JP2002243829A - 衛星測位システム、その地上局及び地上端末 - Google Patents
衛星測位システム、その地上局及び地上端末Info
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Abstract
のアンテナと、FM電波を受信するアンテナを必要とす
るため、端末の構成が複雑になる。 【解決手段】衛星101からの電波信号中に衛星の軌道情
報と、誤差情報を含めて端末103に送信する。そのた
め、地上局102に軌道計算装置104と、測位誤差の関数パ
ラメータを含ませる測位誤差推定装置105を設け、これ
ら2つの装置からのデータを合成して符号化して送出装
置106から衛星101に送信する。端末103では、そのデー
タを解釈して誤差補正計算を含む測位計算を行う。測位
誤差は気象情報のデータなどから地域毎に算出する。
Description
回衛星を用いて測位を行う衛星測位システムおよびその
地上局ならびに地上端末に関する。
なものにGPS(Global PositioningSystem)がある。G
PSは地球上、どこでもサービスできるように通常24
機の衛星を配置し、その衛星からの信号を得ることによ
り測位を行う。GPSで用いる衛星は原子時計を搭載す
ることにより衛星からの正確な電波発信時間を地上局に
向けて送信することが可能である。この正確な時間と、
地上局での受信時間から衛星と地上局との距離を計算
し、これを基に地上の位置を計算するものである。
波は電離層での遅延、あるいは大気圏での遅延に代表さ
れる遅延量を伴う。電離層での遅延量は、以下に示すよ
うに2周波を用いることにより除去することが可能であ
る(日本測地学会編、−GPS−全地球測位システム、198
9)。
のエネルギーが伝わる速度)の遅延は(1)式で表され
る。
波が通過していく距離で決まる量、τGD:マイクロ波の
群速度の遅延(s)、f:搬送波の周波数であるので、
2つの周波数(たとえばGPSで用いられているL1、L2
帯)の遅延の差は(2)式となる。
z)である。f1とf2はGPSの場合は既知であるから、
電離層を補正した正しい距離Rは(3)式となる。
る前のL1帯、L2帯で測定した距離、R:真の距離であ
る。
PS(Differential−GPS)がある。この方法ではGPS
信号をあらかじめ正確に位置が分かっている場所で受信
し、GPSで得られた位置と真の位置からその誤差を計
算し、この誤差値をGPS衛星からの電波とは異なるF
M電波を用いて端末に送信する。簡易な方法のため、実
際のシステムとして、多くの場所で運用が開始されてい
る。
うな課題がある。電離層の遅延による測位誤差を補正す
るためには、2種類の周波数が必要とされるため、端末
機器の内部構成が複雑になることである。これを解消す
るために、前記したD−GPSがあるものの、D−GP
Sでは衛星からの電波を受信するGPSのアンテナと、
FM電波を受信するアンテナ両方を必要とするため、端
末機器の構成が複雑になる。また、日本国内においてF
M電波が届かない地域が多く、その地域において端末が
測位を行おうとすると、測位精度が低下する欠点があ
る。
消し、安価でかつ簡易な構成で、どこにいても同様の測
位精度が得られる衛星測位システム、及びその地上局並
びに端末を提供することにある。
を達成するために、衛星から端末に送信される電波信号
中に衛星の軌道情報と、誤差情報を含めて端末に送信す
る。そのために、地上局中に軌道計算装置と端末側では
そのデータを解釈して測位計算、誤差補正計算を行う。
また、測位精度を向上させるため、前記した誤差情報
に、測位誤差量の絶対値のみならず、測位を行う端末が
ある機略位置をもとに、精密モデルで測位誤差を算出す
るための関数パラメータを含ませる。このことを行う測
位誤差推定装置を地上局に設ける。また、衛星の軌道を
計算する軌道計算装置を地上局に設け、これら2つの装
置からのデータを合成して符号化する符号化装置を地上
局に設ける。また、このような衛星の軌道データと、誤
差パラメータから正確な測位計算を行うことが可能であ
る測位端末を設ける。
て説明する。図1は本発明のシステム構成を示し、人工
衛星101−a〜101−n、地上局102、端末103からなる。人
工衛星101−a〜101−nは測位を行う端末から、3次元測
位を行う場合には4機以上、2次元測位を行う場合には3
機以上の衛星電波を補足できるように、衛星数を確保し
ておく必要がある。前記人工衛星は受信アンテナ、送信
アンテナ、トランスポンダを備える一般的な衛星であ
る。人工衛星は静止衛星でも周回衛星でも差し支えな
い。特に移動体に搭載されている端末での測位には長楕
円軌道衛星が適しているので、人工衛星に長楕円軌道衛
星を用いても問題ない。
衛星軌道を計算する軌道計算装置104、各衛星と受信位
置の測位誤差を推定する測位誤差推定装置105、軌道計
算装置104からの出力データと、測位誤差推定装置105か
らのデータを電波に載せるために多重化、エンコードを
行い、衛星に送信する送出装置106からなる。
計算装置104は測位を行う衛星のケプラー軌道要素(軌道
面傾斜角、昇交点赤経、軌道長半径、軌道離心率、近地
点引数、平均近店離角)から各時刻における101−a〜101
−nまでの衛星の軌道上における位置をあらかじめ決め
られた座標系で算出するものである。
に、気象情報提供装置201、符号化装置202、地域分割装
置203、基準時計204、パラメータ算出装置205から構成
される。これらの装置は図示のように接続されている。
気象情報提供装置201にて収集されたデータは地域分割
装置203、パラメータ推定装置205に送られる。地域分割
装置203での分割例を図3に示す。
報提供装置201から情報の一つである湿度分布に関する
情報を用いて、ある時点での日本全国を分割した概念図
である。ここでの分割は、その他にも測位誤差に影響を
及ぼす気圧分布、気温分布、天候分布によって分類し、
該地域の緯度経度情報によって行なう。さらに、その他
地理的条件(平野部、都市部、山岳地帯など)などをもと
に分割を行ってもよい。この地域分割は気象変動の状況
に応じて一定周期で更新してもよい。
3には、任意の時刻においてその地域に特有の誤差パラ
メータとして、たとえば電離層による遅延誤差、対流圏
による遅延誤差、衛星と受信機の間で発生するドップラ
ー効果による遅延誤差が割り当てられることになる。
03にて分割した地域毎に、その代表点における誤差パラ
メータを求める。ここでの誤差パラメータとは、衛星か
らの信号が地上に届くまでに大気中にて生じる遅延誤
差、あるいはその遅延誤差を記述する式のパラメータ、
あるいは端末で発生する測位誤差の推定値を意味する。
誤差パラメータに、その他の大気雑音による測位誤差に
代表されるシステム誤差を記述するパラメータを加える
ことも可能である。一般的に前記した誤差パラメータ
は、端末から衛星を見上げたときの仰角、大気中に含ま
れる水蒸気の密度、端末地点の気温、気圧等の気象現象
に左右される。すなわち、測位を行う地域によってこれ
らの値は異なるため、地域毎の誤差パラメータが必要と
なる。
下では電離層遅延誤差、対流圏遅延誤差、ドップラー遅
延誤差についての計算方法の実施例について述べる。
ーのおおまかな経度:λu、衛星とのエレベーション(仰
角):E、衛星とのアジマス(方位角):A、衛星から送
られる定数:α、βである。
する。
める。
し、ΦI<−0.416であればΦI=−0.416にする。
算する。
である地磁気緯度Φmを(7)式より求める。
(8)式により求める。
とし、そうでないときは86400をtに加える。ここで、Sa
telliteTimeは衛星時刻である。
ファクターFを(9)式により計算する。
め、まずxを(10)式により計算する。
(11)式により求まる。そうでなければ、(12)式
により求まる。
noの値に電波伝搬速度をかけることにより、電離層遅延
誤差が求められる。
ネンのモデル) 気温を(13)式、気圧を(14)式により計算する。
中心からの半径、r0:ユーザーの半径、T0:ユーザー
位置の気温、ユーザーの半径r0から大気圏までの半径
rTの範囲を動くものとする。このときドライ項の屈折
率は(15)式より求まる。
て指数関数的に低下する。
モデルでは、(17)式のように大気圏遅延誤差Δを表
現する。
Φ:端末のある緯度、h:端末の高度である。
ップラーシフトDiは、電波がLi帯で発せられたとす
ると、(18)式で表される。
星の位置、ru:受信機が信号を受けた時点での受信機
の位置、liは(19)式で求まる。
遅延誤差&に書き換えることができる。
(m/s)、ε&:観測値誤差である。
うに、各地点毎の日時、気温、湿度、天候、気圧、風向
などを格納する。現在より過去の時点では履歴データを
格納し、将来の時点に対しては予測データを格納する。
関東地域で雷雨が発生するものの、東北南部ではその影
響が出ない場合、水蒸気密度と誤差許容範囲により、関
東、南東北地域が302、303に示すように分割される例で
ある。
らびにパラメータ推定装置にて推定され、地域分割装置
203にて分割された地域毎の誤差パラメータ、あるいは
測位誤差の絶対値、ならびにデータ送信時の基準時計か
らの時刻データは符号化装置202にて符号化され送出装
置106に送られる。
トでデータが符号化される。図4の400は符号化された
データ列であり、399は地域分割装置で分割した地域の
認識番号、401−aは衛星番号1番のデータ内容に対する
ヘッダ、401−bは衛星番号1に関するタイムスタンプつ
き軌道データで、誤差パラメータを含むデータである。
また、402−a、402−bは衛星番号2番に対応するデー
タ、404−a、404−bは衛星番号nに対応するデータであ
る。
時刻、412が衛星番号、413が衛星の軌道データ、414か
ら415が前記した各分割地域における補正誤差量、ある
いは補正誤差のパラメータである。各地域毎に前記誤
差、あるいはパラメータを入れる領域が用意されてい
る。
記領域に入れる場合を考えると、対流圏遅延モデルは、
(17)式に示したように、水蒸気分圧、気圧及び気温を
前記領域に格納する。このような処理を各誤差発生要因
毎、各誤差領域毎に実施する。これらのデータは、各地
域毎に計算され、たとえば図3中の地域302に図4のデー
タが一つ対応する形で地上局102より誤差パラメータが
送信される。
3について説明する。端末装置103は少なくとも図7に示
すように、受信装置(アンテナ)801、衛星軌道データと
誤差パラメータを分離するパラメータ分離装置802、前
記誤差パラメータから遅延誤差量を算出する遅延量計算
装置803、前記衛星軌道データの衛星位置と端末の概略
位置から各衛星と端末間の擬似距離(遅延誤差が含まれ
ている距離)を求める擬似距離計算装置805、擬似距離と
遅延量計算装置での遅延距離から各衛星と端末間の真距
離(遅延距離を取り除いた正確な距離)を求める真距離計
算装置806、装置806で求めた真距離と各衛星の座標位置
から端末の位置を算出する測位計算装置807、測位結果
を表示する出力装置808から構成される。
を用いて説明する。衛星を介して地上局から送信された
データは端末103のアンテナ801から取り込まれる。次
に、処理601にて端末103が図3のどの地域に属するかを
認識する。この認識の手順は、あらかじめ図3における
格子の端点の位置データを端末103上に記憶しておい
て、前回測位を行った結果をもとに該当する格子番号
(たとえば302、303)を求める。その後、図4に示したフ
ォーマットで放送される測位データの中から、先に求め
た格子番号に相当する信号列400のみを、測位を行う計
算機上のメモリ上に格納する(処理602)。また、処理602
において図4に示した衛星軌道データ(各衛星の座標値)
と誤差パラメータを計算機のメモリ上に格納する。
処理603にて各衛星と地上の端末103との間の擬似距離を
計算する。これは通常の二点間(Xi,Yi,Zi)、
(X0,Y0,Z0)の座標値による距離計算で行う。ここ
で、Xi:衛星のx座標、Yi:衛星のy座標、Zi:衛
星のz座標、X0:地上端末のx座標、Y0:地上端末の
y座標、Z0:地上端末のz座標である。
誤差パラメータを、あらかじめ遅延距離計算装置803に
格納されている(11)、(12)、(17)、(2
0)式のいずれかに代入することにより、該当地域にお
ける電波伝搬時における遅延距離を算出する(処理60
4)。さらに、得られた遅延距離をもとに、処理605にて
衛星〜端末間の真距離を(21)式により計算する。
れたので、測位計算を処理606にて実施する。測位計算
は3次元測位を仮定すると、4機分の衛星からのデータを
用いた連立方程式を解くことによって行う。具体的な計
算方法を以下に示す。
を正方向とするz軸、グリニジ子午面と赤道面との公転
方向にx軸(正方向)をとる3次元右手系直交座標を考え
る。
地点の座標を(x0,y0,z0)とする。また、測定地
点・各衛星間の真距離をr0i、同じく、擬似距離をri
とおく。各量の添字i(=1,2,3,4)は衛星の番号を示
すものとする。
影響と、大気中の伝搬遅延距離の影響は取り除かれてい
るとすると、(22)式で表される。
響を表す。すなわち、受信機の時計がGPS時系に対して
t進んでいるとすれば、sは(23)式で表される。
との間にピタゴラスの定理が成り立つので、(24)式
が得られる。
得る。
求める。(25)式を解くには、未知数変数をその近似値
とその補正値との和で表し、式をその補正値で展開し、
2次以上の項を無視して線形化すれば良いから、(2
6)式となる。
ぞれの変数の近似値、Δのついた量はその補正値であ
る。まず、(27)式とおく。
近似値)と衛星との距離である。次に、rをx0で偏微
分した(28)式を計算する。
0)は不明であるから、実際の計算の際には、(29)式
の近似式で代用する。同様の関係式がy,z成分につい
ても得られる。
の式でΔx,Δy,Δz,sが収束するまで繰り返し計
算を行い、解を求める。
より、従来の高精度測位を行うのに必要であったFM電
波を受信するアンテナが不要となるため、価格が安価
で、かつ機器構成が単純である車載情報機器が開発でき
るようになる。
により、従来の高精度測位を行うのに必要であったFM
電波を受信するアンテナが不要となるため、機器構成が
簡単な車載情報機器が開発できる。
ト。
装置、105…測位誤差指定装置、106…送出装置、201…
気象情報提供装置、202…符号化装置、203…地域分割装
置、204…基準時計、205…パラメータ推定装置、301…
地図、302…分割領域、303…分割領域、399…地域認証
番号、400…データ、401…ヘッダデータ、402〜404…衛
星位置と誤差パラメータデータ、411〜415…データ、60
1…データ認識処理、602…データ格納処理、603…擬似
距離計算処理、604…誤差要因毎の遅延距離算出処理、6
05…真距離計算処理、606…測位計算処理、607…収束判
定処理、608…アラーム出力処理、801…受信装置、802
…パラメータ分離装置、803…遅延距離計算装置、805…
擬似距離計算装置、806…真距離計算装置、807…測位計
算装置、808…出力装置。
Claims (10)
- 【請求項1】 複数の衛星に対し、測位に用いる衛星の
軌道情報データを発信する衛星測位システムの地上局に
おいて、 地上局から発信する信号中に、測位補正情報データを含
むことを特徴とする衛星測位システムの地上局。 - 【請求項2】 請求項1において、 衛星の位置を示す軌道情報データを計算する軌道計算装
置と、前記測位補正情報データを生成する測位誤差推定
装置を設け、これら2つの装置からのデータを合成して
各衛星に送信することを特徴とする衛星測位システムの
地上局。 - 【請求項3】 請求項2において、 前記測位誤差推定装置が推定計算する測位補正情報デー
タは、誤差を表す関数のパラメータ、あるいは誤差の絶
対量で表されることを特徴とする衛星測位システムの地
上局。 - 【請求項4】 請求項2において、 前記測位誤差推定装置は測位対象地域を気象条件に代表
される測位誤差発生条件に基づき分割し、該気象条件を
元にした分割地域すべてに対する誤差パラメータ、ある
いは測位誤差の絶対量を推定し、基準時計の情報と共に
測位に必要な前記データを符号化して衛星に送信するこ
とを特徴とする衛星測位システムの地上局。 - 【請求項5】 請求項4において、 前記複数地域は、一定周期、あるいは任意の時刻にて該
地域の分割状態を更新することを特徴とする衛星測位シ
ステムの地上局。 - 【請求項6】 請求項4において、 前記測位誤差発生条件は気象情報、該地域の緯度経度情
報、地理的条件(平野部、都市部、山岳地帯など)の少な
くとも1つを含むことを特徴とする衛星測位システムの
地上局。 - 【請求項7】 測位に用いる衛星の軌道情報データと測
位誤差情報データを衛星から受信し、測位計算を行なう
衛星測位システムの地上端末において、 前記地上端末は、前記軌道情報データを元に衛星・端末
間の擬似距離と、前記測位誤差情報データを元に衛星・
端末間の遅延距離を計算し、前記擬似距離と前記遅延距
離から衛星・端末間の真距離を求め、これに元づいて端
末の位置を測位する測位計算装置を設けることを特徴と
する衛星測位システムの地上端末。 - 【請求項8】 測位に用いる衛星の軌道情報データを衛
星に向けて発信する地上局、地上局から発信する信号を
受信する複数の衛星と、衛星から送出されるデータを受
信する地上端末からなる衛星測位システムにおいて、 前記地上局から発信する信号中に少なくとも軌道情報デ
ータと測位補正情報データの両方を含むことを特徴とす
る衛星測位システム。 - 【請求項9】 請求項8において、 前記地上端末は、前記衛星から受信した軌道情報データ
と測位補正情報データを分離し、分離したデータを元に
地上端末の位置を計算することを特徴とする衛星測位シ
ステム。 - 【請求項10】 請求項8または9において、 前記衛星に、長楕円軌道衛星を用いることを特徴とする
衛星測位システム。
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