JP2002260853A - 有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法

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JP2002260853A
JP2002260853A JP2001056370A JP2001056370A JP2002260853A JP 2002260853 A JP2002260853 A JP 2002260853A JP 2001056370 A JP2001056370 A JP 2001056370A JP 2001056370 A JP2001056370 A JP 2001056370A JP 2002260853 A JP2002260853 A JP 2002260853A
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pattern shape
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Migaku Tada
琢 多田
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精細なフルカラー用有機EL素子を生産性
よく製造できる有機エレクトロルミネセンス素子の製造
方法を提供する。 【解決手段】 第1の基板61上に電極62を形成する
工程と、第2の基板41上に、順次色素含有の発光層4
2と、保護層43と、レジスト層44とを形成し、所定
パターンを有するフォトマスク45により前記レジスト
層44を露光後現像して、前記レジスト層44に前記所
定パターンの開口部47を形成し、前記開口部に露出し
た前記保護層43を除去して、前記開口部47に、前記
色素含有の前記発光層42を露出する工程と、前記第1
の電極62と前記発光層42が対向するように、前記第
1の基板61と前記第2の基板41を密着加熱して、前
記色素含有の前記所定パターンの前記発光層42Aを前
記第1の電極62上に蒸着形成する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネセンス素子の製造方法に係り、特に有機エレクトロ
ルミネセンス発光層の所定の部位に所定の色素をドーピ
ングするのに好適な有機エレクトロルミネセンス素子の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネセンス素子(以
下、単に有機EL素子ともいう)は、高速応答性を有
し、視野角依存性のない光を、低消費電力で発光するこ
とができることより、表示素子として、携帯端末機器や
パーソナルコンピューターのディスプレイ等に応用する
ことが検討されており、車載オーディオ用表示パネルに
はモノカラーを部分的に組み合わせたエリアカラーの表
示素子として実用化されている。
【0003】有機EL素子の赤(R)、緑(G)、青
(B)に対応した表示素子を組み合わせれば、フルカラ
ー表示も可能であることから、低電圧駆動で高輝度発光
する高性能の有機EL素子についての検討が種々なされ
ている。
【0004】図1は、有機EL素子の基本構成を示す概
略断面図である。有機EL素子10は、透明基板1上に
順次、陽極2、有機エレクトロルミネセンス層(以下、
単に有機EL層ともいう)8、陰極5を積層したものよ
り構成される。ガラスなどの透明基板1上に形成される
陽極2は、大きい仕事関数を有し透明な物質、例えばイ
ンジウム−スズ酸化物(Indium−Tin Oxi
de:以下、単にITOともいう)より構成される透明
電極である。
【0005】有機EL層8は、例えば、正孔輸送層3及
び発光層4から構成されるが、単一の層からなる単層型
や、電荷注入性、電荷輸送性、発光性の機能に応じた層
からなる積層型など、いろいろの構成がある。正孔輸送
層3としては、例えばアリールジアミン化合物が用いら
れる。
【0006】発光層4としては、蛍光性を有する高分子
材料から低分子材料、金属錯体まで幅広く使用され、そ
の形成法としては、材料により、溶液からの塗布等の湿
式法か真空蒸着などの乾式法が選択される。ここで、電
子輸送性の発光層4の例として、トリス(8−キノリノ
ール)アルミニウム有機金属錯体(以下,単にAlq3
ともいう)がある。
【0007】陰極5としては、小さい仕事関数を有す
る、例えば銀−マグネシウム合金膜が形成される。陽極
2と陰極5の間に電源6より電圧を印加すると、ITO
膜の陽極2より注入された正孔は正孔輸送層3を通して
運ばれて電子輸送性の発光層4に注入され、一方、銀-
マグネシウム合金膜の陰極5より注入された電子は電子
輸送性の発光層4中を移動し、電子と正孔は発光層4中
で両者結合して発光する。
【0008】この発光層4から発せられた光は、透明な
陽極2及び透明基板1を通して、外部に取り出される。
このときの発光色は、発光層4の発光色に依存し、単色
発光であり、Alq3の場合には、緑色発光である。発
光色は、発光層にドーピングされる色素によって,選択
できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、有機EL素
子より、発光光を取出し、これにより、フルカラーディ
スプレイを行わせる場合には、解像度に応じた数の画素
をマトリクス状に配列し、この画素(ピクセル)を、赤
(R)、緑(G)、青(B)の三種の微細な素子(サブ
ピクセル)の組合わせより構成する必要がある。
【0010】有機EL素子を構成する有機エレクトロル
ミネセンス膜(以下、単に有機EL膜ともいう)が低分
子材料から構成される場合には、これらの有機EL膜の
形成には、真空蒸着法が用いられるが、これによって発
光色の異なる微細形状の有機EL膜を正確に配置するこ
とは容易でない。すなわち、真空蒸着法の場合には、微
細なピクセル形状の蒸着マスクを、有機EL膜の形成さ
れるべき基板とは非接触で、しかも基板との隙間が出来
ないように、R,G,B毎に高精度に移動および位置決
めする必要があり、画素面積が微細化すればするほど、
マスク作製技術、位置決めおよび移動機構の精度向上が
求められ、生産性の低下は免れないという課題があっ
た。
【0011】一方、有機EL膜を高分子材料より構成す
る場合には、インクジェット法を用いて各色発光材料を
画素部に塗布してサブピクセルを形成することが提案さ
れているが、各色発光材料溶液の吐出方向および吐出量
の正確性が求められ、指定位置に吐出液が納まり、かつ
乾燥中に指定位置からブリード等を生じないように表面
処理をした微細なバンク(畔、堤防)を予め設けておく
必要があり、各画素間距離が大きくなり高精細化が容易
でないという課題があった。
【0012】そこで本発明は、上記課題を解決し、有機
エレクトロルミネセンス素子の製造方法において、高精
細なフルカラー用有機EL素子を生産性よく製造できる
有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、第1の発明は、第1の基板と、前記第1
の基板上に、順次形成された第1の電極と、色素を含有
した所定パターン形状を有する発光層と、第2の電極と
を有する有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法に
おいて、前記第1の基板上に前記第1の電極を形成する
工程と、第2の基板上に、順次前記色素を含有した前記
発光層と、保護層と、フォトレジスト層とを形成し、前
記所定パターン形状を有するフォトマスクにより前記フ
ォトレジストを露光後現像して、前記フォトレジスト層
に前記所定パターン形状の開口部を形成するとともに、
前記開口部に露出した前記保護層を除去して、前記開口
部に、前記色素を含有した前記発光層を露出する工程
と、前記第1の電極と前記色素を含有する所定パターン
形状を有する前記発光層が対向するように、前記第1の
基板と前記第2の基板を密着させて、前記第2の基板を
所定温度に加熱して、前記色素を含有する前記所定パタ
ーン形状を有する発光層を前記第1の電極上に蒸着形成
する工程とを有することを特徴とする有機エレクトロル
ミネセンス素子の製造方法である。
【0014】また、第2の発明は、第1の基板と、前記
第1の基板上に、順次形成されている、マトリクス状に
配列された複数の第1の電極と、色素を含有した発光層
と、第2の電極とを有する有機エレクトロルミネセンス
素子の製造方法において、前記第1の基板上に前記マト
リクス状に配列された複数の前記第1の電極を形成した
後、前記第1の基板上に前記第1の電極を覆って第1の
感光性樹脂層を形成し、前記第1の電極間の間隙部を遮
蔽する第1のパターン形状を有する第1のフォトマスク
により、前記第1の感光性樹脂層を露光後現像して、前
記第1のパターン形状を有する前記第1の感光性樹脂よ
りなる隔壁部を形成するとともに、前記第1の電極上
に、前記色素を含有しない前記発光層を形成する工程
と、第2の基板上に前記色素を含有した第2の感光性樹
脂層を形成した後、前記第1のパターン形状とは逆のパ
ターン形状である第2のパターン形状を有する第2のフ
ォトマスクにより、前記第2の感光性樹脂層を露光後現
像して、前記第2のパターン形状を有して前記色素を含
有した前記第2の感光性樹脂層を形成する工程と、前記
発光層と前記第2のパターン形状を有して前記色素を含
有した前記第2の感光性樹脂層とが対向するように、前
記第1の基板と前記第2の基板を密着させて、前記第2
の基板を所定温度に加熱して、前記色素を前記発光層に
拡散含有させる工程とを有することを特徴とする有機エ
レクトロルミネセンス素子の製造方法である。
【0015】また、第3の発明は、第1の基板と、前記
第1の基板上に、順次形成されている、マトリクス状に
配列された複数の第1の電極と、色素を含有した発光層
と、第2の電極とを有する有機エレクトロルミネセンス
素子の製造方法において、前記第1の基板上に前記マト
リクス状に配列された複数の前記第1の電極を形成した
後、前記第1の基板上に前記第1の電極を覆って第1の
感光性樹脂層を形成し、前記第1の電極間の間隙部を遮
蔽する第1のパターン形状を有する第1のフォトマスク
により、前記第1の感光性樹脂層を露光後現像して、前
記パターン形状を有する前記第1の感光性樹脂よりなる
隔壁部を形成して、前記第1の電極上に、前記色素を含
有しない前記発光層をする工程と、第2の基板上に第2
の感光性樹脂層を形成した後、前記第1のパターン形状
とは逆のパターン形状である第2のパターン形状を有す
る第2のフォトマスクにより、前記第2の感光性樹脂層
を露光後現像して、前記第2のパターン形状を有する前
記第2の感光性樹脂層を形成した後、前記第2の基板上
に前記色素を含有する色素層を形成するとともに、前記
第2の基板を加熱して前記色素を前記第2の感光性樹脂
層に拡散移行して、前記第2のパターン形状を有して前
記色素を含有した前記第2の感光性樹脂層を形成した
後、前記色素層を除去する工程と、前記発光層と前記第
2のパターン形状を有して前記色素を含有した前記第2
の感光性樹脂層とが対向するように、前記第1の基板と
前記第2の基板を密着させて、前記第2の基板を所定温
度に加熱して、前記色素を前記発光層に拡散含有させる
工程とを有することを特徴とする有機エレクトロルミネ
センス素子の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、好ましい実施例により、図面を参照して説明する。 <第1実施例>図2は、本発明の有機EL素子の製造方
法の第1実施例における色素マスクの形成方法の工程図
であリ、図3は、本発明の有機EL素子の製造方法の第
1実施例におけるフォトマスクを示す上面図であり、図
4は、本発明の有機EL素子の製造方法の第1実施例を
示す工程図である。
【0017】始めに、図2により、有機EL膜を基板上
に形成するのに用いる色素マスクを説明する。まず、図
2の(a)に示すように、例えばシリコンウエハからな
る基板41上に、真空蒸着法を用いて厚さ50nmのA
lq3からなる色素層42を形成する。このとき、後述
するように、この色素層42を用いて、発光層を形成す
るのであるが、ホスト−ゲストの系からなるドーパント
を用いる場合には、予め、発光層の組成となるように色
素層(発光層)42を形成しておく。
【0018】次に、図2の(b)に示すように、色素層
(発光層)42上に、スピンコート法により、ポリビニ
ールアルコールの0.5%水溶液を塗布して、その後十
分乾燥させて、厚さ100nmの保護膜43を形成す
る。次に、図2の(c)に示すように、ポジ型フォトレ
ジスト(東京応化工業(株)製、型式THMR−iP3
100)をスピンコ−ト法により塗布・乾燥して、厚さ
300nmのフォトレジスト膜44を形成する。
【0019】次に、図2の(d)に示すように、カラー
の画素(ピクセル)を構成するサブピクセルに対応する
大きさが8μm×20μmであり、所定の個数配列され
た所定の開口部46を有するフォトマスク45を介し
て、コンタクト露光機の水銀ランプを用いて60秒露光
する。次に、図2の(e)に示すように、アルカリ現像
液(東京応化工業(株)製、型式DE−3)にて、20
秒現像して、開口部46に対応する部分を除去した所定
形状のフォトレジスト膜44Aを得る。
【0020】次に、図2の(f)に示すように、フォト
レジスト膜44Aのない部分の露出した保護膜43を水
洗により除去して、開口部47に色素層42が露出して
いる色素マスク50を得る。以上の工程を、R、G、B
用の各色素について行うことにより、R、G、B用の色
素マスク50を得ることができる。
【0021】ここで、図3に示すように、開口部47を
形成するのに用いるフォトマスクは、図3の(a)に示
すように、フルカラーの画素を形成するのに、ストライ
プ状(例えば、8μm×14.4mmの大きさ)の所定
数の開口部47aRを有するR用のフォトマスク50a
R、同様にストライプ状の所定数の開口部47aGを有
するG用のフォトマスク50aG、同様にストライプ状
の所定数の開口部47aBを有するB用のフォトマスク
50aBの組合せを用いることができる。ここで、各開
口部47aR,47aG,47aBは互いに1ピッチ
(10μm)づつずれている。3枚のフォトマスク50
aR,50aG,50aGを適当に重ねると横方向は画
素列の個数に対応するR,G,Bのストライプ状開口部
が配列される。
【0022】また、図3の(b)に示すように、フルカ
ラーの画素を形成するのに、直線状に配列された短冊状
(例えば、8μm×20μmの大きさ)の所定数の開口
部47bRを有するR用のフォトマスク50bR、短冊
状の開口部47bGを有するG用のフォトマスク50b
G、短冊状の開口部47bBを有するB用のフォトマス
ク50aBの組合せを用いることができる。ここで、各
開口部47bR,47bG,47bBは互いに1ピッチ
(10μm)づつずれている。3枚のフォトマスク50
bR,50bG,50bGを適当に重ねるとマトリクス
状に配列される画素に対応するR,G,Bの短冊状の開
口部が配列される。
【0023】また、図3の(c)に示すように、フルカ
ラーの画素を形成するのに、階段状に配列された短冊状
(例えば、8μm×20μmの大きさ)の開口部47c
Rを有するR用のフォトマスク50cR、短冊状の開口
部47cGを有するG用のフォトマスク50cG、短冊
状の開口部47cBを有するB用のフォトマスク50c
Bの組合せを用いることができる。ここで、各開口部4
7cR,47cG,47cBは互いに1ピッチ(10μ
m)づつずれている。3枚のフォトマスク50cR,5
0cG,50cGを適当に重ねるとマトリクス状に配列
される画素に対応するR,G,Bの短冊状の開口部が配
列される。
【0024】ここで、ホストとなる色素層42として
は、R、G系統の場合には、上述のAlq3等の有機金
属錯体が、また、B系統の場合には、ジフェニルビニル
ビフェニル等の材料が使用できる。また、ドーパントす
なわちゲストとなる色素は、蛍光性を有してRGB系統
を発色するものであればそれぞれ使用可能であり、R系
統では、ポルフィリン化合物、クロリン化合物、ペリレ
ン化合物、ジシアノピラン化合物、スクアリリウム化合
物、ジスチリル化合物、ユーロリジン化合物等が、ま
た、G系統では、クマリン化合物、キナクリドン化合
物、キノリノール金属錯体化合物等が、また、B系統で
は、ジスチリルアリール化合物、ジアリールアミン化合
物、トリアリールアミン化合物、テトラフェニルブタジ
エン、ペリレン等の蛍光色素を用いることができる。色
素層42の膜厚は1nmから100nm程度に規定さ
れ、望ましくは10nmから50nm程度となる。
【0025】保護膜43としては色素層42の色素およ
びフォトレジスト膜44が不溶な水溶性高分子であれば
用いることができ、ポリビニルアルコール(以下、単に
PVAともいう)、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、
ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホ
ネート(以下,単にPEDOT/PSSともいう)等が
用いられる。水溶液中の濃度は、スピンコートにより成
膜したときに膜厚が後10nmから100nm程度とな
るように決められ、0.1wt%から1wt%程度が適
当である。保護膜43が厚すぎると、保護膜43除去の
エッチング工程でサイドエッチによる開口部47のパタ
ーンの不均一化が生じ、また、後述する加熱蒸着時に、
色素の飛散距離が長くなるため均一な成膜が行われなく
なる可能性があリ、好ましくない。
【0026】フォトレジスト膜44形成には、通常のポ
ジレジストを用いることができ、g線用、i線用として
市販されているものがいずれも使用可能である。膜厚と
しては、保護膜43のエッチング工程、後述する加熱蒸
着工程を考慮して、10nmから1000nm程度が用
いられる。また、フォトレジストの種類によっては、現
像時にテーパーを持たせることが可能であり、後述の加
熱蒸着による成膜時に画素エッジを明瞭にさせるよう加
工することも可能である。
【0027】次に、図4を参照して、上述の色素マスク
50を用いる、有機EL素子の形成を説明する。まず、
図4の(a)に示すように、所定の厚さを有する、陽極
となるITO膜62の形成されている、例えばガラスか
らなる基板61を洗浄後、さらに酸素プラズマ処理を1
分施した後、真空装置内で、厚さ40nmのN,N’−
ジフェニル−N,N’−ジ(m−トルイル)ベンジジン
(以下、単にTPDともいう)からなる正孔輸送層63
を形成する。その後、上述した色素マスク50を、色素
層42を正孔輸送層63とが対向するように向かい合わ
せて、顕微鏡下で基板61との位置合わせを行う。この
位置合わせは、正孔輸送層63の所定の位置に開口部4
7の色素層42が配置されるように行われる。なお、陽
極となるITO膜62を、マトリクス状に配列された画
素にそれぞれ対応する画素電極として構成することもで
きる。
【0028】次に、図4の(b)に示すように、真空装
置中で通電加熱し、開口部47の色素層42のAlq3
を、正孔輸送層63のTPD上に成膜する。次に、図4
の(c)に示すように、色素マスク50を基板61から
取り外し、正孔輸送層63の所定の位置に、所定形状の
色素層すなわち発光層42Aの形成された基板61を得
る。その後、図示しない、厚さ1nmのLiF膜及び厚
さ80nmのAl膜を形成し、これらの膜の形成された
基板61とガラス基板を、紫外線硬化樹脂で張り合わせ
封止して、有機EL素子を得た。
【0029】その後、この有機EL素子のITO膜62
とAl膜間に電圧を印加して、Alq3からなる発光層
42Aで、5Vの印加電圧で緑色の発光を確認した。
【0030】以上、G用の発光層を有する色素マスクを
例に説明したが、この方法によれば、保護膜43A、フ
ォトレジスト膜44Aが隔壁の作用をなし、所定形状の
色素層を正孔輸送層の所定位置に、正確に形成でき、こ
れにより、各色毎の発光層の形成を順次繰り返すことに
より、フルカラー対応の有機EL素子を容易に生産性よ
く形成できる。
【0031】なお、基板61上に、ポリチオフェン化合
物、ポリアニリン化合物、フタロシアニン化合物あるい
はスターバーストアミンとして知られるトリフェニルア
ミン誘導体等の正孔注入層と、複数個のジアリールアミ
ン基を構成要素とする正孔輸送層を形成してもよい。
【0032】また、色素マスク50側から、基板61側
へ色素層42を蒸着する際の加熱は、基板41及び基板
61両方あるいはどちらか一方を加熱しても良いし、対
向させた両基板41、61全体を高温雰囲気中に保持し
てもよい。ここで、基板41と色素マスクの密着性を向
上させるために必要に応じて加圧してもよい。蒸着され
る色素層の色素の分解等を防ぐためにはできるだけ加熱
温度を低くする方が望ましく、真空中で行われることが
望ましい。なお、上述の説明では省略したが、基板61
上には、前工程で画素制御TFTを有するアクティブマ
トリックス層(図示しない)を設けることも可能であ
る。
【0033】<第2実施例>図5は、本発明の有機EL
素子の製造方法の第2実施例における色素スタンプの形
成方法の一例を示す工程図であり、図6は、本発明の有
機EL素子の製造方法の第2実施例におけるフォトマス
クを示す上面図であリ、図7は、本発明の有機EL素子
の製造方法の第2実施例における色素スタンプの形成方
法の他の例を示す工程図であリ、図8は、本発明の有機
EL素子の製造方法の第2実施例を示す工程図であリ、
図9は、色素拡散における色素濃度と有機EL素子のE
L強度との関係を示すグラフ図であリ、図10は、本発
明の有機EL素子の製造方法の第2実施例により得られ
る有機EL素子を示す概略断面構成図である。
【0034】有機EL素子によって、画面対角サイズを
1型(1インチ)として、画素数640×480のVG
Aレベルをフルカラーで表示するものとすると、有機E
L素子を構成する画素の縦横のピッチはそれぞれ30μ
mとなり、R、G、Bそれぞれでは、10μm×30μ
mが一画素の一色の領域となり、隣接画素間隔は1μm
以下とする必要がある。以下、このような精度でも、有
機EL素子を構成できる方法を説明する。
【0035】始めに、色素スタンプの形成方法について
説明する。まず、図5の(a)に示すように、例えばシ
リコンウエハからなる基板11上に、例えば赤(R)用
の色素を溶解させた例えばフォトレジストからなる感光
性樹脂溶液を、スピンコート法により塗布・乾燥して、
所定厚さの色素含有する感光性樹脂層12Aを形成す
る。
【0036】次に、図5の(b)に示すように、所定の
形状の部分を、ポジ型感光性樹脂であれば露光部が除去
されるような開口部16を持つよう加工されたフォトマ
スク13を用い、感光性樹脂層12Aを露光する。この
とき未露光部の形状を、後述する基板21に形成される
隔壁部26内部の面積より小さいものとしておく。
【0037】次に、図5の(c)に示すように、露光さ
れた感光性樹脂が溶解する溶媒で、感光性樹脂層12A
を現像して、露光部を除去し、基板11上にR用の色素
を含有した所定形状の感光性樹脂層14を形成した色素
スタンプ20Aを得る。以上の工程を、R、G、B用の
各色素を含有した感光性樹脂層について行うことによ
り、R、G、B用のサブピクセルを構成するための各色
素スタンプを得ることができる。
【0038】ここで、図6に示すように、色素スタンプ
20A上に所定形状の感光性樹脂層14を形成するのに
用いるフォトマスクは、図6の(a)に示すように、フ
ルカラーの画素を形成するのに、ストライプ状(例え
ば、8μm×14.4mmの大きさ)の開口部16aR
を有するR用のフォトマスク13aR、同様のストライ
プ状の開口部16aGを有するG用のフォトマスク13
aG、同様のストライプ状の開口部16aBを有するB
用のフォトマスク13aBの組合せを用いることができ
る。ここで、各開口部16aR,16aG,16aBは
互いに1ピッチ(10μm)づつずれている。3枚のフ
ォトマスク13aR,13aG,13aGを適当に重ね
ると横方向は画素列の個数に対応するR,G,Bのスト
ライプ状開口部が配列される。
【0039】また、図6の(b)に示すように、フルカ
ラーの画素を形成するのに、直線状に配列された短冊状
(例えば、8μm×18μmの大きさ)の開口部16b
Rを有するR用のフォトマスク13bR、同様の短冊状
の開口部16bGを有するG用のフォトマスク13b
G、同様の短冊状の開口部16bBを有するB用のフォ
トマスク13aBの組合せを用いることができる。ここ
で、各開口部16bR,16bG,16bBは互いに1
ピッチ(10μm)づつずれている。3枚のフォトマス
ク13bR,13bG,13bGを適当に重ねるとマト
リクス状に配列される画素に対応するR,G,Bの短冊
状の開口部が配列される。
【0040】また、図6の(c)に示すように、フルカ
ラーの画素を形成するのに、階段状に配列された短冊状
(例えば、8μm×18μmの大きさ)の開口部16c
Rを有するR用のフォトマスク13cR、同様の短冊状
の開口部16cGを有するG用のフォトマスク13c
G、同様の短冊状の開口部16cBを有するB用のフォ
トマスク13cBの組合せを用いることができる。ここ
で、各開口部16cR,16cG,16cBは互いに1
ピッチ(10μm)づつずれている。3枚のフォトマス
ク13cR,13cG,13cGを適当に重ねるとマト
リクス状に配列される画素に対応するR,G,Bの短冊
状の開口部が配列される。
【0041】ここで、感光性樹脂層14に含有される色
素は、蛍光性を有するRGB系統を発色するものであれ
ば使用可能であり、第1実施例で示したドーパントすな
わちゲストとなる色素を用いることができる。
【0042】ここで、感光性樹脂層12Aに用いられる
感光性樹脂は、g線もしくはi線に感光するもので、ア
クリル系、メタクリル系、ポリイミド系、エポキシ系等
の化合物(高分子材料)が用いられ、これらには開始剤
等の助剤が添加されている。後述する色素の移行拡散工
程においては、感光性樹脂層12を形成する高分子材料
のガラス転移点温度Tgが重要となり、含有されている
色素の放出をより容易にするには、Tgは色素の移行拡
散工程における拡散温度以下のものが望ましい。
【0043】感光性樹脂層12Aに含まれる色素が、紫
外光照射により、失活する場合には、図7に示す方法に
より、色素マスクを形成する。
【0044】すなわち、まず、図7の(a)に示すよう
に、基板11上に、所定膜厚を有する感光性樹脂層12
Bを形成する。ここで、所定膜厚は、後述の隔壁部26
の高さ以内とし、100nmから300nmの範囲であ
る。感光性樹脂層12Bには、上述した感光性樹脂層1
2Aに用いられる感光性樹脂が用いられる。
【0045】次に、図7の(b)に示すように、フォト
マスク13(各色に対応する図6に示したフォトマスク
の組合せを用いる、例えば、R用のフォトマスク13a
R,G用のフォトマスク13aG,B用のフォトマスク
13aBの組合せ:ここでは、フォトマスク13aRで
あるが、まとめてフォトマスク13という)を用い、感
光性樹脂層12Bを露光する。
【0046】次に、図7の(c)に示すように、露光さ
れた感光性樹脂が溶解する溶媒で、感光性樹脂層12B
を現像して、露光部を除去し、基板11上に所定形状の
感光性樹脂層15を形成する。
【0047】次に、図7の(d)に示すように、所定の
蛍光色素からなる色素層17を蒸着法あるいはスピンコ
ート法を用いて感光性樹脂層15を蔽って形成する。
【0048】次に、図7の(e)に示すように、基板1
1全体を所定の温度サイクルを通し、感光性樹脂層15
上に形成された色素層17を移行拡散して、色素を含有
する感光性樹脂層18を得る。
【0049】次に、図7の(f)に示すように、基板1
1上の不要な色素層17を除去して、画素に対応する色
素スタンプ20Bを得る。以上の工程を、R、G、B用
の各色素を含有した感光性樹脂層について行うことによ
り、画素に対応するR、G、B用のサブピクセルを構成
するための各色素スタンプを得ることができる。
【0050】次に、有機EL素子の形成について説明す
る。まず、図8の(a)に示すように、アクティブマト
リクス型の有機EL素子を形成する例えば単結晶シリコ
ンからなる基板21上には、各画素に対応して、図示し
ない例えばTFT回路が形成してあり、さらに所定形状
の画素電極22が形成されている。画素電極22の形成
された基板21上に、所定の厚さの感光性樹脂層23を
形成する。なお、TFT回路は、、画素電極22を選択
するためのトランジスタ(ソース、ゲート、ドレインか
らなる)と、画素信号を蓄積するキャパシタと、これら
に接続する配線より構成される。
【0051】次に、図8の(b)に示すように、所定形
状の開口部25を有するフォトマスクを用いて、感光性
樹脂層23に紫外線を照射・露光する。
【0052】次に、図8の(c)に示すように、感光性
樹脂層23を現像し、不要な感光性樹脂を除去し、画素
電極22の端部を蔽う隔壁部26を形成する。ここで、
隔壁部26の高さは、感光性樹脂層23の厚さによって
定まるが、画素電極23上に形成される有機EL膜の全
膜厚を考慮し、上述のように100nmから300nm
であればよい。なお、この隔壁部26を黒色顔料の分散
してあるレジストによって形成することも可能であり、
ブラックマトリックスの役割を担わせることも可能であ
る。
【0053】次に、図8の(d)に示すように、画素電
極22上にポリチオフェン化合物、ポリアニリン化合物
あるいはフタロシアニン化合物等からなる図示しないホ
ール注入層、もしくは複数個のジアリールアミン基を分
子内に含有する、図示しないホール輸送層を形成する。
その上に、高分子発光材料からなる発光層27を例えば
スピンコート法により形成する。発光層27の厚みは1
0nmから200nmの範囲であれば良く、好ましくは
50nmから100nmの範囲となる。
【0054】なお、発光層27を構成する高分子発光材
料としては、ポリフルオレン化合物、ポリフェニレンビ
ニレン化合物、ポリチオフェン化合物、ポリビニルカル
バゾール化合物、ポリカーボネート化合物、ポリアセチ
レン化合物等のポリマー、あるいは、これらのポリマー
と、電荷注入機能、電荷輸送機能及び色純度改善機能と
を持たせた分子団とのコポリマーを用いることができ
る。また、発光層27の形成には、湿式法であるスピン
コート法、キャスト法、ディップ法、スプレー法、ラン
グミュアーブロジェット法等が用いられる。
【0055】次に、図8の(e)に示すように、所定の
色の色素スタンプ20A、20Bの色素の含有された感
光性樹脂14が発光層27に精度よく対向するように、
基板21と色素スタンプの位置合わせを行う。
【0056】次に、図8の(f)に示すように、基板2
1及び色素スタンプ20A,20Bを加熱して、感光性
樹脂層14より含有されている色素を発光層27に移行
・拡散させ、色素のドーピングされた発光層28を得
る。なお、このときの加熱は不活性雰囲気中で行われ、
基板21あるいは色素スタンプ20A,20Bの両方あ
るいはどちらか一方を加熱しても良いし、対向させた両
者を所定の高温雰囲気中に保持してもよい。
【0057】図示しないが、色素のドーピングをR,
G,Bの各色について行い、その後ドーピングされた発
光層28の上に、必要に応じて電荷阻止層、電子輸送
層、電子注入層を形成した後、Al、Mg、Li、C
a、Cs等の仕事関数の低いアルカリ金属やアルカリ土
類金属あるいはその合金からなる電極、さらに必要に応
じて透明電極を形成し、陰極とし、有機EL素子を得
る。これを図10に示す。
【0058】図10において、有機EL素子50は、基
板21上に形成された画素に対応する画素電極22上
に、正孔注入/輸送層29、色素のドープされた発光層
28R,28G,28B、電子輸送/注入層32が順次
形成されており、その上に極薄膜陰極30及び透明電極
31が形成されており、各画素間は隔壁部で分離されて
いる。
【0059】このように、各画素間は隔壁部で分離され
ているので、各色の色素スタンプによる発光層への色素
ドープが容易に確実に行うことができる。
【0060】ここで、色素の発光層への拡散(ドーピン
グ)は、感光性樹脂中の色素濃度、加熱温度、加熱時
間、色素の融点、発光層及び色素スタンプを構成する感
光性樹脂のTg等に依存するが、加熱温度と加熱時間の
制御で均一な拡散ができる。拡散当初は、発光層側の表
面近傍で色素濃度が高いが、時間の経過により色素は発
光層内へ均一に拡散する。隣接する異なる色の画素への
ブリードは隔壁部により防止できるから最適な濃度とな
るよう拡散させればよい。最適な色素濃度は、発光層の
エレクトロルミネセンス強度(以下、単にEL強度とい
う)測定により判定できる。
【0061】なお、発光層として、高分子発光材料であ
るポリビニルカルバゾールを、感光性樹脂層としてアク
リル系ポリマー、色素としてG系統のクマリン6を用い
た場合、色素拡散における感光性樹脂中の色素濃度と拡
散温度および有機EL素子化後のEL強度との関係を図
9に示す。有機EL素子については、ポリチオフェン化
合物からなるホール輸送層(バイエル社、Baytro
n P)をスピンコート法により60nm形成後、ポリ
ビニルカルバゾール(アルドリッチ社)をクロロホルム
溶液0.3wt%より同じくスピンコート法により60
nm形成した。また、色素拡散後にホール阻止層として
バソクプロイン(和光純薬社)を20nm、次いでAl
を100nmそれぞれ真空蒸着により形成し、有機EL
素子とした.
【0062】色素拡散は、図9中に示した濃度の色素ク
マリン6(アルドリッチ社)を感光性樹脂(JSR社、
オプトマーPC)に所定の濃度溶解させた後、上述の工
程に従いパターンを形成した色素スタンプを用い、図9
中に示した所定の加熱温度で行った。EL強度は最高輝
度を比較した。図9において、曲線kは加熱温度が90
℃、曲線lは加熱温度が110℃、曲線mは加熱温度が
120℃、曲線nは加熱温度が140℃の場合をそれぞ
れ示す。なお、加熱時間は、いずれも10分である。こ
れより、一定の加熱時間で加熱温度を変化させた場合
に、色素の移行が制御可能なことを示す。R、G、B各
色素の移行条件が大きく異なるものがあれば、その色素
のみ色素スタンプを別に作製すれば良い。
【0063】このように、発光層と色素を含有する感光
性樹脂層とを対向させて、色素を発光層側に加熱拡散さ
せることにより、発光層の所定の精細な部分に任意の色
素を正確な量ドーピングできるので、高精細なカラー用
の有機EL素子を容易に生産性よく製造できる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機エレ
クトロルミネセンス素子の製造方法は、請求項1記載に
よれば、第1の基板上に第1の電極を形成する工程と、
第2の基板上に、順次色素を含有した発光層と、保護層
と、フォトレジスト層とを形成し、所定パターン形状を
有するフォトマスクにより前記フォトレジストを露光後
現像して、前記フォトレジスト層に前記所定パターン形
状の開口部を形成するとともに、前記開口部に露出した
前記保護層を除去して、前記開口部に、前記色素を含有
した前記発光層を露出する工程と、前記第1の電極と前
記色素を含有する所定パターン形状を有する前記発光層
が対向するように、前記第1の基板と前記第2の基板を
密着させて、前記第2の基板を所定温度に加熱して、前
記色素を含有する前記所定パターン形状を有する発光層
を前記第1の電極上に蒸着形成する工程とを有すること
により、高精細なフルカラー用有機EL素子を生産性よ
く製造できる有機エレクトロルミネセンス素子の製造方
法を提供することができるという効果がある。
【0065】また、本発明の有機エレクトロルミネセン
ス素子の製造方法は、請求項2記載によれば、第1の基
板上にマトリクス状に配列された複数の第1の電極を形
成した後、前記第1の基板上に前記第1の電極を覆って
第1の感光性樹脂層を形成し、前記第1の電極間の間隙
部を遮蔽する第1のパターン形状を有する第1のフォト
マスクにより、前記第1の感光性樹脂層を露光後現像し
て、前記第1のパターン形状を有する前記第1の感光性
樹脂よりなる隔壁部を形成するとともに、前記第1の電
極上に、色素を含有しない発光層を形成する工程と、第
2の基板上に前記色素を含有した第2の感光性樹脂層を
形成した後、前記第1のパターン形状とは逆のパターン
形状である第2のパターン形状を有する第2のフォトマ
スクにより、前記第2の感光性樹脂層を露光後現像し
て、前記第2のパターン形状を有して前記色素を含有し
た前記第2の感光性樹脂層を形成する工程と、前記発光
層と前記第2のパターン形状を有して前記色素を含有し
た前記第2の感光性樹脂層とが対向するように、前記第
1の基板と前記第2の基板を密着させて、前記第2の基
板を所定温度に加熱して、前記色素を前記発光層に拡散
含有させる工程とを有することにより、高精細なフルカ
ラー用有機EL素子を生産性よく製造できる有機エレク
トロルミネセンス素子の製造方法を提供することができ
るという効果がある。
【0066】また、本発明の有機エレクトロルミネセン
ス素子の製造方法は、請求項3によれば、第1の基板上
にマトリクス状に配列された複数の第1の電極を形成し
た後、前記第1の基板上に前記第1の電極を覆って第1
の感光性樹脂層を形成し、前記第1の電極間の間隙部を
遮蔽する第1のパターン形状を有する第1のフォトマス
クにより、前記第1の感光性樹脂層を露光後現像して、
前記パターン形状を有する前記第1の感光性樹脂よりな
る隔壁部を形成して、前記第1の電極上に、色素を含有
しない発光層をする工程と、第2の基板上に第2の感光
性樹脂層を形成した後、前記第1のパターン形状とは逆
のパターン形状である第2のパターン形状を有する第2
のフォトマスクにより、前記第2の感光性樹脂層を露光
後現像して、前記第2のパターン形状を有する前記第2
の感光性樹脂層を形成した後、前記第2の基板上に前記
色素を含有する色素層を形成するとともに、前記第2の
基板を加熱して前記色素を前記第2の感光性樹脂層に拡
散移行して、前記第2のパターン形状を有して前記色素
を含有した前記第2の感光性樹脂層を形成した後、前記
色素層を除去する工程と、前記発光層と前記第2のパタ
ーン形状を有して前記色素を含有した前記第2の感光性
樹脂層とが対向するように、前記第1の基板と前記第2
の基板を密着させて、前記第2の基板を所定温度に加熱
して、前記色素を前記発光層に拡散含有させる工程とを
有することにより、高精細なフルカラー用有機EL素子
を生産性よく製造できる有機エレクトロルミネセンス素
子の製造方法を提供することができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL素子の基本構成を示す概略断面図であ
る。
【図2】本発明の有機EL素子の製造方法の第1実施例
における色素マスクの形成方法の工程図である。
【図3】本発明の有機EL素子の製造方法の第1実施例
におけるフォトマスクを示す上面図である。
【図4】本発明の有機EL素子の製造方法の第1実施例
を示す工程図である。
【図5】本発明の有機EL素子の製造方法の第2実施例
における色素スタンプの形成方法の一例を示す工程図で
ある。
【図6】本発明の有機EL素子の製造方法の第2実施例
におけるフォトマスクを示す上面図である。
【図7】本発明の有機EL素子の製造方法の第2実施例
における色素スタンプの形成方法の他の例を示す工程図
である。
【図8】本発明の有機EL素子の製造方法の第2実施例
を示す工程図である。
【図9】色素拡散における色素濃度と有機EL素子のE
L強度との関係を示すグラフ図である。
【図10】本発明の有機EL素子の製造方法の第2実施
例により得られる有機EL素子を示す概略断面構成図で
ある。
【符号の説明】
1…(透明)基板、2…陽極、3…正孔輸送層、4…発
光層、5…陰極、6…電源、7…発光光、8…有機EL
層、10…有機EL素子、11…基板、12A…(色素
含有)感光性樹脂層、12B…感光性樹脂層、13a
R,13bR,13cR,13aG,13bG,13c
G,13aB,13bB,13cB…フォトマスク、1
5…感光性樹脂層、16,16aR,16bR,16c
R,16aG,16bG,16cG,16aB,16b
B,16cB…開口部、17…色素層、18…(色素含
有)感光性樹脂層、20A,20B…色素スタンプ、2
1…基板、22…画素電極、23…感光性樹脂、24…
フォトマスク、25…開口部、26…隔壁部、27…発
光層、28,28R,28G,28B…発光層、29…
正孔注入/輸送層、30…極薄膜陰極、31…透明電
極、32…電子輸送/注入層、41…基板、42,42
A…色素層(発光層)、43…保護膜、44、44A…
フォトレジスト、45…フォトマスク、46…開口部、
47aR,47bR,47cR,47aG,47bG,
47cG,47aB,47bB,47cB…開口部、5
0、50aR,50bR,50cR,50aG,50b
G,50cG,50aB,50bB,50cB…色素マ
スク、61…基板、62…電極(ITO膜)、63…正
孔輸送層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の基板と、前記第1の基板上に、順次
    形成された第1の電極と、色素を含有した所定パターン
    形状を有する発光層と、第2の電極とを有する有機エレ
    クトロルミネセンス素子の製造方法において、 前記第1の基板上に前記第1の電極を形成する工程と、 第2の基板上に、順次前記色素を含有した前記発光層
    と、保護層と、フォトレジスト層とを形成し、前記所定
    パターン形状を有するフォトマスクにより前記フォトレ
    ジストを露光後現像して、前記フォトレジスト層に前記
    所定パターン形状の開口部を形成するとともに、前記開
    口部に露出した前記保護層を除去して、前記開口部に、
    前記色素を含有した前記発光層を露出する工程と、 前記第1の電極と前記色素を含有する所定パターン形状
    を有する前記発光層が対向するように、前記第1の基板
    と前記第2の基板を密着させて、前記第2の基板を所定
    温度に加熱して、前記色素を含有する前記所定パターン
    形状を有する発光層を前記第1の電極上に蒸着形成する
    工程とを有することを特徴とする有機エレクトロルミネ
    センス素子の製造方法。
  2. 【請求項2】第1の基板と、前記第1の基板上に、順次
    形成されている、マトリクス状に配列された複数の第1
    の電極と、色素を含有した発光層と、第2の電極とを有
    する有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法におい
    て、 前記第1の基板上に前記マトリクス状に配列された複数
    の前記第1の電極を形成した後、前記第1の基板上に前
    記第1の電極を覆って第1の感光性樹脂層を形成し、前
    記第1の電極間の間隙部を遮蔽する第1のパターン形状
    を有する第1のフォトマスクにより、前記第1の感光性
    樹脂層を露光後現像して、前記第1のパターン形状を有
    する前記第1の感光性樹脂よりなる隔壁部を形成すると
    ともに、前記第1の電極上に、前記色素を含有しない前
    記発光層を形成する工程と、 第2の基板上に前記色素を含有した第2の感光性樹脂層
    を形成した後、前記第1のパターン形状とは逆のパター
    ン形状である第2のパターン形状を有する第2のフォト
    マスクにより、前記第2の感光性樹脂層を露光後現像し
    て、前記第2のパターン形状を有して前記色素を含有し
    た前記第2の感光性樹脂層を形成する工程と、 前記発光層と前記第2のパターン形状を有して前記色素
    を含有した前記第2の感光性樹脂層とが対向するよう
    に、前記第1の基板と前記第2の基板を密着させて、前
    記第2の基板を所定温度に加熱して、前記色素を前記発
    光層に拡散含有させる工程とを有することを特徴とする
    有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  3. 【請求項3】第1の基板と、前記第1の基板上に、順次
    形成されている、マトリクス状に配列された複数の第1
    の電極と、色素を含有した発光層と、第2の電極とを有
    する有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法におい
    て、 前記第1の基板上に前記マトリクス状に配列された複数
    の前記第1の電極を形成した後、前記第1の基板上に前
    記第1の電極を覆って第1の感光性樹脂層を形成し、前
    記第1の電極間の間隙部を遮蔽する第1のパターン形状
    を有する第1のフォトマスクにより、前記第1の感光性
    樹脂層を露光後現像して、前記パターン形状を有する前
    記第1の感光性樹脂よりなる隔壁部を形成して、前記第
    1の電極上に、前記色素を含有しない前記発光層をする
    工程と、 第2の基板上に第2の感光性樹脂層を形成した後、前記
    第1のパターン形状とは逆のパターン形状である第2の
    パターン形状を有する第2のフォトマスクにより、前記
    第2の感光性樹脂層を露光後現像して、前記第2のパタ
    ーン形状を有する前記第2の感光性樹脂層を形成した
    後、前記第2の基板上に前記色素を含有する色素層を形
    成するとともに、前記第2の基板を加熱して前記色素を
    前記第2の感光性樹脂層に拡散移行して、前記第2のパ
    ターン形状を有して前記色素を含有した前記第2の感光
    性樹脂層を形成した後、前記色素層を除去する工程と、 前記発光層と前記第2のパターン形状を有して前記色素
    を含有した前記第2の感光性樹脂層とが対向するよう
    に、前記第1の基板と前記第2の基板を密着させて、前
    記第2の基板を所定温度に加熱して、前記色素を前記発
    光層に拡散含有させる工程とを有することを特徴とする
    有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
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