JP2002272443A - 自動喫煙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シガレットを間欠的に吸引する際の１回当た
りの吸引量等の喫煙条件を簡易に変えることのできる自
動喫煙装置を提供する。 【解決手段】 シガレットＴの吸い口に連結されて該シ
ガレットを吸引するシリンジと、このシリンジを吸引駆
動するステッピングモータと、シガレットの喫煙条件に
従って上記モータの駆動速度を制御するコントローラ
と、シガレットを間欠的に吸引する際の１回当たりの吸
引時間とその吸引量とに従って、前記モータの駆動速度
を可変して前記シガレットの吸引力に変化を与える波形
データ（パルス速度のデータ系列）を作成して前記コン
トローラに付与するパーソナルコンピュータ（喫煙条件
設定手段）とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、シガレットの品質
検査に用いられる自動喫煙装置に関する。

【０００２】

【関連する背景技術】シガレットの品質検査には、その
大きさ（長さと巻径）・形状・重さ等を計測する外観検
査と、実際にシガレットを喫煙燃焼させて、その吸気煙
中のガス成分やガス濃度を検出する分析検査とがある。
この種の分析検査は、自動喫煙装置を用いて標準的な喫
煙動作をシミュレートしてシガレットを燃焼させ、その
吸気煙を捕集してガス分析することによりなされる。こ
の分析検査により、例えばシガレット１本当たりのター
ル量やニコチン量が求められる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで上述した自動
喫煙装置は、概略的にはシガレットの吸い口に連結され
て該シガレットを吸引するシリンジと、このシリンジを
吸引駆動するモータと、このモータの駆動を制御するコ
ントローラとを備えている。そしてシガレットを間欠的
に吸引する際の１回当たりの吸引時間とその吸引周期と
に従って、前記コントローラの制御により前記モータを
断続的に作動させることで前記シリンジを一定量ずつ吸
引駆動している。

【０００４】しかしながらシガレットの吸引条件を変更
しようとしても、従来の自動喫煙装置においては上述し
たようにモータを断続的にＯＮ／ＯＦＦさせているだけ
なので、１回当たりの吸引量を変更することができない
と言う問題があった。ちなみに１回当たりの吸引量を変
更しようとする場合には、モータによるシリンジの吸引
速度（モータの回転速度）を変えることが必要であり、
その制御が非常に大変であった。

【０００５】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、シガレットの吸引条件、特にシ
ガレットを間欠的に吸引する際の１回当たりの吸引量を
簡易に変えることのできる自動喫煙装置を提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明に係る自動喫煙装置は、シガレットの吸い口
に連結されて該シガレットを吸引するシリンジと、パル
ス駆動されて上記シリンジを吸引駆動するステッピング
モータと、前記シガレットの喫煙条件に従って上記ステ
ッピングモータの駆動速度を制御するコントローラとを
備えたものであって、特に前記シガレットを間欠的に吸
引する際の１回当たりの吸引時間とその吸引量とに従っ
て、前記ステッピングモータの駆動速度を可変して前記
シガレットの吸引力に変化を与える波形データを該ステ
ッピングモータの駆動速度を規定するパルス速度（パル
ス周波数）のデータ系列として作成し、このデータ系列
を前記シガレットの吸引周期の情報とを所定の通信回線
を介して前記コントローラに付与する喫煙条件設定手段
を備えることを特徴としている。

【０００７】好ましくは前記喫煙条件設定手段は、１回
当たりの吸引時間において所定の吸引量となるように定
められる所定の単位時間毎の吸引力から、各単位時間毎
の吸引力を生起する上での前記シリンジの移動速度を、
ひいてはステッピングモータの駆動速度（パルス速度）
を求めて前記波形データを作成し、この波形データと前
記シガレットの吸引周期の情報とを所定の通信回線を介
して前記コントローラに付与するように構成される。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係る自動喫煙装置について説明する。図１
は、自動喫煙装置の要部概略構成を示す側面図である。
この自動喫煙装置は、シガレットＴの吸い口（フィルタ
部または端部）が装着されるフォルダ１と、このフォル
ダ１に連接されてシガレットＴを吸引するシリンジ２
と、このシリンジ２を吸引駆動するステッピングモータ
３とを備え、フォルダ１に装着されたシガレットＴの先
端を着火した後、前記シリンジ２により該シガレットＴ
を間欠的に吸引してシガレットＴを喫煙燃焼させて、そ
の主流煙および副流煙をそれぞれ捕集するように構成さ
れる。主流煙の捕集は前記フォルダ１に連結された捕集
管４を介して行われ、また副流煙の捕集はシガレットＴ
の上方に位置付けられる集煙フード５を介して行われ
る。

【０００９】尚、上記フォルダ１とシリンジ２とからな
る喫煙ユニットは、図２に自動喫煙装置の要部正面図を
示すように自動喫煙装置の幅方向に複数（例えば２０ユ
ニット）並べて設けられ、複数本のシガレットＴを一括
して、或いは選択的に喫煙燃焼させ得るようになってい
る。また前記各喫煙ユニットにおけるシリンジ２は、例
えば複数個のステッピングモータ３によってそれぞれ個
別に吸引駆動されるように構成されるが、所定数（例え
ば５個）のシリンジ２毎に１つのステッピングモータ３
により同時に吸引駆動するように構成することも可能で
ある。

【００１０】この自動喫煙装置においては上述した複数
のステッピングモータ３のそれぞれに対応して、図３に
示すようにシガレットＴの喫煙条件に従って該ステッピ
ングモータ３の駆動速度を制御するコントローラ６と、
このコントローラ６の制御を受けて上記ステッピングモ
ータ３を駆動するモータドライバ７とが設けられる。特
に上記コントローラ４は、後述するシガレットＴの吸引
力に変化を与える波形データに従ってステッピングモー
タ３を駆動するパルスの速度（パルス周波数）を変化さ
せ、これによって該ステッピングモータ３の回転速度を
制御して前記シリンジ２の動作速度（吸引速度）を可変
制御するものとなっている。

【００１１】ところで上記波形データは、喫煙条件設定
手段としてのパーソナルコンピュータ（ＰＣ）８におい
て、シガレットＴを間欠的に吸引する際の１回当たりの
吸引時間とその吸引量とに従って、前記ステッピングモ
ータ３の駆動速度を規定するパルス速度（パルス周波
数）のデータ系列として作成される。そしてこの波形デ
ータ（パルス速度のデータ系列）は、前記シガレットＴ
の喫煙周期のデータと共に、例えばＵＳＢによる高速通
信によりシーケンサ９に送信され、このシーケンサ９に
よる管理の下で、例えばＲＳ２３２Ｃによる多軸制御用
ケーブルを介して前記各コントローラ３における動作制
御用メモリ（図示せず）にそれぞれ書き込まれる。

【００１２】ここで上記パーソナルコンピュータ（Ｐ
Ｃ）８により実行される、シガレットＴの喫煙条件に応
じた波形データ（パルス速度のデータ系列）の作成につ
いて説明すると、シガレットＴを間欠的に喫煙（吸引）
する際の１回当たりの喫煙量（吸引量；パフ量）は、図
４(ａ)に示すようにシガレットＴに対する吸引力の喫煙
時間（吸引時間）に亘る積分値（面積）として表すこと
ができる。

【００１３】またその喫煙時の吸引力は、その喫煙時間
に亘って一定であるとは限らず、一般的には喫煙開始時
と喫煙終了時とにおいてその吸引力が弱くなる。更にス
テッピングモータ３の駆動慣性力やシリンジ２の駆動慣
性力等を考慮した場合、その駆動開始時には徐々にその
駆動力を強くし、駆動停止時には徐々にその駆動力を弱
くすることが望ましい。従ってシリンジ２を駆動するこ
とで生起されるシガレットＴに対する吸引力の変化を、
サイン波形や三角波形、台形波形等により近似すれば、
実際の喫煙者による喫煙の形態を良好にシミュレートす
ることが可能となる。

【００１４】そこで前記パーソナルコンピュータ８にお
いては、シガレットＴの喫煙条件である１回当たり喫煙
時間とその喫煙量、およびその喫煙周期の各情報を入力
し、またメモリ１０に予め登録されている上述した吸引
力の変化の形態を近似したサイン波や三角波等の基本波
形データに基づいて、シリンジ２を用いて発生させる吸
引力の変化の形態を表す波形データを求めている。

【００１５】具体的には上記喫煙時間とその喫煙量とに
従って上記基本波形データの始点と終点とにより示され
る時間幅が上記喫運時間となるように設定し、且つその
波形データの積分値（面積）が上記喫煙量となるように
その波形高さを可変してシガレットＴの吸引力に変化を
与える波形データを作成する。そしてこの波形データを
所定の単位時間毎に分割し、各単位時間において前記シ
リンジ２を用いて発生させるべき吸引力（シリンジ２の
単位時間当たりの移動量）を上記波形データからそれぞ
れ求めることで、上記波形データを示すデータ系列を作
成している。

【００１６】ちなみに上記シリンジ２の単位時間当たり
の移動量は、該シリンジ２を駆動するステッピングモー
タ３に加える駆動パルスの単位時間当たりのパルス数に
より規定される。従って前記シリンジ２を上記単位時間
毎に上述した移動量ずつ駆動するべく、前記パーソナル
コンピュータ８においては、前記ステッピングモータ３
に加える各単位時間当たりのパルス数、即ち、パルス速
度（パルス周波数）のデータ系列を求めるものとなって
いる。そしてこのパルス速度のデータ系列を、１回の喫
煙吸引を制御する波形データとして前述したシーケンサ
９に出力し、前述した吸引周期のデータと共に前記各コ
ントローラ３に与えている。

【００１７】尚、上述した波形データ（パルス速度のデ
ータ系列）は、実際的には、例えば表計算ソフトプログ
ラムを用いて作成される。この場合には図５に示すよう
に、先ずシリンジ２の内径（設計仕様）Ａから求められ
るシリンジ内面積Ｂと、喫煙条件として入力された喫煙
量（吸引量）Ｃとに従い、該喫煙量（吸引量）Ｃを確保
するに必要なシリンジ２の移動量（駆動量）Ｄを求め
る。そして上記移動量（駆動量）Ｄだけシリンジ２を移
動させるに必要なステッピングモータ３の全パルス数Ｅ
を求める。

【００１８】例えば[３５ｍＬ]の喫煙量（吸引量）Ｃを
確保するに必要なシリンジ２の移動量Ｄが[３０.０６５
ｍｍ]として求められた場合、１パルス当たり０.３６°
回転するステッピングモータ３を用いて上記シリンジ２
を[３０.０６５ｍｍ]移動させるに必要な駆動パルスの
パルス総数Ｅが、その仕様に応じて[１５０３２パルス]
として求められる。

【００１９】一方、１回当たりの喫煙時間Ｆを、例えば
５０個の単位区間に区分して各単位区間を特定する制御
タイミングのデータ系列Ｇを求める。そして前述した基
本波形データに従って上記各制御タイミングにおいてシ
リンジ２を所定量ずつ移動させるに必要なパルス数（相
対パルス）Ｈを上記パルス総数Ｅを大枠として比例配分
して求めれば、ステッピングモータ３に加えられるパル
ス数の累計（絶対パルス）Ｉが求められる。そして上記
各制御タイミングにおいてステッピングモータ３に上記
パルス数（相対パルス）Ｈの駆動パルスを印加するべ
く、各制御タイミングにおけるパルス速度（パルス周波
数）を求めれば、これによってパルス速度のデータ系列
Ｊを求めることが可能となる。

【００２０】この結果、ステッピングモータ３は図４
(ｂ)に示すように前記相対パルスＨの数に相当する角度
ずつ駆動され、その全体の回転角度が図４(ｃ)に示すよ
うに変化する。そしてこのステッピングモータ３の回転
に伴うシリンジ２の移動駆動により、図４(ａ)に示すよ
うな変化の形態で吸引力が生起されてシガレットＴの前
記喫煙量Ｃで示される自動喫煙が行われることになる。

【００２１】かくして上述した如く構成された自動喫煙
装置によれば、シリンジ２を駆動して自動喫煙されるシ
ガレットＴの喫煙量Ｃを、パーソナルコンピュータ（Ｐ
Ｃ）８において作成した波形データに従って簡易に制御
することができる。しかも喫煙量のみならず、その喫煙
時間についても容易に可変設定することができ、種々の
喫煙条件を容易に設定することができる。またパーソナ
ルコンピュータ（ＰＣ）８において作成した波形データ
を、各コントローラ６にそれぞれ付与するだけでよいの
でその管理が容易であり、コントローラ６での処理負担
を大幅に軽減することができる等の利点がある。

【００２２】尚、実際の運用に際しては、パーソナルコ
ンピュータ（ＰＣ）８において作成した波形データに従
ってステッピングモータ３を作動を制御してシリンジ２
を駆動し、そのときの喫煙量（吸引量）を流量計を用い
る等して計測し、その計測結果を前記パーソナルコンピ
ュータ（ＰＣ）８にフィードバックすることで前記波形
データを修正（補正）し、装置の設計・組み立て誤差等
を補償するようにすれば良い。また自動喫煙装置が設備
される試験現場と、パーソナルコンピュータ（ＰＣ）８
とを所定の通信回線（例えばインターネット）を介して
結んで、上記パーソナルコンピュータ（ＰＣ）８にて作
成した波形データを複数の試験現場における自動喫煙装
置のコントローラ６にそれぞれダウンロードするように
構成することも可能である。

【００２３】また実施形態においては、喫煙時間を５０
個の単位区間に区分してデータ系列を求めたが、その分
割数は仕様に応じて定めれば良いものであり、また単位
時間を固定的に定めることも勿論可能である。更にはこ
こではステッピングモータ３を用いてシリンジ２を駆動
するものとしたが、リニアモータを用いてシリンジ２を
駆動することも可能である。その他、本発明はその要旨
を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができ
る。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、シ
ガレットを間欠的に吸引する際の１回当たりの吸引量や
吸引時間等の喫煙条件を簡易に変えることができるの
で、種々の喫煙条件におけるシガレットの品質検査を容
易に実行することができる。しかもコントローラに付与
する制御データを、パーソナルコンピュータからなる喫
煙条件設定手段においてその喫煙条件に応じて簡易に作
成してシリンジの作動を制御することができるので、そ
の構成の簡易化とシステム設定の容易化を図り得る等の
実用上多大なる効果が奏せられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】自動喫煙装置の要部概略構成を示す側面図。

【図２】自動喫煙装置の要部概略構成を示す正面図。

【図３】本発明の一実施形態に係る自動喫煙装置におけ
るモータ制御系の概略構成を示す図。

【図４】図３に示すモータ制御系によるステッピングモ
ータの駆動の様子を示す図。

【図５】図３に示すモータ制御系のパーソナルコンピュ
ータによる波形データの作成例を示す図。

【符号の説明】

１ フォルダ ２ シリンジ ３ ステッピングモータ ６ コントローラ ７ モータドライバ ８ パーソナルコンピュータ（喫煙条件設定手段） ９ シーケンサ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣瀬 高夫 愛知県豊橋市北島町字北島202 ＪＴトー シ株式会社内 (72)発明者 川合 貴志 愛知県豊橋市北島町字北島202 ＪＴトー シ株式会社内 Ｆターム(参考） 2G052 AC02 AD02 AD22 AD42 BA02 BA14 HA02 HC02 HC03 HC29 HC39 HC43 JA06 4B044 CF01X CL12 CM13

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シガレットの吸い口に連結されて該シガ
   レットを吸引するシリンジと、 パルス駆動されて上記シリンジを吸引駆動するステッピ
   ングモータと、 前記シガレットの喫煙条件に従って上記ステッピングモ
   ータの駆動を制御するコントローラと、 前記シガレットを間欠的に吸引する際の１回当たりの吸
   引時間とその吸引量とに従って、前記ステッピングモー
   タの駆動速度を可変して前記シガレットの吸引力に変化
   を与える波形データを該ステッピングモータの駆動速度
   を規定するパルス速度のデータ系列として作成して、前
   記シガレットの吸引周期の情報と共に所定の通信回線を
   介して前記コントローラに付与する喫煙条件設定手段と
   を具備したことを特徴とする自動喫煙装置。