JP2002279056A - 被覆型廃棄物最終処分場における埋立て管理方法 - Google Patents

被覆型廃棄物最終処分場における埋立て管理方法

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JP2002279056A
JP2002279056A JP2001081165A JP2001081165A JP2002279056A JP 2002279056 A JP2002279056 A JP 2002279056A JP 2001081165 A JP2001081165 A JP 2001081165A JP 2001081165 A JP2001081165 A JP 2001081165A JP 2002279056 A JP2002279056 A JP 2002279056A
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則和 ▲高▼木
Norikazu Takagi
Kazuo Yamauchi
一生 山内
Yoshihiko Nagao
佳彦 長尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】廃棄物最終処分場において、埋立に関する情
報を総合的に管理する。 【解決手段】処分場14に入退場する廃棄物運搬車両1
0の識別情報を取得するとともに、前記廃棄物運搬車両
10の入場日時および退場日時情報を取得し、かつ入場
時の車両重量と退場時の車両重量との差により前記廃棄
物運搬車両による廃棄物投入量を算出し、これらの廃棄
物運搬車両毎の廃棄物搬入管理情報をコンピュータ5内
に記憶する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、埋立て処分場の上
面を屋根で覆う、或いは埋立て処分場を人工地盤で覆う
などして被覆された状態のままで廃棄物の投棄を行うよ
うにした被覆型廃棄物最終処分場における埋立て管理方
法およびそのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般家庭から排出される分別
ゴミや粗大ゴミなどの不燃物や、工場などから排出され
る廃プラスチック、焼却灰、汚泥、鉱滓などの産業廃棄
物(以下、纏めて廃棄物という。)は焼却処理できない
ため、埋立て処分されている。
【0003】従来より多く建設されている開放型最終処
分場は、地下水の汚染、大気の汚染、土壌汚染等、環境
汚染につながる施設として指摘されるようになり、用地
確保のみならず既設処分場の改造すらままならない状況
が続いている。かかる環境問題は、比較的管理・運営が
良く行き届いた処分場ではあまり発生していないが、管
理・運営が良くない処分場においては実際に多く発生し
ている。
【0004】従って、前記最終処分場においては、管理
・運営が非常に重要であることが再認識されているが、
従前の開放型処分場では人為的に管理するには困難な条
件が多く介在していることも事実で、特に天候による影
響や鳥獣・虫等の侵入は実質的に制御不可能である。
【0005】この問題を解決すべく、従来の開放型処分
場に代えて、上部を屋根で覆う、或いは上面を人工地盤
等で覆うなどした被覆型最終処分場が提案され導入され
始めている。
【0006】前記被覆型最終処分場では、天候による影
響を受けず廃棄物を管理できるようになるとともに、鳥
獣・虫等の侵入も防ぐことができ、さらには給気条件や
排気条件を管理できるので粉塵・臭気等の拡散も防止で
きるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記被
覆型廃棄物最終処分場の場合は、確かに人為的に管理可
能な条件が増えるとともに、周辺環境との景観的調和、
廃棄物の飛散防止、臭気の拡散防止等は図れるようにな
るが、実際に埋立て処分される廃棄物自体の管理に関し
て言えば、決して十分であるとは言えず、単に手記によ
る日付、台数等の搬入記録に止まるものであった。
【0008】仮に有害物質の漏出があった場合や、将来
資源としてリサイクル可能な物質が特定されたりした場
合等に対処可能とするための、処分場内の何処に、何が
どれだけ埋め立てられているか等の管理情報は全く欠落
していた。
【0009】一方で、被覆型最終処分場により外的環境
は改善されることになるけれども、これとは反対に内的
環境は悪化することになり、作業員等が悪環境に晒され
るようになり、廃棄物投棄を自動化したシステムが強く
望まれていた。
【0010】そこで本発明の主たる課題は、被覆型廃棄
物最終処分場において、投棄者、投棄日時はもとより、
搬入車両毎に廃棄物の量、処分場内での埋立て場所、好
ましくは廃棄物種類までも記憶・管理できるようにする
とともに、自動化により作業員の施設内への立ち入り回
数を極力低減できるようにした被覆型廃棄物最終処分場
における埋立て管理方法およびそのシステムを提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明として、被覆型廃棄物最終処分場に入退場する
廃棄物運搬車両の識別情報を検出手段または情報入力手
段により取得するとともに、前記廃棄物運搬車両の入場
日時および/または退場日時情報を取得し、かつ入場時
の車両重量と退場時の車両重量との差により前記廃棄物
運搬車両による廃棄物投入量を算出し、これらの廃棄物
運搬車両毎の廃棄物搬入管理情報をコンピュータ内に記
憶し、前記被覆型廃棄物最終処分場に対し、搬入された
廃棄物を処分場内の任意の場所に投棄可能な廃棄物投棄
設備を設けておき、予め処分場に平面的に割り当てたブ
ロック座標情報に基づいて、前記廃棄物投棄設備により
所定のブロック座標位置に前記廃棄物を投棄するととも
に、前記廃棄物運搬車両毎の廃棄物搬入管理情報と関連
付けしながら、当該廃棄物の投棄位置のブロック座標お
よびブロック座標毎の投棄回数をコンピュータ内に記憶
するようにしたことを特徴とする被覆型廃棄物最終処分
場における埋立て管理方法が提供される。
【0012】この場合、前記廃棄物運搬車両の入場時ま
たは退場時に廃棄物の種類情報を取得し、前記廃棄物運
搬車両毎の廃棄物搬入管理情報、廃棄物の投棄位置のブ
ロック座標およびブロック座標毎の投棄回数と関連付け
しながらコンピュータ内に記憶するようにし、廃棄物の
種類を含む埋立て管理情報とするのが望ましい。
【0013】また、前記廃棄物運搬車両の識別に関し具
体的には、廃棄物運搬車両毎に車両識別情報が記録され
たバーコードシートを付与し、前記入場および/または
退場時にバーコード検出手段により廃棄物運搬車両の識
別を行うようにするのが望ましい。
【0014】一方、本埋立て管理システムとしては、被
覆型廃棄物最終処分場に入退場する廃棄物運搬車両の識
別情報を検出手段または情報入力手段により取得すると
ともに、前記廃棄物運搬車両の入場日時および/または
退場日時情報を取得し、かつ入場時の車両重量と退場時
の車両重量との差により前記廃棄物運搬車両による廃棄
物投入量を算出し、これらの廃棄物運搬車両毎の廃棄物
搬入情報を記憶・管理する廃棄物搬入情報管理システム
と、前記被覆型廃棄物最終処分場に対し、搬入された廃
棄物を処分場内の任意の場所に投棄可能な廃棄物投棄設
備を設けておき、予め処分場内に割り当てられたブロッ
ク座標情報に基づいて、前記廃棄物投棄設備により所定
のブロック座標位置に前記廃棄物を投棄するとともに、
前記廃棄物運搬車両毎の廃棄物搬入管理情報と関連付け
しながら、当該廃棄物の投棄位置のブロック座標および
ブロック座標毎の投棄回数を記憶・管理する廃棄物埋立
情報管理システムとを備えることを特徴とする被覆型廃
棄物最終処分場における埋立て管理システムが提供され
る。
【0015】この場合、前記廃棄物投棄設備は、処分場
の両側に敷設された縦行レール間に横架され、該縦行レ
ールに沿って走行自在とされる縦行走行体と、この縦行
走行体の上面に長手方向に沿って敷設されたレールに沿
って走行自在とされる投棄用移動ホッパーとからなる投
棄設備とすることができる。また、監視カメラを取り付
け、廃棄場の投棄状況をモニタ上に表示可能とすること
もできる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳述する。図1は本発明に係る被
覆型廃棄物最終処分場における埋立て管理システム1の
構成図である。
【0017】本システム1は、主に廃棄物運搬車両毎
に、車両識別コード、搬入日時、廃棄物の種類、廃棄物
の投棄量等の廃棄物搬入情報を記憶・管理する廃棄物搬
入情報管理システム2と、前記廃棄物運搬車両より搬入
された廃棄物を処分場内の所定位置に廃棄するととも
に、廃棄物の投棄位置およびその投棄回数を記憶・管理
する廃棄物埋立情報管理システム3とから構成された管
理システムとなっている。
【0018】以下、具体的に前記廃棄物搬入情報管理シ
ステム2と廃棄物埋立情報管理システム3とに分けて詳
述すると、 《廃棄物搬入情報管理システム2》先ず、前記廃棄物搬
入情報管理システム2において、図2に示されるよう
に、管理室4内に搬入管理用コンピュータ5、投棄設備
(ホッパークレーン)制御用コンピュータ6および設備
監視用コンピュータ7が設備され、一方入場口および退
場口にはそれぞれ車両重量測定装置13が路面に設置さ
れているとともに、廃棄物情報取得装置8、9が設置さ
れ、前記搬入管理用コンピュータ5と廃棄物情報取得装
置8,9とが有線ケーブル11または無線装置12を介
して情報伝送可能に結ばれている。
【0019】前記廃棄物情報取得装置8は、例えば図3
に示されるように、バーコードリーダー15、テンキー
入力部16および廃棄物種類の入力部17を備えるとと
もに、内部にタイマー機能を備え、最終処分場14内に
入場する廃棄物運搬車両10毎に、車両コードの認証
(車両識別情報)、入場日時、廃棄物種類、入場時車両
重量の情報が前記搬入管理用コンピュータ5に伝送され
るようになっている。一方、廃棄物情報取得装置9は、
バーコードリーダー15、テンキー入力部16(廃棄物
種類の入力部17は省略可)を備えるとともに、内部に
タイマー機能を備え、最終処分場14から退場する車両
の車両コードの認証(車両識別情報)、退場日時、退場
時車両重量の情報が前記搬入管理用コンピュータ5に伝
送されるようになっている。なお、前記テンキー入力部
16は、破損や汚れ等によりバーコードの読み取りが不
能な場合にテンキーから直接、入力可能とするためであ
る。また、廃棄物種類については、予め登録された車両
コードと対応させた廃棄物種類のデータベースを構築し
ておき、入場時の受付と連動させて自動的に記録するこ
ともできる。
【0020】前記搬入管理用コンピュータ5では、入場
時の車両重量と退場時の車両重量との差により前記廃棄
物運搬車両による廃棄物投入量を算出し、前記車両コー
ド(業者名)、入場日時、退場日時、搬入量等の廃棄物
搬入情報を廃棄物搬入履歴として任意の保存型式、例え
ばCSV形式等により記憶部に記憶するようになってい
る。この廃棄物搬入情報は、任意時に所定の出力形式で
プリントアウトすることができる。その出力例を下表1
に示す。
【0021】
【表1】
【0022】また、モニタ18には図4に示されるよう
に、入場車両のコードと入場時重量が表示されるととも
に、待機(入場中)車両のコード一覧および退場車両の
コード、退場時重量および廃棄物搬入重量が表示される
ようになっている。
【0023】ところで、前記車両の識別情報取得方法と
しては、前記バーコードの他、磁気方式、非接触型ICタ
グを用いたRFID(Radio Frequency-IDentification)な
どを使用することができる。また、図5に示されるよう
に、車両のルーフ面にバーコードシートを貼り付け、ゲ
ート梁19の下面に取り付けたバーコードリーダー20
によって自動的に読み取らせることも可能である。
【0024】《廃棄物埋立情報管理システム3》廃棄物
情報取得装置8を通過し最終処分場14内に入場した廃
棄物運搬車両10が、図6に示されるように、所定の投
棄場所に停止すると、光電管または重量センサなどによ
り車両10の存在を検出した制御器21がベルトコンベ
ア22A、22Bを稼働開始し、廃棄物運搬車両10か
ら投下された廃棄物は、投入ホッパ21を経て第1ベル
トコンベア22A上に落下し、その後水平移送された
後、第2ベルトコンベア22Bにより廃棄物投棄設備2
3(以下、ホッパークレーンという。)まで揚上搬送さ
れる。
【0025】前記ホッパークレーン23は、詳細には図
7および図8に示されるように、処分場14の両側に敷
設された縦行レール24,24間に横架され、該縦行レ
ール24,24に沿って走行自在とされる縦行走行体2
5と、この縦行走行体25の上面に長手方向に沿って敷
設されたレール26,26に沿って走行自在とされる投
棄用移動ホッパー27とからなる投棄設備で、管理室に
設置された投棄設備(ホッパークレーン)制御用コンピ
ュータ6による制御の下で、廃棄物を最終処分場14内
の任意の場所まで運搬した後、投棄するようになってい
る。
【0026】すなわち、前記管理室4に設置された投棄
設備(ホッパークレーン)制御用コンピュータ6では、
仮想的に前記最終処分場14に対し、図9に示されるよ
うに、予め平面的にブロック座標(格子座標)が割り当
てられている。図示例では縦列に対し01〜09まで番号が
付与され、横列に対し10〜24までの番号が付与され、各
ブロック座標が縦列番号+横列番号からなる4桁の番号
により特定されるとともに、各ブロック座標への移動パ
ターン(前記縦行走行体および投棄用移動ホッパーの移
動制御量)が記憶され、前記投棄用移動ホッパー27に
投入された廃棄物を予め決められた投棄場所(所定のブ
ロック座標位置)まで運搬し投棄するようになってい
る。前記縦行走行体25および投棄用移動ホッパー27
の移動量は、例えば車輪部に設けたロータリーエンコー
ダにより回転数を計数することにより測定することが可
能である。
【0027】前記ホッパークレーン23の移動制御は、
予め決められたブロック座標の順番に従って運搬及び投
棄を行う自動制御、または図10に示されるように、タ
ッチパネルモニタを使用し、投棄位置を操作者が指定す
ることも可能である。さらには、人間が手動により前記
ホッパークレーン23を操縦し所定ブロック座標位置ま
で移動させた後、投棄することも可能である。
【0028】なお、前記ホッパークレーン23の移動パ
ターンとしては、例えば図11(A)に示される時計回り
渦巻きパターン、図11(B)に示される反時計回りの渦
巻きパターン、図11(C)に示される縦方向のジグザグ
パターン、図11(D)に示される横方向のジグザグパタ
ーン等、各種の移動パターンを挙げることができる。
【0029】前記投棄設備(ホッパークレーン)制御用
コンピュータ6では、前記廃棄物運搬車両毎の廃棄物搬
入管理情報と関連付けしながら、当該廃棄物の投棄位置
のブロック座標およびブロック座標毎の投棄回数を貯留
履歴としてコンピュータの記憶部に記憶するとともに、
LANで結ばれた前記搬入管理用コンピュータ5にその
情報(廃棄物埋立情報)を伝送するようになっている。
これらの貯留履歴は任意の保存型式、例えばCSV形式等
により記憶され、任意時に所定の出力形式でプリントア
ウトすることができる。下表2にその出力例を示す。
【0030】
【表2】
【0031】前記投棄設備(ホッパークレーン)制御用
コンピュータ6および/または前記搬入管理用コンピュ
ータ5では、前記廃棄物埋立情報に基づいて、モニタ1
8,28上に例えば図9に示されるように、各ブロック
座標欄に投棄回数を表示するとともに、図12に示され
るように、一目で廃棄状況が分かるように、各ブロック
座標の投棄回数を立体表示することが可能になってい
る。
【0032】《設備監視システム》前記管理室4に設備
されている設備監視用コンピュータ7は、最終処理場1
4内の投棄状況を監視するために設けた監視カメラ30
のモニタとして使用されるとともに、ガスセンサ31お
よび各種設備に設けたセンサー類からの信号により、非
常事態の発生等(警報含む)を知らせるためのものであ
る。これらの情報は、たとえば、表3に示されるよう
に、発生時刻、復旧時刻および具体的内容が記録され、
障害履歴として記憶される。
【0033】
【表3】
【0034】同表3に示されるように、障害履歴の具体
的な内容としては、例えば、最終処分場14内に設置さ
れたベルトコンベア22A、22Bの故障、一定量以上
のガスの発生、未登録コード車両の入場、車両コードの
テンキー入力等があり、これらは緊急度の度合いに応じ
てA〜Dの重要度で格付けされる。
【0035】以上、本例では本発明に係る埋立て管理シ
ステムについて詳述したが、コンピュータ5、6に蓄積
された廃棄物管理情報は、図13に示されるように、遠
隔地にあるコンピュータP、P…とをインターネット通
信回線を介して接続することにより、外部からモニタリ
ングすることも可能である。
【0036】
【発明の効果】以上詳説のとおり本発明によれば、被覆
型廃棄物最終処分場において、投棄者、投棄日時はもと
より、搬入車両毎に廃棄物の量、処分場内での埋立て場
所、好ましくは廃棄物種類までも記憶・管理できるよう
になるとともに、自動化により作業員の施設内への立ち
入り回数を極力低減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る被覆型廃棄物最終処分場における
埋立て管理システム1の構成図である。
【図2】廃棄物搬入情報管理システム2の概略図であ
る。
【図3】廃棄物情報取得装置8の操作部拡大図である。
【図4】搬入管理用コンピュータ5のモニタ表示例を示
す図である。
【図5】車両の識別情報取得方法の他例を示す図であ
る。
【図6】投棄手順を示す概略図である。
【図7】ホッパークレーン23を示す平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線矢視図である。
【図9】投棄設備制御用コンピュータ6のモニタ表示例
を示す図である。
【図10】タッチパネルによる投棄位置指定要領を示す
図である。
【図11】(A)〜(D)はそれぞれホッパークレーン23の
移動パターンを示す図である。
【図12】モニタ上での廃棄物投棄回数の立体表示例を
示す図である。
【図13】インターネット通信回線を利用した外部から
のモニタリング概念図である。
【符号の説明】
1…埋立て管理システム、2…廃棄物搬入情報管理シス
テム、3…廃棄物埋立情報管理システム、4…管理室、
5…搬入管理用コンピュータ、6…投棄設備制御用コン
ピュータ、7…設備監視用コンピュータ、8・9…廃棄
物情報取得装置、10…廃棄物運搬車両、13…車両重
量測定装置、14…最終処分場、23…ホッパークレー
ン(廃棄物投棄設備)
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月25日(2001.12.
25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 被覆型廃棄物最終処分場における埋立
て管理方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、埋立て処分場の上
面を屋根で覆う、或いは埋立て処分場を人工地盤で覆う
などして被覆された状態のままで廃棄物の投棄を行うよ
うにした被覆型廃棄物最終処分場における埋立て管理方
法。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般家庭から排出される分別
ゴミや粗大ゴミなどの不燃物や、工場などから排出され
る廃プラスチック、焼却灰、汚泥、鉱滓などの産業廃棄
物(以下、纏めて廃棄物という。)は焼却処理できない
ため、埋立て処分されている。
【0003】従来より多く建設されている開放型最終処
分場は、地下水の汚染、大気の汚染、土壌汚染等、環境
汚染につながる施設として指摘されるようになり、用地
確保のみならず既設処分場の改造すらままならない状況
が続いている。かかる環境問題は、比較的管理・運営が
良く行き届いた処分場ではあまり発生していないが、管
理・運営が良くない処分場においては実際に多く発生し
ている。
【0004】従って、前記最終処分場においては、管理
・運営が非常に重要であることが再認識されているが、
従前の開放型処分場では人為的に管理するには困難な条
件が多く介在していることも事実で、特に天候による影
響や鳥獣・虫等の侵入は実質的に制御不可能である。
【0005】この問題を解決すべく、従来の開放型処分
場に代えて、上部を屋根で覆う、或いは上面を人工地盤
等で覆うなどした被覆型最終処分場が提案され導入され
始めている。
【0006】前記被覆型最終処分場では、天候による影
響を受けず廃棄物を管理できるようになるとともに、鳥
獣・虫等の侵入も防ぐことができ、さらには給気条件や
排気条件を管理できるので粉塵・臭気等の拡散も防止で
きるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記被
覆型廃棄物最終処分場の場合は、確かに人為的に管理可
能な条件が増えるとともに、周辺環境との景観的調和、
廃棄物の飛散防止、臭気の拡散防止等は図れるようにな
るが、実際に埋立て処分される廃棄物自体の管理に関し
て言えば、決して十分であるとは言えず、単に手記によ
る日付、台数等の搬入記録に止まるものであった。
【0008】そこで本発明の主たる課題は、被覆型廃棄
物最終処分場において、投棄者、投棄日時、搬入車両毎
に廃棄物の量を記憶・管理できるようにした被覆型廃棄
物最終処分場における埋立て管理方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明として、被覆型廃棄物最終処分場に入退場する
廃棄物運搬車両の識別情報を検出手段または情報入力手
段により取得するとともに、前記廃棄物運搬車両の入場
日時および/または退場日時情報を取得し、かつ入場時
の車両重量と退場時の車両重量との差により前記廃棄物
運搬車両による廃棄物投入量を算出し、これらの廃棄物
運搬車両毎の廃棄物搬入管理情報をコンピュータ内に記
したことを特徴とする被覆型廃棄物最終処分場におけ
る埋立て管理方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳述する。図1は本発明に係る被
覆型廃棄物最終処分場における埋立て管理システム1の
構成図である。
【0011】本システム1は、主に廃棄物運搬車両毎
に、車両識別コード、搬入日時、廃棄物の種類、廃棄物
の投棄量等の廃棄物搬入情報を記憶・管理する廃棄物搬
入情報管理システム2と、前記廃棄物運搬車両より搬入
された廃棄物を処分場内の所定位置に廃棄するととも
に、廃棄物の投棄位置およびその投棄回数を記憶・管理
する廃棄物埋立情報管理システム3とから構成された管
理システムとなっている。
【0012】以下、具体的に前記廃棄物搬入情報管理シ
ステム2と廃棄物埋立情報管理システム3とに分けて詳
述すると、 《廃棄物搬入情報管理システム2》先ず、前記廃棄物搬
入情報管理システム2において、図2に示されるよう
に、管理室4内に搬入管理用コンピュータ5、投棄設備
(ホッパークレーン)制御用コンピュータ6および設備
監視用コンピュータ7が設備され、一方入場口および退
場口にはそれぞれ車両重量測定装置13が路面に設置さ
れているとともに、廃棄物情報取得装置8、9が設置さ
れ、前記搬入管理用コンピュータ5と廃棄物情報取得装
置8,9とが有線ケーブル11または無線装置12を介
して情報伝送可能に結ばれている。
【0013】前記廃棄物情報取得装置8は、例えば図3
に示されるように、バーコードリーダー15、テンキー
入力部16および廃棄物種類の入力部17を備えるとと
もに、内部にタイマー機能を備え、最終処分場14内に
入場する廃棄物運搬車両10毎に、車両コードの認証
(車両識別情報)、入場日時、廃棄物種類、入場時車両
重量の情報が前記搬入管理用コンピュータ5に伝送され
るようになっている。一方、廃棄物情報取得装置9は、
バーコードリーダー15、テンキー入力部16(廃棄物
種類の入力部17は省略可)を備えるとともに、内部に
タイマー機能を備え、最終処分場14から退場する車両
の車両コードの認証(車両識別情報)、退場日時、退場
時車両重量の情報が前記搬入管理用コンピュータ5に伝
送されるようになっている。なお、前記テンキー入力部
16は、破損や汚れ等によりバーコードの読み取りが不
能な場合にテンキーから直接、入力可能とするためであ
る。また、廃棄物種類については、予め登録された車両
コードと対応させた廃棄物種類のデータベースを構築し
ておき、入場時の受付と連動させて自動的に記録するこ
ともできる。
【0014】前記搬入管理用コンピュータ5では、入場
時の車両重量と退場時の車両重量との差により前記廃棄
物運搬車両による廃棄物投入量を算出し、前記車両コー
ド(業者名)、入場日時、退場日時、搬入量等の廃棄物
搬入情報を廃棄物搬入履歴として任意の保存型式、例え
ばCSV形式等により記憶部に記憶するようになってい
る。この廃棄物搬入情報は、任意時に所定の出力形式で
プリントアウトすることができる。その出力例を下表1
に示す。
【0015】
【表1】
【0016】また、モニタ18には図4に示されるよう
に、入場車両のコードと入場時重量が表示されるととも
に、待機(入場中)車両のコード一覧および退場車両の
コード、退場時重量および廃棄物搬入重量が表示される
ようになっている。
【0017】ところで、前記車両の識別情報取得方法と
しては、前記バーコードの他、磁気方式、非接触型ICタ
グを用いたRFID(Radio Frequency-IDentification)な
どを使用することができる。また、図5に示されるよう
に、車両のルーフ面にバーコードシートを貼り付け、ゲ
ート梁19の下面に取り付けたバーコードリーダー20
によって自動的に読み取らせることも可能である。
【0018】《廃棄物埋立情報管理システム3》廃棄物
情報取得装置8を通過し最終処分場14内に入場した廃
棄物運搬車両10が、図6に示されるように、所定の投
棄場所に停止すると、光電管または重量センサなどによ
り車両10の存在を検出した制御器21がベルトコンベ
ア22A、22Bを稼働開始し、廃棄物運搬車両10か
ら投下された廃棄物は、投入ホッパ21を経て第1ベル
トコンベア22A上に落下し、その後水平移送された
後、第2ベルトコンベア22Bにより廃棄物投棄設備2
3(以下、ホッパークレーンという。)まで揚上搬送さ
れる。
【0019】前記ホッパークレーン23は、詳細には図
7および図8に示されるように、処分場14の両側に敷
設された縦行レール24,24間に横架され、該縦行レ
ール24,24に沿って走行自在とされる縦行走行体2
5と、この縦行走行体25の上面に長手方向に沿って敷
設されたレール26,26に沿って走行自在とされる投
棄用移動ホッパー27とからなる投棄設備で、管理室に
設置された投棄設備(ホッパークレーン)制御用コンピ
ュータ6による制御の下で、廃棄物を最終処分場14内
の任意の場所まで運搬した後、投棄するようになってい
る。
【0020】すなわち、前記管理室4に設置された投棄
設備(ホッパークレーン)制御用コンピュータ6では、
仮想的に前記最終処分場14に対し、図9に示されるよ
うに、予め平面的にブロック座標(格子座標)が割り当
てられている。図示例では縦列に対し01〜09まで番号が
付与され、横列に対し10〜24までの番号が付与され、各
ブロック座標が縦列番号+横列番号からなる4桁の番号
により特定されるとともに、各ブロック座標への移動パ
ターン(前記縦行走行体および投棄用移動ホッパーの移
動制御量)が記憶され、前記投棄用移動ホッパー27に
投入された廃棄物を予め決められた投棄場所(所定のブ
ロック座標位置)まで運搬し投棄するようになってい
る。前記縦行走行体25および投棄用移動ホッパー27
の移動量は、例えば車輪部に設けたロータリーエンコー
ダにより回転数を計数することにより測定することが可
能である。
【0021】前記ホッパークレーン23の移動制御は、
予め決められたブロック座標の順番に従って運搬及び投
棄を行う自動制御、または図10に示されるように、タ
ッチパネルモニタを使用し、投棄位置を操作者が指定す
ることも可能である。さらには、人間が手動により前記
ホッパークレーン23を操縦し所定ブロック座標位置ま
で移動させた後、投棄することも可能である。
【0022】なお、前記ホッパークレーン23の移動パ
ターンとしては、例えば図11(A)に示される時計回り
渦巻きパターン、図11(B)に示される反時計回りの渦
巻きパターン、図11(C)に示される縦方向のジグザグ
パターン、図11(D)に示される横方向のジグザグパタ
ーン等、各種の移動パターンを挙げることができる。
【0023】前記投棄設備(ホッパークレーン)制御用
コンピュータ6では、前記廃棄物運搬車両毎の廃棄物搬
入管理情報と関連付けしながら、当該廃棄物の投棄位置
のブロック座標およびブロック座標毎の投棄回数を貯留
履歴としてコンピュータの記憶部に記憶するとともに、
LANで結ばれた前記搬入管理用コンピュータ5にその
情報(廃棄物埋立情報)を伝送するようになっている。
これらの貯留履歴は任意の保存型式、例えばCSV形式等
により記憶され、任意時に所定の出力形式でプリントア
ウトすることができる。下表2にその出力例を示す。
【0024】
【表2】
【0025】前記投棄設備(ホッパークレーン)制御用
コンピュータ6および/または前記搬入管理用コンピュ
ータ5では、前記廃棄物埋立情報に基づいて、モニタ1
8,28上に例えば図9に示されるように、各ブロック
座標欄に投棄回数を表示するとともに、図12に示され
るように、一目で廃棄状況が分かるように、各ブロック
座標の投棄回数を立体表示することが可能になってい
る。
【0026】《設備監視システム》前記管理室4に設備
されている設備監視用コンピュータ7は、最終処理場1
4内の投棄状況を監視するために設けた監視カメラ30
のモニタとして使用されるとともに、ガスセンサ31お
よび各種設備に設けたセンサー類からの信号により、非
常事態の発生等(警報含む)を知らせるためのものであ
る。これらの情報は、たとえば、表3に示されるよう
に、発生時刻、復旧時刻および具体的内容が記録され、
障害履歴として記憶される。
【0027】
【表3】
【0028】同表3に示されるように、障害履歴の具体
的な内容としては、例えば、最終処分場14内に設置さ
れたベルトコンベア22A、22Bの故障、一定量以上
のガスの発生、未登録コード車両の入場、車両コードの
テンキー入力等があり、これらは緊急度の度合いに応じ
てA〜Dの重要度で格付けされる。
【0029】以上、本例では本発明に係る埋立て管理シ
ステムについて詳述したが、コンピュータ5、6に蓄積
された廃棄物管理情報は、図13に示されるように、遠
隔地にあるコンピュータP、P…とをインターネット通
信回線を介して接続することにより、外部からモニタリ
ングすることも可能である。
【0030】
【発明の効果】以上詳説のとおり本発明によれば、被覆
型廃棄物最終処分場において、投棄者、投棄日時、およ
び搬入車両毎に廃棄物の量を記憶・管理できるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る被覆型廃棄物最終処分場における
埋立て管理システム1の構成図である。
【図2】廃棄物搬入情報管理システム2の概略図であ
る。
【図3】廃棄物情報取得装置8の操作部拡大図である。
【図4】搬入管理用コンピュータ5のモニタ表示例を示
す図である。
【図5】車両の識別情報取得方法の他例を示す図であ
る。
【図6】投棄手順を示す概略図である。
【図7】ホッパークレーン23を示す平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線矢視図である。
【図9】投棄設備制御用コンピュータ6のモニタ表示例
を示す図である。
【図10】タッチパネルによる投棄位置指定要領を示す
図である。
【図11】(A)〜(D)はそれぞれホッパークレーン23の
移動パターンを示す図である。
【図12】モニタ上での廃棄物投棄回数の立体表示例を
示す図である。
【図13】インターネット通信回線を利用した外部から
のモニタリング概念図である。
【符号の説明】 1…埋立て管理システム、2…廃棄物搬入情報管理シス
テム、3…廃棄物埋立情報管理システム、4…管理室、
5…搬入管理用コンピュータ、6…投棄設備制御用コン
ピュータ、7…設備監視用コンピュータ、8・9…廃棄
物情報取得装置、10…廃棄物運搬車両、13…車両重
量測定装置、14…最終処分場、23…ホッパークレー
ン(廃棄物投棄設備)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長尾 佳彦 大阪府大阪市福島区大開1−19−16 興和 電機株式会社内 Fターム(参考) 3E025 AA04 DC02 DC06 EA01 EA03 EA10 EB01 EB08 4D004 AA46 BB03 DA16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被覆型廃棄物最終処分場に入退場する廃棄
    物運搬車両の識別情報を検出手段または情報入力手段に
    より取得するとともに、前記廃棄物運搬車両の入場日時
    および/または退場日時情報を取得し、かつ入場時の車
    両重量と退場時の車両重量との差により前記廃棄物運搬
    車両による廃棄物投入量を算出し、これらの廃棄物運搬
    車両毎の廃棄物搬入管理情報をコンピュータ内に記憶
    し、 前記被覆型廃棄物最終処分場に対し、搬入された廃棄物
    を処分場内の任意の場所に投棄可能な廃棄物投棄設備を
    設けておき、予め処分場に平面的に割り当てたブロック
    座標情報に基づいて、前記廃棄物投棄設備により所定の
    ブロック座標位置に前記廃棄物を投棄するとともに、前
    記廃棄物運搬車両毎の廃棄物搬入管理情報と関連付けし
    ながら、当該廃棄物の投棄位置のブロック座標およびブ
    ロック座標毎の投棄回数をコンピュータ内に記憶するよ
    うにしたことを特徴とする被覆型廃棄物最終処分場にお
    ける埋立て管理方法。
  2. 【請求項2】前記廃棄物運搬車両の入場時または退場時
    に廃棄物種類の情報を取得し、前記廃棄物運搬車両毎の
    廃棄物搬入管理情報、廃棄物の投棄位置のブロック座標
    およびブロック座標毎の投棄回数と関連付けしながらコ
    ンピュータ内に記憶するようにした請求項1記載の被覆
    型廃棄物最終処分場における埋立て管理方法。
  3. 【請求項3】廃棄物運搬車両毎に車両識別情報が記録さ
    れたバーコードシートを付与し、前記入場および/また
    は退場時にバーコード検出手段により廃棄物運搬車両の
    識別を行うようにした請求項1、2いずれかに記載の被
    覆型廃棄物最終処分場における埋立て管理方法。
  4. 【請求項4】被覆型廃棄物最終処分場に入退場する廃棄
    物運搬車両の識別情報を検出手段または情報入力手段に
    より取得するとともに、前記廃棄物運搬車両の入場日時
    および/または退場日時情報を取得し、かつ入場時の車
    両重量と退場時の車両重量との差により前記廃棄物運搬
    車両による廃棄物投入量を算出し、これらの廃棄物運搬
    車両毎の廃棄物搬入情報を記憶・管理する廃棄物搬入情
    報管理システムと、 前記被覆型廃棄物最終処分場に対し、搬入された廃棄物
    を処分場内の任意の場所に投棄可能な廃棄物投棄設備を
    設けておき、予め処分場内に割り当てられたブロック座
    標情報に基づいて、前記廃棄物投棄設備により所定のブ
    ロック座標位置に前記廃棄物を投棄するとともに、前記
    廃棄物運搬車両毎の廃棄物搬入管理情報と関連付けしな
    がら、当該廃棄物の投棄位置のブロック座標およびブロ
    ック座標毎の投棄回数を記憶・管理する廃棄物埋立情報
    管理システムとを備えることを特徴とする被覆型廃棄物
    最終処分場における埋立て管理システム。
  5. 【請求項5】前記廃棄物投棄設備は、処分場の両側に敷
    設された縦行レール間に横架され、該縦行レールに沿っ
    て走行自在とされる縦行走行体と、この縦行走行体の上
    面に長手方向に沿って敷設されたレールに沿って走行自
    在とされる投棄用移動ホッパーとからなる投棄設備であ
    る請求項4記載の被覆型廃棄物最終処分場における埋立
    て管理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006053726A (ja) * 2004-08-11 2006-02-23 Hazama Corp 廃棄物最終処分場の埋立管理システム
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