JP2002259628A - 環境負荷評価方法および装置 - Google Patents

環境負荷評価方法および装置

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JP2002259628A
JP2002259628A JP2001058185A JP2001058185A JP2002259628A JP 2002259628 A JP2002259628 A JP 2002259628A JP 2001058185 A JP2001058185 A JP 2001058185A JP 2001058185 A JP2001058185 A JP 2001058185A JP 2002259628 A JP2002259628 A JP 2002259628A
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Etsuko Hirose
悦子 広瀬
Muneharu Sano
宗治 佐能
Akihiro Fujita
章洋 藤田
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Mitsubishi Electric Corp
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/82Recycling of waste of electrical or electronic equipment [WEEE]

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多種多様の部品から構成される複雑な製品で
あっても、製品の製造から廃棄に至る総合評価を効率的
に且つ高精度に行い、廃棄処理を考慮した設計を行うこ
とのできる環境負荷評価方法および装置を得る。 【解決手段】 LCAの原単位に関する標準データベー
スと、各製品の部品に関する部品データベースと、実際
のリサイクルプラントでの収集データに基づいて作成し
た廃棄処理データベースとを含むメモリ部を用いて、各
製品の種類に応じたデータと環境負荷指数との相関関係
を求め、相関関係を参照して各製品の環境負荷を評価す
ることにより、部品の製造における環境負荷の簡便な評
価ならびに廃棄処理を考慮した設計を可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、製品中に含まれ
る部品(たとえば、電子部品、プリント基板、モータな
ど)を製造および廃棄処理する際に生じる環境負荷を評
価するための環境負荷評価方法および装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、製品の生産に必要な素材および
燃料の採掘、製品の生産および輸送、廃棄過程のライフ
サイクルで生成される環境負荷を、その製品に起因する
環境負荷として捉え、これを定量的に分析して環境の改
善に結びつけるための手法は、ライフサイクルアセスメ
ント(以下、「LCA」と記す)と呼ばれ、よく知られ
ている。
【0003】LCAには大きく分けて2つあり、第1の
方法は、評価対象とする製品に関して、生産過程から廃
棄過程までの間に投入されるエネルギーおよび資源と、
生産過程から廃棄過程までの間に発生する環境負荷とを
個別に調査し、データを積み上げることによって環境負
荷を算出する方法である。
【0004】第2の方法は、産業連関表などの統計デー
タに基づいて産業構造を分析し、エネルギーおよび資源
の消費量から環境負荷を推定する方法である。
【0005】上記第1の方法(積み上げ法)は、製品個
別の確度の高いLCAの実施が可能という利点がある反
面、必要な全データの入手が難しいという問題点があ
る。
【0006】また、第2の方法(産業連関法)は、類似
製品の平均的な環境負荷の推定が可能という利点がある
反面、金額表示の産業連関表から資源およびエネルギー
量を計算するための換算係数の推定が難しいという問題
点がある。
【0007】一般に、製品ごとの環境負荷を評価する場
合には、第1の方法(積み上げ法)によるLCAを実施
することが効果的であり、その評価結果に基づいて製品
の環境負荷低減用の対策を提案することができる。
【0008】たとえば特開平7−311792号公報に
は、LCAに関連した装置として、製品設計情報と環境
情報のリレーショナルデータベースに基づき、3次元C
ADシステムにより環境負荷を考慮した製品の設計・シ
ミュレーションを行う環境評価装置が記載されている。
【0009】また、特開平7−311760号公報に
は、LCAを実施して製品の環境負荷を評価する方法お
よび装置が開示されている。
【0010】さらに、上記のような組立性、分解性、L
CA評価のみによる製品の環境評価が十分でないことに
鑑み、特開2000−189937号公報には、リサイ
クル時までの期間を考慮した設計をするために、環境負
荷化学物質やリサイクル法を考慮したデータベースを搭
載した環境負荷評価装置が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の環境負荷評価方
法および装置は以上のように、製品のライフサイクルを
原料採取、素材製造、部品製造、製品製造、輸送、使
用、廃棄などの大まかな工程でモデル化して取り扱って
いるので、多数の部品から構成される複雑な製品の環境
負荷を評価することはできないという問題点があった。
【0012】また、多種多様な部品に対するデータベー
スが整備されていないので、評価するたびに全部品の製
造に関する全工程の構成素材、製造エネルギーや廃棄物
量などを調査する必要があり、非常に煩雑となって実用
上困難になるという問題点があった。
【0013】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、部品の製造における環境負荷の
簡便な評価ならびに廃棄処理を考慮した設計を可能にす
ることにより、複雑な製品であっても、製品の製造から
廃棄に至る総合評価を効率的に且つ高精度に行うことの
できる環境負荷評価方法および装置を得ることを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る環境負荷評価方法は、LCAの原単位に関する標準デ
ータベースと、各製品の部品に関する部品データベース
と、実際のリサイクルプラントでの収集データに基づい
て作成した廃棄処理データベースとを含むメモリ部を用
いて、各製品の種類に応じたデータと環境負荷指数との
相関関係を求め、相関関係を参照して各製品の環境負荷
を評価するものである。
【0015】また、この発明の請求項2に係る環境負荷
評価方法は、請求項1において、部品データベースは、
各製品の部品ごとに種類および重量を調査する工程と、
各製品の生産に必要な素材の原料を採取する工程と、原
料から素材を製造する工程と、素材から部品を製造する
工程とに基づいて、部品の種類および重量と原料の採取
から部品の製造までの総環境負荷指数との相関関係が、
統一化可能な指標としてあらかじめ求められてデータベ
ース化されており、部品データベースの作成後に、各製
品の種類に応じたデータとして、評価対象となる各部品
ごとの種類および重量を調査し、相関関係と調査された
部品の種類および重量に基づいて、評価対象となる部品
の環境負荷を評価するものである。
【0016】また、この発明の請求項3に係る環境負荷
評価方法は、請求項1または請求項2において、評価対
象となる部品は集積回路であり、部品データベースは、
集積回路のICパッケージ重量およびチップサイズと環
境負荷指数とをあらかじめ求めて統一化された指標を決
定してデータベース化されており、部品データベースの
作成後に、評価対象となるICパッケージ重量およびチ
ップサイズを調査し、相関関係と調査されたICパッケ
ージ重量およびチップ重量に基づいて、評価対象となる
集積回路の環境負荷を評価するものである。
【0017】また、この発明の請求項4に係る環境負荷
評価方法は、請求項1において、廃棄処理データベース
は、各製品の廃棄処理の環境負荷値に基づいてデータベ
ース化されており、各製品の重量を入力することにより
廃棄処理データベースを作成し、各製品の環境負荷を評
価するものである。
【0018】また、この発明の請求項5に係る環境負荷
評価方法は、請求項4において、廃棄処理は、マテリア
ル、高炉還元、ガス化、油化および焼却のうちの少なく
とも1つを含むものである。
【0019】また、この発明の請求項6に係る環境負荷
評価装置は、評価対象となる製品に含まれる部品の種類
および重量が入力される入力部と、入力部を介して入力
された部品の種類および重量と、部品の素材の原料採取
工程、原料からの素材製造工程および素材からの部品製
造工程とに基づいて得られた、部品の種類および重量と
原料の採取から部品の製造までの総環境負荷指数との相
関関係、ならびに、製品の廃棄処理の環境負荷値が蓄積
されているメモリ部と、入力部を介して入力された評価
対象となる部品の種類および重量と、メモリ部に蓄積さ
れている相関関係とに基づいて、環境負荷を評価する環
境負荷計算部と、環境負荷計算部において算出された環
境負荷を表示する表示部とを備えたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、図面を参照
しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明
する。図1はこの発明の実施の形態1による環境負荷評
価方法を示すフローチャートである。
【0021】図1において、まず、各部品ごとに、種類
および重量を調査し(ステップS1)、ステップS1に
おいて調査された素材の原料を採取する工程と、素材を
製造する工程と、素材から部品を製造する工程とに関す
る環境負荷をそれぞれ評価し、評価結果を集計する(ス
テップS2)。
【0022】続いて、部品をそれぞれ種類ごとに分類し
て、各種部品の種類および重量と環境負荷指数との相関
関係を求め(ステップS3)、その後、評価対象となる
部品の種類および重量を調査する(ステップS4)。
【0023】次に、ステップS3において得られた各部
品の種類および重量と環境負荷指数との相関関係を参照
して、評価対象となる部品の原料の採取工程と、各素材
の製造工程と、評価対象となる部品の製造工程とにおけ
る原料消費量や排出物の発生量などの全ての環境負荷を
集計して算出する(ステップS5)。
【0024】最後に、環境負荷の集計結果をデータベー
ス化して(ステップS6)、図1の処理ルーチンを終了
する。
【0025】図2はこの発明の実施の形態1による環境
負荷評価装置を示すブロック構成図であり、図1に示し
た環境負荷評価方法を実施するために適した装置を示し
ている。
【0026】図2において、1は入力部、2は入力部1
に接続されたメモリ部、3はメモリ部2に接続された環
境負荷計算部、4は環境負荷計算部3に接続された表示
部である。
【0027】この発明の実施の形態1においては、特
に、メモリ部2内の各部品(たとえば、電子部品、プリ
ント基板、モータなど)のデータベースが特殊に構成さ
れている。
【0028】入力部1は、キーボードやマウスなどの端
末装置からなり、部品の種類および重量などの入力に用
いられる。
【0029】メモリ部2は、排気処理データベース、標
準データベースおよび部品データベースを有し、あらか
じめ格納された各種データとして、部品の種類および重
量と各製造工程における環境負荷指数との相関関係、な
らびに、家電品の廃棄処理(マテリアル・高炉還元・ガ
ス化・油化・焼却など)の環境負荷値が蓄積されてい
る。
【0030】すなわち、メモリ部2において、標準デー
タベース内には、LCAの原単位に関するデータが格納
され、部品データベース内には、各製品の部品に関する
データが格納され、廃棄処理データベースには、実際の
リサイクルプラントでの収集データに基づいて作成され
たデータが格納されている。
【0031】環境負荷計算部3は、メモリ部2に蓄積さ
れた環境負荷データを参照し、入力部1を介して入力さ
れたデータ(評価対象となる部品の種類および重量な
ど)に基づいて環境負荷を評価する。表示部4は、環境
負荷計算部3において算出された環境負荷を表示する。
【0032】図2のように、LCAの原単位に関する標
準データベースと、各製品の部品に関する部品データベ
ースと、実際のリサイクルプラントでの収集データから
作成した廃棄処理データベースとをメモリ部2に整備す
ることにより、従来装置では評価が難しかった多種多様
の部品から構成される製品の環境負荷を評価することが
でき、さらに廃棄処理を考慮した設計を行うことができ
る。
【0033】また、各製品の部品データベースにおい
て、原料を採取する工程から部品を製造する工程までの
総環境負荷指数と部品の種類や重量との相関関係をあら
かじめ求めることにより、その後、評価対象となる部品
の種類および重量を入力するのみで、入力項目に応じて
環境負荷を評価することができる。
【0034】したがって、評価対象部品についての原料
採取工程から部品製造工程までの総環境負荷調査を評価
ごとに行う必要がなくなり、部品の製造における環境負
荷を簡便に評価することができる。
【0035】また、メモリ部2は、製品の廃棄処理(マ
テリアル・高炉還元・ガス化・油化・焼却など)の環境
負荷値に基づいてデータベース化されており、各製品の
重量を入力することにより環境負荷を評価することがで
きるので、各製品に最適な廃棄環境負荷評価方法を考え
た設計が可能になる。
【0036】また、メモリ部2は、入力部1からの入力
データ(評価対象となる部品の種類および重量)と(部
品素材の原料採取工程、原料からの素材製造工程および
素材からの部品製造工程における)総環境負荷指数との
相関関係のみならず、製品廃棄処理の環境負荷値を蓄積
し、環境負荷計算部3は、入力データとメモリ部2内に
蓄積された相関関係とに基づいて環境負荷を評価するの
で、上記効果に加えて、入力項目に応じた高精度の環境
負荷評価結果が得られる。
【0037】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、評価対象となる製品を具体的に特定しなかったが、
たとえばモータを評価対象としてもよい。
【0038】以下、図2とともに、図3のフローチャー
トおよび図4の説明図を参照しながら、モータを評価対
象としたこの発明の実施の形態2による環境負荷評価方
法および装置について具体的に説明する。
【0039】ここでは、一例としてモータの環境負荷を
評価する場合について説明するが、この例のみに限定さ
れるものではない。
【0040】図3は図2の環境負荷評価装置を用いてモ
ータの環境負荷を評価する方法を具体的に示すフローチ
ャートであり、各ステップS11〜S16は、前述(図
1参照)のステップS1〜S6に対応している。
【0041】図4はモータの環境負荷特性の一例を示す
説明図であり、横軸はモータの重量[kg]、縦軸は環
境負荷指数[point]を示している。
【0042】図3において、まず、各種モータの種類お
よび重量を調査し(ステップS11)、続いて、モータ
を製造する工程と、モータを構成する素材(鉄、銅、ア
ルミ、ゴム、樹脂など)を製造する工程と、各素材の原
料を採取する工程とにおける環境負荷を評価して、実際
の環境負荷指数を集計する(ステップS12)。
【0043】次に、モータを構成材料に応じて分類し、
分類された種類ごとに、モータの重量と、ステップS1
2において集計された環境負荷指数とを関係付けなが
ら、モータ重量と環境負荷指数との相関関係(図4参
照)をそれぞれ取得する(ステップS13)。
【0044】ここで、環境負荷指数とは、以下の手順に
したがって環境負荷を統合化した指標である。まず、イ
ンベントリ分析の結果から得られたCO2、NOx、S
Oxなどを、それぞれ影響を及ぼすカテゴリーに割り当
てる(分類化)。
【0045】続いて、割り当てられたCO2、NOx、
SOxがどのような影響を及ぼすかを、環境負荷係数を
用いて相対的に評価し、カテゴリー内での寄与度を数値
化して合計値を求める(特性化)。
【0046】次に、或る1つのカテゴリー内に含まれる
いくつかの環境負荷物質の各々が、そのカテゴリーに対
して相対的にどの程度の寄与を有しているかを調べる
(正規化)。
【0047】最後に、各カテゴリーごとに相対的な「重
み係数」を設定し、各カテゴリーの特性化結果にその
「重み係数」を掛け合わせて統合化し、単一の指標とす
る(重み付け)。こうして、環境負荷を統合化した指標
すなわち環境負荷指数が求められる。
【0048】図3に戻り、ステップS13に続いて、評
価対象となるモータの種類および重量を調査し(ステッ
プS14)、その後、ステップS13で得られたモータ
の種類およびその重量と環境負荷指数との相関関係(図
4)を参照し、評価対象となるモータの環境負荷指数を
算出し(ステップS15)、算出結果をデータベース化
し(ステップS16)、図3の処理ルーチンを終了す
る。
【0049】この場合、環境負荷の算出に必要な要素
は、モータの種類および重量であるので、調査が極めて
容易であり、以降のモータの環境負荷評価は、上記ステ
ップS14およびS15を繰り返すことによって簡便に
行うことができる。
【0050】また、ここでは、図4のように、数種類の
モータについて実データをとり、モータ重量と環境負荷
指数との直線相関関係を求めたが、さらに詳細にモータ
を分類し、各モータと環境負荷指数との相関関係を示す
グラフ(特性直線)を作成し、このグラフを用いた環境
負荷を求めれば、さらに高精度に環境負荷を評価するこ
とができる。
【0051】実施の形態3.なお、上記実施の形態2で
は、モータを評価対象としたが、集積回路を評価対象と
してもよい。
【0052】以下、図2とともに、図5のフローチャー
トおよび図6の説明図を参照しながら、集積回路を評価
対象としたこの発明の実施の形態3による環境負荷評価
方法および装置について具体的に説明する。
【0053】図5は図2の環境負荷評価装置を用いて集
積回路の環境負荷を評価する方法を具体的に示すフロー
チャートであり、各ステップS21〜S26は、前述
(図2参照)のステップS11〜S16に対応してい
る。
【0054】図6は集積回路の環境負荷特性の一例を示
す説明図であり、横軸はチップ重量[kg]、縦軸は環
境負荷指数[point/ウェハ1kg]を示してい
る。また、図6内において、丸印で示した点は、集積回
路の分類が「BGA」の場合のデータであり、黒菱印で
示した点は、集積回路の分類が「QFP」の場合のデー
タである。
【0055】図5において、まず、各種集積回路素子の
ICパッケージの種類、重量ならびにチップサイズを調
査し(ステップS21)、続いて、集積回路の製造工
程、集積回路素子の構成素材(シリコン、銅、スズ、
鉛、シリカ、エポキシ樹脂など)の製造工程、および各
素材の原料採取工程における環境負荷を評価し、実際の
環境負荷指数を集計する(ステップS22)。
【0056】次に、集積回路をそのパッケージ種類に応
じて、たとえばBGA(BallGrid Arra
y)、QFP(Quad Flat Package)
などに分類し、その種類ごとに、ICパッケージの重量
ならびにチップ重量と、ステップS22において集計さ
れた環境負荷指数との相関関係(図6参照)を求める
(ステップS23)。
【0057】ここで、チップ重量は、チップサイズ(メ
ーカ型名から確認可能)にシリコンの比重(=2.3
3)を乗算することにより求められる。
【0058】次に、評価対象となるICパッケージの種
類、重量ならびにチップ重量を調査し(ステップS2
4)、その後、ステップS23で得られた集積回路の種
類およびその重量と環境負荷指数の相関関係(図6)を
参照して、評価対象となる集積回路の環境負荷指数を算
出し(ステップS25)、算出結果をデータベース化し
(ステップS26)、図5の処理ルーチンを終了する。
【0059】この場合、環境負荷の算出に必要な要素
は、ICパッケージの種類、重量ならびにチップサイズ
であるので、調査が極めて容易であり、以降の集積回路
の環境負荷評価は、ステップS24およびS25を繰り
返すことによって簡便に行うことができる。
【0060】また、ここでは、図6のように、集積回路
の分類を2種類(BGA、QFP)に分類して、チップ
重量と環境負荷指数との直線相関関係を求めたが、さら
に詳細に集積回路素子を分類し、各チップ重量と環境負
荷指数との相関関係を示すグラフを作成し、この特性直
線を用いて環境負荷を求めれば、さらに高精度に環境負
荷を評価することができる。
【0061】また、対象部品が集積回路の場合、ICパ
ッケージ重量およびチップサイズと総環境負荷指数は、
あらかじめ求められているので、その後、評価対象部品
の種類および重量を入力すると、入力項目に応じて環境
負荷が評価される。
【0062】したがって、集積回路についての原料採取
工程から製造工程までの総環境負荷指数の調査を評価ご
とに行う必要がなくなり、集積回路の製造における環境
負荷を簡便に評価することができる。
【0063】実施の形態4.なお、上記実施の形態1〜
3では、製品のライフサイクルについて具体的に考慮し
なかったが、各製品の構成材料(たとえば鉄、銅、アル
ミ、ガラス、樹脂など)ごとに廃棄処理を入力して、デ
ータベース化してもよい。
【0064】図7は製品のライフサイクルフローを示す
説明図であり、素材製造→加工組立→使用→廃却→中間
処理→最終処理(リサイクルプロセス、素材再生)→素
材製造の循環ループを示している。
【0065】図7において、中間処理としては、分解、
破砕、選別などが可能であり、廃棄処理としては、マテ
リアルリサイクル、高炉還元、ガス化溶融、油化、ガス
化、焼却などの選択が可能である。
【0066】この場合、各製品の構成材料(たとえば
鉄、銅、アルミ、ガラス、樹脂など)ごとに上記廃棄処
理を入力してデータベース化し、これに基づいて、評価
対象となる製品の重量を入力することにより、環境負荷
が算出される。
【0067】また、製品の廃棄処理(マテリアル・高炉
還元・ガス化・油化・焼却など)の環境負荷値に基づい
てデータベース化されており、各製品の重量を入力する
ことで環境負荷が評価できるので、各製品に最適な廃棄
環境負荷評価方法を考慮した設計が可能となる。
【0068】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、LCAの原単位に関する標準データベースと、各
製品の部品に関する部品データベースと、実際のリサイ
クルプラントでの収集データに基づいて作成した廃棄処
理データベースとを含むメモリ部を用いて、各製品の種
類に応じたデータと環境負荷指数との相関関係を求め、
相関関係を参照して各製品の環境負荷を評価することに
より、部品の製造における環境負荷の簡便な評価ならび
に廃棄処理を考慮した設計を可能にしたので、多種多様
の部品から構成される複雑な製品であっても、製品の製
造から廃棄に至る総合評価を効率的に且つ高精度に行う
ことができ、したがって、廃棄処理を考慮した設計を行
うことのできる環境負荷評価方法が得られる効果があ
る。
【0069】また、この発明の請求項2によれば、請求
項1において、部品データベースは、各製品の部品ごと
に種類および重量を調査する工程と、各製品の生産に必
要な素材の原料を採取する工程と、原料から素材を製造
する工程と、素材から部品を製造する工程とに基づい
て、部品の種類および重量と原料の採取から部品の製造
までの総環境負荷指数との相関関係が、統一化可能な指
標としてあらかじめ求められてデータベース化されてお
り、部品データベースの作成後に、各製品の種類に応じ
たデータとして、評価対象となる各部品ごとの種類およ
び重量を調査し、相関関係と調査された部品の種類およ
び重量に基づいて、評価対象となる部品の環境負荷を評
価することにより、入力項目に応じて環境負荷を評価す
るようにしたので、評価ごとに部品の原料採取から製造
までの総環境負荷を調査する必要がなくなり、複雑な製
品であっても、製品の製造から廃棄に至る総合評価を効
率的に且つ高精度に行うことのできる環境負荷評価方法
が得られる効果がある。
【0070】また、この発明の請求項3によれば、請求
項1または請求項2において、評価対象となる部品は集
積回路であり、部品データベースは、集積回路のICパ
ッケージ重量およびチップサイズと環境負荷指数とをあ
らかじめ求めて統一化された指標を決定してデータベー
ス化されており、部品データベースの作成後に、評価対
象となるICパッケージ重量およびチップサイズを調査
し、相関関係と調査されたICパッケージ重量およびチ
ップ重量に基づいて、評価対象となる集積回路の環境負
荷を評価するようにしたので、評価ごとに集積回路の原
料採取から製造までの総環境負荷を調査する必要がなく
なり、複雑な集積回路であっても、製品の製造から廃棄
に至る総合評価を効率的に且つ高精度に行うことのでき
る環境負荷評価方法が得られる効果がある。
【0071】また、この発明の請求項4によれば、請求
項1において、廃棄処理データベースは、各製品の廃棄
処理の環境負荷値に基づいてデータベース化されてお
り、各製品の重量を入力することにより廃棄処理データ
ベースを作成し、各製品の環境負荷を評価するようにし
たので、各製品に最適な廃棄環境負荷評価を考慮した設
計が可能な環境負荷評価方法が得られる効果がある。
【0072】また、この発明の請求項5によれば、請求
項4において、廃棄処理は、マテリアル、高炉還元、ガ
ス化、油化および焼却のうちの少なくとも1つを含むの
で、各製品に最適な廃棄環境負荷評価を考慮した設計が
可能な環境負荷評価方法が得られる効果がある。
【0073】また、この発明の請求項6によれば、評価
対象となる製品に含まれる部品の種類および重量が入力
される入力部と、入力部を介して入力された部品の種類
および重量と、部品の素材の原料採取工程、原料からの
素材製造工程および素材からの部品製造工程とに基づい
て得られた、部品の種類および重量と原料の採取から部
品の製造までの総環境負荷指数との相関関係、ならび
に、製品の廃棄処理の環境負荷値が蓄積されているメモ
リ部と、入力部を介して入力された評価対象となる部品
の種類および重量と、メモリ部に蓄積されている相関関
係とに基づいて、環境負荷を評価する環境負荷計算部
と、環境負荷計算部において算出された環境負荷を表示
する表示部とを備え、入力項目に応じた環境負荷評価を
可能にしたので、複雑な製品であっても、製品の製造か
ら廃棄に至る総合評価を効率的に且つ高精度に行うこと
のできる環境負荷評価装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による環境負荷評価
方法を示すフローチャートである。
【図2】 この発明の実施の形態1による環境負荷評価
装置を示すブロック構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるモータの環境
負荷評価方法を示すフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態2による環境負荷評価
方法の評価対象となるモータの環境負荷特性を示す説明
図である。
【図5】 この発明の実施の形態3による集積回路の環
境負荷評価方法を示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態3による環境負荷評価
方法の評価対象となる集積回路の環境負荷特性を示す説
明図である。
【図7】 この発明の実施の形態4による環境負荷評価
方法の評価対象となる製品のライフサイクルフローを示
す説明図である。
【符号の説明】
1 入力部、2 メモリ部、3 環境負荷計算部、4
表示部。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 3/00 B09B 3/00 303J 5/00 ZAB 5/00 ZABM (72)発明者 藤田 章洋 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA22 AA24 CA25 CA27 CA28 DA16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライフサイクルアセスメントの原単位に
    関する標準データベースと、各製品の部品に関する部品
    データベースと、実際のリサイクルプラントでの収集デ
    ータに基づいて作成した廃棄処理データベースとを含む
    メモリ部を用いて、前記各製品の種類に応じたデータと
    環境負荷指数との相関関係を求め、 前記相関関係を参照して前記各製品の環境負荷を評価す
    ることを特徴とする環境負荷評価方法。
  2. 【請求項2】 前記部品データベースは、前記各製品の
    部品ごとに種類および重量を調査する工程と、前記各製
    品の生産に必要な素材の原料を採取する工程と、前記原
    料から前記素材を製造する工程と、前記素材から前記部
    品を製造する工程とに基づいて、前記部品の種類および
    重量と前記原料の採取から前記部品の製造までの総環境
    負荷指数との相関関係が、統一化可能な指標としてあら
    かじめ求められてデータベース化されており、 前記部品データベースの作成後に、前記各製品の種類に
    応じたデータとして、評価対象となる各部品ごとの種類
    および重量を調査し、 前記相関関係と前記調査された部品の種類および重量に
    基づいて、前記評価対象となる部品の環境負荷を評価す
    ることを特徴とする請求項1に記載の環境負荷評価方
    法。
  3. 【請求項3】 前記評価対象となる部品は集積回路であ
    り、 前記部品データベースは、前記集積回路のICパッケー
    ジ重量およびチップサイズと前記環境負荷指数とをあら
    かじめ求めて統一化された指標を決定してデータベース
    化されており、 前記部品データベースの作成後に、評価対象となるIC
    パッケージ重量およびチップサイズを調査し、 前記相関関係と前記調査されたICパッケージ重量およ
    びチップ重量に基づいて、前記評価対象となる集積回路
    の環境負荷を評価することを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の環境負荷評価方法。
  4. 【請求項4】 前記廃棄処理データベースは、前記各製
    品の廃棄処理の環境負荷値に基づいてデータベース化さ
    れており、 前記各製品の重量を入力することにより前記廃棄処理デ
    ータベースを作成し、前記各製品の環境負荷を評価する
    ことを特徴とする請求項1に記載の環境負荷評価方法。
  5. 【請求項5】 前記廃棄処理は、マテリアル、高炉還
    元、ガス化、油化および焼却のうちの少なくとも1つを
    含むことを特徴とする請求項4に記載の環境負荷評価方
    法。
  6. 【請求項6】 評価対象となる製品に含まれる部品の種
    類および重量が入力される入力部と、 前記入力部を介して入力された前記部品の種類および重
    量と、前記部品の素材の原料採取工程、前記原料からの
    素材製造工程および前記素材からの部品製造工程とに基
    づいて得られた、前記部品の種類および重量と前記原料
    の採取から前記部品の製造までの総環境負荷指数との相
    関関係、ならびに、前記製品の廃棄処理の環境負荷値が
    蓄積されているメモリ部と、 前記入力部を介して入力された評価対象となる部品の種
    類および重量と、前記メモリ部に蓄積されている相関関
    係とに基づいて、環境負荷を評価する環境負荷計算部
    と、 前記環境負荷計算部において算出された環境負荷を表示
    する表示部とを備えた環境負荷評価装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005293064A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Toyota Motor Corp 炭酸ガス排出量把握システム及び炭酸ガス排出量把握装置
JP2010097508A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Hitachi Ltd 環境負荷量算出方法、その実行プログラム及びその実行装置
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JP2015228195A (ja) * 2014-06-03 2015-12-17 日本電信電話株式会社 環境負荷評価装置および環境負荷評価方法

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