JP2002256479A - めっき処理方法及びめっき処理装置 - Google Patents

めっき処理方法及びめっき処理装置

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JP2002256479A
JP2002256479A JP2001060746A JP2001060746A JP2002256479A JP 2002256479 A JP2002256479 A JP 2002256479A JP 2001060746 A JP2001060746 A JP 2001060746A JP 2001060746 A JP2001060746 A JP 2001060746A JP 2002256479 A JP2002256479 A JP 2002256479A
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ultrasonic
plated
electrode
shaped metal
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JP2001060746A
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Nobuaki Haga
宣明 芳賀
Kenichi Mimori
健一 三森
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波を使ってめっきムラの発生を避けなが
ら、高電流密度による高速めっき成膜を実現するめっき
処理方法及びめっき処理装置を得る。 【解決手段】 めっき液5aを満たしためっき処理部5
にめっき用電極7,7を設け、被めっき処理材料である
帯状金属材料2をめっき用電極7,7と対向して移動さ
せ、めっき処理部5に帯状金属材料2を挟んで複数の超
音波振動板8,8を設け、複数の超音波振動板8,8の
内少なくとも一つの振動板8の振動面8cが、帯状金属
材料2と非平行であるように配置して超音波を送るよう
にしたので、被めっき処理材料である帯状金属材料2に
めっきムラのないめっき膜を高速で成膜することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、めっき処理部内に
超音波源を設け、被めっき処理材料をめっき処理部内で
めっき電極に対向して移動させて、めっき液を撹拌しな
がらめっき処理を行うめっき処理方法、及びめっき処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術のめっき処理方法、めっき処理
装置を図11を用いて説明する。図11は従来技術のめ
っき処理装置の平面図である。長尺の部材に連続的にめ
っき処理を行う場合には、撹拌された液中に部材を通し
ながら通電してめっき処理を行っていたが、電流密度を
高くしてめっき速度を上げるためには、めっき液の流速
を大きくする必要があり、装置の大型化によって高コス
ト化を招くことになる。
【0003】一方、めっき処理中に超音波を付与するこ
とにより、キャビテーションによって生じる超高速流
(マイクロジェット)による撹拌効果により電流密度を
上げることができることは知られていた。そこで、上記
問題点を解決するために、従来技術のめっき処理方法及
びめっき処理装置51では、超音波振動板58,58を
用いてめっき液55aを撹拌し装置を大型化せずに電流
密度を高くしてめっき速度を上げるようにしていた。
【0004】従来技術のめっき装置51は、被めっき処
理材料である帯状金属材料(フープ材)52を駆動部5
3,53により、前処理部54、めっき処理部55、後
処理部56の中を順次移動させる。駆動部53,53
は、帯状金属材料52を移動させるための駆動装置であ
る。前処理部54は、帯状金属材料52をめっき処理す
る前に、準備のための洗浄、下地めっき等を施す部分で
ある。後処理部56は、めっき処理後、洗浄や乾燥など
を行う部分である。めっき処理部55は、めっき液55
aが満たされ、めっき処理部55の中に、2個の平板状
のめっき用電極57,57が被めっき処理材料である帯
状金属材料52を挟むように、かつ帯状金属材料52の
被めっき処理面52aと平行になるように対向させて配
置されている。また、めっき用電極57、57の外側に
2個の超音波振動板58,58が、めっき用電極57,
57を囲み、かつ、その振動面58a、58aは帯状金
属材料52の被めっき処理面52aと平行になるように
配置されている。従って、超音波振動板58,58の振
動面58a,58aは帯状金属材料52に対して平行に
対向している。帯状金属材料52は、めっき処理部55
内でめっき液55aに浸漬され、2個のめっき電極5
7,57の間を通過し、めっき処理が行われる。この
時、帯状金属材料52のめっき処理面52a近傍は、め
っき液55aが超音波振動により撹拌され、めっき処理
面近くのめっき液が常にリフレッシュされるので高電流
密度の電流を流すことができ、高速のめっき処理が可能
になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術では、超音波がめっき液55aを撹拌する
が、2つの超音波振動板58,58の振動面58a,5
8a同士の間には定在波が発生する。振動面58a,5
8aは互いに被めっき処理材料52に対して平行である
ため、音圧の高い部分と低い部分が振動面58a,58
aに対して平行であるような定在波が発生する。被めっ
き処理材料である帯状金属材料52は、この定在波に対
して垂直になっているため、帯状金属材料52の被めっ
き処理面52a,52aは定在波によって生じた、表面
と裏面とで異なる値でほぼ一定の音圧を示す位相の部分
を通ることになる。このことにより、帯状金属材料52
の被めっき処理面52a,52aの表面と裏面とではめ
っき速度が異なってしまう。また、帯状金属材料52の
厚みによってもめっき速度が変わり、また、振動などの
原因で振動面58a,58a同士の距離がずれると音圧
が変化し、めっき速度のばらつきとなってめっきムラが
生じていた。また、超音波振動板58が1個だけの場合
でも、超音波振動子58の振動面58aが対向するめっ
き処理部55の壁面55bに平行であるため、1個の超
音波振動板58からの超音波が壁55bで反射し折り返
し戻ってくる波と干渉して、定在波を発生し、この定在
波の粗密の程度が同じになる線に対して被めっき処理材
料52が平行であると、即ち、超音波振動板58の振動
面58aと被めっき処理材料52が平行であると、同じ
問題を発生させていた。この結果、被めっき処理材料で
ある帯状金属材料52のめっき膜圧にムラが生じてしま
うという不具合が発生する。
【0006】本発明の目的は、超音波を使ってめっきム
ラの発生を避けながら高電流密度による高速めっきを実
現するめっき処理方法及びめっき処理装置を得ることに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のめっき処理方法
は、めっき液を満たしためっき処理部にめっき用電極を
設け、被めっき処理材料を前記めっき用電極と対向して
移動させ、前記めっき処理部に設けられた1個の超音波
振動板の振動面が、前記被めっき処理材料と非平行に配
置されて超音波を送るようにした。この構成によれば、
被めっき処理材料にめっきムラのないめっき膜を高速で
成膜することができる。また、超音波振動板が1個だけ
で済むので、構造が簡単になり、装置全体が安価に作成
できる。
【0008】また、本発明のめっき処理方法は、めっき
液を満たしためっき処理部にめっき用電極を設け、被め
っき処理材料を前記めっき用電極と対向して移動させ、
前記めっき処理部に前記被めっき処理材料を挟んで複数
の超音波振動板を設け、前記複数の超音波振動板の内少
なくとも一つの前記振動板の振動面が、前記被めっき処
理材料と非平行であるように配置して超音波を送るよう
にした。この構成によれば、被めっき処理材料の両面に
めっきムラのないめっき膜を高速で成膜することができ
る。
【0009】また、本発明のめっき処理方法は、前記被
めっき処理材料は帯状金属材料であるようにした。この
構成によれば、被めっき処理材料をリールから送出し、
めっき処理後リールに巻き取る生産形態をとれるので、
生産効率が高い
【0010】また、本発明のめっき処理方法は、前記被
めっき処理材料のめっき処理面と前記超音波振動板との
間に前記めっき用電極が配置されているようにした。こ
の構成によれば、めっき処理面と電極とを近接させて距
離を一定に保ち、電位分布を均一にしながらめっき液の
抵抗を小さくし、更に超音波を与えることが可能にな
り、高電流密度でのめっきが可能になり、めっきムラを
少なくすることができる。
【0011】また、本発明のめっき処理方法は、前記め
っき用電極の厚みは前記超音波の波長の5%以下である
ようにした。この構成によれば、被めっき処理材料と超
音波振動板との間にあるめっき用電極を超音波が透過し
易くなり、超音波のエネルギーのロスが小さくなる。
【0012】また、本発明のめっき処理方法は、前記め
っき用電極はメッシュ状であるようにした。この構成に
よれば、メッシュの空隙部は超音波が透過するので超音
波のエネルギーのロスが小さくなる。
【0013】また、本発明のめっき処理方法は、前記め
っき用電極の厚みは超音波の波長のn/2倍(nは自然
数)であるようにした。この構成によれば、めっき電極
に対する超音波の透過がほぼ完全に行われるために、超
音波のエネルギーのロスがほとんど無くなる。
【0014】また、本発明のめっき処理方法は、前記超
音波振動板がめっき用電極と一体に形成されるようにし
た。この構成によれば、省スペースが図れて、装置全体
が小型化できる。
【0015】また、本発明のめっき処理方法は、前記超
音波の波長は30kHz〜100kHzであるようにし
た。この構成によれば、電流密度を上げてもめっきムラ
がないので、高速のめっき膜形成ができる。
【0016】また、本発明のめっき処理装置は、めっき
液を満たしためっき処理部にめっき用電極を設け、被め
っき処理材料を前記めっき用電極と対向して移動させ、
前記めっき処理部に設けられた1個の超音波振動板の振
動面が、前記めっき処理部の対向する壁と非平行に配置
して超音波を送るようにした。この構成によれば、被め
っき処理材料にめっきムラのないめっき膜を高速で成膜
することができると共に、超音波振動板が1個だけで済
むので、構造が簡単になり、装置全体が安価に作成でき
る。
【0017】また、めっき液を満たしためっき処理部に
めっき用電極を設け、被めっき処理材料を前記めっき用
電極と対向して移動させ、前記めっき処理部に前記被め
っき処理材料を挟んで複数の超音波振動板を設け、前記
複数の超音波振動板の内少なくとも一つの前記振動板の
振動面が、前記被めっき処理材料と非平行であるように
配置して超音波を送るようにした。この構成によれば、
被めっき処理材料にめっきムラのないめっき膜を高速で
成膜することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態のめっき処
理方法及びめっき処理装置を図1〜図6に基づいて説明
する。図1は本発明の第1実施形態のめっき装置の平面
図、図2は図1のA矢示図、図3は図1のB矢示図、図
4は超音波の周波数とめっき電流の電流密度を示すグラ
フ、図5は同一めっき電流を流す時の超音波周波数と印
加電圧の関係を示すグラフ、図6は実施形態1の変形例
のを平面図をそれぞれ示している。
【0019】本発明の第1実施形態のめっき処理装置1
は、被めっき処理材料である帯状金属材料(フープ材
料)2を移動させる駆動部3,3と、帯状金属材料2を
それぞれ処理する前処理部4、めっき処理部5、後処理
部6と、めっき処理部5内に設けられためっき用電極
7,7と超音波振動板8,8と帯状金属材料2、及びめ
っき用電極7,7に通電する通電部(図示せず)により
構成されている。
【0020】帯状金属材料(フープ材料)2は、前処理
部4の手前で、通常、リール(図示せず)に巻かれてお
り、めっき処理部5内でめっき処理が終わると、後処理
部6の後部に設置されている別なリールに巻き取られ
る。駆動部3,3は、リールを2個使用して、めっき処
理前の帯状材料2を巻いた一方のリールから帯状材料2
を引き出し、前処理部4、めっき処理部5、後処理部6
を通して他方のリールを回転駆動し、この他方のリール
に巻き付け、帯状材料2を進行方向(d方向)に移動さ
せる機構である。前処理部4は、被めっき処理材料であ
る帯状金属材料2が通されて、めっき処理の前処理とし
て、脱脂工程や酸洗い、及び洗浄剤による洗浄、または
下地メッキなどの表面処理を行う部分である。めっき処
理部5は、めっき液5aが満たされ、このめっき液5a
内に帯状金属材料2が通されて、めっき処理が施される
部分である。後処理部6は、めっき処理が終わった帯状
金属材料2が通されて純水を用いた流水洗浄、乾燥、変
色防止処理が施される部分である。めっき用電極7,7
は、図3で示す図1のB矢示図のように、めっき処理部
4内に概ね帯状金属材料2と平行で、かつ、帯状金属2
を挟むように設けられている。めっき用電極7,7は図
2で示す図1のA矢示図のように、メッシュ状に形成さ
れ、厚みは超音波の波長の5%以下であり、好ましく
は、超音波の波長の1%である。即ち、めっき用電極
7,7の厚みは超音波の波長の5%以下、薄ければ薄い
程超音波のロスは少なくなる。しかし、厚みが薄くなり
過ぎるとめっき用電極電極7,7の電気抵抗が大きくな
り、めっき用電極7,7の電極表面の位置による電位が
一定でなくなり、電極としての強度も弱くなるので、め
っき用電極7,7の厚みは1%程度が最適である。超音
波振動板8,8は、めっき処理部5内に設けられ、形状
は長方形の板状であり、その振動面8a,8aが超音波
の音源となっている。超音波振動板8,8は内部に超音
波源(図示せず)を有しているが、この超音波源は点状
超音波源(図示せず)を並べたものでもよいし、板状超
音波源(図示せず)を並べたものでもよい。一対の超音
波振動板8,8は、その振動面が帯状金属材料2に対し
て非平行になるように設けられている。
【0021】次に、上記構成による本発明のめっき処理
装置1によるめっき処理方法について説明する。本発明
のめっき処理装置1は、一方の駆動部3によって、被め
っき処理材料である帯状金属材料(フープ材料)2を送
り出し、前処理部4、めっき処理部5、後処理部6の中
を順次移動させ、帯状金属材料2を他方の駆動部3で巻
き取るようになっている。めっき処理部5にはめっき液
5aが満たされ、めっき処理部5の中に、2個の平板状
かつメッシュ状のめっき用電極7,7を被めっき処理材
料である帯状金属材料2を挟むように、かつ帯状金属材
料2の被めっき処理面2aと平行になるように対向させ
て配置し、めっき用電極7,7の外側に2個の超音波振
動板8,8が、めっき用電極7,7を囲むように配置さ
れている。帯状金属材料2は、めっき処理部5内でめっ
き液5aに浸漬され、2個のめっき用電極7,7の間を
通過し、めっき処理が行われる。この時、帯状金属材料
2のめっき処理面2a近傍は、めっき液5aが超音波振
動により撹拌され、2個の超音波振動板8,8の振動面
8a,8aが互いに非平行になるように傾けて配置され
るので、超音波の波による定在波が発生せず、帯状金属
材料2のめっき処理面2aには帯状金属材料2が移動す
るにつれて超音波の波の粗密がランダムに当たるので、
めっき処理面2a近くのめっき液5aが均一に撹拌され
てめっきムラがなくなる。
【0022】また、めっき用電極7,7がメッシュ状な
ので、超音波がめっき用電極7,7によって遮られる割
合が少なく、超音波が被めっき処理面2aに到達しやす
い。更に、めっき用電極7,7が帯状金属材料2と超音
波振動板8,8との間に、金属材料2と平行に近接して
あるために、めっきムラが少なく、高電流密度の電流を
流すことができ、高速のめっき処理が可能になってい
る。図4には超音波振動板8,8から発振される超音波
の周波数とめっき時のめっきムラが大きくなって光沢が
なくなるめっき電流の電流密度を示すグラフが示されて
いる。100Wで超音波振動板を振動させ、横軸には超
音波の周波数、縦軸にはめっき電流の電流密度がとられ
ている。グラフでは、超音波の周波数を0kHz(超音
波なし),28kHz,45kHz,100kHzで、
めっき電流の電流密度を上げていくとめっき膜に光沢が
なくなる電流密度をプロットしてある。このグラフによ
れば、超音波の周波数が28kHz以下と100kHz
以上では、めっき膜に光沢がなくなる電流密度が小さな
値になっている。この理由は、周波数が28kHz以下
では超音波の波長が長くなって、めっき液全体を均一に
撹拌できず、低い電流密度でもめっき液の供給が不足す
る部分ができ、めっきムラが大きくなって光沢がなくな
る。周波数が100kHz以上では、超音波によるキャ
ビテーションによって生じるマイクロジェットの作用が
小さくなって、帯状金属材料2へのめっき液5aの供給
効果が小さくなり、めっきムラが大きくなり、光沢がな
くなる。超音波振動板8,8の振動の周波数は30kH
z〜100kHzを外れるとめっき電流の電流密度が上
げられないので、めっき膜形成速度を高速にすることが
できない。従って、めっき膜形成速度を高速にして、か
つ光沢のあるめっきをするのには超音波振動板8,8の
振動の周波数は30kHz〜100kHzが好ましく、
50kHzが特に好ましいので、本実施形態の場合は5
0kHzを採用している。図5には、100W(ワッ
ト)で超音波振動板8,8を振動させ、同一めっき電流
(2A(アンペア))を流す時の超音波周波数と印加電
圧の関係を示すグラフが示されている。横軸には、超音
波の周波数、縦軸にはめっき時の電圧がとられている。
このグラフによれば、超音波振動板8,8の超音波の周
波数の範囲が30kHz〜100kHzでは、2Aの定
電流を流すと、めっき時の電圧が低くなっている。この
理由は、めっき液5aの超音波による十分な撹拌により
帯状金属材料2の表面に十分めっき液5aが供給され
て、同一電流を流すめっき処理ではめっき時の電圧値は
低く保持されることが分かる。よって、超音波振動板
8,8の超音波の周波数の範囲が30kHz〜100k
Hzでは、電力効率のよいめっき成膜が行われているこ
とが分かる。
【0023】尚、上記第1実施形態のめっき処理方法及
びめっき処理装置1では二つの超音波振動板8,8が帯
状金属材料2を挟むように設けられているが、本発明の
めっき処理方法及びめっき処理装置はこれに限定される
ことはなく、一つの超音波振動板8だけでもよい。この
場合、一つの超音波振動板8の振動面8cが対向するめ
っき処理部5の壁5bと被めっき処理材料である帯状金
属材料2のめっき処理面2aが非平行であれば、超音波
振動板8から出る超音波がめっき処理部の壁5bで反射
してくる超音波と共同して定在波を作ったとしても、め
っき処理面2aには超音波の粗密がランダムに当たり、
めっき液5aが均一に撹拌されてめっきムラが発生しな
い。
【0024】図6には本発明の第1実施形態の変形例を
示している。第1実施形態と同じ部分は同じ番号を付し
て引用し、その説明は省略するものとする。帯状金属材
料2の移動方向に長いめっき用電極7a,7bを用いる
場合、帯状金属材料2の駆動による移動方向の手前側に
一対の超音波振動板8a,8bをその振動面8a’,8
b’が帯状金属材料2の移動方向に進むにつれて互いの
距離が広がるように互いに非平行になるように傾けて配
置し、もう一対の超音波振動板9a,9bは帯状金属板
2の移動方向に、一対の超音波振動板8a,8bに隣接
して設けられ帯状金属板2の移動方向に進むにつれて超
音波振動板9a,9bの振動面9a’,9b’の距離が
近づくように互いに非平行になるように傾けて配置され
ている。この構造によりめっき液5a中の帯状金属材料
2を超音波振動板8a,8b,9a,9bが包み込むよ
うに配置されているため、より広い範囲で帯状金属材料
2に垂直な定在波ができない状態を保つと共に、超音波
のエネルギーが帯状金属材料2に集中し、より大きい撹
拌効果を与える。
【0025】次に、本発明の第2実施形態のめっき処理
方法及びめっき処理装置を図7、図8に基づいて説明す
る。図7は本発明の第2実施形態のめっき装置の平面図
で、図8は本発明の第2実施形態の変形例のめっき装置
の平面図である。第2実施形態において、第1実施形態
と同じ部分には同じ番号を付して引用し、その説明は省
略するものとする。
【0026】めっき用電極付き超音波振動板10,10
は長方形の板状の形状を有し、超音波振動板がめっき用
電極を兼ねたものである。具体的には、超音波振動板の
振動面にあたる部材をめっき電極とするか、または、超
音波振動板の帯状金属材料2の側に、めっき電極を貼付
したものとしてもよい。一対のめっき用電極付き超音波
振動板10,10は、駆動部3によりd方向に移動する
帯状金属材料2から離れて、帯状金属材料2を挟持する
ように配置され、帯状金属材料2の進行方向に進むにつ
れその振動面1a,10aの距離が近づくように、帯状
金属材料2に対して非平行に設けられている。また、一
対のめっき用電極付き超音波振動板10,10はめっき
処理部5内の帯状金属材料2に関して対称な位置に設け
られている。上記したように、超音波振動板がめっき用
電極を兼ねているので、めっき処理装置に組み込むのが
容易になる。
【0027】第2実施形態のめっき処理装置によるめっ
き処理方法を説明する。帯状金属材料2は前処理部4、
めっき処理部5、後処理部6を挿通し、駆動部3により
d方向に移動する。めっき処理部5にはめっき液5aが
満たされており、このめっき液5aは互いに非平行な一
対のめっき用電極付き超音波振動板10,10の振動面
10a,10aからの超音波により撹拌されている。帯
状金属材料2はこのめっき液5aの中をめっきされなが
ら進行し、進行方向にある一方の駆動部3のリールに巻
き取られる。
【0028】図8は、第2実施形態の変形例であり、め
っき用電極付き超音波振動板10,10がめっき処理部
5’の壁面を兼ねている。めっき用電極付き超音波振動
板10,10のめっき用電極はめっき処理部5’内部に
露出していて、めっき液5aに触れている。一対のめっ
き用電極付き超音波振動板10,10の振動面10a,
10aを互いに非平行になるように傾けて配置するた
め、めっき処理部5’の壁は帯状金属材料2の進行方向
(d方向)へ進むにつれて、より幅狭に形成されてい
る。めっき処理部5’は内部に帯状金属材料2を通すだ
けなので、全体として幅狭に形成することができる。
【0029】次に、本発明の第3実施形態のめっき処理
装置を図9、図10に基づいて説明する。図9は本発明
の第3実施形態のめっき装置の平面図、図10は音波の
エネルギーのシミュレーションのグラフである。本発明
の第3実施形態において、第1,2実施形態と同じ部分
には同じ番号を付して引用し、その説明は省略するもの
とする。めっき処理方法については、実施形態1、2と
同様なので、省略する。
【0030】本発明の第3実施形態のめっき処理装置
は、一対のめっき用電極11、11の振動面11a,1
1aが互いに非平行になるように傾けて配置され、帯状
金属材料2を挟み、一対のめっき用電極11、11がめ
っき処理部5’の壁面を兼ねてめっき処理部の両面に設
けられている。従って、めっき処理部5’の幅方向両側
から一対のめっき用電極11、11が取り付けられ、め
っき処理部5’の内部に、めっき用電極11,11が露
出し、めっき液5aに触れている。超音波振動板12,
12はめっき用電極11,11のめっき処理部5’とは
反対側に取り付けられている。また、めっき用電極1
1,11の厚さは、超音波振動板12,12の発する超
音波の波長λの半分の自然数倍である。図10に示すシ
ミュレーションのグラフによれば、平面平行板に垂直に
入射する音波のエネルギーは平面平行板の板厚tが波長
λの半分の自然数倍の時に入射する音波のエネルギーに
対する音波の反射するエネルギーの比Rが0になるの
で、音波は平面平行板を通過するときエネルギーロスが
なく完全に透過することとなる。めっき用電極7,7の
厚さとこれに向かう超音波の波長との関係が、上記シミ
ュレーションのグラフの関係を満たせば、超音波は完全
にめっき電極用7,7を透過できることとなる。従っ
て、めっき用電極11,11の介在により超音波のエネ
ルギーが減少することがない。
【0031】
【発明の効果】上記したように、本発明のめっき処理方
法及びめっき処理装置では、めっき液を満たしためっき
処理部にめっき用電極を設け、被めっき処理材料をめっ
き用電極と対向して移動させ、めっき処理部に設けられ
た1個の超音波振動板の振動面が、めっき処理部の対向
する壁と非平行に配置して超音波を送るようにしたの
で、被めっき処理材料にめっきムラのないめっき膜を高
速で成膜することができると共に、超音波振動板が1個
だけで済むので、装置の構造が簡単になるめっき処理方
法及びめっき処理装置を提供することができる。めっき
液を満たしためっき処理部にめっき用電極を設け、被め
っき処理材料をめっき用電極と対向して移動させ、めっ
き処理部に被めっき処理材料を挟んで複数の超音波振動
板を設け、複数の超音波振動板の内少なくとも一つの振
動板の振動面が、被めっき処理材料と非平行であるよう
に配置して超音波を送るようにしたので、被めっき処理
材料にめっきムラのないめっき膜を高速で成膜すること
ができるめっき処理方法及びめっき処理装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のめっき処理装置の平面
図である。
【図2】図1のA矢示図
【図3】図1のB矢示図
【図4】本発明の第1実施形態のめっき処理装置におい
て、超音波の周波数とめっき電流の電流密度を示すグラ
【図5】本発明の第1実施形態のめっき処理装置におい
て、同一めっき電流を流す時の超音波の周波数と印加電
圧の関係を示すグラフ
【図6】本発明の第1実施形態のめっき処理装置の変形
例の平面図である。
【図7】本発明の第2実施形態のめっき処理装置の平面
図である。
【図8】本発明の第2実施形態のめっき処理装置の変形
例の平面図である。
【図9】本発明の第3実施形態のめっき処理装置の平面
図である。
【図10】音波のエネルギーと音波が入射、反射する平
面平行板の板厚のシミュレーションのグラフである。
【図11】従来技術のめっき処理装置の平面図
【符号の説明】
1 本発明の第1実施形態のめっき処理装置 2 帯状金属材料 3 駆動部 4 前処理部 5 めっき処理部 6 後処理部 7 めっき用電極 8 超音波振動板 8c 振動面 10 めっき用電極付き超音波振動板

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき液を満たしためっき処理部にめっ
    き用電極を設け、被めっき処理材料を前記めっき用電極
    と対向して移動させ、前記めっき処理部に設けられた1
    個の超音波振動板の振動面が、前記被めっき処理材料に
    対して非平行に配置されて超音波を送ることを特徴とす
    るめっき処理方法。
  2. 【請求項2】 めっき液を満たしためっき処理部にめっ
    き用電極を設け、被めっき処理材料を前記めっき用電極
    と対向して移動させ、前記めっき処理部に前記被めっき
    処理材料を挟んで複数の超音波振動板を設け、前記複数
    の超音波振動板の内少なくとも一つの前記振動板の振動
    面が、前記被めっき処理材料と非平行であるように配置
    して超音波を送ることを特徴とするめっき処理方法。
  3. 【請求項3】 前記被めっき処理材料は帯状金属材料で
    あることを特徴とする請求項1または2記載のめっき処
    理方法。
  4. 【請求項4】 前記被めっき処理材料のめっき処理面と
    前記超音波振動板との間に前記めっき用電極が配置され
    ていることを特徴とする請求項1、2または3記載のめ
    っき処理方法。
  5. 【請求項5】 前記めっき用電極の厚みは前記超音波の
    波長の5%以下であることを特徴とする請求項4記載の
    めっき処理方法。
  6. 【請求項6】 前記めっき用電極はメッシュ状であるこ
    とを特徴とする請求項4記載のめっき処理方法。
  7. 【請求項7】 前記めっき用電極の厚みは超音波の波長
    のn/2倍(nは自然数)であることを特徴とする請求
    項4記載のめっき処理方法。
  8. 【請求項8】 前記超音波振動板がめっき用電極と一体
    に形成されていることを特徴とする請求項1〜7記載の
    めっき処理方法。
  9. 【請求項9】 前記超音波の波長は30kHz〜100
    kHzであることを特徴とする請求項1〜8記載のめっ
    き処理方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9に記載しためっき処理方
    法を実施することを特徴とするめっき処理装置。
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JP2012164604A (ja) * 2011-02-09 2012-08-30 Jx Nippon Mining & Metals Corp 燃料電池用金属セパレータ材料の製造方法及び燃料電池用金属セパレータ材料
CN103643269A (zh) * 2013-11-11 2014-03-19 江西省首诺铜业有限公司 一种超声波电镀铜箔的工艺

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