JP2002254251A - 柱状工具電極作成方法とそれに用いる放電加工装置 - Google Patents

柱状工具電極作成方法とそれに用いる放電加工装置

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JP2002254251A
JP2002254251A JP2001047480A JP2001047480A JP2002254251A JP 2002254251 A JP2002254251 A JP 2002254251A JP 2001047480 A JP2001047480 A JP 2001047480A JP 2001047480 A JP2001047480 A JP 2001047480A JP 2002254251 A JP2002254251 A JP 2002254251A
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plate
electric discharge
holes
discharge machining
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JP2001047480A
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English (en)
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Norihiko Wada
紀彦 和田
Takeshi Masaki
健 正木
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 柱状工具電極を複数の穴で分担して形成する
のに位置決め誤差や位置決めのための時間ロスが生じな
いようにする。 【解決手段】 複数の板状電極材料21を厚み方向に配
置し、その厚み方向にて柱状のマスタ電極22を板状電
極材料21への放電加工を行なう極性関係にて送り込
み、各板状電極材料21の同一位置に穴3を形成し、こ
の形成した穴3が同一位置となるように複数の板状電極
2を穴3の深さ方向に配置した状態で、その穴3の深さ
方向に工具電極材料1を板状電極2からの放電加工を受
ける極性関係にて送り込み、複数の板状電極2の各穴3
との間の放電により穴形状が転写した柱状工具電極5を
作成し、あるいは複数、または多数を同時に作成して、
上記の目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として微細放電
加工に用いられる柱状工具電極の作成方法とそれに用い
られる放電加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】微細放電加工は数μm〜数十μmの穴を
高精度に加工することができ、インクジェットプリンタ
の印字ヘッドの穴や自動車のガソリン噴射ノズルの穴な
ど幅広い用途がある。穴の放電加工は図4(b)に示す
ような柱状工具電極fを図示しないワークに放電を伴い
送り込んで行なわれる。柱状工具電極fを作成するに
は、まず、図4(a)に示すように、マスタ電極aを板
状電極材料bに送り込んで放電加工を行ない放電加工用
の穴cを形成し、図4(b)に示すような板状電極dが
作成される。次いで、図4(b)に示すように工具電極
材料eを板状電極dに送り込んで放電加工を行ない、板
状電極dにある穴cの形状が転写した柱状工具電極fを
作成する。
【0003】通常、放電による穴加工は1つの柱状工具
電極によって1つずつ行なわれる。しかし、微細穴の放
電加工では柱状工具電極fの長さにも限界があり、柱状
工具電極の消耗を考慮すると、1本の柱状工具電極fで
加工できる穴数にも制限がある。このため、多数の穴を
放電加工するには1つの柱状工具電極fでは繰り返し加
工回数が穴数だけ必要な上、柱状工具電極fを短時間で
取り替える必要があり、手間と時間がかかる。
【0004】そこで、図4(b)に示すように多数の柱
状工具電極fを持ったいわゆるマルチ工具電極gが用い
られる。マルチ工具電極gを作成するには、図4(a)
に示すようにマルチ工具電極gにおける柱状工具電極f
の配列パターンに対応した配列の穴パターンhを複数箇
所に形成する。次いで、図4(b)に示すように工具電
極材料eを板状電極dの各穴パターンhに対し順次に挿
入して放電加工を繰り返し必要長さ分の柱状工具電極f
を同時に作成している。
【0005】これによると、マルチ工具電極gかどうか
にかかわらず、つまり、同時に作成する柱状工具電極f
の数に関わらず、1つの柱状工具電極fにつき複数の穴
cが分担して放電加工を行なうので、板状電極dにおけ
る穴c部の放電加工による消耗が軽減され、板状電極d
の寿命が長くなる利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のよ
うに工具電極材料eを複数の穴cに順次に挿入していく
のでは、相互を順次に対向させていくためのステージの
位置決め誤差により、工具電極材料eの複数の穴cが分
担して作成する柱状工具電極fに形状誤差が生じる。ま
た、微細な柱状工具電極fを作成するには、大きな放電
エネルギーによる粗加工から、微小な放電エネルギーで
の仕上げ加工という段階を踏むので、転写加工の繰り返
し数が増大するといった問題もある。
【0007】また、図5(a)に示すように、柱状のマ
スタ電極aを電極消耗の少ない材料よりなる板状電極材
料bに所定量送り込んで多数個の穴cを放電加工する場
合、マスタ電極aが電極消耗によって図5(b)に示す
ように先端が先細りした形状になる。このため、板状電
極材料bに対してマスタ電極aを所定量送り込んでも穴
cの径が所定の大きさよりも小さくなり、転写誤差が生
じる問題もある。
【0008】本発明の主たる目的は、柱状工具電極を複
数の穴で分担して形成するのに位置決め誤差や位置決め
のための時間ロスが生じない柱状工具電極作成方法を提
供することにあり、さらなる目的は、マスタ電極の先細
りによる転写誤差を解消できる柱状工具電極作成方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の柱状工具電極作成方法は、穴を持った複
数の板状電極の各穴の穴位置を合わせて、穴の深さ方向
に工具電極材料を板状電極からの放電加工を受ける極性
関係にて送り込み、複数の板状電極の各穴との間の放電
により穴形状が転写した柱状工具電極を作成することを
特徴とする。
【0010】このような構成では、複数の板状電極が穴
を同一位置に持つように配置されるので、それら板状電
極の同一位置にある各穴に工具電極材料を放電を伴い一
挙動で送り込み、複数の穴が分担した放電加工による柱
状工具電極を作成して、穴の分担数分だけ板状電極の寿
命を延ばすことができ、特に、放電加工を分担する穴の
数にかかわらず板状電極および工具電極材料間の位置決
めおよび送り込みが1回でよく、作業時間が短縮すると
ともに、位置決めを繰り返す場合のような各回の位置決
め間の位置決め誤差が生じないので、柱状工具電極の形
状精度および歩留まりが向上する。また、各板状電極に
形成する穴の数や配列パターンは自由であり、1本の柱
状工具電極から複数、あるいは多数を各種のパターンに
配列したマルチな柱状工具電極まで一挙動で短時間に高
精度に歩留まりよく作成することができる。
【0011】また、本発明の柱状工具電極作成方法は、
複数の板状電極材料を厚み方向に配置し、この配置した
複数の板状電極材料の厚み方向にマスタ電極を板状電極
材料への放電加工を行なう極性関係にて送り込み、各板
状電極材料の同一位置に目的のパターン形状の穴を形成
し、この形成した穴が同一位置になるように複数の板状
電極を穴の深さ方向に配置した状態で、穴の深さ方向に
工具電極材料を板状電極からの放電加工を受ける極性関
係にて送り込み、複数の板状電極の各穴との間の放電に
より穴形状が転写した柱状工具電極を作成することをも
特徴とする。
【0012】このような構成では、複数の板状電極材料
が厚み方向に配置されるので、それらにマスタ電極を放
電を伴い一挙動で送り込んでいくことにより、複数の板
状電極材料の同じ位置に複数の穴を同じマスタ電極によ
り、形成する穴の数にかかわらず板状電極材料相互間の
位置精度および形状精度よく形成することができ、前記
柱状工具電極を作成する放電加工に用いて加工精度をさ
らに向上させることができる。また、複数の板状電極材
料を1つずつ交換しながら放電加工するような手間と時
間が不要で作業が短くなる。
【0013】この場合、マスタ電極は、板状電極材料と
の間で、板状電極材料からの放電加工を受ける極性の関
係にて放電加工を開始した後、マスタ電極から板状電極
材料に放電加工を行う極性の関係にて放電加工を行なう
ことができる。このような構成では、マスタ電極が先の
放電加工による消耗で先端形状が凸部を持つ程度に先細
りの傾向を示しても、次の放電加工における放電開始時
の、板状電極材料からの放電加工を受ける極性の関係に
て、先細り形状の傾向を示しているマスタ電極の先端形
状における凸部が板状電極材料にもっとも近いために板
状電極材料側からの放電を受けて加工され平らになるの
で、それに続く放電加工においてマスタ電極から板状電
極材料に放電加工を行う極性の関係にて、前記平らにな
ったマスタ電極の先端から板状電極への放電によって、
板状電極材料の穴加工が所定量の送り込みにて精度よく
達成されるようにすることができる。前記のような初期
操作は毎回の放電加工時に行なってもよいし、穴の精度
が許容範囲から外れかける時点ごとに行なってもよい。
【0014】各板状電極が工具電極材料との間をそれぞ
れに独立した放電回路で接続して放電加工を行なうよう
にすると、各板状電極は工具電極材料との間で同時に放
電加工を行なって加工速度を上げたり、異時に放電加工
を行なって放電加工の分担を行なったりすることがで
き、また、各板状電極の工具電極材料との間の放電エネ
ルギーを、工具電極材料が先に送り込まれるものから後
に送り込まれるものへと順次に小さくするような設定に
よって、1つの柱状工具電極につき粗加工から仕上げ加
工までの放電加工を板状電極の枚数分の段階数にて一挙
動にて達成することができ、放電加工を必要段階数だけ
繰り返すようなことが不要となり、作業時間が短縮す
る。
【0015】また、各板状電極の同一位置にあるように
された各穴に大きさが異なるものを用いるようにする
と、深さ方向に並ぶ各穴の大きさを、工具電極材料が先
に送り込まれるものから後に送り込まれるものまで、順
次に小さくしていくような設定によって、加工量を互い
の板状電極が分担してそれぞれでの加工屑の量を軽減す
るとともに放出効率をよくし、加工屑によって穴と工具
電極材料との間で二次放電や短絡が起きるのを防止で
き、これらを回避する動作が不要で作業時間が短縮す
る。また、二次放電や短絡により加工精度が低下するよ
うなことを防止することができる。また、各板状電極の
間隔を放電条件に応じて変化させるようにすることがで
き、例えば、加工量が多く多量の加工屑が出る板状電極
ほど他の板状電極との間隔が大きくなる条件設定をする
ことにより、加工屑による二次放電や短絡が生じないよ
うにすることができ、加工量が少なく加工屑が微量とな
る板状電極ほど他の板状電極との間隔が小さくなる条件
設定をすることにより、工具電極材料の放電加工に必要
な送り込み量を少なくすることができる。
【0016】上記の目的達成のため、本発明の放電加工
装置は、マスタ電極と板状電極材料との間の放電回路
に、マスタ電極および板状電極材料間の極性関係を切り
替える切り替え手段をもったことを特徴とする。
【0017】このような構成では、前記マスタ電極が、
板状電極材料との間で、板状電極材料からの放電加工を
受ける極性の関係にて放電加工を開始した後、前記極性
関係をマスタ電極から板状電極材料に放電加工を行う極
性の関係に切り替えて放電加工を行なうような工具電極
作成方法を同一装置によって連続して達成することがで
き、前記極性の切替えを自動的に確実に行なうこともで
きる。
【0018】本発明のそれ以上の特徴および作用は、以
下に続く詳細な説明および図面の記載から明らかにな
る。本発明の各特徴は可能な限りにおいてそれ単独で、
あるいは種々な組み合わせで複合して用いることができ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の幾つかの実施例に係る柱状工
具電極作成方法とそれに用いる放電加工装置につき、図
1〜図3を参照して詳細に説明し、本発明の理解に供す
る。なお、以下に示す実施の形態は本発明の具体例であ
って、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0020】図1、図2の各実施例1、2で示すよう
に、円形や楕円形、角形など目的のパターン形状の穴3
を持った複数の板状電極2の各穴3の穴位置を合わせ
て、穴3の深さ方向に配置し、工具電極材料1を板状電
極2からの放電加工を受ける極性関係にて送り込み、複
数の板状電極2の各穴3との間の放電により穴3の形状
が転写した柱状工具電極4を作成することを基本的な構
成としている。送り込みは工具電極材料1および板状電
極2の一方を移動させればよい。しかし、場合により双
方を移動させることもできる。
【0021】以上のように、複数の板状電極2が目的の
形状の穴3を平面上の同一位置に持って配置されるの
で、それら板状電極2の前記同一位置にあるようにした
各穴3に工具電極材料1を穴3からの放電を伴い一挙動
で送り込み、複数の穴3が分担した放電加工による穴3
の形状が転写した横断面形状を持った柱状工具電極4を
作成することができる。このとき穴3による放電加工の
分担数分だけ板状電極2の寿命を延ばすことができる。
特に、放電加工を分担する穴3の数にかかわらず板状電
極2および工具電極材料1間の位置決めおよび送り込み
が1回でよく、作業時間が短縮する。また、位置決めを
繰り返す場合のような各回の位置決め間の位置決め誤差
が生じないので、柱状工具電極4の形状精度および歩留
まりが向上する。また、各板状電極2に形成する穴3の
数や配列パターンは自由であり、1本の柱状工具電極4
から複数、あるいは多数を各種のパターンに配列したマ
ルチ工具電極5まで一挙動で短時間に高精度に歩留まり
よく作成することができる。
【0022】さらに具体的には、実施例1、2は図1、
図2に模式的に示すように、複数の板状電極2は所定の
間隔を開けて配置され、その全体が放電加工機上の装置
31に固定されて鉛直方向に10μm程度で振動させる
ことができる。一方、工具電極材料1は放電加工機のZ
軸32に取り付けられており、各板状電極2に対して鉛
直方向に送り込むことができる。各板状電極2は工具電
極材料1との間をそれぞれに独立した放電回路10にて
接続し放電加工を行なうようにしてある。各放電回路1
0は抵抗12、コンデンサ13、および直流電源14か
らなるRCパルス放電回路を構成しており、それぞれの
放電回路10は整流子11により分離されている。
【0023】また、別の実施例3につき、図1、図2を
共用して説明すると、複数の板状電極材料21を厚み方
向に配置して、それらに柱状のマスタ電極22を板状電
極材料21への放電加工を行なう極性関係にて前記厚み
方向に送り込んで、各板状電極材料21の同一位置に目
的のパターン形状の穴3を形成し、この目的のパターン
形状の穴3を同一位置になるように複数の板状電極2を
穴3の深さ方向に配置した状態で、穴3の深さ方向に工
具電極材料1を板状電極2からの放電加工を受ける極性
関係にて送り込み、複数の板状電極2の各穴3との間の
放電により穴形状が転写した柱状工具電極4を作成する
放電加工に供する。もっとも、実施例1、2での放電加
工は板状電極2から工具電極材料1に放電が起きる極性
関係とし、実施例3ではマスタ電極22から板状電極材
料21に放電が起きるように極性関係を反転させる。こ
のような回路の切り替えは放電加工機の制御装置33に
より切り替え回路34を切り替え操作して行なう。この
ような切り替えは操作パネル35などからの作業者によ
る切り替え信号によって行なえるし、プログラムされた
条件にて自動的におこなうこともできる。
【0024】以上のように、複数の板状電極材料21が
厚み方向に配置されるので、それらにマスタ電極22を
放電を伴い一挙動で送り込んでいくことにより、複数の
板状電極材料21の同じ位置に複数の穴3を同じマスタ
電極22により、形成する穴3の数にかかわらず板状電
極材料21相互間の位置精度および形状精度よく形成す
ることができ、前記柱状工具電極4を作成する放電加工
に用いて加工精度をさらに向上させることができる。ま
た、複数の板状電極材料21を1つずつ交換しながら放
電加工するような手間と時間が不要で作業が短くなる。
【0025】この場合、図3に示す実施例4のようにマ
スタ電極22が、板状電極材料21との間で、板状電極
材料21からの放電加工を受ける極性の関係にて放電加
工を開始した後、前記極性を切替えて、マスタ電極22
から板状電極材料21に放電加工を行う極性の関係にて
放電加工を行なうことができる。これにより、マスタ電
極22が先の放電加工による消耗で図3に破線で示す若
干の凸部22aができる先端形状のように先細りの傾向
を示しても、次の放電加工における放電開始時の、板状
電極材料21からマスタ電極22に放電加工が行なわれ
る極性の関係にて、先細り形状の傾向を示しているマス
タ電極22の先端形状における凸部22aが板状電極材
料にもっとも近いために板状電極材料21側からの放電
を受けて加工され平らになる。このため、それに続く後
の放電加工においてマスタ電極22から板状電極材料2
1に放電加工を行う極性の関係にて、前記平らになった
マスタ電極22の先端から板状電極材料21への放電に
よって、板状電極材料21の穴加工が所定量の送り込み
にて精度よく達成されるようにすることができる。前記
のような初期操作は毎回の放電加工時に行なってもよい
し、穴の精度が許容範囲から外れかける時点ごとに行な
ってもよい。
【0026】実験によると、各放電回路10での抵抗1
2の抵抗値を1.6Ω、コンデンサ13の容量を100
pF、電源14の電圧を80Vとして、板状電極材料2
1の材質として板厚100μmの真鍮板を用い、図3に
示すように円柱のマスタ電極22として直径100μm
のタングステンを用いて、図3に示すようにマスタ電極
22を放電による穴加工の場合と逆極性にて板状電極材
料21に近づけて放電開始検出点より2μmだけ送り込
んでマスタ電極22の先端を平らにした後、マスタ電極
22を放電による穴加工の場合の正極性に戻して放電開
始検出点より120μmの位置までマスタ電極22を送
り込むことにより、板状電極材料21上に300μmピ
ッチで穴径精度1μm以下の穴を40個同時に穴加工す
ることができた。次いで、工具電極材料1としてタング
ステンを用い、前記のようにして形成した複数の板状電
極2の全体を10μm程度上下に振動させながら、工具
電極材料1を前記放電による穴加工の場合と逆極性にし
て送り速度5μm/secの速度で各板状電極2へ送り
込むことにより、各板状電極2の穴3の形状を転写した
電極ピッチ300μmで直径100μm、長さ500μ
mの柱状工具電極4を40本持ったマルチ工具電極5を
数時間で形成することができた。
【0027】なお、前記実施例1〜3のように各板状電
極2の工具電極材料1との間の放電回路10が独立した
ものであると、工具電極材料1との間で同時に放電加工
を行なって加工速度を上げたり、異時に放電加工を行な
って放電加工の分担を行なったりすることができ、ま
た、各板状電極2の工具電極材料1との間の放電エネル
ギーを、工具電極材料1が先に送り込まれるものから後
に送り込まれるものへと順次に小さくするような設定に
よって、1つの柱状工具電極4につき粗加工から仕上げ
加工までの放電加工を板状電極2の枚数分の段階数にて
一挙動にて達成することができ、放電加工を必要段階数
だけ繰り返すようなことが不要となり、作業時間が短縮
する。
【0028】また、図2に示す実施例2のように、各板
状電極2の同一位置にある各穴3に大きさが異なるもの
を用いるようにすると、深さ方向に並ぶ各穴3の大きさ
を、工具電極材料1が先に送り込まれるものから後に送
り込まれるものまで、順次に小さくしていくような設定
によって、加工量を互いの板状電極2が分担してそれぞ
れでの加工屑の量を軽減するとともに放出効率をよく
し、加工屑によって穴3と工具電極材料1との間で二次
放電や短絡が起きるのを防止でき、これらを回避する動
作が不要で作業時間が短縮する。また、二次放電や短絡
により加工精度が低下するようなことを防止することが
できる。また、各板状電極2の間隔を放電条件に応じて
変化させるようにすることができ、例えば、加工量が多
く多量の加工屑が出る板状電極2ほど他の板状電極2と
の間隔が大きくなる条件設定をすることにより、加工屑
による二次放電や短絡が生じないようにすることがで
き、加工量が少なく加工屑が微量となる板状電極2ほど
他の板状電極2との間隔が小さくなる条件設定をするこ
とにより、工具電極材料1の放電加工に必要な送り込み
量を少なくすることができる。
【0029】実施例2における実験結果を示すと、各板
状電極2の穴3の径を上から50μm、30μm、20
μmとし、1段目と2段目の板状電極2の間隔を100
μm、2段目と3段目の板状電極2の間隔を50μmと
して、E1 の電源14の電圧を110V、E2 の電源1
4の電圧を80V、E3 の電源14の電圧を70V、C
1 のコンデンサ13の容量を3300pF、C2 のコン
デンサ13の容量を100pF、C3 のコンデンサ13
の容量を10pF、R1、R2 、R3 の各抵抗値を1.
6kΩとした場合、柱状工具電極4のピッチ300μm
で直径17μm、長さ200μmの40ピンマルチ工具
電極5を数十分で形成することができた。
【0030】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、複数の板状電極がそれらの穴の穴位置を合わせ
て配置され、それら板状電極の同一位置にある各穴に工
具電極材料を放電を伴い一挙動で送り込み、複数の穴が
分担した放電加工による柱状工具電極を作成して、穴の
分担数分だけ板状電極の寿命を延ばすことができ、特
に、放電加工を分担する穴の数にかかわらず板状電極お
よび工具電極材料間の位置決めおよび送り込みが1回で
よく、作業時間が短縮するとともに、位置決めを繰り返
す場合のような各回の位置決め間の位置決め誤差が生じ
ないので、柱状工具電極の形状精度および歩留まりが向
上する。また、各板状電極に形成する穴の数や配列パタ
ーンは自由であり、1本の柱状工具電極から複数、ある
いは多数を各種のパターンに配列したマルチな柱状工具
電極まで一挙動で短時間に高精度に歩留まりよく作成す
ることができる。
【0031】また、複数の板状電極材料が厚み方向に配
置され、それらにマスタ電極を放電を伴い一挙動で送り
込んでいくことにより、複数の板状電極材料の同じ位置
に複数の穴を同じマスタ電極により、形成する穴の数に
かかわらず板状電極材料相互間の位置精度および形状精
度よく形成することができ、前記柱状工具電極を作成す
る放電加工に用いて加工精度をさらに向上させることが
できる。また、複数の板状電極材料を1つずつ交換しな
がら放電加工するような手間と時間が不要で作業が短く
なる。
【0032】この場合、マスタ電極が先の放電加工によ
る消耗で先端形状が凸部を持つ程度に先細りの傾向を示
しても、次の放電加工における放電開始時の、板状電極
材料からの放電加工をうける極性の関係にて、先細り形
状の傾向を示しているマスタ電極の先端形状における凸
部が板状電極材料にもっとも近いために板状電極材料側
からの放電を受けて加工され平らにし、それに続く後の
放電加工においてマスタ電極から板状電極材料に放電加
工を行う極性の関係にて、前記平らにしたマスタ電極の
先端から板状電極への放電によって、板状電極材料の穴
加工が所定量の送り込みにて精度よく達成されるように
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る柱状工具電極作成方法
およびその装置と、これらに用いる実施例3としての板
状電極を作成する放電加工方法を模式的に示す説明図で
ある。
【図2】本発明の実施例2に係る柱状工具電極作成方法
およびその装置と、これらに用いる実施例3としての板
状電極を作成する放電加工方法を模式的に示す説明図で
ある。
【図3】本発明の実施例3に係る板状電極を作成するた
めの放電加工方法を模式的に示す説明図である。
【図4】従来の工具電極作成方法を示し、その(a)は
板状電極の作成方法を模式的に示す断面図、その(b)
は板状電極によって工具電極をマルチ工具電極として作
成する方法を模式的に示す断面図である。
【図5】従来の板状電極作成方法において、マスタ電極
の先端に消耗がない場合の放電加工状態を(a)の断面
図に模式的に示し、消耗がある場合の放電加工状態を
(b)の断面図に模式的に示している。
【符号の説明】
1 工具電極材料 2 板状電極 3 穴 4 柱状工具電極 5 マルチ工具電極 10 放電回路 21 板状電極材料 22 マスタ電極 33 制御装置 34 切り替え回路 35 操作パネル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穴を持った複数の板状電極の各穴の穴位
    置を合わせて、穴の深さ方向に工具電極材料を板状電極
    からの放電加工を受ける極性関係にて送り込み、複数の
    板状電極の各穴との間の放電により穴形状が転写した柱
    状工具電極を作成することを特徴とする柱状工具電極作
    成方法。
  2. 【請求項2】 複数の板状電極材料を厚み方向に配置し
    て、前記配置した複数の板状電極材料にその厚み方向に
    柱状のマスタ電極を板状電極材料への放電加工を行なう
    極性関係にて送り込み、各板状電極材料の同一位置に目
    的のパターン形状の穴を形成し、前記形成した穴が同一
    位置になるように複数の板状電極を穴の深さ方向に配置
    した状態で、穴の深さ方向に工具電極材料を板状電極か
    らの放電加工を受ける極性関係にて送り込み、複数の板
    状電極の各穴との間の放電により穴形状が転写した柱状
    工具電極を作成することを特徴とする柱状工具電極作成
    方法。
  3. 【請求項3】 マスタ電極は、板状電極材料との間で、
    板状電極材料からの放電加工を受ける極性の関係にて放
    電加工を開始した後、マスタ電極から板状電極材料に放
    電加工を行う極性の関係にて放電加工を行なう請求項2
    に記載の柱状工具電極作成方法。
  4. 【請求項4】 各板状電極の複数の穴によって複数の柱
    状工具電極を同時に作成する請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の柱状工具電極作成方法。
  5. 【請求項5】 各板状電極は工具電極材料との間をそれ
    ぞれに独立した放電回路で接続して放電加工を行なう請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の柱状工具電極作成方
    法。
  6. 【請求項6】 各板状電極の同一位置になるようにした
    各穴に大きさが異なるものを用いる請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の柱状工具電極作成方法。
  7. 【請求項7】 板状電極に工具電極材料を送り込むとき
    に、各板状電極との間の放電エネルギーを変えて放電加
    工を行なう請求項1〜6のいずれか1項に記載の柱状工
    具電極作成方法。
  8. 【請求項8】 各板状電極の間隔を放電条件に応じて変
    化させる請求項1〜7のいずれか1項に記載の柱状工具
    電極作成方法。
  9. 【請求項9】 マスタ電極と板状電極材料との間の放電
    回路に、マスタ電極および板状電極材料間の極性関係を
    切り替える切り替え手段をもったことを特徴とする放電
    加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110114604A1 (en) * 2008-07-24 2011-05-19 Mitsubishi Electric Corporation Electric discharge machining apparatus, electric discharge machining method, and semiconductor substrate manufacturing method
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US9878386B2 (en) 2013-10-31 2018-01-30 Foundation Of Soongsil University-Industry Cooperation Eccentric electrode for electric discharge machining, method of manufacturing the same, and micro electric discharge machining apparatus including the same

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