JP2002245484A - 行動生成システム及びコンピュータマネキンの行動生成用プログラム - Google Patents

行動生成システム及びコンピュータマネキンの行動生成用プログラム

Info

Publication number
JP2002245484A
JP2002245484A JP2001038317A JP2001038317A JP2002245484A JP 2002245484 A JP2002245484 A JP 2002245484A JP 2001038317 A JP2001038317 A JP 2001038317A JP 2001038317 A JP2001038317 A JP 2001038317A JP 2002245484 A JP2002245484 A JP 2002245484A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
action
computer
mannequin
computer mannequin
command
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001038317A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Hotehama
勝 保手浜
Toshikazu Takemori
利和 竹森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP2001038317A priority Critical patent/JP2002245484A/ja
Publication of JP2002245484A publication Critical patent/JP2002245484A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空間の配置、対象物の特性、コンピュータマ
ネキン(以下、単にマネキンと称す)の特性が変わる毎
に、行動を規定するための同じ入力作業を繰り返し行う
必要のないを汎用性の高い行動生成システムを提供す
る。 【解決手段】 マネキンの対象物に対する動作の概略を
規定した入力データに基づいて、マネキンの当該動作
を、複数種の行為コマンドの中から選択されたコマンド
を時系列で組み合わせて定義する行為選択部2と、行為
コマンドで特定されるマネキンの具体的動作を仮想空間
上で可視化する可視化部8とを備え、複数種の行為コマ
ンドが少なくとも一つの条件判断付きコマンドを含み、
行為選択部2が、選択した行為コマンドの組み合わせの
中に条件判断付きコマンドが含まれている場合、所定の
動作決定ルール6に基づいてマネキンの特性と対象物の
特性との間の関係を判断して条件判断付きコマンドに係
る行為の詳細動作を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人間を形態等の特
性を模擬した仮想人間であるコンピュータマネキンの行
動をコンピュータ上の仮想空間において生成する行動生
成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のコンピュータマネキンの行動生成
システムでは、所定の空間配置や動作の対象となる対象
物に対してコンピュータマネキンの取る目標姿勢を予め
マウス等のコンピュータの入力装置を用いてコンピュー
タ画面上で作成しておき、各目標姿勢間の動作を、例え
ばインバースキネマティクス等の動作合成アルゴリズム
で生成し、別途入力した動作時間でコンピュータマネキ
ンをコンピュータ画面上の仮想空間内で動作させるべく
可視化(アニメーション)を行うという手順が取られて
いた。
【0003】更に、マウス等で目標姿勢を作成する代わ
りに、動作の対象物の名称、位置座標、操作の種類等を
指定して、その対象物に対する動作をコマンド入力する
ことで、その対象物に対する動作が、所定の合成アルゴ
リズムで自動的に生成されるようにした行動生成システ
ムも開発されている。例えば、石井等の「アフォーダン
ス概念に基づく人体モーション合成システムの開発」
(ヒューマンインターフェース学会研究報告集 Vo
l.2 No.3 第73頁〜第78頁)に開示されて
いるものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の行動生成システムでは、前者においては、目標姿勢
の入力操作にかかる作業負担が大きく、また、空間配置
や対象物の位置が変わると再度入力操作を行う必要があ
った。また、後者の行動生成システムにおいては、コマ
ンド入力によってコンピュータマネキンの行動を規定す
る作業負担は軽減されるものの、空間配置や対象物の位
置が変わると新たな空間配置や対象物の位置に適合した
コマンドを入力する必要があった。例えば、コップとい
う対象物を持つという動作でも、コップとコンピュータ
マネキンの位置関係が近ければ、単に手を伸ばす行為で
済むところを、その位置関係が遠ければ、コンピュータ
マネキンが先ず歩いてそのコップに近づいてからコップ
に手を伸ばすという二つの行為が必要となり、夫々別々
のコマンドまたはコマンドの組み合わせで規定する必要
があった。
【0005】更に、上記何れの行動システムにおいても
対象物の状態が判断されないので、例えば、水の入った
重たい鍋は両手で持つ必要があり、空の鍋は片手で持て
る等の判断のための情報が対象物からは得られないの
で、同じ鍋に対する動作であっても、個別に動作を規定
する必要があった。また、コンピュータマネキンの個人
特性を十分に反映して行動が生成されないという問題も
あった。つまり、腕の筋力の強弱等を判断して、対象物
を片手で持つか或いは両手で持つか等の判断ができず、
個人特性の違いに応じて、夫々両手で対象物を持つ行動
と片手で対象物を持つ行動を別々に規定する必要があっ
た。
【0006】要するに、従来の行動生成システムでは、
空間の配置、対象物の特性、コンピュータマネキンの特
性が変わる毎に、各別に行動を規定するための作業が必
要であった。
【0007】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、上記問題点を解消し、空間の
配置、対象物の特性、コンピュータマネキンの特性が変
わる毎に、行動を規定するための同じ入力作業を繰り返
し行う必要のないを汎用性の高い行動生成システムを提
供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明に係る行動生成システムの第一の特徴構成は、
特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、コンピ
ュータマネキンの対象物に対する動作の概略を少なくと
も前記対象物と前記動作の種別を指定して規定した入力
データに基づいて、前記コンピュータマネキンの当該動
作を、複数種の行為コマンドの中から選択されたコマン
ドを時系列で組み合わせて定義する行為選択部と、前記
行為コマンドで特定される前記コンピュータマネキンの
具体的動作をコンピュータ仮想空間上で可視化する可視
化部とを備えてなり、前記複数種の行為コマンドが少な
くとも一つの条件判断付きコマンドを含み、前記行為選
択部が、選択した前記行為コマンドの組み合わせの中に
前記条件判断付きコマンドが含まれている場合、所定の
動作決定ルールに基づいて前記コンピュータマネキンの
特性と前記対象物の特性との間の関係を判断して前記条
件判断付きコマンドに係る行為の詳細動作を決定する点
にある。
【0009】同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項2に記載した如く、上記第一の特徴構成に加え
て、前記条件判断付きコマンドが前記コンピュータマネ
キンの所定部位を前記対象物に向けて移動させる行為を
定義するものであり、前記行為選択部が、前記コンピュ
ータマネキンの特性と前記対象物の特性との間の関係が
前記動作決定ルールの所定の条件を満たした場合、前記
所定部位の移動に加えて、前記コンピュータマネキンの
移動、姿勢変更、または、その両方の詳細動作を付加す
る点にある。
【0010】同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項3に記載した如く、上記第一または第二の特徴
構成に加えて、前記条件判断付きコマンドが前記コンピ
ュータマネキンの所定部位を前記対象物に向けて移動さ
せる行為を定義するものであり、前記所定部位が手であ
って、前記コンピュータマネキンの特性として利き腕情
報が含まれ、前記対象物の特性として把持されるべき手
に関する条件が含まれている点にある。
【0011】同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項4に記載した如く、上記第一、第二または第三
の特徴構成に加えて、前記コンピュータマネキンの特性
として所定部位の筋力情報が含まれ、前記対象物の特性
としてその物の重さに関する情報が含まれている点にあ
る。
【0012】同第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項5に記載した如く、上記第一乃至第四の特徴構
成の何れか一つに加えて、前記コンピュータマネキンの
一連の動作を複数種の行為コマンドの中から選択された
コマンドを時系列で組み合わせて定義した行為ファイル
を一つまたは複数備え、前記行為選択部が、前記入力デ
ータに対応した前記行為ファイルを選択する点にある。
【0013】この目的を達成するための本発明に係るコ
ンピュータマネキンの行動生成用プログラムの第一の特
徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項6に記載した如
く、コンピュータマネキンの対象物に対する動作を、複
数種の行為コマンドの中から選択された行為コマンドを
時系列で組み合わせて定義した行為ファイルに対して、
前記行為ファイルに含まれる前記行為コマンドが、前記
コンピュータマネキンの特性と前記対象物の特性との間
の関係を所定の動作決定ルールに基づいて判断してその
行為の詳細動作が決定される条件判断付きコマンドであ
る場合に、前記動作決定ルールに基づいて、前記コンピ
ュータマネキンの特性を格納した人データベースと前記
対象物の特性を格納した物データベースから前記コンピ
ュータマネキンと前記対象物の所定の特性を夫々読み出
し、前記各所定の特性間における所定の関係を判断し、
その判断結果からその条件判断付きコマンドの行為に係
る詳細動作を決定するための一連の処理を、所定のコン
ピュータ上で実行させるためのプログラムステップを含
む点にある。
【0014】同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項7に記載した如く、上記第一の特徴構成に加え
て、前記条件判断付きコマンドが前記コンピュータマネ
キンの所定部位を前記対象物に向けて移動させる行為を
定義するものであり、前記コンピュータマネキンの特性
と前記対象物の特性との間の関係が前記動作決定ルール
の所定の条件を満たした場合、前記所定部位の移動に加
えて、前記コンピュータマネキンの移動、姿勢変更、ま
たは、その両方の詳細動作が付加される点にある。
【0015】同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項8に記載した如く、上記第一または第二の特徴
構成に加えて、前記条件判断付きコマンドが前記コンピ
ュータマネキンの所定部位を前記対象物に向けて移動さ
せる行為を定義するものであり、前記所定部位が手であ
って、前記コンピュータマネキンの特性として利き腕情
報が含まれ、前記対象物の特性として把持されるべき手
に関する条件が含まれている点にある。
【0016】同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項9に記載した如く、上記第一、第二または第三
の特徴構成に加えて、前記コンピュータマネキンの特性
として筋力情報が含まれ、前記対象物の特性としてその
物の重さが含まれている点にある。
【0017】同第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項10に記載した如く、上記第一乃至第四の特徴
構成の何れか一つに加えて、予め準備された一つまたは
複数の前記行為ファイルの中から、前記コンピュータマ
ネキンの前記対象物に対する動作の概略を少なくとも前
記対象物と前記動作の種別を指定して規定した入力デー
タに対応する行為ファイルを選択する処理を、所定のコ
ンピュータ上で実行させるためのプログラムステップを
含む点にある。
【0018】この目的を達成するための本発明に係るコ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体の特徴構成は、特許
請求の範囲の欄の請求項11に記載した如く、上記第一
乃至第五の特徴構成の何れか一つを備えたコンピュータ
マネキンの行動生成用プログラムを記録した点にある。
【0019】以下に上記特徴構成の作用並びに効果を説
明する。本発明に係る行動生成システムの第一の特徴構
成によれば、コンピュータマネキンの動作の対象となる
対象物とその動作の種別を指定して簡易的に生成可能な
入力データで規定される動作を行為選択部が複数の行為
コマンドを用いて定義し、その定義された行為コマンド
の時系列の組み合わせに基づいて、可視化部がコンピュ
ータマネキンの具体的動作をコンピュータ仮想空間上で
可視化することでアニメーションが生成されるので、コ
ンピュータマネキンの動作を規定する作業が大幅に簡略
化される。更に、複数種の行為コマンドに条件判断付き
コマンドが含まれているので、コンピュータマネキンの
特性と対象物の特性の関係によってコンピュータマネキ
ンが取るべき行動が変化する場合であっても、かかる動
作を一つの行為コマンドで定義できるため、コンピュー
タマネキンの動作を規定する作業が大幅に簡略化され
る。
【0020】例えば、コップを取るという動作につい
て、対象物であるコップとコンピュータマネキンの間の
距離によっては、直接手を伸ばして取るところを、その
距離が離れていればコンピュータマネキンがコップの方
に歩いて所定距離まで近づいてから手を伸ばすという複
数の詳細動作となる場合において、従来は、コップとコ
ンピュータマネキンの間の距離が違えば、別々の動作記
述が必要であったところが、条件判断付きコマンドを用
いると一つの動作記述(行為コマンド)で複数の条件に
対応できるわけである。また、他の例として、コップ等
の容器に水等の液体が入っているか否かの状況が対象物
の特性として与えられ、筋力レベルがコンピュータマネ
キンの特性として与えられている場合、空の容器であれ
ば片手で持つところ、水の入った容器は筋力の弱い子供
等のコンピュータマネキンでは両手で持つ等、一つの条
件判断付きコマンドを用いてコンピュータマネキンの特
性と対象物の特性との間の条件によって取るべき動作を
変化させることができる。
【0021】この結果、空間の配置、対象物の特性、コ
ンピュータマネキンの特性が変わる毎に、行動を規定す
るための同じ入力作業を繰り返し行う必要のないを汎用
性の高い行動生成システムを提供することができる。
【0022】同第二の特徴構成によれば、ある所定の動
作が、コンピュータマネキンの特性と対象物の特性との
間の条件によって、単にその所定部位を対象物に向けて
移動させるだけの動作だけでは目的動作が完結しない場
合に、その目的動作を完結するのに必要な補足動作とし
てコンピュータマネキンの移動、姿勢変更、または、そ
の両方の詳細動作が付加されるので、コンピュータマネ
キンの特性と対象物の特性との間の関係によらず、一つ
の条件判断付きコマンドで所定の行動を完結させること
ができる。上記第一の特徴構成の説明で例示した最初の
ケースが本特徴構成の説明にも相当する。ここで、移動
と姿勢変更が補足動作として含まれることで、上記例題
のように距離が離れている場合には対象物に対して歩い
て近づくことができ、対象物がコンピュータマネキンの
後ろ側にある場合は、体を回転させたり腰を捻ったりし
て対象物を取ることができ、実際の人の動作に近い複合
動作を一つの行為コマンドで実行できる。
【0023】同第三の特徴構成によれば、ある対象物を
掴むという作業に対して、先ず手をその対象物に向けて
移動させる場合に、左右どちらの手を移動させるかの判
断が自動的になされるので、コンピュータマネキンの利
き腕や対象物の持ち方の特性(例えば、利き手で持つ必
要があるとか、両手で持つ必要がある等)によって夫々
個別に動作を定義する必要がなく、同じ行為コマンドで
定義される動作を、利き腕の違うコンピュータマネキン
にも利用できる。この結果、コンピュータマネキンの動
作を規定する作業が更に簡略化される。
【0024】同第四の特徴構成によれば、ある対象物を
持つという動作を含む作業に対して、対象物の重さや質
量に応じて、コンピュータマネキンの筋力レベルを斟酌
して、片手で持つところを両手で持ったり、或いは、手
を伸ばして持つところを対象物に近づいてあまり手を伸
ばさずに持つ等の複数の異なる動作を、一つの行為コマ
ンドで定義することができる。この結果、コンピュータ
マネキンの動作を規定する作業が更に簡略化される。
【0025】同第五の特徴構成によれば、ある入力デー
タで特定される作業動作を定義した行為ファイルを、同
じ入力データか或いはコンピュータマネキンか対象物が
変化しても同じ作業動作となる場合に、行為選択部がそ
の入力データで特定される行動を行為コマンドの時系列
の組み合わせによる定義を再度行う必要がなく既存の行
為ファイルを使用することができる。例えば、冷蔵庫か
ら缶を取り出すという作業の場合に、コンピュータマネ
キンが男性から女性に、或いは、大人から子供に変わっ
ても、具体的な詳細動作が変化する可能性はあるもの
の、冷蔵庫から缶を取り出すという作業自体に変化はな
く、また、条件判断付きコマンドを使用しているため、
コンピュータマネキンの特性と対象物の特性との間の関
係が判断され、コンピュータマネキンの違いに対応でき
るので、同じ行為ファイルが使用できる。つまり、行為
ファイルの作成量を削減でき、処理時間の削減が図れ
る。また、一旦行為ファイルを作成すると、対象物が近
似している場合は、行為ファイルを編集するだけで、簡
単に行動生成できる。
【0026】本発明に係るコンピュータマネキンの行動
生成用プログラムの第一乃至第五の特徴構成によれば、
その行動生成用プログラムを所定のコンピュータにイン
ストールすることで、上記第一乃至第五の特徴構成の行
動生成システムを当該コンピュータ上で実現することが
できる。
【0027】更に、本発明に係るコンピュータ読み取り
可能な記録媒体の特徴構成によれば、上記第一乃至第五
の特徴構成のコンピュータマネキンの行動生成用プログ
ラムが所定のコンピュータが読み取り可能な状態で記録
されているので、当該コンピュータにそのプログラムを
インストール可能であり、上記第一乃至第五の特徴構成
の行動生成システムを当該コンピュータ上で実現するこ
とができる。また、本発明に係るコンピュータ読み取り
可能な記録媒体が直接当該コンピュータからアクセス可
能である場合は、そのまま上記第一乃至第五の特徴構成
のコンピュータマネキンの行動生成用プログラムが実行
可能であり、同様に上記第一乃至第五の特徴構成の行動
生成システムを当該コンピュータ上で実現することがで
きる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明に係る行動生成システム
(以下、適宜「本発明システム」という。)の実施の形
態を、図面に基づいて説明する。
【0029】本発明システムは、コンピュータのソフト
ウェア処理によって、人の作業動作を簡易な操作及び形
式で記述した入力データに基づいて、コンピュータ上の
仮想人間であるコンピュータマネキンにその作業動作を
模擬させるべく、その作業動作を複数の行為に分解し
て、各行為の動作を所定の合成アルゴリズムによって合
成して、つまり、コンピュータマネキンの行動を生成
し、コンピュータ画面上の仮想空間内に可視化するため
の行動生成システムであって、図1に示すように、作業
記述部1、行為選択部2、一つまたは複数の行為ファイ
ル3、人データベース4、物データベース5、動作決定
ルール6、姿勢データベース7、及び、可視化部8の各
部で構成されている。
【0030】尚、本発明システムは、従来の技術の項で
説明した既存のコンピュータマネキンの行動生成システ
ム(コンピュータマネキンの取る目標姿勢を予めマウス
等のコンピュータの入力装置を用いてコンピュータ画面
上で作成しておき、各目標姿勢間の動作を、例えばイン
バースキネマティクス等の動作合成アルゴリズムで生成
し、別途入力した動作時間でコンピュータマネキンをコ
ンピュータ画面上の仮想空間内で動作させるべく可視化
(アニメーション)を行う)をベースに、作業動作入力
の簡易化、それを実現するための行為コマンド、特に条
件判断付き行為コマンドの導入を図り、行為コマンドの
実行に必要な人データベース4、物データベース5、動
作決定ルール6等を新たに構成している。
【0031】作業記述部1は、コンピュータマネキンに
させる作業動作を入力する入力手段である。機能として
は、作業記述用のGUI(グラフィカルユーザインター
フェース)をコンピュータ画面上に提供し、オペレータ
のマウス操作やキー入力操作等により「ヒューマン」、
「場所」、「目標物」、「目的」が順に指定されると、
一連の作業動作を自動的に定義して、コンピュータマネ
キンの対象物に対する動作の概略を規定した入力データ
を生成する。
【0032】ここで、「ヒューマン」はコンピュータマ
ネキンの名称を指定するもので、具体的には、フィギュ
アファイル名を指定する。コンピュータマネキンの「目
的」は、コンピュータマネキンにさせる作業動作の種別
を規定するものであり、「目標物」は、指定された目的
で特定される動作の直接の対象物である。また、「場
所」は、指定された目的で特定される動作を、指定され
た目標物に対して行う「場所」であり、当該目的動作に
付随する一連の動作に含まれる行為において、直接の対
象物となる場合がある。例えば、「場所」が「冷蔵庫の
上段」であり、「目的」が「取り出す」である場合に、
「取り出す」という目的動作に付随する後述する各種行
為の対象物が「冷蔵庫の上扉」であることが、「場所」
によって定義づけられる。従って、コンピュータマネキ
ンの動作の対象となる対象物として、「目標物」と「場
所」が指定される。
【0033】尚、指定された「ヒューマン」、「場所」
の特性を人データベース4、物データベース5から参照
し、図2に示すように、指定されたヒューマンが持って
いる物、及び、指定された場所にある物を「目標物」の
候補として自動的にリストアップするように構成され、
「目標物」の指定の簡易化が図られている。更に、図2
に示すように、「目的」の指定も、指定された目標物の
特性の一つとして設定されているアフォード動作を物デ
ータベース5から参照し、その目標物に適した「目的」
動作を自動的にリストアップするように構成され、「目
的」の指定の簡易化が図られている。ここで、アフォー
ドとはJ.ギブソンが提唱した認知科学や人工知能分野
で注目されているアフォーダンス理論(知覚理論)にお
ける概念で、物体がその物体に作用する主体に対して行
為を引き出すことを意味している。
【0034】行為選択部2は、作業記述部1で生成され
た入力データの「目的」で特定される動作を、以下に示
す5種類の「行為」の中から選択された複数の「行為」
を組み合わせて定義する。ここで、5種類の「行為」
は、「Reach」、「握る」、「移動」、「離す」、
「姿勢」、という五つの行為コマンドを用いて選択され
る。以下、各行為コマンドについて説明する。
【0035】先ず、入力データの「目標物」で直接的に
指定された対象物或いは入力データの「場所」で間接的
に指定された対象物が、各行為コマンドで特定される行
為の対象物となる。
【0036】「Reach」コマンドは、入力データの
「ヒューマン」で指定されたコンピュータマネキンの所
定部位を対象物に向けて移動させる行為で、本実施形態
では所定部位である「手」を対象物に届くように伸ばす
等の移動させる行為を実行する。また、「Reach」
コマンドは、コンピュータマネキンの特性と対象物の特
性との間の関係によって行為の詳細動作が変化する条件
判断付きコマンドであるため、行為選択部2は、動作決
定ルール6を参照して、コンピュータマネキンの特性と
対象物の特性との間の関係を判断して、「Reach」
行為の詳細動作を決定する。以下、その処理手順及び動
作決定ルール6について説明する。
【0037】先ず、使用できる手の判断を動作決定ルー
ル6の以下の持ち方判定基準に基づいて決定する。具体
的には、人データベース4からコンピュータマネキンの
利き腕情報を読み出すとともに、物データベース5か
ら、「Reach」行為の対象物と現在少なくとも左右
何れかの手に何か物を持っている場合にはその把持物の
特性(持ち方の制約)を読み出す。次に、図3に示す持
ち方判定表に従い、現在の手の状況(何も持っていない
(free)、利き手で持っている、逆手で持ってい
る、両手で持っている)と対象物の持ち方の制約に基づ
いて、対象物の持ち方、または、必要な準備動作を決定
する。準備動作として、「置くor持ち替えるor離
す」が選択された場合であって、把持物の持ち方の制約
が、利き手のみで且つ軌道規則がない場合は「置く」動
作を、どちらの手でもよく且つ軌道規則がない場合は
「持ち替える」を、そして、軌道規則がある場合は「離
す」動作を、夫々準備動作とする。
【0038】上記要領で決定された準備動作が、「置
く」の場合はエラーメッセージを表示しプログラムを終
了する。また、「持ち替える」の場合は、例えば、右手
から左手に持ち替える場合は、把持物と左手をコンピュ
ータマネキンの背中のサイトから所定距離オフセットし
た位置まで移動(後述する行為コマンドの一つ)させ
る。このとき背中のサイトから所定距離オフセットした
位置には仮想物体(座標系のみ存在して見えない物体)
を用意しておき、その仮想物体に対して左手を移動させ
る。次に左手を握り(後述する行為コマンドの一つ)、
右手を離す(後述する行為コマンドの一つ)という動作
を実行する。また「離す」の場合は、単に把持物を持っ
ている方の手を離す。
【0039】上記持ち方判定及び準備動作の決定が終わ
ると、コンピュータマネキンの移動または姿勢変更の有
無の判断及び姿勢変更の内容を、動作決定ルール6の以
下の移動・姿勢変更判定基準に基づいて決定する。以下
の判定で使用するコンピュータマネキンの特性及び対象
物の特性は人データベース4と物データベース5から夫
々予め或いは適時に読み出される。
【0040】先ず、対象物の特性の一つである移動可能
性が否の場合、例えば、対象物が冷蔵庫等の一般に固定
状態の重量物である場合(但し、冷蔵庫を移動させる作
業の場合では移動可能性は可となる)について説明す
る。対象物の特性の一つである立ち位置サイトのグロー
バルXY座標が、コンピュータマネキンの特性の一つで
ある重心サイトのグローバルXY座標と一致していない
場合は、当該座標が一致するまでコンピュータマネキン
を移動し、一致している場合は当該移動を行わない。こ
こで、グローバルとは仮想空間内の絶対座標であり、X
Yは仮想空間内の水平面内の位置座標であり、Zは垂直
方向の座標つまり高さである。更に、対象物の特性の一
つである握り点Z座標がコンピュータマネキンの特性の
一つである腰サイトZ座標より大きければ姿勢変更を行
わず、前記握り点Z座標がマネキンの特性の一つである
膝サイトZ座標より大きく、前記腰サイトZ座標以下で
あれば、コンピュータマネキンの背中を10°曲げる姿
勢変更を決定し、前記握り点Z座標が膝サイトZ座標以
下であれば、コンピュータマネキンの背中を90°曲げ
るとともに腰高さを起立時より6分の1下げる姿勢変更
を決定する。
【0041】次に、対象物の特性の一つである移動可能
性が可の場合、例えば、対象物がコップ、鍋、缶等の可
搬物である場合について説明する。先ず、図4に示す移
動・姿勢判定表を参照して、移動・姿勢変更の有無及び
姿勢変更内容を決定する。図4の縦軸は対象物の握り点
とコンピュータマネキンの身体部位との高さ位置関係を
示し、横軸は対象物の握り点までの距離とコンピュータ
マネキンの腕の長さとの関係を示している。また、表中
の数字は、姿勢変更がある場合の内容を示しており、上
段が背中の曲げ角度で、下段が起立時の腰高さを1とし
た時の腰高さの変更割合を示す負号は腰高さを下げる場
合、正号は腰高さを上げる場合を意味している。
【0042】また、図4に示す移動・姿勢判定表の腕の
長さは、肩口から掌までの長さを掌サイトと肘サイトの
差で求まる長さと肩サイトと肘サイトの差で求まる長さ
の和に対して、図5に示す腕の長さ補正係数mを乗じて
求める。図5において、筋力レベルは腕の筋力レベルを
意味し、コンピュータマネキンの特性の一つである。ま
た、質量は対象物の特性の一つである。
【0043】この補正係数mを導入することで、筋力の
強いコンピュータマネキンが手を伸ばして掴む物でも、
筋力の弱いコンピュータマネキンは一度移動して対象物
に近づいてから対象物を掴むというように、筋力レベル
に応じた動作の変化が現れる。また、対象物が軽けれ
ば、コンピュータマネキンが手を伸ばして掴む物でも、
対象物が重ければ、コンピュータマネキンは一度移動し
て対象物に近づいてから対象物を掴むというように、対
象物の重さ(質量)に応じた動作の変化が現れる。更
に、対象物が重くても筋力が強ければ手を伸ばすだけの
動作が、対象物が重くなくても筋力が弱ければコンピュ
ータマネキンは一度移動して対象物に近づいてから対象
物を掴むというように、対象物の重さ(質量)とコンピ
ュータマネキンの筋力レベルとの相対的な関係で動作の
変化が現れる。
【0044】ここで、移動・姿勢判定表による判定結果
が「移動」である場合、対象物との距離が腕の長さの半
分になるまでコンピュータマネキンを移動する。そし
て、対象物の握り点Z座標がコンピュータマネキンの腰
サイトZ座標より大きければ姿勢変更は行わない。ま
た、前記握り点Z座標がコンピュータマネキンの膝サイ
トZ座標より大きく且つコンピュータマネキンの腰サイ
トZ座標以下の場合は、コンピュータマネキンの背中を
10°曲げる姿勢変更を決定し、前記握り点Z座標が膝
サイトZ座標以下であれば、コンピュータマネキンの背
中を90°曲げるとともに腰高さを起立時より6分の1
下げる姿勢変更を決定する。更に、移動・姿勢判定表に
よる判定結果が「姿勢変更」有りの場合は、コンピュー
タマネキンの移動は行わずに表中の姿勢変更の内容に従
い、判定結果が「変更無し」の場合は移動も姿勢変更も
行わない。
【0045】姿勢変更の内容としては、背中の曲げと腰
高さの変更に加えて、腰の捻りと体全体の回転があり、
右手の場合は図6に示す捻りの有無の判定図に基づいて
姿勢変更有無及び変更内容(腰の捻りまたは体全体の回
転角度)を決定する。具体的には、コンピュータマネキ
ンの重心サイトを基準にコンピュータマネキンの正面方
向を0°として右回転を正方向、左回転を負方向として
対象物の握り点までの必要回転角度に基づいて、姿勢変
更有無及び変更内容が決定される。以下、右手の場合に
ついて説明する。左手の場合は極性が正負反転する。
【0046】先ず、コンピュータマネキンのXYグロー
バル座標及び方向と対象物のXYグローバル座標から必
要回転角度を算出する。この必要回転角度が−45°よ
り大きく90°以下の場合は、捻り及び体全体の回転は
行わない。必要回転角度が90°より大きく135°以
下の場合は、(必要回転角度−90°)だけ腰を捻る。
つまり、必要回転角度が90°になるように腰を捻るこ
とになる。必要回転角度が−90°より大きく−45°
以下の場合は、(必要回転角度+45°)だけ腰を捻
る。つまり、必要回転角度が−45°になるように腰を
捻ることになる。必要回転角度が−180°より大きく
−90°以下の場合は、(必要回転角度+45°)だけ
体全体を回転させるとともに、腰を左に45°捻る。つ
まり、必要回転角度が−45°になるように体全体を回
転させ腰を捻ることになる。必要回転角度が135°よ
り大きく180°以下の場合は、(必要回転角度−90
°)だけ体全体を回転させるとともに、腰を右に90°
捻る。つまり、必要回転角度が90°になるように体全
体を回転させ腰を捻ることになる。
【0047】以上、「Reach」コマンド及びその条
件判断に用いられる動作決定ルール6の説明を行った
が、「Reach」コマンド以外の四つの行為コマンド
は条件判断を伴わないコマンドであり、「握る」以下の
四つの行為では動作決定ルール6は使用されない。
【0048】「握る」コマンドは、「Reach」コマ
ンドで対象物に届いた手で対象物を把持する行為を実行
する。具体的には、対象物の特性の一つである対象物の
握り方と関連付けられた手の形を変更する。次に、対象
物の特性の有する一変数で、手に持たれているか否かを
示す把持オブジェクト変数を把持状態に設定する。尚、
手の形は、後述する姿勢データベース7に登録されてあ
り、対象物の握り方で検索可能となっている。
【0049】「移動」コマンドは、「握る」コマンドで
把持した対象物を移動する行為を実行する。実際には、
対象物を移動させることで、その対象物を把持する手
を、対象物の移動軌跡に沿って同時に移動させ、あたか
もコンピュータマネキンの手が対象物を把持しながら移
動させているように見せる。具体的には、対象物を把持
する手とその対象物との間の連結に係る拘束条件をオン
にする。これにより手が対象物に追従して移動すること
になる。次に、対象物の位置変更、或いは、対象物のジ
ョイント角度の変更(例えば、冷蔵庫の扉等の場合)を
行い、前記連結の拘束条件をオフにする。
【0050】「離す」コマンドは、「握る」コマンドに
よってコンピュータマネキンの手が把持した対象物を解
放する行為を実行する。具体的には、手の形を「握る」
コマンド実行前のものに変更し、把持オブジェクト変数
を解放状態に設定する。
【0051】「姿勢」コマンドは、コンピュータマネキ
ンの姿勢を変更する行為を実行する。具体的には、コン
ピュータマネキンの全ての拘束条件をオフにし、姿勢を
所定の姿勢名のものに変更し、全ての拘束条件をオンに
する。このコマンドは、他の行為コマンドではコンピュ
ータマネキンの動作が決定できない場合や、中間姿勢を
指定する場合等に使用する。尚、姿勢名と姿勢ファイル
との関連は後述する姿勢データベース7に登録されてあ
り、姿勢名で検索可能となっている。
【0052】行為選択部2は、作業記述部1で生成され
た入力データで特定される動作を、上述した五つの行為
コマンドを用いて定義し、行為ファイル3として本発明
システムに付属する所定の記憶装置内に保存する。行為
ファイル3を構成するデータ項目として、入力データで
特定される目的動作、場所、目標物の他、時系列に並べ
られた各行為コマンドについて、実行順序を示す番号、
行為コマンド名、各行為の動作対象となる対象物(一般
には場所または目標物の何れか)、行為所要時間を夫々
一組にして入力される。尚、「Reach」コマンドの
行為所要時間は、準備動作、歩行、姿勢作成に分割して
指定する。また、所要時間に代えて速度を指定するよう
にしても構わない。
【0053】このように生成された行為ファイル3を順
次前記記憶装置内に蓄積することで、登録済みの行為フ
ァイル3に合致する入力データが作業記述部1で生成さ
れた場合に、行為選択部2は当該行為ファイル3を読み
出して、その行為ファイル中の各行為コマンドを逐次実
行すれば良く、シミュレーション時間の低減が図られ
る。
【0054】人データベース4は、行為選択部2の処理
において必要なコンピュータマネキンの特性に関するデ
ータを定義する。人データベース4を構成するデータ項
目は、例えば、名称、各人体部位の寸法(身長、手足の
長さ等)、各人体部位の位置(重心等)筋力レベル、利
き腕(利き手)等である。名称は入力データのヒューマ
ンで指定されたコンピュータマネキンの名称に対応し、
フィギュアファイル名を指定する。筋力レベルは、コン
ピュータマネキンの腕の筋力レベルを規定するもので、
本実施形態の場合は、例えば弱い、普通、強いの三段階
で規定し、夫々に数字の1,2,3が割り当てられてい
る。利き腕は、コンピュータマネキンの利き腕が左右何
れであるかを指定するもので、本実施形態の場合は、右
に0、左に1を割り当てている。
【0055】物データベース5は、行為選択部2の処理
において必要な対象物(目標物、場所)の特性に関する
データを定義する。物データベース5を構成するデータ
項目は、例えば、名称、位置、置く可能性、質量、軌道
規則、持ち方、移動可能性、握り方、状況等である。
【0056】名称は目標物や場所で指定される対象物の
フィギュアファイル名を指定する。位置は、対象物のど
の面が下面かを指定する接地面、接触点(握り点)、立
ち位置等の位置関係を指定する。置く可能性は、その対
象物がどこかに置かれる可能性の有無を指定する。軌道
規則はその対象物が移動する時の軌道規則の有無を指定
する。持ち方はその対象物が左右何れの手で持つべきか
を指定する。例えば、どちらの手でも構わない場合は
0、利き手に限定される場合は1、逆手に限定される場
合は2、両手に限定される場合は3のように四通りに区
分する。更に、右手或いは左手に限定する場合を加えて
も構わない。移動可能性はその対象物が移動可能か否か
を指定する。握り方はその対象物の握り方を定義するも
ので、その対象物を把持するときの手の形を表すデータ
を姿勢データベース7から検索可能な握り方名を指定す
る。状況は対象物の状態を表すもので対象物に応じて設
定される。例えば、対象物がコップの場合では液体の有
無、また、対象物が冷蔵庫の場合では扉の開閉状態等が
設定できる。
【0057】更に、物データベース5は、オプションと
して対象物がアフォードする動作を設定できる。例え
ば、缶の場合に「取り出す」等を指定すると、作業記述
部1で「目標物」に缶が指定されると、「目的」の候補
として「取り出す」がリストアップされる。また、上記
以外にもアフォード動作を設定することで、動作の記述
の簡易化が図れる。
【0058】姿勢データベース7は、行為選択部2の処
理において利用される、握り方名と手の形との関連、及
び、姿勢名と姿勢ファイルとの関連を定義する。
【0059】可視化部8は行為選択部2で定義された一
連の動作のアニメーションを作成する。つまり、作業記
述部1で指定されたコンピュータマネキンの動作を、行
為選択部2で定義された行為コマンドの時系列の組み合
わせに従って、或いは、登録された行為ファイル3に記
述されている行為コマンドの時系列の組み合わせに従っ
て、具体的な動作動作を所定の合成アルゴリズムによっ
て合成してコンピュータ画面上の仮想空間内に表示させ
る。具体的な動作の合成処理は既存の行動生成システム
の機能を使用するので、詳細な説明は割愛する。
【0060】可視化部8は、アニメーションを作成する
前に各行為の所要時間を指定するように構成されてお
り、指定された行為所要時間に基づいてアニメーション
を作成する。そこで、可視化部8は、各行為の所要時間
を入力可能なGUIをコンピュータ画面上に提供し、オ
ペレータのマウス操作やキー入力操作等によって行為コ
マンド毎に動作時間を入力することができる。尚、「R
each」コマンドの場合は、準備動作、歩行、姿勢作
成に分割した所要時間を入力可能なサブウィンドウが提
供される。ここで、GUI上で次の行為コマンドに移行
する移行ボタンを選択する毎に各行為コマンドのアニメ
ーションの作成・登録を実行し、全ての行為コマンドに
対して所要時間の入力が終了すると、上述の行為ファイ
ル3の行為所要時間が充足されて行為ファイル3の登録
も完了する。
【0061】本発明システムは、ハードウェアとして
は、高解像度モニタを備えた3次元コンピュータグラフ
ィックス描画機能の有するコンピュータシステム上で動
作する。人データベース4、物データベース5、動作決
定ルール6、姿勢データベース7は、本発明システムに
付属する所定の記憶装置に格納されている。ソフトウェ
アとしては、ベースに一般的なOS(オペレーティング
システム)とベースとなる行動生成システム及び動作合
成アルゴリズムが存在し、作業記述部1、行為選択部
2、可視化部8が上記コンピュータ上でソフトウェア処
理によって実現される。具体的には、上記で説明した各
部1,2,8の処理を、人データベース4、物データベ
ース5、動作決定ルール6、姿勢データベース7等を必
要に応じて読み書きしながら実行する本発明に係るコン
ピュータマネキン用の行動生成用プログラムの各処理に
対応するプログラムステップが、上記コンピュータによ
って適時実行されることで、作業記述部1、行為選択部
2、可視化部8が構成される。
【0062】また、上記本発明に係るコンピュータマネ
キン用の行動生成用プログラムは、CD−ROM等のコ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体やインターネット等
のデータ伝送媒体を介して、本発明システムをハードウ
ェア的に構成するコンピュータがアクセス可能な記録装
置内にインストールされて実用に供される。具体的に
は、インストールされた当該プログラムが当該記憶装置
からコンピュータが実行可能な主記憶上へ読み込まれて
実行される。
【0063】次に、本発明システムを使用して、冷蔵庫
の上段(場所)から缶(目標物)を取り出す(目的)と
いう作業について、行為選択部2で定義された行為コマ
ンドの時系列の組み合わせ、及び、それに対応する可視
化部8で生成されたアニメーションの一部を図7及び図
8に示す。図7の各行為コマンド、図8の各行為コマン
ドは夫々一対一に対応している。但し、図8では、各行
為コマンドにおける動作の一こまが示されているだけ
で、実際は連続した動画像である。尚、図8に示すコン
ピュータマネキンのフィギュアは図示のために簡略化し
て表示しているが実際は人の身体により近いものが表示
される。
【0064】以下に別実施形態を説明する。 〈1〉作業記述部1は、必ずしも本発明システムの本体
に設けられる必要はない。入力データを別途作成し、入
力データファイルとして本発明システムに提供されてい
るものを一つまたは複数選択するようにしても構わな
い。また、入力データも上記実施形態のものに限定され
るものではない。
【0065】〈2〉行為選択部2で定義する行為コマン
ドは本実施形態の5種類のものに限定されるものではな
い。また、「Reach」コマンド以外に条件判断付き
コマンドを設定しても構わない。「Reach」コマン
ドで使用した動作決定ルール6や図3〜図6に示す各種
判定表等は、上記実施形態の基準に限定されるものでは
なく、適宜変更可能である。また、上記した以外の判定
基準を採用しても構わない。
【0066】〈3〉コンピュータマネキンの特性及び対
象物の特性は、全てが人データベース4と物データベー
ス5に格納されている必要はない。一部の特性を作業入
力時に指定したり、人データベース4と物データベース
5に格納されているデフォールト値を変更するようにし
ても構わない。また、コンピュータマネキンの特性及び
対象物の特性は、上記実施形態で例示したものに限定さ
れるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る行動生成システムの一実施形態を
示すブロック構成図
【図2】作業記述用の入力データの入力項目を説明する
説明図
【図3】動作決定ルールの一部を構成する持ち方判定表
【図4】動作決定ルールの一部を構成する移動・姿勢判
定表
【図5】移動・姿勢判定表における腕の長さ算出に使用
する補正係数mと、コンピュータマネキンの筋力レベル
及び対象物の質量との関係を示す表
【図6】動作決定ルールの一部を構成する捻り・体全体
の回転の有無及び変更内容を説明する判定図
【図7】行為選択部で定義された行為コマンドの時系列
の組み合わせの一実施例を示す流れ図
【図8】図7に示す各行為コマンドに対応するアニメー
ションの一こまを各別に示すコンピュータ画面例を模式
的に示す説明図
【符号の説明】
1: 作業記述部 2: 行為選択部 3: 行為ファイル 4: 人データベース 5: 物データベース 6: 動作決定ルール 7: 姿勢データベース 8: 可視化部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータマネキンの対象物に対する
    動作の概略を少なくとも前記対象物と前記動作の種別を
    指定して規定した入力データに基づいて、前記コンピュ
    ータマネキンの当該動作を、複数種の行為コマンドの中
    から選択されたコマンドを時系列で組み合わせて定義す
    る行為選択部と、 前記行為コマンドで特定される前記コンピュータマネキ
    ンの具体的動作をコンピュータ仮想空間上で可視化する
    可視化部と、を備えてなり、 前記複数種の行為コマンドが少なくとも一つの条件判断
    付きコマンドを含み、 前記行為選択部が、選択した前記行為コマンドの組み合
    わせの中に前記条件判断付きコマンドが含まれている場
    合、所定の動作決定ルールに基づいて前記コンピュータ
    マネキンの特性と前記対象物の特性との間の関係を判断
    して前記条件判断付きコマンドに係る行為の詳細動作を
    決定することを特徴とする行動生成システム。
  2. 【請求項2】 前記条件判断付きコマンドが前記コンピ
    ュータマネキンの所定部位を前記対象物に向けて移動さ
    せる行為を定義するものであり、 前記行為選択部が、前記コンピュータマネキンの特性と
    前記対象物の特性との間の関係が前記動作決定ルールの
    所定の条件を満たした場合、前記所定部位の移動に加え
    て、前記コンピュータマネキンの移動、姿勢変更、また
    は、その両方の詳細動作を付加することを特徴とする請
    求項1記載の行動生成システム。
  3. 【請求項3】 前記条件判断付きコマンドが前記コンピ
    ュータマネキンの所定部位を前記対象物に向けて移動さ
    せる行為を定義するものであり、 前記所定部位が手であって、前記コンピュータマネキン
    の特性として利き腕情報が含まれ、前記対象物の特性と
    してその対象物を把持する手に関する条件が含まれてい
    ることを特徴とする請求項1または2記載の行動生成シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 前記コンピュータマネキンの特性として
    所定部位の筋力情報が含まれ、前記対象物の特性として
    その物の重さに関する情報が含まれていることを特徴と
    する請求項1、2または3記載の行動生成システム。
  5. 【請求項5】 前記コンピュータマネキンの一連の動作
    を複数種の行為コマンドの中から選択されたコマンドを
    時系列で組み合わせて定義した行為ファイルを一つまた
    は複数備え、 前記行為選択部が、前記入力データに対応した前記行為
    ファイルを選択することを特徴とする請求項1〜4の何
    れか1項に記載の行動生成システム。
  6. 【請求項6】 コンピュータマネキンの対象物に対する
    動作を、複数種の行為コマンドの中から選択された行為
    コマンドを時系列で組み合わせて定義した行為ファイル
    に対して、 前記行為ファイルに含まれる前記行為コマンドが、前記
    コンピュータマネキンの特性と前記対象物の特性との間
    の関係を所定の動作決定ルールに基づいて判断してその
    行為の詳細動作が決定される条件判断付きコマンドであ
    る場合に、 前記動作決定ルールに基づいて、前記コンピュータマネ
    キンの特性を格納した人データベースと前記対象物の特
    性を格納した物データベースから前記コンピュータマネ
    キンと前記対象物の所定の特性を夫々読み出し、前記各
    所定の特性間における所定の関係を判断し、その判断結
    果からその条件判断付きコマンドの行為に係る詳細動作
    を決定するための一連の処理を、所定のコンピュータ上
    で実行させるためのプログラムステップを含むコンピュ
    ータマネキンの行動生成用プログラム。
  7. 【請求項7】 前記条件判断付きコマンドが前記コンピ
    ュータマネキンの所定部位を前記対象物に向けて移動さ
    せる行為を定義するものであり、 前記コンピュータマネキンの特性と前記対象物の特性と
    の間の関係が前記動作決定ルールの所定の条件を満たし
    た場合、前記所定部位の移動に加えて、前記コンピュー
    タマネキンの移動、姿勢変更、または、その両方の詳細
    動作が付加されることを特徴とする請求項6記載のコン
    ピュータマネキンの行動生成用プログラム。
  8. 【請求項8】 前記条件判断付きコマンドが前記コンピ
    ュータマネキンの所定部位を前記対象物に向けて移動さ
    せる行為を定義するものであり、 前記所定部位が手であって、前記コンピュータマネキン
    の特性として利き腕情報が含まれ、前記対象物の特性と
    して把持されるべき手に関する条件が含まれていること
    を特徴とする請求項6または7記載のコンピュータマネ
    キンの行動生成用プログラム。
  9. 【請求項9】 前記コンピュータマネキンの特性として
    筋力情報が含まれ、前記対象物の特性としてその物の重
    さが含まれていることを特徴とする請求項6、7または
    8記載のコンピュータマネキンの行動生成用プログラ
    ム。
  10. 【請求項10】 予め準備された一つまたは複数の前記
    行為ファイルの中から、前記コンピュータマネキンの前
    記対象物に対する動作の概略を少なくとも前記対象物と
    前記動作の種別を指定して規定した入力データに対応す
    る前記行為ファイルを選択する処理を、所定のコンピュ
    ータ上で実行させるためのプログラムステップを含むこ
    とを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載のコン
    ピュータマネキンの行動生成用プログラム。
  11. 【請求項11】 請求項6から10の何れか1項に記載
    のコンピュータマネキンの行動生成用プログラムを記録
    したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
JP2001038317A 2001-02-15 2001-02-15 行動生成システム及びコンピュータマネキンの行動生成用プログラム Pending JP2002245484A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001038317A JP2002245484A (ja) 2001-02-15 2001-02-15 行動生成システム及びコンピュータマネキンの行動生成用プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001038317A JP2002245484A (ja) 2001-02-15 2001-02-15 行動生成システム及びコンピュータマネキンの行動生成用プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002245484A true JP2002245484A (ja) 2002-08-30

Family

ID=18901318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001038317A Pending JP2002245484A (ja) 2001-02-15 2001-02-15 行動生成システム及びコンピュータマネキンの行動生成用プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002245484A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007216381A (ja) * 2004-07-13 2007-08-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd ロボット
US9598787B2 (en) 2013-03-14 2017-03-21 Rohm And Haas Electronic Materials Llc Method of filling through-holes
JP2018028809A (ja) * 2016-08-18 2018-02-22 株式会社カプコン ゲームプログラムおよびゲームシステム
US10512174B2 (en) 2016-02-15 2019-12-17 Rohm And Haas Electronic Materials Llc Method of filling through-holes to reduce voids and other defects
US10508357B2 (en) 2016-02-15 2019-12-17 Rohm And Haas Electronic Materials Llc Method of filling through-holes to reduce voids and other defects

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007216381A (ja) * 2004-07-13 2007-08-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd ロボット
JP4646943B2 (ja) * 2004-07-13 2011-03-09 パナソニック株式会社 ロボット
US9598787B2 (en) 2013-03-14 2017-03-21 Rohm And Haas Electronic Materials Llc Method of filling through-holes
US10512174B2 (en) 2016-02-15 2019-12-17 Rohm And Haas Electronic Materials Llc Method of filling through-holes to reduce voids and other defects
US10508357B2 (en) 2016-02-15 2019-12-17 Rohm And Haas Electronic Materials Llc Method of filling through-holes to reduce voids and other defects
JP2018028809A (ja) * 2016-08-18 2018-02-22 株式会社カプコン ゲームプログラムおよびゲームシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Maurel et al. Human shoulder modeling including scapulo-thoracic constraint and joint sinus cones
Fjeld et al. Augmented chemistry: An interactive educational workbench
Sanso et al. A hand control and automatic grasping system for synthetic actors
Kulpa et al. Morphology-independent representation of motions for interactive human-like animation
Stoakley et al. Virtual reality on a WIM: interactive worlds in miniature
JP3391648B2 (ja) 機器操作性評価支援装置
JP2001209824A (ja) ビデオゲームにおける三次元オブジェクト変形方法及びビデオゲーム装置、並びにビデオゲーム用のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
Bai et al. Synthesis of concurrent object manipulation tasks
ES2885077A1 (es) Metodo para determinar un modelo de agarre de mano
US20040257338A1 (en) Graphical interface system
CN106469467A (zh) 一种基于人体功能部位的虚拟维修行为合成方法及系统
WO2005098761A1 (ja) オブジェクト表示装置、オブジェクト表示プログラム
Wong et al. Virtual 3d sculpting
JP2002245484A (ja) 行動生成システム及びコンピュータマネキンの行動生成用プログラム
Jung et al. A man-machine interface model with improved visibility and reach functions
Zhang et al. On cutting and dissection of virtual deformable objects
Merrick et al. Skeletal animation for the exploration of graphs
US7155673B2 (en) System and method of interactive evaluation of a geometric model
JP2003256756A (ja) 作業空間診断方法及び作業空間診断装置
JPH10340354A (ja) 動作生成装置、動作制御方法、および、これを実行するためのプログラムを記憶した記憶媒体
JP2006285685A (ja) 3次元デザイン支援装置及び方法
JP4870884B2 (ja) 心臓負担評価装置
JP2004038570A (ja) 行動生成システム及びコンピュータマネキンの行動生成用プログラム
Wan et al. A 4-layer flexible virtual hand model for haptic interaction
JPWO2018180300A1 (ja) ロボット作業管理システム、ロボット作業管理プログラム