JP2002267848A - 可変光減衰器、光モジュール、光増幅器及び光通信システム - Google Patents

可変光減衰器、光モジュール、光増幅器及び光通信システム

Info

Publication number
JP2002267848A
JP2002267848A JP2001062078A JP2001062078A JP2002267848A JP 2002267848 A JP2002267848 A JP 2002267848A JP 2001062078 A JP2001062078 A JP 2001062078A JP 2001062078 A JP2001062078 A JP 2001062078A JP 2002267848 A JP2002267848 A JP 2002267848A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
temperature
fiber grating
tension
optical attenuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001062078A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Kimura
直樹 木村
Yutaka Ishii
裕 石井
Tetsuya Sakai
哲弥 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2001062078A priority Critical patent/JP2002267848A/ja
Publication of JP2002267848A publication Critical patent/JP2002267848A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)
  • Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)
  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成で、かつ低損失な可変光減衰器を提
供し、この可変光減衰器を用いた温度無依存の光学特性
を有する光モジュール及び光増幅器を提供する。 【解決手段】ファイバグレーティング部2を覆うよう
に、張力印加機能を有するパッケージング部3を形成
し、ファイバグレーティング部2と、パッケージング部
3との材料の違いによって生じる熱膨張の差を利用し
て、長周期ファイバグレーティングの透過損失特性を変
化させて可変光減衰器を構成する。この可変光減衰器を
組み込んで、光モジュール及び光増幅器の温度依存性を
低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報通信分野で
用いられる光減衰器とこの光減衰器が組み込まれた光モ
ジュール及び光増幅器に関し、特に、温度による光学特
性の変動を低減することができる光モジュール及び光増
幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】帯域除去フィルタや光増幅器用利得等化
器等に用いられる光減衰器として、長周期ファイバグレ
ーティング(以下「LPFG」と略記する)や、短周期
ファイバグレーティング(以下「SPFG」と略記す
る)が用いられている。これらの光部品についてこれま
で、温度無依存化に向けての様々な技術開発がなされて
きた。このうち、LPFGについては、以下の3つの方
法が知られている。第1は、導波モード光とクラッドモ
ード光との実効屈折率の温度による変動を等しくする方
法である。これには、実効屈折率の温度による変動が大
きいコアに変動を小さくするための材料を添加する方法
と、実効屈折率の温度による変動が小さいクラッドに変
動を大きくする材料を添加する方法とがある。特開平9
−274115号公報には、コアにゲルマニウムとホウ
素とを共添加することにより、LPFGの温度による光
学特性変動の低減を図る方法が開示されている。第2
は、透過損失の中心波長の温度による変動を、張力によ
る変動によって相殺し、温度による光学特性の変動を抑
制する方法である。特開2000−89012号公報に
は、これによる実装方法が開示されている。第3は、光
ファイバの屈折率分布や、導波モード光と結合させるク
ラッドモード光を変えることにより、温度による光学特
性の変動を小さくする方法である。光ファイバの屈折率
分布を変える方法はOFC´96PD1において報告さ
れ、導波モード光と結合させるクラッドモード光のモー
ドを選択する方法はOFC´97FB1において報告され
ている。
【0003】一方、SPFGについては、温度による光
学特性変動を抑制するための方法として、張力によって
も光学特性が変動することを利用し、温度による光学特
性変動を張力による光学特性変動で補償する方法が最も
一般的である。このような、張力によるSPFGの温度
補償は、例えば、特開2000−347047号公報や
特開平10−96827号公報において提案されてい
る。これに対し、温度センサ等、光減衰器の温度による
特性変動を積極的に利用したものもある。また、光増幅
器に代表されるような、光減衰器を組み込む光モジュー
ルにおいて、他の光部品の温度による特性変動を補償す
べく、当該他の光部品が持つ温度特性と逆の温度特性を
有する光減衰器を用いることにより、光モジュール全体
の温度による特性変動を抑制する方法もある。希土類添
加導波路光増幅器において、増幅媒体(例えば、エルビ
ウム添加ファイバ(以下「EDF」と略記する))が持
つ利得の温度依存性に対し、温度依存型の利得等化器を
用いて温度補償したものが、特開2000−16495
5号公報及び特開2000−341213号公報におい
て提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開2000
−164955号公報及び特開2000−341213
号公報において提案された発明には、以下のような問題
点がある。EDFの有する増幅特性、具体的には、光増
幅器の利得、励起波長、励起方法、使用帯域の相違によ
って、このEDFの利得等化を行うために用いられる長
周期ファイバグレーティングの最適な温度特性が異なる
ため、多品種の長周期ファイバグレーティングを準備す
ることが必要となる。このことは光増幅器1品種につ
き、数種類の温度特性を有する光ファイバを、長周期フ
ァイバグレーティングの材料として準備する必要がある
ことを意味し、設計から製造までのスループットの劣化
及びコスト増をもたらすこととなる。本発明は、このよ
うな問題点を解決するためになされたもので、簡単な構
成で、かつ低損失な可変光減衰器を提供し、この可変光
減衰器を用いた温度無依存の光学特性を有する光モジュ
ール及び光増幅器と、この光増幅器を用いた光通信シス
テムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、ファイバグレーティング
部に張力印加部を設け、この張力印加部の温度変化によ
りファイバグレーティング部に張力変化を生じさせ、こ
の張力変化により透過損失特性が変化するようにしたこ
とを特徴とする可変光減衰器である。請求項2記載の発
明は、請求項1記載の発明において、張力印加部は、フ
ァイバグレーティング部を形成する光ファイバとは線膨
張係数の異なる物質により形成されたパッケージング部
からなることを特徴とする。請求項3記載の発明は、請
求項1又は2記載の発明において、張力印加部に加熱器
又は冷却器を設けたことを特徴とする。請求項4記載の
発明は、請求項1、2又は3記載の発明において、張力
印加部は、温度が1℃変化したときに、ファイバグレー
ティング部に印加される張力の変化量が−4.6gf以上
4.6gf以下であることを特徴とする。請求項5記載の
発明は、請求項1、2、3又は4記載の発明において、
張力印加部は、ファイバグレーティング部の透過損失特
性に応じて選択された材料により形成されていることを
特徴とする。請求項6記載の発明は、請求項5記載の可
変光減衰器が組み込まれた光モジュールにおいて、可変
光減衰器の透過損失特性が、光モジュールを構成する可
変光減衰器以外の光部品の光学特性の温度依存性とは逆
の温度依存性を有することにより、温度に依存しない光
学特性を有することを特徴とする光モジュールである。
請求項7記載の発明は、請求項5記載の可変光減衰器が
組み込まれた光増幅器において、可変光減衰器の透過損
失特性が、光増幅器を構成する増幅媒体の光学特性の温
度依存性とは逆の温度依存性を有することにより、温度
に依存しない光学特性を有することを特徴とする光増幅
器である。請求項8記載の発明は、請求項6記載の光増
幅器が組み込まれたことにより、信号光強度の温度によ
る変動を抑制することができることを特徴とする光通信
システムである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の可変光減衰器の第1の例を示す図であ
る。図1中、符号1は、光ファイバであり、この光ファ
イバ1上にファイバグレーティング部2が形成されてい
る。符号3は、張力印加機能を有するパッケージング部
である。このパッケージング部3は、2つ割りの形態と
なっており、それぞれが半円筒状の形状のものであり、
このパッケージング部3の内部には、その内部の空間に
ファイバグレーティング部2を収め、接着剤4によって
ファイバグレーティング部2固定している。パッケージ
ング部3は、線膨張率が大きい金属や、線膨張率が小さ
いガラス等によって形成されている。石英系ガラスを主
成分とするファイバグレーティング部2と、パッケージ
ング部3との材料の違いによって生じる熱膨張の差によ
って、ファイバグレーティング部2に張力が印加され
る。本発明のこの例においては、この張力の変化を利用
して、長周期ファイバグレーティングの透過損失特性を
変化させるものである。
【0007】以下、この原理について説明する。長周期
ファイバグレーティングは、光ファイバの長手方向に周
期が数十μmから1000μm程度の屈折率変調を形成する
ことにより、導波モード光をクラッドモード光へ結合さ
せるものである。長周期ファイバグレーティングの損失
ピークの中心波長(以下「中心波長」と略記する)は、
(1)式で表される。
【数1】 この中心波長は、導波モード光とクラッドモード光との
間でモード結合が生じる波長である。ここで、λPは中
心波長、Λは屈折率変調の変調周期、nel、ne nは導波
モード光及びクラッドモード光に対する実効屈折率を表
している。(1)式からわかるように、長周期ファイバ
グレーティングの中心波長は、導波モード光及びクラッ
ドモード光の実効屈折率と屈折率変調周期に依存してい
る。実効屈折率と屈折率変調周期は、温度や張力により
変化することから、長周期ファイバグレーティングの特
性は、温度依存性及び張力依存性を有している。
【0008】中心波長の温度依存性は、(1)式の両辺
を温度Tで微分することにより、(2)式で求められ
る。
【数2】 右辺第1項のdΛ/dTは、屈折率変調の変調周期の温
度による変化、すなわち光ファイバの熱膨張率を表して
いる。石英系光ファイバの主成分である石英の線膨張率
はきわめて小さいため、(2)式の右辺第1項の値は小
さい。また、長周期ファイバグレーティングのように、
屈折率変調の変調周期が大きい場合、右辺第2項の値は
大きくなるため、右辺全体として第1項は無視すること
ができる。このことから、長周期ファイバグレーティン
グの中心波長の温度依存性は、導波モード光とクラッド
モード光との実効屈折率の、温度による変動の差から生
じていることがわかる。
【0009】一方、中心波長の張力依存性は、(1)式
の両辺を張力τで微分することにより、(3)式で求め
られる。
【数3】 右辺第1項のdΛ/dτ、nel―nenはともに正である
から、右辺第1項は必ず正である。これに対し、右辺第
2項のdnel/dτ、dnen/dτはいずれも負である
が、この差はコア、クラッドの組成や屈折率の分布形状
等により、正負どちらの場合もあり得る。従って、張力
が長周期ファイバグレーティングに加えられた場合、中
心波長は長波長、短波長のいずれの方向にもシフトする
可能性がある。
【0010】次に、温度変化が生じたときに、ファイバ
グレーティング部2とパッケージング部3との熱膨張率
の差によって、ファイバグレーティング部2にかかる張
力の変化について説明する。ファイバグレーティング部
2にかかる張力をFとすると、その応力σはファイバグ
レーティング部2の断面積をSとして、σ=F/Sと書
くことができる。張力が0からFに変化したとき、ファ
イバグレーティング部2の長さがlからl+uに変化し
たとすると、そのひずみεは、ε=u/lと表される。
ヤング率Eは、E=σ/εであるから、ファイバグレー
ティング部2にかかる張力をFと、その張力による伸び
uとの関係は、(4)式により表される。
【数4】 張力によるファイバグレーティング部2の伸びは、ファ
イバグレーティング部2とパッケージング部3との線膨
張率の差によるものであるから、ファイバグレーティン
グ部2の線膨張率をαfiber, パッケージング部3の線
膨張率をαとすると、u=(α―αfiber)・l・ΔT
である。これを(4)式に代入すると、ファイバグレー
ティング部2にかかる張力Fは、(5)式で表される。
【数5】 (5)式から明らかなように、温度変化を生じると、フ
ァイバグレーティング部2にはパッケージング部3との
線膨張率差による張力が発生し、この張力の変化によっ
て、ファイバグレーティング部2の透過損失特性が変化
する。本発明のこの例によると、パッケージング部3の
材料を選択することにより、ファイバグレーティング部
2にかかる張力の、温度による変動量を変えることがで
きるため、所望の透過損失特性を有する可変光減衰器を
実現することができる。
【0011】図2は、本発明の可変光減衰器の第2の例
を示す図である。本発明の第1の例においては、環境温
度の変化によって、長周期ファイバグレーティングの透
過損失特性を受動的に変動させるものであったが、この
例においては、温度調節機構を設けることにより、温度
変化による長周期ファイバグレーティングの透過損失特
性の変化を能動的に生じさせるものである。図2におい
て、符号5は、パッケージング部3に設けられた加熱器
である。パッケージング部3が加熱されることにより、
パッケージング部3に温度変化が生じ、これに伴う張力
変化によって長周期ファイバグレーティングの透過損失
特性が変化する。なお、パッケージング部3に冷却器を
設けても同様の効果を得ることができる。本発明のこの
例によると、パッケージング部3に加熱器又は冷却器を
設けることにより、能動的に温度変化を起し、この温度
変化に伴う張力変化によって所望の透過損失特性を有す
る可変光減衰器を実現することができる。
【0012】図3は、本発明の光増幅器の例を示す図で
ある。この例は、パッケージング部3の材料を長周期フ
ァイバグレーティング毎に選択して組み合わせて、ED
F等の増幅媒体の利得の温度依存性と逆の温度依存性を
持つ可変光減衰器を作製し、この可変光減衰器を組み込
むことにより、増幅媒体の温度による特性変動を相殺し
て、温度依存性の小さい光増幅器を実現するものであ
る。図3中、符号11は信号光を伝送する光伝送路を示
す。この光伝送路11は、WDMカプラ12の入力ポー
トに接続されている。このWDMカプラ12の他の入力
ポートには、励起光源13が接続され、WDMカプラ1
2の出力ポートは、利得媒体であるEDF14の一端に
接続されている。このEDF14の他端は、第1の可変
光減衰器15及び第2の可変光減衰器16に接続されて
いる。この例において、各光部品間の接続は融着接続に
よって行われている。光伝送路11から送られる信号光
は、WDMカプラ12において励起光源13からの励起
光と合波され、EDF14の一端に入力されて光増幅さ
れる。この増幅光は、第1の可変光減衰器15及び第2
の可変光減衰器16によって利得等化され、光伝送路1
1に出力される。なお、この例においては、2つの可変
光減衰器によって利得等化を行ったが、用いられる可変
光減衰器の個数については、これに限定されるものでは
ない。本発明のこの例によると、EDF等の増幅媒体の
利得の温度依存性と逆の温度依存性を持つ可変光減衰器
を組み込むことにより、増幅媒体の温度による特性変動
を相殺して、温度依存性の小さい光増幅器を実現するこ
とができる。また、可変光減衰器により温度補償される
対象は、光増幅媒体に限らず、他の光部品であってもよ
く、この場合には、光部品の光学特性が有する温度依存
性と逆の温度依存性を持つ可変光減衰器を組み込むこと
により、光部品の温度による特性変動を相殺して、温度
依存性の小さい光モジュールを実現することができる。
【0013】図4は、本発明の光通信システムの例を示
す図である。図4中、符号21は送信局であり、符号2
2は受信局である。送信局21において、発光部31は
波長多重変換部(以下「MUX」と略記する)32に接
続され、この波長多重変換部32は、ブースタアンプ3
3に接続されている。受信局22において、受光部34
は波長多重分離部(以下「DMUX」と略記する)35
に接続され、この波長多重分離部35は、プリアンプ3
6に接続されている。この送信局21と受信局22と
は、光伝送路37で接続されている。この光伝送路37
中に、インラインアンプ38が接続されている。このブ
ースタアンプ33、インラインアンプ38、プリアンプ
36として、図3に示した光増幅器10が用いられてい
る。なお、インラインアンプ38として、光増幅器10
とアドドロップ回路等の光回路を収納した光中継器が用
いられる場合もある。発光部31により発光された波長
の異なる光は、波長多重変換部32において波長多重さ
れ、ブースタアンプ33により増幅されて信号光として
送信局21から送信される。信号光は多段に配置された
インラインアンプ38により光増幅され、受信局22に
達する。受信局21においては、プリアンプ36で増幅
された後、波長多重分離部35において波長多重分離さ
れ、受光部34により受光される。なお、この例におい
ては、波長多重光通信システムについて説明したが、光
増幅器10が用いられる光通信システムは、波長多重光
通信システムに限定されるものではなく、他の光通信シ
ステムにおいても適用される。本発明のこの例による
と、温度依存性の小さい光増幅器が組み込まれたことに
より、信号光強度の温度による変動を抑制することがで
きる光通信システムを実現することができる。
【0014】(実施例)以下、具体例を示す。図1に示
す構成の可変光減衰器を作製した。光ファイバとして、
石英系温度無補償型LPFG用ファイバを用いた。石英
系光ファイバの線膨張率は、20℃において0.4×10-6
〜0.55×10-6[1/K]、ヤング率は7.31×1010[N/
2]である。ここでは、線膨張率が0.50×10-6[1/
K]の石英系光ファイバを用いた。(5)式を用いて、
パッケージング部3に使用する各材料について、ファイ
バグレーティング部2にかかる張力を求めた結果を表1
に示す。
【表1】 また、中心波長の張力による変化量及び温度による変化
量を測定したところ、張力による変化量は−0.014nm
/gf、温度による変化量は+0.049nm/℃であっ
た。なお、波長の変動量は、短波長側にシフトした場合
を−、長波長側にシフトした場合を+の値で表してい
る。そこで、これらの測定値を用いて、張力による中心
波長の変化量を求め、さらに、温度による中心波長の変
化量とを加えた、中心波長の全変化量を計算した結果も
表1に示す。
【0015】長周期ファイバグレーティングの中心波長
の張力による変動量は、一般的に−0.03nm/gfから
+0.01nm/gfである。そこで、長波長ファイバグレ
ーティングの中心波長の張力による変動量が、−0.03n
m/gf、−0.02nm/gf、−0.01nm/gf、+0.
01nm/gfである場合について、パッケージング部3
の材料を選択することによる、中心波長の張力と温度に
よる変動量の計算結果を表2に示している。
【表2】 表2では、長周期ファイバグレーティングの温度依存性
によって生じる、中心波長の温度による変動量が+0.05
nm/℃である場合と、+0.002nm/℃である場合に
ついて示した。次に、長周期ファイバグレーティングの
使用温度範囲について検討すると、使用温度範囲は通常
−40℃から+80℃であり、狭い場合には、0℃から65℃
程度である。また、機械的信頼性の観点から、加えるこ
とができる張力は300gf以内であることが必要であ
る。従って、長波長ファイバグレーティングが最も緩ん
だときの張力を5gfとすると、この使用温度範囲にお
いて張力の限界値以内に収めるためには、1℃上昇した
ときの張力の変化を、使用温度範囲が−40℃から+80℃
の場合は2.5gf以内、使用温度範囲が0℃から65℃の場
合には、4.6gf以内とすることが必要となる。
【0016】シミュレーションの結果、この長周期ファ
イバグレーティングは、中心波長の温度に対する変化量
が+0.011nm/℃程度のときに最も温度による変動が
小さくなることがわかった。そのため、表1中より最適
な材料として亜鉛を選択し、パッケージング部3を作製
した。このような長周期ファイバグレーティングを2つ
縦列接続して可変光減衰器を作製した。この可変光減衰
器を用いて光増幅器の利得の温度依存性を補償した結果
について以下に説明する。
【0017】図5にEDFの利得の温度依存性を示す。
温度0℃、25℃、65℃における利得を、波長範囲1540n
mから1565nmについて測定した。この波長範囲では、
温度が高くなるに伴って短波長側の利得が低下し、長波
長側の利得が上昇している。従って、温度の上昇に伴っ
て、長周期ファイバグレーティングの中心波長を長波長
側にシフトさせることによって、増幅媒体の温度による
利得の変動を補償することができる。図6に、この可変
光減衰器を組み込んだ光増幅器の利得の温度依存性を示
す。利得が最大値となる1551nm付近及び1562nm付近
での、温度による利得の変動量は0.02dB及び0.06dB
であり、利得が最小値となる1547nm付近及び1565nm
付近での、温度による利得の変動量は0.30dB及び0.15
dBである。
【0018】本実施例に対する比較例として、25℃で設
計した温度無補償型長周期ファイバグレーティングを用
いた光増幅器の利得の温度依存性を図7に示す。利得が
最大値となる1551nm付近及び1562nm付近での、温度
による利得の変動量は0.24dB及び0.43dBであり、利
得が最小値となる1547nm付近及び1565nm付近での、
温度による利得の変動量は0.48dB及び0.53dBであ
る。この比較により、本発明の可変光減衰器を用いて増
幅媒体の利得の温度補償を行うことによって、利得の温
度依存性が低減されていることがわかる。
【0019】表3に、測定波長域内における利得の最大
値と最小値との差(以下「利得平坦度」と略記する。)
を示す。
【表3】 25℃においては、本発明の可変光減衰器を用いた場合
と、温度無補償型長周期ファイバグレーティングを用い
た場合のいずれも、0.79dBである。しかし、利得平坦
度の最大値は、本発明の可変光減衰器を用いた場合は0.
95dBであるのに対し、温度無補償型長周期ファイバグ
レーティングを用いた場合は1.31dBであることから、
本発明の可変光減衰器を用いた場合には、利得平坦度の
温度による変動が小さくなっていることがわかる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ファイバグレーティング部と、パッケージング部との材
料の違いによって生じる熱膨張の差を利用して、長周期
ファイバグレーティングの透過損失特性を変化させるこ
とにより、所望の透過損失特性を有する可変光減衰器を
実現することができる。また、パッケージング部に加熱
器又は冷却器を設けることにより、能動的に温度変化を
起し、この温度変化に伴う張力変化によって所望の透過
損失特性を有する可変光減衰器を実現することができ
る。また、光部品の光学特性が有する温度依存性と逆の
温度依存性を持つ可変光減衰器を組み込むことにより、
光部品の温度による特性変動を相殺して、温度依存性の
小さい光モジュールを実現することができる。また、E
DF等の増幅媒体の利得の温度依存性と逆の温度依存性
を持つ可変光減衰器を組み込むことにより、増幅媒体の
温度による特性変動を相殺して、温度依存性の小さい光
増幅器を実現することができる。また、温度依存性の小
さい光増幅器が組み込まれたことにより、信号光強度の
温度による変動を抑制することができる光通信システム
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変光減衰器の第1の例を示す図であ
る。
【図2】本発明の可変光減衰器の第2の例を示す図であ
る。
【図3】本発明の光増幅器の例を示す図である。
【図4】本発明の光通信システムの例を示す図である。
【図5】EDFの利得の温度依存性を示す図である。
【図6】本発明の光増幅器の利得の温度依存性を示す図
である。
【図7】温度無補償型長周期ファイバグレーティングを
用いた光増幅器の利得の温度依存性を示す図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ、2…ファイバグレーティング部、3…
パッケージング部、5…加熱器、10…光増幅器、14
…EDF、15…可変光減衰器、20…光通信システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/02 H04B 9/00 M 10/18 J 10/17 10/16 (72)発明者 酒井 哲弥 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 2H038 BA23 BA25 2H041 AA02 AB38 AC07 AZ05 AZ08 2H050 AC82 AC84 AD00 5F072 AB09 AK06 JJ05 KK30 YY17 5K002 AA06 BA02 BA05 CA01 CA10 CA11 CA13 DA02 FA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファイバグレーティング部に張力印加部
    を設け、この張力印加部の温度変化により該ファイバグ
    レーティング部に張力変化を生じさせ、この張力変化に
    より透過損失特性が変化するようにしたことを特徴とす
    る可変光減衰器。
  2. 【請求項2】 前記張力印加部は、前記ファイバグレー
    ティング部を形成する光ファイバとは線膨張係数の異な
    る物質により形成されたパッケージング部からなること
    を特徴とする請求項1記載の可変光減衰器。
  3. 【請求項3】 前記張力印加部に加熱器又は冷却器を設
    けたことを特徴とする請求項1又は2記載の可変光減衰
    器。
  4. 【請求項4】 前記張力印加部は、温度が1℃変化した
    ときに、前記ファイバグレーティング部に印加される張
    力の変化量が−4.6gf以上4.6gf以下であることを特
    徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記載の可変光
    減衰器。
  5. 【請求項5】 前記張力印加部は、前記ファイバグレー
    ティング部の透過損失特性に応じて選択された材料によ
    り形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又
    は4のいずれかに記載の可変光減衰器。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の可変光減衰器が組み込ま
    れた光モジュールにおいて、 該可変光減衰器の透過損失特性が、該光モジュールを構
    成する該可変光減衰器以外の光部品の光学特性の温度依
    存性とは逆の温度依存性を有することにより、温度に依
    存しない光学特性を有することを特徴とする光モジュー
    ル。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の可変光減衰器が組み込ま
    れた光増幅器において、 該可変光減衰器の透過損失特性が、該光増幅器を構成す
    る増幅媒体の利得の温度依存性とは逆の温度依存性を有
    することにより、温度に依存しない光学特性を有するこ
    とを特徴とする光増幅器。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の光増幅器が組み込まれた
    ことにより、信号光強度の温度による変動を抑制するこ
    とができることを特徴とする光通信システム。
JP2001062078A 2001-03-06 2001-03-06 可変光減衰器、光モジュール、光増幅器及び光通信システム Pending JP2002267848A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001062078A JP2002267848A (ja) 2001-03-06 2001-03-06 可変光減衰器、光モジュール、光増幅器及び光通信システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001062078A JP2002267848A (ja) 2001-03-06 2001-03-06 可変光減衰器、光モジュール、光増幅器及び光通信システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002267848A true JP2002267848A (ja) 2002-09-18

Family

ID=18921276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001062078A Pending JP2002267848A (ja) 2001-03-06 2001-03-06 可変光減衰器、光モジュール、光増幅器及び光通信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002267848A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007082387A1 (en) * 2006-01-23 2007-07-26 Itf Laboratories Inc. Optical fiber component package for high power dissipation
JP2009122403A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Furukawa Electric Co Ltd:The 温度補償型光ファイバグレーティング部品
CN103604383A (zh) * 2013-11-04 2014-02-26 天津大学 一种测量支吊架拉杆应变的光纤光栅传感器封装装置
KR101369949B1 (ko) 2012-11-01 2014-03-06 한국건설기술연구원 센서 이식판과 반원형 단면 강선의 결합구조의 심선을 이용한 강연선 및 그 제작방법
CN106644156A (zh) * 2016-10-28 2017-05-10 北京信息科技大学 应用于真空环境温度测量的光纤光栅温度传感器
CN108169856A (zh) * 2018-01-18 2018-06-15 衡东光通讯技术(深圳)有限公司 一种波长相关损耗的补偿方法及固定光衰减器

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007082387A1 (en) * 2006-01-23 2007-07-26 Itf Laboratories Inc. Optical fiber component package for high power dissipation
EP1977274A1 (en) * 2006-01-23 2008-10-08 Itf Laboratories Inc. Optical fiber component package for high power dissipation
EP1977274A4 (en) * 2006-01-23 2012-05-02 Itf Lab Inc HOUSING FOR FIBER COMPONENTS WITH HIGH LOSS PERFORMANCE
JP2009122403A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Furukawa Electric Co Ltd:The 温度補償型光ファイバグレーティング部品
KR101369949B1 (ko) 2012-11-01 2014-03-06 한국건설기술연구원 센서 이식판과 반원형 단면 강선의 결합구조의 심선을 이용한 강연선 및 그 제작방법
CN103604383A (zh) * 2013-11-04 2014-02-26 天津大学 一种测量支吊架拉杆应变的光纤光栅传感器封装装置
CN106644156A (zh) * 2016-10-28 2017-05-10 北京信息科技大学 应用于真空环境温度测量的光纤光栅温度传感器
CN108169856A (zh) * 2018-01-18 2018-06-15 衡东光通讯技术(深圳)有限公司 一种波长相关损耗的补偿方法及固定光衰减器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6049414A (en) Temperature-compensated rare earth doped optical waveguide amplifiers
EP1441454B1 (en) Optical amplifier having polarization mode dispersion compensation function
US6538807B2 (en) Amplification optical fiber, fiber optic amplifier, optical transmitter, and optical communication system
US20160054519A1 (en) Optical transmission medium and optical amplifier
JP2000208840A (ja) 光増幅装置
JPH11119030A (ja) 分散補償装置
EP1176742A2 (en) Raman amplifier module and optical transmission system using the same
JP3353811B2 (ja) 光学デバイス
US6542666B2 (en) Optical component
JP2002267848A (ja) 可変光減衰器、光モジュール、光増幅器及び光通信システム
EP1162768A1 (en) System and method for amplifying a WDM signal including a Raman amplified Dispersion-compensating fibre
EP1304775B1 (en) Dispersion-compensated optical fiber amplifier
EP1396951B1 (en) Optical amplifier, method for compensating for temperature dependency of gain flatness of an optical amplifier, and optical transmission path including optical amplifier
JP2006064852A (ja) 分散補償器
JP3468097B2 (ja) 超広帯域波長分散補償・増幅デバイス
JP2002158384A (ja) 増幅用光ファイバ、光ファイバ増幅器、光送信器及び光通信システム
EP1313235B1 (en) Optical amplifier and optical communication system including the same
US6697575B1 (en) System and method for increasing capacity of long-haul optical transmission systems
Pan et al. Advantages of low-cost, miniature, intelligent EDFAs for next-generation dynamic metro/access networks
JP2002314179A (ja) 光利得等化器、光増幅装置及び光伝送システム
JPH09167995A (ja) 光伝送路補償装置および光波長多重伝送システム
US7068879B2 (en) Gain flattening device for an optical fiber amplifier
JP2002333526A (ja) 可変光減衰器、光増幅器及び光通信システム
JP2003188445A (ja) 光増幅器及び光増幅部品
JP2002359419A (ja) 光ファイバカプラとこれを用いた光増幅器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080916

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081216