JP2002272318A - 形質転換動物及びスクリーニング方法 - Google Patents

形質転換動物及びスクリーニング方法

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JP2002272318A
JP2002272318A JP2001082181A JP2001082181A JP2002272318A JP 2002272318 A JP2002272318 A JP 2002272318A JP 2001082181 A JP2001082181 A JP 2001082181A JP 2001082181 A JP2001082181 A JP 2001082181A JP 2002272318 A JP2002272318 A JP 2002272318A
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ser
gly
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Akihiko Koseki
明彦 古関
Takuji Shirasawa
卓二 白澤
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SCIMEDIA Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の突然変異が導入されたインスリン受容
体遺伝子で形質転換することによって、インスリン抵抗
性の病態を十分に研究するための実験動物としてや、各
種治療剤のスクリーニングにおいて使用可能な形質転換
動物を提供する。 【解決手段】 マウスのインスリン受容体における1195
番目のプロリン残基に相当するアミノ酸が変異すること
によって、キナーゼ活性が低下したインスリン受容体を
コードするインスリン受容体遺伝子を染色体に導入して
なる形質転換動物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インスリン受容体
遺伝子を染色体に導入してなる形質転換動物及び当該形
質転換動物を用いて行うII型糖尿病治療剤及び加齢依存
性疾患治療剤のスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インスリン受容体は、インスリン標的細
胞の細胞膜に存在し、インスリンの結合により標的細胞
内に移動するものとして広く知られている。インスリン
受容体は、インスリンとの結合によりインスリンシグナ
ル伝達することによって、下流遺伝子の発現や酵素の活
性化等に寄与している。
【0003】ところで、1997年に木村らにより線虫の長
寿命変異体の研究から、daf-2線虫の遺伝学的解析およ
び分子生物学的解析の結果、daf-2線虫のインスリン様
受容体遺伝子で長寿命遺伝子変異が発見された(Scienc
e, 277, 942-946, 1997)。この解析から、daf-2線虫で
はインスリン様シグナル伝達に異常があること、およ
び、インスリン様シグナル伝達異常が個体寿命を延長さ
せる可能性が示唆された。一方、同様の遺伝子変異がヒ
トのインスリン抵抗性の症例からも報告され、インスリ
ン抵抗性の病態と個体の長寿化のメカニズムにおける共
通性が示唆された(Diabetologia 35, 261-266, 199
2)。しかしながら、インスリン抵抗性を示す形質転換
動物に関する報告はなく、インスリン抵抗性等の病態を
十分に研究するための実験動物や、各種治療剤のスクリ
ーニング方法を確立することができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
述した実状に鑑みて案出されたものであり、所定の突然
変異が導入されたインスリン受容体遺伝子で形質転換す
ることによって、インスリン抵抗性の病態を十分に研究
するための実験動物としてや、各種治療剤のスクリーニ
ングにおいて使用可能な形質転換動物を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成した
本発明は以下を包含する。 (1)マウスのインスリン受容体における1195番目のプ
ロリン残基に相当するアミノ酸が変異することによっ
て、キナーゼ活性が低下したインスリン受容体をコード
するインスリン受容体遺伝子を染色体に導入してなる形
質転換動物。 (2)非ヒト動物であることを特徴とする(1)記載の
形質転換動物。
【0006】(3)上記非ヒト動物がマウスであること
を特徴とする(2)記載の形質転換動物。 (4)マウスのインスリン受容体における1195番目のプ
ロリン残基に相当するアミノ酸が変異することによっ
て、キナーゼ活性が低下したインスリン受容体をコード
するインスリン受容体遺伝子を染色体に導入してなる形
質転換動物に対して被検物質を作用させ、血清インスリ
ン値及び血糖値を野生型動物の場合と比較評価すること
を特徴とするII型糖尿病治療剤のスクリーニング方法。
【0007】(5)マウスのインスリン受容体における
1195番目のプロリン残基に相当するアミノ酸が変異する
ことによって、キナーゼ活性が低下したインスリン受容
体をコードするインスリン受容体遺伝子を染色体に導入
してなる形質転換動物に対して被検物質を作用させ、酸
化ストレス耐性を野生型動物の場合と比較評価すること
を特徴とする加齢依存性疾患治療剤のスクリーニング方
法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る形質転換動物
及びスクリーニング方法について詳細に説明する。本発
明に係る形質転換動物は、マウスのインスリン受容体に
おける1195番目のプロリン残基に相当するアミノ酸が変
異することによって、キナーゼ活性が低下した変異イン
スリン受容体をコードする変異インスリン受容体遺伝子
を染色体に導入してなるものである。形質転換動物とし
ては、特に限定されないが、非ヒト動物である、ラッ
ト、マウス、ハムスター、ブタ、ウマ、ヒツジ、ウサ
ギ、サル等の哺乳類動物を挙げることができる。
【0009】ここで、変異インスリン受容体とは、マウ
スインスリン受容体における1195番目のプロリン残基に
相当するアミノ酸が変異したインスリン受容体であっ
て、キナーゼ活性が野生型と比較して低下したものを意
味する。変異を導入したマウスインスリン受容体をコー
ドする塩基配列(コーディング領域のみ)を配列番号1
に示し、変異を導入したマウスインスリン受容体のアミ
ノ酸配列を配列番号2に示す。マウスインスリン受容体
における1195番目のプロリン残基は、マウス染色体DNA
におけるインスリン受容体遺伝子エクソン20中に存在す
る。この1195番目のプロリン残基は、マウスインスリン
受容体においてキナーゼ活性に起用するドメインを構成
している。マウスインスリン受容体において、1195番目
のプロリン残基をロイシンに変異させることによって、
キナーゼ活性を低下させることができる。マウス以外の
動物、例えば線虫やヒトにおいても、マウスインスリン
受容体における1195番目のプロリン残基に相当するアミ
ノ酸を変異させることによって、キナーゼ活性を低下さ
せることができる。
【0010】変異インスリン受容体遺伝子とは、この変
異インスリン受容体をコードする遺伝子を意味する。変
異インスリン受容体遺伝子は、野生型のインスリン受容
体をコードするインスリン受容体遺伝子における所定の
塩基に突然変異を起こさせることによって得ることがで
きる。突然変異を起こす方法としては、特に限定されず
通常行われている方法を使用することができるが、例え
ば、Nucleic Acid Res., Vol. 10, pp. 6487 (1982)やM
ethod in Enzymology, 100, pp. 448 (1983)等に記載さ
れている方法を使用することができる。これらの方法を
使用することによって、哺乳類動物から単離したインス
リン受容体遺伝子の所定の塩基に所望の変異を導入する
ことができ、変異インスリン受容体遺伝子を得ることが
できる。
【0011】本発明に係る形質転換動物は、得られた変
異インスリン受容体遺伝子を、例えば、哺乳類動物の卵
子の前核に導入して相同組換えを起こし、当該受精卵を
必要に応じて培養し又は培養せずに偽妊娠状態に同期化
させておいた雌性哺乳類動物の卵管又は子宮に移植し、
産子を得ることによって作製することができる。また、
本発明に係る形質転換動物は、得られた変異インスリン
受容体遺伝子を、例えば、ES細胞に導入して相同組換え
を起こし、当該ES細胞を胚盤胞に注入し、産子を得るこ
とによって作製することができる。
【0012】形質転換動物内で発現する変異インスリン
受容体は、インスリンとの結合によって生じるキナーゼ
活性が低下しており、インスリンシグナルを下流に伝達
できなくなっている。したがって、本発明に係る形質転
換動物は、インスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病)発
症モデルとして利用することができる。この形質転換動
物をインスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病)の研究に
使用するモデル動物として広く利用することができる。
【0013】また、本発明に係る形質転換動物は、各組
織において活性酸素を無毒化するMn-SOD等の酵素活性が
有意に上昇している。また、形質転換動物においては、
酸化ストレスを負荷したときに、Mn-SOD等の酵素活性が
顕著化する。したがって、形質転換動物は、酸化ストレ
ス及び酸化ストレス防御機構を解明する目的、又は、酸
化ストレス及び酸化ストレス防御機構が及ぼす個体寿命
および加齢依存性性疾患に対する影響を解明する目的で
利用することができる。特に、本発明に係る形質転換動
物は、肺線維症、動脈硬化、パーキンソン病、癌等の加
齢依存性疾患に対する疾患感受性が低下している。した
がって、形質転換動物は、加齢依存性疾患の解明する目
的で利用することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0015】実施例(IR P1195L ノックインマウスの作製と確認) マウスの
インスリン受容体(IR)における1195番目のプロリン残
基をロイシンに置換した変異インスリン受容体(以下、
「IR P1195L」と称する)を発現するノックインマウス
を以下のようにして作製した。先ず、IR遺伝子のエクソ
ン19から21を含むcDNA領域をプローブとして、129/Sv/J
系統由来のマウスのゲノムDNAライブラリーをスクリー
ニングし、マウスインスリン受容体ゲノムのエクソン1
5から22を含むゲノムDNAクローンを単離した。
【0016】次に、エクソン20とその周囲のイントロ
ンを含む1.1kbのゲノムカセットを含むターゲット
領域をクローン化(IR P1195L)した。そして、このゲ
ノムカセットに対しては、pAlterシステム(ストラタジ
ーン社製)を用い、1195番目のプロリン残基をロイシン
に置換するための一塩基変異を導入した。配列番号3に
変異を導入する際に使用したオリゴヌクレオチドの塩基
配列を示す。また、このゲノムカセットにおけるイント
ロン20にpMC1ネオ遺伝子カセット(ストラタジーン社
製)を挿入することにより、ネオマイシン耐性を指標と
してG418選別が可能になるように設計した。さら
に、このターゲットカセットの上下流には、相同するゲ
ノム領域をそれぞれ7.3kb、2.3kb組み込み、相同組換え
の起こり易いターゲット構築物を作製した(図1)。
【0017】このターゲット構築物を線状化し、エレク
トロポレーション法によってマウスES細胞(Nagy, A.,
et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 8424-8428 (1
993))に導入した。そして、文献(In Gene targeting:
A practical approach, 33-61, 1993)記載の方法に準
じて、G418及びGANC(ガンシクロビル)存在下でマ
ウスES細胞を培養した。この培養により、ネオマイシン
耐性を有するESクローンを選択し、サザンブロット法
(3’フランキングプローブ、ネオマイシン耐性遺伝子
プローブ)及びPCR法を用いて、ターゲットカセット
を含む領域がゲノム上に相同的に組換えられたクローン
を同定した。
【0018】次に、相同組換えの起こったESクローンを
用い、文献(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 8424-84
28, 1993)記載の凝集方法に準じて、生殖系列のキメラ
マウスを作製した。作製されたオスのキメラマウスを野
生型のC57BL・6Jのメスマウスと交配させ、PC
Rによって産子がヘテロ接合体マウス(F1:雑種第一
代)であることを確認した。
【0019】次に、ホモ接合体マウスを得るために、こ
のヘテロ接合体マウスをインタークロスさせた。イント
ロン19上に設けたセンスプライマー(図1中P1で示す。
配列番号4)とエクソン22上に設けたアンチセンスプラ
イマー(図1中P2で示す。配列番号5)とを用いたPC
Rにより生後4週間後におけるインスリン受容体遺伝子
型の検定を行ったところ、(+/+:+/PL:PL/PL=31:68:0)
となっており、ホモ接合体マウスが得られていなかっ
た。したがって、生後1日目におけるインスリン受容体
遺伝子型を同様に検討したところ、図2に示すようにホ
モ接合体マウスの出生を確認できた。+/+:+/PL:PL/PL=
6:7:5と総数が少ないためメンデルの法則には完全に
は従わなかった。しかし、ホモ接合体マウスは、出生は
するものの生後1日目から発育障害が認められることか
ら、インスリン受容体欠損マウスに関する文献(nature
genetics 12, 106-9, 1996)の記載と同様に、出生後の
発育障害、すなわち糖尿病性ケトアシドーシスによる死
亡を起こしていることが考えられた。
【0020】ホモ接合体マウスが予期せぬスプライスな
どにより完全欠損マウスとなっていないことを確認する
ため、ホモ接合体マウス肝臓由来の全量RNAを鋳型とし
てRT-PCRを行った。エクソン19上に設けたセンスプラ
イマー(図1中P3で示す。配列番号6)とエクソン21上
に設けたアンチセンスプライマー(図1中P4で示す。配
列番号7)とを用いて増幅したPCR産物は野生型同様
に441bpであった(図3)。
【0021】このPCR産物の塩基配列を調べたところ
図4に示すように、計画通りのCCC(Pro)->CTC(Leu)から
なる1アミノ酸置換を起こしていることを確認し得た。
また、インスリン受容体抗体(C-19:サンタクルーズ社
製)を用いたウェスタンブロットを行うことによって、
ホモ接合体マウス由来の組織からもインスリン受容体蛋
白ベータ鎖95kDaの発現を認めることができ、ホモ接
合体マウスが遺伝子欠損マウスとは異なることが確認で
きた。
【0022】(IR P1195Lノックインマウスのインスリ
ン受容体のチロシンキナーゼ活性測定)上述したように
得られた生後1日齢の野生型マウス、ヘテロ接合体マウ
ス、ホモ接合体マウスにおけるインスリン受容体のチロ
シンキナーゼ活性を以下のように測定した。先ず、これ
らマウスの肝臓組織を採取し、溶解緩衝液[最終濃度で
1%トリトンX-100, 50mM HEPES, 150mM NaCl, 10μg/mL
ロイペプチン, 10μg/mLペプスタチン, 1mM PMSF]中で
均質化した。100kgにて超遠心分離した後、得られた上
清を小麦胚芽レクチンアガロースカラム(ホーネン社
製)に通すことにより膜タンパク質成分を当該カラムに
親和的に吸着させた。さらに0.3M N-アセチルグルコサ
ミンを通すことにより糖タンパク質成分であるインスリ
ン受容体を溶出し、インスリン受容体を粗精製した溶出
物を得た。
【0023】この溶出物をインスリン[最終濃度100n
M]と1時間反応させた後、リン酸化反応液[最終濃度3
mM塩化マンガン、50m MATP, 0.1mCi[γ32P]ATP]中で2
0分反応させた。反応停止液[最終濃度0.1Mフッ化ナト
ウリウム、4mMバナジン酸ナトウリウム、1mM EDTA, 1mM
ピロリン酸ナトリウム]にてリン酸化反応を停止した。
【0024】上記リン酸化反応液を、あらかじめ抗イン
スリン受容体c末端抗体(徳島大学分子酵素学センター
蝦名教授より分与)、または抗リン酸化チロシン抗体
(PY20, ICN社製)を吸着させたプロテインセファロー
スA(ファルマシア)カラムを用いて免疫沈降した。沈
降した自己リン酸化インスリン受容体を溶出緩衝液にて
溶出し、10%SDS-PAGE法により分離した。その結果を図5
のオートラジオグラフィーに示す。図5aは、野生型マウ
ス(+/+)、ヘテロ接合体マウス(+/PL)、ホモ接合体
マウス(PL/PL)の新生児肝臓より抽出したインスリン
受容体にインスリン刺激を加え、抗インスリン受容体c
末端抗体を用いて自己リン酸化を検討した結果を示す。
図5bは、野生型マウス(+/+)、ヘテロ接合体マウス(+
/PL)、ホモ接合体マウス(PL/PL)の新生児肝臓より抽
出した膜タンパクにインスリン刺激を加え、抗リン酸化
チロシン抗体で免疫沈降を行い、インスリン受容体とI
型インスリン様増殖因子受容体(IGF-1R)とのシグナル
のクロストークを検討した結果を示す。
【0025】図5a,bに示すように、ホモ接合体マウス(P
L/PL)のインスリン受容体は、インスリンの有無に関わ
らず、自己リン酸化を認めなかった。ヘテロ接合体マウ
ス(+/PL)のインスリン受容体の自己リン酸化は、インス
リンの無い状態ではほとんど認められなかった。これは
野生型マウス(+/+)でも同様であった。インスリンを負
荷すると、ヘテロ接合体マウスのインスリン受容体の自
己リン酸化は増強したが、その程度は野生型マウスの2
0%未満であった。また抗リン酸化チロシン抗体では95
kDaのインスリン受容体β鎖より大きな分子量のタンパ
ク質もリン酸化されていることが判明した。これは97kD
aの1型インスリン様増殖因子受容体(IGF-1R)のβ鎖で
あると考えられた。ホモ接合体マウスでインスリン刺激
後にリン酸化が観察されるが(図5bレーン6)、この
リン酸化はインスリンが1型インスリン様増殖因子受容
体と結合し、シグナルを伝達しているものと考えられ
た。
【0026】このヘテロ接合体マウスの所見はインスリ
ン抵抗性の病態を支持するものである。すなわち、ヘテ
ロ接合体マウスにおいては、1195番目のプロリンをロイ
シンに置換することにより、インスリン受容体のキナー
ゼ活性が減弱し、インスリンシグナルを下流に十分伝達
できなくなることを示している。
【0027】(IR P1195Lノックインヘテロ接合体マウ
スのインスリン抵抗性の確認)体重、血糖値及び血清イ
ンスリン値について、ヘテロ接合体マウスと野生型マウ
スとを比較した結果を表1に示す。なお、空腹時の血糖
値及び血清インスリン値を測定するため、マウスを15
時間空腹にして測定した。血糖値はグリコカード(アベ
ンティスファーマ社製)を用いて、血清インスリン値は
マウスインスリン値をコントロールとするRAT INSULIN
RIA KIT(リンコ・リサーチ社製)を用いて測定した。
【0028】
【表1】
【0029】表1に示すように、ヘテロ接合体マウス
は、出生後正常に発育し、12ヶ月齢においても野生型
マウスとの体重の有意な差を示さなかった。また、ヘテ
ロ接合体マウスの血糖値は野生型に対して有意な増加を
示さなかった。この時の血清インスリン値は野生型マウ
ス0.38に対してヘテロ接合体マウスは2.24と5.9倍に有
意に(P<0.05)増加していた。これらの結果から、ヘテロ
接合体マウスはインスリン受容体シグナルが極端に抑制
されているが、IGF-1受容体を介したクロストークシグ
ナルあるいは高インスリン血症による続発的なシグナル
により血糖および代謝を保っているため、血糖および体
重がコントロールされていることが判明した。これらの
結果はヘテロ接合体マウスの内分泌及び代謝病態が、ヒ
トにおけるII型糖尿病の発症前状態つまり、インスリン
抵抗性を示すが顕性糖尿病が発症していない病態を模し
たマウスモデルあることを示している。
【0030】(IR P1195Lノックインヘテロ接合体マウ
スの酸化ストレス耐性に対する検討)ヘテロ接合体マウ
スが酸素ストレスに対して、酸化ストレス耐性を獲得し
ているかを検討した。先ず、ヘテロ接合体マウスを98%
酸素チェンバー内で飼育し、酸素毒性に対する抵抗性を
調べた。
【0031】結果を図6に示す。なお、図6において、
ヘテロ接合体マウスは波線で示し、野生型マウスは実線
で示す。図6に示すように、ヘテロ接合体マウスは野生
型マウスに対して酸素チェンバー内での生存が延長する
傾向が認められた。そこで、酸素毒性に対する肺の反応
を病理学的に検討する目的で、酸素負荷後のマウスの肺
の切片をHE染色し、その病理像を比較した。結果を図7
に示す。なお、図7Aは、野生型マウス(98%酸素吸入後
2.5日で死亡)の肺病理像であり、図7Bは、ヘテロ接合
体マウス(98%酸素吸入後3.5日で死亡)の肺病理像で
あり、図7Cは、図7Aの強拡大像であり、図7Dは、図7Bの
強拡大像である。
【0032】図7A〜Dに示すように、野生型マウスで
は、98%酸素に反応し、細胞浸潤および高度に硝子膜形
成を認め、肺胞構造の高度の破壊を認めるのに対し、ヘ
テロ接合体マウスは細胞浸潤が軽度で、硝子膜形成も軽
度であることが判った。この結果より、生存が延長した
理由は、ヘテロ接合体マウスが酸素毒性に対して耐性を
獲得し、ストレスに対する反応が軽度であったためであ
ることが示唆された。
【0033】そこで更に、酸化ストレス耐性獲得のメカ
ニズムを検討するために、肺におけるMn-SODの発現を調
べた。酸素負荷後のマウスの肺の切片をHE染色し、その
病理像を比較した。結果を図8に示す。図8Aは野生型マ
ウスの肺病理像であり、図8Bは野生型マウスの肺胞上皮
細胞像であり、図8Cは図8Bの強拡大像であり、図8Dはヘ
テロ接合体マウスの肺病理像であり、図8Eはヘテロ接合
体マウスの肺胞上皮細胞像であり、図8Fは図8Eの強拡大
病理像である。
【0034】図8A〜Fに示すように、ヘテロ接合体マウ
スでは、酸素負荷後、野生型マウスに比べMn-SODの発現
が顕著に増強していることが判った。このことより、ヘ
テロ接合体マウスは、インスリン抵抗性の病態を示すと
同時に、酸化ストレスに対してMn-SODの誘導が増強して
いるために、酸化ストレス耐性を獲得していることが明
らかになった。
【0035】加えて、酸素ストレス負荷を与えない状態
で、Mn-SODの活性を検討した。結果を図9に示す。図9A
は野生型マウス(白カラム)およびヘテロ接合体マウス
(黒カラム)肝臓におけるSOD活性を示し、図9Bは野生
型マウス(白カラム)およびヘテロ接合体マウス(黒カ
ラム)肝臓におけるMn-SOD活性を示し、図9Cは、野生型
マウス(白カラム)およびヘテロ接合体マウス(黒カラ
ム)肝臓におけるCu/Zn-SOD活性を示す。
【0036】図9A〜Cに示すように、肝臓におけるMn-SO
Dの活性を検討すると、ヘテロ接合体マウスは野生型マ
ウスより活性が上昇していることが明らかとなった。こ
のことより、ヘテロ接合体マウスは、構成的にも酸化ス
トレス耐性を獲得しているが、酸化ストレス負荷によっ
てより酸化ストレス耐性が顕著化することが示された。
【0037】IR P1195Lヘテロ接合体マウスにおける肺
線維症疾患感受性の低下 ヘテロ接合体マウスが加齢依存性疾患に対して発症抵抗
性を示すのかを検討した。具体的には、ヘテロ接合体マ
ウスにブレオマイシンを100mg/Kgで投与し、3週間後に
肺組織における繊維化を病理学的に観察することで、加
齢依存性疾患の1つである肺線維症に対する疾患感受性
を検討した。結果を図10に示す。図10Aは野生型マウス
の肺病理像であり、図10Bはヘテロ接合体マウスの肺病
理像であり、図10Cは図10Aの強拡大像であり、図10Dは
図10Bの強拡大像である。
【0038】図10A〜Dに示すように、ヘテロ接合体マウ
スの肺では野生型マウスに見られる肺線維化巣はほとん
ど観察されなかった。これより、ヘテロ接合体マウスは
インスリン抵抗性病態を有するだけでなく、肺線維症に
対して疾患感受性が低下していることが示された。この
実験事実は、更に他の加齢依存的疾患、例えば、動脈硬
化、肺線維症、パーキンソン病、癌等の発症感受性も低
下していることを示唆するものである。
【0039】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る形質転換動物は、キナーゼ活性が低下したインスリン
受容体をコードするインスリン受容体遺伝子を染色体に
導入してなるため、インスリン抵抗性の病態を研究する
ための実験動物としてや、各種治療剤のスクリーニング
において使用可能なものとなる。
【0040】また、本発明に係るスクリーニング方法
は、上記形質転換動物に対して被検物質を作用させ、血
清インスリン値及び血糖値を野生型動物の場合と比較評
価するものである。本発明に係るスクリーニング方法に
よれば、II型糖尿病治療剤を効果的にスクリーニングす
ることができる。
【0041】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Akihiko, Koseki Takuji, Shirasawa SciMedia Ltd. <120> A transgenic animal and a method for screening <130> P01-0160 <140> <141> <160> 7 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 4119 <212> DNA <213> Mouse <400> 1 atgggcttcg ggagaggatg tgagacgacg gctgtgccat tgctggtggc cgtggccgcg 60 ttgctggtgg gcacagccgg ccacctgtac cctggagagg tgtgccctgg tatggacatc 120 cggaacaacc tgaccaggct acatgagctg gagaactgct cagtcattga gggccatctg 180 cagatcctcc tgatgttcaa gaccagaccc gaagatttcc gagacctcag tttccccaaa 240 ctcatcatga tcacagatta cctgcttctc ttccgtgtct atggtctgga aagtctgaaa 300 gacctcttcc caaatctcac agtcatccga ggctcccgtc tcttcttcaa ctatgccctg 360 gttatcttcg agatggtcca cctgaaggag ctggggcttt ataacctcat gaacatcacc 420 cggggctctg tccgcatcga gaagaataat gagctctgct acctggccac tatcgactgg 480 tcccgtatcc tggattctgt ggaggacaac tacattgtac tgaacaaaga tgacaacgag 540 gaatgtgggg atgtctgtcc aggcaccgcc aagggcaaga ccaactgtcc tgccactgtc 600 atcaatgggc agtttgtgga acggtgctgg acacacagtc attgtcagaa agtttgccca 660 accatctgta agtcacatgg ctgcacagct gaaggcctgt gctgccacaa agagtgcctg 720 ggcaactgtt cggaacctga tgaccccacc aagtgtgtgg cctgtcgcaa cttctatctg 780 gatggtcagt gtgtggagac ctgcccgcca ccctactatc acttccagga ctggcgctgt 840 gtgaacttca gcttctgcca agaccttcac ttcaaatgca ggaactctcg gaagcctggc 900 tgccaccaat acgtcattca caacaataag tgcatccccg agtgcccgtc tggctatacc 960 atgaattcca gcaacttgat gtgcacccca tgtctgggac cctgccctaa ggtctgccaa 1020 atcctcgaag gtgagaagac cattgattct gtgacatctg cccaggagct ccgaggctgc 1080 actgtgatca acggtagcct gatcatcaac atccgagggg gcaacaacct ggcagctgag 1140 ctggaggcta accttggcct cattgaagaa atttcgggat ttctaaagat ccgccgctcc 1200 tatgctctgg tatcactttc tttcttcagg aagctacatc tgattcgagg agagaccttg 1260 gaaattggga actattcttt ttatgccttg gacaaccaga acctgaggca actctgggac 1320 tggagcaaac acaacctcac catcactcag ggcaagctct tcttccatta caatccgaaa 1380 ctctgcttgt ctgaaattca caagatggaa gaagtctccg gaactaaggg ccgtcaggag 1440 aggaacgaca ttgccctgaa gaccaatggg gaccaggcat cgtgtgaaaa tgaattgctt 1500 aaattttctt tcattcggac atcttttgac aagatcctgt tgaggtggga accctactgg 1560 ccccccgact tccgagatct cctgggattc atgttgttct acaaagaggc cccttatcag 1620 aatgtgacag agtttgatgg gcaggatgct tgtggctcca acagctggac tgtggtggat 1680 attgacccgc cccagaggtc caacgacccc aagtctcaga ccccaagcca ccctgggtgg 1740 ctgatgcggg gcctcaaacc ctggacccaa tacgccatct ttgtgaagac cttggttacc 1800 ttctctgatg aacggcggac ctatggagcc aaaagtgata tcatctatgt gcaaacagat 1860 gccactaatc cttctgtccc cctggatccc atatcagttt ctaattcctc atctcagatt 1920 atcttaaagt ggaagccccc ctctgacccc aatggcaaca tcacacacta cctggtgtac 1980 tgggagaggc aagcagagga cagcgagctg tttgagctgg attattgtct caaagggctg 2040 aagctccctt cacggacctg gtccccaccc tttgagtctg atgattctca gaagcacaat 2100 cagagtgagt atgacgactc ggccagtgag tgctgctcat gccctaagac tgactctcag 2160 atcctgaagg agctggagga gtcttcattc aggaagacct tcgaggatta cctgcacaac 2220 gtggtttttg tccccaggcc atcccgaaag cgaagatccc ttgaagaggt ggggaatgtg 2280 acagccacca cactcacact tccagatttc cccaacgtct cctctaccat tgtgcccaca 2340 agtcaggagg agcacaggcc atttgagaaa gtggtgaaca aggagtcact tgtcatctct 2400 ggcctgagac acttcactgg gtaccgcatt gagctgcagg catgcaatca agattcccca 2460 gatgagaggt gcagtgtggc tgcctacgtc agtgcccgga ccatgcctga agctaaggca 2520 gatgacatcg ttggccctgt gactcatgaa atctttgaga acaatgttgt acacttaatg 2580 tggcaagagc caaaggaacc taatggtctg attgtgctat atgaagtgag ctatcgccga 2640 tatggtgatg aggagctgca cctctgtgtc tcccggaagc attttgccct ggagcggggc 2700 tgcaggctgc gagggctctc cccaggaaac tacagtgttc gagtccgggc tacctctctg 2760 gcaggaaatg gctcctggac agaacccacc tatttttatg tgactgatta tttagatgtc 2820 ccatcaaata ttgccaaaat tatcattgga cccctcatct ttgtcttcct cttcagtgtt 2880 gtgattggaa gtatttatct atttctgaga aagaggcagc cggatgggcc aatgggacca 2940 ctgtatgcat cttcaaaccc tgagtacctc agtgccagtg atgtgtttcc atcttctgtg 3000 tacgtgccgg acgagtggga ggtgcctcga gagaagatca cccttcttcg agagctgggg 3060 cagggatcct ttggtatggt gtatgaaggc aatgccaagg atatcatcaa gggtgaggca 3120 gagacccgtg ttgcggttaa gactgtcaat gagtcagcca gtcttcgaga acggatcgag 3180 ttcctcaatg aggcatcagt catgaaggga ttcacctgcc atcatgtggt ccgccttctt 3240 ggggtggtat ccaaaggaca gccaacgctg gtagtgatgg aattgatggc tcatggagac 3300 ctgaaaagtc acctccgttc tctgaggcca gatgctgaga ataacccagg ccgccctccc 3360 cctaccttac aagaaatgat tcagatgaca gcagaaattg ctgatggcat ggcatacttg 3420 aacgccaaga agtttgtgca ccgggacctg gcagctcgaa actgcatggt tgcccatgat 3480 tttactgtca aaattggaga ctttggaatg acaagggaca tctacgagac agattactat 3540 cggaaagggg gcaagggact gcttcctgtg aggtggatgt cactcgagtc cctgaaggat 3600 ggagtcttta ctgcttcttc tgatatgtgg tcctttgggg tggtcctttg ggaaatcact 3660 agcctggctg agcaacctta tcaaggcctg tctaatgaac aggtgttgaa gtttgtcatg 3720 gatggaggct atctggatcc ccctgataac tgtccagaga gactcactga cctgatgcgc 3780 atgtgctggc agttcaaccc caagatgagg ccaaccttcc tggaaatcgt caacctgctc 3840 aaggatgacc tccaccccag ctttccagaa gtttccttct tctacagcga ggagaacaag 3900 gctcctgaga gtgaggagct ggagatggag tttgaagaca tggagaatgt cccgttggat 3960 cgttcctctc actgtcagag agaagaggct gggggccggg agggagggtc ctcactgagc 4020 atcaaacgga cctatgatga acacatcccc tatacccaca tgaatggggg caagaagaac 4080 ggacgtgtcc ttaccctgcc aaggtcaaac ccttcctaa 4119 <210> 2 <211> 1372 <212> PRT <213> Mouse <400> 2 Met Gly Phe Gly Arg Gly Cys Glu Thr Thr Ala Val Pro Leu Leu Val 1 5 10 15 Ala Val Ala Ala Leu Leu Val Gly Thr Ala Gly His Leu Tyr Pro Gly 20 25 30 Glu Val Cys Pro Gly Met Asp Ile Arg Asn Asn Leu Thr Arg Leu His 35 40 45 Glu Leu Glu Asn Cys Ser Val Ile Glu Gly His Leu Gln Ile Leu Leu 50 55 60 Met Phe Lys Thr Arg Pro Glu Asp Phe Arg Asp Leu Ser Phe Pro Lys 65 70 75 80 Leu Ile Met Ile Thr Asp Tyr Leu Leu Leu Phe Arg Val Tyr Gly Leu 85 90 95 Glu Ser Leu Lys Asp Leu Phe Pro Asn Leu Thr Val Ile Arg Gly Ser 100 105 110 Arg Leu Phe Phe Asn Tyr Ala Leu Val Ile Phe Glu Met Val His Leu 115 120 125 Lys Glu Leu Gly Leu Tyr Asn Leu Met Asn Ile Thr Arg Gly Ser Val 130 135 140 Arg Ile Glu Lys Asn Asn Glu Leu Cys Tyr Leu Ala Thr Ile Asp Trp 145 150 155 160 Ser Arg Ile Leu Asp Ser Val Glu Asp Asn Tyr Ile Val Leu Asn Lys 165 170 175 Asp Asp Asn Glu Glu Cys Gly Asp Val Cys Pro Gly Thr Ala Lys Gly 180 185 190 Lys Thr Asn Cys Pro Ala Thr Val Ile Asn Gly Gln Phe Val Glu Arg 195 200 205 Cys Trp Thr His Ser His Cys Gln Lys Val Cys Pro Thr Ile Cys Lys 210 215 220 Ser His Gly Cys Thr Ala Glu Gly Leu Cys Cys His Lys Glu Cys Leu 225 230 235 240 Gly Asn Cys Ser Glu Pro Asp Asp Pro Thr Lys Cys Val Ala Cys Arg 245 250 255 Asn Phe Tyr Leu Asp Gly Gln Cys Val Glu Thr Cys Pro Pro Pro Tyr 260 265 270 Tyr His Phe Gln Asp Trp Arg Cys Val Asn Phe Ser Phe Cys Gln Asp 275 280 285 Leu His Phe Lys Cys Arg Asn Ser Arg Lys Pro Gly Cys His Gln Tyr 290 295 300 Val Ile His Asn Asn Lys Cys Ile Pro Glu Cys Pro Ser Gly Tyr Thr 305 310 315 320 Met Asn Ser Ser Asn Leu Met Cys Thr Pro Cys Leu Gly Pro Cys Pro 325 330 335 Lys Val Cys Gln Ile Leu Glu Gly Glu Lys Thr Ile Asp Ser Val Thr 340 345 350 Ser Ala Gln Glu Leu Arg Gly Cys Thr Val Ile Asn Gly Ser Leu Ile 355 360 365 Ile Asn Ile Arg Gly Gly Asn Asn Leu Ala Ala Glu Leu Glu Ala Asn 370 375 380 Leu Gly Leu Ile Glu Glu Ile Ser Gly Phe Leu Lys Ile Arg Arg Ser 385 390 395 400 Tyr Ala Leu Val Ser Leu Ser Phe Phe Arg Lys Leu His Leu Ile Arg 405 410 415 Gly Glu Thr Leu Glu Ile Gly Asn Tyr Ser Phe Tyr Ala Leu Asp Asn 420 425 430 Gln Asn Leu Arg Gln Leu Trp Asp Trp Ser Lys His Asn Leu Thr Ile 435 440 445 Thr Gln Gly Lys Leu Phe Phe His Tyr Asn Pro Lys Leu Cys Leu Ser 450 455 460 Glu Ile His Lys Met Glu Glu Val Ser Gly Thr Lys Gly Arg Gln Glu 465 470 475 480 Arg Asn Asp Ile Ala Leu Lys Thr Asn Gly Asp Gln Ala Ser Cys Glu 485 490 495 Asn Glu Leu Leu Lys Phe Ser Phe Ile Arg Thr Ser Phe Asp Lys Ile 500 505 510 Leu Leu Arg Trp Glu Pro Tyr Trp Pro Pro Asp Phe Arg Asp Leu Leu 515 520 525 Gly Phe Met Leu Phe Tyr Lys Glu Ala Pro Tyr Gln Asn Val Thr Glu 530 535 540 Phe Asp Gly Gln Asp Ala Cys Gly Ser Asn Ser Trp Thr Val Val Asp 545 550 555 560 Ile Asp Pro Pro Gln Arg Ser Asn Asp Pro Lys Ser Gln Thr Pro Ser 565 570 575 His Pro Gly Trp Leu Met Arg Gly Leu Lys Pro Trp Thr Gln Tyr Ala 580 585 590 Ile Phe Val Lys Thr Leu Val Thr Phe Ser Asp Glu Arg Arg Thr Tyr 595 600 605 Gly Ala Lys Ser Asp Ile Ile Tyr Val Gln Thr Asp Ala Thr Asn Pro 610 615 620 Ser Val Pro Leu Asp Pro Ile Ser Val Ser Asn Ser Ser Ser Gln Ile 625 630 635 640 Ile Leu Lys Trp Lys Pro Pro Ser Asp Pro Asn Gly Asn Ile Thr His 645 650 655 Tyr Leu Val Tyr Trp Glu Arg Gln Ala Glu Asp Ser Glu Leu Phe Glu 660 665 670 Leu Asp Tyr Cys Leu Lys Gly Leu Lys Leu Pro Ser Arg Thr Trp Ser 675 680 685 Pro Pro Phe Glu Ser Asp Asp Ser Gln Lys His Asn Gln Ser Glu Tyr 690 695 700 Asp Asp Ser Ala Ser Glu Cys Cys Ser Cys Pro Lys Thr Asp Ser Gln 705 710 715 720 Ile Leu Lys Glu Leu Glu Glu Ser Ser Phe Arg Lys Thr Phe Glu Asp 725 730 735 Tyr Leu His Asn Val Val Phe Val Pro Arg Pro Ser Arg Lys Arg Arg 740 745 750 Ser Leu Glu Glu Val Gly Asn Val Thr Ala Thr Thr Leu Thr Leu Pro 755 760 765 Asp Phe Pro Asn Val Ser Ser Thr Ile Val Pro Thr Ser Gln Glu Glu 770 775 780 His Arg Pro Phe Glu Lys Val Val Asn Lys Glu Ser Leu Val Ile Ser 785 790 795 800 Gly Leu Arg His Phe Thr Gly Tyr Arg Ile Glu Leu Gln Ala Cys Asn 805 810 815 Gln Asp Ser Pro Asp Glu Arg Cys Ser Val Ala Ala Tyr Val Ser Ala 820 825 830 Arg Thr Met Pro Glu Ala Lys Ala Asp Asp Ile Val Gly Pro Val Thr 835 840 845 His Glu Ile Phe Glu Asn Asn Val Val His Leu Met Trp Gln Glu Pro 850 855 860 Lys Glu Pro Asn Gly Leu Ile Val Leu Tyr Glu Val Ser Tyr Arg Arg 865 870 875 880 Tyr Gly Asp Glu Glu Leu His Leu Cys Val Ser Arg Lys His Phe Ala 885 890 895 Leu Glu Arg Gly Cys Arg Leu Arg Gly Leu Ser Pro Gly Asn Tyr Ser 900 905 910 Val Arg Val Arg Ala Thr Ser Leu Ala Gly Asn Gly Ser Trp Thr Glu 915 920 925 Pro Thr Tyr Phe Tyr Val Thr Asp Tyr Leu Asp Val Pro Ser Asn Ile 930 935 940 Ala Lys Ile Ile Ile Gly Pro Leu Ile Phe Val Phe Leu Phe Ser Val 945 950 955 960 Val Ile Gly Ser Ile Tyr Leu Phe Leu Arg Lys Arg Gln Pro Asp Gly 965 970 975 Pro Met Gly Pro Leu Tyr Ala Ser Ser Asn Pro Glu Tyr Leu Ser Ala 980 985 990 Ser Asp Val Phe Pro Ser Ser Val Tyr Val Pro Asp Glu Trp Glu Val 995 1000 1005 Pro Arg Glu Lys Ile Thr Leu Leu Arg Glu Leu Gly Gln Gly Ser Phe 1010 1015 1020 Gly Met Val Tyr Glu Gly Asn Ala Lys Asp Ile Ile Lys Gly Glu Ala 1025 1030 1035 1040 Glu Thr Arg Val Ala Val Lys Thr Val Asn Glu Ser Ala Ser Leu Arg 1045 1050 1055 Glu Arg Ile Glu Phe Leu Asn Glu Ala Ser Val Met Lys Gly Phe Thr 1060 1065 1070 Cys His His Val Val Arg Leu Leu Gly Val Val Ser Lys Gly Gln Pro 1075 1080 1085 Thr Leu Val Val Met Glu Leu Met Ala His Gly Asp Leu Lys Ser His 1090 1095 1100 Leu Arg Ser Leu Arg Pro Asp Ala Glu Asn Asn Pro Gly Arg Pro Pro 1105 1110 1115 1120 Pro Thr Leu Gln Glu Met Ile Gln Met Thr Ala Glu Ile Ala Asp Gly 1125 1130 1135 Met Ala Tyr Leu Asn Ala Lys Lys Phe Val His Arg Asp Leu Ala Ala 1140 1145 1150 Arg Asn Cys Met Val Ala His Asp Phe Thr Val Lys Ile Gly Asp Phe 1155 1160 1165 Gly Met Thr Arg Asp Ile Tyr Glu Thr Asp Tyr Tyr Arg Lys Gly Gly 1170 1175 1180 Lys Gly Leu Leu Pro Val Arg Trp Met Ser Leu Glu Ser Leu Lys Asp 1185 1190 1195 1200 Gly Val Phe Thr Ala Ser Ser Asp Met Trp Ser Phe Gly Val Val Leu 1205 1210 1215 Trp Glu Ile Thr Ser Leu Ala Glu Gln Pro Tyr Gln Gly Leu Ser Asn 1220 1225 1230 Glu Gln Val Leu Lys Phe Val Met Asp Gly Gly Tyr Leu Asp Pro Pro 1235 1240 1245 Asp Asn Cys Pro Glu Arg Leu Thr Asp Leu Met Arg Met Cys Trp Gln 1250 1255 1260 Phe Asn Pro Lys Met Arg Pro Thr Phe Leu Glu Ile Val Asn Leu Leu 1265 1270 1275 1280 Lys Asp Asp Leu His Pro Ser Phe Pro Glu Val Ser Phe Phe Tyr Ser 1285 1290 1295 Glu Glu Asn Lys Ala Pro Glu Ser Glu Glu Leu Glu Met Glu Phe Glu 1300 1305 1310 Asp Met Glu Asn Val Pro Leu Asp Arg Ser Ser His Cys Gln Arg Glu 1315 1320 1325 Glu Ala Gly Gly Arg Glu Gly Gly Ser Ser Leu Ser Ile Lys Arg Thr 1330 1335 1340 Tyr Asp Glu His Ile Pro Tyr Thr His Met Asn Gly Gly Lys Lys Asn 1345 1350 1355 1360 Gly Arg Val Leu Thr Leu Pro Arg Ser Asn Pro Ser 1365 1370 <210> 3 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 3 ggatgtcact cgagtccct 19 <210> 4 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 4 gcatgtatct ggacact 17 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 5 gtggaggtca tccttgagca 20 <210> 6 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 6 gcgaattcaa taacccaggc cgccct 26 <210> 7 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer <400> 7 agtctctctg gacagttatc a 21
【0042】
【配列表フリーテキスト】配列番号3〜7は合成プライマ
ーである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノックインマウスを作製する際に使用したベク
ターの構造を示す模式図である。
【図2】ヘテロ接合体マウス、ホモ接合体マウスにおけ
る遺伝子形の確認するための電気泳動写真である。
【図3】ホモ接合体マウスにおける変異インスリン受容
体遺伝子の発現の確認するための電気泳動写真である。
【図4】ホモ接合体マウスにおけるインスリン受容体遺
伝子の遺伝子変異を確認するための電気泳動写真であ
る。
【図5】野生型マウス、ヘテロ接合体マウス、ホモ接合
体マウスにおけるインスリン受容体の自己リン酸化を確
認するための電気泳動写真である。
【図6】ヘテロ接合体マウス及び野生型マウスにおける
酸化ストレス負荷時の生存曲線を示す特性図である。
【図7】ヘテロ接合体マウス及び野生型マウスにおける
酸化ストレス負荷時の急性肺臓炎を確認するための肺臓
切片の写真である。
【図8】ヘテロ接合体マウス及び野生型マウスにおける
酸化ストレス負荷時によるMn-SOD発現増強を示す写真で
ある。
【図9】ヘテロ接合体マウス肝臓及び野生型マウス肝臓
におけるMn-SOD活性を示す特性図である。
【図10】ヘテロ接合体マウス及び野生型マウスにおけ
るブレオマイシン誘発性肺線維症を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07K 14/72 C12N 15/00 ZNAA C12N 5/10 5/00 B (72)発明者 古関 明彦 千葉県中央区亥鼻1−8−1 千葉大学大 学院 医学研究科 発生医学講座内 (72)発明者 白澤 卓二 東京都板橋区栄町35−2 財団法人 東京 都老人総合研究所 分子遺伝学部門内 Fターム(参考) 2G045 AA13 AA29 AA34 AA35 AA40 CA25 CB17 DA13 DA31 DA36 DA77 FB02 JA06 4B024 AA11 BA63 CA04 CA06 DA02 FA10 GA14 HA01 4B065 AA91X AA91Y AB01 BA02 BA03 CA24 CA46 4H045 AA10 BA10 CA40 DA51 EA54 FA74

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マウスのインスリン受容体における1195
    番目のプロリン残基に相当するアミノ酸が変異すること
    によって、キナーゼ活性が低下したインスリン受容体を
    コードするインスリン受容体遺伝子を染色体に導入して
    なる形質転換動物。
  2. 【請求項2】 非ヒト動物であることを特徴とする請求
    項1記載の形質転換動物。
  3. 【請求項3】 上記非ヒト動物がマウスであることを特
    徴とする請求項2記載の形質転換動物。
  4. 【請求項4】 マウスのインスリン受容体における1195
    番目のプロリン残基に相当するアミノ酸が変異すること
    によって、キナーゼ活性が低下したインスリン受容体を
    コードするインスリン受容体遺伝子を染色体に導入して
    なる形質転換動物に対して被検物質を作用させ、血清イ
    ンスリン値及び血糖値を野生型動物の場合と比較評価す
    ることを特徴とするII型糖尿病治療剤のスクリーニング
    方法。
  5. 【請求項5】 マウスのインスリン受容体における1195
    番目のプロリン残基に相当するアミノ酸が変異すること
    によって、キナーゼ活性が低下したインスリン受容体を
    コードするインスリン受容体遺伝子を染色体に導入して
    なる形質転換動物に対して被検物質を作用させ、酸化ス
    トレス耐性を野生型動物の場合と比較評価することを特
    徴とする加齢依存性疾患治療剤のスクリーニング方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006109742A (ja) * 2004-10-14 2006-04-27 Scimedia Ltd インスリン受容体自己リン酸化不全に関連する遺伝子の検出法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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