JP2002243645A - 電気機器の劣化診断方法および装置 - Google Patents
電気機器の劣化診断方法および装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 絶縁紙を使用した油入電気機器の劣化度を、
非破壊で、かつ定量的に診断する。 【解決手段】 フルフラールとの化学反応により呈色す
るセンサを有するセンサ部6を電気機器内部に設け、セ
ンサに照射用光ファイバ1を通して単色光光源2からの
照射光を照射し、透過光を受光用光ファイバ1によって
光量測定部2へ導き受光量を測定し、センサがフルフラ
ールと化学反応する前後の受光量の変化により、劣化度
を算出する。
非破壊で、かつ定量的に診断する。 【解決手段】 フルフラールとの化学反応により呈色す
るセンサを有するセンサ部6を電気機器内部に設け、セ
ンサに照射用光ファイバ1を通して単色光光源2からの
照射光を照射し、透過光を受光用光ファイバ1によって
光量測定部2へ導き受光量を測定し、センサがフルフラ
ールと化学反応する前後の受光量の変化により、劣化度
を算出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁紙を使用した
油入電気機器の劣化度を、非破壊で、かつ定量的に診断
できる劣化診断方法および装置に関する。
油入電気機器の劣化度を、非破壊で、かつ定量的に診断
できる劣化診断方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油入電気機器の劣化度や寿命の診
断には、特開平7−272939号公報などに開示され
ているような方法が知られていた。すなわち、絶縁紙が
劣化に伴い分解すると、フルフラールや、一酸化炭素、
二酸化炭素などの分解生成物が生成するが、これらを絶
縁油より抽出してガス分析を行ない、別途算出したガス
発生量と絶縁紙の重合度残率との相関図から劣化度を推
定していた。
断には、特開平7−272939号公報などに開示され
ているような方法が知られていた。すなわち、絶縁紙が
劣化に伴い分解すると、フルフラールや、一酸化炭素、
二酸化炭素などの分解生成物が生成するが、これらを絶
縁油より抽出してガス分析を行ない、別途算出したガス
発生量と絶縁紙の重合度残率との相関図から劣化度を推
定していた。
【0003】しかし、このような診断方法では、劣化に
伴なうガス発生量は微量であるため、ガスを絶縁油中か
ら抽出するために特殊な手段が必要であったり、また、
ガス分析用の評価装置が大型になるなどの問題があり、
簡便な診断方法とは言えなかった。
伴なうガス発生量は微量であるため、ガスを絶縁油中か
ら抽出するために特殊な手段が必要であったり、また、
ガス分析用の評価装置が大型になるなどの問題があり、
簡便な診断方法とは言えなかった。
【0004】このような問題点を解決する手法として、
特開平10−74628号公報には、照射用光ファイバ
を通して照射した短波長側と長波長側の照射光を絶縁紙
上で反射させ、反射光を受光用ファイバを通じて光量測
定部で読み取り、短波長側と長波長側における反射吸光
度の差または比から、絶縁紙の劣化度を推定する方法が
開示されている。
特開平10−74628号公報には、照射用光ファイバ
を通して照射した短波長側と長波長側の照射光を絶縁紙
上で反射させ、反射光を受光用ファイバを通じて光量測
定部で読み取り、短波長側と長波長側における反射吸光
度の差または比から、絶縁紙の劣化度を推定する方法が
開示されている。
【0005】この方法は、絶縁紙の酸化劣化により短波
長側で電子遷移吸収が生じて、短波長側と長波長側にお
いて反射吸光度に相違が生じることに基づくが、電子遷
移吸収の実体が明確でなく、半定量的な診断ができるに
すぎなかった。
長側で電子遷移吸収が生じて、短波長側と長波長側にお
いて反射吸光度に相違が生じることに基づくが、電子遷
移吸収の実体が明確でなく、半定量的な診断ができるに
すぎなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記課
題を解決し、稼働中の機器の運転をとくに停止すること
なく、電気機器を非破壊で診断でき、かつ、絶縁紙の重
合劣化反応を直接的に検知することができる電気機器の
劣化診断方法および装置を提供することにある。
題を解決し、稼働中の機器の運転をとくに停止すること
なく、電気機器を非破壊で診断でき、かつ、絶縁紙の重
合劣化反応を直接的に検知することができる電気機器の
劣化診断方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の劣化診断
方法は、電気機器内部に設けられたフルフラールとの化
学反応により呈色するセンサに照射光を導く工程、セン
サを透過した照射光の受光量を測定する工程、および、
受光量の変化から電気機器の劣化度を算出する工程から
なる絶縁紙を有する電気機器の劣化診断方法に関する。
方法は、電気機器内部に設けられたフルフラールとの化
学反応により呈色するセンサに照射光を導く工程、セン
サを透過した照射光の受光量を測定する工程、および、
受光量の変化から電気機器の劣化度を算出する工程から
なる絶縁紙を有する電気機器の劣化診断方法に関する。
【0008】本発明の第2の劣化診断方法は、第1の劣
化診断装置において、センサが芳香族アミンを含有する
透明な樹脂からなり、照射光が525〜535nmの波
長範囲から選択された波長を有する単色光である劣化診
断方法に関する。
化診断装置において、センサが芳香族アミンを含有する
透明な樹脂からなり、照射光が525〜535nmの波
長範囲から選択された波長を有する単色光である劣化診
断方法に関する。
【0009】本発明の第3の劣化診断方法は、第1の劣
化診断装置において、センサが芳香族アミンをクラッド
部に含浸させてなる光ファイバからなり、照射光が52
5〜535nmの波長範囲から選択された波長を有する
単色光である劣化診断方法に関する。
化診断装置において、センサが芳香族アミンをクラッド
部に含浸させてなる光ファイバからなり、照射光が52
5〜535nmの波長範囲から選択された波長を有する
単色光である劣化診断方法に関する。
【0010】本発明の第4の劣化診断方法は、第1、第
2または第3の劣化診断装置において、センサが絶縁油
の外部に設置された劣化診断方法に関する。
2または第3の劣化診断装置において、センサが絶縁油
の外部に設置された劣化診断方法に関する。
【0011】本発明の第1の劣化診断装置は、電気機器
内部に設けられたフルフラールとの化学反応により呈色
するセンサ、該センサに照射光を導く照射用光伝達手
段、および、該センサを透過した照射光を光量測定手段
へ導く受光用光伝達手段受光量測定手段、および、受光
量の変化から電気機器の劣化度を算出する手段からなる
絶縁紙を有する電気機器の劣化診断装置に関する。
内部に設けられたフルフラールとの化学反応により呈色
するセンサ、該センサに照射光を導く照射用光伝達手
段、および、該センサを透過した照射光を光量測定手段
へ導く受光用光伝達手段受光量測定手段、および、受光
量の変化から電気機器の劣化度を算出する手段からなる
絶縁紙を有する電気機器の劣化診断装置に関する。
【0012】本発明の第2の劣化診断装置は、第1の劣
化診断装置において、センサが芳香族アミンを含有する
透明な樹脂からなり、照射光が525〜535nmの波
長範囲から選択された波長を有する単色光である劣化診
断装置に関する。
化診断装置において、センサが芳香族アミンを含有する
透明な樹脂からなり、照射光が525〜535nmの波
長範囲から選択された波長を有する単色光である劣化診
断装置に関する。
【0013】本発明の第3の劣化診断装置は、第1の劣
化診断装置において、センサが芳香族アミンをクラッド
部に含浸させてなる光ファイバからなり、照射光が52
5〜535nmの波長範囲から選択された波長を有する
単色光である劣化診断装置に関する。
化診断装置において、センサが芳香族アミンをクラッド
部に含浸させてなる光ファイバからなり、照射光が52
5〜535nmの波長範囲から選択された波長を有する
単色光である劣化診断装置に関する。
【0014】本発明の第4の劣化診断装置は、第1、第
2または第3の劣化診断装置において、センサが絶縁油
の外部に設置されてなる劣化診断装置に関する。
2または第3の劣化診断装置において、センサが絶縁油
の外部に設置されてなる劣化診断装置に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の劣化診断方法は、電気機
器、たとえば、変圧器、遮断機などの絶縁紙を有する電
気機器に適用可能である。
器、たとえば、変圧器、遮断機などの絶縁紙を有する電
気機器に適用可能である。
【0016】本発明の劣化診断方法では、絶縁紙の熱劣
化により発生するフルフラールを、電気機器内に設置し
たセンサで検知し、定量することにより、電気機器の劣
化度を診断する。
化により発生するフルフラールを、電気機器内に設置し
たセンサで検知し、定量することにより、電気機器の劣
化度を診断する。
【0017】前記絶縁紙としては、コイル用絶縁紙、接
着紙、プレスボードなどがあげられる。
着紙、プレスボードなどがあげられる。
【0018】センサは、フルフラールと化学反応して呈
色するものであれば、とくに制限はない。このようなセ
ンサとしては、たとえば、芳香族アミンを含有する透明
な樹脂、芳香族アミンをクラッド部に含浸させた光ファ
イバがあげられる。
色するものであれば、とくに制限はない。このようなセ
ンサとしては、たとえば、芳香族アミンを含有する透明
な樹脂、芳香族アミンをクラッド部に含浸させた光ファ
イバがあげられる。
【0019】芳香族アミンとしては、アニリン、酢酸ア
ニリンなどを用いることができる。芳香族アミンはフル
フラールと反応して黄色を呈するシッフ(Schiff)塩基
となり、530nm付近に吸収を示す。たとえば、芳香
族アミンとしてアニリンを用いた場合、フルフラールと
の化学反応式は以下のように表わされる。
ニリンなどを用いることができる。芳香族アミンはフル
フラールと反応して黄色を呈するシッフ(Schiff)塩基
となり、530nm付近に吸収を示す。たとえば、芳香
族アミンとしてアニリンを用いた場合、フルフラールと
の化学反応式は以下のように表わされる。
【0020】
【化1】
【0021】芳香族アミンを含有させる透明な樹脂とし
ては、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、
ポリスチレン樹脂などを用いることができる。
ては、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、
ポリスチレン樹脂などを用いることができる。
【0022】芳香族アミンを含有させるには、たとえ
ば、押出成形時に、前記樹脂の原料となる粉末状ポリマ
ーまたはそれをペレット化したものとともに、芳香族ア
ミンを押出機に挿入し、板状に形成するなどの方法が用
いられる。
ば、押出成形時に、前記樹脂の原料となる粉末状ポリマ
ーまたはそれをペレット化したものとともに、芳香族ア
ミンを押出機に挿入し、板状に形成するなどの方法が用
いられる。
【0023】芳香族アミンの含有量は、0.5〜5重量
%、とくには1〜2重量%であることが好ましい。芳香
族アミンの含有量が0.5重量%未満では着色検出感度
上ふさわしくない傾向があり、5重量%をこえると成形
加工上ふさわしくない傾向がある。
%、とくには1〜2重量%であることが好ましい。芳香
族アミンの含有量が0.5重量%未満では着色検出感度
上ふさわしくない傾向があり、5重量%をこえると成形
加工上ふさわしくない傾向がある。
【0024】芳香族アミンを含有する透明な樹脂を照射
光が通過する光路長は、1〜8mm、とくには2〜4m
mであることが好ましい。
光が通過する光路長は、1〜8mm、とくには2〜4m
mであることが好ましい。
【0025】芳香族アミンを含浸させる光ファイバとし
ては、たとえば、コア部がアクリル樹脂からなり、クラ
ッド部がフッ素樹脂からなる光ファイバがあげられる。
光ファイバのコア部の直径は、900〜950μm、ク
ラッド部の厚さは50〜100μmであることが好まし
い。
ては、たとえば、コア部がアクリル樹脂からなり、クラ
ッド部がフッ素樹脂からなる光ファイバがあげられる。
光ファイバのコア部の直径は、900〜950μm、ク
ラッド部の厚さは50〜100μmであることが好まし
い。
【0026】クラッド部に芳香族アミンを含浸させるに
は、たとえば、溶融紡糸時に、クラッド樹脂原料ととも
にノズルに挿入するなどの方法を使用するとよい。
は、たとえば、溶融紡糸時に、クラッド樹脂原料ととも
にノズルに挿入するなどの方法を使用するとよい。
【0027】芳香族アミンの含浸量は、0.5〜5重量
%、とくには、1〜2重量%であることが好ましい。
0.5重量%未満では着色検出感度上ふさわしくない傾
向があり、2重量%をこえると形成加工上ふさわしくな
い傾向がある。
%、とくには、1〜2重量%であることが好ましい。
0.5重量%未満では着色検出感度上ふさわしくない傾
向があり、2重量%をこえると形成加工上ふさわしくな
い傾向がある。
【0028】前記センサは、電気機器内部であれば、絶
縁油中および絶縁油の外部のいずれにも設置することが
できる。とくに絶縁油の外部に設置した場合には、単色
光光源からの照射光をセンサに導く照射用光伝達手段、
および、センサを透過した照射光を光量測定部へ導く受
光用光伝達手段の両方の光路長を短くすることができ
る。また、光伝達手段やセンサからの絶縁油中への溶出
によって絶縁油の劣化をもたらす懸念がない。
縁油中および絶縁油の外部のいずれにも設置することが
できる。とくに絶縁油の外部に設置した場合には、単色
光光源からの照射光をセンサに導く照射用光伝達手段、
および、センサを透過した照射光を光量測定部へ導く受
光用光伝達手段の両方の光路長を短くすることができ
る。また、光伝達手段やセンサからの絶縁油中への溶出
によって絶縁油の劣化をもたらす懸念がない。
【0029】前記センサには、光ファイバーなどの照射
用光伝達手段を通して単色光光源からの照射光を照射す
る。照射光としては、フルフラールと化学反応する前の
センサがほとんど吸収を示さず、フルフラールと化学反
応したのちのセンサが吸収を示す波長領域の単色光であ
れば、とくに制限はない。したがって、センサに芳香族
アミンを含有する透明な樹脂または芳香族アミンをクラ
ッド部に含浸させた光ファイバを用いる場合、照射光の
波長は、530nm付近(525〜535nmの範囲
内)とすることができる。
用光伝達手段を通して単色光光源からの照射光を照射す
る。照射光としては、フルフラールと化学反応する前の
センサがほとんど吸収を示さず、フルフラールと化学反
応したのちのセンサが吸収を示す波長領域の単色光であ
れば、とくに制限はない。したがって、センサに芳香族
アミンを含有する透明な樹脂または芳香族アミンをクラ
ッド部に含浸させた光ファイバを用いる場合、照射光の
波長は、530nm付近(525〜535nmの範囲
内)とすることができる。
【0030】前記センサを透過した照射光は、光ファイ
バなどの受光用光伝達手段によって受光量測定手段へ導
き、受光量を測定する。受光量測定手段には、たとえ
ば、フォトダイオードを内蔵した光パワーメーターを使
用することができる。
バなどの受光用光伝達手段によって受光量測定手段へ導
き、受光量を測定する。受光量測定手段には、たとえ
ば、フォトダイオードを内蔵した光パワーメーターを使
用することができる。
【0031】電気機器の劣化度の算出は、予めフルフラ
ール濃度とI1/I0(I0は初期すなわち呈色反応前の
受光量、I1は呈色反応後の受光量である)との関係、
および、絶縁紙の重合度とフルフラール濃度との関係を
測定しておき、これらを利用することによって行なうこ
とができる。すなわち、I0およびI1を測定し、これら
の比からフルフラール濃度とI0/I1の関係によりフル
フラール濃度を判定し、さらに、このフルフラール濃度
から絶縁紙の重合度とフルフラール濃度との関係により
絶縁紙の重合度を判定することによって劣化度を算出す
ることができる。
ール濃度とI1/I0(I0は初期すなわち呈色反応前の
受光量、I1は呈色反応後の受光量である)との関係、
および、絶縁紙の重合度とフルフラール濃度との関係を
測定しておき、これらを利用することによって行なうこ
とができる。すなわち、I0およびI1を測定し、これら
の比からフルフラール濃度とI0/I1の関係によりフル
フラール濃度を判定し、さらに、このフルフラール濃度
から絶縁紙の重合度とフルフラール濃度との関係により
絶縁紙の重合度を判定することによって劣化度を算出す
ることができる。
【0032】本発明の劣化診断方法によれば、フルフラ
ールの濃度が0.1〜100ppbまたはフルフラール
の蒸気圧が10-9〜10-8mmHgのときに、とくに精
度よく劣化度を診断することができる。
ールの濃度が0.1〜100ppbまたはフルフラール
の蒸気圧が10-9〜10-8mmHgのときに、とくに精
度よく劣化度を診断することができる。
【0033】以下、本発明の劣化診断方法および装置
を、実施の形態に基づいて具体的に説明する。
を、実施の形態に基づいて具体的に説明する。
【0034】実施の形態1 図1は、変圧器などの油入電気機器に実施の形態1にお
ける劣化診断装置の設置方法を示す模式図である。フル
フラールと反応して呈色するセンサを有するセンサ部6
が、絶縁紙を配した巻き線4近傍に設置され、照射用お
よび受光用の光ファイバ1に接続されている。図2は、
本実施の形態におけるセンサ部6の構成を示す断面図で
ある。反射鏡23aおよび23b、透明な樹脂24が、
通網目状のステンレス製筐体25内に設置されている。
照射用ファイバ21からの530nm単色光は、反射鏡
23aを介して透明な樹脂24に入射し、透過光は反射
鏡23bを介して受光ファイバ22へ受光される。透明
な樹脂24としては、芳香族アミン化合物の1種である
アニリンを5重量%含有したアクリル樹脂を用いた。
ける劣化診断装置の設置方法を示す模式図である。フル
フラールと反応して呈色するセンサを有するセンサ部6
が、絶縁紙を配した巻き線4近傍に設置され、照射用お
よび受光用の光ファイバ1に接続されている。図2は、
本実施の形態におけるセンサ部6の構成を示す断面図で
ある。反射鏡23aおよび23b、透明な樹脂24が、
通網目状のステンレス製筐体25内に設置されている。
照射用ファイバ21からの530nm単色光は、反射鏡
23aを介して透明な樹脂24に入射し、透過光は反射
鏡23bを介して受光ファイバ22へ受光される。透明
な樹脂24としては、芳香族アミン化合物の1種である
アニリンを5重量%含有したアクリル樹脂を用いた。
【0035】光量測定部2には、フォトダイオードを内
蔵した光パワーメーターを用いた。予めマスターカーブ
として測定した絶縁油中のフルフラール濃度に対する初
期の受光量I0に対する呈色反応後の受光量I1の比との
関係(図4)、および、絶縁紙の重合度とフルフラール
濃度との関係(図5)から、電気機器内の絶縁紙の重合
度を判定することが可能である。
蔵した光パワーメーターを用いた。予めマスターカーブ
として測定した絶縁油中のフルフラール濃度に対する初
期の受光量I0に対する呈色反応後の受光量I1の比との
関係(図4)、および、絶縁紙の重合度とフルフラール
濃度との関係(図5)から、電気機器内の絶縁紙の重合
度を判定することが可能である。
【0036】実施の形態2 図2に示す透明な樹脂24の代わりに、図3に示すよう
にクラッド部32にアニリンを含浸させたセンサ用光フ
ァイバ31を用いた。
にクラッド部32にアニリンを含浸させたセンサ用光フ
ァイバ31を用いた。
【0037】実施の形態3 図6に示すように、センサを絶縁油の外部に設置した。
フルフラールは、温度25℃においても10-8mmHg
程度の蒸気圧を有していることから、変圧器などの油入
電気機器の絶縁油の外部、すなわち、上部開放位置にセ
ンサを設置しても、検知することができる。
フルフラールは、温度25℃においても10-8mmHg
程度の蒸気圧を有していることから、変圧器などの油入
電気機器の絶縁油の外部、すなわち、上部開放位置にセ
ンサを設置しても、検知することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明の第1の劣化診断方法および第1
の劣化診断装置によれば、絶縁紙の熱劣化により発生す
るフルフラールの量を検知することにより、非崩壊で、
しかも定量的に電気機器の劣化診断を行なうことが可能
である。
の劣化診断装置によれば、絶縁紙の熱劣化により発生す
るフルフラールの量を検知することにより、非崩壊で、
しかも定量的に電気機器の劣化診断を行なうことが可能
である。
【0039】本発明の第2の劣化診断方法および第2の
劣化診断装置によれば、芳香族アミンとフルフラールと
の反応物による530nm付近での吸収量を測定するこ
とにより、絶縁紙の劣化により発生するフルフラール量
を高精度に検知し、電気機器の劣化診断を行なうことが
可能である。
劣化診断装置によれば、芳香族アミンとフルフラールと
の反応物による530nm付近での吸収量を測定するこ
とにより、絶縁紙の劣化により発生するフルフラール量
を高精度に検知し、電気機器の劣化診断を行なうことが
可能である。
【0040】本発明の第3の劣化診断方法および第3の
劣化診断装置によれば、芳香族アミンとフルフラールと
の反応物によるクラッド部での530nm付近の吸収に
よるコア部での透過光量の減少を測定することにより、
絶縁紙の劣化により発生するフルフラール量を高精度に
検知することが可能となる。
劣化診断装置によれば、芳香族アミンとフルフラールと
の反応物によるクラッド部での530nm付近の吸収に
よるコア部での透過光量の減少を測定することにより、
絶縁紙の劣化により発生するフルフラール量を高精度に
検知することが可能となる。
【0041】本発明の第4の劣化診断方法および第4の
劣化診断装置によれば、電気機器内部の上部開放位置に
絶縁センサを設置することにより、照射用および受光用
光ファイバの光路長を短くすることが可能となる。ま
た。光ファイバやセンサ部からの絶縁油中への溶出がな
く絶縁油の劣化をもたらす懸念がない。
劣化診断装置によれば、電気機器内部の上部開放位置に
絶縁センサを設置することにより、照射用および受光用
光ファイバの光路長を短くすることが可能となる。ま
た。光ファイバやセンサ部からの絶縁油中への溶出がな
く絶縁油の劣化をもたらす懸念がない。
【図1】 本発明の実施の形態1および2における劣化
診断装置の設置方法を示す模式図である。
診断装置の設置方法を示す模式図である。
【図2】 本発明の実施の形態1におけるセンサ部の構
成を示す断面図である。
成を示す断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1におけるフルフラール
濃度と受光量比との関係を示すマスターカーブである。
濃度と受光量比との関係を示すマスターカーブである。
【図4】 本発明の実施の形態1における絶縁紙の重合
度とフルフラール濃度との関係を示すマスターカーブで
ある。
度とフルフラール濃度との関係を示すマスターカーブで
ある。
【図5】 本発明の実施の形態2におけるセンサ部の構
成を示す断面図である。
成を示す断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態3における劣化診断装置
の設置方法を示す模式図である。
の設置方法を示す模式図である。
1 光ファイバ、2 単色光源および光量測定部、3
鉄心、4 巻き線、5 絶縁油、6 センサ部、21
照射用光ファイバ、22 受光用光ファイバ、23a,
23b 反射鏡、24 透明な樹脂、25 筺体、31
センサ用光ファイバ、32 クラッド部。
鉄心、4 巻き線、5 絶縁油、6 センサ部、21
照射用光ファイバ、22 受光用光ファイバ、23a,
23b 反射鏡、24 透明な樹脂、25 筺体、31
センサ用光ファイバ、32 クラッド部。
フロントページの続き Fターム(参考) 2G042 AA05 BD20 CA10 CB01 DA08 FA11 FB10 HA07 2G054 AA01 AB06 CA30 CE02 EA06 EB01 FA16 FA27 GA03 2G059 AA05 BB08 BB10 DD01 EE01 EE06 FF05 FF07 HH02 HH06 JJ13 JJ17 KK01 LL02
Claims (8)
- 【請求項1】 電気機器内部に設けられフルフラールと
の化学反応により呈色するセンサに照射光を導く工程、
センサを透過した照射光の受光量を測定する工程、およ
び、受光量の変化から電気機器の劣化度を算出する工程
からなる絶縁紙を有する電気機器の劣化診断方法。 - 【請求項2】 センサが芳香族アミンを含有する透明な
樹脂からなり、照射光が525〜535nmの波長範囲
から選択された波長を有する単色光である請求項1記載
の劣化診断方法。 - 【請求項3】 センサが芳香族アミンをクラッド部に含
浸させてなる光ファイバからなり、照射光が525〜5
35nmの波長範囲から選択された波長を有する単色光
である請求項1記載の劣化診断方法。 - 【請求項4】 センサが絶縁油の外部に設置された請求
項1、2または3記載の劣化診断方法。 - 【請求項5】 電気機器内部に設けられたフルフラール
との化学反応により呈色するセンサ、該センサに照射光
を導く照射用光伝達手段、該センサを透過した照射光を
光量測定手段へ導く受光用光伝達手段受光量測定手段、
および、受光量の変化から電気機器の劣化度を算出する
演算手段からなる絶縁紙を有する電気機器の劣化診断装
置。 - 【請求項6】 センサが芳香族アミンを含有する透明な
樹脂からなり、照射光が525〜535nmの波長範囲
から選択された波長を有する単色光である請求項5記載
の劣化診断装置。 - 【請求項7】 センサが芳香族アミンをクラッド部に含
浸させてなる光ファイバからなり、照射光が525〜5
35nmの波長範囲から選択された波長を有する単色光
である請求項5記載の劣化診断装置。 - 【請求項8】 センサが絶縁油の外部に設置されてなる
請求項5、6または7記載の劣化診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001046479A JP2002243645A (ja) | 2001-02-22 | 2001-02-22 | 電気機器の劣化診断方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001046479A JP2002243645A (ja) | 2001-02-22 | 2001-02-22 | 電気機器の劣化診断方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002243645A true JP2002243645A (ja) | 2002-08-28 |
Family
ID=18908097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001046479A Pending JP2002243645A (ja) | 2001-02-22 | 2001-02-22 | 電気機器の劣化診断方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002243645A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005274524A (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-06 | Chubu Denki Hoan Kyokai | 油入変圧器劣化の診断方法および診断キット |
JP2018024080A (ja) * | 2016-08-09 | 2018-02-15 | 株式会社ジェイテクト | 工作機械システムのクーラント液の汚濁評価装置 |
KR20230053795A (ko) * | 2021-10-14 | 2023-04-24 | 한국광기술원 | 변압기 절연유의 열화 진단을 위한 광섬유 센서 프로브 |
-
2001
- 2001-02-22 JP JP2001046479A patent/JP2002243645A/ja active Pending
Cited By (4)
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KR20230053795A (ko) * | 2021-10-14 | 2023-04-24 | 한국광기술원 | 변압기 절연유의 열화 진단을 위한 광섬유 센서 프로브 |
KR102623962B1 (ko) * | 2021-10-14 | 2024-01-12 | 한국광기술원 | 변압기 절연유의 열화 진단을 위한 광섬유 센서 프로브 |
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