JP2002272102A - 電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 消費電力の低減とノイズの削減が可能な電源
装置を提供する。 【解決手段】 電源装置は、トランス１と、スイッチン
グトランジスタ２と、一次側制御回路３と、トランス１
の二次側巻線Ｔ２間に接続される整流回路６と、整流回
路６の出力端子と接地端子との間に直列接続されるフォ
トカップラ５内の発光ダイオード５ｂ、抵抗素子Ｒ２お
よび切替トランジスタ８と、切替トランジスタ８のオン
・オフを制御する切替制御回路９と、二次側出力電圧を
検出する電圧検出回路１０と、を備えている。二次側出
力電圧が所定電圧を下回ったことが検出された時点から
所定期間だけスイッチングトランジスタ２をオンして二
次側出力電圧を引き上げる制御を行うため、スイッチン
グトランジスタ２が頻繁にオン・オフしなくなり、消費
電力を低減できるとともに、ノイズも削減できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング素子
を有する電源装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】スイッチング電源は、トランスを小型化
できることから、プリンタを初めとする各種の電子機器
で広く用いられている。

【０００３】図５は従来のインクジェットプリンタ用電
源装置の回路図である。図５の電源装置は、トランス１
と、トランス１の一次側巻線に接続されるスイッチング
トランジスタ２と、スイッチングトランジスタ２のオン
・オフを制御する一次側制御回路３と、一次側制御回路
３を動作させるか否かを切り替えるフォトカップラ４内
のフォトトランジスタ４ａと、トランス１の二次側巻線
間に接続される整流回路６と、整流回路６の出力端子と
接地端子との間に直列接続されるフォトカップラ４内の
発光ダイオード４ｂと、ツェナーダイオード７とを備え
ている。

【０００４】図５の電源装置は、二次側の出力電圧が基
準電圧を超えると、発光ダイオード４ｂが発光してフォ
トトランジスタ４ａがオンして、一次側のスイッチング
トランジスタ２がオフする。逆に、二次側の出力電圧が
基準電圧以下になると、一次側のスイッチングトランジ
スタ２がオンして、二次側の出力電圧が高くなる。この
ような制御を繰り返すことにより、二次側の出力電圧は
略一定レベルに制御される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図５の
電源装置は、二次側出力電圧の検出結果に応じてスイッ
チングトランジスタ２をオン・オフ制御するため、スイ
ッチングトランジスタ２が頻繁にオン・オフを繰り返
し、スイッチングトランジスタ２の消費電力が増えると
ともに、スイッチングトランジスタ２から発生されるノ
イズも増えるという問題があった。

【０００６】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、消費電力の低減とノイズの削
減が可能な電源装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、トランスと、前記トランスの二次側
巻線間に接続される整流回路と、前記トランスの一次側
巻線に接続されるスイッチングトランジスタと、前記整
流回路の出力端子と接地端子との間に接続され前記スイ
ッチングトランジスタのオン・オフを制御するオン・オ
フ制御回路と、前記整流回路の出力電圧が所定電圧にな
ったか否かを検出する電圧検出回路と、を備え、前記オ
ン・オフ制御回路は、前記整流回路の出力電圧が前記所
定電圧になったことが前記電圧検出回路により検出され
ると、所定期間だけ前記スイッチングトランジスタをオ
ンさせる。

【０００８】本発明では、整流回路の出力電圧が所定電
圧になると、所定期間だけスイッチングトランジスタを
オンするため、スイッチングトランジスタが頻繁にオン
・オフしなくなり、消費電力を低減でき、ノイズの発生
も抑制できる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電源装置につ
いて、図面を参照しながら具体的に説明する。

【００１０】図１は本発明に係る電源装置の一実施形態
の回路図であり、例えばインクジェットプリンタ用の電
源装置の構成を示している。図１の電源装置は、トラン
ス１と、トランス１の一次側巻線Ｔ１に接続されるスイ
ッチングトランジスタ２と、スイッチングトランジスタ
２のオン・オフを制御する一次側制御回路３と、一次側
制御回路３を動作させるか否かを切り替えるフォトカッ
プラ４，５内のフォトトランジスタ（フォトダイオー
ド）４ａ，５ａと、トランス１の二次側巻線Ｔ２間に接
続される整流回路６と、整流回路６の出力端子と接地端
子との間に直列接続されるフォトカップラ４内の発光ダ
イオード４ｂ、抵抗素子Ｒ１およびツェナーダイオード
７と、整流回路６の出力端子と接地端子との間に直列接
続されるフォトカップラ５内の発光ダイオード５ｂ、抵
抗素子Ｒ２および切替トランジスタ８と、切替トランジ
スタ８のオン・オフを制御する切替制御回路９と、二次
側出力電圧の電圧レベルを検出する電圧検出回路１０
と、を備えている。

【００１１】一次側制御回路３は、フォトカップラ４，
５内の発光ダイオード４ｂ，５ｂのいずれかが発光する
と、スイッチングトランジスタ２をオンさせる。フォト
カップラ４内の発光ダイオード４ｂは、二次側出力電圧
が基準電圧未満になると発光する。また、フォトカップ
ラ５内の発光ダイオード５ｂは、切替トランジスタ８が
オンしたときに発光する。切替トランジスタ８は、二次
側出力電圧が所定電圧（例えば、４２ボルト）を超えた
ことが電圧検出回路１０により検出された時点から所定
期間だけオンする。

【００１２】次に、図１の電源装置の動作を説明する。
トランス１の一次側巻線Ｔ１には交流電圧が印加される
ため、二次側巻線Ｔ２には起電力が誘起され、この起電
力は整流回路６により整流されて直流電圧になる。二次
側出力電圧が基準電圧未満になると、フォトカップラ５
内の発光ダイオード５ｂが発光し、同じフォトカップラ
５内のフォトトランジスタ５ａがオンして一次側制御回
路３はスイッチングトランジスタ２をオンする。これに
より、二次側出力電圧は高くなる方向に制御される。フ
ォトカップラ５によるスイッチングトランジスタ２のオ
ン・オフ制御は、従来と同様である。

【００１３】一方、電圧検出回路１０は、二次側出力電
圧を検出し、二次側出力電圧が所定電圧未満になると、
その旨を切替制御回路９に知らせる。切替制御回路９
は、二次側出力電圧が所定電圧を超えた時点から所定期
間だけ切替トランジスタ８をオンする。

【００１４】図２は二次側出力電圧の電圧波形図であ
る。図示のように、二次側出力電圧が所定電圧を下回っ
たことが検出された時刻ｔ１から所定期間Ｔ０だけ切替
トランジスタ８をオンする。切替トランジスタ８がオン
すると、フォトカップラ５内の発光ダイオード５ｂが発
光し、同じフォトカップラ５内のフォトトランジスタ５
ａがオンしてスイッチングトランジスタ２がオンする。
これにより、時刻ｔ１から所定期間Ｔ０の間、二次側出
力電圧は高くなる方向に制御される。

【００１５】時刻ｔ２（＝ｔ１＋Ｔ０）になると、切替
制御回路９は切替トランジスタ８をオフさせるため、時
刻ｔ２以降、二次側出力電圧は徐々に低下する。その
後、時刻ｔ３になると、再び二次側出力電圧が所定電圧
を下回るため、その時点から所定期間Ｔ０だけスイッチ
ングトランジスタ２はオンする。以後、同じ動作を繰り
返す。

【００１６】図３は電圧検出回路１０および切替制御回
路９の処理動作を示すフローチャートである。このフロ
ーチャートは、二次側出力電圧が安定電圧になった後に
実行されるものである。

【００１７】まず、電圧検出回路１０は二次側出力電圧
を検出し（ステップＳ１）、二次側出力電圧が所定電圧
未満になったか否かを判定する（ステップＳ２）。所定
電圧以上であれば、ステップＳ１およびＳ２の処理を繰
り返し、所定電圧未満になると、切替トランジスタ８を
オンする（ステップＳ３）。これにより、フォトカップ
ラ５内の発光ダイオード５ｂが発光し、同じフォトカッ
プラ５内のフォトトランジスタ５ａがオンしてスイッチ
ングトランジスタ２がオンする。したがって、二次側出
力電圧は高くなる方向に制御される。

【００１８】次に、切替トランジスタ８をオンしてから
所定期間が経過したか否かを判定する（ステップＳ
４）。所定期間が経過していなければステップＳ４以降
の処理を繰り返し、所定期間が経過すれば、切替トラン
ジスタ８をオフする（ステップＳ５）。その後、ステッ
プＳ１以降の処理を繰り返す。

【００１９】このように、本実施形態では、二次側出力
電圧が所定電圧を下回ったことが検出された時点から所
定期間だけスイッチングトランジスタ２をオンして二次
側出力電圧を引き上げる制御を行うため、スイッチング
トランジスタ２が頻繁にオン・オフしなくなり、消費電
力を低減できるとともに、ノイズも削減できる。

【００２０】ところで、インクジェットプリンタ用の電
源装置の場合、印字ヘッドに電源電圧を供給しなければ
ならない。印字ヘッドは、多数のノズルを有し、各ノズ
ルには同一の電源電圧を供給する必要がある。一つの電
源回路ですべてのノズルに電源電圧を供給するようにす
ると、負荷量が大きすぎるために、電源電圧が低下する
おそれがある。そこで、印字ヘッドを駆動する場合は、
図４のように、複数の電源回路２０を並列接続し、これ
ら電源回路２０により複数個ずつノズルを駆動するのが
望ましい。

【００２１】図４の電源装置内の各電源回路２０は、図
１と同様に構成され、それぞれがトランス１、スイッチ
ングトランジスタ２、一次側制御回路３、フォトカップ
ラ４，５、整流回路６、抵抗素子Ｒ１，Ｒ２、切替トラ
ンジスタ８、電圧検出回路１０、および切替制御回路９
を有する。

【００２２】図４の電源装置は、各電源回路２０の二次
側出力電圧が略等しくなるように、基準電圧源１１を共
有している。基準電圧源１１を共有することで、多数の
ノズルを有する印字ヘッドを駆動する際、各ノズルに略
同一の電圧を供給できる。また、基準電圧源１１を共有
化することにより、部品点数を削減でき、部品コストの
削減と電源装置の小型化を実現できる。

【００２３】なお、図４の電源装置において、電圧検出
回路１０と切替制御回路９を複数の電源回路２０で共有
してもよい。

【００２４】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、整流回路の出力電圧が所定電圧になると、所定期
間だけスイッチングトランジスタをオンするようにした
ため、スイッチングトランジスタが頻繁にオン・オフし
なくなり、消費電力を低減できるとともに、スイッチン
グトランジスタから発生されるノイズも削減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る電源装置の一実施形態の回路図。

【図２】二次側出力電圧の電圧波形図。

【図３】電圧検出回路および切替制御回路の処理動作を
示すフローチャート。

【図４】複数の電源回路を有する電源装置の回路図。

【図５】従来のインクジェットプリンタ用電源装置の回
路図。

【符号の説明】

１ トランス ２ スイッチングトランジスタ ３ 一次側制御回路 ４，５ フォトカップラ ４ａ，５ａ フォトトランジスタ ４ｂ，５ｂ 発光ダイオード ６ 整流回路 ７ ツェナーダイオード ８ 切替トランジスタ ９ 切替制御回路 １０ 電圧検出回路

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トランスと、 前記トランスの二次側巻線間に接続される整流回路と、 前記トランスの一次側巻線に接続されるスイッチング素
   子と、 前記整流回路の出力端子と接地端子との間に接続され前
   記スイッチング素子のオン・オフを制御するオン・オフ
   制御回路と、 前記整流回路の出力電圧が所定電圧になったか否かを検
   出する電圧検出回路と、を備え、 前記オン・オフ制御回路は、前記整流回路の出力電圧が
   前記所定電圧になったことが前記電圧検出回路により検
   出されると、所定期間だけ前記スイッチング素子をオン
   させることを特徴とする電源装置。
2. 【請求項２】前記オン・オフ制御回路は、前記整流回路
   の出力端子と接地端子との間に直列接続される、発光ダ
   イオードと、抵抗素子と、前記発光ダイオードの発光の
   有無を制御するトランジスタと、このトランジスタのオ
   ン・オフを制御する切替回路と、を有し、 前記トランスの一次側に配置され前記発光ダイオードの
   発光の有無によりオン・オフするフォトダイオードまた
   はフォトトランジスタを備え、 前記切替回路が前記トランジスタをオンすると、前記発
   光ダイオードが発光し、前記発光ダイオードの発光によ
   り、前記フォトダイオードまたは前記フォトトランジス
   タは前記スイッチング素子をオンさせることを特徴とす
   る請求項１に記載の電源装置。
3. 【請求項３】並列接続される複数の電源回路を備え、 前記複数の電源回路のそれぞれは、前記トランスと、前
   記整流回路と、前記スイッチング素子と、前記オン・オ
   フ制御回路と、前記電圧検出回路と、を備えることを特
   徴とする請求項２に記載の電源装置。
4. 【請求項４】前記複数の電源回路それぞれに基準電圧を
   供給する基準電圧源を備え、 前記複数の電源回路内の前記発光ダイオード、前記抵抗
   素子および前記トランジスタは、前記整流回路の出力端
   子と前記基準電圧源の基準電圧端子との間に直列接続さ
   れることを特徴とする請求項３に記載の電源装置。