JP2002257825A - 白癬菌感染由来の痒み評価方法 - Google Patents

白癬菌感染由来の痒み評価方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 白癬菌が感染したモルモット体部皮膚
に、無機塩水溶液、低級アルコール及び多価アルコール
から選ばれる成分を塗布し、その後のモルモットの掻き
行動を測定することを特徴とする白癬菌感染由来の痒み
評価方法。 【効果】 本発明の、白癬菌感染由来の痒み測定動物実
験モデルを使用することにより、現在市販されている水
虫治療薬よりも優れた鎮痒効果(症状の改善)を有する
薬物を開発する際に、ヒトの痒みと同一と考えられる試
験系で、短期間で数多くの薬物の薬効評価試験を実施す
ることが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト白癬菌感染由
来の痒みの評価方法及び鎮痒効果を有する薬物のスクリ
ーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】汗疱状白癬(水虫)の痒みを抑制するた
めに、市販の水虫治療薬には鎮痒剤として、クロタミト
ン(CRT)や塩酸ジフェンヒドラミン(DPH)が配合され
ているが、これらは水虫の痒みに最適な鎮痒剤とは言い
難い。その理由はこれらの鎮痒剤が、水虫に特定した痒
みの治療薬として開発されていないことから、水虫患者
に投与しても長時間の痒み抑制効果が得られず、鎮痒薬
を頻繁に投与しなければならないのが現状である。
【0003】倉石らはマウスの背部に痒みを起こさせる
起痒物質であるコンパンド48/80(Compound 48/8
0)およびサブスタンスP(substance P)を皮膚に投
与して起こるマウスの掻き行動をもとに痒みを評価して
いる(ヨーロピアン ジャーナル オブ ファーマコロ
ジー(European Journal of Pharmacology) 第275巻
(1995)229−233頁)。その他、痒みを引き
起こす起痒物質も多数報告されているが、未だそのほと
んどが機序も明らかではない。ステロイド剤であるプレ
ドニゾロンはアレルギー反応とマウスの引っ掻き行動を
抑制するが、コンパンド48/80による引っ掻き行動
を抑制しないことも知られている。
【0004】このように痒みの本体は複雑であり、また
痒感はあくまで自覚的なものであるため、客観的な評価
が難しい。痒みの原因は多様であり、水虫の痒みがどの
実験モデルにより評価可能なのかについては未だ明らか
にはされておらず、したがって、これらの動物による評
価モデルもなく、そのため鎮痒効果を有する薬物の探索
評価系も確立されていない状況である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、白癬
菌感染由来の痒み評価方法及び鎮痒効果を有する薬物の
スクリーニング方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水虫の原
因菌である白癬菌が起こす痒みを評価するモデルとし
て、抗真菌剤の抗菌活性を評価するモデルとして古くか
ら用いられているモルモット白癬菌感染モデル(以下、
「モルモット白癬菌感染モデル」と称する)の掻き行動
を計測したところ、白癬菌の感染に由来する痒みに対す
る掻き行動を行うことが判明した。しかしながら、その
掻き行動は個体差が大きく、安定した評価ができなかっ
た。そこで、白癬菌の感染部位に、それ自体起痒効果を
有さない無機塩水溶液、アルコール類などを塗布すれ
ば、全く意外にも掻き行動が顕著に増幅され、痒み評価
実験系の信頼性が向上し、評価時間が著しく短縮される
こと、さらにこの実験系に被験薬物の投与を組み合せれ
ば鎮痒効果を有する薬物のスクリーニングが定量的にで
きることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、白癬菌が感染したモ
ルモット体部皮膚に、無機塩水溶液、低級アルコール及
び多価アルコールから選ばれる成分を塗布し、その後の
モルモットの掻き行動を測定することを特徴とする白癬
菌感染由来の痒み評価方法を提供するものである。
【0008】また本発明は、白癬菌が感染したモルモッ
ト体部皮膚に、被験薬物並びに無機塩水溶液、低級アル
コール及び多価アルコールから選ばれる成分を塗布し、
その後のモルモットの掻き行動を特定することを特徴と
する、白癬菌感染由来の痒みに対する鎮痒効果を有する
薬物のスクリーニング方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】「モルモット白癬菌感染モデル」
は抗真菌作用を評価する実験動物モデルとして公知であ
り、広く用いられているが、痒みの評価系モデルとして
は未だ使われたことはない(真菌誌 第38巻第1号3
3〜37頁)。本モデルはモルモット又はヘアレスモル
モットの背部皮膚又は脚部に好獣性の白癬菌を感染させ
たものであり、抗真菌活性を観察するのが目的で広く利
用されている。この評価系は抗真菌作用を観察するのが
目的であるため、被験動物が薬物をなめたり、患部を損
傷するなど、薬剤の評価を阻害する要因を排除するため
に、患部をガーゼで固定したり、なめることを抑制する
目的で、モルモットは首にネックレス(襟巻き)等の拘
束具を装着したりしていたため、痒みに関する評価には
用いられていなかった。
【0010】「モルモット白癬菌感染モデル」は公知の
モデル動物であり、各種文献に記載された方法により作
製可能である (アンチミクロバイアル エージェンツ
アンド ケモセラピー(Antimicrob. Agents Chemothe
r.),第42巻, 967−970頁,1997)。より具
体的には、以下の方法によって作製できる。
【0011】モルモット体部の皮膚角質部分の体毛をバ
リカン、剃刀、脱毛ワックス等により刈毛し、抜毛した
モルモットの角層部分を紙ヤスリ等で擦るか、乱切して
軽微な外傷をおこすか、あるいは、ガムテープやセロフ
ァンテープを貼り付けて勢いよく剥がす操作により角層
を剥離した後に、ガーゼをあらかじめ培養しておいた白
癬菌の胞子液に浸し、感染部位にガーゼを貼着し、その
上から絆創膏又は包帯で完全に覆い、3〜7日間密着さ
せて、感染させる。感染部位は背部、腹部、脚部等いず
れでも可能であるが、痒み評価実験には背部がもっとも
好ましい。
【0012】使用する白癬菌としてはトリコフィトン
メンタグロファイテス(Trichophyton mentagrophyte
s)、ミクロスポルム カニス(Microsporum canis)、
トリコフィトン ルブルム(Trichophyton rubrum)、
トリコフィトン バルコサム(Trichophyton verrucosu
m)、トリコフィトン エキナム(Trichophyton equinu
m)及びエピデルモフィトン フロコサム(Epidermophy
ton floccosum)が利用できる。ヒトの白癬の病原菌は
必ずしも動物に対して病原性を持つわけでなく、ヒトの
白癬の病原菌として最も多く分離されるトリコフィトン
ルブルム(Trichophyton rubrum)は好ヒト性で動物
に対する病原性がほとんどの株で弱く、安定した病変を
得ることが困難であるため、あまり好ましくなく、ヒト
の白癬の病原菌としてトリコフィトン ルブルムに次い
で多く分離される好獣性の白癬菌でもあるトリコフィト
ン メンタグロファイテス(Trichophyton mentagrophy
tes)あるいはミクロスポルム カニス(Microsporum c
anis)が被験動物に対して再現性良く感染をおこすた
め、特に好ましい。
【0013】本発明に用いられるモルモットとしては公
知の「モルモット白癬菌感染モデル」として使用できる
モルモットであればよく、すなわち、ハートレー系モル
モットまたはヘアレスモルモットが好ましい。これらは
日本チャールズ・リバー株式会社等から供給されてお
り、容易に入手可能である。雌雄はいずれでもよく、雄
性が一般的に使用される。体重は適切な週齢(4〜6週
齢)や扱い易さの点から、通常300―350gのもの
を使用する。これらモルモットは通常の環境で飼育した
ものでよく、通常、23±1℃、湿度50%で飼育した
ものを、入荷後1週間の検疫期間を経てから実験終了ま
で、1ケージ1匹の単独飼育で行う。
【0014】このようにして作製した「モルモット白癬
菌感染モデル」は白癬菌による感染が進むにつれ、痒み
が発現し、痒みを回避するため、患部を引っ掻く等の掻
き行動を示す。しかしながら、その掻き行動は、散発的
であり、個体差が大きく、評価に耐えるデータの集積に
は観察時間も長時間必要であるため、定量的な評価、ス
クリーニング方法としては利用できない。これに対し、
感染部位に無機塩水溶液、低級アルコール及び/又は多
価アルコールを塗布すれば、掻き行動回数が数十倍増加
し、個体間のバラツキが著しく減少することから、短時
間の観察で有意差検定においても信頼性の高い評価がで
きる。これらの塗布成分は、従来公知の起痒物質とは異
なり、それ自体を正常動物に塗布しても掻き行動をおこ
させる作用を有さない。
【0015】ここで、無機塩水溶液としては、生体に存
在する成分である弱酸性、中性、弱アルカリ性の無機塩
類の水溶液、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化カルシウム、塩化マグネシウム等のアルカリ金属又
はアルカリ土類ハロゲン化物、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、リン酸、リン酸水素ナトリウム水溶液お
よびこれらの1種以上の混合水溶液が好ましく、生体と
等張な濃度で用いるのが好ましい。生理食塩水、リンゲ
ル液が作製・入手が容易であり特に好ましい。
【0016】低級アルコールとしてはメタノール、エタ
ノール等の炭素数1〜4のアルコールが好ましく、特に
エタノールが好ましい。また多価アルコールとしてはグ
リセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル等が好ましい。このうち、平均分子量200〜100
0のポリエチレングリコールが特に好ましい。また、低
級アルコールと多価アルコールは、併用するのがより好
ましい。
【0017】これらの成分の塗布量は1〜4mL程度で十
分であり、滴下して、軽くぬり拡げるか、または綿にた
っぷりしみこませて塗布するのが好ましい。
【0018】被験薬物のスクリーニングにあたっては、
前記成分の塗布の直前、同時又は直後に被験薬物を感染
部位に塗布するが、同時投与(塗布)が好ましい。同時
投与するには、被験薬物が水溶性の場合には生理食塩水
に溶解して塗布するのが好ましく、被験薬物が難水溶性
又は非水溶性の場合には低級アルコール及び/又は多価
アルコールに溶解して塗布するのが好ましい。
【0019】前記成分塗布直後から掻き行動を示すの
で、当該掻き行動を測定する。掻き行動には2通りあ
り、1つは切歯で感染部位を噛む、または歯をこすりつ
けることによって、痒みを解消する頭部スクロールであ
る。そしてもう一つの行動は後脚ストロークによる掻き
行動である。これら2通りの掻き行動のうち、本発明の
モデル動物では、切歯による行動が測定回数の90%以
上を占めている。
【0020】前記成分の塗布後10分間以内が掻き行動
のピークであり、約1時間程度で、無塗布群と変わらな
い程度の時折突発的な掻き行動をするレベルに落ち着く
ため、前記成分を塗布後最大60分、より好ましくは1
0分間程度掻き行動回数をカウントすればよい。
【0021】モルモットはヒトの存在に非常に敏感で、
モルモットから見えるところで観察すると、掻き行動を
含むすべての行動を開始せず、評価結果に影響を与える
ので、ビデオカメラ等で記録し、実験終了後、再生によ
って掻き行動を計測することが好ましい。
【0022】なお、本発明のモデル動物は、痒みの回避
行動である、掻き行動の回数を測定することにより痒み
を評価するので、掻き行動を抑制する、前記拘束具等は
使用せず、モルモットが自由に行動できるようにしてお
く。
【0023】痒みの評価は、それぞれの動物が、被験薬
物塗布以前には、白癬菌感染により潜在的に同等の痒み
を保持していることを基本として成り立っており、これ
らに被験薬物を塗布した塗布群とそうでない無塗布群に
ランダムに分け、一定時間にそれぞれの群で観察された
2つの掻き行動回数を総計して、その掻き行動回数の差
を算出し、有意差検定を実施することで、痒みの度合い
の違いを指標に評価できる。
【0024】
【実施例】以下、参考例及び実施例を挙げて本発明をさ
らに詳細に説明する。
【0025】参考例1(モルモット白癬菌感染モデルの
作製) <感染菌液の調整>25℃で7日間、トリコフィトン
メンタグロファイテス(Trichophyton mentagrophyte
s)をポテト デキストロース カンテン(PDA)培地
(真菌増殖用培地)で培養することにより胞子を形成さ
せた。この胞子を1%ツイーン80含有滅菌生理食塩水
中に浮遊させて、白血球計算盤を用いて顕微鏡で計測す
ることにより、目標の胞子数である約107cells/mLに
なるように、同液で希釈することなどにより合わせ、感
染菌液とした。
【0026】<モルモットの感染>感染方法はNiwanoら
の報告を改変して実施した (アンチミクロバイアル エ
ージェンツ アンド ケモセラピー(Antimicrob. Agen
ts Chemother.),第42巻,967−970頁,199
7)。麻酔下(ネンブタール、ダイナボット株式会社
製、20mg/kg、腹腔内投与)のモルモット背部毛
をバリカンで刈り、さらに市販の除毛剤(製品名:フェ
ザー除毛フォーム、#HR−150)で除毛した。体部
に付着した除毛剤を70%エタノールまたは滅菌生理食
塩水を浸した紙タオルで拭い取り、その後乾いた紙タオ
ルで水分を取り、乾燥させた。次にサンドペーパー(#
240)を用いて背部角質部分を出血しないように浅く
傷つけ、この部分を70%エタノールで消毒し、自然乾
燥させた。
【0027】約107cells/mLに調製したトリコフィト
ン メンタグロファイテス(T. mentagrophytes)胞子
液を、ガーゼ長35mm x幅 250mmを1/3〜1/5長に切
断した救急絆創膏(ビッグバンG、ニチバン株式会社
製)のガーゼ部分に、十分吸い込む量(通常、1/3長
で2mL)浸し、処理した背部に貼付し、さらにその上か
ら包帯型絆創膏(エラストポア、ニチバン株式会社製[5
0mm幅のロール状[長さ5m]粘着型包帯])でビッグバン
G貼付部分を完全に覆い、感染部に胞子液を長時間密着
させることにより感染させ、そのまま3〜7日間放置さ
せた後に絆創膏を除去し、その3〜5日後に実験に供し
た。
【0028】また非感染群は胞子液の代わりに滅菌生理
食塩水を用いて、同様の塗布を行い、実験に供した。
感染の成立は、感染部位の炎症度合いの観察と、感染部
位の皮膚を手術用ハサミで剥離し、約10個の切片にお
よそ均等に分け、PDA培地(100μg/mL塩酸テトラサ
イクリン含有)で作製したシャーレ平板培地表面上に剥
離皮膚切片の皮膚表面を上向きにして密着するように配
置し、25℃で7日間培養後にトリコフィトン メンタ
グロファイテス(T. mentagrophytes)が増殖した切片数
と試験した総切片数の比率から確認した。
【0029】参考例2 包帯絆創膏を5日目に除去した参考例1のモルモット3
匹を用い、実験開始後10分間の掻き回数を測定した。
測定は各動物をデジタルビデオカメラで撮影し、実験終
了後、映像を観察することにより掻き行動をカウントし
た。掻き行動は切歯で感染部位を噛む、または歯をこす
りつけることによって、痒みを解消する頭部スクロール
及び後脚ストロークによる掻き行動をそれぞれ1回とし
てカウントした。
【0030】
【表1】
【0031】結果:2匹にそれぞれ2回及び7回の頭部
スクロールを計測した。以上の結果から、10分程度の
短い時間では掻き行動回数も少なく、又データのバラツ
キも大きいことがわかった。
【0032】実施例1 包帯絆創膏を5日目に除去した参考例1のモルモット6
匹を無作為に2群(各N=3)に分けて、1群には生理
食塩水2mlを塗布し、もう1群には生理食塩水に塩酸
ジフェンヒドラミンを溶解させ1%(w/v)とした溶
液2mlを塗布した。塗布10分後までの掻き行動回数
を参考例1と同様にビデオカメラにて撮影し、実験終了
後、映像を観察することにより掻き行動をカウントし
た。
【0033】
【表2】
【0034】生理食塩水塗布群では、無処置群の掻き行
動回数(表2)と比較して、約160倍に掻き行動回数
が増加した。この時の1% DPH塗布群の平均掻き行動回数
は、35.3回であり、DPHが痒みを抑制しているこ
とを示している。
【0035】以上の結果から、上記白癬菌感染モルモッ
トモデルは、感染によって潜在的に保持している痒み
が、生理食塩水を塗布することにより、劇的に惹起され
ることが明らかとなった。
【0036】実施例2 包帯絆創膏を5日目に除去した参考例1のモルモット1
5匹を無作為に下記4群(1群3〜4匹)に分け実施例
1と同様に各成分塗布後、10分間の掻き行動回数をカ
ウントした。有意差検定はすべてStudentのt-検定(等
分散を仮定した2標本による検定)で計算し、P(T<=t)
両値を採用した。
【0037】1.無処置群 2.陽性対照群 (無水エタノール-ポリエチレングリコール400[3
0:70(v/v)]混液を塗布) 3.5%CRT塗布群 (無水エタノール-ポリエチレングリコール400[3
0:70(v/v)]混液にクロタミトン(CRT)を
臨床投与量である5%(v/v)溶解した液を2ml塗
布) 4.1%DPH塗布群 (無水エタノール-ポリエチレングリコール400[3
0:70(v/v)]混液に塩酸ジフェンヒドラミン
(DPH)を臨床投与量である1%(w/v)溶解させ
た液を2ml塗布)
【0038】結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】陽性対照群 無処置群との有意差検定結果:p<0.05で有意差有
り 5%CRT塗布群 無処置群との有意差検定結果:p=0.50で有意差無
し 陽性対照群との有意差検定結果:p<0.05で有意差
有り 1%DPH塗布群 無処置群との有意差検定結果:p=0.47で有意差無
し 陽性対照群との有意差検定結果:p<0.05で有意差
あり
【0041】陽性対照群である無水エタノール-ポリエ
チレングリコール400[30:70(v/v)]混液
投与群が無処置群に対し30倍掻き行動回数を増加させ
た。CRTおよびDPHは共に塗布直後から鎮痒作用が
発現し、陽性対照群と比較して約12%まで掻き行動回
数を抑制し、有意な差のある結果であった。しかしなが
ら、無処置群との比較では、掻き行動回数において有意
な差は認められなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明の、白癬菌感染由来の痒み測定動
物実験モデルを使用することにより、現在市販されてい
る水虫治療薬よりも優れた鎮痒効果(症状の改善)を有
する薬物を開発する際に、ヒトの痒みと同一と考えられ
る試験系で、短期間で数多くの薬物の薬効評価試験を実
施することが可能となった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白癬菌が感染したモルモット体部皮膚
    に、無機塩水溶液、低級アルコール及び多価アルコール
    から選ばれる成分を塗布し、その後のモルモットの掻き
    行動を測定することを特徴とする白癬菌感染由来の痒み
    評価方法。
  2. 【請求項2】 白癬菌が感染したモルモット体部皮膚
    に、被験薬物並びに無機塩水溶液、低級アルコール及び
    多価アルコールから選ばれる成分を塗布し、その後のモ
    ルモットの掻き行動を特定することを特徴とする、白癬
    菌感染由来の痒みに対する鎮痒効果を有する薬物のスク
    リーニング方法。
  3. 【請求項3】 白癬菌がトリコフィトン メンタグロフ
    ァイテス(Trichophyton mentagrophytes)、ミクロス
    ポルム カニス(Microsporum canis)、トリコフィト
    ン ルブルム(Trichophyton rubrum)、トリコフィト
    ン バルコサム(Trichophyton verrucosum)、トリコ
    フィトン エキナム(Trichophyton equinum)及びエピ
    デルモフィトン フロコサム(Epidermophyton floccos
    um)から選ばれるものである請求項1又は2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 塗布する成分が、生理食塩水、エタノー
    ル及びポリエチレングリコールから選ばれる成分である
    請求項第1〜3のいずれか1項載の方法。
  5. 【請求項5】 体部皮膚が背部皮膚である請求項1〜4
    のいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 掻き行動の測定が、頭部および後脚のス
    トローク数の計測である請求項1〜5のいずれか1項記
    載の方法。
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