JP2002260981A - 電子ビーム描画方法および装置 - Google Patents

電子ビーム描画方法および装置

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JP2002260981A
JP2002260981A JP2001053412A JP2001053412A JP2002260981A JP 2002260981 A JP2002260981 A JP 2002260981A JP 2001053412 A JP2001053412 A JP 2001053412A JP 2001053412 A JP2001053412 A JP 2001053412A JP 2002260981 A JP2002260981 A JP 2002260981A
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electron beam
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pattern
electron
area
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JP2001053412A
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English (en)
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Yasunari Hayata
康成 早田
Hiroya Ota
洋也 太田
Akiyoshi Tanimoto
明佳 谷本
Masato Muraki
真人 村木
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Hitachi Ltd
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Canon Inc
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一括図形照射法の制約要因を低減し電子ビー
ム描画装置の高速化を図る。 【構成】 個々にブランキングが可能な複数の電子ビー
ムで、大きさが可変の領域内をラスター走査する工程
を、領域の大きさに対応した間隔で逐次繰り返すことに
よって試料上に所望のパターンを描画する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子ビーム描画装置に係
わり特に高速高精度な電子ビーム描画方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子ビーム描画装置はパターン発生機能
を生かし、LSIの製造に寄与してきた。従来の描画装
置はパターンをポイントビームに分解するかあるいは矩
形ビームに分解して描画してきた。比較的新しい方式と
してはジャーナルオブヴァキュームサイエンスアンドテ
クノロジー、ビー9巻6号2940頁から2943頁で
早田等が述べているように複雑な形状の電子ビームを形
成することによりスループットを向上させる一括図形照
射法と呼ばれる試みも行われている。また、個々にブラ
ンキングが可能な複数の電子ビームで一定の大きさの複
数の微小領域を独立に電子ビームで走査して、これらの
微小領域を総合して一定の大きさのパターン領域を描画
することを逐次繰り返すことによって試料上に所望のパ
ターンを描画することも提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一括図
形照射法は電子ビームマスクを用いるために描画するL
SIに応じて開口パターンの異なるマスクを用いる必要
がある。また、一定の大きさのパターン領域を逐次描画
するだけでは、多様なパターン要求に応えることができ
ない。本発明の課題は開口パターンによる制限が少な
く、かつ、多様なパターン要求に応えることができる高
速な電子ビーム描画方法および装置を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、個々にブラン
キングが可能な複数の電子ビームで、複数の単位となる
微小領域を独立に電子ビームで走査してこれらの微小領
域を総合してある大きさのパターン領域を描画する場合
に、微小領域の総合による領域の大きさを可変とするこ
とを可能として多様なパターン要求に応えることがで
き、かつ、スループットの向上を可能とするものであ
る。さらに、本発明では、単位となる微小領域の大きさ
自体を任意に変更することも可能であるので、パターン
描画の自由度は非常に大きいものにできる。
【0005】個々にブランキングが可能な複数の電子ビ
ームの形成方法にはいくつかの手段があるが、例えば、
アブストラクツオブ40回エレクトロンイオンフォトン
ビームアンドナノファブリケーション44頁で村木等が
述べているように電子源からの電子ビームを個別の素子
により静電光学素子により複数に分割する手段がある
が、本発明は電子ビームの形成方法がどういうものであ
っても適用できる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をいくつかの実施例
について図面を参照しながら説明する。
【0007】(実施例1)図1に本発明の実施例を実現
する装置の構成例を示す。ブランキングが可能な複数の
励起光源としてのブランキングユニット119により励
起光を発生させる。励起光としてはGaAsレーザーか
らの光を使用する。これを光ファイバー100により光
電子面101上にマイクロレンズにより集光させて光電
子面101から電子を放出させる。102は引き出し電
極である。光電子面101にはGaAlAs薄膜にCs
を真空中で蒸着したものを用いた。別の方法としてはエ
キシマレーザーとAuの組み合わせも考えられる。光電
子面101に照射される励起光の間隔は1μmであり4
0×40のアレイ状に形成されている。放出された電子
ビームはアノード電極120により50kVで加速され
る。さらに第1転写レンズ103および第2転写レンズ
104の2つのレンズにより拡大されて電子線マスク1
06に投影される。倍率は12.5倍である。
【0008】図2に電子線マスク106の平面図を示
す。本実施例では電子線マスク106は5μm厚のシリ
コンを用いた。電子線マスク106には40×40個の
1.25μm角の開口202が縦横いずれも12.5μ
mピッチで並んでいる。この上に電子源像203が投影
される。電子線マスク106の開口202以外の部分に
照射された電子は散乱されて電子線マスク106を透過
するので、後段に対物絞り122を設ければ試料114
上には到達しない。実際は試料114上には電子線マス
ク106像が形成されるので、電子源像203は必ずし
も厳密に電子線マスク106上に形成される必要はな
い。電子線マスク106の開口202を通過した電子は
第1縮小レンズ107、第2縮小レンズ108の2つの
レンズと対物レンズ111を介して試料114上に結像
される。
【0009】本発明のような複数ビームを使う方式では
ビーム間の距離を正確に制御する必要があるが、本実施
例では電子線マスク106を用いることによりビーム間
の距離の精度を電子線マスク106上の開口202の間
隔の精度に置き換えることが出来る。電子線マスク10
6から試料114への縮小率を50としているために、
電子線マスク106の製作誤差を試料114上では1/
50とすることが出来る。電子源像203を一旦拡大す
るのはより大きな電子線マスク106を使用することで
電子ビーム間の距離の精度を向上させることにある。電
子線マスク106の開口間距離は50nmの誤差範囲で
作られており、試料114上での誤差範囲は1nmとな
る。また、電子線マスク106の開口を1.25μmと
しているために試料114上では収差を除くと電子ビー
ムの大きさ(太さ)は25nmとなる。この大きさは収
差と同等若しくはそれ以下が望ましい。また、25nm
は50nmクラスのLSIを描画するうえに最低限必要
な小ささである。電子源(光電子面102)そのものに
マスクをして放出領域を規定することも可能であるが、
電子放出特性に悪影響を与える可能性があることや、電
子引き出し光学系における像歪みの影響を受けるなど不
利な点が多い。また、実施例1のように光源から離した
マスクの方がマスクの交換も楽である。
【0010】また、ラスター走査するためには電子ビー
ムの大きさは小さいほうがよい。このためには光電子の
ような電子源がある程度の面積を持つ場合は電子源像近
傍に電子ビームマスクを設け、電子源からの電子ビーム
でマスクを照射し、各電子ビームをそれぞれ個別の開口
部を通過させ、マスクの像で試料上を描画することが良
い。これにより電子ビームの試料上での大きさを小さく
することが出来る。また、複数の電子ビームの間隔をマ
スクの開口の間隔で正確に規定できる。このためには電
子源像を拡大系としマスクを大きくすることが試料上で
の精度を向上させる上で望ましい。
【0011】ビーム間距離の誤差の問題は電子源を大き
くすることにより電子源での精度を縮小させて対処する
方法もある。実施例1では電子源は50kVの加速電圧
での半開口角が1mrad、2×106A/cm2str
の輝度である。対物レンズ111の収差を抑えるには対
物レンズ111での半開口角を4mradとする必要が
あり、電子源像203は1/4にしか縮小されない。従
って、必然的に電子源像203から電子線マスク106
への投影は拡大系になる。もっと高輝度な使い方をすれ
ば電子源からの半開口角分の電子を全て使わずに十分な
電流がとれるために電子源像203の縮小率を大きくで
きる。この場合は電子源間距離の誤差はより縮小される
ので、電子線マスク106を用いることのない光学系を
組むことも可能である。しかし、電子源にとっては低輝
度の方が負荷が軽いために実施例1では電子としては比
較的低い輝度での使用方法を選んだ。その結果が電子線
マスク106の使用とマスクへの拡大照射である。
【0012】ステージ115上の試料114は実施例1
ではLSI用のシリコン基板であるが、通信素子用のG
aAs基板やレチクル用の基板でも同じである。
【0013】図3に試料上での電子ビームの動きを示
す。40×40の電子ビームは第1対物偏向器109に
より、それぞれが独立して単位となる微小領域をいっせ
いにラスター走査するものとされる。このラスター走査
の状況を丸で囲った微小領域について上部に拡大して示
す。実施例1では、1つの電子ビームが1回のラスター
走査で描画する単位となる微小領域は250nm角(図
3での細い線で囲まれた矩形領域)、この電子ビームの
電流は0.625nAである。ここで、図3で太線で仕
切られた領域に着目して分かるように、本発明では、描
画されるパターンの大きさは任意に選択できるのであ
る。図3の最上段では、最初のパターンは単位となる微
小領域を8×8の電子ビームアレイにより描画されるも
のとし、次いで、8×6、8×6の電子ビームアレイに
よる描画、その次は8×5の電子ビームアレイによる描
画とした例である。いずれのパターンも、単位となる微
小領域の各ビームによるラスター走査による描画が終わ
ると、次のパターンのラスター走査領域の描画に移行す
る。次のラスター走査領域へは第2対物偏向器110に
よるベクター走査(逐次走査)となる。もちろん、ここ
で言うパターンは、たとえば、LSIの全体のパターン
である必要は無く、縦横のいくつかのパターンの纏まり
が必要な大きさの全体パターンとなるように成されたも
のでよいことは言うまでも無い。LSIのように基本論
理セルの組み合わせで形成される場合などでは、この手
法とすることが有用であるが、この点は後述する。
【0014】本発明の特徴の一つはベクター走査のピッ
チが可変であることにある。すなわち、本実施例によれ
ば、単位となる微小領域の40×40の範囲内で必要な
大きさの数に対応する単位となる微小領域のみをラスタ
ー走査して描画し、ベクター走査によって順次この操作
を繰り返して描画すればよいから、ベクター走査のピッ
チには何ら制約が無い。ベクター走査ごとに、描画され
るのに必要でない単位となる微小領域に対応するブラン
キングユニットでは励起光の発生を停止され電子ビーム
は送出されないものとすればよい。
【0015】したがって、本発明の単位となる微小領域
を一括図形照射法で用いられる一括図形(ひと纏まりの
図形データ)領域と対応させることが出来る。論理LS
I(特にCBIC等)では基本論理セルの組み合わせで
LSIが形成されている。すなわち、複数の単位となる
微小領域による所定の大きさの描画領域と基本論理セル
のパターンとを対応させることが出来るから、サイズが
何種類かあるセルパターンに対して複数の単位となる微
小領域による所定の大きさをこれに対応させることで、
任意の基本論理セルの組み合わせを容易に実現できる。
【0016】図4にその一例を示す。図4の例は、論理
LSIが、登録描画データ401として図示されていな
いコンピュータメモリに記憶されている基本論理セルパ
ターンAからDと、コンピュータメモリに記憶されてい
ない左下がりのハッチングを付した非登録描画データ4
02よりなるパターンとから構成されるものとした例で
ある。この例では、登録描画データ401としてのパタ
ーンAは8×8の単位となる微小領域により、パターン
Bは8×6の単位となる微小領域により、パターンCは
8×5の単位となる微小領域により、パターンDは8×
8の単位となる微小領域により、非登録描画データ40
2よりなるパターンにより、それぞれの領域の描画が合
成された結果として24×25の単位となる微小領域よ
りなるパターンが形成された例である。
【0017】図5は上述した描画データのコンピュータ
による処理の一例を示す概念図である。LSIパターン
が、単位となる微小領域により描画されるべき登録済の
描画データと未登録のその他のデータとより構成されて
いるものとする。この場合に、描画に先立って、LSI
パターンを分析して、このLSIパターンを構成する要
素としてのパターンが登録済の描画データであるか未登
録のデータであるかを解析して、登録してあれば、図形
ごとのラスター走査データを格納している制御部から、
データとしてパターン名或いは識別コードを与えて、メ
モリに記憶させている描画データ、例えばブランキング
の位置やタイミング情報、に従って複数ビームのラスタ
ー走査を行うことが出来る。登録してなければ、任意の
パターンをラスター走査データに展開する制御部によ
り、描画データ、例えばブランキングの位置やタイミン
グ情報、を生成させ、これに従って複数ビームのラスタ
ー走査を行うことが出来る。
【0018】このように、登録済の描画データについて
は、それが登録済であるか否かを判別すればよいものと
することは、データ転送等の描画データ処理を高速に行
うために非常に有効である。登録したパターン数だけ実
質的に一括図形照射が可能なことになり、ほとんど無数
のパターンを持つ一括図形照射を実現したと言うことが
できる。また、全LSIパターンを単純にラスターデー
タに展開するのに比べてはるかにデータ容量を圧縮でき
る。更に、メモリLSIのように、繰り返しが多いもの
については、描画を非常にシンプルなものに出来る。
【0019】この実施例1では、使用する電子ビーム近
傍のみから電子を放出させる為に、全放出電子に対して
の使用電流或いはマスク透過電流の割合が多くなる。す
なわち、電力の効率が良い。また、光電子の利点は光の
オン及びオフによってブランキングが可能なことであ
る。これは高速なブランキングが要求されるラスター走
査に適している。また、真空中に個別に偏向器を設ける
ことによる装置の不安定性を避けることが可能であるこ
とも実施例の有利な点である。もっとも、ブランキング
のやり方には選択肢があり、逆に電子源の均一性を重視
するのであれば各電子ビームに個別にブランキング偏向
器を設ける方が良い。なお、上述の説明で出てこなかっ
た105は転写アライナー、112は電子源像レイトレ
ース、113はクロスオーバ像レイトレースをそれぞれ
示すものであるが、本発明の実施例の動作としては不要
であるので、説明を省略する。
【0020】(実施例2)実施例1では、単位となる微
小領域を250nm角とし、40×40の単位となる微
小領域によりパターンを形成するものとしたから、パタ
ーンとしてみたときは最大ラスター走査領域は10μm
角である。そして、基本論理セルの大きさが、単位とな
る微小領域250nm角のサイズの整数倍であるものと
して、基本論理セルの描画ごとにベクター走査により移
動させながら次々と論理セルを描画する例を説明した。
【0021】ところで、基本論理セルの大きさが十分小
さければ、複数の基本論理セルの組み合わせをベクター
走査の単位のパターンの大きさとしてみたときに、実施
例1の最大ラスター走査領域10μm角に収まる場合が
ある。このような基本論理セルの組み合わせを、図5で
説明した登録されている図形データとして登録しておけ
ば、最大ラスター走査領域10μmの領域を十分に活用
できる。図6にこの例を示す。
【0022】図6は図4で説明したものと同じ基本論理
セルの組み合わせに対して、複数の基本論理セルの組み
合わせをベクター走査の単位のパターンの大きさとして
みたときの走査パターンとして捉えた例の説明図であ
る。左上の基本論理セルABDDの4つのパターンが包
括的図形領域801とされ、16×14の単位となる微
小領域で構成され、その右にある基本論理セルBCBC
の4つのパターンが包括的図形領域802とされ、16
×11の単位となる微小領域で構成されている。それぞ
れの包括的図形領域では全ての単位となる微小領域が一
つのラスター走査領域として1回のラスター走査で描画
されることになる。このときのベクター走査は、包括的
図形領域801から802に移動する走査であることは
言うまでも無い。
【0023】同じ基本論理セルの組み合わせが繰り返し
現れる論理LSIでは、基本論理セルの組み合わせを登
録しておくことにより、スループットの向上が期待でき
る。
【0024】一回のラスター走査で描画可能な領域の大
きさはベクター走査する上位の偏向に依存する。すなわ
ち上位偏向が大きければ単位となる微小領域でのラスタ
ー走査における電子線の収差が大きくなり微小領域の大
きさが制限される。従って微小領域の大きさの最大値を
逐次走査する偏向器の偏向量に応じて制御すること、よ
り具体的には、ベクター走査における偏向量が大きいほ
ど微小領域の大きさを小さくすることが電子線の収差を
抑止する有効な手段となる。
【0025】(実施例3)実施例2では複数の基本論理
セルの組み合わせの大きさが、実施例1と同様に、単位
となる微小領域の整数倍となるものとして説明したが、
これは必要不可欠な条件ではない。すなわち、基本論理
セルのパターンのサイズが単位となる微小領域の整数倍
とならない場合には、境界に当たる電子ビームの制御を
複雑にすることになる。実施例3は、このような場合へ
の対応を提案するものである。
【0026】もっとも単純には、実施例2に示す包括的
図形領域内の全ての基本論理セルを展開してラスター走
査のためのデータとすることであるが、このためのデー
タ処理量は膨大であり、実施例1あるいは2と同様に、
単位となる微小領域の組み合わせとして扱えることが望
ましい。
【0027】単位となる微小領域の縦軸方向のサイズは
ラスター走査の繰り返し数で表現することができる。一
方、基本論理セルの縦軸方向のサイズは、一般的には、
ある決められたピッチの整数倍となっているために電子
ビームの走査のピッチをこの整数分の一に合わせるとと
もに、基本論理セルの縦軸方向のサイズを満足できる回
数だけラスター走査を繰り返すものとすることが一つの
方法である。言い方を替えれば複数の電子ビームのピッ
チを回路の基本論理セルサイズの最大公約数の整数分の
一とすれば良い。例えば0.1μm論理LSIではこの
ピッチは0.4μmである。従って試料上0.4μmピ
ッチあるいは0.2μmピッチとなり、電子ビームのラ
スター走査を基本論理セルの縦軸方向のサイズを満足で
きる回数以上の繰り返しの領域ではブランキングして走
査を無効にするものとすれば良い。
【0028】一方、単位となる微小領域の横軸方向のサ
イズはラスター走査の有効幅で表現することができる。
すなわち、ラスター走査の内、基本論理セルの横軸方向
のサイズの幅に対応する幅だけをラスター走査を有効と
して、残りの領域ではブランキングして走査を無効にす
るものとすれば良い。
【0029】図7でこれを説明する。701および70
2は、図3、図4あるいは図6で説明した、隣接した単
位となる微小領域である。微小領域701を走査する場
合、実施例1あるいは2の走査では、本来、破線で囲っ
てハッチングを付した領域まで含む走査領域703が走
査の対象となる。微小領域702を走査する場合、同様
に、一点差線で囲って示す領域703までが走査の対象
となる。これに対して、基本論理セルのサイズとの関係
で、この実施例では、微小領域701について見れば、
ハッチングを付した領域部分は走査不要な領域である。
すなわち、描画装置が持っている走査領域の範囲内で、
微小領域に対応する領域のみの走査のみを有効なものと
するのである。また、本実施例ではブランキングはブラ
ンキングユニット119による励起光をオフにすること
により行なった。光のスイッチング速度は速く、1ns
ec以下も可能である。
【0030】本実施例により70nmゲートの論理LS
Iを8インチウエハで8枚/時のスループットで描画出
来た。本実施例では面電子として光電子を用いたがMI
M(金属−絶縁体−金属)電子源やFEA(フィールド
エミッションアレイ)等のアレイ化の可能な電子源を用
いても可能である。
【0031】上述の実施例では、論理セルについての応
用を中心に述べたが、メモリセルのように微小のセルを
膨大な数繰り返して使用するような場合は単一機能のパ
ターンの複数を一つの機能パターンとして定義して扱
い、最大ラスター走査領域サイズに近付けることにより
制御を効率化できる。なお、これまで複数の実施例で述
べて来たマスクと複数電子源を用いたマルチビーム描画
方法は、ラスター走査領域が固定のままでも利点がある
ことは言うまでもない。
【0032】(実施例4)上述の実施例では、ベクター
走査の対象となるパターンは全て縦軸サイズが同じもの
として説明したが、図8に一例を示すように、これが同
じである必要はない。図8の例は、全体としては図4と
同じパターン列を描画するものであるが、最上段の最初
のパターンBがパターンEに変更されており、パターン
Eは幅はパターンBと同じであるが、縦軸サイズが単位
となる微小領域一つ分だけ大きい。本発明では、先の実
施例でも述べたように、単位となる微小領域が最大許さ
れる範囲であれば任意の大きさに対応でき、パターンと
して単位となる微小領域が描画に関与しないで良いとき
は、ブランキングによって電子線をオフ状態としておけ
ば良い。したがって、この場合は、ベクター走査の縦軸
の幅は最大サイズのパターンEに合わせておき、パター
ンA,BあるいはCでは、最下段の単位となる微小領域
の列は電子線をオフ状態としておけば良い。第2段目の
ベクター走査は、第1段目の最大サイズの縦軸の幅だけ
ずれた位置から開始するものとすればよい。
【0033】(実施例5)図9に実施例1から4で採用
したのとは異なった装置構成の実施例を示す。図1と図
8とを対照して明らかなように、実施例4では、電子源
として光電子面101による電子に代えて熱電子源80
3を用いた。電子源803からの電子は、光電子のよう
に電子源そのものにブランキング作用はないために、電
子マスク106の後方に複数のブランキング偏向器80
1とブランキング絞り802を設けた。ブランキング偏
向器801は電子線マスク106の個々の開口に対応し
ており、独立にブランキングが可能である。描画方式の
他の特徴は実施例1から3と同じである。
【0034】本実施例では、電子源803の輝度が1×
106A/cm2strであるためにスループットは5枚
/時に留まった。しかし、長い実績のある安定した熱電
子源を用いることにより装置の信頼性を向上させること
が出来る。実施例4でも従来法では2−3枚/時に留ま
っていたスループットを向上させることが出来た。
【0035】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば従来の一括図
形照射法の制限を受けることが無く、高速な電子ビーム
描画が可能となり、半導体素子等の低コスト化に寄与す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を実現する装置の構成例を示す
図。
【図2】実施例1の電子マスクの構成を示す平面図。
【図3】実施例1による描画の試料上での電子ビームの
動きを示す図。
【図4】実施例1の単位となる微小領域を一括図形照射
法で用いられる一括図形(ひと纏まりの図形データ)領
域と対応させたときの試料上での電子ビームの動きを示
す図。
【図5】描画データのコンピュータによる処理の一例を
示す概念図。
【図6】図4で説明した基本論理セルの組み合わせに対
して、複数の基本論理セルの組み合わせをベクター走査
の単位の大きさとしてみたときの説明図。
【図7】複数の基本論理セルの組み合わせの大きさが単
位となる微小領域の整数倍となら無い場合への対応の一
例を説明する図。
【図8】図4で説明した基本論理セルの組み合わせに対
して、基本論理セルの縦軸サイズの違いがあるときのベ
クター走査の説明図。
【図9】実施例1とは異なった装置構成の実施例を示す
図。
【符号の説明】
100:ファイバー、101:光電子面、102:引き
出し電極、103:第1転写レンズ、104:第2転写
レンズ、105:転写アライナ:、106:電子線マス
ク、107:第1縮小レンズ、108:第2縮小レン
ズ、109:第1対物偏向器、110:第2対物偏向
器、111:対物レンズ、112:電子源像レイトレー
ス、113:クロスオーバ像レイトレース、114:試
料、115:ステージ、119:ブランキングユニッ
ト、120:アノード電極、122:対物絞り、20
2:開口、203:電子源像、401:登録データ図
形、402:非登録データ図形、801:ブランキング
偏向器、802:ブランキング絞り、803:熱電子
源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 洋也 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 谷本 明佳 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 村木 真人 東京都大田区下丸子3丁目30番地2号 キ ヤノン株式会社内 Fターム(参考) 2H095 BA09 BB10 2H097 AA03 CA16 LA10 5F056 AA06 AA12 AA13 AA33 CA02 CA05 CA22 CB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】個々にブランキングが可能な複数の電子ビ
    ームで複数の微小領域を同時に走査するとともに微小領
    域の数あるいは大きさを所望のパターンに応じて制御し
    て複数の微小領域により形成される全体としての大きさ
    が可変の領域内を走査する工程を、前記可変の領域の大
    きさに対応した間隔で逐次繰り返すことによって試料上
    に前記パターンを描画する電子ビーム描画方法。
  2. 【請求項2】光電子面と複数の励起光からなる電子源か
    ら放出された電子により複数の電子ビームを形成し、こ
    れらの複数の電子ビームで前記複数の微小領域を同時に
    走査するとともに微小領域の数あるいは大きさを所望の
    パターンに応じて制御して複数の微小領域により形成さ
    れる全体としての大きさが可変の領域内をラスター走査
    する工程を、前記可変の領域の大きさに対応した間隔で
    逐次繰り返すことによって試料上に所望のパターンを描
    画する電子ビーム描画方法。
  3. 【請求項3】複数の電子源からの電子ビームでマスクの
    個別の開口部をそれぞれ照射し、前記開口部を通過した
    電子ビームでマスクの像を形成し、試料上を描画するこ
    とを特徴とする電子ビーム描画方法。
  4. 【請求項4】複数の電子源からマスクに照射される電子
    ビームを前記電子源像が一旦拡大されたものとする請求
    項3記載の電子ビーム描画方法。
  5. 【請求項5】個々にブランキングが可能な複数の電子ビ
    ームで複数の微小領域を同時に走査するとともに微小領
    域の数あるいは大きさを所望のパターンに応じて制御し
    て複数の微小領域により形成される全体としての大きさ
    が可変の領域内を走査する工程を、前記可変の領域の大
    きさに対応した間隔で逐次繰り返すことによって試料上
    に前記パターンを描画する電子ビーム描画方法であっ
    て、前記可変の領域に形成されるべきパターンを、設計
    パターンデータ中のひと纏まりの図形データの一つまた
    は複数のパターンと対応させることを特徴とする電子ビ
    ーム描画方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022075761A (ja) * 2018-08-23 2022-05-18 株式会社ニコン 発光デバイス、発光方法、露光装置、露光方法及びデバイス製造方法

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