JP2002249439A - Il−6誘導性細胞死の抑制剤およびil−6誘導性細胞死の抑制方法 - Google Patents

Il−6誘導性細胞死の抑制剤およびil−6誘導性細胞死の抑制方法

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JP2002249439A JP2001045090A JP2001045090A JP2002249439A JP 2002249439 A JP2002249439 A JP 2002249439A JP 2001045090 A JP2001045090 A JP 2001045090A JP 2001045090 A JP2001045090 A JP 2001045090A JP 2002249439 A JP2002249439 A JP 2002249439A
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Shuichi Hashimoto
修一 橋本
Katsutoshi Konishi
克利 小西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炎症、慢性関節リウマチを治療・改善し得る
IL-6誘導性細胞死抑制剤の提供、ならびにin vitroにお
いてかかる物質を用いてIL-6誘導性細胞死を抑制する方
法の提供。 【解決手段】 IL-6誘導性の細胞死を抑制するペプチド
を有効成分として含有するIL-6誘導性細胞死抑制剤、な
らびにin vitroにおいて該ペプチドを用いる、IL-6 誘
導性細胞死またはIL-6およびTNF-α誘導性細胞死の抑制
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IL-6 が誘導する
細胞死を抑制する物質の特定とその作用にもとづくIL-6
誘導性細胞死抑制剤、ならびにin vitroにおいて前記物
質を用いるIL-6誘導性細胞死の抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、慢性関節リウマチ等の慢性炎症性
疾患の病態には、サイトカインの異常産生が深く関わっ
ていると考えられている。また、慢性炎症性疾患と深い
関係のあるサイトカインとしては TNF-α、IL-1、IL-6
等が考えられており、確かにこれらのサイトカインに対
する抗体、あるいは IL-1Ra、抗IL-6 レセプタ―抗体等
がキャッスルマン病や慢性関節リウマチに有効であるこ
とがわかっている。
【0003】さらに、近年、マウス抗IL-6抗体が慢性関
節リウマチの治療に用いられ、一過性ではあるが効果を
示すことが認められた(D. Wendingら、J. Rheumatol. 2
0: 259, 1993)。このことから、慢性関節リウマチの病
態に、IL-6 の異常産生とそれに基づく IL-6 のシグナ
ル伝達が深く関わっていることが示された。また、IL-6
のシグナル伝達を阻害するヒト型化抗IL-6レセプター抗
体が慢性関節リウマチの治療に有効であることが示され
(吉崎和幸、サイトカインとケモカイン、第15回 Wok
o ワークショップ講演要旨集、pp51、1999)、IL-6 が
細胞に及ぼす作用が慢性関節リウマチの病態(慢性的な
炎症)の原因になることも明らかになった。
【0004】また、慢性関節リウマチの発症原因につい
ては未だ不明であるものの、その病態は、抗体産生の誘
導、T細胞の活性化、急性期反応の誘導、巨核球成熟の
誘導、破骨細胞の活性化、実質細胞の細胞死、等の事象
と関係が深いと考えられている。そして、これらの事象
はいずれも IL-6 のシグナル伝達を介して細胞に誘発さ
れる。
【0005】こうした慢性関節リウマチの病態を改善す
るには、(1)サイトカインの異常産生の抑制、(2)
サイトカインの細胞への結合阻止、(3)サイトカイン
による細胞内シグナル伝達の阻害、によってサイトカイ
ンの作用を抑制する方法が考えられる。
【0006】しかしながら、現在IL-6 の阻害剤として
利用可能なものは、細胞外で作用する IL-6 や IL-6 レ
セプターの抗体のみであって、細胞内でIL-6 のシグナ
ル伝達経路あるいはその産生物質による細胞への作用を
阻害してIL-6誘導性細胞死を抑制するものは開発されて
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、IL
-6 により誘導される細胞死を抑制し、それにより炎
症、慢性関節リウマチを治療・改善し得るIL-6誘導性細
胞死抑制剤を提供することを目的とする。また本発明
は、in vitroにおいてかかる物質を用いてIL-6誘導性細
胞死を抑制する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、IL-6 が誘導
する細胞死が、細胞膜透過性のある少なくとも二種類の
オリゴペプチドにより阻害されることを見出し、さらに
これらの二つのオリゴペプチドが炎症性サイトカイン二
種の組み合わせ(IL-6およびTNF-α)によって誘導される
細胞死も阻害することを見出した。本発明はこれらの知
見に基づいて完成されたものである。
【0009】すなわち、本発明は、配列番号1または配
列番号2のアミノ酸配列を含むペプチドを有効成分とし
て含有する、IL-6誘導性細胞死抑制剤である。また本発
明は、in vitroにおいて配列番号1または配列番号2の
アミノ酸配列を含むペプチドを用いる、IL-6 誘導性細
胞死またはIL-6およびTNF-α誘導性細胞死の抑制方法で
ある。
【0010】
【発明実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。本
発明のIL-6誘導性細胞死抑制剤は、配列番号1または配
列番号2のアミノ酸配列を含むペプチドを有効成分とし
て含有することを特徴とする。
【0011】配列番号1または配列番号2のアミノ酸配
列を含むペプチドは、細胞内におけるIL-6のシグナル伝
達経路あるいはその産生物質による細胞への作用を阻害
することにより、IL-6誘導性の細胞死を抑制する。慢性
関節リウマチを含む慢性炎症性疾患の病態はサイトカイ
ンの異常産生が深く関わっていることから、前記効果を
有するペプチドを有効成分として含有する本発明のIL-6
誘導性細胞死抑制剤は、炎症性疾患または慢性関節リウ
マチを治療または改善する際に有用であると考えられ
る。
【0012】配列番号1または配列番号2のアミノ酸配
列を含むペプチドは、配列番号1または配列番号2のア
ミノ酸配列の一方のみを含むものであっても、これらの
アミノ酸配列両方を含むものであってもよい。また前記
ペプチドは、上記IL-6誘導性細胞死の抑制効果を有する
限り、アミノ末端のアセチル化、グアニジル化、アミジ
ン化、還元アルキル化、カルバモイル化、トリフルオロ
アセチル化、アシル化、トリニトロフェニル化、カルボ
キシ末端のアルデヒド化、N-アシル尿素化等の修飾が為
された形態であってもよい。
【0013】さらに、前記ペプチドは、アミノ酸10個
程度からなるオリゴペプチドであってもよく、例えば、
配列番号1のアミノ酸配列を含むオリゴペプチドとして
はカスペース-3の阻害剤として知られるAc-DMQD-CHO
(A. Takahashiら、Oncogene, 14 2741 (1997))、配列番
号2のアミノ酸配列を含むオリゴペプチドとしてはカス
ペース-3、-1、-7の阻害剤として知られるAc-DEVD-CHO
(D.N. Nicholsonら、Nature 376, 37 (1995))を挙げる
ことができる。尚、これらの2種のオリゴペプチドは、
後述の本実施例に記載するように、アポトーシスの様相
を示さないIL-6誘導性細胞死を抑制する。
【0014】本発明のIL-6誘導性細胞死抑制剤における
上記ペプチドの含有量は、これらの薬剤を投与した対象
において、細胞内でIL-6のシグナル伝達経路を阻害する
かまたはその産生物質による細胞への作用を阻害するこ
とのできる量であれば特に限定されないが、単独投与の
場合、例えば、局所における濃度が50〜500μM、好まし
くは100〜500μM、より好ましくは100〜250μMになる量
とすることができる。
【0015】また、本発明のIL-6誘導性細胞死抑制剤
は、上記ペプチドの他に、例えば、安定剤、緩衝剤、希
釈剤、等張剤、防腐剤などの賦形剤を適宜混合してもよ
いが、これらに限定されるものではなく、その含有量も
目的に応じて適宜変更することができる。
【0016】本発明のIL-6誘導性細胞死抑制剤を投与す
る対象としては、炎症性疾患(例えば炎症性腸疾患、自
己免疫病、腎炎[Bright's disease]、慢性関節炎な
ど)、慢性関節リウマチ、キャッスルマン病等を挙げる
ことができるが、これらに限定されない。また、その投
与形態としては、例えば静脈注射、皮下注射、筋肉注射
などの注射による投与、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散
剤、シロップ剤等による経口投与、座剤による経腸投
与、あるいは軟骨剤、クリーム剤、貼付剤等による局所
投与等を挙げることができる。その使用量は症状、年
齢、体重、投与方法等に応じて適宜選択されるが、成人
に対して、注射による投与の場合は有効成分量として1
日当たり0.1 mg/kg〜5 mg/kg、好ましくは0.3 mg/kg〜
0.5 mg/kg、経口投与の場合は1 mg/kg〜50 mg/kg、好ま
しくは3 mg/kg〜5 mg/kg、局所投与の場合は数十μg〜
数mgとすることができ、さらにそれぞれ一回または数回
に分けて投与することができる。例えば点滴で数十μg
/mLの濃度で1日当たり1 mg〜100 mg、好ましくは20 m
g〜30 mgを静脈内に投与したり、マイクロカプセルに封
入した上記ペプチド(数mg〜数百mg)を皮下ないしは筋肉
に投与することができるが、これらに限定されない。
【0017】また、本発明のIL-6誘導性細胞死抑制剤
は、抗IL-6抗体、抗IL-6レセプター抗体、非ステロイド
系抗炎症剤(アスピリン等)、糖質ステロイド薬(酢酸コ
ルチゾン等)、金剤等と併用することもできる。本発明
のin vitroにおけるIL-6 誘導性細胞死またはIL-6およ
びTNF-α誘導性細胞死の抑制方法は、配列番号1または
配列番号2のアミノ酸配列を含むペプチドを用いること
を特徴とする。
【0018】上記本発明のIL-6 誘導性細胞死またはIL-
6およびTNF-α誘導性細胞死の抑制方法は、IL-6またはI
L-6およびTNF-αを添加した標的細胞に、配列番号1ま
たは配列番号2のアミノ酸配列を含むペプチドを添加す
ることにより実施する。標的とする細胞は、上記ペプチ
ドに対し透過性を示す細胞であれば特に限定されない
が、例えば、炎症時に破壊される組織の実質細胞、軟
骨、骨の細胞等を挙げることができる。
【0019】配列番号1または配列番号2のアミノ酸配
列を含むペプチドは、上記本発明のIL-6誘導性細胞死抑
制剤の説明箇所において記載したペプチドと同じ意味を
有するものとする。また、前記ペプチドを前記標的細胞
に添加する際には、配列番号1のアミノ酸配列を含むペ
プチド(例えば、オリゴペプチド[Ac-DMQD-CHO])および
配列番号2のアミノ酸配列を含むペプチド(例えば、オ
リゴペプチド[Ac-DEVD-CHO])をそれぞれ単独で用いるこ
ともできるし、これらを組み合わせて用いることもでき
る。また、配列番号1および2の両方のアミノ酸配列を
含む単一のペプチドを用いることもできる。
【0020】配列番号1または配列番号2のアミノ酸配
列を含むペプチドの前記標的細胞への添加量は、限定す
るものではないが、50〜500μM、好ましくは100〜500μ
M、より好ましくは100〜250μMとすることができる。あ
るいはまた、標的細胞に添加したIL-6またはIL-6および
TNF-αの量に対して、10,000〜100,000倍(重量比)、好
ましくは20,000〜100,000倍(重量比)、より好ましくは2
0,000〜50,000倍(重量比)とすることができる。
【0021】配列番号1または配列番号2のアミノ酸配
列を含むペプチドによるIL-6 誘導性細胞死またはIL-6
およびTNF-α誘導性細胞死の抑制レベルは、前記ペプチ
ドを添加し、適切な期間(例えば、88時間)インキュベー
トした後に、生細胞を適切な手法(例えば、クリスタル
バイオレット染色法(Sugarman,B.J.ら、Science 230:94
3(1985))により測定することで決定することができる。
【0022】具体的には、精製した KB 細胞由来ヒト I
L-6(2ng/mL培地)を添加して15時間インキュベートした
ヒト乳がん由来 SK-BR3 細胞(3×104細胞/0.1mL培地/
ウェル)に、オリゴペプチド[Ac-DMQD-CHO]を添加するこ
とにより、IL-6誘導性細胞死が濃度依存的に抑制される
(オリゴペプチド62.5μMで19%の抑制、125μMで26%の
抑制、250μMで38%の抑制、500μMで40%の抑制がみら
れる)。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。〔実施例1〕IL-6誘導性細胞死抑制物質の特定 IL-6、TNF-αをはじめとする炎症性サイトカインが炎
症、慢性関節リウマチを誘発することは間違いないが、
その機構についてはまだ解明されていない。一方、これ
らの炎症性サイトカインは細胞毒性を示す(すなわち、
細胞死を誘導する)性質がある。
【0024】従って、それらのサイトカインが誘導する
事象(細胞死およびそれに伴う組織破壊)は炎症、慢性関
節リウマチの病態と関係があると考えられ、かかる事象
を抑制する物質を特定できれば、該物質は炎症・慢性関
節リウマチの治療・改善に有用であると考えられる。そ
こで本発明者らは、サイトカインによる細胞死を抑制し
得る物質を特定するため、以下の試験を行った。
【0025】(サイトカイン誘導による細胞死の定量ア
ッセイ)まず、IL-6 誘導による細胞死を定量できるシ
ステムを作成した。IL-6のターゲット細胞としてヒト乳
がん由来 SK-BR3 細胞(ATCC[American Type Culture Co
llection]、カタログ番号HTB-30)を選択した。該細胞
を3×104細胞/0.1 mL/ウェルの濃度で96穴プレートに播
種し、15 時間 CO2 インキュベーターで培養した。培養
培地としては、ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecc
o'smodified Eagle's medium: DMEM)に10%ウシ胎児血
清を加えたものを用いた。
【0026】次に、サイトカインIL-6 として精製した
KB 細胞由来ヒト IL-6(平成12年特許出願公開第184897
号に記載)を、TNF-αとしてはヒトリコンビナントのも
の(Rand D Systems社、カタログ番号210-TA)を使用し、
これらを上記SK-BR3培養細胞に単独でまたは組合せて(I
L-6単独、IL-6 + TNF-α、TNF-α単独または培地のみ
(対照))添加した。サイトカインは上記のDMEM-10%ウ
シ胎児血清培地に溶かし添加した。各添加濃度およびそ
の後のインキュベート時間は次の通りである; IL-6単独:IL-6を最終濃度で2.0ng/mL培地となるよう
に添加した後、37℃で96時間インキュベーターで培養。
【0027】IL-6 + TNF-α:IL-6を最終濃度で 2ng/mL
培地となるように添加して7時間 CO2 インキュベータ
ーで培養した後、TNF-αを最終濃度 2.5ng/mL培地とな
るように添加し、89時間 CO2 インキュベーターで培
養。 TNF-α単独:TNF-αを最終濃度で2.5ng/mL培地となる
ように添加した後、37℃で89時間インキュベーターで培
養。 培地のみ(対照):IL-6およびTNF-αは添加せず(各0ng/
mL培地)、培地のみを添加し、37℃で96時間インキュベー
ターで培養。
【0028】更に、(株)ペプチド研究所より入手した
各種合成オリゴペプチド(予め DMSO中 40mM で溶解、−
20℃で保存)を、上記のサイトカイン添加培地(DMEM-10
%ウシ胎児血清培地)に最終濃度が0、62.5、125、250ま
たは500 μM となるように添加し、CO2 インキュベータ
ー中37℃で 88 時間培養した。培養後、クリスタルバイ
オレット染色で生細胞を測定し(Lee, S.H.ら、J. Immu
nol. 133, 1083 (1984))、これらのオリゴペプチドに
よる細胞死の抑制の度合いを調べた。尚、どのウェルも
最終容量は 200μL/ウェルとした。
【0029】(結果)使用したオリゴペプチドのうち、
Ac-Asp-Met-Gln-Asp-H(アルデヒド)[Ac-DMQD-CHO]およ
びAc-Asp-Glu-Val-H(アルデヒド) [Ac-DEVD-CHO]が、IL
-6または〔IL-6 + TNF-α〕により誘導される細胞死を
濃度依存的に抑制することが示された。オリゴペプチド
[Ac-DMQD-CHO]についての結果を図1に、[Ac-DEVD-CHO]
についての結果を図2に示す。
【0030】前記オリゴペプチド[Ac-DMQD-CHO]はカス
ペース-3の阻害剤として知られており(A. Takahashi
ら、Oncogene, 14 2741 (1997))、またオリゴペプチド
[Ac-DEVD-CHO]はカスペース-3、-1、-7の阻害剤として
知られている(D.N. Nicholsonら、Nature 376, 37 (19
95))。このことから、IL-6 は少なくともカスペース-3
の活性化を誘導し、それにより細胞死をもたらしている
ものと考えられる。従って、カスペース-3の上流あるい
は下流に位置するカスペースの阻害剤もIL-6誘導性細胞
死の抑制作用を有する可能性があり、こうした物質もま
たIL-6誘導性細胞死の阻害剤として有用である。
【0031】尚、AffordらによりIL-6がアポトーシスを
誘導することが報告されているが(S.C.Affordら、J.Bio
l.Chem.vol.267,pp.21612-21616(1992))、本実施例にお
いて観察されたIL-6誘導性細胞死は、アポトーシスの様
相(細胞の断片化[apoptoticbodyの形成]および染色体D
NAの断片化[fragmentation])を示さなかった。このこ
とは本実施例において初めて得られた知見である。
【0032】
【発明の効果】本発明により、配列番号1または2のア
ミノ酸配列を含むペプチドを有効成分として含有するIL
-6誘導性細胞死抑制剤が提供される。また本発明によ
り、配列番号1または2のアミノ酸配列を含むペプチド
を用いるin vitroでのIL-6誘導性またはIL-6およびTNF-
α誘導性細胞死の抑制方法が提供される。
【0033】
【配列表】SEQUENCE LISTING <110> Toray Industries, Inc. <120> Drugs capable of inhibiting IL-6-induced-cel
l death and a method for preventing of IL-6-induce
d -cell death. <130> P00-0468 <160> 2 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 4 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Amino acid sequence contained in the synthes
ized oligopeptide capable of inhibiting cytokine-i
nduced-cell death. <400> 1 Asp Met Gln Asp 1 <210> 2 <211> 4 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Amino acid sequence contained in the synthes
ized oligopeptide capable of inhibiting cytokine-i
nduced cell death. <400> 2 Asp Glu Val Asp 1
【0034】
【配列表フリーテキスト】配列番号1:サイトカイン誘
導性細胞死を抑制することのできる合成オリゴペプチド
に含まれるアミノ酸配列。 配列番号2:サイトカイン誘導性細胞死を抑制すること
のできる合成オリゴペプチドに含まれるアミノ酸配列。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト乳癌由来 SK-BR3 細胞を2種のサイトカイ
ン(IL-6およびTNF-α)の存在下でインキュベートした培
地に、オリゴペプチド[Ac-DMQD-CHO]を各種濃度で添加
し、インキュベートした後の生細胞の割合を示す。▲は
IL-6単独(2ng/mL)、●はTNF-α単独(2.5ng/mL)、■はIL
-6(2ng/mL) + TNF-α(2.5ng/mL)、および×は培地のみ
(対照)を添加した場合の結果を示す。 図1A:サイトカインおよび[Ac-DMQD-CHO]無添加の細
胞の生存率を100%として、他の細胞の生存率を%で
示したグラフである。 図1B:各サイトカイン添加・[Ac-DMQD-CHO]無添加の
細胞の生存率を100%として、他の細胞の生存率を%
で示したグラフである。
【図2】図1と同じ実験を、オリゴペプチドとして[Ac-
DMQD-CHO]の代わりに[Ac-DEVD-CHO]を用いて行った場合
の結果を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1または配列番号2のアミノ酸
    配列を含むペプチドを有効成分として含有する、IL-6誘
    導性細胞死抑制剤。
  2. 【請求項2】 炎症性疾患の治療または改善のために使
    用する、請求項1記載のIL-6誘導性細胞死抑制剤。
  3. 【請求項3】 慢性関節リウマチの治療または改善のた
    めに使用する、請求項1記載のIL-6誘導性細胞死抑制
    剤。
  4. 【請求項4】 in vitroにおいて配列番号1または配列
    番号2のアミノ酸配列を含むペプチドを用いる、IL-6
    誘導性細胞死の抑制方法。
  5. 【請求項5】 in vitroにおいて配列番号1または配列
    番号2のアミノ酸配列を含むペプチドを用いる、IL-6お
    よびTNF-α誘導性細胞死の抑制方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007117014A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Nissan Chem Ind Ltd 関節リウマチ症予防のための栄養補助食品

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