JP2002273742A - レンズ面の補正方法 - Google Patents

レンズ面の補正方法

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JP2002273742A
JP2002273742A JP2001076911A JP2001076911A JP2002273742A JP 2002273742 A JP2002273742 A JP 2002273742A JP 2001076911 A JP2001076911 A JP 2001076911A JP 2001076911 A JP2001076911 A JP 2001076911A JP 2002273742 A JP2002273742 A JP 2002273742A
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lens
resin material
optical axis
lens element
light
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JP2001076911A
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English (en)
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Keiu Tokumura
啓雨 徳村
Takahisa Jitsuno
孝久 實野
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NIPPON HIKYUMEN LENS KK
Jitsuno Takahisa
Original Assignee
NIPPON HIKYUMEN LENS KK
Jitsuno Takahisa
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Publication date
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  • Mounting And Adjusting Of Optical Elements (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な手段により光軸ずれを含む調整を可能
にし、最適なレンズ面の製作を実現容易にし得るレンズ
面の補正方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 紫外線硬化樹脂材16をコネクタ本体1
2の空間部19に注入してその開口部に前記樹脂材16
をその自重および表面張力により盛り上げてレンズ素面
21を形成し、そのレンズ素面21を透過する光の波面
収差を計測しながら、その計測により得られた透過波面
に基づいて、前記レンズ素面21の盛り上がり基部25
の外側に配置されたリング26を光軸と垂直な面内でX
Y方向に移動させることにより前記レンズ素面21の光
軸ずれを含む調整を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレンズ面の補正方法
に関し、例えば5〜10ミクロン程度の細径コアを持つ
光ファイバの端部にレンズ面を形成するに際して、高精
度なレンズ面を製作するために光軸ずれ等を調整するレ
ンズ面の補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばSingle-Mode型(SM型)の光
ファイバは、そのコア径が5〜10ミクロンと非常に細
いものであるため、光ファイバの敷設に際しては、光フ
ァイバを高精度に接続又は分岐する手段が必要であるこ
とから光ファイバコネクタが利用される。本出願人は、
コア径の小さい光ファイバに適用できる高精度な光ファ
イバコネクタについて先に提案している(特開平9−1
5448号公報)。
【0003】この光ファイバコネクタ1は、図7に示す
ように金属又は樹脂からなる筒状コネクタ本体2の後端
に光ファイバ3の端部を配置し、その端部から導出した
コア4をコネクタ本体2に挿入してエポキシ樹脂等の充
填材5で埋設し、コネクタ本体2の前端開口部でコア4
の前方部位に充填された紫外線硬化樹脂材6によりレン
ズ面7を一体に形成した構造を有する。
【0004】前記光ファイバコネクタ1は以下の要領で
もって製作される。すなわち、図8(a)に示すように
細径のコア4を有する光ファイバ3の端部から導出した
コア4をコネクタ本体2に挿入し、そのコア導出端の前
方部位に紫外線硬化樹脂材6を注入・充填した後、レン
ズ転写面9が形成された転写体10を紫外線硬化樹脂材
6の前面に押し当てた状態で、同図(b)に示すように
転写体10を透過させた紫外線UVの照射により紫外線
硬化樹脂材6を硬化させ、前記レンズ転写面9により紫
外線硬化樹脂材6の前面にレンズ面7を転写するように
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したレ
ンズ面7の形成では、レンズ転写面9を形成した転写体
10のような専用治具が必要で、その転写体10を紫外
線硬化樹脂材6の前面に押し当てる作業も必要であるこ
とから、煩雑な作業内容、製品のコストアップという点
で改善が望まれていた。そこで、本出願人は前記改善点
に鑑みて、レンズ面形成の簡略化およびコスト低減化を
図るため、レンズ面の形成方法を先に提案している(特
願2000−391126)。
【0006】このレンズ面の形成方法は、光ファイバの
コアが挿通されたコネクタ本体の前端に設けられた空間
部に紫外線硬化樹脂材を注入し、その開口部に前記紫外
線硬化樹脂材をその自重および表面張力により盛り上げ
てレンズ素面を形成し、そのレンズ素面を透過する光の
波面収差を計測しながら、その波面収差の計測により得
られた透過波面に基づいて紫外線硬化樹脂材の注入量を
制御することにより、前記レンズ素面が最適形状となっ
た時点で紫外線照射により紫外線硬化樹脂材を硬化させ
る手法である。このようにして最適なレンズ面を簡便に
形成すると共に製品のコスト低減を実現している。
【0007】このレンズ面の形成では、光ファイバとレ
ンズ素面との間で光軸ずれがある場合、レンズ素面を形
成する紫外線硬化樹脂材を紫外線の照射により硬化させ
るに先立って、未硬化のレンズ素面を透過する光の波面
収差を計測しながら、その計測により得られた透過波面
に基づいてコネクタ本体を光軸に対して傾けて姿勢制御
することにより、紫外線硬化樹脂材の自重による流動で
もってレンズ素面を変形させて光軸ずれを調整するよう
にしている。
【0008】しかしながら、前述したようにコネクタ本
体を光軸に対して傾けて姿勢制御し、紫外線硬化樹脂材
の自重による流動でもってレンズ素面を変形させて光軸
ずれを調整する手法では、レンズ素面の寸法が小さい場
合には自重による変形が小さく、高精度なレンズ面を製
作することが困難であることが判明し、その結果、光軸
ずれを調整して高精度なレンズ面を製作するための好適
な手段が望まれていた。
【0009】そこで、本発明は前記要望を満足させるた
めに提案したものであり、簡便な手段により光軸ずれを
含む調整を可能にし、高精度なレンズ面の製作を実現容
易にし得るレンズ面の補正方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段として、本発明は、光又は熱硬化性樹脂材
をレンズ部材の空間部に注入してその開口部に前記樹脂
材をその自重および表面張力により盛り上げてレンズ素
面を形成し、そのレンズ素面を透過する光の波面収差を
計測しながら、その計測により得られた透過波面に基づ
いて以下の〜に記載した第一から第三の補正手段を
用いてレンズ素面を強制的に変形させることにより光軸
ずれを含む調整を実行する。ここで、「レンズ部材」と
しては、光ファイバの端部から導出されたコアを挿入し
た筒状コネクタ本体があり、そのコア導出端前方に位置
する空間部に前記樹脂材が注入される。また、「レンズ
素面の光軸ずれを含む調整」とは、レンズ素面の光軸ず
れ以外にレンズ素面の曲率などの他の調整要素を含む意
味である。
【0011】第一の補正手段では、前記レンズ素面の
盛り上がり基部の外側に配置された補正部材を光軸と垂
直な面内でXY方向に移動させる。この補正部材を移動
させることによりレンズ素面の盛り上がり基部を外側か
ら押圧して樹脂材の盛り上がり部分を変形させ、これに
より光軸ずれ等を調整してレンズ素面を補正する。この
樹脂材の盛り上がり部分は、樹脂材の盛り上がり基部の
一部または全部のいずれかを押圧することにより変形さ
せることが可能である。補正部材の形状は樹脂材の盛り
上がり基部を押圧する形態に応じて決められるものであ
る。なお、前記補正部材は、縮径または拡径可能な環状
部材を利用することも可能である。この補正部材の縮径
または拡径によりレンズ素面の曲率を大きくしたり小さ
くしたりすることができる。
【0012】第二の補正手段では、前記レンズ部材の
先端部分を光軸と垂直な面内でXY方向に移動させる。
このレンズ部材の移動は、レンズ部材の先端部分を他の
部分から分割することにより可能となる。この分割され
たレンズ部材の先端部分を移動させることによりレンズ
素面を光軸に対して位置調整することができ、これによ
り光軸ずれ等を調整してレンズ素面を補正する。ここ
で、「レンズ部材の先端部分」とは、樹脂材が空間部に
注入されてレンズ素面が盛り上げ形成される開口部を含
むレンズ部材の部分を意味する。
【0013】第三の補正手段では、レンズ素面の形成
と共にそのレンズ素面の表層部分のみを硬化させ、その
硬化した表層部分を加圧して変形させる。レンズ素面の
表層部分のみが硬化しているので、その表層部分の加圧
により樹脂材の盛り上がり部分を変形させ、これにより
光軸ずれ等を調整してレンズ素面を補正する。ここで、
「レンズ素面の表層部分のみを硬化」させるには、光又
は熱の付与により樹脂材の全体を硬化させるために要す
る時間よりも短い時間を設定することにより実現可能で
ある。表層部分のみの硬化は、その表層部分を含む樹脂
材の盛り上がり部分が変形可能な状態を意味する。ま
た、光硬化性樹脂材の場合、空気中の酸素が樹脂材の硬
化を遅らせるため、窒素などの不活性ガスの雰囲気中で
樹脂材を硬化させるようにすれば、その樹脂材の硬化が
促進されてレンズ素面の表層部分の最外殻を短時間で硬
化させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を以下に詳述す
る。この実施形態では、光ファイバコネクタの製造にお
いて、光ファイバの端部に装着された光ファイバコネク
タの前端にレンズ面を形成する際にそのレンズ面を補正
する場合について説明する。
【0015】まず、本発明の前提をなす光ファイバコネ
クタ11の構造例を図4に示す。金属又は樹脂からなる
筒状コネクタ本体12の後端に光ファイバ13の端部を
配置し、その端部から導出されたコア14をコネクタ本
体12に挿入してエポキシ樹脂等の充填材15で埋設す
る。前記コネクタ本体12の前端開口部には、光ファイ
バ13のコア先端面と接合するように充填された紫外線
硬化樹脂材16(以下、単に樹脂材と称す)の前面で凸
状のレンズ面17を盛り上がり形成し、光ファイバ13
のコア先端からの出力光を図示破線矢印で示すようにレ
ンズ面17により平行光としている。尚、図中、18は
コネクタ本体12の外周に一体的に形成された位置決め
用フランジである。
【0016】次に、この光ファイバコネクタ11におけ
るレンズ面17の形成要領を以下に詳述する。図5に示
すようにコネクタ本体12を位置決め治具(図示せず)
により鉛直方向に起立させた姿勢でクランプして支持す
る。コネクタ本体12は、光ファイバ13のコア14を
エポキシ樹脂等の充填材15に埋設した状態で、その開
口部を下方に向けて固定配置されている。
【0017】この状態で、前記コネクタ本体12の下
端、つまり、コア導出端の下方に位置する空間部19
に、樹脂材16を樹脂注入器20により注入してその開
口部に前記樹脂材16をその自重および表面張力により
盛り上げてレンズ素面21を形成する。この時点では、
レンズ素面21を形成する樹脂材16は未硬化状態にあ
る。樹脂注入器20としては、マイクロディスペンサ等
の専用治具が使用可能である。その樹脂注入器20によ
りコネクタ本体12へ注入される樹脂材16は、紫外線
の照射により硬化する性質を有すると共に流動性があっ
て狭小な空間へ注入することができる素材であることを
必要とする。なお、樹脂材16としては、紫外線硬化樹
脂材以外の他の光硬化性樹脂材や熱硬化性樹脂材も適用
可能である。
【0018】この樹脂材16の注入は、コネクタ本体1
2の開口径が小さく空間部19が狭隘なものであるた
め、樹脂材16が空間部19から流出することなく、前
記樹脂材16をその自重および表面張力により盛り上げ
てレンズ素面21を形成することが可能であり、樹脂材
16の注入量または表面張力などの諸条件を適宜設定す
ればよい。例えば、注入量または表面張力の大きい樹脂
材16を使用すれば、曲率が大きい凸曲面形状となり、
逆に、注入量または表面張力の小さい樹脂材16を使用
すれば、曲率が小さい凸曲面形状となる。
【0019】レンズ素面21の形成後、光源22により
光ファイバ13を介して樹脂材16に光を導入し、レン
ズ素面21を透過する光の波面収差を波面計測器23に
より測定する。波面計測器23としては、例えば、シャ
ックハルトマン波面計測器を利用することが可能であ
る。このシャックハルトマン波面計測器は、原理的に、
多数のマイクロレンズを配置したレンズアレイと、その
レンズアレイの各マイクロレンズによる測定光のそれぞ
れの結像位置を記録するカメラ等で構成される。マイク
ロレンズは、測定光線の形状にあわせて空間分解能の高
いものやダイナミックレンジの広いものを選定すればよ
い。
【0020】このシャックハルトマン波面計測器内のレ
ンズアレイでは、それぞれのマイクロレンズの焦点位置
に点像を結び、その出力光(測定光)の結像位置をカメ
ラにより記録する。ここで、シャックハルトマン波面計
測器では、必要とするレンズ面の基準データに基づいて
マイクロレンズによる結像位置が予め設定されているの
で、その基準データによる結像位置と測定光の結像位置
との差、つまり、結像位置のずれ(ずれ量とずれ方向)
は、波面の傾きに対応していることから波面を測定する
ことができる。
【0021】この波面計測器23に接続された制御器2
4では、波面計測器23からの出力信号、つまり、波面
収差の測定により得られたレンズ素面21の透過波面に
基づいて樹脂材16の注入量を制御する。この樹脂材1
6の注入量の制御により、樹脂材16の自重および表面
張力でもってレンズ素面21が所望の曲率面となった時
点で、そのレンズ素面21を形成する樹脂材16に紫外
線を照射することによりその樹脂材16を硬化させ、最
適形状のレンズ面17を形成する。
【0022】紫外線の照射により樹脂材16が硬化する
際には、樹脂材16の重合収縮が発生するため、その重
合収縮後のレンズ面17が最適な形状となるように波面
収差をシミュレーションにより予め認知しておく必要が
ある。また、光ファイバ13の前端から出射された光が
樹脂材16中を拡散する状態は、その樹脂材16の軸方
向深さ寸法により設定可能となっている。さらに、コネ
クタ本体12の開口部の口径や樹脂材16の材質によっ
ては、制御器24で樹脂材16の注入量を制御するだけ
でなく、樹脂材16の粘度についても最適なものを選定
する必要がある。
【0023】ここで、紫外線の照射により樹脂材16を
硬化させて最適形状のレンズ面17を形成するに先立っ
て、未硬化状態にあるレンズ素面21について、光ファ
イバ13とレンズ素面21との間で光軸ずれがある場
合、その光軸ずれを調整してレンズ素面21を補正する
必要がある。ここで、「光軸ずれ」とは光ファイバ13
の光軸に対してレンズ素面21の光軸が平行でない状態
を意味し、レンズ素面21の補正により両者の光軸を平
行な状態にする。
【0024】つまり、例えば図6(a)に示すように理
想的なレンズ素面21の光軸N(コネクタ本体12の軸
心)に対して、光ファイバ13の光軸がずれていると、
その光ファイバ13を透過して樹脂材16を介してレン
ズ素面21から出射される平行光Mが理想的なレンズ素
面21の光軸Nと角度をなして交差する。その結果、波
面計測器23に斜め方向から入射することになる。そこ
で、このように理想的なレンズ素面21の光軸Nに対し
て光ファイバ13の光軸がずれている場合には、以下に
詳述する補正手段によりレンズ素面21の形状を調整す
る。このレンズ素面21の形状を調整することにより、
同図(b)に示すようにレンズ素面21から出射される
平行光Mを理想的なレンズ素面21の光軸Nと平行にす
ることができ、波面計測器23に正規の方向から入射さ
せることができる。
【0025】以下、レンズ素面21の補正要領を、図1
乃至図3に示す第一ないし第三の補正手段として詳述す
る。
【0026】まず、図1に示す第一の補正手段では、レ
ンズ素面21の盛り上がり基部25の外側に補正部材を
配置する。例えば、レンズ素面21の盛り上がり基部2
5を囲撓する補正部材のリング26を光軸と垂直な面内
でXY方向に移動可能に配置する。このリング26を移
動させることによりレンズ素面21の盛り上がり基部2
5を外側から押圧して樹脂材16の盛り上がり部分を強
制的に変形させ、光軸ずれを調整することによりレンズ
素面21を補正する。この補正時、レンズ素面21を透
過する光の波面収差を波面計測器23により測定しなが
ら、その測定により得られた透過波面に基づいて制御器
24により前記リング26の移動量および移動方向を制
御する。
【0027】前記樹脂材16の盛り上がり部分は、樹脂
材16の盛り上がり基部25の一部または全部のいずれ
かを補正部材により押圧することにより変形され、その
補正部材の数、形状および配置は樹脂材16の盛り上が
り基部25を押圧する形態に応じて適宜設定すればよ
い。従って、補正部材は、前述したリング26に限ら
ず、樹脂材16の盛り上がり基部25の周囲に放射状配
置した棒状部材も可能である。また、縮径または拡径可
能なリングを利用することも可能で、例えば内圧上昇で
内径を小さくし、逆に内圧降下で内径を大きくできるパ
イプ状リングなどがあり、その縮径または拡径によりレ
ンズ素面21の曲率を大きくしたり小さくしたりするこ
とができる。その他、形状記憶合金などの素材からな
り、温度制御により変形する補正部材を使用することも
可能である。
【0028】次に、図2に示す第二の補正手段では、コ
ネクタ本体12の先端部分12a、つまり、樹脂材16
が注入された空間部19と対応する部位と、その先端部
分12a以外の部分12bとを分割する。このコネクタ
本体12の先端部分12aは、前記空間部19と対応す
る部位であれば、軸方向の任意位置で分割してもよい。
この分割と共にコネクタ本体12の先端部分12aを光
軸と垂直な面内でXY方向に移動可能な構造とする。こ
の分割されたコネクタ本体12の先端部分12aを移動
させることによりレンズ素面21を光軸に対して位置調
整することができ、これにより光軸ずれを調整してレン
ズ素面21を補正する。このコネクタ本体12の先端部
分12aの分割構造としては、コネクタ本体12の先端
部分12aとそれ以外の部分12bとを蛇腹状の筒状部
材により気密的に連結し、その先端部分12aを光軸と
垂直な面内でXY方向に移動可能なように支持する支持
機構を付設したものが可能である。
【0029】最後に、図3に示す第三の補正手段では、
コネクタ本体12の空間部19に樹脂材16を注入する
ことによりその開口部に盛り上げてレンズ素面21を形
成する段階で、そのレンズ素面21の表層部分27のみ
を硬化させる。大気雰囲気中でレンズ素面21の表層部
分27のみを硬化させる場合には、紫外線の照射により
樹脂材16の全体を硬化させるために要する時間よりも
短い時間を設定すればよい。ここで、紫外線硬化樹脂材
は、空気中の酸素がその硬化を遅らせるため、空気と接
触する表層部分27の最外殻については未硬化状態であ
るが、その内側に位置する表層部分27については硬化
状態となっている。一方、窒素などの不活性ガスの雰囲
気中で樹脂材16を硬化させるようにすれば、表層部分
27の最外殻が空気と接触しないため、レンズ素面21
の表層部分27の最外殻を短時間で硬化させることがで
きる。
【0030】このようにしてレンズ素面21の最外殻を
除く表層部分27あるいは最外殻を含む表層部分27を
加圧して変形させる。この加圧手段としては、第一の補
正手段で前述したようにレンズ素面21の盛り上がり基
部25の周囲に配置したリング26や棒状部材などの補
正部材を利用することが可能である。また、レンズ素面
21の表層部分27を硬化させた上で、樹脂材16の注
入量を増減させるように制御すれば、レンズ素面21の
曲率を大きくしたりあるいは小さくしたりすることも可
能である。以上のようにレンズ素面21の表層部分27
のみが硬化しているので、その表層部分27を加圧する
ことにより樹脂材16の盛り上がり部分を変形させるこ
とができ、これにより光軸ずれを調整してレンズ素面2
1を補正する。
【0031】なお、コネクタ本体12が微小な寸法形状
のものであり、かつ、樹脂材16の表面張力があるた
め、コネクタ本体12の前端、つまり開口部を下向きに
した状態で、樹脂材16をコネクタ本体12の空間部1
9に注入していたが、コネクタ本体12の前端開口部を
上向きにした状態であっても、樹脂材16の注入が可能
である。この場合、コネクタ本体12の前端開口部を下
向きにした場合は、樹脂材16のレンズ素面21が、コ
ネクタ本体12の前端開口部を上向きにした場合より
も、その自重により曲率が大きい凸面形状となる。した
がって、曲率が大きい凸面形状のレンズ素面21を形成
する場合には、コネクタ本体12の前端開口部を下向き
にした状態で樹脂材16を注入する手法が好適である。
【0032】なお、樹脂材16でレンズ素面21を形成
し、そのレンズ素面21を強制的に変形させることによ
り光軸ずれを含む調整を実行する以外の手法として、図
示しないが、樹脂又はガラス製のレンズ体を、コネクタ
本体12の空間部19に樹脂材16を充填した状態でそ
の前端開口部に装着し、そのレンズ体を光軸と垂直な面
内でXY方向に移動させることにより、光軸ずれを調整
することも可能である。この場合、レンズ体を移動させ
る手段としては、例えば、第二の補正手段のようにコネ
クタ本体12の先端部分12aを分割構造とすることが
可能である。
【0033】また、以上の実施形態では、光ファイバコ
ネクタ11の製造において、コネクタ本体12の前端に
レンズ面17を形成する場合について説明したが、本発
明はこれに限定されることなく、光ファイバコネクタ以
外の光学素子の製造においてレンズ面を形成する際の光
軸ずれ等の調整に適用可能である。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、光又は熱硬化性樹脂材
をレンズ部材の空間部に注入してその開口部に前記樹脂
材をその自重および表面張力により盛り上げてレンズ素
面を形成し、そのレンズ素面を透過する光の波面収差を
計測しながら、その計測により得られた透過波面に基づ
いて簡便な手段によりレンズ素面を強制的に変形させる
ことにより光軸ずれを含む調整を実行することができる
ので、高精度のレンズ面を容易に製作することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するためのもので、第
一の補正手段によりレンズ素面の光軸ずれを調整するた
めの概略構成を示す説明図である。
【図2】本発明の他の実施形態を説明するためのもの
で、第二の補正手段によりレンズ素面の光軸ずれを調整
するための概略構成を示す説明図である。
【図3】本発明の他の実施形態を説明するためのもの
で、第三の補正手段によりレンズ素面の光軸ずれを調整
するための概略構成を示す説明図である。
【図4】本発明の前提をなす光ファイバコネクタを示す
断面図である。
【図5】本発明の前提をなすレンズ面の形成手法におけ
る概略構成を示す説明図である。
【図6】光ファイバとレンズ素面との光軸ずれ調整を説
明するためのもので、(a)は光ファイバと理想的なレ
ンズ面との間に光軸ずれがある状態を示し、(b)はそ
の光軸ずれを調整した状態を示す概略構成図である。
【図7】本出願人が先に提案した光ファイバコネクタを
示す断面図である。
【図8】本出願人が先に提案した光ファイバコネクタの
製造方法を説明するためのもので、(a)はコネクタ本
体に紫外線硬化樹脂材を充填した状態を示す断面図、
(b)は転写体により紫外線硬化樹脂材の前面にレンズ
面を転写する状態を示す断面図である。
【符号の説明】
12 レンズ部材(筒状コネクタ本体) 12a 先端部分 13 光ファイバ 14 コア 16 光又は熱硬化性樹脂材(紫外線硬化樹脂材) 17 レンズ面 19 空間部 21 レンズ素面 25 盛り上がり基部 26 補正部材(リング) 27 表層部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 101:10 B29K 101:10 B29L 11:00 B29L 11:00 (72)発明者 實野 孝久 大阪府吹田市山田丘2−6 大阪大学レー ザー核融合研究センター内 Fターム(参考) 2H043 AA03 AA09 AA20 AA23 AE01 AE16 AE24 2H050 AC90 AD00 4F204 AA36 AA44 AH74 AH77 AM26 AM30 AQ01 EA03 EB01 EB11 EF01 EF05 EF46 EK17 EK18 EK26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光又は熱硬化性樹脂材をレンズ部材の空
    間部に注入してその開口部に前記樹脂材をその自重およ
    び表面張力により盛り上げてレンズ素面を形成し、その
    レンズ素面を透過する光の波面収差を計測しながら、そ
    の計測により得られた透過波面に基づいて、前記レンズ
    素面の盛り上がり基部の外側に配置された補正部材を光
    軸と垂直な面内でXY方向に移動させることにより前記
    レンズ素面の光軸ずれを含む調整を実行することを特徴
    とするレンズ面の補正方法。
  2. 【請求項2】 前記補正部材は、縮径または拡径可能な
    環状部材であることを特徴とする請求項1に記載のレン
    ズ面の補正方法。
  3. 【請求項3】 光又は熱硬化性樹脂材をレンズ部材の空
    間部に注入してその開口部に前記樹脂材をその自重およ
    び表面張力により盛り上げてレンズ素面を形成し、その
    レンズ素面を透過する光の波面収差を計測しながら、そ
    の計測により得られた透過波面に基づいて、前記レンズ
    部材の先端部分を光軸と垂直な面内でXY方向に移動さ
    せることにより前記レンズ素面の光軸ずれを含む調整を
    実行することを特徴とするレンズ面の補正方法。
  4. 【請求項4】 光又は熱硬化性樹脂材をレンズ部材の空
    間部に注入してその開口部に前記樹脂材をその自重およ
    び表面張力により盛り上げてレンズ素面を形成すると共
    にそのレンズ素面の表層部分のみを硬化させ、前記レン
    ズ素面を透過する光の波面収差を計測しながら、その計
    測により得られた透過波面に基づいて、前記レンズ素面
    の表層部分を加圧して変形させることにより前記レンズ
    素面の光軸ずれを含む調整を実行することを特徴とする
    レンズ面の補正方法。
  5. 【請求項5】 前記レンズ素面の表層部分のみの硬化を
    不活性ガスの雰囲気中で行うことを特徴とする請求項4
    に記載のレンズ面の補正方法。
  6. 【請求項6】 前記レンズ部材は、光ファイバの端部か
    ら導出されたコアを挿入した筒状コネクタ本体であり、
    そのコア導出端前方に位置する空間部に前記樹脂材を注
    入することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記
    載のレンズ面の補正方法。
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