JP2002263192A - 半閉鎖循環式人工呼吸システム及び同システムに使用するキャニスター - Google Patents

半閉鎖循環式人工呼吸システム及び同システムに使用するキャニスター

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JP2002263192A
JP2002263192A JP2001067596A JP2001067596A JP2002263192A JP 2002263192 A JP2002263192 A JP 2002263192A JP 2001067596 A JP2001067596 A JP 2001067596A JP 2001067596 A JP2001067596 A JP 2001067596A JP 2002263192 A JP2002263192 A JP 2002263192A
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剛 平林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 揮発性麻酔薬と二酸化炭素吸収剤との反応性
を増加させることなく低流量麻酔法を実施可能とするシ
ステムの実現。 【構成】 患者から排出された呼気の一部を系外へ排気
し、その後呼気に含まれている二酸化炭素を除去するた
めに吸収し、さらに酸素と麻酔薬とを含む新鮮気を補充
したのち吸気として患者に吸収させる過程を繰り返す半
閉鎖循環式人工呼吸システムにおいて、酸素と揮発性麻
酔薬とを含む新鮮気の合計供給量を1l/min以下と
する低流量麻酔法を行うにあたり、二酸化炭素を吸収す
る二酸化炭素吸収剤の温度を20−40℃の範囲に保持
し、揮発性麻酔薬と二酸化炭素吸収剤との反応性を抑制
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、患者から排出され
た呼気の一部を系外へ排気し、その後、呼気に含まれて
いる二酸化炭素を除去するために吸収し、さらに酸素と
麻酔薬とを含む新鮮気を補充したのち吸気として患者に
吸収させる過程を繰り返す半閉鎖循環式人工呼吸システ
ムにおいて、酸素と揮発性麻酔薬とを含む新鮮気の合計
供給量を1l/min以下とする低流量麻酔法を行うシ
ステム及び同システムに使用するキャニスターに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】人工呼吸は閉鎖循環式(再呼吸式)、半
閉鎖循環式(部分再呼吸式)、開放式(非再呼吸式)の
各回路を有するタイプに分類される。閉鎖循環式回路は
患者から排出された酸素、二酸化炭素、麻酔ガスのうち
二酸化炭素を取り除き、酸素と麻酔ガスをほぼ全てリサ
イクルする。開放式回路は患者から排出された酸素、二
酸化炭素、麻酔ガスを全て排気する。半閉鎖循環式は閉
鎖循環式回路と開放式回路の中間的なもので、二酸化炭
素を除去し、酸素と麻酔ガスをリサイクルするが、常に
ある程度の酸素と麻酔ガスを供給し、またある程度の酸
素と麻酔ガスは排気される。麻酔に用いられる人工呼吸
器の大半はこの半閉鎖循環式である。
【0003】低流量麻酔法とは半閉鎖循環式麻酔におい
て酸素と麻酔ガス供給量を1l/min以下としたもの
をいう(低流量500−1000ml/min、中流量
1−2l/min、高流量>2l/min)。低流量麻
酔は酸素と麻酔ガス消費量が少なく、排気量も少ないた
め、コスト及び環境面において高流量麻酔よりも有利で
ある。
【0004】しかし、低流量麻酔薬では人工呼吸器回路
内の温度較差を原因として結露が大量に発生し、気流抵
抗の増加あるいは機械的トラブルの原因となり得る。ま
た、揮発性麻酔薬と二酸化炭素吸収剤の反応によって産
生される有害な分解化合物(コンパウンドA及び一酸化
炭素)の回路内濃度が低流量麻酔では増加するなどの問
題が指摘されている。例えばセボフレン(丸石製薬社製
揮発性麻酔薬の商品名)を使用した低流量麻酔では分解
化合物であるコンパウンドAの回路内濃度が増加する。
コンパウンドAにはヒトでの腎毒性は証明されていない
が、ラットの実験では腎毒性が認められ、低流量でのセ
ボフレンの使用については議論が絶えない。また、フォ
ーレン(ダイナポット社製揮発性麻酔薬の商品名)を使
用した低流量麻酔では一酸化炭素の回路内濃度が増加す
るとされている。
【0005】一方では揮発性麻酔薬と二酸化炭素吸収剤
の反応性を増加させ、分解化合物を増加させる要因が明
らかにされつつあり、現在まで以下の点が報告されてい
る。
【0006】1)二酸化炭素吸収剤の性質:二酸化炭素
吸収剤は水酸化カルシウムを主成分とするが、水酸化カ
リウム或いは水酸化ナトリウムを含むバラライム及びソ
ーダライムは分解化合物の産生量が多い。一方、水酸化
カリウム或いは水酸化ナトリウムを含まないアムソーブ
(アームストロング社製二酸化炭素吸収剤の商品名)で
は分解化合物の産生は少ない。
【0007】2)二酸化炭素吸収剤の水分含有率:長時
間の高流量麻酔、週末あけの二酸化炭素吸収剤は乾燥し
ている。二酸化炭素吸収剤の水分含有率が低いほど分解
化合物の産生量が多い。逆に、二酸化炭素吸収剤に水分
を添加すると分解化合物の産生は減ずる。
【0008】3)揮発性麻酔薬の濃度:高濃度の揮発性
麻酔薬を使用した場合は分解化合物の産生量が多い。
【0009】4)二酸化炭素吸収剤の温度:二酸化炭素
吸収剤と反応する二酸化炭素或いは揮発性麻酔薬が多い
ほど熱を発生する。従って、再呼吸率が高い低流量麻酔
では二酸化炭素吸収剤の温度が上昇しやすい。また、二
酸化炭素吸収剤の温度が高いほど分解化合物の産生量が
多くなるが、キャニスターを水槽で冷却し、分解化合物
が減少した、と報告されている。
【0010】前記報告に示された事項において、1)に
ついては、確かにアムソーブは高温かつ乾燥した状態で
も分解化合物の産生は微量であるが、高価であり、かつ
二酸化炭素吸収能が劣るため、結局アムソーブはランニ
ングコストが高いという欠点を持つ。また、低流量麻酔
での人工呼吸器回路内の温度格差を軽減するわけではな
く、回路内の結露の問題は依然残されたままである。
2)については、二酸化炭素吸収剤の乾燥は麻酔科医の
注意によって回避できる。また二酸化炭素吸収剤に水分
を添加することは二酸化炭素吸収能低下及び気流抵抗増
加となるため有効とはいえない。
【0011】低流量麻酔での人工呼吸器回路内の結露の
発生及び有害な分解化合物の産生増加は、人工呼吸器回
路内において二酸化炭素吸収剤が極端に高温になること
に起因すると考えられる。そこで本発明者は、4)の二
酸化炭素吸収剤の温度を低く保つことに着目し、研究の
結果、本発明を完成した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、揮発性麻酔薬と二酸化炭素吸収剤の反応性を増加さ
せることなく低流量麻酔法を実施可能とすることであ
る。また本発明の他の課題は低流量麻酔を安全に施行で
きるようにすることによって、環境、経済面のみなら
ず、新しい人工呼吸器開発にも寄与することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め本発明は、患者から排出された呼気の一部を系外へ排
気し、その後、呼気に含まれている二酸化炭素を除去す
るために吸収し、さらに酸素と麻酔薬とを含む新鮮気を
補充したのち吸気として患者に吸収させる過程を繰り返
す半閉鎖循環式人工呼吸システムにおいて、酸素と揮発
性麻酔薬とを含む新鮮気の合計供給量を1l/min以
下とする低流量麻酔法を行うにあたり、二酸化炭素を吸
収する二酸化炭素吸収剤の温度を20−40℃の範囲に
保持し、揮発性麻酔薬と二酸化炭素吸収剤との反応性を
抑制して行うという手段を講じている。
【0014】また、当該低流量麻酔法を行うためには、
アルミニウム又は銅もしくはこれらと同程度の熱伝導率
を有する材料によって二酸化炭素吸収剤を冷却するため
収容する、キャニスターの外筐を形成し、かつまた上記
と同種の材料によって形成した冷却板をその内部に配置
するキャニスターを使用することが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の半閉鎖循環式人工呼吸シ
ステムにおいて、二酸化炭素吸収剤を冷却すれば水分含
有率は保たれると考えられる。しかし、人工呼吸器の回
路内温度格差は結露を引き起こす。二酸化炭素吸収剤を
20℃まで冷却すれば分解化合物の回路内濃度は減ずる
であろうが、二酸化炭素吸収剤の水分含有率は増加し、
二酸化炭素吸収力及び通気性に弊害を生じる可能性があ
る。回路内温度格差を軽減し、二酸化炭素吸収剤の湿度
を適度に保つためにも二酸化炭素吸収剤の温度は20−
40℃、より好ましくは30−35℃に保つことが有効
である。
【0016】これに対し、高流量麻酔で行った場合は従
来のキャニスターがプラスチック製の容器を有していて
も二酸化炭素吸収剤の温度も上昇せず、人工呼吸器回路
内の分解化合物濃度は増加しない。しかし、吸気の温度
は低下し乾燥する。また、麻酔ガスと酸素の消費量及び
排気量は低流量麻酔よりも多い(図3)。
【0017】一方、従来のキャニスターで低流量麻酔を
行った場合、リサイクルされる揮発性麻酔薬が増加する
一方で、二酸化炭素吸収剤と反応する二酸化炭素及び揮
発性麻酔薬も増加するために二酸化炭素吸収剤の温度は
40−50℃まで上昇する。二酸化炭素吸収剤はキャニ
スターの下部から反応し消費され、時間の経過とともに
上部に移行するため、キャニスター内部においても温度
格差を認める。最も反応が激しい部位で二酸化炭素吸収
剤の温度は最大に上昇し水分含有率は低下し、有害な分
解化合物産生は増加する。その上部に位置する二酸化炭
素吸収剤は相対的に温度が低くなるために結露によって
水分含有率が増加し、気流抵抗の増加や二酸化炭素吸収
能力の低下を来しうる。さらに吸気系回路で急激に温度
が低下するために、吸気系回路内に大量に結露が発生す
る(図4)。
【0018】図1は新鮮気を形成する装置を示してお
り、各気体源から酸素、空気、笑気を任意で供給できる
(酸素20%以上)。それらが集合し、麻酔気化器を通
過する際、麻酔ガスが供給され、これらの総合された気
体が新鮮気として人工呼吸器回路内で供給される。新鮮
気は冷たく乾燥している。新鮮気が1l/min以下の
ものが低流量麻酔、2l/min以上のものが高流量麻
酔である。人工呼吸器の結露、二酸化炭素吸収剤の水分
含有率に及ぼす影響を顧慮すると人工呼吸器回路内(キ
ャニスター内部の温度を含めて)の温度格差が少ない方
が望ましい。本発明は、キャニスターの外筐を、内部の
熱を放出するよう熱伝導率の良いアルミ又は銅製もしく
はこれらと同等の熱伝導率を有する材料によって形成
し、キャニスター内部での温度格差を軽減するために同
種材料の板を幾層にもキャニスター内部に設置すること
ができる。さらにペルチェ樹脂と温度コントローラーを
用いて二酸化炭素吸収剤を20−40℃より好ましくは
30−35℃に維持するよう冷却するものである。これ
により、低流量麻酔においても極端な二酸化炭素吸収剤
の温度上昇を防ぎ、人工呼吸器回路内の温度は上記温度
範囲の或る値において一定とすることが可能となる。そ
れにより、有害な分解化合物の産出は減少し、吸気系回
路内の結露は解決される(図2)。
【0019】
【実施例】以下実施例及び比較例により図面を参照しな
がら本発明を詳細に説明する。図1において、11、1
2、13は酸素、空気、笑気の各供給配管、14、1
5、16は各供給配管に設けた絞り弁、17、18、1
9は各気体の流量計、20は酸素混合比調節器、21は
麻酔気化器として示された揮発性麻酔薬の供給部を示
す。また、図2以下において、30は循環回路として示
された人工呼吸器回路、31は逆止弁で示された呼気
弁、32は同様の吸気弁、33は流量計、34は圧力
計、35は酸素センサ、36は合流部逆止弁、37はP
EEP/Pmax(呼気終末陽圧換気圧/最高軌道内
圧)調整弁、38はAPL(手動・調節呼吸変換)弁、
39は手動換気バッグで示された加圧手段、40はベン
チレーター、41はキャニスターをそれぞれ示す。
【0020】実施例−1 二酸化炭素吸収剤冷却装置を使用した低流量麻酔(新鮮
気流量1l/minとした場合、図2) 呼気:酸素、二酸化炭素、麻酔ガスを含む。回路内流
量は約7l/min(成人で1回換気量600ml、呼
吸回数12回で、分時換気量は7200ml/minと
した場合)、で温度は約36℃、湿度は100%であ
る。 排気:酸素、二酸化炭素、麻酔ガスを含む。低流量麻
酔(新鮮気流量 1l/min)では排気量は約1l/
minとなる。有害な分解化合物も少量排出される。リ
サイクル率は高い。 キャニスター:排気された残り約6l/minが温度
30−36℃、湿度100%でキャニスターへ流入す
る。キャニスターの熱伝導率が良いためにキャニスター
内の温度格差はなく二酸化炭素吸収剤の温度を30−3
5℃に維持できる。それにより有害な分解化合物の産生
を軽減できる。二酸化炭素は除去され、酸素と麻酔ガス
がリサイクルされる。 新鮮気流入、呼気:冷たく、乾燥した新鮮気(流量1
l/min)とリサイクルされた6l/minが合流
し、ベンチレーターによって患者に吸気される(7l/
min)。暖かく湿度の高い酸素と麻酔ガスが患者に吸
気され、有害な分解化合物を軽度含むのみとなる。人工
呼吸器の回路内温度格差が少ないために吸気弁での結露
を軽減できる。
【0021】比較例−1 従来のキャニスターを使用した高流量麻酔(新鮮気流量
6l/minとした場合、図3) 呼気:酸素、二酸化炭素、麻酔ガスを含む。回路内流
量は約7l/min(成人で1回換気量600ml、呼
吸回数12回で、分時換気量は7200ml/minと
した場合)、で温度は約36℃、湿度は100%であ
る。 排気:酸素、二酸化炭素、麻酔ガスを含む。高流量麻
酔(新鮮気流量6l/min)では排気量は約6l/m
inとなる。酸素と麻酔ガスとともに有害な分解化合物
も排出される。リサイクル率は低い。 キャニスター:排気された残り約1l/minが温度
30−36℃、湿度100%でキャニスターへ流入す
る。二酸化炭素吸収剤の温度はあまり上昇しない。二酸
化炭素吸収剤と反応する二酸化炭素、麻酔ガスが少ない
ためと考えられる。したがって、有害な分解化合物の産
生は少ない。二酸化炭素は除去され、酸素と麻酔ガスが
リサイクルされる。 新鮮気流入、吸気:冷たく、乾燥した新鮮気(流量6
l/min)とリサイクルされた1l/minが合流
し、ベンチレーターによって患者に吸気される(7l/
min)。有害な分解化合物は微量だが冷たく乾燥した
酸素と麻酔ガスが患者に吸気される。吸気系回路内の結
露は認めにくい。
【0022】比較例−2 従来のキャニスターを使用した低流量麻酔(新鮮気流量
1l/minとした場合、図4) 呼気:酸素、二酸化炭素、麻酔ガスを含む。回路内流
量は約7l/min(成人で1回換気量600ml、呼
吸回数12回で、分時換気量は7200ml/minと
した場合)、で温度は約36℃、湿度は100%であ
る。 排気:酸素、二酸化炭素、麻酔ガスを含む。低流量麻
酔(新鮮気流量1l/min)では排気量は約1l/m
inとなる。有害な分解化合物も排出される。リサイク
ル率は高い。 キャニスター:排気された残り約6l/minが温度
30−36℃、湿度100%でキャニスターへ流入す
る。二酸化炭素吸収剤の温度は一部の部位で40−50
℃まで上昇する。二酸化炭素吸収剤と反応する二酸化炭
素、麻酔ガスが多いためと考える。有害な分解化合物の
産出は多くなる。二酸化炭素は除去され、酸素と麻酔ガ
スがリサイクルされる。 新鮮気流入、吸気:冷たく、乾燥した新鮮気(流量1
l/min)とリサイクルされた6l/minが合流
し、ベンチレーターによって患者に吸気される(7l/
min)。暖かく湿度の高い酸素と麻酔ガスが患者に吸
気されるが有害な分解化合物を大量に含む。吸気系回路
内で急激に温度低下するため結露を認める。
【0023】二酸化炭素吸収剤冷却装置付のキャニスタ
ーの実施例を図5に示す。図5においてキャニスター5
0は勢伝導率の高いアルミニウム製の容器外筐51を有
し、その内部にアルミニウム製の冷却板52を複数個、
均等な間隔で設けている。キャニスター内部の温度格差
を低下させるためには、二酸化炭素吸収剤の外筐内への
収容量に対して冷却板面積が大きいほど有効である。さ
らに、キャニスター内部の温度検出のために温度センサ
ー53を少なくとも1個設け、また二酸化炭素吸収剤の
温度を30−35℃に保つために温度コントローラー5
4と、温度制御手段55としての放熱器及びペルチェ樹
脂を配置する。なお温度調節の効率を高めるために外筐
51の外側を断熱材56によって覆っている(単に実験
用なので臨床では必要ない)。57は吸気口58を有す
る二酸化炭素吸収剤分離台、59はキャニスター内の結
露を防ぐための底面断熱板、60は接続ケーブル、61
は制御部である。なお、呼気はキャニスター50の流入
口、流出口から流入流出する。
【0024】このキャニスター50は、二酸化炭素吸収
剤分離台及び底面断熱板とともに二酸化炭素吸収剤を内
部にセットし、図2の人口呼吸器回路に適用する。その
ようにして無負荷冷却試験を行い、得られた数値及びグ
ラフを図6に示す。この冷却特性によれば、所期の温度
範囲に二酸化炭素吸収剤を保持できていることが明らか
である。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成されかつ作用す
るものであるから、低流量麻酔法においてもキャニスタ
ー内及び人口呼吸器回路内の温度格差は軽減し、20−
40℃好ましくは30−35℃の範囲で一定となり、吸
気弁の結露が解決され、また、有害な分解化合物の人口
呼吸器回路内濃度を軽減することができる。低流量麻酔
を安全に行うことを可能とする本発明は低流量麻酔法の
普及に役立ち、揮発性麻酔薬の大気汚染を軽減し、笑
気、酸素および揮発性麻酔薬消費量を減少させるなど、
環境面と医療コスト削減につながるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半閉鎖循環式人工呼吸システムに
おける気体供給部のガスフローダイヤグラム。
【図2】本発明の技術における低流量麻酔法の実施例を
示すガスフローダイヤグラム。
【図3】従来の技術における高流量麻酔法を示すガスフ
ローダイヤグラム。
【図4】従来の技術における低流量麻酔法を示すガスフ
ローダイヤグラム。
【図5】本発明に係るキャニスターの実施例を示す斜視
図。
【図6】本発明のキャニスターによる無負荷冷却特性を
示すグラフ。
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月9日(2001.10.
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】低流量麻酔法とは半閉鎖循環式麻酔におい
て酸素と麻酔ガス供給量をl/min以下としたもの
をいい、麻酔ガス供給量が2l/min以上を高流量麻
酔法という(狭義には1〜2l/minを中流量という
ことがある)。低流量麻酔は酸素と麻酔ガス消費量が少
なく、排気量も少ないため、コスト及び環境面において
高流量麻酔よりも有利である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め本発明は、患者から排出された呼気の一部を系外へ排
気し、その後、呼気に含まれている二酸化炭素を除去す
るために吸収し、さらに酸素と麻酔薬とを含む新鮮気を
補充したのち吸気として患者に吸収させる過程を繰り返
す半閉鎖循環式人工呼吸システムにおいて、酸素と揮発
性麻酔薬とを含む新鮮気の合計供給量をl/min以
下とする低流量麻酔法を行うにあたり、二酸化炭素を吸
収する二酸化炭素吸収剤の温度を20−40℃の範囲に
保持し、揮発性麻酔薬と二酸化炭素吸収剤との反応性を
抑制して行うという手段を講じている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】図1は新鮮気を形成する装置を示してお
り、各気体源から酸素、空気、笑気を任意で供給できる
(酸素20%以上)。それらが集合し、麻酔気化器を通
過する際、麻酔ガスが供給され、これらの総合された気
体が新鮮気として人工呼吸器回路内で供給される。新鮮
気は冷たく乾燥している。新鮮気がl/min以下の
ものが低流量麻酔、2l/min以上のものが高流量麻
酔である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者から排出された呼気の一部を系外へ
    排気し、その後、呼気に含まれている二酸化炭素を除去
    するために吸収し、さらに酸素と麻酔薬とを含む新鮮気
    を補充したのち吸気として患者に吸収させる過程を繰り
    返す半閉鎖循環式人工呼吸システムにおいて、酸素と揮
    発性麻酔薬とを含む新鮮気の合計供給量を1l/min
    以下とする低流量麻酔法を行うにあたり、二酸化炭素を
    吸収する二酸化炭素吸収剤の温度を20−40℃の範囲
    に保持し、揮発性麻酔薬と二酸化炭素吸収剤との反応性
    を抑制して行うようにしたことを特徴とする半閉鎖循環
    式人工呼吸システム。
  2. 【請求項2】 二酸化炭素吸収剤の温度を30−35℃
    の範囲に保持した請求項1記載の半閉鎖循環式人工呼吸
    システム。
  3. 【請求項3】 患者から排出された呼気の一部を系外へ
    排気し、その後、呼気に含まれている二酸化炭素を除去
    するために吸収し、さらに酸素と麻酔薬とを含む新鮮気
    を補充したのち吸気として患者に吸収させる過程を繰り
    返す半閉鎖循環式人工呼吸システムにおいて、酸素と揮
    発性麻酔薬とを含む新鮮気の合計供給量を1l/min
    以下とする低流量麻酔法を行うために、アルミニウム又
    は銅もしくはこれらと同程度の熱伝導率を有する材料に
    よって二酸化炭素吸収剤を冷却するため収容する、キャ
    ニスターの外筐を形成し、かつまたその内部に配置する
    冷却板を上記と同種の材料によって形成したことを特徴
    とする半閉鎖循環式人工呼吸システムに使用するキャニ
    スター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006507882A (ja) * 2002-12-02 2006-03-09 モレキュラー プロダクツ リミテッド 二酸化炭素吸収器具及びその方法
CN103071219A (zh) * 2011-10-25 2013-05-01 北京航天长峰股份有限公司 一种麻醉呼吸机的气路结构

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006507882A (ja) * 2002-12-02 2006-03-09 モレキュラー プロダクツ リミテッド 二酸化炭素吸収器具及びその方法
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