JP2002279045A - 不動産情報管理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不動産物件の所有者、管理者の異動によっ
て、所有者、管理者が管理している不動産情報が散逸す
ることを防止するとともに、投資家もしくは入居者に対
して信頼性の高い物件情報を簡便に提供する。 【解決手段】 各物件に関する不動産物件情報をセンタ
ーで一元管理し、各物件の所有者、管理者は、通信回線
40を通じてセンターの物件情報を登録・参照・更新す
る。物件ごとに各企業・個人の役割を管理する役割管理
機構60と、その役割に応じてアクセス制限を定義したア
クセス権限管理機構70を設け、適切なアクセス制御を行
う。また、不動産売買などによる所有権の移転時や、管
理委託契約の締結・変更・解約などによる管理者あるい
は管理内容の変更時には、役割管理機構60の定義内容を
変更することによって、所有者、管理者など、その物件
の関与者のアクセス権限を適切に変更することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、不動産物件情報管
理システムに関し、特に、不動産物件情報の信頼性及び
一貫性を向上させた管理システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】現在、多くの不動産物件は、物件の所有
者から委託を受けた管理会社によって管理されている。
管理会社は、その請け負う業務内容によって分類され、
所有者から委託されてその不動産物件の売買・経営の責
任を担っているアセットマネージャや、その物件の実際
の運営を委託されているプロパティマネージャ、その物
件の入居テナントの募集に責任をもつリスティングブロ
ーカなどがあり、一つの物件にこれらの複数の管理者が
いることもあれば、これらを一つの管理会社が兼ねる場
合もある。

【０００３】所有者とこれらの管理会社は、不動産物件
に関する業務を遂行するために、それぞれ独自の情報シ
ステムを利用しており、個々の不動産物件に関する情報
は、所有者とこれらの管理会社が必要な情報をそれぞれ
のシステムを用いて管理している。不動産投資家、もし
くは、入居希望者などが各不動産物件の評価などを目的
として、必要な情報を知りたいときは、各物件の所有
者、管理者によって公開されている情報を利用するか、
専門の調査機関による調査報告、格付け情報を利用す
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の不動産物件情報
管理方法では、一つの不動産物件の情報を、複数の関係
者が独自のシステムを用いてそれぞれに管理しており、
また、管理する情報項目も各関係者がそれぞれの必要に
応じて設定しているため、不動産投資家や金融機関が各
不動産物件の評価のためにある物件の情報を収集しよう
とすると、複数の関係者に問い合せる必要があった。

【０００５】また、同じ情報項目を複数の関係者がそれ
ぞれのシステムで管理している場合があるため、各シス
テムの情報の登録・更新タイミングの違いにより、一つ
の物件の同じ情報項目について管理するシステムによっ
てズレが発生してしまい、不動産投資家や金融機関が目
的とする不動産物件について正確な情報を入手し、複数
の物件を比較評価することが難しかった。

【０００６】さらに、所有権の移転、もしくは、管理委
託先の変更によって、所有者、管理者のいずれかが異動
した場合、新旧の所有者、管理者それぞれが利用する情
報システムが異なるため、新しい所有者、管理者は、異
動前に管理されていた情報を簡単に利用することができ
なかった。

【０００７】本発明は、こうした背景のもとになされた
もので、不動産投資家、所有者、管理者に対して、必要
な不動産物件に関する情報をより正確かつ簡易に供給
し、かつ、関係者の異動にかかわらず物件情報を継続的
に管理するシステムを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、不動産物件ごとに不動産情報を
管理する物件別情報管理手段と、前記不動産物件に関す
る役割、権限又は業務を管理する役割管理手段と、前記
役割、権限又は業務に応じて不動産情報にアクセスでき
る権限を管理するアクセス権限管理手段とによってシス
テムを構成し、前記不動産情報管理手段は、前記役割管
理手段及びアクセス権限管理手段による規制に基づいて
前記不動産情報を管理するようにした。

【０００９】不動産物件の情報としては、例えば、各物
件の経営情報、属性情報、入居情報、契約情報、設備情
報等が含まれる。物件別情報管理手段は物件別データベ
ースを含み、例えばセンターシステムに配置される。不
動産物件の所有者、管理者、投資家、テナント等は端末
等を用いてセンターシステムにアクセスして不動産物件
情報を共同で利用することができる。各端末とセンター
システムとは通信回線（インターネット等を含む）によ
って接続される。

【００１０】上記システムによれば、不動産物件の情報
に対してアクセスがあったときに、アクセスしてきた企
業がその物件に対してどういう役割、権限又は業務を担
っているかだけ確認すれば、各情報に対するアクセスを
制御することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面により詳細に説明する。図1は本発明を適用した
不動産情報管理システムの実施の形態のブロック図を示
したものである。図１において、10はコンピュータシス
テムで実現された不動産情報管理システム、20は管理対
象となる不動産物件、30はこれらの不動産物件を所有、
管理したり、これらの物件に入居している企業、40はこ
れらの企業30と不動産情報管理システ10ムとを結ぶ通信
回線（インターネット等を含む）である。本発明の実施
形態では、管理対象となる不動産物件を３件、関与する
企業数を５社しかあげていないが、実際にはこれ以上の
物件、企業が本システムに関わることは言うまでもな
い。

【００１２】不動産情報管理システム10は、不動産物件
情報を管理する物件別情報管理機構50と、各企業が各物
件に対してどのような役割・権限・業務を担っているか
を管理する役割管理機構60と、不動産物件に対して担っ
ている役割によってどの情報項目にアクセス権限がある
のかを管理するアクセス権限管理機構70とを具備してい
る。役割管理機構60は役割管理テーブル80、アクセス権
限管理機構70はアクセス権限管理テーブル90をそれぞれ
有している。

【００１３】物件別情報管理機構50には、物件名称、所
在地、竣工年月日、構造、延床面積、駐車場台数などの
物件の基本属性情報、空調、エレベータやなどの設備情
報、テナントとの契約内容等各物件に入居している入居
者の入居状況に関する情報、管理委託契約内容などの契
約情報、月次の賃料収入、諸費用、空室率などの経営情
報など、不動産物件の経営・運営・売買に必要な物件情
報が、物件別に管理されており、物件ごとに一意にわり
ふられた物件ＩＤによって必要な情報を検索・参照・更
新することが可能になっている。管理されている情報項
目はすべての物件に共通である。また、ここで管理され
ている物件情報に対して条件検索や検索結果の出力を行
えることは言うまでもない。

【００１４】図２は、役割管理機構60を構成する役割管
理テーブル80の具体例を示したものである。この例で
は、業務ごとに各物件をどの企業が担当するのかを定義
することによって、各企業が各物件に対して持っている
役割、権限又は業務が定義されている。一つの業務につ
いて複数の企業が担当してもよい。また、図３に示すよ
うに、業務を更に細分化して、細分化された業務ごとに
各物件について担当者を記録するようにしてもよい。

【００１５】図３は、アクセス権限管理機構70を構成す
るアクセス権限管理テーブル90の具体例を示したもので
ある。この例では、業務ごとに必要となる情報項目とア
クセス権限が定義され、それにより、役割管理機構60に
登録された各企業が各物件のどの情報項目にアクセス権
限があるのかが定義されることになる。アクセス権限管
理テーブル90において、情報の登録を行う業務について
は「登録」、情報の更新ができる業務については「更
新」、情報の参照のみできる業務については「参照」と
それぞれ定義されている。

【００１６】以上のように、業務とアクセス権限を別々
に管理することにより、所有権の移転、あるいは管理会
社の変更が発生した場合には、役割管理テーブル80の内
容を書き換えるだけで、各業務を担当する企業とその企
業がアクセスできる情報項目を適切に定義し直すことが
できる。

【００１７】次に、実際の業務の場面に即した具体例を
使って本不動産情報管理システムを利用して行われる一
連の業務処理内容を説明する。

【００１８】図４は、不動産物件の管理を担当する企業
が本不動産情報管理システムを利用して所有者が異なる
複数物件の管理業務を行う際の実施の形態を説明するブ
ロック図である。41は物件情報を物件別に管理するデー
タベース、42はデータベース41へのアクセス要求を処理
するアクセス要求処理機構、43から45は不動産情報管理
システムに登録されている物件に対して何らかの業務を
行っている企業（甲社、乙社、丙社）、46から48はそれ
らの企業に置かれ、通信回線によって不動産情報管理シ
ステムに接続された端末装置である。データベース41に
は、不動産物件の基本属性情報、設備情報、入居情報、
契約情報、経営情報等が格納されている。

【００１９】甲社が自社の管理する物件Ａに対して業務
を行い、その結果を登録する際の処理フローを図５のフ
ローチャートで説明する。甲社の担当者は、まず端末装
置46から自社のＩＤを入力し、実施する業務を選択し、
送信する（ステップ１０１）。図６はその際に端末装置
46に表示される画面の例である。送信された企業ＩＤと
選択業務情報に基づいて、役割管理機構60は、役割管理
テーブル80を参照して甲社が選択した業務を担当してい
る物件を検索し、その結果を甲社に送信する（ステップ
１０２）。図７はその際に端末装置46に表示される画面
の例である（選択した業務は「テナント運営」）。

【００２０】甲社の担当者は、業務の対象となる物件を
選択し、情報項目表示要求を送信する（ステップ１０
３）。アクセス権限管理機構70では、甲社から送信され
てきた選択物件情報と実施業務情報に基づいて、アクセ
ス権限管理テーブル90を参照して参照可能データ項目、
更新可能データ項目、登録可能データ項目を検索し、そ
の結果に基づいて該当する物件の該当情報項目を検索す
るよう物件情報管理機構50に指示する（ステップ１０
４）。物件情報管理機構50は、該当する物件のデータベ
ースから必要な情報項目を検索し、その結果を甲社に送
信する（ステップ１０５）。図８はその際に端末装置46
に表示される画面の例である。

【００２１】甲社の担当者は、更新可能なデータ項目を
必要に応じて書き換え、その結果を物件ＩＤと共に送信
する（ステップ１０６）。物件情報管理機構50は、甲社
から送信されてきた物件ＩＤと更新内容に基づいて、該
当する物件のデータベースを更新する（ステップ１０
７）。

【００２２】さきに述べたように、所有権の移転、ある
いは管理会社の変更が発生し、役割管理テーブル80の内
容が書きかえられた場合には、図７に示した画面の表示
内容が変化するだけで、他にシステム上、業務上で変更
になる点はない。

【００２３】次に、不動産物件への投資を検討している
乙社が投資条件に適した複数の物件を探し出し、それら
を比較検討する際の処理フローを図９のフローチャート
で説明する。ステップ２０１および２０２は、上記図５
のフローチャートのステップ１０１、１０２と同様であ
る。該当する物件が多数になる場合には、対象物件を絞
り込むための検索キーを入力し、送信する（ステップ２
０３）。図１０はその際に端末装置47に表示される画面
の例である。この例では、地域、規模、築年数等の条件
を設定して、これらの条件に該当する不動産物件を検索
する。物件情報管理機構50の中のアクセス要求処理機構
42は、送信されてきた検索キーに基づいて各物件データ
ベース41から該当する物件を検索し、乙社に送信する
（ステップ２０４）。

【００２４】乙社の担当者は、必要に応じて該当物件の
中から複数の物件を選択し、情報項目表示要求を送信す
る（ステップ２０５）。アクセス権限管理機構70では、
乙社から送信されてきた選択物件情報と実施業務情報に
基づいて、アクセス権限管理テーブル90を参照して、こ
の場合は、参照可能データ項目を検索し、その結果に基
づいて物件情報管理機構50に該当する物件の該当情報項
目を検索するよう指示する（ステップ２０６）。物件情
報管理機構50は、指示されたデータ項目を検索し、その
結果を乙社端末装置へ送信し（ステップ２０７）、乙社
の端末装置47においては受信したデータ項目が表示され
る（ステップ２０８）。

【００２５】図１１はその際に端末装置47に表示される
画面の例である。この例では、検索されたデータを物件
別に表形式で表示しているが、複数物件のデータを１画
面上で表示したり、数値データの場合にはグラフ形式に
加工するようにしてもよい。表示する情報は、例えば経
営情報、設備情報等である。

【００２６】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
図５あるいは図９のフローチャートを制御するために、
図４において役割管理機構60、アクセス権限管理機構70
の機能を兼ね備えたワークフローシステム利用してもよ
い。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
不動産情報管理システムにおいて一つの不動産物件の情
報が所有者、管理者とは独立に一元管理されるため、情
報が重複管理されることなく、また、所有者、管理者の
交代があっても情報を継続的に管理することが可能にな
り、物件の情報管理の信頼性・一貫性を大幅に向上する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態を示すシステム構成ブロ
ック図

【図２】 役割管理テーブルの具体例を示す図

【図３】 アクセス権限管理テーブルの具体例を示す図

【図４】 本発明の具体的な実施形態を示すブロック図

【図５】 物件情報アクセスの処理手順を示すフローチ
ャート

【図６】 入力画面の一例を示す図

【図７】 入力画面の一例を示す図

【図８】 出力画面の一例を示す図

【図９】 物件情報アクセスの処理手順を示すフローチ
ャート

【図１０】 物件検索画面の一例を示す図

【図１１】 出力画面の一例を示す図

【符号の説明】

10 不動産情報管理システム、 20 不動産物件 30 企業 40 通信回線 41 物件別データベース 42 アクセス要求処理機構 43、44、45 企業 46、47、48 端末装置 50 物件別情報管理機構 60 役割管理機構 70 アクセス権限管理機構 80 役割管理テーブル 90 アクセス権限管理テーブル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 趙 廷悦 神奈川県川崎市幸区鹿島田890 株式会社 日立製作所ビジネスソリューション事業部 内 (72)発明者 有吉 弘敏 神奈川県川崎市幸区鹿島田890 株式会社 日立製作所金融システム事業部内 Ｆターム(参考） 5B075 KK07 KK43 KK54 KK64 KK65 KK66 ND20 5B085 AE06

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 不動産物件ごとに不動産物件情報を管理
   する物件別情報管理手段と、前記不動産物件に関する役
   割、権限又は業務を不動産ごとに管理する役割管理手段
   と、前記役割、権限又は業務に応じて不動産情報にアク
   セスできる権限を管理するアクセス権限管理手段とを備
   え、前記物件別情報管理手段は、前記役割管理手段及び
   アクセス権限管理手段による規制に基づいて前記不動産
   物件情報を管理することを特徴とする不動産情報管理シ
   ステム。
2. 【請求項２】 前記不動産物件情報が、不動産物件の経
   営状況に関する情報、入居状況に関する情報、契約情
   報、属性に関する情報、設備に関する情報のうちのいず
   れか又は全部である請求項１に記載の不動産情報管理シ
   ステム。
3. 【請求項３】 前記不動産物件に関する情報の中から所
   定の条件に基づいて検索する検索手段を設けた請求項１
   または２に記載の不動産管理システム。
4. 【請求項４】 不動産物件ごとに不動産物件情報を管理
   する処理と、前記不動産物件に関する役割、権限又は業
   務を不動産物件ごとに管理する処理と、前記役割、権限
   又は業務に応じて不動産情報にアクセスできる権限を管
   理する処理と、前記アクセス権限に基づいて前記不動産
   物件情報へのアクセスを制限する処理とをコンピュータ
   に実行させるためのプログラム。