JP2002241492A - ポリエーテルの製造方法 - Google Patents

ポリエーテルの製造方法

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JP2002241492A
JP2002241492A JP2001038497A JP2001038497A JP2002241492A JP 2002241492 A JP2002241492 A JP 2002241492A JP 2001038497 A JP2001038497 A JP 2001038497A JP 2001038497 A JP2001038497 A JP 2001038497A JP 2002241492 A JP2002241492 A JP 2002241492A
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Yoshiyuki Hashimoto
賀之 橋本
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DKS Co Ltd
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒含有量が少ないポリエーテルを効率よく
製造する。 【解決手段】 炭素数3以上のモノエポキシドを複合金
属シアン化物錯体触媒の存在下において開環重合させた
触媒を含有するポリエーテルを、ハイドロタルサイトを
含有する処理剤で処理して触媒を失活させたのち、失活
させた触媒および処理剤を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエーテルの製造
方法に関し、くわしくは触媒含有量の少ないポリエーテ
ルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエーテルは、合成樹脂原料、界面活
性剤原料、潤滑油原料などの広範囲の用途で大量に使用
されており、工業的規模で製造されている。ポリエーテ
ルは、アルキレンオキシドなどのモノエポキシドを、少
なくとも1個以上の水酸基を有する開始剤に、開環重合
させることによって製造することができる。
【0003】従来、ポリエーテルの製造方法としては、
モノエポキシドの開環重合にアルカリ金属水酸化物やア
ルカリ金属アルコキシドなどのアルカリ触媒を用いる方
法が一般的であった。しかし、アルカリ触媒を用いるポ
リエーテルの製造方法には、いくつかの問題点がある。
【0004】具体的には、ポリエーテルの分子量分布
が広くなる、モノエポキシドがプロピレンオキシドの
場合には、プロピレンオキシドの異性化により不飽和基
を有するモノオールが生成し、これにプロピレンオキシ
ドが開環付加することにより不飽和基を片末端に有する
不飽和ポリエーテルモノオールが生成するにいたり、目
的のポリオールが得られないばかりか、事実上高分子量
のポリエーテルが得られないといった問題があった。
【0005】とくに片末端不飽和ポリエーテルモノオー
ルを含むポリエーテルを樹脂原料、すなわち、ポリウレ
タン原料として使用する場合には、この不飽和基の存在
は目的とする反応を不完全にいたらしめ、得られたポリ
ウレタン樹脂の物性へも悪影響をおよぼす点で非常に重
大な問題である。
【0006】これら問題を解決する触媒として複合金属
シアン化物錯体触媒が知られており(米国特許3278
457、米国特許3278458、米国特許32784
59、米国特許3427256、米国特許342733
4、米国特許3327335)、不飽和ポリエーテルモ
ノオールの含有量を大幅に低減させ、また、極めて高分
子量のポリエーテルを得ることが可能である点で非常に
有用である。
【0007】しかし、複合金属シアン化物錯体触媒を用
いて炭素数3以上のモノエポキシドを開環重合させて得
られるポリエーテルの粗製物から触媒を除去することは
非常に困難であり、単なる濾過や吸着処理では触媒を除
去することはできない。
【0008】ポリエーテル中の残存触媒は、ポリウレタ
ン原料として使用した場合に反応制御を困難にいたらし
め、得られたポリウレタン樹脂の物性へも悪影響をおよ
ぼす点で、触媒の除去は実用上非常に重要な技術とな
る。
【0009】触媒の除去方法については、アルカリ金属
化合物や特定のアルカリ土類金属化合物またはルイス酸
化合物で処理して触媒を失活させたのち、吸着剤などで
処理する方法が知られているが、実用上使用可能な程度
まで触媒量を低減できない、色相を大幅に悪化させる、
さらに処理剤の取扱が煩雑であるなど、実用上解決され
るべき問題が多々残されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、触媒含有量
が極めて少ないポリエーテルを効率よく製造することが
できるポリエーテルの製造方法を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、触媒の処理剤
としてハイドロタルサイトを用いることによって、前記
実用上の種々の課題を解決する方法を提供するものであ
る。
【0012】すなわち、本発明は、炭素数3以上のモノ
エポキシドを複合金属シアン化物錯体触媒の存在下にお
いて開環重合させて得られる触媒を含有するポリエーテ
ルを、合成または天然のハイドロタルサイトを含有する
処理剤で処理して、触媒を失活させたのち、失活した触
媒(触媒の分解生成物)および処理剤を除去することを
特徴とするポリエーテルの製造方法、前記ハイドロタル
サイトが式(1): MgAl(OH)16CO・4HO で表わされる前記の製造方法、前記ハイドロタルサイト
が式(2): Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO で表わされる前記の製造方法、前記処理剤を熱処理した
のちにポリエーテルの処理に用いる前記の各製造方法、
および、水の存在下において処理剤で処理して、触媒を
失活させる前記の製造方法にかかわる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明においては、炭素数3以上
のモノエポキシドを開環重合させることによってポリエ
ーテルを製造する。炭素数3以上のモノエポキシドとし
ては、たとえば、プロピレンオキシド、1,2−ブチレ
ンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、エピクロルヒ
ドリン、スチレンオキシド、グリシジルエーテル類など
をあげることができる。モノエポキシドは、1種を単独
でまたは2種以上を併用して用いることができる。
【0014】ポリエーテルとしては、ポリオキシアルキ
レンポリオールが好ましく、モノエポキシドの開環重合
の開始剤として、少なくとも2個以上の活性水素を有す
る化合物を用いる。
【0015】活性水素化合物としては、とくに2個以上
の水酸基を有するポリヒドロキシ化合物が好ましく、た
とえば、エチレングリコール、プロピレングリコールな
どの2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロ
パンなどの3価アルコール、ペンタエリスリトール、デ
キストロース、ソルビトール、シュークロースなどの4
価以上のアルコールなどがあげられる。
【0016】また、ビスフェノールAなどのフェノール
性水酸基やメチロール基を有する化合物、エタノールア
ミン、ジエタノールアミンなどの水酸基とほかの活性水
素を有する化合物、ポリヒドロキシ化合物またはそのほ
かの活性水素化合物にアルキレンオキシドを付加して得
られる化合物などのポリヒドロキシ化合物も使用でき
る。
【0017】開始剤の分子量は、目的とするポリエーテ
ルよりも低分子量であればとくに制限はないが、商業生
産を実施するうえでは、反応速度や開始剤の品質から判
断して、好ましくは2官能または3官能の数平均分子量
200〜2000のポリエーテルを開始剤として使用す
ることができる。
【0018】本発明においては、モノエポキシドの開環
重合に、触媒として、複合金属シアン化物錯体を用い
る。複合金属シアン化物錯体は、たとえば、式(3)で
表わすことができる。
【0019】 M[M’(CN)(HO)・(R) (3) 式(3)中、MおよびM’は金属、Rは有機配位子、
a、b、xおよびyは金属の原子価と配位数により変わ
る正の整数であり、cおよびdは金属の配位数により変
わる正の整数である。
【0020】金属Mとしては、Zn(II)、Fe(I
I)、Fe(III)、Co(II)、Ni(II)、Al(II
I)、Sr(II)、Mn(II)、Cr(III)、Cu(I
I)、Sn(II)、Pb(II)、Mo(IV)、Mo(V
I)、W(IV)、W(VI)などがあげられ、なかでもZ
n(II)が好ましく用いられる。
【0021】金属M’としては、Fe(II)、Fe(II
I)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(II
I)、Mn(II)、Mn(III)、Ni(II)、V(I
V)、V(V)などがあげられ、なかでもFe(II)、
Fe(III)、Co(II)、Co(III)が好ましく用い
られる。
【0022】有機配位子Rとしては、たとえば、ケト
ン、エーテル、アルデヒド、エステル、アルコール、ア
ミド、ニトリル、スルフィドなどがあげられ、なかでも
エーテル、エステル、アルコール、アミドが好ましい。
具体的には、エーテルとしては、エチレングリコールジ
メチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル
などがあげられ、アルコールとしては、t−ブタノール
などがあげられ、アミドとしては、N,N−ジメチルア
セトアミドなどがあげられる。
【0023】複合金属シアン化物錯体は、通常、反応原
料(モノエポキシドおよび開始剤の合計量)に対して
0.005〜5.0%、好ましくは0.02〜2.0%
用いることができる。複合金属シアン化物錯体の使用量
が少なすぎると、反応速度が低下し、反応工程に長時間
を要するため、商業生産において不適当である。さら
に、長時間にわたり高温条件下に置かれることにより製
品の品質が劣化するおそれがある。逆に、使用量が多す
ぎると、多量の触媒処理剤が必要となるばかりか、精製
工程において濾過に長時間を必要とする。さらに、得ら
れる製品の品質を大きく低下させるおそれがある。具体
的には、目的とする分子量分布の製品が得られない、副
生成物の量が増大する、製品粘度が上昇する、色相がわ
るくなるなどの問題が生じるおそれがある。
【0024】モノエポキシドは、たとえば80〜180
℃、好ましくは90〜150℃で開環重合させることが
できる。重合温度が低すぎると、反応速度が低下し、反
応工程に長時間を要するため、商業生産においては不適
当である。逆に重合温度が高すぎると、得られる製品の
品質を大きく低下させるおそれがある。具体的には、目
的とする分子量分布の製品が得られない、副生成物の量
が増大する、色相がわるくなるなどのおそれがある。ま
た、複合金属シアン化物錯体触媒が熱分解し、触媒活性
が反応途中において大幅に低下するおそれがある。
【0025】本発明においては、反応粗製物として、た
とえば、数平均分子量が500〜20000のポリエー
テルを得ることができる。
【0026】本発明においては、天然または合成のハイ
ドロタルサイトを含有する処理剤を用いて、反応粗製物
に含有されている触媒を分解し、失活させる。
【0027】ハイドロタルサイトの一般式は、式(4)
で表わされる。
【0028】 [Mg2+ 1-zAl3+ z(OH)2z+[An- z/n・mH2O]z- (4) (式中、An−は、CO3−、SO 2−、OH、N
、Fe(CN) 3−またはCHCOOであ
り、z、mは正の数値である) zはとくに制限されないが、0<z≦0.33であるこ
とが好ましく、0.25≦z≦0.3のとき、とくに好
適に利用できる。なかでも、ポリエーテルの品質を劣化
させることなしに、かつ短時間で本発明の目的を達成す
ることができる点で、式(1)または式(2)で表わさ
れるハイドロタルサイトが好ましい。式(1)は式
(4)においてzが0.25、mが0.5の場合であ
り、式(2)はzが4/13、mが7/13の場合であ
る。
【0029】 MgAl(OH)16CO・4HO (1) Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO (2) ハイドロタルサイト(処理剤)は、熱処理したのち、反
応粗製物の処理に用いることが好ましい。熱処理するこ
とにより、本発明の目的を達成する上でより好適な程度
の塩基性を有する処理剤が得られ、ポリエーテルの品質
を劣化させることなしに、かつ短時間で目的を達成する
ことができる。
【0030】ハイドロタルサイト(処理剤)の熱処理温
度は、200〜1000℃、好ましくは300〜900
℃とすることができる。熱処理温度が低すぎると、触媒
の分解が不完全となり、残存触媒により反応粗製物の濾
過性が著しく低下するばかりか、透明な製品が得られな
いといった問題が生じる。熱処理温度が高すぎると、ヒ
ドロキシアパタイトが本発明の目的を達成する上で効力
の乏しい化合物に変質する傾向がある。
【0031】熱処理時間は、1時間以上、好ましくは2
時間以上とすることができる。熱処理時間が短かすぎる
と、本発明の目的を達成する上で好適な組成の処理剤が
得られず、触媒の分解が不完全となり、残存触媒により
反応粗製物の濾過性が著しく低下する傾向がある。な
お、熱処理時間としては、本発明の目的を達成する上で
有効な組成に変化するために必要な処理時間さえ確保す
れば、実際の処理時間の延長はあまり意味をなさず、通
常は24時間以下、さらには12時間以下の処理時間で
熱処理の目的を達成することが可能である。
【0032】処理剤は、たとえば、ハイドロタルサイト
に換算して、反応粗製物100重量部に対して0.02
〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部用いるこ
とができる。処理剤の使用量が少なすぎると、触媒の分
解が不完全となり、残存触媒により濾過性が著しく低下
するばかりか、透明な製品が得られないといった問題が
あり、多すぎると、濾過性に悪影響をおよぼすほか、製
品収率が低下する、濾過ケーキ量が増大するなどの問題
がある。
【0033】本発明においては、水の存在下において反
応粗製物を処理することが好ましい。水の存在下で処理
することにより、触媒をより短時間で分解することがで
き、濾過性の低下や製品の着色、濁りなどを防ぐことが
できる。
【0034】水は、たとえば、ハイドロタルサイト10
0重量部に対して20〜1000重量部、好ましくは5
0〜500重量部存在させることができる。水の存在量
が少なすぎると触媒の分解が不完全となり、残存触媒に
より濾過性が著しく低下するばかりか、製品の色相がわ
るくなったり、製品に濁りが発生する原因となり、多す
ぎると添加した水を脱水するために多大な労力が必要と
なり、商業生産において不適当となる。
【0035】反応粗製物に、ハイドロタルサイトおよび
水を添加して、たとえば、40〜180℃、好ましくは
80〜140℃において、攪拌することによって、触媒
を失活させることができる。処理温度が低すぎると、触
媒の分解が不完全となり、残存触媒により濾過性が著し
く低下するばかりか、透明な製品が得られないといった
問題があり、高すぎると、製品の品質劣化、すなわち、
製品の熱分解による不純物の増加、着色、臭気発生の原
因となる。攪拌時間は、たとえば、0.5〜5時間、好
ましくは1〜3時間とすることができる。攪拌時間が短
すぎると、触媒の分解が不完全となり、残存触媒により
濾過性が著しく低下するばかりか、透明な製品が得られ
ないという問題があり、長すぎると製品の品質劣化の原
因となる。
【0036】触媒の分解生成物およびハイドロタルサイ
トを除去することによって、触媒の含有量が少ないポリ
エーテル、たとえば、触媒構成金属含有量が10ppm
以下、好ましくは5ppm以下のポリエーテルを得るこ
とができる。ポリエーテルのMg含有量は、たとえば、
5ppm以下、好ましくは3ppm以下とすることがで
きる。ポリエーテルのAl含有量は、たとえば、5pp
m以下、好ましくは3ppm以下とすることができる。
【0037】ポリエーテルの触媒構成金属含有量または
処理剤由来のMgもしくはAlの含有量が多すぎると、
濾過性が著しく低下するばかりか、透明な製品が得られ
ず、得られたポリエールをウレタン樹脂原料として使用
した場合には、ウレタン化反応に悪影響をおよぼし、得
られるウレタン樹脂の樹脂物性に対して悪影響をおよぼ
すといった問題がある。
【0038】触媒の分解生成物およびハイドロタルサイ
トは、たとえば、吸着剤を用いることによって、除去す
ることができる。たとえば、触媒を含有するポリエーテ
ルに吸着剤、好ましくは吸着剤および水を添加して攪拌
することによって、触媒の分解生成物を吸着剤に吸着さ
せることができ、減圧脱水したのち、濾過助剤を用いて
濾過することによって、触媒の分解生成物を吸着した吸
着剤および処理剤を除去することができる。
【0039】吸着剤としては、たとえば、合成ケイ酸マ
グネシウム、活性白土、合成ケイ酸アルミニウムなどを
用いることができる。吸着剤の使用量は、たとえば、反
応粗製物100重量部に対して0.1〜30重量部とす
ることができる。吸着剤の使用量が少なすぎると、触媒
の分解生成物の吸着が不完全となり、濾過性が著しく低
下するばかりか、透明な製品が得られないといった問題
があり、多すぎると濾過性に悪影響をおよぼすほか、製
品収率が低下する、濾過ケーキが増大する、多量の吸着
剤の使用により製品が汚染されるなどの問題がある。
【0040】
【実施例】<反応粗製物の製造>公知の方法に準じて、
開始剤としてプロピレングリコールを出発物質とした分
子量750のポリプロピレングリコール、触媒としてヘ
キサシアノコバルト(III)酸亜鉛を反応粗製物(ポリ
プロピレングリコールおよびプロピレンオキシドの合計
量)当たり0.15%用いて110℃でプロピレンオキ
シドを所定量まで導入し、反応、熟成させて分子量44
00の反応粗製物Aを得た。反応粗製物Aは、触媒構成
金属であるZnを330ppm、Coを206ppm含
有していた。
【0041】また、開始剤として、分子量750のポリ
プロピレングリコールに代えて、グリセリンを出発物質
とした分子量900のポリオキシプロピレングリセリル
エーテルを用いたほかは前記と同様にして、分子量77
00の反応粗製物Bを得た。反応粗製物Bは、触媒構成
金属であるZnを330ppm、Coを206ppm含
有していた。
【0042】<ポリエーテルの製造(精製)> 実施例1 反応粗製物A1000gに対して温度70℃で、触媒処
理剤として600℃で3時間熱処理したハイドロタルサ
イト(協和化学工業(株)製のキョワード500SN;
MgAl(OH)16CO・4HO)20gお
よび水20gを加え、攪拌しながら120℃まで昇温
し、120℃に2時間維持して処理した。80℃まで冷
却したのち、吸着剤として合成ケイ酸マグネシウム20
gおよび水30gを加え、80℃で1時間攪拌した。減
圧下において脱水しながら105℃まで昇温して反応粗
製物中の水分を除去したのち、80℃まで冷却し、濾過
助剤(昭和化学工業(株)製のトプコNo.31)を用
いて濾過して、無色透明の精製品(ポリエーテル)98
0gを得た。濾過は処理液の温度が60℃になるように
保温しながら行ない、濾過器としては桐山式濾過器を、
濾紙としては桐山濾紙No.5B(95mm径)を使用
した。
【0043】実施例2 600℃で3時間熱処理したハイドロタルサイト(協和
化学工業(株)製のキョワード500SN)に代えて、
600℃で3時間熱処理したハイドロタルサイト(協和
化学工業(株)製のキョワード1000;Mg4.5
(OH) CO・3.5HO)を用いたほか
は、実施例1と同様にして、無色透明の精製品(ポリエ
ーテル)980gを得た。
【0044】比較例1 熱処理したハイドロタルサイトおよび水を加えず、触媒
の処理時間を4時間としたほかは、実施例1と同様にし
た。ただし、濾過性が非常にわるく、白濁粘稠液体(ポ
リエーテル)100gを得るために10時間を要した。
【0045】比較例2 熱処理したハイドロタルサイト20gおよび水20gに
代えて、水20gのみを加えたほかは、実施例1と同様
にした。ただし、濾過性が非常にわるく、白濁粘稠液体
(ポリエーテル)100gを得るために7時間を要し
た。
【0046】比較例3 熱処理したハイドロタルサイト20gおよび水20gに
代えて、水酸化カリウムの48%水溶液21gを加え、
合成ケイ酸マグネシウム20gに代えて、合成ケイ酸ア
ルミニウム30gとしたほかは、実施例1と同様にし
て、白濁粘稠液体(ポリエーテル)970gを得た。
【0047】比較例4 熱処理したハイドロタルサイト20gおよび水20gに
代えて、水酸化カリウム48%水溶液21gを加えて触
媒を処理し、ついで80℃の温度で酸性ピロリン酸ナト
リウム40gを加え、攪拌しながら120℃まで昇温
し、120℃を維持して1時間処理したのち、減圧下で
反応粗製物中の水分を除去し、析出物を濾過助剤(昭和
化学工業(株)製のトプコNo.31)を用いて濾過し
た。引き続き、吸着剤として合成ケイ酸マグネシウム1
0gおよび水10gを加えて吸着処理したほかは、実施
例1と同様にして、濁りを有する褐色粘稠液体(ポリエ
ーテル)940gを得た。
【0048】比較例5 熱処理したハイドロタルサイト20gおよび水20gに
代えて、塩化アルミニウム20gを30%テトラヒドロ
フラン溶液として用い、合成ケイ酸マグネシウムを30
gとしたほかは、実施例1と同様にして、濁りを有する
褐色粘稠液体(ポリエーテル)980gを得た。
【0049】実施例3 反応粗製物Aに代えて、反応粗製物Bを用い、触媒の処
理温度を130℃、処理時間を4時間としたほかは、実
施例1と同様にして、無色透明の精製品(ポリエーテ
ル)970gを得た。
【0050】比較例6 熱処理したハイドロタルサイト20gに代えて、水酸化
アルミニウム10gを用い、触媒の処理温度を120
℃、処理時間を2時間とし、合成ケイ酸マグネシウムを
30gとしたほかは、実施例3と同様にした。ただし、
濾過性が非常にわるく、濁りを有する褐色粘稠液体(ポ
リエーテル)100gを得るために11時間を要した。
【0051】<結果>各実施例および比較例で得られた
精製後のポリエーテルの所定量を白金ルツボを用いて灰
化させたものを、希塩酸に溶解させて調製した試料中の
触媒構成金属(Zn、Co)および処理剤由来金属(M
g、Al、K)含有量をICP発光分析装置を用いて定
量した。結果を表1に記載する。また、得られたポリエ
ーテルの外観を目視で評価した結果および濾過性を評価
した結果を表1に記載する。濾過性は反応粗製物の濾過
速度V(g/cm・時間)から以下の指標にしたがっ
て4段階で評価を行なった。 ◎ V≧4.7 ○ 4.7>V≧2.4 △ 2.4>V≧1.2 × 1.2>V
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、従来の方法に比較して
触媒残渣含有量を大幅に低減し、色相が良好で透明のポ
リエーテルを製造することができる。
【0054】本発明によれば、処理剤の取扱およびその
処理方法に煩雑な操作をともなわない。
【0055】本発明によれば、触媒処理後の吸着処理、
ろ過工程において、従来の技術を適用することができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数3以上のモノエポキシドを複合金
    属シアン化物錯体触媒の存在下において開環重合させて
    得られる触媒を含有するポリエーテルを、合成または天
    然のハイドロタルサイトを含有する処理剤で処理して、
    触媒を失活させたのち、失活した触媒および処理剤を除
    去することを特徴とするポリエーテルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ハイドロタルサイトが式(1): MgAl(OH)16CO・4HO で表わされる請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ハイドロタルサイトが式(2): Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO で表わされる請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記処理剤を熱処理したのちにポリエー
    テルの処理に用いる請求項1、2または3記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 水の存在下において処理剤で処理して、
    触媒を失活させる請求項1、2、3または4記載の製造
    方法。
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