JP2002257927A - ミリ波センサの信号処理方法 - Google Patents

ミリ波センサの信号処理方法

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JP2002257927A JP2001061656A JP2001061656A JP2002257927A JP 2002257927 A JP2002257927 A JP 2002257927A JP 2001061656 A JP2001061656 A JP 2001061656A JP 2001061656 A JP2001061656 A JP 2001061656A JP 2002257927 A JP2002257927 A JP 2002257927A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雨、霧、気温の高低変化や不要反射(背景)
や干渉の影響により発生する誤ペアリングの発生を低減
することができるミリ波センサの信号処理方法を提供す
る。 【解決手段】 ミリ波センサの信号処理において、長時
間背景データと短時間背景データとを有し、これら長時
間・短時間背景データから周波数と電力の増幅率を求
め、この増幅率を用いて新たに入力されたデータを増幅
することにより補正を行い、長期背景データを用いて多
値しきい値を生成し、この多値しきい値を用いて、しき
い値処理を行うとともにピーク検出を行い、検出された
ピークを用いて周波数に応じたラベリングを行い、この
ラベリングにより求めたラベルの重心周波数、重心方向
または平均周波数、平均方向などの属性を求め、ラベル
の重心方向を用いて、その方向に沿って対応するラベル
の探索によりペアリングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路上に設置し、
道路の状況を観測するミリ波センサにおいて、このミリ
波センサの信号処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、道路の状況を観測するために
ミリ波センサが利用されており、このミリ波センサのレ
ーダ方式としては高精度なFMCW方式(Frequency-Mo
dulated Continuous Waves)が採用されている。以下、
FMCWのレーダ方式について図24、25、26を参照して
簡単に説明する。ここで、図24、25は計測する対象物が
電柱や交通標識などの静止物であり、図26は計測する対
象物が道路上を移動する走行車両などを例にした波形図
(変調と時間とのグラフ図)である。また、これらの波
形図において、波形の立上がり区間を上昇区間とし、立
下がり区間を下降区間とし、送信波と受信波との周波数
差をfrとし、ドップラシフトをfdとし、対象物まで
の距離である飛行時間をSとしている。そして、飛行時
間Sより対象物までの距離Dを、また、ドップラシフト
fdより対象物の速さVをそれぞれ所定の算出式(図2
4、26参照)より求めることができる。すなわち、従来
のFMCW方式を用いたミリ波センサの信号処理は、
(1)ミリ波発信器により、ミリ波を道路上を走行する
車両や電柱などの計測対象物に対して発信し、この場
合、三角波変調を施した送信信号を用い、その受信信号
からビート信号(周波数)の生成を行い、(2)送信信号
の上昇区間と下降区間それぞれにフーリエ変換で周波数
領域に変換し、速度Vと距離Dを同時に検出するもので
ある。(3)また、ここでの処理方法としては、上昇区
間と下降区間との受信電力ピークの対応を調整するペア
リングにより行われる。具体的に、このピークペアリン
グ方法とは、それぞれの電力値の近いものをペアリング
する調整方法のことである(詳細は、「改訂、レーダ技
術:電子情報通信学会」に記載されている。)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のよう
な従来のミリ波センサの信号処理方法の場合には、以下
のような問題がある。すなわち、上述したように従来の
ミリ波センサの信号処理方法におけるピークペアリング
方法は電力値が近いものをペアリングする方法であっ
た。ところが、その処理は1方向のみで行っていたの
で、雨、霧、気温の高低変化により、受信電力や周波数
が拡縮(減衰、増幅)したり、不要反射(背景)や干渉
の影響により誤ペアリングを起こすことがあるという問
題があった。
【0004】そこでこの発明の目的は、前記のような従
来のミリ波レーダの信号処理方法のもつ問題点を解消
し、雨、霧、気温の高低変化により、受信電力や周波数
が拡縮(減衰、増幅)したり、不要反射(背景)や干渉
の影響により発生する誤ペアリングを新たに開発した手
法で低減することができるミリ波センサの処理方法を提
案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記のよう
な目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、道
路に設置したミリ波センサの信号処理において、長時間
背景データと短時間背景データを有することに特徴があ
る。ミリ波センサにおいては、雨、霧、気温の高低変化
により、受信電力や周波数が拡縮する。このため、ま
ず、拡縮量を測定するために長時間と短時間の上昇区間
・下降区間それぞれの背景データを、それぞれ更新周期
を変え、一種のローパスフィルターを用いて生成するも
のである。
【0006】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記長時間背景データと短時間
背景データから周波数と電力の増幅率を求めることに特
徴があり、長時間データと短時間データの電力方向と周
波数方向における拡縮(減衰、増幅)の変換係数である
補正値を求めるものである。
【0007】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記増幅率を用いて、新たに入力され
たデータを増幅することにより補正を行うことに特徴が
あり、雨、霧、気温の高低を補正するため、新たに入力
されたデータを前記変換係数を用いて上昇区間・下降区
間それぞれで拡縮するものである。
【0008】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に
記載の発明において、前記長期背景データを用いて多値
しきい値を生成することに特徴があり、多値しきい値を
長時間背景データを用いて生成するものである。
【0009】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明において、前記多値しきい値を用いて、しきい値
処理を行うとともにピーク検出を行うことに特徴があ
り、請求項4における、多値しきい値で拡縮を施した入
力データのスライス処理・電力ピーク検出を上昇・下降
区間それぞれで行うものである。すなわち、背景データ
を取得し、それを元にしきい値の作成、スライス処理を
行うことにより背景による不要反射の影響で生じる誤ペ
アリングの低減を行うものである。
【0010】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において、前記検出されたピークを用いてラベリ
ングを行うことに特徴があり、請求項5におけるピーク
検出結果を方向と周波数の2次元メモリーに展開し、ピ
ークのラベリング処理を上昇・下降区間それぞれで行
い、その結果を方向と周波数の2次元メモリーに展開す
るものである。すなわち、干渉などで生じるピークは、
狭い範囲でしか起こらないことに着目し、この特性を調
べるためにラベリングを行い、範囲の広狭を調べ、狭い
範囲を除去する処理を行うものである。
【0011】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の発明において、前記ラベリングで求めたラベルの重心
周波数、重心方向または平均周波数,平均方向などの属
性を求めることに特徴があり、ラベリングされたピーク
データの重心周波数,重心方向または平均周波数,平均
方向,平均受信電力などの属性を上昇・下降区間それぞ
れで求めるものである。この請求項7では大局的なペア
リングを行うことによって誤ペアリングを低減する作用
がある。
【0012】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の発明において、前記ラベルの重心方向または平均方向
を用いて、その方向に沿って対応するラベルの探索によ
りペアリングを行うことに特徴がある。また、請求項9
に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記
ペアリング時、受信電力をペアであるかの認識に用いる
ことに特徴があり、これら請求項8,9ではラベルの重
心方向または平均方向を用いて、その方向に沿って、周
波数の小さいほうから他の(上昇のラベルを用いる場合
は、下降の、また下降ラベルを用いる場合は、上昇の)
結果の2次元メモリー上を探索し、受信電力などの属性
が似通っているもので、他とペアリングされていない最
初に見つかったものをペアとする処理を行うものであ
る。これら請求項8,9においても大局的なペアリング
を行うことによって誤ペアリングを低減する作用があ
る。
【0013】請求項10に記載の発明は、請求項5または
9に記載の発明において、しきい値処理により検出され
たピーク間においての電力ピークの受信電力とピーク間
の谷の受信電力値を判定し、大型車両と認識することに
特徴があり、計測された距離速度で方向が一致し、距離
も近傍である計測点のもとの上昇・下降区間の周波数・
電力関係を調べ、大型車かどうかを判断するものであ
る。すなわち、大型車両は電力ピークが複数でるが、ピ
ーク間の電力が道路からの受信電力よりも大きいことに
着目して、車両1台と認識できる作用があり、所定の定
義した値の距離に近いラベルを抽出し、ラベル間の電力
を見て、その谷が浅い場合は大型車と判断するものであ
る。
【0014】請求項11に記載の発明は、道路に設置した
ミリ波センサの信号処理において、請求項1〜10を実現
する装置を備えることを特徴とするもので、リアルタイ
ムでミリ波センサの信号処理を行うものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明を実現するた
めの基本的な処理フローを示す説明図であり、図2は本
発明が適用されるミリ波センサの設置例を示す構成図
(計測イメージ)である。また、図3はミリ波センサの
構成を示すブロック図である。すなわち、図2に示すよ
うに、ミリ波センサ1は道路2の路肩に設けられた電柱
3などの高所に設置されており、道路上を走行する車両
4に対してファン状(長円状)のビームを所定の角度で
走査(スキャニング)させることにより道路上を走行す
る車両4や障害物などを検出することができる。また、
道路2に路肩に設けられた電柱5、6及び交通標識7は
背景データとして検出される。そして、図3に示すよう
にこのミリ波センサ1は大きく分けてセンサ部9、スキ
ャン部10、制御・信号処理・検出処理部11とを有してお
り、前述したようにミリ波信号を用いることにより、車
両4や電柱5,6などの対象物までの距離、速度を得る
ことができる。また、走査を行うことにより、方向とい
う次元が増える。従って、ミリ波センサ1からの出力は
距離・速度・方向である。そして、このようにして、得
られた情報は上位コンピュ−タ装置などにより全体制御
及び総合的な管理を行うことができる。
【0016】以下、図1及び各図を参照して本発明の詳
細を説明する。図1は、本発明に係るミリ波センサの信
号処理方法の基本処理を説明するためのフローチャート
を示している。すなわち、本フローチャートに示すよう
に本発明のミリ波センサの信号処理方法は大きく分けて
長時間背景生成(S1)、短時間背景生成(S2)、変
換係数生成(S3)、データ変換(S4)、可変しきい
値によるピーク検出処理(S5)、ラベリング処理(S
6)、ペアリング処理(S7)、大型車処理(S8)と
いう8つの処理(S1〜S8)を行うことに特徴があ
る。以下、これら各処理について詳細に説明する。
【0017】(1)長時間背景生成:S1 図4は背景生成の処理フローを説明する図である。ここ
での入力データとしては、方向と、上昇・下降区間のフ
ーリエ変換(電力)による結果である。すなわち、ま
ず、一方向ずつ上昇区間と下降区間の総電力を求める。
この総電力の算出は周波数区間で積分する。その後、求
められた上昇区間と下降区間の総電力を比較し、いずれ
か一方の小さい値を大きい値で割ることにより、その増
幅率(ゲイン)を求める。そして、求めた増幅率を使っ
て総電力の小さい値の区間側の電力を増幅し、総電力を
等しくする(具体的には、値の大きい方に一致させ
る)。次いで、それを方向と周波数の2次元のメモリー
アレイ上に、対応する方向と周波数の箇所に電力値を書
き込む。ここで、書き込んだメモリーアレイを、t時間
の最新の入力データWtとする(図中、上付文字tは時
間を、βは更新係数を表す。)。次に、過去の入力デー
タと過去の背景データMを用いて、背景データMを更新
する処理を行う。また、今回は図4に示すように1次の
巡回型フィルタを用い、このフィルタを用いてメモリー
アレイ全面に施す。なお、本実施形態では1次の巡回型
フィルタを用いたが、次数は1次に限定するものではな
く、もっと高次でもかまわないし、フィルタの型も非巡
回型でもかまわない。また、生成タイミングにおいての
背景データ初期化期間は、数msから数十秒の間で、長期
背景データ生成時は、数十分間から数十時間の間で行う
(1日に1回程度の測定)。
【0018】図5は、上述した長時間背景生成により生
成された結果のイメージを示している。この図5は、上
昇区間、下降区間のデータを3次元データ(受信電力
E、方向θ、周波数f)として表したグラフであり、図
2の計測シーンを測定したものをイメージしている。図
5に示すように、電柱5、6や交通標識7などがミリ波
センサ1の見える方向及び距離に対する周波数位置に、
それぞれ背景データの電力ピークとして現れていること
がわかる(電柱5がPlup2,Pldown5、電柱6がPlup
0,Pldown3、交通標識7がPlup1,Pldown4にそれぞ
れ対応する。)。そして、これら電柱5、6や交通標識
7は背景(静止物)であるので上昇・下降区間の両方と
も同位置にピークが現れていることがわかる。
【0019】(2)短時間背景生成:S2 基本的には、この短時間背景生成においても長時間背景
生成と同じであり、その相違は生成タイミングであり、
数msから数十秒の間で行う(数時間に1回程度の測
定)。また、フィルタの係数、次数なども違う場合があ
る。生成された上昇区間の短期データの結果のイメージ
を図6に示す。この図6は、長時間背景生成と同様に図
2の計測シーンを測定したものをイメージしている。図
6に示すように、電柱5、6や交通標識7などがミリ波
センサ1の見える方向及び距離に対する周波数位置に、
それぞれ背景データの電力ピークとして現れていること
がわかる(電柱5がPsup2、電柱6がPsup0、交通標識
7がPsup1にそれぞれ対応する。)。なお、この場合、
生成するデータは短時間であるため車両の存在により他
のピーク(図中、Psup3)が現れることもある。
【0020】(3)変換係数生成:S3 図7は変換係数生成(ゲイン)の概念を示す説明図であ
る。まず、第1に長時間データの上昇・下降区間それぞ
れのピークを検出する。ここで、ピーク検出方法は周波
数方向に電力を差分(微分)し、差分値が正から負に変
化する点をピークとする。それらを全方向に対して行
う。第2に電力の高い方から、数個〜数十個程度のピー
ク点を選択する。第3に短時間データの上昇・下降区間
から長期データと同じ対象物(電柱などの道路構造物)
のピークを探索する。これにより、図7(a)のα-
α′矢視図に示すようにflup0,flup1が検出され、それ
に同じ方向の図7(b)における短時間背景データの方
向(α2-α2′矢視図)を探索し、fsup0,fsup1を求め
る。第4にそれぞれのピークがflup*=f(fsup*)になる
ような近似関数fを最小2乗法などを用いて求める。こ
れにより、温度の高低などによって生じる周波数の拡縮
を補正することができる。なお、このときの次数は1次
以降ならいくつでも良く、さらに、このとき求められた
近似関数の係数を周波数方向の変換係数とする。
【0021】第5にそれぞれの対応するピークの電力を
使って、周波数と同様にElup*=gup(Esup*)またはEldow
n*=gdown(Esdown*)になるような近似関数gup,gdownを
求める。これにより、霧、雨、雪などにより生じる電力
の拡縮を吸収して補正することができる。そして、これ
を電力方向の変換係数とし、周波数と電力の変換係数を
合わせて、単に変換係数とよび蓄積する。なお、「*」
は、「1〜」の検出されたピークの周波数値を表す値で
ある。
【0022】(4)データ変換:S4 前述した上記の変換係数を用いて、入力データを変換す
る。このデータを変換入力データと呼ぶ。
【0023】(5)可変しきい値によるピーク検出処
理:S5 図8は可変しきい値作成の概念(1)を示す図であり、
(a)は電力からのしきい値作成を、(b)はしきい値
処理をそれぞれ示している。ここで、図8(a)の実線
は、長期背景データにおける上昇区間のα-α′矢視の
電力グラフであり、破線は生成されたしきい値を示して
いる。すなわち、作成されるしきい値は、「電力値+電
力値h」によって決めた加算値である。ここで、電力値
hとはその電力値によって、加算する値が違うイメージ
を示すものであり、hは入力された電力によりオフセッ
ト電力値を出力する関数を表す。この加算値は、一般に
電力値が大きいと小さく、電力値が小さいと大きい。こ
のようなしきい値を全ての方向に対して生成する。ま
た、上述した可変しきい値処理は下降区間に対しても同
様に作成する。図10は可変しきい値によるピーク検出処
理のフローを示すものである。この図10に示すように、
可変しきい値の作成時には長期背景データ、上昇・下降
区間ピークデータ、ペア情報データが入力され、この可
変しきい値の作成後にはしきい値処理が行われ、次い
で、ピーク検出処理が行われる。
【0024】図9には、前述した図8とは別の可変しき
い値作成の概念(2)を示している。このうち、(a)
は区間分けを、(b)は電力からのしきい値作成を、
(c)はしきい値処理をそれぞれ示すグラフであり、こ
のグラフは上昇区間における長期データのα-α′矢視
の周波数と電力のグラフである。すなわち、まず、スラ
イス1より小さい電力の周波数範囲(範囲C)、スライ
ス2とスライス1の間の電力の周波数範囲(範囲B)、
スライス2よりも大きい電力の範囲(範囲A)に分類す
る。そして、そのときのしきい値は、以下の「数1」
「数2」「数3」により分類される。
【0025】
【数1】スライス1>電力Eのとき(範囲C) しきい値=スライス1
【0026】
【数2】スライス1≦電力E<スライス2のとき(範囲
B) しきい値=その電力値E+加算値
【0027】
【数3】スライス2≦電力Eのとき(範囲A) しきい値=その電力値×(1+重み値)
【0028】以上のように、上記「数1」「数2」「数
3」に示すように全方向に対してしきい値を生成する。
そして、生成した電力からのしきい値作成イメージが図
9(b)である。また、同様に下降区間に対してもしき
い値作成を行い、このようにして計測範囲の可変しきい
値を作成する。さらに、上記と並行して、一方向ずつ、
上昇区間と下降区間の総電力を求める(周波数区間で積
分する。)。その後、上昇と下降の総電力を比較し、こ
のうちの小さい値を大きい値で割るを行い、増幅率(ゲ
イン)を求める。そして、求めた増幅率を使って総電力
の小さい値の区間側の電力を増幅し、総電力を等しくす
る。この処理を全方向について行う。2番目に上記で生
成したしきい値を用いて、しきい値処理を行う。そのイ
メージについては、図8(b)及び図9(c)に示す。
その後、しきい値以上の領域でピーク検出を行う。ここ
でのピーク検出方法は、周波数方向による電力の微分値
(差分値)が正から負に変わる周波数値の検出である。
【0029】(6)ラベリング処理:S6 図13はラベリング処理フローを示す図であり、処理手順
としては領域分割処理、孤立点除去処理、ラベル処理
(周波数、方向が近傍のものを1つのラベルとする)に
より行われる。また、図11は実際のラベル処理のイメー
ジを示すものであり、まず、1番目にグループ化して領
域を分割する。そして、この図11の上昇区間で説明する
と、ピークが1点の領域が4ヵ所、ピークが8点の領域
が1ヵ所の5ヵ所に分割される。図11の下降区間では、
ピークが1点の領域が3ヵ所、ピークが3点の領域が1
ヵ所、ピークが4点の領域が1ヵ所の計5ヵ所に分割さ
れる。そして、2番目に孤立点除去処理において、ある
定義された点数より狭い範囲を除去することが行われ
る。例えば、2点より狭い範囲を除去とすると上昇区間
は4ヵ所、下降区間は3ヵ所となる。3番目に、領域を
識別するためにラベルを付与し、同じグループの属性を
求め、これに対して、図12のラベル属性のデータ構造の
イメージに示すようなデータ構造の配列に属性を蓄積す
る。
【0030】(7)ペアリング処理:S7 図14はペアリング処理の処理フローを示すものであり、
図15〜20はペアリング処理概念を示すものである。そし
て、このペアリング処理は上昇区間ラベルソート処理、
下降区間ラベル探索処理、上昇個々ペアリング処理、下
降区間ラベルソート処理、上昇区間ラベル探索処理、下
降個々ペアリング処理、ペアリング結果ラべリング処理
の7個の処理(〜)により行われる。以下、これら
処理の詳細について説明する。
【0031】 上昇区間ラベルソート処理 上昇区間のラベルを周波数の小さい順番(図の下から)
にソートする。図15では、上昇区間のラベルは、1つな
のでそのままになる。 下降区間ラベル探索処理 下降区間のラベル探索処理を行う。図15に示すように、
まず、1番目にソートされた順番に上昇区間のラベルで
作業を行う。今回は上昇区間のラベルは1つなので、ラ
ベル0の平均方向、周波数(重心方向、周波数)で下降
区間にてプロットする(星マーク)。2番目に許容速度
によって決まる範囲の低い周波数から平均方向(重心)
に沿ってラベルがないかを探索していく。この例では、
ラベルがないので探索処理を抜ける。 上昇個々ペアリング処理 図15の例では、対のペアが見つからなかったので、なに
も処理を行わない。なお、処理内容は、下降個々ペアリ
ング処理と同様である。 下降区間ラベルソート処理 この下降区間のラベルソート処理は、上昇区間のラベル
を全て探索した場合に行われる処理で、下降区間のラベ
ルを周波数の小さい順番にソートする。図16では、下降
ラベル0,1という順になる。 上昇区間ラベル探索処理 上昇区間のラベル探索処理を行う。図16に示すように、
まず、1番目にソートされた順番に下降区間のラベルで
作業を行う。今回は2つなので、まず、ラベル0の平均
方向、周波数(重心方向、周波数)で下降区間にプロッ
トする(星マーク)。2番目に許容速度によって決まる
範囲の低い周波数から平均方向(重心)に沿ってラベル
がないかを探索していく。図16では、上昇ラベル0が見
つかるため、そこで受信電力がほぼ一致するかを確認す
る。この確認により、受信電力がほぼ一致する場合、ペ
アになるラベルを検出として次の処理に進む。 下降個々ペアリング処理 図17の例では、下降ラベル0の個々のピーク点(0〜
3)と同じ方向に上昇区間のラベル0にピーク点がある
かを探す。そして、ピーク点がある場合は、対にし、図
17に示すように互いに対のラベルとラベル内のピーク番
号を書き込む。実際には、前述した図12のラベル属性デ
ータに書き込む。この後、ラベル内のピーク点数割るペ
アが成立した点数でペア割合を計算し、このペア割合を
格納する。また、ペア割合が一定以上になった場合は、
このラベルのペアリングは終了したとして、フラグに終
了フラグをたてる。図17を例にした場合には、下降ラベ
ルのペア割合が1なのでペアフラグを終了にする。一
方、上昇ラベル0は4/8なのでまだ終了フラグをたて
ない。以上の,の処理は、下降ラベルの個数だけ繰
り返す。また、図18,19は、下降ラベル1についてのイ
メージ図である。これらの処理が終了すると、上昇ラベ
ル0のペア割合は、7/8になり、ペアフラグが終了に
なっている。 ペアリング結果ラベリング処理 このペアリング結果ラベリング処理は、下降区間のラベ
ルを全て探索した場合に行われる処理で、上昇ラベル0
と下降ラベル0の組合せで得られた個々のペアリングで
方向・距離・速度を求める。また、上昇ラベル0と下降
ラベル0の組合せで得られた上記の計測点は同じグルー
プからとし、新たに計測ラベル0というラベルを振る。
同様に上昇ラベル0と下降ラベル1の組合せから計測ラ
ベル1が得られる。これは、図2の車両を表す。すなわ
ち、図20により車両が対向してすれ違う様子を認識する
ことができる。
【0032】(8)大型車処理:S8 図23は大型車処理のフローを示す図であり、ラベル間距
離計算、短距離ラベル抽出、大型車両かの判断処理、ラ
ベル結合処理により行われる。また、図21,22にその概
要図を示すもので、図22は図21におけるα3-α3′矢視
のしきい値グラフである。すなわち、トラックなどの大
型車の場合には図21に示すようにピークの固まりが複数
(図21では、2つ)に見えることがよくある。そこで、
この大型車処理ではまず、計測ラベル間の平均位置を使
って、距離を求める。この距離がある定義した値(例え
ば、10m以下など)より近いラベルを図21に示すよう
に抽出する。この後、このラベル間の電力を調べる。す
なわち、大型車両は電力ピークが複数でるが、ピーク間
の電力が道路からの受信電力よりも大きいうえ、大型車
両は一般的にラベル間の電力差である谷が浅いので、谷
の高低をみて、谷が低い場合は大型車と判定するもので
ある。
【0033】
【発明の効果】本発明は上記のようであって、ミリ波セ
ンサの信号処理方法において、雨、霧、気温の高低変化
により、受信電力や周波数が拡縮(減衰、増幅)した場
合であっても、また、不要反射(背景)や干渉の影響に
よっても誤ペアリングを低減することができるという効
果がある。また、走行中の大型車を正確に判定すること
により車両1台の認識を確実にし、認識精度の向上を図
ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な処理フローを示す構成図であ
る。
【図2】ミリ波センサによる計測シーンを示す構成図で
ある。
【図3】ミリ波センサの構成図である。
【図4】背景の更新フローを示す説明図である。
【図5】上昇・下降区間における長期背景の周波数・方
向・電力を示すグラフ図である。
【図6】上昇区間の短期背景データを示すグラフ図であ
る。
【図7】ゲイン生成の概要を示す図であり、(a)は長
時間背景データのα-α′矢視図、(b)は短時間背景
データのα2-α2′である。
【図8】(a)は電力からのしきい値作成を、(b)は
しきい値処理をそれぞれ示すしきい値作成の概念図
(1)である。
【図9】(a)は区間分けを、(b)は電力からのしき
い値作成を、(c)はしきい値処理をそれぞれ示すしき
い値作成の概念図(2)である。
【図10】可変しきい値によるピーク検出処理のフロー図
である。
【図11】ラベル処理のイメージを示す図である。
【図12】ラベル属性のデータ構造のイメージを示す図で
ある。
【図13】ラベル処理フローを示すフロー図である。
【図14】ペアリング処理フローを示すフロー図である。
【図15】下降区間ラベル探索処理の概念を示す図であ
る。
【図16】上昇区間ラベル探索処理概念を示す図である
(1)。
【図17】個々のペアリング処理概念を示す図である
(1)。
【図18】上昇区間ラベル探索処理概念を示す図である
(2)。
【図19】個々のペアリング処理概念を示す図である
(2)。
【図20】ペアリング結果のラベリング処理概要を示す図
である(1)。
【図21】大型車処理の概要を示す構成図である。
【図22】大型車処理の概要を示すグラフ図である。
【図23】大型車処理の処理フローを示すフロー図であ
る。
【図24】FMCWレーダの基本を説明する図である(対
象は静止物)。
【図25】同波形図である。
【図26】FMCWレーダの基本を説明する図である(対
象は走行車両)。
【符号の説明】
1 ミリ波センサ 2 道路 3,5,6 電柱 4 車両 7 交通標識 9 センサ部 10 スキャン部 11 制御・信号処理・検出処理部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路に設置したミリ波センサの信号処理
    において、長時間背景データと短時間背景データを有す
    ることを特徴とするミリ波センサの信号処理方法。
  2. 【請求項2】 前記長時間背景データと短時間背景デー
    タから周波数と電力の増幅率を求めることを特徴とする
    請求項1に記載のミリ波センサの信号処理方法。
  3. 【請求項3】 前記増幅率を用いて、新たに入力された
    データを増幅することにより補正を行うことを特徴とす
    る請求項2に記載のミリ波センサの信号処理方法。
  4. 【請求項4】 前記長期背景データを用いて多値しきい
    値を生成することを特徴とする請求項1〜3に記載のミ
    リ波センサの信号処理方法。
  5. 【請求項5】 前記多値しきい値を用いて、しきい値処
    理を行うとともにピーク検出を行うことを特徴とする請
    求項4に記載のミリ波センサの信号処理方法。
  6. 【請求項6】 前記検出されたピークを用いてラベリン
    グを行うことを特徴とする請求項5に記載のミリ波セン
    サの信号処理方法。
  7. 【請求項7】 前記ラベリングで求めたラベルの重心周
    波数、重心方向または平均周波数、平均方向などの属性
    を求めることを特徴とする請求項6に記載のミリ波セン
    サの信号処理方法。
  8. 【請求項8】 前記ラベルの重心方向または平均方向を
    用いて対応するラベルの探索によりペアリングを行うこ
    とを特徴とする請求項7に記載のミリ波センサの信号処
    理方法。
  9. 【請求項9】 前記ペアリング時、受信電力をペアであ
    るかの認識に用いることを特徴とする請求項8に記載の
    ミリ波センサの信号処理方法。
  10. 【請求項10】 しきい値処理により検出されたピーク
    間においての電力の隔差を判定し、大型車両と認識する
    ことを特徴とする請求項5または9に記載のミリ波セン
    サの信号処理方法。
  11. 【請求項11】 道路に設置したミリ波センサの信号処
    理において、請求項1〜10を実現する装置を備えること
    を特徴とするミリ波センサの信号処理方法。
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