JP3859404B2 - 荷電ビーム描画装置およびパターン描画方法並びに記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はLSI、超LSIの半導体製造工程で使用される基板へのパターン描画技術に関し、特に、イオン、電子ビーム等の荷電ビームを用いた描画装置、描画方法および記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
荷電ビーム描画装置は、光波長より短い電子(イオン)の波長レベルの分解能で基板上にパターンを描画できるため、高い解像度が要求される微細パターンを形成できるという利点を有している。この一方、光露光によるマスク描画方式と異なり、完成パターンを小領域のパターンに分割した上で荷電ビームで直接描画するため、描画に要する時間が膨大であるという問題がある。しかし、高精度の微細パターンを形成できる特徴を有するため、光露光方式のリソグラフィー技術の次の技術、あるいはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の多品種少量生産の半導体製造に有力なツールとして発展している。
【0003】
電子ビームで直接パターンを形成する方法としては、小さな丸ビームをON/OFF制御しながらウェーハ全面をスキャンしてパターン形成する方法と、ステンシルアパーチャを通過した電子ビームをパターン描画するVSB(Valuable Shaped Beam)描画方式がある。VSB描画方式をさらに発展させて、繰り返しパターンを一つのブロックとしてステンシルを準備し、これを選択描画することで高速描画する一括描画方式の電子線(電子ビーム)描画の技術も開発されている。
【0004】
まず、従来の電子ビーム描画装置の第一の例として、特願平6−290727に記載されたVSB描画方式の電子ビーム描画装置について説明する。図5は、本例の電子ビーム描画装置の電子光学系80の概略を示すブロック図である。なお、以下の各図において、同一の部分には同一の参照番号を付してその説明を適宜省略する。
【0005】
電子銃1から発生し加速された電子ビーム7は、照明レンズ15によりビーム径が調整されて投影光学系への開き角が決定され、さらに、矩形の開口を有する第一成形アパーチャ85を通過することにより矩形の断面形状を有するように整形される。その後、電子ビーム7は、投影レンズ87により菱形と矩形からなる絞り孔を有する第二成形アパーチャ89に照射される。第二成形アパーチャ89に対するビーム照射位置は、成形偏向器21で制御される。
【0006】
第二成形アパーチャ89を通過した電子ビーム7は、縮小レンズ24および対物レンズ25で縮小投影されるが、ウェーハ29の描画位置に対する電子ビーム7の照射位置は主偏向器93と副偏向器95で制御される。主偏向器93は、ウェーハ29上の描画領域を帯状に分割した領域であるストライプ内で電子ビーム7を制御して照射させる。副偏向器95はストライプ内をさらに細かく分割した小領域であるサブフィールドに対して電子ビーム7の位置制御を行う。なお、これらのビーム位置の制御にあたっては、ウェーハ29を上面にて支持するXYステージ(図示せず)の位置を参照しながら行われる。
【0007】
対物レンズ25とウェーハ29との間には、電子ビーム7がウェーハ29上に照射された時に発生する2次電子、反射電子および後方散乱電子(以下、2次電子等という)を検出する電子検出器27が備えられ、検出された2次電子等の信号を処理することによりSEM画像を取得し、描画位置と電子ビーム7とのアライメントが制御される。
【0008】
本例の電子光学系80において、電子ビーム7のビーム軌道の制御は電磁レンズと静電偏向器にて構成されている。従って、電子光学系の構成に当っては、これらのレンズおよび偏向器の総合的な光学特性や、機械的な組み立て精度、コンタミネーション等の影響を十分に考慮しなければならない。
【0009】
さらに、本例の電子ビーム描画装置は、ビーム解像度を向上させるため、電子ビーム7を高加速度に加速させてウェーハ29上のレジストヘ打ち込む方式を採用している。このため、照射された電子ビーム7がウェーハ面のレジスト下面に形成された各種の多層薄膜で反射して再びレジスト上方に向かうため、描画しようとするパターンに近接する領域の露光量が増加し、このことが次の描画パターンにボケや解像度劣化を引き起こす。これが近接効果と呼ばれる現象である。
【0010】
従来の技術においては、この近接効果の影響を回避するために、各ショット毎に照射量を補正することにより露光量を制御していた。このため、電子光学系、制御部のいずれについても大掛かりなシステムが必要となり、システムが複雑化する上、トラブルの誘発により結果的に精度が低下してしまう、という問題点があった。
【0011】
さらに、図5に示す描画装置では、高加速の電子ビーム7を用いているため、ウェーハ表面へのダメージも懸念される。
【0012】
そこで、上述したようなVSB方式の高加速電圧荷電ビーム描画装置の問題点を克服するために、低加速電圧の電子ビームを用いたセルアパーチャ方式の電子ビーム描画方式が提案されている(特願平10−363071,J.Vac.Sci.Techno1.B14(6)1996.3802)。図6に特願平10−363071にて提案された電子ビーム描画装置の電子光学系の要部を示す。
【0013】
電子銃1から出射され加速された電子ビーム7は、矩形または円形の開口を有する第1成形アパーチャ13に照射され、その断面形状が第1成形アパーチャ13の開口の形状に応じた形状となって照明レンズ15に入射する。照明レンズ15は、2個の静電レンズ(アインツェルレンズ)で構成され、中央の電極へ負の電圧が印加されて電子ビーム7のビーム径を調整して、投影光学系の開き角を決定している。照明レンズ15を通過した電子ビーム7は、第1成型偏向器17を通過して一括露光セルアパーチャが複数個配列された第2成形アパーチャ19に入射する。
【0014】
電子ビーム7のビーム径は、照明レンズ15で調整されているので、任意の一個のセルアパーチャに対しては十分に大きく、かつ隣接するセルバターンに干渉しない大きさとなっている。第1成形偏向器17は、目標とするアパーチャが選択できるように電子ビーム7を目標位置へ偏向制御する。
【0015】
第2成形アパーチャ19を通過してセルアパーチャ像に応じた断面形状を有する電子ビーム7は、第2成形偏向器21により、そのビーム軌道が光軸上に振戻される。第1成型偏向器17、第2成型アパーチャ19および第2成型偏向器21を通過した電子ビーム7は、第2成型アパーチャ19を起点とするセルパターンビームとしてスタートし、光軸上に振り戻された状態で縮小レンズ24を通過する。縮小レンズ24の上部にはアパーチャ22が設置されており、第2成型アパーチャ19等を通過する際に散乱した不要なビームをカットする。
【0016】
縮小レンズ24により縮小された電子ビーム7は、プリ副偏向器93’、プリ主偏向器95’、副偏向器93、主偏向器95および対物レンズ25を通過してウェーハ面29に縮小投影される。パターンを描画すべき位置に対応するビーム位置は、主偏向器95と副偏向器93で制御し、主偏向器95に対するプリ主偏向器95’の制御電圧は加算方向に、プリ副偏向器93’の制御電圧は減算方向に制御することにより総合的な収差を最小化している。
【0017】
主偏向器95は、XYステージ(図示せず)上に搭載したウェーハ29に対してXYステージの位置を参照しながらストライプ内の描画位置に入射するように電子ビーム7を偏向制御し、また、副偏向器93は、ストライプを細かく分割したサブフィールド内の描画領域に対して電子ビーム7の入射位置を制御する。また、主偏向器95の下部には、電子検出器27が配設され、電子ビーム7がウェーハに入射する時に発生する二次電子等を検出する。その検出結果は、信号処理により二次電子等の発生状況を示すSEM画像として検出され、この画像に基づいて描画位置と電子ビーム7とのアライメントが調整される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の低加速電圧の電子ビーム描画装置においては、電子光学系の電子レンズとして図6に示すように回転対称型の静電型レンズ24,25を用い、これらを減速型の収束モード、即ち、アインツェルレンズにおいて中間電極に与えるレンズ電圧をビームを減速させる極性の電圧とするモードで使用すると、電子レンズ内で電子ビーム7が減速されるため、色収差および空間電荷効果(特にBoersch効果)によるビームボケが発生し、この結果、セルアパーチャー像がウェーハ29上でボケてしまい、描画特性が劣化するという問題があった。
【0019】
また、従来の低加速電圧の電子ビーム描画装置においては、アパーチャ22を通過した電子ビーム7についてクロスオーバ99を形成することにより縮小投影を実現しているが、クロスオーバ99を形成すると、電子密度が高くなるためにこの領域におけるクーロン相互作用が顕著になり、空間電荷効果(Boersch効果)によるボケが描画特性をさらに劣化させるという問題点があった。
【0020】
さらに、電子ビームの低加速化によって色収差が増大し、色収差性能が描画性能の向上を妨げるという問題点もあった。
【0021】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低加速電圧の電子ビームを用いても色収差および空間電荷効果の影響が小さく、描画性能に優れた荷電ビーム描画装置およびパターン描画方法並びに記録媒体を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の手段により上記課題の解決を図る。
【0023】
即ち、本発明の第1の態様によれば、
荷電ビームを発生させて基板に照射する荷電ビーム出射手段と、
所望の描画パターンに対応した形状の絞り孔を有するセルアパーチャと、
前記荷電ビームが前記所望の断面形状を有するように前記荷電ビームを電界により偏向して前記セルアパーチャの所望の絞り孔に入射させる第1の偏向手段と、
前記セルアパーチャを通過した前記荷電ビームを電界により縮小させて前記基板上に結像させる縮小投影手段と、
前記セルアパーチャを通過した前記荷電ビームを電界により偏向して前記基板上での照射位置を調整する第2の偏向手段と、
前記荷電ビームの照射を受けた前記基板の表面から発生する二次電子および反射電子が近接する描画パターンの露光量に影響を及す近接効果が発生する量を下回る加速電圧で前記荷電ビームが発生するように前記荷電ビーム出射手段を制御するとともに、前記荷電ビームが前記セルアパーチャと前記基板との間でX方向とY方向で略同一の縮小率で縮小し、かつ、X方向とY方向とで異なる軌道を通過して前記基板上で結像するように前記縮小投影手段に光軸に非対称な電界を形成させる制御手段と、を備え、
前記縮小投影手段は、前記荷電ビームの速度を前記縮小投影手段への入射速度である第1の速度を上回る第2の速度に引上げる加速電界と、この第2の速度を維持する等速電界と、前記第2の速度を下回る第3の速度に引下げる減速電界とを形成する、荷電ビーム描画装置が提供される。
【0024】
上記荷電ビーム描画装置によれば、電界により荷電ビームの軌道を制御するので、従来の荷電ビーム描画装置のように磁界型レンズによるヒステリシスを考慮する必要はない。このため、高速かつ高性能な制御が可能となる。
【0025】
また、上記縮小投影手段は、光軸に非対称な電界を形成するので、収束電場と発散電場のいずれもが電子ビームに対して垂直に作用する。このため、従来の回転対称型の静電レンズを用いる場合と異なり、縮小投影手段内で荷電粒子が減速しないので、空間電荷効果を低減することができ、低い電圧値で上記縮小投影手段を作動させることができる。また、回転対称型の静電レンズでは不可能である収差補正を行うことができる。
【0026】
さらに、上記縮小投影手段は、上記制御手段の制御により上記荷電ビームがX方向とY方向とで異なる軌道を通過するように電界を形成するので、上記荷電ビームは、電流密度の高いクロスオーバを形成することなく上記基板上で結像する。これにより、低加速電圧でありながら空間電荷効果の影響が非常に小さい荷電ビーム描画装置が提供される。従って、高加速電圧の荷電ビームを用いる場合に発生する近接効果の影響を考慮する必要がないので、簡素な構成で収差特性に優れた荷電ビーム描画装置が提供される。
【0028】
荷電ビームとその光軸との距離が大きくなると色収差が発生するので、上記縮小投影手段内で荷電粒子を高速に移動させる領域を設けることにより、色収差をさらに低減することができる。
【0029】
また、本発明の第2の態様によれば、
荷電ビームを発生させて基板に照射する荷電ビーム出射手段と、
所望の描画パターンに対応した形状の絞り孔を有するセルアパーチャと、
前記荷電ビームが前記所望の断面形状を有するように前記荷電ビームを電界により偏向して前記セルアパーチャの所望の絞り孔に入射させる第1の偏向手段と、
前記セルアパーチャを通過した前記荷電ビームを電界により縮小させて前記基板上に結像させる縮小投影手段と、
前記セルアパーチャを通過した前記荷電ビームを電界により偏向して前記基板上での照射位置を調整する第2の偏向手段と、
前記荷電ビームの照射を受けた前記基板の表面から発生する二次電子および反射電子が近接する描画パターンの露光量に影響を及す近接効果が発生する量を下回る加速電圧で前記荷電ビームが発生するように前記荷電ビーム出射手段を制御するとともに、前記荷電ビームが前記セルアパーチャと前記基板との間でX方向とY方向で略同一の縮小率で縮小し、かつ、X方向とY方向とで異なる軌道を通過して前記基板上で結像するように前記縮小投影手段に光軸に非対称な電界を形成させる制御手段と、を備え、
前記縮小投影手段は、前記荷電ビームの速度を前記縮小投影手段への入射速度である第1の速度を上回る第2の速度に引上げる加速電界と、この第2の速度を維持する等速電界と、前記第2の速度を下回る第3の速度に引下げる減速電界とを形成し、
前記縮小投影手段が前記等速電界を形成する領域は、前記荷電ビームとその光軸との距離が最大となる領域を少なくとも含む、
荷電ビーム描画装置が提供される。
【0031】
前述の通り、荷電ビームとその光軸との距離が大きくなると色収差が発生するので、この領域で、荷電粒子を高速で移動させることにより、色収差を大幅に低減することができる。
【0032】
上記縮小投影手段は、N重(Nは自然数)のマルチポールレンズを含むと良い。
【0033】
上記Nは、3以上の自然数であり、第1重目から第2重目の上記マルチポールレンズは、上記荷電ビームを加速し、第(N−1)重目から第N重目の上記マルチポールレンズは、上記荷電ビームを減速することが望ましい。
【0034】
また、上記Nは、4以上の自然数であり、第1重目から第2重目の上記マルチポールレンズは、上記荷電ビームの速度を上記第1の速度から上記第2の速度に引上げる加速電界を形成し、第2重目から第(N−1)重目の上記マルチポールレンズは、上記第2の速度で上記荷電ビームを等速移動させる電界を形成し、さらに、第(N−1)重目から第N重目の上記マルチポールレンズは、上記荷電ビームの速度を上記第2の速度から上記第3の速度に引下げる減速電界を形成することが好ましい。
【0035】
上記マルチポールレンズは、静電型であると良い。
【0036】
また、本発明の第3の態様によれば、
発生された荷電ビームを所望のパターンに応じた断面形状を有するように整形して基板に照射し、この基板に前記所望のパターンを描画する荷電ビーム描画装置を用いるパターン描画方法であって、
前記荷電ビームの照射を受けた前記基板の表面から発生する二次電子および反射電子が近接する描画パターンの露光量に影響を及す近接効果が発生する量を下回る加速電圧で前記荷電ビームを発生させる第1の手順と、
整形された前記荷電ビームがX方向とY方向とで異なる軌道を通過するように前記荷電ビームを制御するとともに、X方向とY方向とで略同一の縮小率をもって前記基板上で結像するように前記荷電ビームを縮小投影する第2の手順と、を備え、
前記第2の手順は、整形された前記荷電ビームの荷電粒子の移動速度を引上げてより高速で等速移動させ、その後前記荷電粒子の速度を引下げて前記基板上で収束させる手順を含む、
パターン描画方法が提供される。
【0037】
上記パターン描画方法によれば、上記荷電ビームは、X方向とY方向とで異なる軌道を通過しながらX,Yのいずれの方向ともほぼ同一の倍率で縮小されるので、電流密度の高いクロスオーバを形成することなく上記基板上で結像する。これにより、低加速電圧で発生された荷電ビームを用いても空間電荷効果の影響を回避してビームぼけを小さくすることができる。このため、高加速電圧の荷電ビームを用いる場合に発生する近接効果の影響を考慮する必要なく、高い分解能でパターンを基板に描画することができる。
【0039】
このように、整形された荷電ビーム中の荷電粒子を高速で等速移動させることにより、色収差をさらに低減することができる。
【0040】
また、本発明の第4の態様によれば、
発生された荷電ビームを所望のパターンに応じた断面形状を有するように整形して基板に照射し、この基板に前記所望のパターンを描画する荷電ビーム描画装置を用いるパターン描画方法であって、
前記荷電ビームの照射を受けた前記基板の表面から発生する二次電子および反射電子が近接する描画パターンの露光量に影響を及す近接効果が発生する量を下回る加速電圧で前記荷電ビームを発生させる第1の手順と、
整形された前記荷電ビームがX方向とY方向とで異なる軌道を通過するように前記荷電ビームを制御するとともに、X方向とY方向とで略同一の縮小率をもって前記基板上で結像するように前記荷電ビームを縮小投影する第2の手順と、を備え、
前記第2の手順は、整形された前記荷電ビームの荷電粒子の移動速度を引上げてより高速で等速移動させ、その後前記荷電粒子の速度を引下げて前記基板上で収束させる手順を含み、
前記荷電粒子を前記高速で等速移動させる領域は、前記荷電ビームからその光軸までの距離が最大となる領域を少なくとも含む、
パターン描画方法が提供される。
【0041】
荷電ビームとその光軸との距離が大きくなると色収差が発生するので、この領域で荷電粒子を高速で等速移動させることにより、色収差を大幅に低減することができる。
【0042】
また、本発明の第5の態様によれば、
発生された荷電ビームを所望のパターンに応じた断面形状を有するように整形して基板に照射し、この基板に前記所望のパターンを描画する荷電ビーム描画装置に用いられ、
前記荷電ビームの照射を受けた前記基板の表面から発生する二次電子および反射電子が近接する描画パターンの露光量に影響を及す近接効果が発生する量を下回る加速電圧で前記荷電ビームを発生させる第1の手順と、
整形された前記荷電ビームがX方向とY方向とで異なる軌道を通過するように前記荷電ビームのビーム軌道を制御するとともに、X方向とY方向とで略同一の縮小率をもって前記基板上で結像するように前記荷電ビームを縮小投影する第2の手順と、を備え、
前記第2の手順は、整形された前記荷電ビームの荷電粒子の速度を引上げてより高速で等速移動させ、その後前記荷電粒子の速度を引下げて前記基板上で結像させる手順を含む、パターン描画方法を前記荷電ビーム描画装置に実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体が提供される。
【0043】
上記記録媒体によれば、低加速電圧の荷電ビームを用いても空間電荷効果の影響を回避して高い分解能でパターンを基板に描画する方法を汎用のコンピュータを備える荷電ビーム描画装置で実現することができる。
【0045】
さらに、本発明の第6の態様によれば、
発生された荷電ビームを所望のパターンに応じた断面形状を有するように整形して基板に照射し、この基板に前記所望のパターンを描画する荷電ビーム描画装置に用いられ、
前記荷電ビームの照射を受けた前記基板の表面から発生する二次電子および反射電子が近接する描画パターンの露光量に影響を及す近接効果が発生する量を下回る加速電圧で前記荷電ビームを発生させる第1の手順と、
整形された前記荷電ビームがX方向とY方向とで異なる軌道を通過するように前記荷電ビームのビーム軌道を制御するとともに、X方向とY方向とで略同一の縮小率をもって前記基板上で結像するように前記荷電ビームを縮小投影する第2の手順と、を備え、
前記第2の手順は、整形された前記荷電ビームの荷電粒子の速度を引上げてより高速で等速移動させ、その後前記荷電粒子の速度を引下げて前記基板上で結像させる手順を含む、パターン描画方法を前記荷電ビーム描画装置に実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体が提供される。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態について図面を参照しながら説明する。
【0047】
図1は、本発明にかかる荷電ビーム描画装置の実施の一形態の概略構成を示すブロック図であり、また図2は、図1に示す電子ビーム描画装置が備える電子光学系の概略構成を示すブロック図である。
【0048】
図1に示す電子ビーム描画装置1は、荷電ビームとして電子ビーム8を用いるものであり、電子ビーム鏡筒2と制御部3とを備えている。電子ビーム鏡筒2は、上面に描画対象であるウェーハ(基板)29を載置するXYステージ5と、ウェーハ29に電子ビーム8を照射する電子光学系4とを含む。後述するように、本実施形態の特徴は、電子光学系4においてアパーチャ22からウェーハ29までの領域に4重の四極子レンズ23(Q1〜Q4)を配設した点にある。電子光学系4のその他の構成は、図6に示す電子光学系90と略同一である。
【0049】
制御部3は、制御コンピュータ6とメモリ45と各種制御回路部31〜59とを含む。メモリ45には、CAD等による設計データからフォーマット変換された描画パターン情報が格納されるほか、後述する本発明にかかるパターン描画方法を実行させるプログラムを格納した記録媒体から読取られたレシピファイルが格納される。制御コンピュータ6は、メモリ45からこれらの描画パターン情報とレシピファイルとを読取り、装置の各構成部分を制御する。
【0050】
制御回路部には、電子銃制御回路部31、照明レンズ制御回路部33a,33b、第1成型偏向制御回路部37、セルアパーチャ駆動部39、第2成型偏向制御回路部41、四極子レンズ制御回路部43a〜43d、偏向制御回路部55a,55b、検出信号処理回路部57、およびステージ制御回路部59が含まれる。
【0051】
電子銃制御回路部31は、制御コンピュータ6から供給される指令信号に基づいて近接効果の影響が発生しない程度の加速電圧で電子ビーム8が照射されるように電子銃11を制御する。照明レンズ制御回路部33a,33bは、電子ビーム8の所望のビーム径、投影光学系の開き角が得られるように電圧値を調整して、静電レンズ15a,15bの中央の電極へ負の電圧をそれぞれ印加する。第1成型偏向制御回路部37および第2成型偏向制御回路部41は、それぞれ第1成型偏向器17および第2成型偏向器21を制御する。セルアパーチャ駆動部39は、制御コンピュータ6の指令信号に基づいて、描画パターンに応じた絞り孔を有する一括露光セルアパーチャを選択し、これが光軸の近辺に位置するように第2成形アパーチャ19を水平方向に移動させる。四極子レンズ制御回路部43a〜43dは、後述する本発明において特徴的な方法で四極子レンズ23(それぞれQ1〜Q4)を制御する。偏向制御回路部55は、制御コンピュータ6の指令信号に基づいて電子ビーム8が所望のストライプ内で、かつ、所望のサブフィールド内で走査されるように、制御信号を偏向器25に供給する。検出信号処理回路部57は、電子検出器27を制御するとともに、その検出結果を信号処理してSEM画像をなす画像信号を出力する。制御コンピュータ6は、この画像信号に基づいてSEM画像を取得し、近接効果の有無を判断してその結果を指令信号として電子銃制御回路部31にフィードバックする。ステージ制御回路部59は、制御コンピュータ6が供給する指令信号に基づいてウェーハ29がレシピファイルに従って移動するように、XYステージ5に制御信号を供給する。
【0052】
次に、図1に示す電子ビーム描画装置1の動作について、本発明にかかるパターン描画方法の実施の一形態として説明する。
【0053】
電子銃1から所定の加速電圧で出射した電子ビーム8は、まず、第1成形アパーチャ13に入射する。本実施形態において所定の加速電圧は、5kvである。第1成形アパーチャ13は、矩形または円形の開口を有するので、電子ビーム8は、この開口の形状に応じて矩形または円形の断面形状で第1成形アパーチャ13を通過する。第1成形アパーチャ13を通過した電子ビーム8は、一括露光セルアパーチャが複数配列された第2成形アパーチャ19に向かう。電子ビーム8は、任意の一個のセルアパーチャに対して十分大きく、かつ隣接するセルパターンに干渉しない大きさとなるように、照明レンズ15によりそのビーム径が予め拡大される。照明レンズ15は、2個の静電レンズ(アインツェルレンズ)15a,15bで構成され、それぞれ中央の電極へ負の電圧が印加されることにより拡大機能が作用する。第2静電レンズ15bを通過した電子ビーム8は、第1成形偏向器17によりセルアパーチャが複数配列された第2成形アパーチャ19に対して目標とするセルアパーチャ上に照射できるようにそのビーム軌道が偏向制御される。第2成形偏向器21は、第2成形アパーチャ19を通過したセルアパーチャ像を光軸上に振戻す。第1成形偏向器17、第2成形アパーチャ19および第2成形偏向器21を通過した電子ビーム8は、第2成形アパーチャ19を起点とするセルパターンビーム9としてスタートし、光軸上に振り戻された状態でアパーチャ22を通過する。電子ビーム8,9は次に本実施形態において特徴的な静電多重四極子レンズ23内へ入射する。本実施形態において、四極子レンズ23は、縮小投影手段を構成する静電型N重マルチポールレンズをなし、互いに90度の角度をなすように配置された4個の円柱状の構成電極を有する四極子レンズで構成されている。
【0054】
4重の四極子レンズ23(Q1〜Q4)内で電子ビーム8が通過する軌道を図3に示す。同図に示すように、電子ビーム8は、実線で示すセルアパーチャ像8X,8Y、点線で示すセルパターンビーム9X,9Yともに、四極子レンズの作用によりX,Yいずれの方向においても略同一の縮小率(本実施形態においては1/5以下)で縮小されるが、X方向とY方向とで異なった軌道を通り、電子密度の高いクロスオーバを形成することなくウェーハ29上で収束されて結像する。
【0055】
このとき四極子レンズ23内で発生する色収差の積分子分布を図4に示す。同図に示すように、X方向の色収差積分子分布は、第3重目の四極子レンズQ3でその大部分が発生し、Y方向の色収差積分子分布は、第2重目の四極子レンズQ2でその大部分が発生することとなる。
【0056】
本実施形態のパターン描画方法の特徴の一つは、4重(N=4)の四極子レンズQ1〜Q4を用いて加速電界、高速(等速)電界および減速電界を形成することにより、色収差を低減する点にある。即ち、まず、第1重目の四極子レンズQ1と第2重目の四極子レンズQ2にて四極子レンズQ1,Q2間に加速電界を形成して電子ビーム8,9を構成する電子を加速し、その速度を四極子レンズQ1への入射速度(第1の速度)を上回る第2の速度とする。次に、第2重目の四極子レンズQ2と第3重目の四極子レンズQ3により、四極子レンズQ2,Q3間に等速電界を形成し、四極子レンズQ2,Q3間でのみ電子を第2の速度で通過させる。さらに、第3重目の四極子レンズQ3と第4重目の四極子レンズQ4により減速電界を形成し、第2の速度を下回る第3の速度に減速して図示しないXYステージ上に搭載したウェーハ14に入射させる。このように、色収差が大きな領域において電子を高速にて等速移動させることにより、色収差を低減させることができる。
【0057】
ウェーハ14の上面における電子ビーム8,9の照射位置は、偏向器25a,bにより制御する。即ち、主偏向器25aは、図示しないXYステージの位置を参照しながらウェーハ14に対してストライプ内の描画位置を偏向制御し、また、副偏向器25bは、サブフィールド内の描画位置を偏向制御する。図1および図2に示すように、四極子レンズQ2〜Q3間、Q3〜Q4間に偏向器25を多重に設置することにより、偏向により発生する収差成分を最小にすることができる。なお、四極子レンズQ4〜ウェーハ29間に例えば偏向器25cをさらに設置するとより収差成分を小さくすることができる。
【0058】
四極子レンズQ4の下部には、電子ビーム8,9がウェーハ上に照射された時に発生する二次電子等を検出する電子検出器27が配設され、検出された電子信号を検出信号処理回路部57に供給する。検出信号処理回路部57は、供給された電子信号を処理してSEM画像をなす画像信号を制御コンピュータ6に出力する。制御コンピュータ6は、この画像信号に基づいてSEM画像を取得することにより、電子ビーム8の加速電圧等を調整・制御する。
【0059】
上述したパターン描画方法の一連の手順は、コンピュータに実行させるプログラムとしてフロッピーディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、例えば図1に示す制御コンピュータ6に読込ませて実行させても良い。これにより、汎用コンピュータを備える荷電ビーム描画装置を用いて本発明にかかるパターン描画方法を実現することができる。
【0060】
記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の携帯可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でも良い。また、上述したパターン描画方法の一連の手順を組込んだプログラムをインターネット等の通信回線(無線通信を含む)を介して頒布しても良い。さらに、上述したパターン描画方法の一連の手順を組込んだプログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布しても良い。
【0061】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明は、以下の効果を奏する。
【0062】
即ち、本発明にかかる荷電ビーム描画装置によれば、電界で荷電ビームを偏向・縮小する偏向手段および縮小投影手段のみで電子光学系を構成し、また光軸に非対称な電界を形成する縮小投影手段を用いてX方向とY方向とで異なる軌道を経由して電子ビームを基板上に結像させるので、高縮小率のスチグマテックな結像条件において、低加速の荷電ビームで空間電荷効果の影響を大幅に低減できる。このため、ウェーハ面でのダメージがない上、複雑な近接効果補正の制御が必要ないので、簡素な構成で小型でかつ収差特性に優れた荷電ビーム描画装置が提供される。
【0063】
また、上記縮小投影手段により空間電荷効果の影響が小さい領域に色収差の寄与を集約できるので、この領域内で電子を高速で等速移動させる場合は色収差の影響を大幅に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる荷電ビーム描画装置の実施の一形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す電子ビーム描画装置が備える電子光学系の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す電子ビーム描画装置の縮小光学系内における電子ビームのビーム軌道を示す説明図である。
【図4】図1に示す電子ビーム描画装置の縮小光学系内で発生する色収差の積分子分布図である。
【図5】従来の技術による荷電ビーム描画装置の一例の要部を示すブロック図である。
【図6】従来の技術による荷電ビーム描画装置の他の例の要部を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 電子ビーム描画装置
2 電子ビーム鏡筒
3 制御部
4 電子光学系
5 X−Yステージ
6 制御コンピュータ
7,8 電子ビーム
8X,9X X方向の電子ビーム軌道
8Y,9Y Y方向の電子ビーム軌道
11 電子銃
13 第1成型アパーチャ
15 照明レンズ
17 第1成型偏向器
19 第2成型アパーチャ(セルアパーチャ)
21 第2成型偏向器
23 四極子レンズ
25 偏向器
27 電子検出器
29 ウェーハ(基板)
31 電子銃制御回路部
33a,33b 照明レンズ制御部
37 第1成形偏向制御回路部
39 セルアパーチャ駆動部
41 第2成形偏向制御回路部
43 四極子レンズ制御回路部
45 メモリ
55a,55b 偏向制御回路部
57 検出信号処理回路部
59 ステージ制御回路部
68X X方向の色収差積分子分布
68Y Y方向の色収差積分子分布

Claims (10)

  1. 荷電ビームを発生させて基板に照射する荷電ビーム出射手段と、
    所望の描画パターンに対応した形状の絞り孔を有するセルアパーチャと、
    前記荷電ビームが前記所望の断面形状を有するように前記荷電ビームを電界により偏向して前記セルアパーチャの所望の絞り孔に入射させる第1の偏向手段と、
    前記セルアパーチャを通過した前記荷電ビームを電界により縮小させて前記基板上に結像させる縮小投影手段と、
    前記セルアパーチャを通過した前記荷電ビームを電界により偏向して前記基板上での照射位置を調整する第2の偏向手段と、
    前記荷電ビームの照射を受けた前記基板の表面から発生する二次電子および反射電子が近接する描画パターンの露光量に影響を及す近接効果が発生する量を下回る加速電圧で前記荷電ビームが発生するように前記荷電ビーム出射手段を制御するとともに、前記荷電ビームが前記セルアパーチャと前記基板との間でX方向とY方向で略同一の縮小率で縮小し、かつ、X方向とY方向とで異なる軌道を通過して前記基板上で結像するように前記縮小投影手段に光軸に非対称な電界を形成させる制御手段と、を備え
    前記縮小投影手段は、前記荷電ビームの速度を前記縮小投影手段への入射速度である第1の速度を上回る第2の速度に引上げる加速電界と、この第2の速度を維持する等速電界と、前記第2の速度を下回る第3の速度に引下げる減速電界とを形成する、荷電ビーム描画装置。
  2. 荷電ビームを発生させて基板に照射する荷電ビーム出射手段と、
    所望の描画パターンに対応した形状の絞り孔を有するセルアパーチャと、
    前記荷電ビームが前記所望の断面形状を有するように前記荷電ビームを電界により偏向して前記セルアパーチャの所望の絞り孔に入射させる第1の偏向手段と、
    前記セルアパーチャを通過した前記荷電ビームを電界により縮小させて前記基板上に結像させる縮小投影手段と、
    前記セルアパーチャを通過した前記荷電ビームを電界により偏向して前記基板上での照射位置を調整する第2の偏向手段と、
    前記荷電ビームの照射を受けた前記基板の表面から発生する二次電子および反射電子が近接する描画パターンの露光量に影響を及す近接効果が発生する量を下回る加速電圧で前記荷電ビームが発生するように前記荷電ビーム出射手段を制御するとともに、前記荷電ビームが前記セルアパーチャと前記基板との間でX方向とY方向で略同一の縮小率で縮小し、かつ、X方向とY方向とで異なる軌道を通過して前記基板上で結像するように前記縮小投影手段に光軸に非対称な電界を形成させる制御手段と、を備え、
    前記縮小投影手段は、前記荷電ビームの速度を前記縮小投影手段への入射速度である第1の速度を上回る第2の速度に引上げる加速電界と、この第2の速度を維持する等速電界と、前記第2の速度を下回る第3の速度に引下げる減速電界とを形成し、
    前記縮小投影手段が前記等速電界を形成する領域は、前記荷電ビームとその光軸との距離が最大となる領域を少なくとも含む、
    荷電ビーム描画装置。
  3. 前記縮小投影手段は、N重(Nは自然数)のマルチポールレンズを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の荷電ビーム描画装置。
  4. 前記Nは、3以上の自然数であり、
    第1重目から第2重目の前記マルチポールレンズは、前記荷電ビームを加速し、
    第(N−1)重目から第N重目の前記マルチポールレンズは、前記荷電ビームを減速することを特徴とする請求項3に記載の荷電ビーム描画装置。
  5. 前記Nは、4以上の自然数であり、
    第1重目から第2重目の前記マルチポールレンズは、前記荷電ビームの速度を前記第1の速度から前記第2の速度に引上げる加速電界を形成し、
    第2重目から第(N−1)重目の前記マルチポールレンズは、前記第2の速度で前記荷電ビームを等速移動させる電界を形成し、
    第(N−1)重目から第N重目の前記マルチポールレンズは、前記荷電ビームの速度を前記第2の速度から前記第3の速度に引上げる減速電界を形成することを特徴とする請求項3または4に記載の荷電ビーム描画装置。
  6. 前記マルチポールレンズは、静電型であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の荷電ビーム描画装置。
  7. 発生された荷電ビームを所望のパターンに応じた断面形状を有するように整形して基板に照射し、この基板に前記所望のパターンを描画する荷電ビーム描画装置を用いるパターン描画方法であって、
    前記荷電ビームの照射を受けた前記基板の表面から発生する二次電子および反射電子が近接する描画パターンの露光量に影響を及す近接効果が発生する量を下回る加速電圧で前記荷電ビームを発生させる第1の手順と、
    整形された前記荷電ビームがX方向とY方向とで異なる軌道を通過するように前記荷電ビームを制御するとともに、X方向とY方向とで略同一の縮小率をもって前記基板上で結像するように前記荷電ビームを縮小投影する第2の手順と、を備え、
    前記第2の手順は、整形された前記荷電ビームの荷電粒子の移動速度を引上げてより高速で等速移動させ、その後前記荷電粒子の速度を引下げて前記基板上で収束させる手順を含む、
    パターン描画方法。
  8. 発生された荷電ビームを所望のパターンに応じた断面形状を有するように整形して基板に照射し、この基板に前記所望のパターンを描画する荷電ビーム描画装置を用いるパターン描画方法であって、
    前記荷電ビームの照射を受けた前記基板の表面から発生する二次電子および反射電子が近接する描画パターンの露光量に影響を及す近接効果が発生する量を下回る加速電圧で前記荷電ビームを発生させる第1の手順と、
    整形された前記荷電ビームがX方向とY方向とで異なる軌道を通過するように前記荷電ビームを制御するとともに、X方向とY方向とで略同一の縮小率をもって前記基板上で結像するように前記荷電ビームを縮小投影する第2の手順と、を備え、
    前記第2の手順は、整形された前記荷電ビームの荷電粒子の移動速度を引上げてより高速で等速移動させ、その後前記荷電粒子の速度を引下げて前記基板上で収束させる手順を含み、
    前記荷電粒子を前記高速で等速移動させる領域は、前記荷電ビームからその光軸までの距離が最大となる領域を少なくとも含む、
    パターン描画方法。
  9. 発生された荷電ビームを所望のパターンに応じた断面形状を有するように整形して基板に照射し、この基板に前記所望のパターンを描画する荷電ビーム描画装置に用いられ、
    前記荷電ビームの照射を受けた前記基板の表面から発生する二次電子および反射電子が近接する描画パターンの露光量に影響を及す近接効果が発生する量を下回る加速電圧で前記荷電ビームを発生させる第1の手順と、
    整形された前記荷電ビームがX方向とY方向とで異なる軌道を通過するように前記荷電ビームのビーム軌道を制御するとともに、X方向とY方向とで略同一の縮小率をもって前記基板上で結像するように前記荷電ビームを縮小投影する第2の手順と、を備え、
    前記第2の手順は、整形された前記荷電ビームの荷電粒子の速度を引上げてより高速で等速移動させ、その後前記荷電粒子の速度を引下げて前記基板上で結像させる手順を含む、パターン描画方法を前記荷電ビーム描画装置に実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  10. 発生された荷電ビームを所望のパターンに応じた断面形状を有するように整形して基板に照射し、この基板に前記所望のパターンを描画する荷電ビーム描画装置に用いられ、
    前記荷電ビームの照射を受けた前記基板の表面から発生する二次電子および反射電子が近接する描画パターンの露光量に影響を及す近接効果が発生する量を下回る加速電圧で前記荷電ビームを発生させる第1の手順と、
    整形された前記荷電ビームがX方向とY方向とで異なる軌道を通過するように前記荷電ビームのビーム軌道を制御するとともに、X方向とY方向とで略同一の縮小率をもって前記基板上で結像するように前記荷電ビームを縮小投影する第2の手順と、を備え、
    前記第2の手順は、整形された前記荷電ビームの荷電粒子の速度を引上げてより高速で等速移動させ、その後前記荷電粒子の速度を引下げて前記基板上で結像させる手順を含み、
    前記荷電粒子を前記高速で等速移動させる領域は、前記荷電ビームとその光軸との距離が最大となる領域を少なくとも含む、パターン描画方法を前記荷電ビーム描画装置に実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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