JP2002273755A - 電動射出成型機 - Google Patents

電動射出成型機

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JP2002273755A
JP2002273755A JP2001081939A JP2001081939A JP2002273755A JP 2002273755 A JP2002273755 A JP 2002273755A JP 2001081939 A JP2001081939 A JP 2001081939A JP 2001081939 A JP2001081939 A JP 2001081939A JP 2002273755 A JP2002273755 A JP 2002273755A
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JP2001081939A
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Kenji Tsutsui
健司 筒井
Akihiro Maekawa
明寛 前川
Tadashi Murata
直史 村田
Junji Murase
淳治 村瀬
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型形状に応じた最適ゲインを調整する電動
射出成型機を提供する。 【解決手段】 入力された金型形状に関するデータに基
づいて、当該金型形状に適したフィードバック制御にお
いて用いられるゲインの値を求め、そのゲインの値に基
づき制御されることを特徴とする電動射出成型機を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータが射出
スクリュを進退駆動し、位置や、速度や、圧力などに基
づいて電動モータを制御する電動射出成型機の制御方法
とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の射出成型機について、図6〜図7
を用いてその構造と動作について説明する。従来の射出
成型機は、2つの金型401、402を重合し、金型4
01、402間に形成された空間内へと原料樹脂403
を射出供給して所望形状の樹脂製品を成型する。このた
め、射出成型機は、2つの金型401、402を重合す
る型締め装置410と、金型401、402間に形成さ
れた空間内に原料樹脂403を射出供給する射出装置4
20とを含んでいる。なお、ここでは、金型401を凹
状に、金型402を凸状に形成している。
【0003】型締め装置410は、一方の金型401を
取り付けてベース431上に固定されている固定ダイプ
レート411と、他方の金型402を取り付けて固定ダ
イプレート411に対して接離する方向に移動可能な移
動ダイプレート412と、一端を固定ダイプレート41
1に他端を連結プレート413にそれぞれ連結されて移
動ダイプレート412の移動を案内しているタイバー4
14と、移動ダイプレート412を駆動するブーストシ
リンダ415とを含んでなる。
【0004】ブーストシリンダ415が作動すると(図
6(b)を参照のこと)、タイバー414が、移動ダイ
プレート412を案内して金型402を金型401に対
して接離する方向に移動し、金型401、402の重合
時には、ブーストシリンダ415が、金型402を金型
401に押圧して金型401、402内の空間への樹脂
圧に対抗できるように作動する。なお、移動ダイプレー
ト412は、成型後に凸状の金型402側に嵌着した樹
脂製品404を取り出すための押出シリンダ416を含
んでいる。
【0005】一方、射出装置420は、先端にノズル4
21を備えた射出シリンダ422と、射出シリンダ42
2の内部に進退可能及び回転可能に内挿された射出スク
リュ4(詳細は図2を参照のこと)と、射出シリンダ4
22内の原料樹脂403を加熱するヒータ424と、ベ
ース432上に固定された台(駆動装置台)425と、
台425上に固定されて射出シリンダ422を支持して
いる固定フレーム426と、台425上に移動可能に装
備されて射出スクリュ4と結合している移動フレーム4
27と、移動フレーム427に設けられ射出スクリュ4
を回転駆動するスクリュ回転モータ428と、固定フレ
ーム426と移動フレーム427との間に設けられ、移
動フレーム427と共に射出スクリュ4を軸線方向に移
動する射出スクリュ移動機構429と、射出シリンダ4
22内に原料樹脂403を供給するためのホッパ430
とを含んでなる。
【0006】なお、台425と固定ダイプレート411
との間に、台425を射出シリンダ422の軸方向に移
動してノズル421の位置を前後に進退調整するための
ノズル前後シリンダ433を含んでいる。これにより、
スクリュ回転モータ428が射出スクリュ4を回転する
ことにより、ホッパ430からのペレット状の原料樹脂
403を射出シリンダ422内に導入し、この原料樹脂
403を前方へ送ることができる。この際、ヒータ42
4が原料樹脂403を過熱することで原料樹脂403を
融解する。そして、ノズル421部分に溜まった溶融樹
脂を、射出スクリュ移動機構429が作動して射出スク
リュ4を前進させることにより、金型401、402内
に射出できる。
【0007】このように、射出成型機は、図6(a)〜
(c)と図7(a)〜(c)に示す動作により、図6に
示すステップにより射出成型を行っている。まず、移動
ダイプレート412を図6(a)に示すような原位置に
設定し(原位置設定工程、図6のステップS1)、移動
ダイプレート412を図6(b)に示すように移動して
金型401、2を重合する型閉じを行う(型閉じ工程、
図6のステップS2)。
【0008】次いで、金型401、402を圧着した状
態で、スクリュ回転モータ428及びヒータ424を作
動し、ホッパ430に投入したペレット状の原料樹脂4
03を溶融しながら送給し、ノズル421部分に1ショ
ット分の溶融樹脂を溜めた上で、図6(c)に示すよう
に、射出スクリュ移動機構429が作動して射出スクリ
ュ4を前進し、溶融樹脂を昇圧しながら金型401、4
02内に溶融樹脂を射出する(昇圧、射出工程、図6の
ステップS3)。
【0009】このように、金型401、402内に溶融
樹脂を注入したら、タイマ等を用いて所定の時間だけ昇
圧した圧力状態を保って(保圧工程、図6のステップS
4)、金型401、402を冷やして樹脂を固める。こ
の樹脂が固まる際に、樹脂が収縮して体積が減るので、
図7に示すように、射出スクリュ4を回転して一定圧力
で樹脂を再射出することにより、樹脂収縮分を補填する
(冷却、計量工程、図6のステップS5)。
【0010】冷却、計量工程が完了したら(図6のステ
ップS6)、図7(b)に示すように、移動ダイプレー
ト412を移動して金型401、402を隔離する型開
きを行って(型開き工程、図6のステップS7)、図7
(c)に示すように、押出シリンダ416が作動し、凸
状の金型402側に嵌着した樹脂製品404を押し出し
て取り出す(製品押し出し工程、図6のステップS
8)。その後は、成型終了判定(図6のステップS9)
を行うまで、再び、上記の型閉じ工程(図6のステップ
S2)〜製品押し出し工程(図6のステップS8)を実
施する。
【0011】このような射出成型を行う射出成型機とし
ては、射出スクリュ移動機構429に射出シリンダなど
の流体圧シリンダを用いた油圧射出成型機の他に、射出
スクリュ移動機構429に電動モータを用いた電動射出
成型機がある。電動射出成型機は油圧射出成型機に比べ
て、射出スクリュの進退をより精度よく、また様々な形
態で制御可能であるメリットを有する。
【0012】電動射出成型機が上述のように射出成型を
行う際には、樹脂を金型に充填する昇圧、射出工程(図
6のステップS3)では、充填の最中に樹脂温度が下が
ると樹脂が固化してしまうため、この樹脂充填時には射
出スクリュを速度制御してこれを防いでいる。また、樹
脂充填後の保圧工程及び冷却、計量工程(図6のステッ
プS4、S5)では、樹脂の冷却による収縮を補正する
ための保圧が可能なように射出スクリュを圧力制御す
る。
【0013】つまり、樹脂の充填工程(昇圧、射出工
程)では、射出スクリュの進退方向への移動速度が目標
とする速度になるように、射出スクリュを進退駆動する
電動モータを制御している。また、樹脂充填後の保圧工
程等では、射出スクリュによる樹脂の圧力が目標とする
圧力になるように、射出スクリュを進退駆動する電動モ
ータを制御している。
【0014】このため、成型工程中に、射出スクリュの
駆動を速度制御から圧力制御へと制御モードを切り替え
ることが必要となる。従来は、この速度制御と圧力制御
との切り替え(以下、「V/P切り替え」と呼ぶ)を射出
スクリュの位置に応じて行っており、熟練作業者が、手
動により射出成型を数回実施して良質の成型を実施でき
た時の作業工程を基にして、この切り替え基準となる射
出スクリュ位置を設定していた。
【0015】図7において、上記の具体例として、従来
の射出成型時における射出スクリュの進退方向へ制御を
行う制御ブロック図を示している。従来の制御装置で
は、速度制御については、モータ位置(回転角度)の目
標値である位置指令値Xrと、モータ位置(回転角度)
の実測値である位置検出値Xとの偏差(Xr−X)を算
出し(加算器171)、ゲイン処理部172において、
この偏差(Xr−X)に位置比例ゲインKpを乗算して
速度対応の指令値[Vr=Kp(Xr−X)]に変換す
る。そして、この速度指令値Vrと、モータ速度(回転
速度)の実測値である速度検出値Vとの偏差(Vr−
V)を算出し(加算器173)、速度制御部174にお
いてこの偏差(Vr−V)に基づいてモータ指令値(電
流指令値)を設定し出力する。
【0016】また、制御装置では、圧力制御について
は、金型内の圧力(樹脂圧力)の目標値である圧力指令
値Pr1、Pr2を設定する。これらの一方の圧力指令
値Pr1は、速度制御時に金型内の圧力の過剰な上昇を
規制して速度制御から圧力制御への切り替えを行い、他
方の圧力指令値Pr2を圧力制御時に用いている。
【0017】そこで、切り替え部175において、V/
P切り替え信号に基づいて、速度制御時(V制御時)に
は圧力指令値Pr1を選択し、圧力制御時(P制御時)
には圧力指令値Pr2を選択する。選択した圧力指令値
Pr1又はPr2(以下、「Pr」とする)と、金型内の
圧力の実測値である圧力検出値Pとの偏差(Pr−P)
を算出し(加算器176)、圧力制御部177において
この偏差(Pr−P)に基づいてモータ指令値(電流指
令値)を設定し出力している。
【0018】このような速度制御部174からのモータ
指令値と圧力制御部177からのモータ指令値とを切り
替え部178が切り替えるが、切り替え部178では、
これらのモータ指令値のうち小さい方を選択する(ロー
セレクト)。これは、速度制御の末期には射出スクリュ
の位置が充填完了状態に近づくと共に温度低下によって
樹脂材料の粘性が高まり、位置指令値Xrと位置検出値
Xとの偏差(Xr−X)が縮まりにくくなるので、速度
指令値Vrは小さくならないまま実速度は低下してい
き、速度制御部174からのモータ指令値は増大する。
【0019】上記のように速度制御と圧力制御とをモー
タ指令値のローセレクトで切り替える技術は、特開平4
−369520号公報や特許第2660636号公報に
も開示されている。また、実公平6−28253号公報
には、保圧時にサーボモータの速度を制御することによ
り、樹脂圧力を制御する速度制御回路と、位置検出手段
からの情報に基づきサーボモータの位置と速度とを制御
する位置制御回路と、保圧時の保圧指令信号と圧力セン
サから出力する実保圧値との偏差量に基づく速度指令値
制御する速度制御回路とを、スイッチング回路により自
動切り替えするものが開示されている。
【0020】一方、この速度制御と圧力制御との切り替
え(V/P切り替え)を射出スクリュの位置に応じて行
う技術もある。この場合、切り替え基準となる射出スク
リュ位置は、熟練作業者が手動により射出成型を数回実
施して、良質の成型を実施できた時の作業工程に基づい
て設定している。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の制御方法では、射出制御のための制御パラ
メータである速度ゲイン及び圧力ゲインは、それぞれ一
定値を使用している。このため、作業者が、ある一定値
である速度ゲイン及び圧力ゲインにおいて試行錯誤した
後に、改めてそれぞれのゲインを経験により調整して、
良品成型のための最適条件出しを行っており、時間を要
するという問題があった。また、このような制御パラメ
ータは金型の形状や大きさ等に依存するため、熟練した
作業者であっても、金型形状に応じた最適な速度ゲイン
及び圧力ゲインを行うことは容易ではない。また、調整
の際に作業者が、入力すべき制御パラメータ値を誤る可
能性がありうる。このような場合には、装置や金型の破
損等の問題がさらに発生する場合もありうる。
【0022】本発明は、このような問題に鑑み、射出工
程で使用される金型形状に応じて自動的に制御すること
を特徴とする電動射出成型機を提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、入力された金
型形状に関するデータに基づいて、当該金型形状に適し
たフィードバック制御において用いられるゲインの値を
求め、そのゲインの値に基づき制御されることを特徴と
する電動射出成型機を提供する。ここで、前記金型形状
に関するパラメータをn個含み、前記n個のパラメータ
のそれぞれの数値範囲をm個に区分して、mn個(m及
びnは正の整数)の異なるか同一のゲインの値を含むテ
ーブルを予め作成し、該テーブルから前記金型形状に適
したゲインを求めることを特徴とする態様や、金型形状
とゲインの値の関係がテーブルで表されることを特徴と
する態様や、前記入力された金型形状に関するデータが
x、yであるとき、最適速度比例ゲインFv及び最適な
圧力比例ゲインFpを、Fv=f(x、y)及びFp=
g(x、y)として表現される関数により求めることを
特徴とする態様が好適に挙げられる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1〜図5を参照して、本発明の
電動射出成型機について説明する。本実施例において
は、予め準備したテーブルにより、電動射出成型機の制
御のための最適なゲインを選択し、また、センサからの
信号に応じて最適なゲインを変更して制御を行う。
【0025】図1に、本発明によるインラインスクリュ
式電動射出成型機(以下、「電動射出成型機」と略称す
る)1を示す。この電動射出成型機1は、成型空間Cを
形成する固定金型2および可動金型3と、前記固定金型
2に接離可能に設けられて前記成型空間C内に溶融材料
を射出充填する射出スクリュ装置4と、この射出スクリ
ュ4とともに進退動作を行う可動部5と、ボールネジ6
a、6bと、ロードセル7a、7bと、モータ8a、8
bと、アンプ9a、9bと、制御コントローラ10と、
ボールナット11と、加熱筒12と、モータ8a、8b
からの動力をボールネジ4や可動部5やボールナット1
1を介して射出スクリュ4へと伝達している回転駆動部
13a、13bとを含んでなる。
【0026】また、前記射出スクリュ4近傍を拡大した
ものを図2に示す。この射出スクリュ4近傍には、前記
固定金型2への溶融材料の射出孔となるノズル16を先
端に備えて射出材料を加熱溶融する加熱筒12と、樹脂
の充填圧力を検知する型圧力センサ14aと、ノズル圧
センサ14bと、ノズル部射出圧センサ14cと、射出
圧センサ14dとを含んでいる。
【0027】射出スクリュ4は、図2に示すように、電
動モータ8(サーボモータ、単にモータとも呼ばれる)
によって、前後方向に進退駆動するようになっている。
電動モータ8と射出スクリュ4との間には、電動モータ
8の回転を減速し、さらに直線運動に変換して射出スク
リュ4に伝達する動力伝達機構17を備えている。この
ような回転運動を直線運動に変換する機構としては、上
述したように、ボールネジ軸4とボールナット11から
なるボールネジ機構を用いることができる。つまり、電
動モータ8とボールネジ4とをいずれも回転自在で軸方
向に移動しないように支持し、電動モータ8とボールネ
ジ4との間に電動モータ8の回転を減速してボールネジ
4に伝達する機構を設け、ボールナット11を射出スク
リュ4の進退方向に向け、ボールネジ4とボールナット
11とを螺合させる。これにより、電動モータ8がボー
ルネジ4を回転させると、ボールネジ4に螺合するボー
ルナット11を介して射出スクリュ4をその進退方向に
移動させることができる。
【0028】次に、本発明の電動射出成形機1を用いた
制御ステップについて、図3を用いて説明する。ます、
成型に使用する金型2、3を選択する(ステップ3
0)。そして、金型2、3を電動射出成型機1へと取り
付けると、射出スクリュ4の制御に必要なゲインを含む
テーブルの集合から、この金型2、3の形状に応じたテ
ーブルを自動的に選択する(ステップ32)。このテー
ブルは、例えば、図4(a)及び(b)に示すような速
度比例ゲイン及び圧力比例ゲインの2つを含みうる。こ
の場合の例では、テーブルは、金型2、3により成型さ
れる成型品の肉厚に相当する長さと、金型2、3により
成型される成型品の曲げの数に相当する接点数とに基づ
いて、それぞれの条件に応じた複数の異なる最適ゲイン
のデータを備えている。ここで、成型品の肉厚に相当す
る長さとは、成型品の肉厚の平均値や最小値などの成型
品の肉厚に関する特徴的な長さを意味する。また、接点
数とは、単純な例としては、金型2、3により成型され
る成型品が直方体であれば接点数は1であり、L字型で
あれば接点数は2となることを意味している。また、長
さの減少及び接点数の増加に伴い、速度比例ゲイン及び
圧力比例ゲインの値が増加するのは、接点数が増加する
ほど金型内を樹脂が流動するときの抵抗が大きくなるた
めである。したがって、このような場合には、樹脂圧に
対する制御の応答性を高めるようにゲインの値を大きく
することが好ましい。
【0029】ここでは、ゲインの制御のために、長さ及
び接点数の2つを制御パラメータとしたテーブルを使用
している。しかしながら、このゲイン制御のためのテー
ブルは2つの制御パラメータからなる2次元のテーブル
に限定されるものではない。制御パラメータとしては、
長さ及び接点数以外にも、射出材料及びその粘度や、金
型の大きさ等を使用することができる。一般的には、前
記金型形状に関するパラメータをn個含み、前記n個の
パラメータのそれぞれをm個の数値範囲に区分したmn
個(m及びnは正の整数)の最適なゲインの値を含むテ
ーブルとなることが理解される。ここで、図4(a)及
び図4(b)は、n=2及びm=3(3 2=9)とした
場合に対応している。また、図4(a)及び図4(b)
のテーブルに示されているゲインの値は、テーブル内に
同一のゲインを含んでいるが、それぞれ異なるゲインの
値を含んでいてもよい。
【0030】さらに、このテーブルで使用する長さ及び
接点数に応じた速度比例ゲイン及び圧力比例ゲインにつ
いて図4(a)、図4(b)を用いて説明する。この場
合、最適な速度比例ゲイン及び圧力比例ゲインは、長さ
が1mm未満と1mm〜10mmと10mm以上との3
条件と、接点数が1〜3と、4〜6と、7以上の3条件
からなる3行3列の行列で表現されている。例えば、長
さが5mmで、接点数が5であるような金型2、3を使
用する場合には、最適な速度比例ゲイン及び圧力比例ゲ
インは、それぞれ4及び0.4となる。
【0031】このようなテーブルから、最適な速度ゲイ
ン及び圧力ゲインを自動的に選択する手段については、
例えば、金型2、3を電動射出成型機1に取り付ける際
に、金型2、3にバーコードやICチップ等のコンピュ
ータに読み取り可能な記録媒体を介して、金型2、3が
選択されていることを示す信号を電動射出成型器1へと
自動的に読み取らせる手段(図示せず)を備えているこ
とが好ましい。なお、ここでは、金型2、3の形状に応
じて選択する場合を例として以下に説明するが、本発明
は、これに限定されず、例えば、金型の大きさや樹脂材
料の種類等に応じて選択できるようにしてもよい。
【0032】次に、射出スクリュ4の制御を行うため、
まず速度制御を選択する(ステップ34)。速度制御の
選択は、後述する図5において、コンピュータの演算部
から出力されるV/P切替信号を切り替え器57へと伝
送することにより行う。
【0033】このV/P切替信号が切り替え器57に伝
送されるのに伴い、選択したテーブル内の速度比例ゲイ
ンが選択される。そして、射出工程が開始される。射出
工程中は、射出スクリュ4の物理量をセンサにより常時
モニタする。ここでは、射出スクリュの物理量として位
置及び圧力についてセンサによりモニタしている。この
センサからの信号に応じて、自動的に選択したテーブル
内の速度比例ゲインから最適ゲイン(例えば、図4
(a)において、10mm以上で接点数4〜6の場合に
は、最適ゲイン3)を選択する(ステップ36)。
【0034】次に、センサがある閾値を超えた場合に、
射出スクリュ4の制御を速度制御から圧力制御へと切り
替える(ステップ38)。この切り替えは、後述する図
5において、コンピュータの演算部から出力されるV/
P切替信号を切り替え器57へと伝送することにより行
う。
【0035】そして、V/P切替信号を切り替え器57
に伝送すると、選択されていたテーブル内の速度比例ゲ
インから圧力比例ゲインへと切り替えが行われる。そし
て、センサからの信号に応じて、自動的に選択したテー
ブル内の圧力比例ゲインから最適ゲイン(例えば、図4
(b)において、10mm以上で接点数4〜6の場合に
は、最適ゲイン0.3)を選択する(ステップ40)。
【0036】次に、図4(a)、図4(b)の速度比例
ゲイン及び圧力比例ゲインを使用し、制御コントローラ
10で行われる射出スクリュ4の制御系を図5に示す。
電動モータ8a、8bは、制御コントローラ10により
制御されている。本実施形態の制御コントローラ10の
速度制御系は、速度指令値Vr及び速度検出値Vを用い
ている。ここで、速度検出値Vは、直接的に射出スクリ
ュ4の移動速度を求めてもよいが、例えば、射出スクリ
ュ4の位置を検出し、単位時間当りの位置変化から射出
スクリュ4の速度を計算する手段を備えることにより射
出スクリュ4の速度検出値Vを求めてもよい。
【0037】本実施形態の速度制御系は、速度指令値V
rから速度検出値Vを減算して速度偏差(=Vr−V)
を算出する加算器51と、この速度偏差(=Vr−V)
に位置比例ゲインKpvを乗算して速度対応の指令値
[=Kpv・(Vr−V)]に変換する位置比例ゲイン処
理部52と、圧力検出値Pに圧力比例ゲインKppを乗
算して速度対応の補正値(=Kpp・P)に変換する圧
力比例ゲイン処理部54と、位置比例ゲイン処理部52
で変換された指令値[=Kpp・(Vr−V)]を圧力比
例ゲイン処理部54で変換された補正値(Kpp・P)
で減算補正して速度対応の指令値(速度制御用速度目標
値)Uを求める加算器53とをそなえている。ここで、
速度目標値をUとすると、U=Kpv・(Vr−V)―
Kpp・Pを表される。
【0038】本発明では、予め金型に応じて準備したテ
ーブルを用いて、そのテーブル内にある最適ゲインを選
択することにより射出スクリュを制御する電動射出成型
機について説明した。しかし、このような金型形状に応
じて最適なゲインを選択する方法としては、例えば、制
御コントローラ内に射出全体シミュレータ等が組み込ん
で金型形状を入力すると同時にシミュレーションを実施
して最適ゲインを求めるような手段を備えていてもよ
い。具体的には、金型形状や成型品の形状(以下、形状
データともいう)に関するデータをコンピュータに入力
し、この入力された形状データを、有限要素法、境界要
素法、差分法などの数値解析法で使えるような微小要素
に分解して形状データとして記憶しておくことが好まし
い。また、充填樹脂の物性データと流量と温度、及びス
クリュの移動速度の時間応答のデータを射出条件データ
に入力し、これらのデータに計算に適した単位換算など
の数値処理を施して射出条件データとして記憶しておく
ことが好ましい。さらに、スクリュの断面積、圧損係
数、流量特性係数、及び樹脂圧縮率等を使用してもよ
い。これらのデータに基づいて、金型内部に充填中にお
ける溶融樹脂の流動解析や、保圧過程の解析、及び型内
冷却過程の解析を行うことが好ましい。
【0039】また、本発明では、射出工程に際して、金
型2、3の特徴的なパラメータである長さ及び接点数に
応じた具体的な数値を選択する例を使用して説明した。
しかしながら、本発明は、これに限らず、入力された金
型形状に関するデータがx、yであるとき、最適速度比
例ゲインFv及び最適な圧力比例ゲインFpを、Fv=
f(x、y)及びFp=g(x、y)として表現される
関数により求めてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、作業者
が金型を取り替えた時点で、金型形状に応じた最適ゲイ
ンが自動的に選択されているため、条件出しに費やす時
間を大幅に短縮できる。さらに、成型に未熟な作業者で
あっても、良品の条件出しを簡単に行うことが可能とな
る。また、作業者が制御パラメータを入力する際に金型
に応じて自動的に最適ゲインを選択するため、例えば、
射出スクリュが暴走して許容値以上の圧力がかかること
により金型を破損したり、あるいは射出スクリュの先端
が最前進位置にぶつかり破損したりすることを未然に防
止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動射出成型機の射出スクリュを制御
するための制御ブロック図である。
【図2】本発明の電動射出成型機の射出スクリュ近傍を
示す拡大図である。
【図3】本発明の電動射出成型機の成型工程を説明する
ためのフローチャートである。
【図4】(a)は、本発明の電動射出成型機の制御に使
用される速度比例ゲインを含むテーブルである。(b)
は、本発明の電動射出成型機の制御に使用される圧力比
例ゲインを含むテーブルである。
【図5】本発明の電動射出成型機の射出スクリュを制御
するための制御ブロック図である。
【図6】従来の電動射出成型機の動作を説明するための
概略図である。
【図7】従来の電動射出成型機の動作を説明するための
概略図である。
【図8】従来の電動射出成型機の射出工程を示すフロー
チャートである。
【図9】従来の電動射出成型機の射出スクリュを制御す
るための制御ブロック図である。
【符号の説明】
1 電動射出成型機 2 固定金型 3 移動金型 4 射出スクリュ 5 可動部 6a、6b ボールネジ 7a、7b ロードセル 8a、8b 電動モータ 9a、9b アンプ 10 制御コントローラ 11 ボールナット 12 加熱筒 13a、13b 回転駆動部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年4月25日(2001.4.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】次に、本発明の電動射出成機1を用いた
制御ステップについて、図3を用いて説明する。ます、
成型に使用する金型2、3を選択する(ステップ3
0)。そして、金型2、3を電動射出成型機1へと取り
付けると、射出スクリュ4の制御に必要なゲインを含む
テーブルの集合から、この金型2、3の形状に応じたテ
ーブルを自動的に選択する(ステップ32)。このテー
ブルは、例えば、図4(a)及び(b)に示すような速
度比例ゲイン及び圧力比例ゲインの2つを含みうる。こ
の場合の例では、テーブルは、金型2、3により成型さ
れる成型品の肉厚に相当する長さと、金型2、3により
成型される成型品の曲げの数に相当する接点数とに基づ
いて、それぞれの条件に応じた複数の異なる最適ゲイン
のデータを備えている。ここで、成型品の肉厚に相当す
る長さとは、成型品の肉厚の平均値や最小値などの成型
品の肉厚に関する特徴的な長さを意味する。また、接点
数とは、単純な例としては、金型2、3により成型され
る成型品が直方体であれば接点数は1であり、L字型で
あれば接点数は2となることを意味している。また、長
さの減少及び接点数の増加に伴い、速度比例ゲイン及び
圧力比例ゲインの値が増加するのは、接点数が増加する
ほど金型内を樹脂が流動するときの抵抗が大きくなるた
めである。したがって、このような場合には、樹脂圧に
対する制御の応答性を高めるようにゲインの値を大きく
することが好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 直史 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 村瀬 淳治 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社産業機器事業部内 Fターム(参考) 4F206 AR021 AR081 JA07 JL02 JP18 JT32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された金型形状に関するデータに基
    づいて、当該金型形状に適したフィードバック制御にお
    いて用いられるゲインの値を求め、そのゲインの値に基
    づき制御されることを特徴とする電動射出成型機。
  2. 【請求項2】 前記金型形状に関するパラメータをn個
    含み、前記n個のパラメータのそれぞれの数値範囲をm
    個に区分して、mn個(m及びnは正の整数)の異なる
    か同一のゲインの値を含むテーブルを予め作成し、該テ
    ーブルから前記金型形状に適したゲインを求めることを
    特徴とする請求項1に記載の電動射出成形機。
  3. 【請求項3】 金型形状とゲインの値の関係がテーブル
    で表されることを特徴とする請求項1に記載の電動射出
    成型機。
  4. 【請求項4】 前記入力された金型形状に関するデータ
    がx、yであるとき、最適速度比例ゲインFv及び最適
    な圧力比例ゲインFpを、Fv=f(x、y)及びFp
    =g(x、y)として表現される関数により求めること
    を特徴とする請求項1に記載の電動射出成形機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008132731A (ja) * 2006-11-29 2008-06-12 Toyo Mach & Metal Co Ltd 成形機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008132731A (ja) * 2006-11-29 2008-06-12 Toyo Mach & Metal Co Ltd 成形機

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