JP2002274166A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2002274166A
JP2002274166A JP2001074192A JP2001074192A JP2002274166A JP 2002274166 A JP2002274166 A JP 2002274166A JP 2001074192 A JP2001074192 A JP 2001074192A JP 2001074192 A JP2001074192 A JP 2001074192A JP 2002274166 A JP2002274166 A JP 2002274166A
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Japan
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air
compressor
temperature
motor
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JP2001074192A
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Takayoshi Matsuoka
孝佳 松岡
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンプレッサーの駆動源を適切に選択して燃
費性能を向上する。 【解決手段】 空調負荷状態(S11)とエンジン回転
速度(S12)とに基づいてエンジン駆動とモーター駆
動のいずれかを選択する(S13,S14)。これによ
り、空調負荷が小さくてもエンジン回転速度が高いとき
は、モーター駆動を選択してコンプレッサーの機械損の
増大を防ぎ、コンプレッサーの駆動効率を向上させて燃
費を低減できる。逆に、空調負荷が小さく且つエンジン
回転速度が低いときは、モーター効率の他に発電効率な
どが加算されるモーター駆動よりもコンプレッサーの駆
動効率が高いエンジン駆動を選択し、燃費を低減でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン停止時に
電動モーターによりコンプレッサーを駆動して車室内の
冷房を可能とする車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンと電動モーターのいずれか一方
によりコンプレッサーを駆動する駆動機構を備え、エン
ジン停止時には電動モーターによりコンプレッサーを駆
動して車室内の冷房を可能とする車両用空調装置が知ら
れている(例えば、特開平10−291415号公報参
照)。この車両用空調装置では、現在の冷房負荷が所定
値以上のときはエンジンでコンプレッサーを駆動し、冷
房負荷が所定値未満のときは電動モーターでコンプレッ
サーを駆動している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の車両用空調装置では、単に冷房負荷に基づいて
エンジンによりコンプレッサーを駆動するか、あるいは
電動モーターによりコンプレッサーを駆動するかを選択
しているので、車両の走行状態によっては燃費のよい駆
動源が選択されないという問題がある。
【0004】電動モーターによりコンプレッサーを駆動
する場合は、モーター効率の他に電動モーターに電力を
供給するバッテリーを充電するときの発電効率を加味し
なければならないので、その分だけコンプレッサーの効
率が低下する。一方、高速で回転するエンジンによりコ
ンプレッサーを駆動する場合は、コンプレッサーも高速
で回転されるので機械損が増加し、その分だけコンプレ
ッサーの効率が低下する。したがって、車両走行時に
は、エンジン回転速度が低い場合はエンジンでコンプレ
ッサーを駆動する方が効率がよく、逆にエンジン回転速
度が高い場合はモーターでコンプレッサーを駆動する方
が効率がよい。また、車両停止時には、通常、エンジン
はアイドリング状態にあるので、エンジンでコンプレッ
サーを駆動するにはエンジン回転速度を上げなければな
らず、モーターによりコンプレッサーを駆動する方が効
率がよい。
【0005】ところが、車両停止時は、ラジエーターか
らの輻射熱により車両の周囲温度が上昇し、ドアガラス
を介して車室内への放熱量が増加し、車室内温度が上昇
する。この結果、空調制御により演算される目標吹出風
温度や目標エバポレーター吹出風温度が低くなって冷房
負荷が増加する。そのため、車両停止時にはモーターに
よるコンプレッサー駆動の方が効率がよいにも拘わら
ず、従来の車両用空調装置ではコンプレッサーの駆動源
としてエンジンが選択されてしまい、燃費が悪くなる。
【0006】また、走行時には、ラジエーターが走行風
圧を受けて冷却され、ラジエーターからの輻射熱による
車両周囲温度の上昇がなく、ドアガラスから車室内への
放熱量が減少するので、車両停止時のように車室内温度
は上昇しない。そのため、空調制御により演算される目
標吹出風温度や目標エバポレーター吹出風温度は低くな
らず、冷房負荷は増加しない。そのため、エンジン回転
速度が低い場合はエンジンによるコンプレッサー駆動の
方が効率がよいにも拘わらず、従来の車両用空調装置で
はコンプレッサーの駆動源としてモーターが選択されて
しまい、燃費が悪くなる。
【0007】本発明の目的は、コンプレッサーの駆動源
を適切に選択して燃費性能を向上することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1) 請求項1の発明
は、空調用コンプレッサーをエンジン駆動とするか、ま
たはモーター駆動とするかを切り換える切換手段と、車
両の空調負荷状態を検出する空調負荷検出手段と、前記
エンジンの回転速度を検出するエンジン速度検出手段
と、前記空調負荷状態と前記エンジン回転速度とに基づ
いて、前記エンジン駆動と前記モーター駆動のいずれか
を選択する制御手段とを備える。 (2) 請求項2の発明は、空調用コンプレッサーをエ
ンジン駆動とするか、またはモーター駆動とするかを切
り換える切換手段と、車両の空調負荷状態を検出する空
調負荷検出手段と、前記空調負荷状態に基づいて車室内
への目標吹出風温度を演算する目標吹出風温度演算手段
と、前記エンジンの回転速度を検出するエンジン速度検
出手段と、前記目標吹出風温度が所定温度より高く、且
つ前記エンジン回転速度が所定速度より高いときは前記
モーター駆動を選択し、前記目標吹出風温度が前記所定
温度より高く、且つ前記エンジン回転速度が前記所定速
度以下のときは前記エンジン駆動を選択する制御手段と
を備える。 (3) 請求項3の発明は、空調用コンプレッサーをエ
ンジン駆動とするか、またはモーター駆動とするかを切
り換える切換手段と、車両の空調負荷状態を検出する空
調負荷検出手段と、前記空調負荷状態に基づいて車室内
への目標吹出風温度を演算する目標吹出風温度演算手段
と、前記目標吹出風温度が所定温度より高く、且つ前記
モーター駆動がなされているときに、所定の冷房能力が
得られない場合は前記モーター駆動から前記エンジン駆
動へ切り換える制御手段とを備える。 (4) 請求項4の発明は、空調用コンプレッサーをエ
ンジン駆動とするか、またはモーター駆動とするかを切
り換える切換手段と、車両の空調負荷状態を検出する空
調負荷検出手段と、前記空調負荷状態に基づいて車室内
への目標吹出風温度を演算する目標吹出風温度演算手段
と、前記目標吹出風温度が所定温度より高く、且つ車両
が前記エンジンの駆動力により走行しているときに、前
記コンプレッサーの運転と停止を行うクラッチの解放時
間が所定時間より長いか否かを判定する判定手段と、前
記判定手段により前記クラッチの解放時間が前記所定時
間より長いと判定されると前記モーター駆動を選択し、
前記クラッチの解放時間が前記所定時間以下と判定され
ると前記エンジン駆動を選択する制御手段とを備える。
【0009】
【発明の効果】(1) 請求項1の発明によれば、空調
負荷状態とエンジン回転速度とに基づいてエンジン駆動
とモーター駆動のいずれかを選択するようにしたので、
空調負荷が小さくてもエンジン回転速度が高いときは、
モーター駆動を選択してコンプレッサーの機械損の増大
を防ぎ、コンプレッサーの駆動効率を向上させて燃費を
低減できる。逆に、空調負荷が小さく且つエンジン回転
速度が低いときは、モーター効率の他に発電効率などが
加算されるモーター駆動よりもコンプレッサーの駆動効
率が高いエンジン駆動を選択し、燃費を低減できる。 (2) 請求項2の発明によれば、目標吹出風温度が所
定温度より高く、且つエンジン回転速度が所定速度より
高いときはモーター駆動を選択し、目標吹出風温度が所
定温度より高く、且つエンジン回転速度が所定速度以下
のときはエンジン駆動を選択するようにしたので、エン
ジン回転速度が高いときにエンジン駆動を行ってコンプ
レッサーの機械損が増大し、コンプレッサーの駆動効率
が低下するのを防止でき、高速走行時や登坂時のエンジ
ン負荷を軽減して空調による燃費の悪化を防止できる。
逆に、エンジン回転速度が所定速度以下のときは、モー
ター効率の他に発電効率などが加算されるモーター駆動
よりもコンプレッサーの駆動効率が高いエンジン駆動を
選択し、燃費を低減できる。 (3) 請求項3の発明によれば、目標吹出風温度が所
定温度より高く、且つモーター駆動がなされているとき
に、所定の冷房能力が得られない場合は、モーター駆動
からエンジン駆動へ切り換えるようにしたので、目標吹
出風温度が所定温度より高い、すなわち空調負荷が低い
状態では、所定の冷房能力が得られる限りエンジン走行
状態でもモーター駆動が選択され、コンプレッサーを効
率のよい回転速度で運転でき、車両加減速時のコンプレ
ッサーの駆動損失がなくなるので、空調時の燃費悪化を
防止できる。 (4) 請求項4の発明によれば、目標吹出風温度が所
定温度より高く、且つ車両がエンジンの駆動力により走
行しているときに、コンプレッサークラッチの解放時間
が所定時間より長いと判定されるとモーター駆動を選択
し、コンプレッサークラッチの解放時間が所定時間以下
と判定されるとエンジン駆動を選択するようにした。エ
ンジン走行時にコンプレッサーのエンジン駆動を行う
と、コンプレッサークラッチをオン、オフしてコンプレ
ッサーを断続運転することがある。このとき、コンプレ
ッサークラッチの解放時間が所定時間より長いと、ドレ
イン水の蒸発による臭いやガラス曇りや湿度上昇などが
発生して空調フィーリングが悪化する恐れがある。そこ
で、コンプレッサークラッチの解放時間が所定時間より
も長いときはモーター駆動を選択することにより、必要
最低限の低い回転速度でコンプレッサーを駆動して連続
運転を行うことができ、コンプレッサーの断続運転時に
発生する上記問題を解決して空調フィーリングの向上を
図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は一実施の形態の構成を示
す。一実施の形態の車両用空調装置は、冷房用の蒸気圧
縮冷媒サイクル1、暖房用のエンジン冷却水循環サイク
ル2、車室内の換気と空調を行う空調ユニット3、空調
制御を行うコントローラー4、検出器類および操作機器
類を備えている。
【0011】冷房用の蒸気圧縮冷媒サイクル1は冷媒を
圧縮するコンプレッサー11の他に、冷媒の熱を外気に
放熱するコンデンサー(車室外熱交換器)12、冷媒を
気化するための膨張弁13、車室内空気の熱を冷媒に吸
熱するエバポレーター(車室内熱交換器)14などを備
えている。コンプレッサー11はエンジンルームに設置
されており、車両の走行駆動源であるエンジン15およ
び補機用電動モーター16のいずれか一方により駆動さ
れる。なお、コンプレッサー11は傾斜板ピストン式な
どの吐出容量を可変とするものでも、固定容量のもので
もよい。
【0012】エンジン冷却水循環サイクル2は、エンジ
ン15の冷却水の熱を車室内空気に放熱するヒーターコ
ア17を備えている。
【0013】図1には空調ユニット3の断面を示す。車
室内に設けられる空調ダクト21の上流側には、車室内
の空気を導入する内気導入口22と外気を導入する外気
導入口23とが設けられる。これらの導入口22,23
の分岐部にはアクチュエータ(不図示)により駆動され
るインテークドア24が設けられ、内気導入口22と外
気導入口23とを任意の比率で開閉する。インテークド
ア24の開度Xintは、外気導入量が0で完全に内気循
環となる位置をXint=0%とし、内気循環量が0で完
全に外気導入となる位置をXint=100%とする。空
調ダクト21の上流部に設置されるブロアファン25は
ファンモーター25mにより駆動され、インテークドア
24の開閉比率に応じて内気導入口22および外気導入
口23から空気を導入し、空調ダクト21の下流に配置
されるエバポレータ14へ送風する。エバポレータ14
は、ブロアファン25により送風された空気から冷媒に
吸熱して冷風を作る吸熱用熱交換器である。
【0014】エバポレータ14の下流にはエアーミック
スドア27が設けられ、さらにエアーミックスドア27
の下流は2つの流路に分岐される。第1流路はヒーター
コア17により冷風を暖める流路であり、第2流路はヒ
ーターコア17をバイパスする流路である。エアーミッ
クスドア27はアクチュエータ(不図示)により開閉
し、ヒーターコア17を通過する空気とヒーターコア1
7をバイパスする空気との割合を調整する。エバポレー
タ14により吸熱されて冷えた空気は、エアーミックス
ドア27の開度に応じてその一部はヒーターコア17を
通過して暖められ、残りはヒーターコア17をバイパス
して冷風のまま吹き出される。つまり、エアーミックス
ドア27の開度に応じて冷風と温風との割合が調節され
る。エアーミックスドア27の開度Xmixは、エアーミ
ックスドア27が冷風100%になる位置を開度Xmix
=0%(全閉、フルクール)とし、温風100%になる
位置を開度Xmix=100%(全開、フルホット)とす
る。
【0015】エアーミックスドア27の下流にはエアー
ミックスチャンバー29が設けられ、ここで冷風と温風
とを混合して温度調節された空調風を作る。エアーミッ
クスチャンバー29の下流には、乗員の上半身に向けて
空調風を吹き出すベント吹出口30と、乗員の足元に向
けて空調風を吹き出すフット吹出口31と、ウインドシ
ールドに向けて空調風を吹き出すデフロスター吹出口3
2が設置される。各吹出口30〜32にはそれぞれベン
チレータドア33、フットドア34およびデフロスタド
ア35と、各ドアを駆動するアクチュエータ(不図示)
とが設けられる。なお、デフロスター吹出口32のデフ
ロスタドア35の開度Xdefは、全閉位置にある場合に
開度Xdef=0%とし、全開位置にある場合に開度Xdef
=100%とする。
【0016】コントローラー4はマイクロコンピュータ
ーとメモリなどの周辺部品から構成され、各種の検出器
類や操作機器類が接続される。センサー41はエバポレ
ーター14を通過した空気温度(以下、エバポレーター
吹出風温度と呼ぶ)Toutを検出し、センサー42は日
射量Qsunを検出する。センサー43は車室外空気温度
(以下、外気温と呼ぶ)Tambを検出し、センサー44
は車室内空気温度(以下、内気温と呼ぶ)Ticを検出す
る。また、センサー45はエンジン15の冷却水温度T
wを検出する。操作機器類47には、目標車室内温度Tp
tcを設定するための室温設定器、吹き出し口を切り換え
るための吹き出し口モード・スイッチ、ブロアファン2
5の運転、停止および速度を設定するためのブロアファ
ン・スイッチなどが含まれている。
【0017】コントローラー4は、検出器類により検出
されるエバポレーター吹出風温度Tout、日射量Qsun、
外気温Tamb、内気温Tic、エンジン冷却水温Twや、操
作機器類47により設定される目標車室内温度Tptc、
吹き出し口モード、ブロアファン速度などの熱環境情報
に基づいて、エアーミックスドア開度Xmix、インテー
クドア開度Xint、吹き出し口、ブロアファン電圧Vfa
n、目標吹出風温度Tof、目標エバポレーター吹出風温
度などの目標冷暖房条件を演算し、車室内の実際の冷暖
房条件が目標冷暖房条件に一致するようにブロアファン
モーター25m、インテークドア24のアクチュエータ
ー、エアミックスドア27のアクチュエーター、ベンチ
レータードア33のアクチュエーター、フットドア34
のアクチュエーター、デフロストドア35のアクチュエ
ーターなどを駆動したり、コンプレッサー11の駆動源
を切り換えるために切り換え機構(後述)を駆動する。
【0018】補機駆動モーター制御装置51はマイクロ
コンピューターとメモリなどの周辺部品から構成され、
エンジン15の停止と運転、回転速度Nengなどの作動
状態や、エンジン走行、モーター走行、停車などの車両
の走行状態を検出してコントローラー4へ出力するとと
もに、コントローラー4からの指令信号にしたがってコ
ンプレッサー11をエンジン15で駆動するか、または
補機用電動モーター16で駆動するかを切り換える。こ
の明細書では、エンジン15によりコンプレッサー11
を駆動することを「エンジン駆動」と呼び、補機用電動
モーター16によりコンプレッサー11を駆動すること
を「モーター駆動」と呼ぶ。
【0019】図2はエンジン駆動とモーター駆動の駆動
力切り換え機構の詳細を示す。コンプレッサー11の回
転軸52には電磁クラッチ53を内蔵したプーリー54
が取り付けられている。この電磁クラッチ53はコンプ
レッサー11を駆動、停止するために開閉されるクラッ
チで、電磁クラッチ53をオン(接続)するとエンジン
15と補機用電動モーター16のいずれか一方または両
方の駆動力がコンプレッサー11の回転軸52へ伝達さ
れ、コンプレッサー11が回転駆動される。
【0020】補機用電動モーター16の出力軸55には
電磁クラッチ56を内蔵したプーリー57と、コンプレ
ッサー11側のプーリー54とベルト58を介して連結
されるプーリー59とが取り付けられている。また、エ
ンジン15の出力軸60には補機用電動モーター16側
のプーリー57とベルト61を介して連結されるプーリ
ー62が取り付けられている。電磁クラッチ56は上述
したエンジン駆動とモーター駆動とを切り換えるために
開閉されるクラッチで、電磁クラッチ56をオン(接
続)するとエンジン15の駆動力が補機用電動モーター
16の出力軸55、プーリー59、ベルト58を介して
コンプレッサー11側のプーリー54に伝達される。こ
のとき、補機用電動モーター16が停止していれば、補
機用電動モーター16は連れ回されることになる。一
方、補機用電動モーター16が運転していれば、エンジ
ン15と補機用電動モーター16の両方の駆動力がコン
プレッサー11側に伝達される。電磁クラッチ56をオ
フ(解放)にしたときは、補機用電動モーター16の駆
動力のみがコンプレッサー11側に伝達される。アイド
ルストップのようにエンジン15が停止する条件では、
電磁クラッチ56をオフ(解放)し、補機用電動モータ
ー16のみによりコンプレッサー11を駆動する。な
お、電磁クラッチ53、56は補機駆動モーター制御装
置51により駆動される。
【0021】図3〜図9は、一実施の形態の空調制御プ
ログラムを示すフローチャートである。これらのフロー
チャートにより、一実施の形態の動作を説明する。操作
機器類47に含まれているメインスイッチが操作される
と、コントローラー4は図3に示す空調制御メインプロ
グラムの実行を開始する。
【0022】ステップ1において、目標車室内温度Tpt
c、エバポレーター吹出風温度Tout、エンジン冷却水温
度Tw、外気温Tamb、内気温Tic、入射量Qsun、ブロ
アファン電圧Vfan、デフロスタドア開度Xdef、インテ
ークドア開度Xint、エアーミックスドア開度Xmixなど
の各種センサ値と各種アクチュエーター出力、すなわち
空調負荷状態を検出する。続くステップ2において、検
出した各種センサ値と各種アクチュエーター出力(空調
負荷状態)に基づいて目標吹出風温度Tofを演算する。
【0023】ステップ3では図4に示すコンプレッサー
制御サブルーチン(詳細後述)を実行してコンプレッサ
ー11を制御し、続くステップ4では図6に示すインテ
ークドア制御サブルーチン(詳細後述)を実行してイン
テークドア24を制御する。また、ステップ5では図7
に示すファン制御サブルーチン(詳細後述)を実行して
ブロアファン25を制御し、ステップ6では図8に示す
ミックスドア制御サブルーチン(詳細後述)を実行して
エアーミックスドア27を制御する。さらに、ステップ
7では図9に示す吹き出し口制御サブルーチン(詳細後
述)を実行して吹き出し口制御を行う。その後、ふたた
びステップ1へ戻り、上述した処理を繰り返す。
【0024】図4はコンプレッサー制御サブルーチンを
示すフローチャートである。ステップ11において、目
標吹出風温度Tofが所定温度Tsetより大きいか否かを
判別する。目標吹出風温度Tofが所定温度Tset以下の
場合は、内気温Ticがまだ高く、最大冷房能力で車室内
を急速に冷房するクールダウン運転を行う必要があるの
で、エンジン15によりコンプレッサー11を駆動する
ためにステップ15へ進む。ステップ15では、車両の
走行状態に拘わらず常にエンジン15でコンプレッサー
11を駆動するために、補機用電動モーター16による
コンプレッサー11の駆動を不可とする要求を補機駆動
モーター制御装置51へ出力する。
【0025】図10は、コンプレッサー11の回転速度
Ncompをパラメーターにした場合のコンプレッサー11
の体積効率ηvの変化を示す。コンプレッサー11の回
転速度Ncompが所定回転速度Nset以下では比較的良好
な体積効率ηvを示すが、回転速度Ncompが所定回転速
度Nsetを超えると、コンプレッサー11の内部の機械
損が増加するので、体積効率ηvが急激に悪化する。
【0026】図4のステップ11において、目標吹出風
温度Tofが所定温度Tsetより大きい場合は、クールダ
ウン運転を行わなくても内気温Ticを目標車室内温度T
ptcに収束させることができると判断し、ステップ12
へ進む。ステップ12では、エンジン回転速度Neng
が、上述したコンプレッサー11の所定回転速度Nset
に対応する所定回転速度より高いか否かを判別する。
【0027】ここで、図4のステップ12におけるエン
ジン回転速度Nengの判定基準の上記所定回転速度につ
いて説明する。図11は、外気温Tamb=35℃の条件
下で車室内温度Ticが安定しているときに、冷房能力を
一定に維持しながらコンプレッサー回転速度を変化させ
たときのコンプレッサー駆動力を示す。コンプレッサー
の回転速度が高くなると、図10に示すようにコンプレ
ッサーの機械損が増加するために体積効率ηvが低下
し、冷房能力を維持するためのコンプレッサーの駆動力
が増加する。モーター駆動時は一定回転でコンプレッサ
ーが駆動され、そのときのコンプレッサーの駆動力をF
1で示している。コンプレッサー11を補機用電動モー
ター16で駆動する場合は、発電負荷という形でエンジ
ン15に負荷がかかる。モーター駆動時のコンプレッサ
ー駆動負荷は、発電効率、インバーター効率、モーター
効率を含む総合効率を用いて、次式によりエンジン負荷
に置き換えることができる。
【数1】(エンジン負荷)=(コンプレッサー駆動負荷
F1)/(総合効率) このようにしてモーター駆動時のコンプレッサー負荷F
1をエンジン負荷に置き換えると、F2となる。そし
て、F2とコンプレッサー駆動力とが等しくなるときの
コンプレッサー回転速度が、外気温Tamb=35℃のと
きの所定回転速度として得られる。外気温Tambが変化
すると空調負荷が変化し、コンプレッサー駆動力が変化
する。外気温Tamb=30℃、25℃、20℃において
も、図11と同様の関係を調べて各外気温Tambにおけ
る所定回転速度をプロットすると、図12に示すような
関係が得られる。図4のステップ12では、この図12
に示す所定回転速度を判定基準としてエンジン回転速度
Nengを判別する。
【0028】図4のステップ12において、エンジン回
転速度Nengが上述した所定回転速度より高いときはス
テップ13へ進み、エンジン15でコンプレッサー11
を駆動するよりも補機用電動モーター16でコンプレッ
サー11を駆動する方が効率がよいので、コンプレッサ
ー11のモーター駆動の要求を補機駆動モーター制御装
置51へ出力する。一方、エンジン回転速度Nengが上
述した所定回転速度以下のときはステップ14へ進み、
エンジン15でコンプレッサー11を駆動しても効率が
悪化することはないので、コンプレッサー11のエンジ
ン駆動の要求を補機駆動モーター制御装置51へ出力す
る。コンプレッサー11の駆動方法が決定したらステッ
プ16へ進み、エバポレーター吹出風温度Toutがその
目標温度になるようにコンプレッサー11の吐出容量を
調節する。なお、容量固定型コンプレッサーを用いる場
合は、上述したコンプレッサークラッチ53を断接して
吐出容量を調節する。
【0029】図5は、補機駆動モーター制御装置51で
実行されるエンジン駆動とモーター駆動の選択制御プロ
グラムを示すフローチャートである。このフローチャー
トにより、一実施の形態のコンプレッサー駆動源の選択
制御を説明する。
【0030】補機駆動モーター制御装置51は、エンジ
ン15あるいは車両コントローラー(不図示)から、車
両の走行のためにエンジン15が作動しているか否かの
情報を入力する。ステップ21において、車両がエンジ
ン走行状態にあるか否かを判別する。車両がエンジン走
行状態にあるときはステップ26へ進み、コントローラ
ー4から入力した駆動要求を判別する。モーター駆動要
求があるときはステップ22へ進み、モーター駆動以外
の要求があるときはステップ27へ進む。モーター駆動
要求があるときは、ステップ22でモーター駆動が不可
状態にあるか否かを判断する。モーター駆動の「不可状
態」は、図4に示すコンプレッサー制御サブルーチンの
ステップ15、またはこのコンプレッサー駆動源の選択
制御プログラムのステップ24(後述)において設定さ
れる。モーター駆動不可状態にあればステップ27へ進
み、エンジン駆動を選択する。
【0031】一方、モーター駆動要求があってモーター
駆動不可状態でない場合、または車両がエンジン走行以
外の状態にあってモーター駆動不可状態でない場合は、
ステップ23で補機用電動モーター16の電流値を検出
し、モーター電流が所定の電流値Asetよりも大きいか
否かを判別する。コンデンサー12の冷却空気温度が高
いとき、またはコンプレッサー11の吸入圧力と吐出圧
力との圧力差が大きい状態で再起動するとき、あるいは
コンプレッサー11以外の補機用電動モーター16の負
荷(不図示)が作動したときなどには、補機用電動モー
ター16の電流値がAsetより大きくなることがある。
このようなときにはステップ24へ進み、モーター駆動
不可状態を設定し、ステップ27へ進んでエンジン駆動
を選択する。また、モーター電流が所定値Aset以下の
ときはステップ25へ進み、モーター駆動を選択する。
【0032】図4に示すコンプレッサー制御と図5に示
すエンジン駆動とモーター駆動の選択制御とを実行する
ことによって、コンプレッサー11の回転速度が高いた
めに機械損が増大して効率が悪化する条件において、コ
ンプレッサー11がエンジン駆動からモーター駆動に切
り換えられるので、高速走行時や登坂時のエンジン負荷
を軽減するとともに、空調による燃費の悪化を防止する
ことができる。
【0033】図6はインテーク制御サブルーチンを示す
フローチャートである。ステップ31において、操作機
器類47の中の外気導入スイッチFREと内気循環スイ
ッチRECのいずれかのマニュアルスイッチが操作され
ているか否かを確認する。いずれかのマニュアルスイッ
チが操作されている場合はステップ32へ進み、外気導
入スイッチFREが操作されたか内気循環スイッチRE
Cが操作されたかを確認する。外気導入スイッチFRE
が操作された場合はステップ34へ進み、アクチュエー
ターを制御してインテークドア24を開度Xint=10
0%の外気導入位置へ駆動する。一方、内気循環スイッ
チRECが操作された場合はステップ33へ進み、アク
チュエーターを制御してインテークドア24を開度Xin
t=0%の内気循環位置へ駆動する。
【0034】一方、マニュアルスイッチが操作されてい
ない場合はステップ35へ進み、予め設定した目標吹出
風温度Tofに対するインテークドア開度Xintのテーブ
ルから、目標吹出風温度Tofに対応する開度、すなわち
外気導入FRE、1/2外気導入1/2FRE、内気導
入RECを決定し、アクチュエーターを制御してインテ
ークドア24を決定開度Xintの位置へ駆動する。
【0035】図7はファン制御サブルーチンを示すフロ
ーチャートである。ステップ41において、操作機器類
47の中のファンスイッチによりブロアファン25の運
転と停止、および速度がマニュアル設定されているか否
かを確認する。マニュアル設定されていればステップ4
2へ進み、ファン速度の設定値を確認する。ファン速度
が1速に設定されている場合はステップ43へ進み、フ
ァンモーター25mに印加する電圧を1速の電圧に設定
する。また、ファン速度が2速に設定されている場合は
ステップ44へ進み、ファンモーター電圧を2速の電圧
に設定する。さらに、ファン速度が3速に設定されてい
る場合はステップ45へ進み、ファンモーター電圧を3
速の電圧に設定する。
【0036】一方、ブロアファン25の運転と停止、お
よび速度がマニュアル設定されていない場合はステップ
46へ進み、予め設定した目標吹出風温度Tofに対する
ファンモーター電圧Vfanのテーブルから、目標吹出風
温度Tofに対応するファンモーター電圧Vfanを決定
し、ファンモーター25mに印加してブロアファン25
を駆動する。
【0037】図8はミックスドア制御サブルーチンを示
すフローチャートである。ステップ51において、現在
のエアーミックスドア開度Xmix、エンジン冷却水温T
w、エバポレーター吹出風温度Toutなどに基づいて車室
内への吹き出し風温度を予測する。この予測吹出風温度
をTdisとする。ステップ52で目標吹出風温度Tofと
予測吹出風温度Tdisとの偏差Sを演算し、続くステッ
プ53で偏差Sを所定値αと比較する。偏差S<−αの
場合は、車室内への吹出風温度がその目標値よりも高い
のでステップ54へ進み、アクチュエーターを制御して
エアーミックスドア27をフルクール(全閉)側に予め
設定したΔXmixだけ駆動する。偏差S>+αの場合
は、車室内への吹出風温度がその目標値よりも低いので
ステップ56へ進み、アクチュエーターを制御してエア
ーミックスドア27をフルホット(全開)側に予め設定
したΔXmixだけ駆動する。なお、|偏差S|<αの場
合はステップ55へ進み、現在のエアーミックスドア2
7の位置を保持する。
【0038】図9は吹き出し口制御サブルーチンを示す
フローチャートである。ステップ61において、操作機
器類47の中の吹き出し口モードスイッチにより吹き出
し口モードがマニュアル設定されているか否かを確認す
る。マニュアル設定されている場合はステップ62へ進
み、ベンチレーターVENT、バイレベルB/L、フッ
トFOOTのどの吹き出し口モードが選択されたかを確
認する。ベンチレーター吹き出し口が選択された場合は
ステップ63へ進み、アクチュエーターを制御してベン
チレータードア33を開放する。また、バイレベルモー
ドが選択された場合はステップ64へ進み、アクチュエ
ーターを制御してベンチレータードア33とフットドア
34を開放する。さらに、フット吹き出し口が選択され
た場合はステップ65へ進み、アクチュエーターを制御
してフットドア34を開放する。
【0039】一方、吹き出し口モードがマニュアル設定
されていない場合はステップ66へ進み、予め設定した
目標吹出風温度Tofに対する吹き出し口モードのテーブ
ルから、目標吹出風温度Tofに対応する吹き出し口モー
ドを決定し、アクチュエーターを制御して決定した吹き
出し口のドアを開放する。
【0040】《発明の一実施の形態の変形例》図13
は、変形例のコンプレッサー制御サブルーチンを示すフ
ローチャートである。ステップ71において、目標吹出
風温度Tofが所定温度Tsetより大きいか否かを判別す
る。目標吹出風温度Tofが所定温度Tset以下のとき
は、車室内温度がまだ高く、最大冷房能力で車室内を急
速に冷房するクールダウン運転を行う必要あるので、常
にエンジン15でコンプレッサー11を駆動するために
ステップ76へ進み、モーター駆動不可の要求を補機駆
動モーター制御装置51へ出力する。
【0041】一方、目標吹出風温度Tofが所定温度Tse
tより大きいときは、クールダウン運転を行わなくても
車室内温度をその目標値に収束させることができると判
断してステップ72へ進む。ステップ72では、コンプ
レッサー11がモーター駆動状態にあるか否かを確認
し、モーター駆動状態にあるときはステップ73へ進
み、そうでなければステップ77へ進む。ステップ73
において、モーター駆動している状態で所定の冷房能力
が得られているか否かを判断する。所定の冷房能力が得
られている場合はステップ74へ進み、コンプレッサー
11をモーター駆動する要求を補機駆動モーター制御装
置51へ出力する。一方、所定の冷房能力が得られてい
ない場合はステップ75へ進み、コンプレッサー11を
エンジン駆動する要求を補機駆動モーター制御装置51
へ出力する。モーター駆動またはエンジン駆動の要求出
力後、ステップ77で、エバポレーター吹出風温度Tou
tがその目標値となるようにコンプレッサー11の吐出
容量を制御し、冷房能力を調節する。なお、容量固定型
コンプレッサーを用いる場合は、コンプレッサークラッ
チ53を断接して吐出容量を調節する。
【0042】空調運転開始直後は、図5に示すエンジン
駆動とモーター駆動との選択によって、アイドル時や減
速時のみモーター駆動が選択される。図13のステップ
73でモーター駆動時に所定の冷房能力が得られている
と判断された後は、図5に示すエンジン駆動とモーター
駆動の選択において、エンジン走行状態でもモーター駆
動が選択される。これにより、コンプレッサー11を効
率のよい回転速度で運転することができ、加減速時の不
必要なコンプレッサー駆動損失がなくなるので、空調時
の燃費悪化を防止できる。また、従来は断続運転を行っ
ていた低外気温時に連続運転を行うことが可能になるの
で、空調フィーリングが向上するだけでなく、より低い
外気温条件においても防曇性を維持することが可能にな
る。
【0043】《発明の一実施の形態の他の変形例》図1
4は、変形例のコンプレッサー制御サブルーチンを示す
フローチャートである。ステップ81において、目標吹
出風温度Tofが所定温度Tsetより大きいか否かを判別
する。目標吹出風温度Tofが所定温度Tset以下のとき
は、車室内温度がまだ高く、最大冷房能力で車室内を急
速に冷房するクールダウン運転を行う必要あるので、常
にエンジン15でコンプレッサー11を駆動するために
ステップ86へ進み、モーター駆動不可の要求を補機駆
動モーター制御装置51へ出力する。
【0044】一方、目標吹出風温度Tofが所定温度Tse
tより大きいときは、クールダウン運転を行わなくても
車室内温度をその目標値に収束させることができると判
断してステップ82へ進む。ステップ82では、コンプ
レッサー11がモーター駆動状態にあるか否かを確認
し、モーター駆動状態にあるときはステップ83へ進
み、そうでなければステップ87へ進む。ステップ83
では、コンプレッサー11のマグネットクラッチのオフ
(解放)時間が所定時間よりも長いか否かを判別し、オ
フ時間が所定時間よりも長い場合はステップ84へ進
み、コンプレッサー11をモーター駆動する要求を補機
駆動モーター制御装置51へ出力する。一方、オフ時間
が所定時間以下の場合はステップ85へ進み、コンプレ
ッサー11をエンジン駆動する要求を補機駆動モーター
制御装置51へ出力する。エンジン駆動またはモーター
駆動の要求出力後、ステップ87でエバポレーター吹出
風温度Toutがその目標値となるようにコンプレッサー
11の吐出容量を制御し、冷房能力を調節する。なお、
容量固定型コンプレッサーを用いる場合は、コンプレッ
サークラッチ53を断接して吐出容量を調節する。
【0045】図15は、外気温Tamb=35℃の室温安
定時におけるコンプレッサークラッチオフ後のエバポレ
ーター吹出風温度Toutの変化を示す。エバポレーター
14の冷媒温度(圧力)および通過空気の変化を見る
と、コンプレッサーオフ直後から図中の時間tまでの間
は、エバポレーター14を通過する空気の熱量を吸収し
て、エバポレーター14内の冷媒温度(圧力)が速やか
に上昇する。そして、時間t以降は、エバポレーター1
4の表面に付着するドレイン水が通過空気に蒸発し、こ
の蒸発熱によって通過空気が冷却されるが、エバポレー
ター14内の冷媒が吸熱する熱量が減少するので、冷媒
温度(圧力)は緩やかに上昇する。
【0046】この変形例では、図15に示す時間tを、
図14のステップ83における判定基準の所定時間とす
る。エンジン走行時にコンプレッサー11のエンジン駆
動を行うと、コンプレッサークラッチ53をオン、オフ
してコンプレッサー11を断続運転することがある。こ
のとき、コンプレッサークラッチ53の解放時間が所定
時間より長いと、ドレイン水の蒸発による臭いやガラス
曇りや湿度上昇などが発生して空調フィーリングが悪化
する恐れがある。そこで、コンプレッサークラッチ53
の解放時間が所定時間よりも長いときはモーター駆動を
選択することによって、必要最低限の低い回転速度でコ
ンプレッサー11を駆動して連続運転を行うことがで
き、コンプレッサー11の断続運転時に発生する上記問
題を解決して空調フィーリングの向上を図ることができ
る。
【0047】なお、上述した一実施の形態とその変形例
では補機用電動モーター16とコンプレッサー11をベ
ルトを介して連動する例を示したが、図16に示すよう
に補機用電動モーター16とコンプレッサー11を軸直
結に構成してもよい。
【0048】以上の実施の形態の構成において、補機駆
動モーター制御装置51および電磁クラッチ56が切換
手段を、センサー41〜45などの各種検出器類、操作
機器類47および各種ドアアクチュエーターが空調負荷
検出手段を、補機駆動モーター制御装置51がエンジン
速度検出手段を、コントローラー4が目標吹出風温度演
算手段、判定手段および制御手段をそれぞれ構成する。
【0049】なお、上述した一実施の形態では補機駆動
モーター制御装置51によりエンジンの回転速度を検出
する例を示したが、専用のクランクセンサーなどを設け
てエンジン回転速度を検出してもよい。また、空調負荷
状態については上述した一実施の形態の内容に限定され
ない。さらに、エンジン駆動とモーター駆動とを切り換
える切換手段についても上述した一実施の形態の構成に
限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 エンジン駆動とモーター駆動の駆動力切り換
え機構の詳細を示す図である。
【図3】 空調制御メインプログラムを示すフローチャ
ートである。
【図4】 コンプレッサー制御サブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図5】 エンジン駆動とモーター駆動の選択制御プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図6】 インテークドア制御サブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図7】 ファン制御サブルーチンを示すフローチャー
トである。
【図8】 エアーミックスドア制御サブルーチンを示す
フローチャートである。
【図9】 吹き出し口制御サブルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図10】 コンプレッサーの回転速度に対する体積効
率を示す図である。
【図11】 コンプレッサーの回転速度に対する駆動力
を示す図である。
【図12】 外気温に対する所定回転速度を示す図であ
る。
【図13】 変形例のコンプレッサー制御サブルーチン
を示すフローチャートである。
【図14】 変形例のコンプレッサー制御サブルーチン
を示すフローチャートである。
【図15】 コンプレッサークラッチオフ後の経過時間
に対する吹き出し風温度を示す図である。
【図16】 補機用電動モーターとコンプレッサーの構
成の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 蒸気圧縮冷媒サイクル 2 エンジン冷却水循環サイクル 3 空調ユニット 4 コントローラー 11 コンプレッサー 12 コンデンサー 13 膨張弁 14 エバポレーター 15 エンジン 16 補機用電動モーター 17 ヒータコア 21 空調ダクト 22 内気導入口 23 外気導入口 24 インテークドア 25 ブロアファン 25m ファンモーター 27 エアーミックスドア 29 エアーミックスチャンバー 30 ベント吹出口 31 フット吹出口 32 デフロスター吹出口 33 ベンチレータードア 34 フットドア 35 デフロスタドア 41〜45 センサー 47 操作機器類 51 補機駆動モーター制御装置 52 回転軸 53,56 電磁クラッチ 54,57,59,62 プーリー 55,60 出力軸 58,61 ベルト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空調用コンプレッサーをエンジンにより駆
    動する(以下、エンジン駆動と呼ぶ)か、または補機用
    電動モーターにより駆動する(以下、モーター駆動と呼
    ぶ)かを切り換える切換手段と、 車両の空調負荷状態を検出する空調負荷検出手段と、 前記エンジンの回転速度を検出するエンジン速度検出手
    段と、 前記空調負荷状態と前記エンジン回転速度とに基づい
    て、前記エンジン駆動と前記モーター駆動のいずれかを
    選択する制御手段とを備えることを特徴とする車両用空
    調装置。
  2. 【請求項2】空調用コンプレッサーをエンジン駆動とす
    るか、またはモーター駆動とするかを切り換える切換手
    段と、 車両の空調負荷状態を検出する空調負荷検出手段と、 前記空調負荷状態に基づいて車室内への目標吹出風温度
    を演算する目標吹出風温度演算手段と、 前記エンジンの回転速度を検出するエンジン速度検出手
    段と、 前記目標吹出風温度が所定温度より高く、且つ前記エン
    ジン回転速度が所定速度より高いときは前記モーター駆
    動を選択し、前記目標吹出風温度が前記所定温度より高
    く、且つ前記エンジン回転速度が前記所定速度以下のと
    きは前記エンジン駆動を選択する制御手段とを備えるこ
    とを特徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】空調用コンプレッサーをエンジン駆動とす
    るか、またはモーター駆動とするかを切り換える切換手
    段と、 車両の空調負荷状態を検出する空調負荷検出手段と、 前記空調負荷状態に基づいて車室内への目標吹出風温度
    を演算する目標吹出風温度演算手段と、 前記目標吹出風温度が所定温度より高く、且つ前記モー
    ター駆動がなされているときに、所定の冷房能力が得ら
    れない場合は、前記モーター駆動から前記エンジン駆動
    に切り換える制御手段とを備えることを特徴とする車両
    用空調装置。
  4. 【請求項4】空調用コンプレッサーをエンジン駆動とす
    るか、またはモーター駆動とするかを切り換える切換手
    段と、 車両の空調負荷状態を検出する空調負荷検出手段と、 前記空調負荷状態に基づいて車室内への目標吹出風温度
    を演算する目標吹出風温度演算手段と、 前記目標吹出風温度が所定温度より高く、且つ車両が前
    記エンジンの駆動力により走行しているときに、前記コ
    ンプレッサーの運転と停止を行うクラッチの解放時間が
    所定時間より長いか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段により前記クラッチの解放時間が前記所定
    時間より長いと判定されると前記モーター駆動を選択
    し、前記クラッチの解放時間が前記所定時間以下と判定
    されると前記エンジン駆動を選択する制御手段とを備え
    ることを特徴とする車両用空調装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010137664A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Toyota Motor Corp 車両用空調制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010137664A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Toyota Motor Corp 車両用空調制御装置

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