を通り、ミラーアクチュエー
タ(10)で反射され、立ち上げミラー(13)でさら
に反射され、対物レンズ及び対物光学系(12)で集光
され、光ディスク(11)に焦点を結ぶ。
【0022】光ディスク(11)から反射したレーザ光
は、対物レンズ及び対物光学系(12)を通り、立ち上
げミラー(13)で反射され、ミラーアクチュエータ
(10)で反射され、偏向ビームスプリッタ(14)を
通り、光検出光学系で集光され、光検出素子で検出す
る。この検出素子にはチルト検出用の検出素子も含まれ
ている。
【0023】この光学系では、光ディスク(11)がレ
ーザ光の光軸に垂直な位置から傾くと、光ディスクから
反射して戻ってきたレーザ光の波面は乱れ、例えば図2
(A)に示す波面収差(コマ収差)が発生する。この図
において、横軸は図1で示したミラーアクチュエータの
A−A’断面と同一断面であり、縦軸は波面収差であ
る。つまり、図3の光学系で、ディスクがチルトしたと
きに発生する波面収差は、ミラーアクチュエータの反射
光にそのまま含まれる。ただし、光ディスク(11)が
レーザ光の光軸に対して垂直であれば、波面は図2
(A)で示すような収差を含まず、横軸と同じでまっす
ぐになる。
【0024】図2(B)は、図1で示したミラーアクチ
ュエータを駆動して反射光に波面収差を発生させた例を
示す。ここで、横軸は図1で示したミラーアクチュエー
タのミラー表面のA−A’断面と同一断面であり、縦軸
は波面収差である。
【0025】いま、光ディスクが傾き、ディスクからの
反射光が図2(A)で表される波面収差を含むものとす
る。この場合、ミラーアクチュエータを制御を制御して
図2(B)に示す波面収差を反射光に発生すると、各波
面収差が他方の波面収差によって相殺され、結果的に図
2(C)に示すように波面収差が減少する。
【0026】図4(A),(B)及び図5は、図1で示
した波面収差補正ミラーが固定された構造の断面図であ
る。この図において、容器状のミラー固定用部材(8)
は、2つの電極(5)の対向方向(図4(B)の左右方
向)に関して端部に位置する一対の壁部(8a)が、平
面図に示したミラー固定部(3)の対向する2辺を支持
して波面収差補正ミラーを固定している。一方、波面収
差補正ミラーの固定された2辺以外の対向する2辺は固
定されておらず、4辺固定したときよりも全体的に変形
しやすい状態になっている。
【0027】図6は波面収差補正ミラーの他の固定方法
を示す。この固定方法において、壁部(8a)に支持さ
れて固定される固定領域(3a)は、その幅(図の左右
方向の幅)が辺の中央部分から端に向かうしたがって小
さくなっている。したがって、このミラーは、図5に示
す方法で支持されたミラーよりも、全体的に容易に変形
できる。
【0028】図7はミラー面の変形形状をより理想的な
形状にするための実施形態である。電極は図1のA−
A' 断面方向に垂直な方向に伸びる辺が曲面凸状か凹上
に変形している。つまり、図1を参照して説明したよう
に、シリコン基板(6)に電圧が印加された場合、この
基板はA−A' 断面方向に垂直な方向伸び縮みしない。
しかし、圧電材料(2)はこれに電圧が印加されると同
方向に伸び縮みする。そのため、個別電極にプラス極性
の電圧を印加した場合にはその部分の圧電材料(2)が
縮み、逆にマイナス極性の電圧を印加した場合にはその
部分の圧電材料(2)は伸びる。そして、個別電極にプ
ラス極性の電圧を印加した場合、シリコン基板のミラー
材(1)の面は凸面になり、個別電極にマイナス極性の
電圧を印加した場合、シリコン基板のミラー材(1)の
面は凹面になる。これは波面を面として見た場合、図1
4に示すような等高線で表すようになり、このような波
面を打ち消すような変形を得る場合、図7に示すように
シリコン基板(6)の固定辺と平行な電極(5)の辺の
パターンが、辺の中央部がくぼむパターンになっている
ことがより望ましい。
【0029】当然、図6を図7に示す形状を組み合わせ
た形のミラーを得ることで、より理想的な変形形状が得
られる。
【0030】図8は他の実施形態の波面収差補正ミラー
を示す。このミラーにおいて、シリコン基板(6)は、
A−A’断面上の外側端部に、その基板本体(6a)か
ら上方に突出した壁部(6b)を有する。基板本体(6
a)はその下面にミラー材(1)を支持している。基板
本体(6b)の上面は、絶縁層(7)を支持している。
絶縁層(7)は電極(4)を支持し、電極(4)は圧電
極性が一方向の圧電材料(2)を支持している。さら
に、圧電材料(2)は2つの個別電極(5)を支持して
いる。シリコン基板(6)の壁部(6b)は、ミラー固
定用部材(8)を支持して固定している。
【0031】このミラーでは、電極(4)を接地し、個
別電極(5)の一方にプラス極性の電圧を印加すると共
に他方にマイナス極性の電圧を印加すると、基板本体の
A−A' 断面は、例えば図2(B)で示す断面形状とな
る。個別電極に逆の電圧を印加した場合、逆の形状にな
る。
【0032】この構成によれば、図1の実施形態よりも
ミラーをしっかりと固定でき、組付けのばらつきも押さ
えることができる。シリコン基板(6)をエッチングに
より作製する場合、特に大きなメリットがある。つま
り、ミラー部分への加工による残留応力を極力低減する
ことができ、ミラー面の初期の平面度を維持しやすい。
また、変形するミラー部の厚みをより薄く作ることが容
易になる。
【0033】図9は他の実施形態の波面収差補正ミラー
を示す。この実施形態において、シリコン基板本体(6
a)には、壁部(6b)の近傍に溝(9)が形成されて
おり、その部分が特に変形し易くしてある。したがっ
て、本実施形態によれば、基板をより効率的に変形させ
ることができる。
【0034】図10は他の実施形態の波面収差補正ミラ
ーを示す。この実施形態では、溝(9a)の幅が、壁部
(6b)の端部に向かって次第に広く形成されている。
そして溝(9a)が形成されている基板本体部分の厚み
は、可変するミラー部分の厚さよりもさらに薄いため特
に変形し易く、更に効率よく変形させることが可能であ
る。
【0035】図11は他の実施形態の波面収差補正ミラ
ーを示す。この実施形態では、電極(4a)がシリコン
基板壁部(6b)の上端面まで伸びている。また、個別
電極(5a)もシリコン基板の壁部(6b)の上面まで
伸びている。そして、シリコン基板(6)の壁部(6
b)は、ミラー固定用部材(8)に固定されている。し
たがって、本実施形態では、シリコン基板の壁部(6
b)まで伸ばした電極部分を外部制御信号用電極として
利用できる。この場合、ミラー面で直接電極の接合する
必要がなくなり、接合部がミラーの変形によって脆弱化
することもない。
【0036】図12(A)〜(C)は図11の実施形態
の変形例である。この実施形態では、シリコン基板側の
電極は、図11の実施形態と同様に配置されている。ま
た、壁部(6b)に固定される、ミラー固定用部材
(8)の固定部分には、固定用部材側電極(20)が配
置されている。本実施形態では、図9で示す個別電極
(5a)は固定用部材側電極(20a)に接続され、電
極(4a)は固定用部材側電極(20b)に接続され
る。この実施形態によれば、ミラー面で直接電極を接合
する必要がなく、接合部はミラー固定用部材(8)側か
ら接合できる。したがって、接合部がミラーの変形に悪
影響を及ぼすことはないし、接合も容易に行える。
【0037】以上、複数の実施形態を説明したが、本発
明はこれらの実施形態に限定されるものでない。例え
ば、以上の説明では圧電素子の極性を一方向に限定して
説明していたが、構造や必要に応じて、極性の違うもの
を2枚使用しても構わないし、圧電の極性自体を同一材
料の中で変えても良いことはいうまでもない。また、各
実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0038】また、チルト動作用の波面収差補正ミラー
を対象として本発明を説明したが、本発明のミラーは電
極の配置や極性をうまく利用してミラー面の変形状態を
コントロールし、球面収差や非点収差補正用の収差補正
ミラーとして利用することもできる。
【0039】さらに、チルト用補正ミラーは一方向の収
差を解消するものとして説明したが、電極パターンの分
割数を増やすことで、二方向の収差を解消するように動
作させることも可能である。
【0040】その他、ミラー材(1)は例えば、Auの
蒸着膜や誘電体多層膜などであり、絶縁層(7)は熱酸
化膜やCVDなどで堆積させた絶縁材料である。電極
(4)は導電性の高い材料や金属膜であり、波面収差補
正ミラーを作製するプロセスで高温処理をするプロセス
を用いる場合には、Ptなど高温に強い膜が望ましい。
圧電材(2)は例えばPZTであり、PZTの薄板を貼
り付けるものでも良いし、PZT膜をシリコン基板側に
成膜したものでもよい。また、シリコン基板(6)の抵
抗率が高くして絶縁体に近ければ、絶縁層は省略でき
る。またさらに、電極(4)が実施形態のように1極だ
けで個別電極(5)や電極(4)を直接的に電気的接合
をするのであれば、ミラー固定部(3)にのみ絶縁層
(7)があるか、あるいは場合によっては絶縁層を省略
しても良い。
【0041】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明を使用す
ることにより、チルトの影響を押さえ、情報を読み書き
するときに不具合を生じさせるチルトの影響を、効率良
く解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る波面収差補正ミラーの斜視図及
び側面図。
【図2】 ミラーの変形を拡大した図。
【図3】 光ピックアップの概略構成図。
【図4】 他の実施形態に係る波面収差ミラーの斜視図
及び側面図。
【図5】 他の実施形態に係る波面収差ミラーの平面
図。
【図6】 他の実施形態に係る波面収差ミラーの平面
図。
【図7】 他の実施形態に係る波面収差ミラーの平面
図。
【図8】 他の実施形態に係る波面収差ミラーの平面図
及び側面図。
【図9】 他の実施形態に係る波面収差ミラーの平面図
及び側面図。
【図10】 他の実施形態に係る波面収差ミラーの平面
図。
【図11】 他の実施形態に係る波面収差ミラーの平面
図及び側面図。
【図12】 他の実施形態に係る波面収差ミラーの平面
図及び側面図。
【図13】 光ディスクに照射された光の経路を示す
図。
【図14】 波面の等高線図。
【符号の説明】
1:ミラー材 2:圧電材料 3:ミラー固定部 4:電極 5:個別電極 6:シリコン基板 7:絶縁層 8:ミラー固定用部材 9:溝 10:波面収差補正ミラー 11:光ディスク 12:対物レンズ及び対物光学系 13:立ち上げミラー 14:偏向ビームスプリッタ 15:レーザ素子及びレーザ光学系 16:光検出素子及び光検出光学系 20:固定用部材側電極 101a, 101b:対物レンズ(101a:CD用、101b:DVD用) 102a,102b:ディスク(102a:CD用、102b:DVD用) 103a,103b:スポット(コマ収差)(103a:CD、103b:D
VD) 108:記録層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスクに情報を読み書きする装置で
    あって、レーザ光の光軸上にレーザー光の収差を補正す
    る手段を有する光ピックアップにおいて、収差補正手段
    としてミラーが薄いシリコン基板と薄い圧電基板または
    圧電薄膜で構成されており、シリコン基板と薄い圧電基
    板または圧電薄膜間には絶縁層が設けられており、薄い
    圧電基板または圧電薄膜の両面に接している電極が少な
    くとも片方の面は分割されており、分割されている電極
    パターンに応じてミラー面が変形し得ることを特徴とす
    る波面収差補正ミラー。
  2. 【請求項2】 請求項1において、電極は2分割されて
    おり、分割された電極には互いに逆極性の同電位が印加
    されることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  3. 【請求項3】 請求項1において、シリコン基板が矩形
    であり、シリコン基板を固定する部分は4辺のうち対向
    した2辺であることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  4. 【請求項4】 請求項3において、シリコン基板の固定
    する辺の固定領域が、辺の中央部分から端に向かうにし
    たがって、その幅がシリコン基板の中心から遠ざかる方
    向に小さくなっていくこと特徴とする波面収差補正ミラ
    ー。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4において、電極パターンが
    シリコン基板の固定する辺と平行な電極の辺のパターン
    が、辺の中央部で窪みを有するパターンに形成されてい
    ることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  6. 【請求項6】 請求項1、2において、シリコン基板は
    固定部分の厚みが厚く、変形部分の厚みが相対的に薄い
    ことを特徴とする波面収差補正ミラー。
  7. 【請求項7】 請求項6において、シリコン基板の薄い
    部分はエッチングによって形成されることを特徴とする
    波面収差補正ミラー。
  8. 【請求項8】 請求項6、7において、シリコン基板の
    固定する部分と可変するミラー部分の間に、可変するミ
    ラー部分の厚さよりも薄い溝を設けたことを特徴とする
    波面収差補正ミラー。
  9. 【請求項9】 請求項8において、シリコン基板の固定
    する部分と可変するミラー部分の間の薄い溝の幅が、固
    定する部分の辺の中央から辺の端に向かうにしたがって
    広がっていくことを特徴とする波面収差補正ミラー。
  10. 【請求項10】 請求項1、2において電極パターンが
    シリコン基板の固定部分にパターニングされており、そ
    の固定部分にパターニングされている部分の電極から外
    部制御信号を供給することを特徴とする波面収差補正ミ
    ラー。
  11. 【請求項11】 請求項10において、シリコン基板を
    固定する固定部材側に電極がパターニングされており、
    シリコン基板側のパターニングされた電極とシリコン基
    板を固定する固定部材側のパターニングされた電極が電
    気的に接触結合して、シリコン基板を固定する固定部材
    側のパターニングされた電極から外部制御信号を供給す
    ることを特徴とする波面収差補正ミラー。
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