JP2002273274A - 回転霧化式塗装装置 - Google Patents

回転霧化式塗装装置

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JP2002273274A JP2001076589A JP2001076589A JP2002273274A JP 2002273274 A JP2002273274 A JP 2002273274A JP 2001076589 A JP2001076589 A JP 2001076589A JP 2001076589 A JP2001076589 A JP 2001076589A JP 2002273274 A JP2002273274 A JP 2002273274A
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    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B3/00Spraying or sprinkling apparatus with moving outlet elements or moving deflecting elements
    • B05B3/02Spraying or sprinkling apparatus with moving outlet elements or moving deflecting elements with rotating elements
    • B05B3/10Spraying or sprinkling apparatus with moving outlet elements or moving deflecting elements with rotating elements discharging over substantially the whole periphery of the rotating member, i.e. the spraying being effected by centrifugal forces
    • B05B3/1035Driving means; Parts thereof, e.g. turbine, shaft, bearings
    • B05B3/1042Means for connecting, e.g. reversibly, the rotating spray member to its driving shaft

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール部に塗料が付着して滞留するのを効果
的に防止して、塗膜品質の低下を防止し得る回転霧化式
塗装装置を提供する。 【解決手段】 センターフィードチューブ方式の回転霧
化式塗装装置において、フィードチューブ14外周面に
対して最も近接するとともにフィードチューブの軸方向
と平行に形成された内端部51の軸方向長さaを、内端
部とフィードチューブ外周面との間の隙間寸法bの2倍
以内に規定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転霧化式塗装装
置に係り、さらに詳しくは、非回転の塗料供給管との間
に所定の隙間を隔てて霧化頭に設けられるシール部の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】被塗物、例えば自動車車体などを塗装す
るために、特開平7−328493号公報に開示されて
いるように、回転霧化式の塗装装置が広く用いられてい
る。回転霧化式塗装装置は、ベルとも称されるカップ形
状の霧化頭を有する。センターフィードチューブ方式の
回転霧化式塗装装置は、中空の回転軸の先端側に霧化頭
が設けられ、回転軸の中心孔内の回転中心上に、塗料を
霧化頭に供給するフィードチューブが非回転の状態で配
置されている。そして、霧化頭を高速回転し、かつ、フ
ィードチューブを介して霧化頭の内面側に塗料を供給す
ることにより、供給された塗料は、回転に伴う遠心力に
よって霧化され噴霧される。
【0003】フィードチューブから供給された塗料が回
転軸側に逆流することを防止するため、霧化頭には、回
転軸の先端から露出したフィードチューブとの間に所定
の隙間を隔ててシール部が設けられている。フィードチ
ューブ外周面に対して最も近接するシール部の内端部
は、フィードチューブの軸方向と平行に形成されてい
る。
【0004】従来のシール部にあっては、霧化頭の円滑
な回転を阻害しない範囲内で前記隙間をできるだけ狭い
寸法に設定し、さらに、内端部の軸方向長さをできるだ
け長い寸法(3mm程度)に設定することが通例であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】シール部の内端部は回
転軸と同軸の円筒形状の内壁を構成することになるの
で、シール部とフィードチューブとの間の隙間に塗料が
入り込むと、この塗料は、回転する霧化頭により遠心分
離され、塗料中の顔料などの固形分のみがシール部の内
端部表面に沈着する。沈着した固形分は、塗装装置の運
転を継続することによって徐々に成長し、最終的には、
塊となってシール部から剥がれ出る。この固形分の塊が
塗装面上に付着すると、「ブツ」と指称される顔料塊が
塗装面上に発生し、塗膜品質が低下する虞がある。ま
た、剥がれ出た固形分の塊が霧化頭の塗料通路を閉塞す
ると、塗料の噴霧状態が不均一になり、これによっても
塗膜品質が低下する虞がある。
【0006】なお、シール部とフィードチューブとの間
の隙間にはシールエアが供給されているが、このシール
エアの圧力や流量は、前記隙間が負圧になることを防止
し塗料が吸引されないようにする程度に設定されてお
り、隙間に侵入した塗料を吹き飛ばす程の効果はない。
【0007】本発明者は、上記従来技術に伴う課題を解
決するために鋭意研究した結果、シール部の内端部の軸
方向長さをできるだけ長い寸法に設定することが必要で
あるという従来の固定観念を打破し、内端部の軸方向長
さを所定寸法に規定したり、内端部の形状を所定形状に
規定したりすることにより、シール部に塗料が付着して
滞留するのを効果的に防止できることを見出し、本発明
を完成させるに至った。
【0008】そこで、本発明は、シール部に塗料が付着
して滞留するのを効果的に防止して、塗膜品質の低下を
防止し得る回転霧化式塗装装置を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
【0010】(1)中空の回転軸の先端側に設けられて
回転駆動されるとともに前面側から塗料を噴霧する霧化
頭を備える回転霧化式塗装装置において、前記回転軸の
中心孔内に配置され塗料を前記霧化頭に供給する非回転
の塗料供給管と、前記回転軸の先端から露出した前記塗
料供給管との間に所定の隙間を隔てて前記霧化頭に設け
られるシール部と、を有し、前記シール部は、前記塗料
供給管外周面に対して最も近接する内端部が前記塗料供
給管の軸方向と平行に形成され、前記内端部の軸方向長
さ(a)が、前記内端部と前記塗料供給管外周面との間
の隙間寸法(b)の2倍以内であることを特徴とする回
転霧化式塗装装置。
【0011】(2)中空の回転軸の先端側に設けられて
回転駆動されるとともに前面側から塗料を噴霧する霧化
頭を備える回転霧化式塗装装置において、前記回転軸の
中心孔内に配置され塗料を前記霧化頭に供給する非回転
の塗料供給管と、前記回転軸の先端から露出した前記塗
料供給管との間に所定の隙間を隔てて前記霧化頭に設け
られるシール部と、を有し、前記シール部は、前記塗料
供給管外周面に対して最も近接する内端部の形状が前記
塗料供給管の軸方向と平行に形成された部位が実質上存
在しない形状であることを特徴とする回転霧化式塗装装
置。
【0012】(3)前記内端部の形状は、断面鋭角形状
であることを特徴とする上記(2)に記載の回転霧化式
塗装装置。
【0013】(4)前記内端部の形状は、断面円弧形状
であることを特徴とする上記(2)に記載の回転霧化式
塗装装置。
【0014】(5)中空の回転軸の先端側に設けられて
回転駆動されるとともに前面側から塗料を噴霧する霧化
頭を備える回転霧化式塗装装置において、前記回転軸の
中心孔内に配置され塗料を前記霧化頭に供給する非回転
の塗料供給管と、前記回転軸の先端から露出した前記塗
料供給管との間に所定の隙間を隔てて前記霧化頭に設け
られるシール部と、を有し、前記シール部は、前記塗料
供給管外周面に対して最も近接する内端部の形状が付着
した塗料を前記霧化頭の回転に伴なって前記霧化頭の前
面側に送り出すらせん状の溝形状であることを特徴とす
る回転霧化式塗装装置。
【0015】(6)前記シール部は、塗料に対して撥水
性ないし撥油性を有する材料から形成されていることを
特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の
回転霧化式塗装装置。
【0016】
【発明の効果】上記のように構成した本発明は以下の効
果を奏する。
【0017】請求項1に記載の発明によれば、シール部
の内端部の軸方向長さをできるだけ長い寸法に設定する
ことが必要であるという従来の固定観念を打破して、内
端部の軸方向長さ(a)を隙間寸法(b)の2倍以内に
規定することにより、シール部への塗料の滞留を防止す
ることによって、霧化頭の回転による塗料中の固形分が
シール部の内端部表面に沈着、成長して剥がれ出ること
はなく、塗膜品質の低下を防止することができる。
【0018】請求項2、請求項3または請求項4に記載
の発明によれば、内端部の形状を、塗料供給管の軸方向
と平行に形成された部位が実質上存在しない形状に規定
することにより、シール部への塗料の滞留は基本的に生
じず、請求項1に記載の発明と同様の効果を得る。
【0019】請求項5に記載の発明によれば、内端部の
形状を、付着した塗料を霧化頭の回転に伴なって霧化頭
の前面側に送り出すらせん状の溝形状に規定することに
より、シール部に塗料が入り込んでも、らせん状の溝内
を伝って霧化頭の前面側に積極的に送り出されてシール
部の先端から掻き出されるので、より塗料の固形分の沈
着を防止し得るので、請求項1に記載の発明と同様の効
果を得る。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、シール部
の材料が備える、塗料に対して撥水性ないし撥油性を有
するという効果を利用することにより、シール部に塗料
が付着して滞留するのを確実に防止し、塗膜品質の低下
をより一層防止することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。
【0022】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係る回転霧化式塗装装置10の先端部の構
造を示す断面図、図2は、本発明の第1の実施形態に係
る霧化頭13のシール部15近傍を拡大して示す断面図
である。
【0023】図1に示すように、回転霧化式の静電塗装
装置10は、ハウジング11内に設けられた図示しない
エアーモータによって回転される中空シャフト12(中
空の回転軸に相当する)と、中空シャフト12の先端側
にねじ締結されて回転駆動されるとともに前面側から塗
料を噴霧する霧化頭13と、中空シャフト12の中心孔
12a内の回転中心上に配置され塗料を霧化頭13に供
給する非回転のフィードチューブ14(塗料供給管に相
当する)と、中空シャフト12の先端から露出したフィ
ードチューブ14との間に所定の隙間を隔てて霧化頭1
3に設けられ、塗料が付着して滞留することを防止する
塗料付着防止構造を有するシール部15と、を有する。
ハウジング11の外周は、電気絶縁性材料から形成され
たハウジング16によって覆われている。
【0024】静電塗装装置10は、帯電した塗料粒子
を、被塗物との間に形成された静電界に沿って飛行させ
て当該被塗物に塗着させている。さらに、霧化頭13の
背面側からシェーピングエアーと称する高速の空気流を
エアー噴出口17から吹き出し、霧化頭13で微粒化さ
れた塗料粒子を、霧化頭13の前方に位置する被塗物に
向かう方向に偏向させている。塗料粒子は、シェーピン
グエアーによっても、被塗物にまで達するのに必要な運
動量が付与される。符号18は、エアー噴出口17から
噴出されたシェーピングエアーを霧化頭13に向けてガ
イドするエアガイドを示している。
【0025】フィードチューブ14は、内管20と、当
該内管20が挿通される外管21とを備える二重配管か
ら構成され、内管20には塗料が供給され、外管21に
は自動洗浄用のシンナが供給されている。フィードチュ
ーブ14の先端は、中空シャフト12の先端から露出
し、霧化頭13の内部に向けて延伸している。フィード
チューブ14の基端側には塗料弁が設けられ、この塗料
弁は塗料パイプを介して塗料タンク(いずれも図示せ
ず)に連通している。
【0026】霧化頭13は、略カップ形状をなし、カッ
プ状の外周面30と、内周側の塗料平滑面31と、先端
側の塗料放出端縁32とを有している。霧化頭13は、
金属などの導電性材料から形成されている。霧化頭13
は、ベルハブ部33により塗料流入室34が区画形成さ
れ、この塗料流入室34に、フィードチューブ14の先
端開口が連通している。ベルハブ部33には、中央部に
位置する中央開口35と、周縁部に位置する多数の塗料
出口孔36とが形成されている。多数の塗料出口孔36
は、所定の間隔で円周状に配置されている。霧化頭13
は、塗装時において、例えば35,000rpm程度の
高速で回転される。なお、図示省略したが、塗料放出端
縁32には、塗料平滑面31に沿って液膜状に広がった
塗料を微粒化するための、微細な凹凸が形成されてい
る。
【0027】シール部15は、塗料に対して撥水性ない
し撥油性を有する材料から形成されている。具体的に
は、シール部15の材料は、PFA(ペルフルオロアル
コキシフッ素樹脂)、FEP(4フッ化エチレン6フッ
化プロピレン共重合体)などのフッ素系樹脂である。霧
化頭13の全体を上記フッ素系樹脂から形成することも
考えられるが、高速回転に耐え得る剛性がなく、外方に
膨らんで破損する虞がある。このため、霧化頭13は、
金属などで形成した本体部37の内方部位に、樹脂加工
品であるシール部15を嵌め込んで構成されている。
【0028】シール部15とフィードチューブ14との
間の隙間50には、中空シャフト12とフィードチュー
ブ14との間に形成される空間を通って案内されたシー
ルエアが供給される。このシールエアの圧力や流量は、
従来と同様に、隙間50が負圧になることを防止し塗料
が吸引されないようにする程度に設定されており、隙間
50に侵入した塗料を吹き飛ばす程の効果はない。
【0029】導電性材料からなる中空シャフト12に図
示しない高電圧発生装置が電気的に接続され、中空シャ
フト12を介して霧化頭13に例えば−60〜−90k
V程度の直流電圧が印加される。これにより、霧化頭1
3から噴霧される塗料粒子が帯電される。
【0030】エアー噴出口17は、第1エアーリング4
1と、第2エアーリング42との間に環状に形成され、
エアガイド18は、第1エアーリング41の外周面によ
り形成されている。第1エアーリング41は、ハウジン
グ16の先端部に取り付けられる。ハウジング11とハ
ウジング16との間には環状のエアー通路が形成され、
第1エアーリング41には、エアー噴出口17とエアー
通路とを連通するエアー導入孔43が形成されている。
図示しないエアー配管を介してエアー通路に供給された
エアーは、エアー導入孔43を通り、エアー噴出口17
からシェーピングエアーとして噴出される。エアーリン
グ41、42は、例えば、PEEK(ポリエーテルエー
テルケトン)、POM(ポリアセタール)、PFAなど
の電気絶縁性材料から形成されている。ハウジング16
も、同様の電気絶縁性材料から形成されている。
【0031】第1の実施形態におけるシール部15の塗
料付着防止構造は、図2に拡大して示すように、フィー
ドチューブ14外周面に対して最も近接するとともにフ
ィードチューブ14の軸方向と平行に形成された内端部
51の軸方向長さaを所定寸法に規定することにより構
成されている。
【0032】内端部51の軸方向長さaと、内端部51
とフィードチューブ14外周面との間の隙間寸法bとの
複数の組み合わせの下で塗装を行い、塗膜品質を判定す
る実験を行った。この実験結果により、内端部51の軸
方向長さaを隙間寸法bの2倍以内に規定すればよいこ
とが判明した。
【0033】図3に、実験結果のグラフを示す。グラフ
の縦軸は軸方向長さaを示し、横軸は隙間寸法bを示し
ている。また、白丸は判定結果がOKであったことを表
し、黒丸は判定結果がNGであったことを表している。
図中に破線で示される線分は、関数a=2bを表してい
る。
【0034】a=2bの線分よりも上の領域すなわちa
>2bを満たす領域においては、内端部51に塗料が滞
留して顔料などの固形分が沈着、成長し、「ブツ」が塗
装面上に発生したり、塗料の噴霧状態が不均一になった
りして、塗膜品質の判定結果はいずれの場合もNGであ
った。
【0035】一方、a=2bの線分から下の領域すなわ
ちa≦2bを満たす領域においては、塗膜品質の判定結
果はいずれの場合もOKであった。回転中心と平行をな
す内端部51は回転に伴なう遠心分離の作用を受けて塗
料の固形分が沈着し易いが、a≦2bを満たす領域にお
いては、回転中心と平行な部分が隙間寸法bに対して相
対的に短く、塗料中の固形分が「ブツ」になるほど大き
くは成長しない。今回の実験によって、塗料が内端部5
1に残留しないことを確認した。固形分が内端部51の
表面において成長する事態が根本的に発生しないことか
ら、良好な塗膜品質が得られると推察できる。さらに、
シール部15の材料であるフッ素系樹脂が備える塗料に
対する撥水性ないし撥油性の効果により、液体塗料がも
ともと隙間50に入り込み難く、シール部15に塗料が
付着して滞留するのを確実に防止でき、この観点から
も、良好な塗膜品質が得られると推察できる。
【0036】なお、隙間寸法bが0.3〜1.0mmの
範囲で実験を行ったが、実機においては、隙間寸法b
は、塗料の表面張力、隙間50への浸透のし易さ、溶剤
であるシンナの特性でほとんど決まる塗料粘度などに基
づいて定められるが、通常、0.3〜0.8mmの範
囲、好ましくは、0.5〜0.6mmの範囲に設定され
ている。また、フィードチューブ14の先端は、内端部
51から約3〜5mm先端側(霧化頭13側)に出てい
る。
【0037】次に、作用を説明する。
【0038】エアーモータによって中空シャフト12お
よび霧化頭13を高速回転させる。塗料は、フィードチ
ューブ14を通って塗料流入室34に案内され、中央開
口35および塗料出口孔36から霧化頭13の前面に供
給される。供給された塗料は、霧化頭13の回転による
遠心力により、塗料平滑面31に沿って薄く引伸ばさ
れ、塗料放出端縁32から霧状に微粒化されて放出され
る。
【0039】放出される塗料粒子は、遠心力によって径
方向外方に飛び出そうとする。しかし、エアー噴出口1
7から噴出されるシェーピングエアーによって、放出さ
れた塗料粒子は、前方に向けて絞り込まれるように所望
のパターンにコントロールないし整形され、被塗物に向
けて運ばれる。
【0040】さらに、帯電した塗料粒子は、アースに接
続された被塗物に向けて飛行し、クーロン力によって効
率よく被塗物の表面に付着する。
【0041】第1の実施形態の塗装装置10にあって
は、内端部51がフィードチューブ14の軸方向と平行
に形成され、内端部51の軸方向長さaが隙間寸法bの
2倍以内であるので、塗料がシール部15に付着して滞
留することを防止できる。よって、霧化頭13の回転に
よる塗料中の固形分がシール部15の内端部51表面に
沈着、成長せず、最終的に塊となってシール部が剥がれ
出ることがない。この結果、「ブツ」が塗装面に付着し
たり、塗料の噴霧状態が不均一になったりすることがな
く、塗膜品質の低下を防止できる。
【0042】(第2の実施の形態)図4は、本発明の第
2の実施形態に係る霧化頭13のシール部15a近傍を
拡大して示す断面図である。なお、図1に示した部材と
共通する部材には同一の符号を付し、その説明は一部省
略する。
【0043】第2の実施形態は、塗料付着防止構造を有
するシール部15aが霧化頭13に設けられている点で
第1の実施形態と共通するが、塗料付着防止構造の具体
的構成の点で第1の実施形態と相違している。
【0044】第2の実施形態におけるシール部15aの
塗料付着防止構造は、フィードチューブ14外周面に対
して最も近接する内端部52の形状を所定形状に規定す
ることにより構成されている。
【0045】内端部52の形状を、フィードチューブ1
4の軸方向と平行に形成された部位が実質上存在しない
形状に規定してある。具体的には、内端部52の形状
は、図4に示すように、断面鋭角形状を有し、エッジシ
ールとしてある。
【0046】かかる内端部52の形状によれば、遠心分
離の作用を受ける霧化頭13側にフィードチューブ14
と平行な部位がもともと存在しないため、塗料がシール
部15aに付着して滞留することは基本的に生じない。
シール部15aへの塗料の滞留を効果的に防止できる結
果、第1の実施形態と同様に、「ブツ」が塗装面に付着
したり、塗料の噴霧状態が不均一になったりすることが
なく、塗膜品質の低下を防止できる。
【0047】シール部15aにフィードチューブ14と
平行な部位が存在しないため、塗料が中空シャフト12
側に逆流する虞はあるが、仮に逆流したとしても、この
塗料は少なくとも中空シャフト12内部にとどまってい
る。したがって、シンナなどを用いた定期的な清掃を行
うことにより、逆流してきた塗料を簡単に除去すること
ができる。
【0048】また、フィードチューブ14の外周面に塗
料が着くことがあるが、この塗料は遠心分離作用を受け
ないので沈着せずに液体のままであり、上記と同様に、
シンナなどを定期的に吐出することにより、容易に洗浄
することができる。
【0049】なお、塗料が中空シャフト12側に逆流す
ることを可及的に抑えるため、第1の実施形態と同様
に、シール部15aの材料としてフッ素系樹脂を使用
し、当該フッ素系樹脂が備える塗料に対する撥水性ない
し撥油性の効果を利用するとよい。
【0050】図5および図6は、内端部の形状の他の例
を示す断面図である。
【0051】内端部の形状は、フィードチューブ14の
軸方向と平行に形成された部位が実質上存在しない形状
に規定すればよく、具体的な形状として、上述した断面
鋭角形状に限定されるものではない。
【0052】例えば、図5に示すように、曲率が大きい
急峻な断面円弧形状を有する内端部53、あるいは、図
6に示すように、曲率が小さい緩やかな断面円弧形状を
有する内端部54でもよい。これらの内端部53、54
の形状にあっても、上述したのと同様に、塗料がシール
部15aに付着して滞留することを効果的に防止できる
結果、塗膜品質の低下を防止できる。
【0053】(第3の実施の形態)図7は、本発明の第
3の実施形態に係る霧化頭13のシール部15b近傍を
拡大して示す断面図である。なお、図4に示した部材と
共通する部材には同一の符号を付し、その説明は一部省
略する。
【0054】第3の実施形態は、内端部55の形状を所
定形状に規定することにより塗料付着防止構造を構成し
ている点で第2の実施形態と共通するが、内端部55の
具体的形状の点で第2の実施形態と相違している。
【0055】第3の実施形態におけるシール部15bの
塗料付着防止構造は、内端部55の形状を、付着した塗
料を霧化頭13の回転に伴なって当該霧化頭13の前面
側に送り出す形状に規定してある。具体的には、内端部
55の形状は、らせん状の溝形状を有している。らせん
状の溝56は、霧化頭13の回転に伴う遠心力の回転軸
方向に沿う力成分が、図中左手側に示される霧化頭13
の前面側を向くように刻まれている。
【0056】かかる内端部55の形状によれば、シール
部15bに塗料が入り込んだとしても、この塗料は、遠
心力の回転軸方向に沿う力成分により、らせん状の溝5
6内を伝って霧化頭13の前面側に向けて積極的に送り
出され、ついには、シール部15bの先端から掻き出さ
れ、塗料の固形分の沈着をより一層防止し得る。
【0057】したがって、第2の実施形態と同様に、塗
料がシール部15bに付着して滞留することを効果的に
防止できる結果、塗膜品質の低下を防止できる。
【0058】なお、ねじ山の先端に第2の実施形態の方
式を採用し、フィードチューブ14の軸方向と平行に形
成された部位が実質上存在しない形状、例えば、断面鋭
角形状や断面円弧形状に規定するのが好ましい。
【0059】さらに、塗料がらせん状の溝56内を移動
し易くするため、第1の実施形態と同様に、シール部1
5bの材料としてフッ素系樹脂を使用し、当該フッ素系
樹脂が備える塗料に対する撥水性ないし撥油性の効果を
利用するとよい。
【0060】(その他の改変例)上述した第1〜第3の
実施形態では、シール部15、15a、15bを構成す
る樹脂加工品を本体部37に嵌め込んで霧化頭13を構
成した例を示したが、本体部37の所定部位にフッ素系
樹脂をコーティングする構成でもよい。
【0061】また、塗料に高電圧発生装置から直接的に
高電圧を印加する直接帯電方式の塗装装置10を例示し
たが、本発明は、霧化頭13から噴霧された塗料に外部
電極を介して高電圧を印加する間接帯電方式の塗装装置
にも適用できることは言うまでもない。
【0062】さらに、塗料供給管としてのフィードチュ
ーブ14は、図示した二重管に限定されるものではな
く、1本の塗料管から構成されるフィードチューブ、あ
るいは、複数本の塗料管を束状にしたフィードチューブ
も、「塗料供給管」の概念に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る回転霧化式塗
装装置の先端部の構造を示す断面図である。
【図2】 図2は、本発明の第1の実施形態に係る霧化
頭のシール部近傍を拡大して示す断面図である。
【図3】 実験結果を示すグラフである。
【図4】 本発明の第2の実施形態に係る霧化頭のシー
ル部近傍を拡大して示す断面図である。
【図5】 内端部の形状の他の例を示す断面図である。
【図6】 内端部の形状の他の例を示す断面図である。
【図7】 本発明の第3の実施形態に係る霧化頭のシー
ル部近傍を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
10…回転霧化式塗装装置 12…中空シャフト(中空の回転軸) 12a…中心孔 13…霧化頭 14…フィードチューブ(塗料供給管) 15、15a、15b…シール部 50…隙間 51、52、53、54、55…内端部 56…らせん状の溝 a…内端部の軸方向長さ b…内端部と塗料供給管外周面との間の隙間寸法

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空の回転軸の先端側に設けられて回転
    駆動されるとともに前面側から塗料を噴霧する霧化頭を
    備える回転霧化式塗装装置において、 前記回転軸の中心孔内に配置され塗料を前記霧化頭に供
    給する非回転の塗料供給管と、 前記回転軸の先端から露出した前記塗料供給管との間に
    所定の隙間を隔てて前記霧化頭に設けられるシール部
    と、を有し、 前記シール部は、前記塗料供給管外周面に対して最も近
    接する内端部が前記塗料供給管の軸方向と平行に形成さ
    れ、前記内端部の軸方向長さ(a)が、前記内端部と前
    記塗料供給管外周面との間の隙間寸法(b)の2倍以内
    であることを特徴とする回転霧化式塗装装置。
  2. 【請求項2】 中空の回転軸の先端側に設けられて回転
    駆動されるとともに前面側から塗料を噴霧する霧化頭を
    備える回転霧化式塗装装置において、 前記回転軸の中心孔内に配置され塗料を前記霧化頭に供
    給する非回転の塗料供給管と、 前記回転軸の先端から露出した前記塗料供給管との間に
    所定の隙間を隔てて前記霧化頭に設けられるシール部
    と、を有し、 前記シール部は、前記塗料供給管外周面に対して最も近
    接する内端部の形状が前記塗料供給管の軸方向と平行に
    形成された部位が実質上存在しない形状であることを特
    徴とする回転霧化式塗装装置。
  3. 【請求項3】 前記内端部の形状は、断面鋭角形状であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の回転霧化式塗装装
    置。
  4. 【請求項4】 前記内端部の形状は、断面円弧形状であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の回転霧化式塗装装
    置。
  5. 【請求項5】 中空の回転軸の先端側に設けられて回転
    駆動されるとともに前面側から塗料を噴霧する霧化頭を
    備える回転霧化式塗装装置において、 前記回転軸の中心孔内に配置され塗料を前記霧化頭に供
    給する非回転の塗料供給管と、 前記回転軸の先端から露出した前記塗料供給管との間に
    所定の隙間を隔てて前記霧化頭に設けられるシール部
    と、を有し、 前記シール部は、前記塗料供給管外周面に対して最も近
    接する内端部の形状が付着した塗料を前記霧化頭の回転
    に伴なって前記霧化頭の前面側に送り出すらせん状の溝
    形状であることを特徴とする回転霧化式塗装装置。
  6. 【請求項6】 前記シール部は、塗料に対して撥水性な
    いし撥油性を有する材料から形成されていることを特徴
    とする請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載の回転
    霧化式塗装装置。
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