JP2002254639A - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置

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JP2002254639A
JP2002254639A JP2001060510A JP2001060510A JP2002254639A JP 2002254639 A JP2002254639 A JP 2002254639A JP 2001060510 A JP2001060510 A JP 2001060510A JP 2001060510 A JP2001060510 A JP 2001060510A JP 2002254639 A JP2002254639 A JP 2002254639A
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ink jet
pressure generating
forming substrate
recording head
jet recording
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Shiro Yazaki
士郎 矢崎
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14201Structure of print heads with piezoelectric elements
    • B41J2/14233Structure of print heads with piezoelectric elements of film type, deformed by bending and disposed on a diaphragm
    • B41J2002/14241Structure of print heads with piezoelectric elements of film type, deformed by bending and disposed on a diaphragm having a cover around the piezoelectric thin film element

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力発生室を高密度化できると共にインク吐
出特性を向上したインクジェット式記録ヘッド及びイン
クジェット式記録装置を提供する。 【解決手段】 ノズル開口に連通すると共に複数の隔壁
11によって画成される圧力発生室12の列13を少な
くとも2列備えた流路形成基板10と、該流路形成基板
10の一方面側に振動板を介して設けられた下電極6
0、圧電体層70及び上電極80からなる圧電素子30
0とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおいて、
前記流路形成基板10の前記圧電素子300側に、前記
圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保し
た状態で封止する圧電素子保持部31を有する封止部材
30が接合され、該封止部材30の前記圧力発生室12
の列13間に対向する領域に前記流路形成基板10と接
合される接合部32を一体的に設けることにより、流路
形成基板10の剛性を強化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出す
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板を介して圧電素子を設けて、圧電素子
の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記
録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
【0003】前者は圧電素子の端面を振動板に当接させ
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
【0005】一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消す
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
【0006】また、このようなインクジェット式記録ヘ
ッドでは、近年、より高品質な印刷を実現するために、
ノズル開口のさらなる高密度化が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ノズル
開口の高密度化を図るためには、圧力発生室を高密度に
配列しなければならず、圧力発生室を高密度に配列する
と各圧力発生室間の隔壁の厚さが薄くなり剛性が不足
し、隣接する圧力発生室間でのクロストーク、あるいは
インク滴の吐出不良等が発生するという問題がある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑み、圧力発
生室を高密度化できると共にインク吐出特性を向上した
インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録
装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、ノズル開口に連通すると共に複数の
隔壁によって画成される圧力発生室の列を少なくとも2
列備えた流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に
振動板を介して設けられた下電極、圧電体層及び上電極
からなる圧電素子とを具備するインクジェット式記録ヘ
ッドにおいて、前記流路形成基板の前記圧電素子側に、
前記圧電素子の運動を阻害しない程度の空間を確保した
状態で封止する圧電素子保持部を有する封止部材が接合
され、該封止部材には、前記圧力発生室の列間に対向す
る領域に前記流路形成基板と接合される接合部が一体的
に形成されていることを特徴とするインクジェット式記
録ヘッドにある。
【0010】かかる第1の態様では、流路形成基板と封
止部材とが強固に接合され、封止部材とは反対側を凸と
した流路形成基板の撓み変位が抑制される。
【0011】本発明の第2の態様では、請求項1におい
て、前記封止部材が、前記圧力発生室の長手方向に亘っ
た前記流路形成基板の剛性を強化していることを特徴と
するインクジェット式記録ヘッドにある。
【0012】かかる第2の態様では、封止部材に接合部
を設けた結果、圧力発生室の長手方向に亘った流路形成
基板の剛性が強化され、流路形成基板の撓み変位が抑制
される。
【0013】本発明の第3の態様は、第1又は2の態様
において、前記封止部材の厚さが、前記流路形成基板の
厚さ以上であることを特徴とするインクジェット式記録
ヘッドにある。
【0014】かかる第3の態様では、封止部材、すなわ
ち接合部の厚さを所定の厚さとすることにより、流路形
成基板の剛性が確実に強化される。
【0015】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記接合部の少なくとも前記流路形成
基板との接合面側の幅が、当該接合部が接合される前記
圧力発生室の列間の領域の幅よりも狭いことを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
【0016】かかる第4の態様では、振動板の振動領域
内に接合部が接合されることなく、流路形成基板と封止
部材とを良好に接合できる。
【0017】本発明の第5の態様は、第1〜4の何れか
の態様において、前記封止部材が、複数の圧力発生室の
共通のインク室となるリザーバを有することを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
【0018】かかる第5の態様では、封止基板がリザー
バ形成基板を兼ねるため、別途リザーバ形成基板を設け
る必要がなく、製造コストを低減することができる。
【0019】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様において、前記圧力発生室が異方性エッチングに
より形成され、前記圧電素子を構成する各層が成膜及び
リソグラフィ法により形成されたものであることを特徴
とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0020】かかる第6の態様では、高密度のノズル開
口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量且つ比較
的容易に製造することができる。
【0021】本発明の第7の態様は、第1〜6の何れか
の態様のインクジェット式記録ヘッドを具備することを
特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0022】かかる第7の態様では、インク吐出特性を
向上したインクジェット式記録装置を実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0024】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2(a)は、その平面図であり、図2(b)
は、(a)のA−A’断面図である。
【0025】図示するように、流路形成基板10は、本
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなり、その一方面には予め熱酸化により形成した二酸
化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形
成されている。
【0026】この流路形成基板10には、その他方面側
から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11
によって区画された圧力発生室12の列13が、2列形
成されている。また、圧力発生室12の長手方向外側に
は、後述する封止基板30に設けられるリザーバ33と
連通孔51を介して連通する連通部14が形成されてい
る。また、この連通部14は、インク供給路15を介し
て各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれ連通さ
れている。
【0027】ここで、異方性エッチングは、シリコン単
結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々
に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面
と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且
つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(1
11)面とが出現し、(110)面のエッチングレート
と比較して(111)面のエッチングレートが約1/1
80であるという性質を利用して行われるものである。
かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(11
1)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成され
る平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行う
ことができ、圧力発生室12を高密度に配列することが
できる。
【0028】本実施形態では、各圧力発生室12の長辺
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、
シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵
される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一
端に連通する各インク供給路15は、圧力発生室12よ
り浅く形成されており、圧力発生室12に流入するイン
クの流路抵抗を一定に保持している。すなわち、インク
供給路15は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中ま
でエッチング(ハーフエッチング)することにより形成
されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時
間の調整により行われる。
【0029】なお、このような流路形成基板10の厚さ
は、圧力発生室12を配列密度に合わせて最適な厚さを
選択すればよく、圧力発生室12の配列密度が、例え
ば、1インチ当たり180個(180dpi)程度であ
れば、流路形成基板10の厚さは、220μm程度であ
ればよいが、例えば、200dpi以上と比較的高密度
に配列する場合には、流路形成基板10の厚さは100
μm以下と比較的薄くするのが好ましい。これは、隣接
する圧力発生室12間の隔壁11の剛性を保ちつつ、配
列密度を高くできるからである。
【0030】この流路形成基板10の開口面側には、各
圧力発生室12のインク供給路15とは反対側で連通す
るノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接
着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。な
お、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1
mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜
4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又
は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の
面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン
単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果
たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10
と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよ
い。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート
20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の
接着剤等を用いて容易に接合することができる。
【0031】一方、流路形成基板10に設けられた弾性
膜50上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜
60と、厚さが例えば、約0.5〜3μmの圧電体層7
0と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極
膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分を
いう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極
を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力
発生室12毎にパターニングして構成する。そして、こ
こではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体
層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電
歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態で
は、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上
電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、
駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。
何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部
が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素
子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じ
る振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。な
お、本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60が振
動板として作用するが、下電極膜が弾性膜を兼ねるよう
にしてもよい。
【0032】また、流路形成基板10の圧電素子300
側には、シリコン単結晶基板からなり、圧電素子300
の運動を阻害しない程度の空間を画成する圧電素子保持
部31を有する封止基板30が接合されている。本実施
形態では、この圧電素子保持部31内に圧電素子300
が密封され、大気中の水分等の外部環境に起因する圧電
素子300の破壊が防止されている。
【0033】また、封止基板30の圧力発生室12の列
13間に対向する領域には、流路形成基板10に接合さ
れる接合部32が一体的に設けられている。すなわち、
圧電素子保持部31(31A,31B)が、各圧力発生
室12の列13毎に設けられ、これら圧電素子保持部3
1A及び31Bを区画する領域が接合部32となってい
る。
【0034】このように、封止基板30の圧力発生室1
2の列13間に対向する領域に接合部32を一体的に設
けることにより、流路形成基板10と封止基板30とを
強固に接合できると共に、封止基板30によって圧力発
生室12の長手方向に亘った流路形成基板10の剛性が
強化される。すなわち、封止基板30の接合部32が流
路形成基板10の圧力発生室12の列13間に対向する
領域に接合され、且つ圧力発生室12の長手方向外側領
域に接合される部分と一体的に形成されているため、圧
力発生室12の長手方向に亘った流路形成基板10の剛
性が強化される。また、勿論、接合部32によって圧力
発生室12の並設方向に亘った流路形成基板10の剛性
も強化される。
【0035】これにより、圧力発生室12の列13間領
域のノズルプレート20側が凸となる流路形成基板10
のたわみ変位が抑制され、クロストークや吐出不良の発
生を防止することができる。
【0036】ここで、このような接合部32を有する封
止基板30の厚さt1は、流路形成基板10の厚さt2
と同一か、それよりも厚いことが好ましい。これによ
り、流路形成基板10の剛性をより確実に強化すること
ができる。
【0037】また、接合部32の幅はできるだけ広い方
が好ましいが、接合部32の少なくとも振動板側の幅W
1は、振動板側の圧力発生室12の列13の間隔W2よ
りも狭いことが好ましい。これにより、流路形成基板1
0と封止基板30とを接合した際に、振動板の振動領域
内に接合部32が接合されることがなく、圧電素子の駆
動による振動板の変位を阻害することがないため、イン
ク吐出特性を低下させることなく流路形成基板10の剛
性を強化することができる。
【0038】さらに、本実施形態では、封止基板30に
接合部32を一体的に設けるようにしたので、組立性が
向上すると共に製造工程を簡略化でき、コストダウンを
図ることができる。
【0039】なお、本実施形態では、封止基板30の圧
力発生室12の並設方向に亘って接合部32を設けるよ
うにしたが、これに限定されず、例えば、接合部32
は、圧力発生室12の列13の間に対向する領域の一部
に設けられていてもよい。何れにしても、この接合部3
2が封止基板30に一体的に設けられていればよい。
【0040】また、このような封止基板30としては、
例えば、ガラス、セラミック材料等の流路形成基板10
の熱膨張率と略同一の材料を用いることが好ましく、本
実施形態では、上述したように流路形成基板10と同一
材料であるシリコン単結晶基板を用いた。これにより、
上述したノズルプレート20の場合と同様に、熱硬化性
の接着剤を用いた高温での接着であっても両者をより確
実に接着することができる。
【0041】また、本実施形態では、封止基板30の連
通部14に対向する領域には、圧力発生室12の各列1
3毎の共通のインク室となる2つのリザーバ33が形成
されている。このリザーバ33は、封止基板30を厚さ
方向に貫通して圧力発生室12の並設方向に亘って形成
されている。そして、これらのリザーバ33は、貫通孔
51を介して各圧力発生室12の列13の連通部14と
それぞれ連通されている。
【0042】さらに、この封止基板30には、封止膜4
1及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40
が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く
可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェ
ニレンスルフィド(PPS)フィルム)からなり、この
封止膜41によってリザーバ33の一方面が封止されて
いる。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例え
ば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形
成される。この固定板42のリザーバ33に対向する領
域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となって
いるため、リザーバ33の一方面は可撓性を有する封止
膜41のみで封止され、内部圧力の変化によって変形可
能な可撓部34となっている。
【0043】また、このリザーバ33の長手方向略中央
部外側のコンプライアンス基板40上には、リザーバ3
3にインクを供給するためのインク導入口35が形成さ
れている。さらに、封止基板30には、インク導入口3
5とリザーバ33の側壁とを連通するインク導入路36
が設けられている。
【0044】なお、この封止基板30上には、圧電素子
300を駆動するための、例えば、回路基板あるいは駆
動回路を含む半導体集積回路(IC)等の駆動回路11
0が搭載されている。そして、この駆動回路110は、
封止基板30の圧電素子保持部31とリザーバ33との
間の領域に設けられた貫通孔37を介して延設されたボ
ンディングワイヤ等からなる駆動配線120によって、
各リード電極90とそれぞれ電気的に接続されている
(図2(b)参照)。
【0045】このようなインクジェット式記録ヘッドの
製造方法は、特に限定されないが、その一例を図3及び
図4を参照して説明する。なお、図3及び図4は、圧力
発生室12の長手方向の一部を示す断面図である。
【0046】まず、図3(a)に示すように、流路形成
基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約110
0℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性
膜50を形成する。
【0047】次に、図3(b)に示すように、スパッタ
リングで下電極膜60を弾性膜50の全面に形成後、下
電極膜60をパターニングして全体パターンを形成す
る。この下電極膜60の材料としては、白金(Pt)等
が好適である。これは、スパッタリング法やゾル−ゲル
法で成膜する後述の圧電体層70は、成膜後に大気雰囲
気下又は酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の温度
で焼成して結晶化させる必要があるからである。すなわ
ち、下電極膜60の材料は、このような高温、酸化雰囲
気下で導電性を保持できなければならず、殊に、圧電体
層70としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた
場合には、酸化鉛の拡散による導電性の変化が少ないこ
とが望ましく、これらの理由から白金が好適である。
【0048】次に、図3(c)に示すように、圧電体層
70を成膜する。この圧電体層70は、結晶が配向して
いることが好ましい。例えば、本実施形態では、金属有
機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥し
てゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物か
らなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用
いて形成することにより、結晶が配向している圧電体層
70とした。圧電体層70の材料としては、チタン酸ジ
ルコン酸鉛系の材料がインクジェット式記録ヘッドに使
用する場合には好適である。なお、この圧電体層70の
成膜方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング
法で形成してもよい。
【0049】さらに、ゾル−ゲル法又はスパッタリング
法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を形成後、
アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長さ
せる方法を用いてもよい。
【0050】何れにしても、このように成膜された圧電
体層70は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向
しており、且つ本実施形態では、圧電体層70は、結晶
が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の
配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の
方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜
とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させ
た状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状
態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された
薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造
された圧電体層の厚さは、一般的に0.2〜5μmであ
る。
【0051】次に、図3(d)に示すように、上電極膜
80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料で
あればよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の多
くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態
では、白金をスパッタリングにより成膜している。
【0052】次に、図4(a)に示すように、圧電体層
70及び上電極膜80のみをエッチングして圧電素子3
00のパターニングを行う。
【0053】次に、図4(b)に示すように、リード電
極90を形成する。具体的には、例えば、金(Au)等
からなるリード電極90を流路形成基板10の全面に亘
って形成すると共に、各圧電素子300毎にパターニン
グする。
【0054】以上が膜形成プロセスである。このように
して膜形成を行った後、前述したアルカリ溶液によるシ
リコン単結晶基板の異方性エッチングを行い、図4
(c)に示すように、圧力発生室12、連通部14及び
インク供給路15等を形成する。
【0055】なお、上述した圧電素子300、圧力発生
室12等は、一連の膜形成及び異方性エッチングによっ
て、一枚のウェハ上に多数のチップを同時に形成し、プ
ロセス終了後、図1に示すような一つのチップサイズの
流路形成基板10毎に分割する。そして、分割した流路
形成基板10に、封止基板30及びコンプライアンス基
板40を順次接着して一体化し、インクジェット式記録
ヘッドとする。
【0056】また、このように構成したインクジェット
式記録ヘッドは、図示しない外部インク供給手段と接続
したインク導入口35からインクを取り込み、リザーバ
33からノズル開口21に至るまで内部をインクで満た
した後、図示しない外部の駆動回路からの記録信号に従
い、上電極膜80と下電極膜60との間に電圧を印加
し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわ
み変形させることにより、圧力発生室12内の圧力が高
まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
【0057】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
【0058】例えば、上述の実施形態では、封止基板に
リザーバを形成するようにしたが、これに限定されず、
例えば、圧電素子保持部を有する封止基板とは別に、リ
ザーバを有するリザーバ形成基板を設けるようにしても
よい。
【0059】また、例えば、上述の実施形態では、成膜
及びリソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜型
のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これ
に限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを
貼付する等の方法により形成される厚膜型のインクジェ
ット式記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
【0060】また、上述した実施形態のインクジェット
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図5は、
そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図であ
る。
【0061】図5に示すように、インクジェット式記録
ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、イ
ンク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着
脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1
Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けら
れたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
【0062】そして、駆動モータ6の駆動力が図示しな
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ3に沿
ってプラテン8が設けられている。このプラテン8は図
示しない紙送りモータの駆動力により回転できるように
なっており、給紙ローラなどにより給紙された紙等の記
録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられ
て搬送されるようになっている。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、流路形
成基板に接合される封止基板の圧力発生室の列間に対向
する領域に、接合部を一体的に設けるようにしたので、
流路形成基板の剛性を効果的に強化することができる。
したがって、クロストークや吐出不良を防止してインク
吐出特性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記
録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板 11 隔壁 12 圧力発生室 20 ノズルプレート 21 ノズル開口 30 封止基板 31 圧電素子保持部 32 接合部 33 リザーバ 50 弾性膜 60 下電極膜 70 圧電体層 80 上電極膜 90 リード電極 300 圧電素子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口に連通すると共に複数の隔壁
    によって画成される圧力発生室の列を少なくとも2列備
    えた流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動
    板を介して設けられた下電極、圧電体層及び上電極から
    なる圧電素子とを具備するインクジェット式記録ヘッド
    において、 前記流路形成基板の前記圧電素子側に、前記圧電素子の
    運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で封止する
    圧電素子保持部を有する封止部材が接合され、該封止部
    材には、前記圧力発生室の列間に対向する領域に前記流
    路形成基板と接合される接合部が一体的に形成されてい
    ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記封止部材が、前
    記圧力発生室の長手方向に亘った前記流路形成基板の剛
    性を強化していることを特徴とするインクジェット式記
    録ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記封止部材
    の厚さが、前記流路形成基板の厚さ以上であることを特
    徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記接
    合部の少なくとも前記流路形成基板との接合面側の幅
    が、当該接合部が接合される前記圧力発生室の列間の領
    域の幅よりも狭いことを特徴とするインクジェット式記
    録ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記封
    止部材が、複数の圧力発生室の共通のインク室となるリ
    ザーバを有することを特徴とするインクジェット式記録
    ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記圧
    力発生室が異方性エッチングにより形成され、前記圧電
    素子を構成する各層が成膜及びリソグラフィ法により形
    成されたものであることを特徴とするインクジェット式
    記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかのインクジェット
    式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェッ
    ト式記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009262057A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Seiko Epson Corp 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出ヘッドの製造方法

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