JP2002276759A - 回転型無段変速機 - Google Patents

回転型無段変速機

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JP2002276759A
JP2002276759A JP2001073222A JP2001073222A JP2002276759A JP 2002276759 A JP2002276759 A JP 2002276759A JP 2001073222 A JP2001073222 A JP 2001073222A JP 2001073222 A JP2001073222 A JP 2001073222A JP 2002276759 A JP2002276759 A JP 2002276759A
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planetary
cylindrical body
output shaft
transmission
rotation axis
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Application number
JP2001073222A
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English (en)
Inventor
Shigeo Hirose
茂男 廣瀬
Tetsuo Hagiwara
哲夫 萩原
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Kanagawa Prefecture
Rikogaku Shinkokai
Original Assignee
Kanagawa Prefecture
Rikogaku Shinkokai
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で小型軽量化を図り、負荷トルク
変化に対する応答性が高く、かつ入力側の駆動モータを
適切に保護できる回転型無段変速機を提供する。 【解決手段】 入力軸21に結合された太陽体24と、
該太陽体の周囲に固定されたリング体26と、該太陽体
およびリング体の間で自転および公転する複数の遊星体
27からなる遊星回転機構23を備え、前記遊星体の自
転軸28に略円錐状のテーパ面29を有する変速子30
を設け、この変速子のテーパ面に圧接して公転軸廻りに
回転する円筒体31を設け、この円筒体に出力軸33を
連結し、この円筒体の前記変速子への圧接位置Pを前記
テーパ面29に沿って変位させることにより前記出力軸
33を無段階に変速させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力軸の回転を無
段階で変化させて出力軸に伝える回転型無段変速機に関
する。
【0002】
【従来の技術】負荷トルクに応じて自動的に変速動作を
行う無段変速機として、遊星運動を行う転動体の回転軸
を制御する機構や、負荷トルクに応じて遊星歯車機構に
おける内歯車の回転数を制御し遊星歯車の公転速度との
差を出力する機構などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の機構は複雑で、また変速動作を実現するための
構成要素の姿勢変化や位置移動等が大きく、ロボット等
の変速機に要求される応答性が高い俊敏な変速動作や小
型軽量化といった要求を充分満たすことができなかっ
た。また、ロボットが障害物等により動作限界に至った
ときや、負荷トルクが限界に達したときに、出力軸が回
転停止状態になると、入力軸の回転駆動モータに多大な
負荷が作用して劣化損傷や焼損等の原因となっていた。
従来の無段変速機では、このような場合に前述の応答性
等の要求を満たしつつ、入力側の駆動モータを適切に保
護するものは実現されていなかった。
【0004】本発明は、上記従来技術を考慮したもので
あって、簡単な構成で小型軽量化を図り、負荷トルク変
化に対する応答性が高く、かつ入力側の駆動モータを適
切に保護できる回転型無段変速機の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、入力軸に結合された太陽体と、該太陽
体の周囲に固定されたリング体と、該太陽体およびリン
グ体の間で自転および公転する複数の遊星体からなる遊
星回転機構を備え、前記遊星体の自転軸に略円錐状のテ
ーパ面を有する変速子を設け、この変速子のテーパ面に
圧接して公転軸廻りに回転する円筒体を設け、この円筒
体に出力軸を連結し、この円筒体の前記変速子への圧接
位置を前記テーパ面に沿って変位させることにより前記
出力軸を無段階に変速させることを特徴とする回転型無
段変速機を提供する。
【0006】この構成によれば、遊星体に設けた例えば
傘状の変速子のテーパ面に円筒体の縁が押付けられて圧
接し、例えば負荷トルクに応じて円筒体をその軸方向に
移動させることにより、テーパ面上での円筒体の圧接点
の半径方向の位置が変わり、これにより遊星体の半径と
の差に基づいて円筒体の回転数が無段階に変化する。し
たがって、小さな軸方向変位により回転数を大きく変化
させることができ、トルク変動に対する応答性を高める
ことができる。
【0007】また、円筒体の圧接点の半径とリング体の
半径が等しくなると円筒体の回転が停止するため、例え
ば負荷トルクが大きくなるにしたがって両方の半径の差
を小さくして最大トルクで一致するように配設すれば、
負荷トルク最大時に出力軸側の回転が停止しても遊星体
は回転し続けるため駆動用のモータに無理な負荷がかか
ることがなくなる。
【0008】なお、遊星回転機構の回転伝達手段は歯車
であってもトラクション構造であってもよい。また、略
円錐状のテーパ面とは、回転軸に対し傾斜した直線を母
線とする円錐面および回転軸に対し傾斜した曲線を母線
とする凹曲面や凸曲面を含む一定方向に傾斜した曲面を
いう。
【0009】好ましい構成例では、前記出力軸と円筒体
の間に、前記出力軸の負荷トルクに応じて前記円筒体を
その軸方向に変位させるトルク変換機構を介装したこと
を特徴としている。
【0010】この構成によれば、円筒体と出力軸の間に
トルク変換機構が介装されるため、上述のように出力軸
に対する負荷トルクの変動に応じて円筒体を軸方向に変
位させることができ、ロボット等に対する外力等に応じ
て俊敏な動作制御することができる。
【0011】さらに好ましい構成例では、前記変速子
は、相互に反対方向に傾斜する2つの円錐状テーパ面を
備えた山形断面形状であって、この変速子を設けた遊星
体の自転軸および公転軸を含む平面において、自転軸よ
り外側で、一方のテーパ面に前記リング体が係合し、他
方のテーパ面に前記円筒体が係合することを特徴として
いる。
【0012】この構成によれば、山形断面形状の変速子
のそれぞれのテーパ面から遊星体の自転軸に対し反対方
向の曲げ応力成分が作用するため、これらが打ち消し合
って、自転軸に対する曲げ作用が小さくなり、回転伝達
のエネルギー損失を軽減し変速特性の効率を高めること
ができる。
【0013】さらに好ましい構成例では、前記平面にお
いて、自転軸より内側で、前記変速子に前記太陽体が係
合することを特徴としている。
【0014】この構成によれば、自転軸の外側から作用
するリング体および円筒体による曲げ応力に対抗して、
自転軸の内側から太陽体が変速子を介してこの自転軸を
支えるため、自転軸に対する曲げ応力がさらに軽減さ
れ、変速特性の効率がさらに高められる。
【0015】さらに好ましい構成例では、前記円筒体お
よび/または遊星体の自転軸を弾性変形させることによ
り、前記円筒体の前記変速子に対する圧接位置を弾性変
位させることを特徴としている。
【0016】この構成によれば、円筒体および遊星体の
自転軸のいずれか一方または両方を弾性材料で形成し、
剛性材料の変速子に対し円筒体の係合部を弾性変位させ
ることにより、簡単な構成で負荷トルクに応じて応答性
よく円筒体を実質上軸方向に変位させることができる。
【0017】さらに好ましい構成例では、前記トルク変
換機構は、前記円筒体の端面を形成する円筒側平板と、
該円筒側平板に対向して該円筒体と同軸の出力軸に固定
された出力軸側平板と、これらの平板の回転軸から偏心
した位置にそれぞれ対向して設けた傾斜面を有する穴
と、両方の穴の間に挟んだ球体とからなり、出力軸の負
荷トルクに応じて前記両平板の回転方向の相互位置がず
れることにより前記球体が穴の傾斜面に乗り上がって該
両平板間の間隔を変化させることを特徴としている。
【0018】この構成によれば、相互に対応する穴が形
成された2枚の対向平板とその間に挟持した球体によ
り、簡単な構成で負荷トルクに応じて両平板の回転軸廻
りのねじれ角度を変化させて対向する穴同士の相対位置
をずらせ、穴内の球体を傾斜面上で移動させることがで
きる。これにより、両平板間の距離を変化させて円筒体
を軸方向に移動させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に
係る回転型無段変速機の原理を示す基本構成図である。
【0020】この無段変速機20の入力軸21は、回転
駆動用のモータ22に連結される。入力軸21は、遊星
回転機構23に連結される。この遊星回転機構23は、
入力軸21の端部に固定された太陽ギヤ24と、この太
陽ギヤ24の周囲のケース25に固定されたリングギヤ
26と、太陽ギヤ24とリングギヤ26に噛合って回転
する複数の遊星ギヤ27とにより構成される。入力軸2
1が例えば矢印A方向に回転すると、太陽ギヤ24が同
方向に回転し、これにより遊星ギヤ27が矢印B方向に
自転するとともにリングギヤ26に沿って入力軸21と
同じ軸を公転軸として公転する。
【0021】各遊星ギヤ27の自転軸28の端部に円錐
状のテーパ面29を有する傘状の変速子30が固定され
る。これらの複数の変速子30と係合して、入力軸21
と同軸の円筒体31が設けられる。この円筒体31の縁
部は、各変速子30の軸(自転軸28)の外側でテーパ
面29に押付けられて圧接する。円筒体31は、トルク
変換機構32を介して出力軸33と同軸的に連結され
る。トルク変換機構32は、出力軸33に作用する回転
負荷トルクを円筒体31の軸方向の変位に変換するもの
である。出力軸33は、ベアリング35を介してケース
25に保持される。
【0022】このトルク変換機構32は、円筒体31の
端面を構成する円筒側平板34と、この円筒側平板34
に対向して出力軸33に固定された出力軸側平板36
と、これら両平板34,36間に挟持された複数の球体
37とにより構成される。各平板34,36には、回転
軸から所定半径の放射状の位置に相互に対向する穴38
が形成され、各穴38内に球体37が嵌め込まれる。各
穴38は、浅い半球面状あるいは皿状等の凹所であっ
て、周縁の縁部が傾斜している。対向する穴38同士が
整合した位置の状態で、球体37により両平板34,3
6は接触せず間隔Gが形成される。
【0023】出力軸33に負荷トルクTが作用すると、
対向する円筒側平板34と出力軸側平板36との間に相
互に逆の回転方向のねじれ力C,Dが作用して相対位置
がずれる。したがって、対応する穴38同士がずれて両
穴38間に挟まった球体37が円周方向の力を受け、穴
の周縁部の傾斜面に乗り上がる。これにより、両平板3
4,36間の間隔Gが広がって、円筒体31は矢印Eの
ように軸方向に移動する。
【0024】図2に示すように、円筒体31がその軸3
1aに沿って矢印E方向に移動すると(同図(A))、
その縁部が変速子30のテーパ面29(図1)に沿って
押圧されるため、図2(B)に誇張して示すように、円
筒体31が弾性変形して実質上その径が大きくなる。こ
れにより、変速子30のテーパ面29に対する円筒体3
1の圧接点P(図1)の半径方向の位置が広がる。すな
わち、円筒体31に回転を伝達する変速子30の半径が
大きくなり、これに応じて円筒体31の回転数が変化す
る。
【0025】変速子30による変速比は、リングギヤ2
6に噛合う遊星ギヤ27の半径と、円筒体31に係合す
る変速子30の半径(すなわち、圧接点Pの位置の半
径)との差に応じて変わる。この差がゼロであれば円筒
体31は、リングギヤ26と同様に回転が停止した状態
となる。すなわち、モータ22により太陽ギヤ24、遊
星ギヤ27および変速子30が回転したまま、円筒体3
1および出力軸33が回転停止した状態となる。したが
って、例えば、最初円筒体31の圧接点Pを遊星ギヤの
半径より小さい半径位置に設定し、負荷トルクの増加に
応じて徐々に遊星ギヤの半径に近づくように変化させ、
最大負荷や動作限界等で出力軸33が回転停止したとき
に両方の半径を一致させて円筒体31の回転を停止させ
ることができる。これにより、モータ22に対し過剰な
負荷が作用することが防止されモータの保護が図られ
る。
【0026】上記実施形態では、円筒体31を弾性変形
させていたが、これに代えて又はこれとともに、遊星ギ
ヤ27の自転軸28を弾性変形させてもよい。この場
合、円筒体31の縁部が変速子30のテーパ面29上を
軸方向に矢印Eのように移動することにより、自転軸2
8が内側に撓み、変速子30が傾いて、圧接点Pの位置
と遊星ギヤとリングギヤとの噛合い位置との相対位置関
係およびテーパ面29に対する圧接力のベクトル関係等
により、実質上前述のように変速子30の半径が大きく
なったのと同じ作用効果が得られ、出力軸の負荷トルク
に応じた変速比が得られる。
【0027】図3は、上記実施形態のさらに具体的な構
成例を示す。図3を参照すると、出力軸1は、ケース9
にボルト16に取り付けられたベアリングで回転自在か
つ軸方向の移動を拘束されて支持されている。出力軸1
は、変換板7に回転中心が一致するようベアリングで回
転自在に取り付けられ、対向する面にそれぞれ溝a5、
溝b6(図1の穴38に相当)が設けられ、それらの間
に球4(図1の球体37)が挟まれている(図1のトル
ク変換機構32)。負荷トルクが出力軸1に作用する
と、それに応じて変換板7に対して出力軸1の回転角度
に差異が生じ、出力軸1の溝a5と変換板7の溝b6が
ずれ、球4により変換板7、変換板7に固定された円筒
支持体2、円筒支持体2に固定された円筒3(図1の円
筒体31)を入力軸15方向に押す軸力が生成される。
【0028】円筒3は、この軸力により、キャリア10
によって公転・自転とも可能に支持されている遊星体8
の端面に設けられた円錐形状面(図1の変速子30のテ
ーパ面29)に、遊星体8の公転半径よりも外側で接触
し押付けられる。負荷トルクが増加すると、円筒3を遊
星体8端部の円錐形状面に押付ける力が増大し、円筒3
は、図2に強調して示すように、弾性変形し、円筒3と
遊星体8端部の円錐形状(図1の変速子30)との接触
点(図1の圧接点P)を出力軸1の回転軸線から遠ざ
け、接触点と回転軸線との距離を半径とする出力側有効
径を大きくする。
【0029】一方、図4に示すように、遊星体8の円錐
形状を有する端部と反対側の端部に固定された遊星歯車
11(図1の遊星ギヤ27)は、ケース9に固定された
フランジ12に対し回転自在かつ軸方向の移動を拘束し
た入力軸15に固定された太陽歯車14(図1の太陽ギ
ヤ24)および回転を拘束された内歯車13(図1のリ
ングギヤ26)と噛合い、遊星歯車機構(図1の遊星回
転機構23)を構成している。内歯車13の有効径で
の、遊星歯車11および遊星歯車と同一の公転・自転を
する遊星体8の円錐形状面の接線速度は常に零であり、
この径より遊星体8の自転軸に近い点あるいは遠い点ほ
ど内歯車13に対する相対接線速度は増加し、負荷トル
クにより変化する出力側有効径に応じて円筒3を回転さ
せる。
【0030】すなわち、上記本発明の実施形態の構造
は、入力軸を回転軸線廻りに回転可能に支持し、入力軸
の回転軸線と同一の回転軸線を有するリングの回転を拘
束し、入力軸回転軸線に垂直な平面内で入力軸の回転軸
線と同一の軸廻りでの公転を可能に支持され入力軸の回
転入力により公転させられ、かつ、自転可能に支持され
リングとの接触により自転し、端面を自転軸線に対して
線対称な凸形状にした複数の遊星体に、入力軸の回転軸
線と同一の回転軸線を有し、遊星体の公転半径より大き
く回転自由に支持された円筒の端部を遊星体端部凸形状
部に押付け、リング・円筒および遊星体自転軸支持体の
うち少なくとも1つを弾性変形させ、リングと遊星体と
の接触点と入力軸との距離を半径とする有効径に対し
て、円筒と遊星体との接触点と入力軸との距離を半径と
する有効径を変化させることで、円筒の回転数が無段階
に変速動作する回転型無段変速機である。
【0031】この回転型無段変速機では、リングを回転
が拘束された内歯車、遊星体を自転・公転とも可能な遊
星歯車、入力軸を太陽歯車とした遊星歯車機構を利用し
ている。
【0032】また、上記回転型無段変速機では、入力回
転軸線から等距離の位置に回転自由に遊星歯車を支持
し、遊星歯車を内歯車に噛合わせ、遊星歯車の自転軸を
公転軌道に沿って入力軸により駆動する遊星歯車機構を
利用することもできる。
【0033】また、上記回転型無段変速機では、遊星機
構の一部あるいは全てに歯車伝動を用いず、トラクショ
ンドライブを利用することもできる。
【0034】また、上記回転型無段変速機では、円筒を
押付ける力に、入力軸の回転軸線廻りに回転可能かつ軸
線方向への移動を禁止状態に支持した出力軸の軸線に垂
直で、出力軸に固定され、回転軸から等距離に穴を設け
た平板2と、平板2と同一の回転軸を有し平板2の穴に
対応する位置に開けられた穴を有する平板3を平板2と
対向させ、対応する穴に両平板が接触しない大きさの球
を挟むことで、出力軸に作用する負荷トルクが大きくな
ると平板2と平板3との回転軸廻りのねじれ角度が大き
くなり、平板2と平板3との距離が大きくなる方向へ働
く軸力を生成する負荷トルク−軸力変換機構において、
負荷トルクから生成された軸力を、円筒および遊星体自
転軸支持体のいずれかあるいは両方を変形させるために
利用することで、負荷トルクに応じて機械的に無段変速
動作が得られるようにしている。
【0035】図5は、上記本発明の実施形態で、入力軸
の回転数を一定(400rpm)に維持したときの、出
力軸に作用する負荷トルクに対する出力軸の回転速度の
関係を示すグラフである。図示したように、負荷トルク
が大きくなる程回転数が低下し、最終的には前述のよう
に回転数はゼロになる。このような変速特性は、変速子
30(図1)の形状やテーパ面の傾き及び円筒体の弾性
特性等により定まる。
【0036】図6は、上記実施形態で、入力軸の回転数
を一定(400rpm)に維持したときの、出力軸に作
用する負荷トルクに対する入力軸の駆動トルクおよび変
速機の効率を示すグラフである。なお、効率は、出力
(=出力側トルク×角速度)/入力(入力側トルク×角
速度)である。入力トルクは、出力トルクの増加に伴っ
て、幾分増加率が低下する特性を示す。最終的には出力
トルクが増加しても入力トルクがほぼ一定となるよう
に、変速機の特性を設定することが可能である。
【0037】図7は、本発明の別の実施形態の基本構成
図である。この実施形態では、前述の図1の実施形態に
比べ、遊星回転機構32および変速子30の構造が異な
っている。すなわち、この図7の遊星回転機構40は、
入力軸21に結合された太陽円板(キャリア)39と、
この太陽円板(キャリア)39に固定された複数の遊星
軸41と、この遊星軸41にベアリング42を介して回
転可能に装着された変速子43と、この変速子43に係
合するケース25と一体のリング部44とにより構成さ
れる。変速子43は、相互に反対向きに傾斜する2つの
円錐状テーパ面45,46を有する三角または台形の山
形断面形状である。この変速子43の一方のテーパ面4
5に円筒体31が圧接し、他方のテーパ面46にリング
部44がトラクション係合して変速子43を遊星運動
(自転・公転)させる。
【0038】このように、山形断面形状の変速子43の
それぞれのテーパ面45,46から遊星体(変速子4
3)およびその遊星軸41に対し反対方向の応力成分が
作用するため、これらが打ち消し合って、変速子43や
その遊星軸41に対する曲げ作用が小さくなり、回転伝
達のエネルギー損失を軽減して変速特性の効率を高める
ことができる。その他の構成および作用効果について
は、前述の図1の例と同様である。
【0039】図8は、本発明のさらに別の実施形態の基
本構成図である。この実施形態では、入力軸21の端部
に太陽ギヤ47を固定し、上記山形断面形状の変速子
(遊星体)43の遊星軸41より内側で、この変速子4
3と太陽ギヤ47をと噛合わせている。変速子43を端
部に備えた遊星軸(自転軸)41は、入力軸21に回転
可能に装着されたキャリア48に固定される。このよう
に、自転軸の外側から作用するリング体および円筒体に
よる曲げ応力に対抗して、遊星軸41の内側から太陽ギ
ヤ47が変速子43および遊星軸41を支えるため、遊
星軸41に対する曲げ応力がさらに軽減され、変速特性
の効率がさらに高められる。
【0040】図9は、上記山形断面形状の遊星体を備え
た実施形態の具体的な構成例を示す図である。この構成
では、両端面を円錐形状にした遊星歯車104(図7、
図8の変速子43)は、遊星軸105で回転自由に支持
し入力軸108の回転軸線を公転軸線とするようにリテ
ーナ106に支持されており、遊星歯車104の駆動
は、入力軸108端部の太陽歯車により駆動され、自転
しながら公転する。出力軸101および円筒ばね103
の向かい合う面に設けられた円錐形状の溝に球102が
挟まれているため、出力軸101に負荷トルクが作用す
ると、円筒ばね103と出力軸101との間に角度のず
れが生じるとともに、円筒ばね103を図の下方へ押す
軸力が生成される。ここで生成された軸力により、円筒
ばね103を遊星歯車104の一方の円錐状端面に押付
けるとともに他方の円錐状端面をフランジ107に押付
け、回転が拘束されたケース109と遊星歯車104と
の接触点と遊星歯車104の公転軸との距離を半径とす
る入力側有効径と、軸力により変形した円筒ばね103
と遊星歯車104との接触点と遊星歯車の公転軸との距
離を半径とする出力側有効径との微小な差を利用して、
円筒ばね103および出力軸101が駆動される。
【0041】この例では、円筒ばね103から力を受け
る遊星歯車104の数を増やすことにより、円筒ばね1
03からの力を分散して各遊星歯車104に対する力を
軽減し変速機全体の薄型化を図ることができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、小型
・軽量化を容易にし、変速動作を弾性体の微小な変形に
より実現するため、俊敏な変速を可能とする回転型変速
機を提供する。また、減速比無限大状態が可能なため、
入力側に接続するモータ等の機器の保護ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の基本構成図。
【図2】 図1の実施形態で用いる円筒体の動作説明
図。
【図3】 図1の実施形態の具体的な構成図。
【図4】 図3の構造で用いる遊星機構部分の説明図。
【図5】 本発明の負荷トルクに対する出力回転数の変
速機特性グラフ。
【図6】 本発明の負荷トルクに対する効率及び入力ト
ルクの変速特性グラフ。
【図7】 本発明の別の実施形態の基本構成図。
【図8】 本発明のさらに別の実施形態の基本構成図。
【図9】 図8の実施形態の具体的な構成図。
【符号の説明】
1:出力軸、2:円筒支持体、3:円筒、4:球、5:
溝a、6:溝b、7:変換板、8:遊星体、9:ケー
ス、10:キャリア、11:遊星歯車、12:フラン
ジ、13:内歯車、14:太陽歯車、15:入力軸、2
0:無段変速機、21:入力軸、22:モータ、23:
遊星回転機構、24:太陽ギヤ、25:ケース、26:
リングギヤ、、27:遊星ギヤ、28:自転軸、29:
テーパ面、30:変速子、31:円筒体、31a:円筒
体の軸、32:トルク変換機構、33:出力軸、34:
円筒側平板、35:ベアリング、36:出力側平板、3
7:球体、38:穴、39:太陽円板、40:遊星回転
機構、41:遊星軸、42:ベアリング、43:変速
子、44:リング部、45,46:テーパ面、47:太
陽ギヤ、48:キャリア、101:出力軸、102:
球、103:円筒ばね、104:遊星歯車、105:遊
星軸、106:リテーナ、107:フランジ、108:
入力軸、109:ケース、G:間隔、P:圧接点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩原 哲夫 神奈川県海老名市下今泉705−1 神奈川 県産業技術総合研究所内 Fターム(参考) 3J051 AA03 BA05 BB06 BC03 BD02 BE05 CA07 CB08 EB01 EB04 EC02 EC04 EC06 ED16 FA10 3J062 AA17 AB06 AB16 AB33 AC03 BA12 BA21 BA35 CG03 CG13 CG32 CG34 CG42 CG83

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸に結合された太陽体と、該太陽体の
    周囲に固定されたリング体と、該太陽体およびリング体
    の間で自転および公転する複数の遊星体からなる遊星回
    転機構を備え、 前記遊星体の自転軸に略円錐状のテーパ面を有する変速
    子を設け、 この変速子のテーパ面に圧接して公転軸廻りに回転する
    円筒体を設け、 この円筒体に出力軸を連結し、 この円筒体の前記変速子への圧接位置を前記テーパ面に
    沿って変位させることにより前記出力軸を無段階に変速
    させることを特徴とする回転型無段変速機。
  2. 【請求項2】前記出力軸と円筒体の間に、前記出力軸の
    負荷トルクに応じて前記円筒体をその軸方向に変位させ
    るトルク変換機構を介装したことを特徴とする請求項1
    に記載の回転型無段変速機。
  3. 【請求項3】前記変速子は、相互に反対方向に傾斜する
    2つの円錐状テーパ面を備えた山形断面形状であって、
    この変速子を設けた遊星体の自転軸および公転軸を含む
    平面において、自転軸より外側で、一方のテーパ面に前
    記リング体が係合し、他方のテーパ面に前記円筒体が係
    合することを特徴とする請求項1または2に記載の回転
    型無段変速機。
  4. 【請求項4】前記平面において、自転軸より内側で、前
    記変速子に前記太陽体が係合することを特徴とする請求
    項3に記載の回転型無段変速機。
  5. 【請求項5】前記円筒体および/または遊星体の自転軸
    を弾性変形させることにより、前記円筒体の前記変速子
    に対する圧接位置を弾性変位させることを特徴とする請
    求項1から4のいずれかに記載の回転型無段変速機。
  6. 【請求項6】前記トルク変換機構は、前記円筒体の端面
    を形成する円筒側平板と、該円筒側平板に対向して該円
    筒体と同軸の出力軸に固定された出力軸側平板と、これ
    らの平板の回転軸から偏心した位置にそれぞれ対向して
    設けた傾斜面を有する穴と、両方の穴の間に挟んだ球体
    とからなり、出力軸の負荷トルクに応じて前記両平板の
    回転方向の相互位置がずれることにより前記球体が穴の
    傾斜面に乗り上がって該両平板間の間隔を変化させるこ
    とを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の回転
    型無段変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012518134A (ja) * 2009-02-16 2012-08-09 ドンファン ピョン 無段変速機

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