JP2002241928A - 放電型プラズマ成膜装置とその方法 - Google Patents
放電型プラズマ成膜装置とその方法Info
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Abstract
プラズマを長時間安定して成膜することができる放電型
プラズマ成膜装置とその方法を提供する。 【解決手段】 内部を減圧可能な真空容器12と、真空
容器内に配置された円柱形状のカソード14と、カソー
ドの円形端面14aに対向する位置に設けられたアノー
ド16と、カソードとアノードの間に直流電圧を印加す
る直流電源装置18と、カソードの円柱面14bとアノ
ードの間に発生する真空アーク放電19を遮蔽するアー
ク遮蔽部材20とを備える。アーク遮蔽部材20は、カ
ソードの円柱面14bがアノードと直接対向するのを阻
止するようにカソードの円柱面を間隔を隔てて囲む中空
円筒形の導電材である。アーク遮蔽部材20とこれを間
隔を隔てて囲むカウリング部12b〜12eが、カソー
ド及びアノードから電気的に絶縁されている。
Description
物質をプラズマ化させて成膜する放電型プラズマ成膜装
置とその方法に関する。
amond−like carbonfilm)やTi
N,CN等の薄膜を被処理材の表面に成膜する表面加工
技術が産業界で強く要望されている。例えばDLCはカ
ーボンを材料とする薄膜ダイヤモンドであり、(1)プ
ラスチックレンズの表面にコーティングしてスクラッチ
傷を防ぎ、(2)磁気ディスクの表面に成膜して読取り
ヘッドとの接触による磨耗を防ぎ、(3)環境問題化し
ている湿式メッキの代替として優れた耐食性、耐磨耗性
を発揮することができる。
(1)窒素、アルゴン等のガスプラズマを用いたガスプ
ラズマ法、(2)炭素、チタンなどのプラズマを用いた
プラズマ法、及び(3)この両方を組合わせたハイブリ
ッド法が開発されている。このうち、ガスプラズマ法
は、メタン(CH4)やアセチレン(C2H2)を原料ガ
スとするため、成膜中に水素(H)が残存する基本的な
問題があり、このため、DLC等の膜質の硬度が低下す
る。これに対して、プラズマ法では、原料(陰極材)と
して純粋なカーボンや金属材料を用いることができるた
め、硬度の高い優れた膜ができる特徴がある。本発明
は、かかるプラズマ法に関するものである。
アーク放電型プラズマイオン源を用いてDLC,Ti
N,CN等の薄膜が生成されている。しかし従来の成膜
手段では、溶けた原料(陰極材)が微細(直径1μm前
後)の液滴(スプラッシュ、マクロパーティクル、ドロ
ップレットと呼ぶ)となって生成膜に付着し、薄膜の品
質(膜質)を悪化させる問題がある。
特表平6−508235号、PCT/FI95/006
77、等が提案されている。特表平6−508235号
の「アークソース用大粒子フィルター」は、図9に示す
ように、円形のカソード2、円筒形のアノード3、トロ
イド4及び非線形のプラズマダクト5を備え、トロイド
状の磁場により荷電粒子を素材8に導き、荷電していな
い液滴を除去するものである。なお、この図で、6は
管、7は標的部域、9は磁気走査コイルである。また、
PCT/FI95/00677の“FOCUSING
UNIT FORAN ARC DISCHAGE A
PPARATUS USED FORPLATING"
「メッキ用アーク放電装置のフォーカシングユニット」
も、同様にブラズマビームを磁場により曲げ、同時に陰
極表面に半径方向の磁場をかけることによって陰極点を
陰極表面で回転させ液滴を除去するものである。
成膜手段では、磁場によりプラズマを曲げて素材8に導
くために、大型のトロイド4(コイル)を複数用いる必
要があり、その結果、成膜効率が低下し磁場発生設備
(例えばコイル)が大型化し、装置設備が非常に高価に
なる問題点があった。
明者は先に、発生した金属アークプラズマを拡径する金
属プラズマ拡径装置10を備えた「金属プラズマを用い
た成膜装置及び方法」を創案し出願した(特願平11−
354550号、未公開)。この発明により、高エネル
ギーで指向性の高い金属アークプラズマを用いて広い範
囲に均一に高品質のDLC等を成膜することができ、か
つ、膜質を低下させる液滴を効果的に除去することがで
きるようになった。
プラズマ成膜手段では、プラズマ源として使用する陰極
(カソード)は、薄い円柱形又は円錐形のものが用いら
れていた。しかし、図5に例示したような薄い円柱形の
陰極では、陰極容積が小さいため長時間の成膜ができな
い問題点があった。
ーク放電のスポットを円錐陰極の先端部に局所化させて
直流アーク放電を安定維持することができる。そのた
め、薄い円柱形よりは長時間成膜が継続できるものの、
経過時間とアーク放電の積で陰極先端部が消耗し、陰極
が円錐形であるため放電時間により陰極が急激に消耗し
てしまう欠点があった。
を旋盤等で加工するため加工時間がかかるばかりでな
く、大量の切削くずが発生し、特に材料コストの陰極材
料(例えば、ニッケル)では、成膜コストが上昇する問
題点があった。
めに創案されたものである。すなわち、本発明の目的
は、真空アーク放電を発生させてカソード物質のプラズ
マを長時間安定して成膜することができる放電型プラズ
マ成膜装置とその方法を提供することにある。
でカソード物質をプラズマ化させる放電型プラズマ成膜
装置であって、内部を減圧可能な真空容器(12)と、
該真空容器内に配置された円柱形状のカソード(14)
と、該カソードの円形端面(14a)に対向する位置に
設けられたアノード(16)と、カソードとアノードの
間に直流電圧を印加する直流電源装置(18)と、カソ
ードの円柱面(14b)とアノードの間に発生する真空
アーク放電(19)を遮蔽するアーク遮蔽部材(20)
とを備える、ことを特徴とする放電型プラズマ成膜装置
が提供される。
アーク遮蔽部材(20)は、カソードの円柱面(14
b)がアノードと直接対向するのを阻止するようにカソ
ードの円柱面を間隔を隔てて囲む中空円筒形の導電材で
あり、かつカソード及びアノードから電気的に絶縁され
ている。
し、印加磁場中でアノードとカソードの間に真空アーク
放電(19)を発生させてカソード物質のプラズマを形
成する放電型プラズマ発生方法であって、カソード及び
アノードから電気的に絶縁されたアーク遮蔽部材(2
0)でカソードの円柱面(14b)を間隔を隔てて囲
み、カソードの円柱面とアノードの間に発生する真空ア
ーク放電(19)を遮蔽する、ことを特徴とする放電型
プラズマ発生方法が提供される。
ク遮蔽部材(20)がアノード及びカソードから電気的
に絶縁されてその中間位置に位置するので、アーク遮蔽
部材の電位はアノードとカソードの中間電位となり、真
空アーク放電(19)を電位差の大きいカソードとアノ
ードの間のみに発生させることができる。
面(14b)がアノードと直接対向するのを阻止するよ
うにカソードの円柱面を間隔を隔てて囲むので、カソー
ドの円柱面(14b)とアノードの間に発生する真空ア
ーク放電(19)を遮蔽することができる。
し、印加磁場中でアノードとカソードの円形端面(14
a)との間のみに真空アーク放電(19)を発生させて
カソード物質のプラズマを形成することができ、カソー
ドは円柱形を保持したまま徐々に短くなるだけなので、
放電状態の変化が少なくカソード物質のプラズマ化を長
時間安定して行うことができる。
さを有する着脱可能な円柱部材、又は連続的にアノード
に向けて供給可能に構成された長尺円柱部材であるのが
よい。一定の長さを有する着脱可能な円柱部材でカソー
ドを構成すれば、この長さ分のカソード物質のプラズマ
化が安定してできる。また、連続的にアノードに向けて
供給可能に構成された長尺円柱部材でカソードを構成す
れば、カソードの円形端面(14a)の位置が一定に保
持できるので、この面とアノードとの間に長時間安定し
て同一条件でプラズマを発生させることができる。
前記真空容器(12)は、カソード(14)を保持する
カソードホルダー(12a)と、アーク遮蔽部材(2
0)を間隔を隔てて囲むカウリング部(12b,12
c,12d,12e)とからなり、カソードホルダー
(12a)はカソード(14)と電気的に導通し、カウ
リング部(12b,12c,12d,12e)は、カソ
ード及びアノードから電気的に絶縁されている。また、
前記真空容器(12)を、カソード(14)を保持する
カソードホルダー(12a)と、アーク遮蔽部材(2
0)を間隔を隔てて囲むカウリング部(12b,12
c,12d,12e)で構成し、カソードホルダー(1
2a)をカソード(14)と電気的に導通し、カウリン
グ部(12b,12c,12d,12e)を、カソード
及びアノードから電気的に絶縁する。
(20)を間隔を隔てて囲むカウリング部(12b,1
2c)がカソード及びアノードから電気的に絶縁される
ので、アーク遮蔽部材(20)と共にそのまわりのカウ
リング部(12b,12c)も電位がアノードとカソー
ドの中間電位となり、真空アーク放電(19)を電位差
の大きいカソードとアノードの間のみに更に安定して発
生させることができる。
c)は、中空円筒形の可撓性ベローズ(33)を介して
連結されたカウリング移動部(12b)とカウリング固
定部(12c)とからなり、カウリング移動部(12
b)はカウリング固定部(12c)に対してカソード
(14)の軸方向に移動可能であり、カウリング移動部
(12b)は、カソード絶縁部材(15c)を介してカ
ソードホルダー(12a)に固定され、カウリング固定
部(12c)は、アノード絶縁部材(31,32)を介
してアノード側に固定されている。
12c)をカソード及びアノードから電気的に絶縁した
ままで、カウリング移動部(12b)をカウリング固定
部(12c)に対してカソード(14)の軸方向に移動
させることで、カソードの円形端面(14a)の位置を
一定に保持でき、この面とアノードとの間に長時間安定
して同一条件でプラズマを発生させることができる。
(35)を介して前記カウリング固定部(12c)の内
側に固定されている。この構成により、アーク遮蔽部材
(20)をカウリング部(12b,12c)から絶縁し
て支持でき、アーク遮蔽部材(20)とカソード及びア
ノードとの電気的な絶縁性能を更に高めることができ
る。
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略す
る。図1は、本発明の放電型プラズマ成膜装置の第1実
施形態の全体構成図である。本発明の放電型プラズマ成
膜装置10は、真空容器12、カソード14、アノード
16、直流電源装置18及びアーク遮蔽部材20を備
え、真空中でカソード物質をプラズマ化させるようにな
っている。
ンバー22と第2チャンバー23からなる。第1チャン
バー22と第2チャンバー23は、中空の導管24で連
通する。また、第2チャンバー23内は、図示しない真
空装置により真空排気され、これにより、カソードが蒸
発してプラズマが発生する第1チャンバー22よりも第
2チャンバー23の圧力が低くなるように差動排気す
る。
えば、カーボン、Ti等)からなり、真空容器12のカ
ソードホルダー12a内に配置され、かつ直流電源装置
18により負に印加される。アノード16は、導電性材
料(例えば銅又は銅合金)からなり、カソード14に対
向する位置(例えば導管24)に取付られ、その中央に
第2チャンバー23に通じる貫通孔を有している。アノ
ード16は、直流電源装置18により正に印加される。
直流電源装置18は、カソード14を負にアノード16
を正に印加しその間に真空アーク放電19を起こさせる
ようになっている。
更に被処理材1を負に印加して金属プラズマからイオン
を蓄積させるバイアス電源29と、第1チャンバー22
及び第2チャンバー23内に発生するプラズマを少なく
とも一時的に封じ込める磁場を発生させる磁場発生装置
30とを備えている。成膜チャンバー27は、例えば、
マルチカスプ磁場を形成するための複数の永久磁石と、
ミラー磁場を形成するための空心コイルとからなり、こ
れらの2つの磁場により、プラズマ閉じ込め空間を形成
するようになっている(図示せず)。なお、磁場発生装
置30は、かかる構成に限定されず、例えば、特開平5
−101799号に開示したような種々の構成のもので
あってもよい。
容され、内部を真空(例えば10-5〜10-6Torr)
に保持される。また、被処理材1を保持するホルダー2
8はバイアス電源29により−100V〜−1000V
程度に印加され、プラスに帯電したプラズマ21中のイ
オンによる成膜効率を高めるようになっている。
ルス電源であるのがよい。この理由を以下に説明する。
プラズマ21中に配置された被処理材1に負の高圧パル
スが印加された時、プラズマ中の電子は被処理材1から
斥けられ、金属イオンが被処理材1に引き込まれる。電
子とイオンの質量差から電子は被処理材1から急激に遠
ざかり、金属イオンと被処理材1の間には取り残された
金属イオンのみが存在するイオンシースが形成される。
負の印加高圧パルスのほとんどはこのイオンシースに加
わり、その高電界により金属イオンは被処理材1に向か
って加速される。このことはイオンシースのシースエッ
ジが被処理材1から離れていくことであり、それと同時
にシース内に金属プラズマより金属イオンが引き込まれ
る。
装置10により、真空容器12内を真空に保持し、印加
磁場中でアノードとカソードの間に真空アーク放電19
を発生させてカソード物質のプラズマ21を形成するこ
とができる。更に発生したプラズマ21から磁場発生装
置30とバイアス電源29により、プラスイオン(金属
イオン)を抽出し、被処理材1に照射し成膜することが
できる。
る。すなわち、真空チャンバー22、23内にガスを入
れて真空(例えば10-2〜10-4Torr)に保持し、
アノード16とカソード14との間に真空アーク放電1
9を発生させてカソード物質のプラズマを形成し、その
後ガスを遮断して真空チャンバー22、23内の真空度
を10-5〜10-6Torrに保ち、磁場発生装置30に
よる磁場によりプラズマを一時的に封じ込め、バイアス
電極29による電界によりプラズマ21から所望するイ
オンを基板上に蓄積させる。
図において、カソード14は、一定の長さを有する着脱
可能な円柱部材、17はカソード14をネジ等で固定し
て保持するカソード保持電極、15a,15bはカソー
ド絶縁部材である。アーク遮蔽部材20は、カソード1
4の円柱面14bがアノード16と直接対向するのを阻
止するようにカソードの円柱面を間隔を隔てて囲む中空
円筒形の導電材(例えば金属管)である。このアーク遮
蔽部材20は、カソード絶縁部材15a,15bを介し
てカソード14及びアノード16から電気的に絶縁され
ている。
ードとカソードの中間電位となり、かつ電気的に絶縁さ
れているので、真空アーク放電19を電位差の大きいカ
ソード14とアノード16の間のみに発生させることが
できる。また、アーク遮蔽部材20は、カソード14の
円柱面14bがアノード16と直接対向するのを阻止す
るように位置しているので、真空アーク放電19はカソ
ードの端面27aとアノード16との間に限定され、カ
ソードの円柱面14bとアノードの間に発生する真空ア
ーク放電31を実質的に遮蔽することができる。
の第2実施形態の構成図である。この図も、図1のA部
に相当する部分を示している。この図において、カソー
ド14は、図示しない供給装置により連続的にアノード
16に向けて供給可能に構成された長尺円柱部材であ
る。この場合、カソードの端面14aは、アノード16
からの距離をほぼ一定に保持するようになっている。そ
の他の構成は、図2と同様である。
よれば、上述したように、カソード14及びアノード1
6から電気的に絶縁されたアーク遮蔽部材20でカソー
ド14の円柱面14bを間隔を隔てて囲み、カソード1
4の円柱面14bとアノード16の間に発生する真空ア
ーク放電19を遮蔽して、真空アーク放電19をカソー
ド14の端面14aとアノード16との間に制限する。
真空容器12内を真空に保持し、印加磁場中でアノード
とカソードの円形端面14aとの間のみに真空アーク放
電19を発生させてカソード物質のプラズマを形成する
ことができる。この放電により、カソード14は円柱形
を保持したまま徐々に短くなるだけなので、放電状態の
変化が少なくカソード物質のプラズマ化を長時間安定し
て行うことができる。
の長さを有する着脱可能な円柱部材でカソード14を構
成すれば、この長さ分のカソード物質のプラズマ化が安
定してできる。また、図3に示したように、連続的にア
ノード16に向けて供給可能に構成された長尺円柱部材
でカソード14を構成すれば、カソードの円形端面14
aの位置が一定に保持できるので、この面とアノードと
の間に長時間安定して同一条件でプラズマを発生させる
ことができる。
の第3実施形態の構成図である。この図も、図1のA部
に相当する部分を示している。この図において、真空容
器12は、カソード14を保持するカソードホルダー1
2aと、アーク遮蔽部材20を半径方向に間隔を隔てて
囲むカウリング部12b,12cとからなる。
雄ネジ部でカソード保持電極17に固定される。カソー
ド保持電極17は内部に中空部を有し、その中空部に冷
却水を通して冷却し、カソード14を使用中の過熱から
保護するようになっている。また、カソード保持電極1
7に設けられたフランジ部がカソードホルダー12aに
ボルト等で固定され、カソードホルダー12aとカソー
ド14は電気的に導通している。この構成により、カソ
ードホルダー12aを直流電源装置18の負極と電気的
に接続することにより、カソード14を負に印加するこ
とができる。
2cは、中空円筒形の可撓性ベローズ33を介して連結
されたカウリング移動部12bとカウリング固定部12
cとからなる。カウリング移動部12bとカウリング固
定部12cは金属製であり、金属製のベローズ33の両
端部が溶接等により気密に接合されている。また、カウ
リング移動部12bとカウリング固定部12cの間隔を
調整する金属製のボルト34により、カウリング移動部
12bをカウリング固定部12cに対してカソード14
の軸方向に移動できるようになっている。この移動は、
カウリング移動部12bと共に移動するカソード14の
円形端面14aの位置を、カソード14の消耗に応じて
一定に保持するように行うのがよい。なお、カウリング
移動部12bの移動は、この例ではボルトとナットの螺
合によるが、パルスシリンダやステッピングモータを用
いて正確に移動できるようにしてもよい。
部材15cを介してカソードホルダー12aに固定され
ている。カソード絶縁部材15cは、例えば円板状のテ
フロン(登録商標)であり、絶縁性ボルト13(例えば
ベーク材のボルト)でカウリング移動部12bとカソー
ドホルダー12aの間に挟持される。また、カウリング
移動部12bの内縁部とカソード保持電極17との間に
は、中空円筒形のカソード絶縁部材15aが嵌め込ま
れ、カソード保持電極17の先端(図で左端)とカソー
ド14の末端部には中空円筒形のカソード絶縁部材15
bが嵌まり、カソード14の末端部とカソード保持電極
17の先端部が第1チャンバー22内に露出しないよう
になっている。カソード絶縁部材15aは例えば強度の
高いアルミナ材であり、カソード絶縁部材15bは例え
ば耐熱性の高い窒化ボロン材(BN)であるのがよい。
2cをカソードから電気的に絶縁するとともに、カソー
ド14の末端部とカソード保持電極17の先端部からの
放電を本質的に防止することができる。
ド絶縁部材31,32を介してアノード側に固定されて
いる。アノード絶縁部材31は、この例では、中空円筒
形のアルミナであり、アノード絶縁部材32はこの例で
は絶縁性ボルト(例えばベーク材のボルト)である。絶
縁性ボルト32によりアノード絶縁部材31がカウリン
グ固定部12cと導管24のフランジ部との間に挟持さ
れる。また、アノード絶縁部材31の両端面がOリング
36により、カウリング固定部12cと導管24のフラ
ンジ部との間を気密にシールされている。この構成によ
り、カウリング部12b,12c及びベローズ33をア
ノード及びカソードから電気的に絶縁し、アーク遮蔽部
材20と共にそのまわりのカウリング部12b,12c
の電位もアノードとカソードの中間電位とすることがで
き、真空アーク放電19を電位差の大きいカソードとア
ノードの間のみに更に安定して発生させることができ
る。
は、周方向に複数個(例えば4個)設けられた絶縁碍子
35を介して、カウリング固定部12cの内側に固定さ
れている。なお、その他の構成は、図2と同様である。
この構成により、前述のようにカウリング固定部12c
は、アノード及びカソードから電気的に絶縁されてお
り、更に絶縁碍子35を介してアーク遮蔽部材20が固
定されているので、アーク遮蔽部材20とカソード14
及びアノード16との電気的な絶縁性能を更に高めるこ
とができる。
の第4実施形態の構成図である。この図も、図1のA部
に相当する部分を示している。この図において、真空容
器12は、カソード14を保持するカソードホルダー1
2aと、アーク遮蔽部材20を半径方向に間隔を隔てて
囲む金属製のカウリング部12dとからなる。この例で
は、カウリング部12dは、カウリング固定部のみから
なる。
は、カソード絶縁部材15aを介してカソードホルダー
12aに固定されている。カソード絶縁部材15aは、
例えば円筒形のアルミナ材であり、絶縁ロッド15d
(例えばベーク材製)とボルト25でカウリング部12
dとカソードホルダー12aの間に挟持される。また、
カソード絶縁部材15aの両端部はOリング36で気密
にシールされる。この例において、カソードホルダー1
2aは、第3実施形態(図4)におけるカソード保持電
極17の役割も担っている。すなわち、カソード14
は、その末端部に設けられた雄ネジ部でカソードホルダ
ー12aに直接固定される。また、カソードホルダー1
2aは内部に中空部を有し、その中空部に冷却水を通し
て冷却し、カソード14を使用中の過熱から保護するよ
うになっている。この構成によりカソードホルダー12
aがカソード14に電気的に導通し、カソードホルダー
12aを直流電源装置18の負極と電気的に接続するこ
とにより、カソード14を負に印加することができる。
14の末端部の間には平板状のカソード絶縁部材15b
が嵌まり、カソード絶縁部材15aの末端部とカソード
ホルダー12aとの間には、中空円筒形のカソード絶縁
部材15cが嵌まり、カソードホルダー12aが第1チ
ャンバー22内に露出しないようになっている。カソー
ド絶縁部材15bは例えば耐熱性の高い窒化ボロン材
(BN)であり、カソード絶縁部材15cは例えばテフ
ロン材であるのがよい。
ソード14から電気的に絶縁するとともに、カソード1
4の末端部とカソードホルダー12aからの放電を本質
的に防止することができる。
縁部材31,32を介してアノード側の導管24に固定
されている。アノード絶縁部材31は、この例では、中
空円筒形のテフロン材であり、アノード絶縁部材32は
この例では絶縁性ボルト(例えばベーク材のボルト)で
ある。絶縁性ボルト32によりアノード絶縁部材31が
カウリング固定部12dと導管24のフランジ部との間
に挟持される。また、アノード絶縁部材31の両端面が
Oリング36により、カウリング部12dと導管24の
フランジ部との間を気密にシールされている。この構成
により、カウリング部12dをアノード及びカソードか
ら電気的に絶縁し、アーク遮蔽部材20と共にそのまわ
りのカウリング部12dの電位もアノードとカソードの
中間電位とすることができ、真空アーク放電19を電位
差の大きいカソードとアノードの間のみに更に安定して
発生させることができる。
は、2枚の金属板37a,37bの間に挟持され、かつ
その内側に金属製の遮熱リング38a,38bが二重に
設けられ、過熱されたアノード16からの輻射熱を遮
り、アノード絶縁部材31を保護するようになってい
る。また、アーク遮蔽部材20は、カソード絶縁部材1
5bと金属板37bの間に軸方向に挟持され、アノード
とカソードの中間電位となるように固定されている。な
お、その他の構成は、図2と同様である。
の第5実施形態の構成図であり、図7は、第6実施形態
の構成図である。これらの図も、図1のA部に相当する
部分を示している。図6及び図7において、真空容器1
2は、カソード14を保持するカソードホルダー12a
と、アーク遮蔽部材20を半径方向に間隔を隔てて囲む
金属製のカウリング部12eとからなる。この例では、
カウリング部12eは、カウリング固定部のみからな
る。
は、カソード絶縁部材15cを介してカソードホルダー
12aに固定されている。すなわちこの例で、カソード
絶縁部材15cは、円板状のテフロン材であり、ボルト
25でカウリング部12eと連結され、カソードホルダ
ー12aも図示しないボルトによりカソード絶縁部材1
5cに取り付けられる。カソード絶縁部材15cとカウ
リング部12e及びカソードホルダー12aの間は、O
リング36で気密にシールされる。この例でも、カソー
ドホルダー12aは、第3実施形態(図4)におけるカ
ソード保持電極17の役割も担っている。すなわち、カ
ソード14は、その末端部に設けられた雄ネジ部でカソ
ードホルダー12aに直接固定される。また、カソード
ホルダー12aは内部に中空部を有し、その中空部に冷
却水を通して冷却し、カソード14を使用中の過熱から
保護するようになっている。また、カウリング部12e
もこの例では中空部を有し、その中空部に冷却水を通し
て冷却し、使用中の過熱から保護するようになってい
る。この構成によりカソードホルダー12aがカソード
14に電気的に導通し、カソードホルダー12aを直流
電源装置18の負極と電気的に接続することにより、カ
ソード14を負に印加することができる。
カソード14の末端部の間にはリング状のカソード絶縁
部材15bが嵌まり、カウリング部12eの内側には軸
方向に2分割された中空円筒形のカソード絶縁部材15
aが嵌まり、その内側に中空円筒形のアーク遮蔽部材2
0が嵌まるようになっている。更にこの例では、アーク
遮蔽部材20の先端部にフランジ部が設けられ、このフ
ランジ部がボルト39によりカソード絶縁部材15aを
軸方向に貫通してカソード絶縁部材15cに固定され
る。
2aとカソード14の末端部の間にはリング状のカソー
ド絶縁部材15bが嵌まり、カウリング部12eの内側
には中空円筒形のアーク遮蔽部材20が直接嵌まるよう
になっている。更にこの例では、アーク遮蔽部材20の
末端部にフランジ部が設けられ、このフランジ部がボル
ト39によりカソード絶縁部材15cに固定される。
15bは例えば耐熱性の高い窒化ボロン材(BN)であ
り、カソード絶縁部材15aは例えばアルミナ材である
のがよい。
をカソード14から電気的に絶縁するとともに、カソー
ド14の末端部とカソードホルダー12aからの放電を
本質的に防止することができる。
部12eは、アノード絶縁部材31,32を介してアノ
ード側の導管24に固定されている。この構成は、図5
の第4実施形態と同様である。また、その他の構成は、
図2と同様である。この構成により、カウリング部12
eをアノード及びカソードから電気的に絶縁し、アーク
遮蔽部材20と共にそのまわりのカウリング部12eの
電位もアノードとカソードの中間電位とすることがで
き、真空アーク放電19を電位差の大きいカソードとア
ノードの間のみに更に安定して発生させることができ
る。
消耗状態を示す模式図である。この図において、(A)
は従来の円錐形のカソードの場合の使用前aと使用後
b、(B)は従来の装置における円柱形カソードの使用
前aと使用後b1,b2、(C)は本発明における円柱
形カソードの使用前aと使用後bを示している。
陰極(カソード)では、先端部に局所化させて直流アー
ク放電を安定維持することができが、陰極が円錐形であ
るため放電時間により陰極が短時間に急激に消耗してし
まう欠点があった。また、図8(B)に示すように、従
来の装置に円柱形カソードを適用した場合には、直流ア
ーク放電を先端部に局所化させて安定維持することがで
きず、円柱形カソードの側面との間でも放電がおきて消
耗するため、円錐形の場合よりも短時間した成膜ができ
なかった。
本発明の装置及び方法では、アノード16とカソード1
4の円形端面14aとの間のみに真空アーク放電19を
局所化させて発生させ、カソード物質のプラズマ形成を
長時間継続させることができることが確認された。なお
この試験は、カーボン、銅、チタンで成功している。
態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変更できることは勿論である。
棒をそのまま陰極として使用し、先端部の円形断面部に
のみプラズマスポットを局所化させ円柱形状を保ったま
ま金属円柱をプラズマ化するものである。従って、本発
明の放電型プラズマ成膜装置とその方法は、真空アーク
放電を発生させてカソード物質のプラズマを長時間安定
して成膜することができる、等の優れた効果を有する。
態の全体構成図である。
態の構成図である。
態の構成図である。
態の構成図である。
態の構成図である。
態の構成図である。
イド、5 プラズマダクト、6 管、7 標的部域、8
素材、9 磁気走査コイル、10 放電型プラズマ成
膜装置、12 真空容器、12a カソードホルダー、
12b,12c,12d,12e カウリング部、13
絶縁性ボルト、14 カソード、14a 円形端面、
14b 円柱面、15a,15b,15c カソード絶
縁部材、15d 絶縁ロッド、16 アノード、17
カソード保持電極、18 電源装置、19 真空アーク
放電、20 アーク遮蔽部材、21 プラズマ、22
第1チャンバー、23 第2チャンバー、24 導管、
27 成膜チャンバー、28 ホルダー、29 バイア
ス電源(直流電源)、30 磁場発生装置31,32
アノード絶縁部材、33 ベローズ、34 ボルト、3
5 絶縁碍子、36 Oリング、37a,37b 金属
板、38a,38b 遮熱リング、39 ボルト
Claims (8)
- 【請求項1】 真空中でカソード物質をプラズマ化させ
る放電型プラズマ成膜装置であって、内部を減圧可能な
真空容器(12)と、該真空容器内に配置された円柱形
状のカソード(14)と、該カソードの円形端面(14
a)に対向する位置に設けられたアノード(16)と、
カソードとアノードの間に直流電圧を印加する直流電源
装置(18)と、カソードの円柱面(14b)とアノー
ドの間に発生する真空アーク放電(19)を遮蔽するア
ーク遮蔽部材(20)とを備える、ことを特徴とする放
電型プラズマ成膜装置。 - 【請求項2】 前記アーク遮蔽部材(20)は、カソー
ドの円柱面(14b)がアノードと直接対向するのを阻
止するようにカソードの円柱面を間隔を隔てて囲む中空
円筒形の導電材であり、かつカソード及びアノードから
電気的に絶縁されている、ことを特徴とする請求項1に
記載の放電型プラズマ成膜装置。 - 【請求項3】 前記カソード(14)は、一定の長さを
有する着脱可能な円柱部材、又は連続的にアノードに向
けて供給可能に構成された長尺円柱部材である、ことを
特徴とする請求項1に記載の放電型プラズマ成膜装置。 - 【請求項4】 前記真空容器(12)は、カソード(1
4)を保持するカソードホルダー(12a)と、アーク
遮蔽部材(20)を間隔を隔てて囲むカウリング部(1
2b,12c,12d,12e)とからなり、カソード
ホルダー(12a)はカソード(14)と電気的に導通
し、カウリング部(12b,12c,12d,12e)
は、カソード及びアノードから電気的に絶縁されてい
る、ことを特徴とする請求項1に記載の放電型プラズマ
成膜装置。 - 【請求項5】 前記カウリング部(12b,12c)
は、中空円筒形の可撓性ベローズ(33)を介して連結
されたカウリング移動部(12b)とカウリング固定部
(12c)とからなり、カウリング移動部(12b)は
カウリング固定部(12c)に対してカソード(14)
の軸方向に移動可能であり、カウリング移動部(12
b)は、カソード絶縁部材(15c)を介してカソード
ホルダー(12a)に固定され、カウリング固定部(1
2c)は、アノード絶縁部材(31,32)を介してア
ノード側に固定されている、ことを特徴とする請求項4
に記載の放電型プラズマ成膜装置。 - 【請求項6】 前記アーク遮蔽部材(20)は、絶縁碍
子(35)を介して前記カウリング固定部(12c)の
内側に固定されている、ことを特徴とする請求項5に記
載の放電型プラズマ成膜装置。 - 【請求項7】 真空容器(12)内を真空に保持し、印
加磁場中でアノードとカソードの間に真空アーク放電
(19)を発生させてカソード物質のプラズマを形成す
る放電型プラズマ発生方法であって、カソード及びアノ
ードから電気的に絶縁されたアーク遮蔽部材(20)で
カソードの円柱面(14b)を間隔を隔てて囲み、カソ
ードの円柱面とアノードの間に発生する真空アーク放電
(19)を遮蔽する、ことを特徴とする放電型プラズマ
発生方法。 - 【請求項8】 前記真空容器(12)を、カソード(1
4)を保持するカソードホルダー(12a)と、アーク
遮蔽部材(20)を間隔を隔てて囲むカウリング部(1
2b,12c,12d,12e)で構成し、カソードホ
ルダー(12a)をカソード(14)と電気的に導通
し、カウリング部(12b,12c,12d,12e)
を、カソード及びアノードから電気的に絶縁する、こと
を特徴とする請求項7に記載の放電型プラズマ発生方
法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001376591A JP3668845B2 (ja) | 2000-12-13 | 2001-12-11 | 放電型プラズマ成膜装置とその方法 |
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JP2000378422 | 2000-12-13 | ||
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JP2008066241A (ja) * | 2006-09-11 | 2008-03-21 | Shin Meiwa Ind Co Ltd | プラズマガンの中間電極ユニット及びそれを備えるプラズマガン |
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- 2001-12-11 JP JP2001376591A patent/JP3668845B2/ja not_active Expired - Fee Related
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