JP2002254494A - 押出成形品および押出成形品の表面加工方法 - Google Patents

押出成形品および押出成形品の表面加工方法

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JP2002254494A
JP2002254494A JP2001053248A JP2001053248A JP2002254494A JP 2002254494 A JP2002254494 A JP 2002254494A JP 2001053248 A JP2001053248 A JP 2001053248A JP 2001053248 A JP2001053248 A JP 2001053248A JP 2002254494 A JP2002254494 A JP 2002254494A
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cooling liquid
extruded product
molding
bubbles
extruded
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Akira Kobayashi
明 小林
Takaaki Higashijima
高秋 東島
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Inoac Corp
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Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に任意な艶消加工を容易、かつ、確実に
形成できる押出成形品および押出成形品の表面加工方法
を提供する。 【解決手段】 押出成形品であるモールディング10は、
押出成形された後に冷却液21に浸漬冷却されて固化する
際、冷却液21において表面に発生させた気泡23により表
面に微細な凹凸(艶消加工)を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出成形品および
押出成形品の表面加工方法に係り、特に表面に微細な凹
凸を形成することにより艶消加工が施された押出成形品
および押出成形品の表面加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5(A)に示す押出成形品であるモー
ルディング50は、自動車の天井パネル41と、天井パネル
41を挟むように配置された一対の稜部パネル42(一方の
み図示)との間の目地を処理するために、自動車の進行
方向に沿って配置される。このモールディング50は、天
井パネル41および稜部パネル42間に形成された接合溝43
内に配置される断面略矩形状の脚部51と、脚部51に沿っ
て設けられた意匠部52およびリップ部53,53とを有する
断面略H字状に形成されているとともに、意匠部52に積
層するように形成された肉盛部54により断面略V字状の
樋部55が設けられている。
【0003】このようなモールディング50は、樹脂材料
を押出成形する際、脚部51にインサート成形された硬質
の芯材56により一定の撓み強度を有しているとともに、
押出成形後に冷却水槽内に浸漬されて固化される。そし
て、このモールディング50は、意匠部52が接合溝43の段
差部に密着し、かつ、リップ部53,53がそれぞれ接合溝
43の内面に密着することにより、接合溝43の防水性を得
るとともに、接合溝43に対して自己保持している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
なモールディング50は、意匠性を向上させるためや、あ
るいは樹脂材料に特有の欠点を補うために、押出成形
後、肉盛部54の表面に微細な凹凸を形成することにより
艶消加工57が施される場合がある。モールディング50の
表面に艶消加工57を施す方法としては、例えば図5
(B)に示すように、樹脂材料を押出金型58から押出成
形した後、案内ローラ59と、周面に凹凸60が設けられた
成形ローラ61との間にモールディング50を通過させるこ
とにより、肉盛部54の表面に成形ローラ61の周面を転動
させ、これにより肉盛部54の表面に微細な凹凸を形成す
る方法が広く知られている(従来例)。この従来例で
は、肉盛部54の光沢が均一となるように、成形ローラ61
の周面形状や加圧等を適宜設定することにより、意匠性
に優れた艶消加工57をモールディング50の肉盛部54に形
成できる。
【0005】しかしながら、前述した従来例は、対応可
能なモールディング50の形状や材質等に制約がある。す
なわち、前述した従来例は、成形ローラ61を転動させて
艶消加工57を施すため、表面形状が複雑な肉盛部54や、
あるいは樋部55内等のアンダーカット部に対しても艶消
加工57を施す場合には複数の成形ローラ61が必要である
とともに、各成形ローラ61により形成された艶消加工の
領域間に境界線が生じ、美観を損ねる虞れがある。
【0006】また、この従来例では、肉盛部54において
成形ローラ61の径方向に沿った面に対しては、意図する
凹凸深さ寸法、すなわち意図する光沢が得難く、かつ、
部分的に凹凸形状が崩れて光沢が不均一になり易いとい
う問題がある。特に、前述した従来例は、肉盛部54の光
沢を変更するには他の成形ローラを別途用意する必要が
ある。
【0007】さらに、前述した従来例は、モールディン
グ50が軟質である場合、案内ローラ59および成形ローラ
61の加圧抵抗により引き取りに不具合が生じたり、案内
ローラ59および成形ローラ61によるモールディング50の
齧りが生じたり、あるいはモールディング50が蛇行して
案内される虞れがある。
【0008】その上、前述した従来例は、高い意匠性を
モールディング50に与えるために、成形ローラ61の加圧
や、成形ローラ61の周面形状等を適宜設定あるいは選択
する必要があり、事前調整が煩雑であるという問題もあ
る。
【0009】このような問題は、自動車に用いられるモ
ールディングの表面に艶消加工を施す場合だけに生ずる
ものではなく、表面に艶消加工が施される押出成形品全
般に生ずるものである。本発明は、前述した問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は表面に任意な艶消
加工を容易、かつ、確実に形成できる押出成形品および
押出成形品の表面加工方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明に係る押出成形品は、請求項1に記載し
たように、押出成形された後に冷却液に浸漬冷却されて
固化する樹脂製の押出成形品であって、前記冷却液に発
生させた気泡が表面に付着することにより、前記表面に
おける固化速度の不均一化に伴って、前記表面に微細な
凹凸が形成されていることを特徴としている。
【0011】一方、本発明に係る押出成形品の表面加工
方法は、請求項2に記載したように、所定の断面形状が
連続する樹脂製の押出成形品を押出成形した後、前記押
出成形品の表面に凹凸を形成する押出成形品の表面加工
方法であって、前記押出成形品を浸漬冷却させて固化さ
せるための冷却液中に気泡を発生させるとともに、前記
気泡を前記押出成形品の表面に付着させることにより、
前記表面における固化速度の不均一化に伴って前記表面
に微細な凹凸を形成することを特徴としている。
【0012】ここで、冷却水としては、人体,環境やモ
ールディング等の押出成形品の材料となる樹脂等に対す
る悪影響が生じない適宜な液体を採用できるが、加工コ
ストの点から水が好ましい。また、気泡としては、環境
に対する毒性や樹脂に対する悪影響等が生じない適宜な
気体を採用できるが、炭酸ガスや窒素ガス等の不活性ガ
スが好ましい。
【0013】このような気泡は、あらかじめ冷却液中に
所定のガスを供給しておき、冷却液中に浸漬された押出
成形品による冷却液の攪拌作用により押出成形品の表面
に気泡を発生させてもよく、あるいは冷却水を貯溜する
液槽の底部や側部から多孔体を介してポンプ等により気
体を噴射させることにより発生させてもよく、または液
槽の底部に配置したドライアイス等により発生させても
よい。さらに、このような気泡の温度は任意であるが、
冷却液よりも高温であることが好ましい。
【0014】これらのような発明においては、押出成形
後、冷却液に押出成形品を浸漬する際、気泡を押出成形
品の表面に付着させるため、気泡が付着しない個所が先
に固化するのに対して、気泡が付着した個所が気泡の断
熱作用により遅延して固化することになる。従って、こ
れらの発明においては、表面における先に固化した個所
と、遅延して固化した個所との間に凹凸が生じ、これに
より押出成形品の表面全域にわたって微細な凹凸が形成
されることになる。
【0015】従って、これらの発明においては、従来の
ような成形ローラ等を用いることなく、また、複数の成
形ローラを用いた場合の境界線を生じさせることなく、
従来と同様な艶消加工を押出成形品の所定個所に形成で
きることになる。また、これらの発明においては、気泡
を押出成形品の表面に付着あるいは発生させて固化速度
を不均一化させるという極めて簡単な原理により艶消加
工を行えるため、従来では加工が難しかったアンダーカ
ット部等にも艶消加工を行えることになり、これらによ
り前述した目的を達成できる。
【0016】さらに、本発明に係る押出成形品の表面加
工方法においては、請求項3に記載したように、前記気
泡となるような所定の材料をあらかじめ前記冷却液中に
供給しておき、前記押出成形品を前記冷却液中に浸漬冷
却させることにより、前記押出成形品の表面に前記気泡
を発生させることを特徴としている。
【0017】ここで、気泡となるような所定の材料とし
ては、炭酸ガス等を例示でき、あらかじめ冷却液中に溶
け込ませておけばよい。また、冷却液中の炭酸ガス濃度
を略一定に維持するために、例えば冷却液中に随時炭酸
ガスを供給しておいてもよい。
【0018】このような本発明においては、気泡となる
ような所定の材料をあらかじめ冷却液中に供給しておく
ため、押出成形品を冷却液中に浸漬固化させると、冷却
液に部分的な流れが生じ、この流れの振動により押出成
形品の表面全域に気泡が発生することになる。従って、
この本発明においては、冷却液中に例えば気泡発生部等
の装置を配置する必要がないことになる。
【0019】一方、本発明に係る押出成形品の表面加工
方法においては、請求項4に記載したように、前記気泡
を発生させる気泡発生部をあらかじめ前記冷却液中に配
置しておき、前記気泡発生部の真上に前記押出成形品を
配置させることを特徴としている。このような本発明に
おいては、気泡発生部の真上に押出成形品を配置するた
め、例えばあらかじめ意匠部あるいは肉盛部が下方を向
くようにモールディング等の押出成形品を冷却液に浸漬
させれば、冷却液中を浮揚する多数の気泡が順次意匠部
あるいは肉盛部に付着して艶消加工が行われることにな
る。すなわち、このような本発明においては、冷却液中
に気泡を水平あるいは下方に向けて噴射する構造が必要
ないため、加工コストを低減できることになる。
【0020】そして、本発明に係る押出成形品の表面加
工方法においては、押出成形品を長手方向に沿って略水
平に一定速度で搬送させるれば、連続的に押出成形され
た押出成形品の長手方向に沿って均一な艶消加工を行え
ることになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を図
面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実
施形態において、既に図5において説明した部材等につ
いては、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことに
より説明を簡略化あるいは省略する。
【0022】図1(A)に示すように、本発明に係る第
1実施形態の押出成形品であるモールディング70は、脚
部11に沿う意匠部12およびリップ部13,13を有する断面
略H字状に形成されているとともに、意匠部12に積層す
る肉盛部14により断面略V字状の樋部15が設けられてい
て、押出成形された後、本発明に基づいて構成された表
面加工装置80により表面全域にわたって艶消加工が施さ
れる。
【0023】表面加工装置80は、水等の冷却液21が貯溜
された冷却液槽22と、冷却液21中に炭酸ガスを供給する
供給パイプ81とを含んで構成されている。供給パイプ81
は、その開放端部(図中下方端部)が冷却液槽22の底部
近傍に配置され、冷却液21中に存在する炭酸ガスの濃度
が一定になるように、開放端部から冷却液21中に常時炭
酸ガスを吐出し、余剰な炭酸ガスは冷却液21の液面から
冷却液槽22近傍の雰囲気に混入する。
【0024】そして、モールディング70は、肉盛部14が
下方を向くように押出金型(図示せず)から押出成形さ
れた後、長手方向に沿って搬送されることにより冷却液
槽22の冷却液21中に一定時間浸漬されて固化され、次い
で冷却液槽22から引き上げられる。なお、この第1実施
形態においては、モールディング70を冷却液槽22の冷却
液21に浸漬させるにあたって、肉盛部14が下方を向くよ
うに配向させる必要はなく、例えば肉盛部14が上方ある
いは側方を向くように配向させてもよい。
【0025】この際、あらかじめ冷却液21中に一定濃度
を維持するように炭酸ガスが存在するため、モールディ
ング70が冷却液21中に浸漬されることにより、冷却液21
に部分的な流れが生じ、この流れによる振動によりモー
ルディング70の表面に炭酸ガスの気泡23が発生する。従
って、モールディング70の表面全域において、気泡23が
付着しない個所が先に固化するのに対して、気泡23が付
着した個所が気泡の断熱作用により遅延して固化する。
【0026】このため、肉盛部14の表面を例にすると、
図1(B)に示すように、先に固化した個所と、遅延し
て固化した個所との間に凹凸が生じ、これにより肉盛部
14の表面全域にわたって微細な凹凸が形成される。な
お、このような微細な凹凸は、肉盛部14の表面だけでな
く、モールディング70の表面全域において均一に生ず
る。また、これらの気泡23は、モールディング70が冷却
液21中を長手方向に沿って搬送されるため、モールディ
ング70の表面から次第に剥離した後、冷却液槽22の液面
に向かって浮揚し、冷却液槽22外の雰囲気に混入する。
【0027】以上のような第1実施形態によれば、冷却
液21中に浸漬させたモールディング70の表面に気泡23を
発生させるという極めて簡単な構成により、モールディ
ング70の表面全域に艶消加工を施せるため、従来のよう
に複数の成形ローラを用いる必要がない。従って、以上
ような第1実施形態によれば、対応可能なモールディン
グの形状や材質あるいは艶消加工位置等に制約が少ない
とともに、モールディング70が軟質であっても引き取り
に不具合や齧りが生じたり、あるいはモールディング70
が蛇行して案内される虞れがない。
【0028】特に、この第1実施形態によれば、気泡23
となるような炭酸ガスをあらかじめ冷却液21中に供給し
ておくという極めて簡単な構成により、モールディング
70を冷却液中に浸漬固化させると、自動的にモールディ
ング70の表面全域に微細な凹凸が生じて艶消加工が完了
する。すなわち、このような第1実施形態によれば、冷
却液21中に例えば気泡発生部等の装置を配置する必要が
ないという効果が得られる。
【0029】そして、このような第1実施形態によれ
ば、モールディング70を長手方向に沿って略水平に一定
速度で搬送させるため、連続的に押出成形されたモール
ディング70の長手方向に沿って均一に艶消加工を施せ
る。
【0030】また、この表面加工装置80によれば、供給
パイプ81により冷却液槽22の冷却液21に対して常時炭酸
ガスが供給されるため、冷却液21中に存在する炭酸ガス
の濃度を一定に維持できる。
【0031】図2ないし図4には、本発明に係る第2実
施形態が示されている。図2に示すように、本発明に係
る第2実施形態の押出成形品であるモールディング10
は、前述した第1実施形態のモールディング70と同様に
構成され、押出成形された後、本発明に基づいて構成さ
れた表面加工装置20により肉盛部14の表面にのみ艶消加
工が施される。
【0032】図2および図3に示すように、表面加工装
置20は、水等の冷却液21が貯溜された冷却液槽22と、冷
却液21中に配置されて気泡23を噴射する一対の気泡噴射
部24,24と、気泡23を発生させるための気泡発生部25
と、気泡発生部25から気泡噴射部24,24に気泡23を案内
する案内部26と、気泡噴射部24,24から噴射された気泡
23を制御する冷却液21を噴射する制御噴射部27とを含ん
で構成されている。
【0033】冷却液槽22は、略直方体とされ、冷却液21
を3℃〜5℃に維持可能な保冷手段(図示せず)が設け
られている。この冷却液槽22は、押出成形されて一定以
上の成形温度を保つモールディング10を長手方向に搬送
しながら冷却液21中に一定時間浸漬させた後、再び引き
上げられるような長辺寸法を有している。このような冷
却液槽22は、冷却液21中に設けられた図示しない仕切板
により、実質的な長辺寸法を調整可能となっている。
【0034】気泡噴射部24,24は、矩形状の中空断面形
状が円環状に連続するリング状とされ、それぞれの内周
面における半周面に多数の噴射孔28が設けられている
(図4参照)。これらの気泡噴射部24,24は、押出成形
された長尺のモールディング10が挿通可能な内径寸法を
有し、各噴射孔28が上方を向くように、互いに貫通方向
が冷却液21中において略水平となるように所定寸法離間
させて同軸配置されている。
【0035】気泡発生部25は、冷却液槽21から還流した
冷却液21を貯溜可能な気泡水槽を有し、ペレット状のド
ライアイスを気泡水槽中に順次供給することにより、気
泡水槽中の冷却液21に微細な気泡23を多量に発生させる
ようになっている。これらの気泡23の温度は、冷却液21
の温度以上となっている。
【0036】案内部26は、気泡発生部25の冷却液槽から
各気泡噴射部24,24の外周面まで延びる案内管路29,30
と、案内管路29,30間に設けられた案内ポンプ31とを有
し、冷却液槽22に貯溜された冷却液21および冷却液21に
混入した気泡23を各気泡噴射部24,24に案内するように
なっている。
【0037】図2に示すように、制御噴射部27,27は、
先端が略注射針状に加工された一対の管路32と、これら
の管路32を通じて冷却液槽22から還流した冷却液21を噴
射させる図示しない噴射ポンプとを有している。これら
の制御噴射部27,27は、各管路32の開放端部が各気泡噴
射部24,24の中央部に向かうとともに、各気泡噴射部2
4,24の略径方向および端面に沿うように配置され、か
つ、各管路32の開放端面が上方を向くように配向されて
いる。
【0038】以上のような表面加工装置20は、気泡発生
部25において多量の気泡23が混入した冷却液21が案内部
26を介して各気泡噴射部24,24に案内され、次いで各気
泡噴射部の噴射孔28から各気泡噴射部24,24の中心に向
かって気泡23が混入した冷却液22が噴射される。これら
の気泡23は、冷却液槽22の液面に向かって浮揚し、冷却
液槽22外の雰囲気に混入する。
【0039】図2に示すように、モールディング10は、
肉盛部14が下方を向くように押出金型(図示せず)から
押出成形された後、長手方向に沿って搬送されることに
より冷却液槽22において各気泡噴射部24,24の内周面に
接触しないように各気泡噴射部24,24に順次挿通される
ことにより一定時間浸漬されて固化され、次いで冷却液
槽22から引き上げられる。
【0040】なお、これらの気泡23は、制御噴射部27の
管路32から噴射される冷却液21により、モールディング
10における肉盛部14および樋部15以外の個所、例えば意
匠部12の裏側やリップ部13,13等に到達できず、付着す
る虞れはない。従って、モールディング10における肉盛
部14および樋部15にのみ艶消加工を施すことができ、他
の個所、例えばリップ部13,13等に艶消加工が施されな
い。
【0041】また、制御噴射部27の管路32は、先端が略
注射針状に加工されているとともに、開放端面が上方を
向くように配向されているため、冷却液21をモールディ
ング10における肉盛部14に向かって噴射する虞れはな
く、これにより気泡23が確実に肉盛部14および樋部15の
表面に到達して付着する。
【0042】従って、図2に示すように、モールディン
グ10の肉盛部14は、気泡23が付着しない個所が先に固化
するのに対して、球状の気泡23が付着した個所が一時的
に断熱されるため遅延して固化し、肉盛部14の表面にお
いて気泡23が付着しない個所および気泡23が付着した個
所間に凹凸が生じ、これにより押出成形品の表面全域に
わたって微細な凹凸が形成されることになる。すなわ
ち、肉盛部14の表面全体としては従来の艶消加工と同様
な加工が施される。
【0043】以上ような第2実施形態によれば、冷却液
21中に発生させた気泡23をモールディング10の肉盛部14
および樋部15に付着させるという極めて簡単な構成によ
り、肉盛部14および樋部15に艶消加工を施せるため、従
来のような成形ローラ等を用いる必要がないとともに、
対応可能なモールディングの形状や材質あるいは艶消加
工位置等に制約が少なく、かつ、モールディング10が軟
質であっても引き取りに不具合や齧りが生じたり、ある
いはモールディング10が蛇行して案内される虞れがない
という前述した第1実施形態と同様な効果が得られる。
【0044】さらに、この第2実施形態によれば、気泡
23を発生させる個所の真上にモールディング10を配置さ
せるため、冷却液21中を浮揚する多数の気泡23が順次付
着して艶消加工が行われ、これにより加工コストを低減
できる。そして、このような第2実施形態によれば、モ
ールディング10を長手方向に沿って略水平に一定速度で
搬送させるため、連続的に押出成形されたモールディン
グ10の長手方向に沿って均一な艶消加工を肉盛部14およ
び樋部15に対して行える。
【0045】また、この表面加工装置20によれば、制御
噴射部27によりモールディング10に対する気泡23の付着
位置が制御されるため、所望に個所にのみ確実に艶消加
工を施せる。その上、このような表面加工装置20によれ
ば、気泡23の温度が冷却液21の温度以上であるため、モ
ールディング10の肉盛部14および樋部15に付着した際の
断熱効果が顕著化し、これにより艶消加工を確実に行え
る。
【0046】なお、本発明は、前述した各実施形態に限
定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能であ
る。例えば、前述した第2実施形態は、気泡を発生させ
るためにペレット状のドライアイスを採用していたが、
本発明においては固形状あるいはパウダー状のドライア
イスを採用してもよい。、また、前述した各実施形態で
は、押出成形品として自動車に用いられるモールディン
グが例示されていたが、本発明は押出成形後に艶消加工
が施される押出成形品全般に適用可能である。
【0047】その他、前述した各実施形態において例示
した冷却液,気泡,表面加工装置,冷却液槽,気泡噴射
部,気泡発生部,気泡発生部,案内部,制御噴射部等の
材質,形状,寸法,形態,数,配置個所等は本発明を達
成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0048】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、請求項1および請求項2に記載したように、冷却液
に発生させた気泡を表面に付着させることにより押出成
形品の表面に微細な凹凸を形成するため、気泡の発生数
や直径等を適宜設定することにより、従来のような成形
ローラ等を用いることなく、従来の艶消加工と同様な加
工を押出成形品の所定個所に形成できる。
【0049】さらに、本発明に係るモールディングの表
面加工方法によれば、請求項3に記載したように、気泡
となるような所定の材料をあらかじめ冷却液中に供給し
ておき、押出成形品を冷却液中に浸漬冷却させることに
より、押出成形品の表面に気泡を発生させるため、冷却
液中に例えば気泡発生部等の装置を配置する必要がな
い。
【0050】一方、本発明に係るモールディングの表面
加工方法によれば、請求項4に記載したように、気泡を
発生させる気泡発生部をあらかじめ冷却液中に配置して
おき、気泡発生部の真上に押出成形品を配置させるた
め、冷却液中に気泡を水平あるいは下方に向けて噴射す
る構造が必要なく、これにより加工コストを低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態を示す断面図であ
る。
【図2】本発明に係る第2実施形態を示す断面図であ
る。
【図3】第2実施形態における表面加工装置の概略を示
す全体模式斜視図である。
【図4】第2実施形態の気泡噴射部を示す要部部分破断
拡大斜視図である。
【図5】従来のモールディングおよびモールディングの
表面加工方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
10,70 モールディング 20,80 表面加工装置 21 冷却液 23 気泡 22 冷却液槽 24 気泡噴射部 25 気泡発生部 29,30 案内部 27 制御噴射部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東島 高秋 愛知県安城市藤井町東長先8番地1 株式 会社イノアックコーポレーション桜井事業 所内 Fターム(参考) 4F207 AF01 AF15 AH23 AK02 AR06 KA01 KA17 KK54 KK55

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出成形された後に冷却液に浸漬冷却さ
    れて固化する樹脂製の押出成形品であって、 前記冷却液に発生させた気泡が表面に付着することによ
    り、前記表面における固化速度の不均一化に伴って、前
    記表面に微細な凹凸が形成されていることを特徴とする
    押出成形品。
  2. 【請求項2】 所定の断面形状が連続する樹脂製の押出
    成形品を押出成形した後、前記押出成形品の表面に凹凸
    を形成する押出成形品の表面加工方法であって、 前記押出成形品を浸漬冷却させて固化させるための冷却
    液中に気泡を発生させるとともに、前記気泡を前記押出
    成形品の表面に付着させることにより、前記表面におけ
    る固化速度の不均一化に伴って前記表面に微細な凹凸を
    形成することを特徴とする押出成形品の表面加工方法。
  3. 【請求項3】 前記気泡となるような所定の材料をあら
    かじめ前記冷却液中に供給しておき、前記押出成形品を
    前記冷却液中に浸漬冷却させることにより、前記押出成
    形品の表面に前記気泡を発生させることを特徴とする請
    求項2に記載した押出成形品の表面加工方法。
  4. 【請求項4】 前記気泡を発生させる気泡発生部をあら
    かじめ前記冷却液中に配置しておき、前記気泡発生部の
    真上に前記押出成形品を配置させることを特徴とする請
    求項2に記載した押出成形品の表面加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014034633A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Kaneka Corp 有機部材の製造方法および当該製造方法により得られた有機部材

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