JP2002241267A - 水溶解性が改善された医薬組成物 - Google Patents

水溶解性が改善された医薬組成物

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JP2002241267A
JP2002241267A JP2001377069A JP2001377069A JP2002241267A JP 2002241267 A JP2002241267 A JP 2002241267A JP 2001377069 A JP2001377069 A JP 2001377069A JP 2001377069 A JP2001377069 A JP 2001377069A JP 2002241267 A JP2002241267 A JP 2002241267A
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phenyl
chloro
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Application number
JP2001377069A
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English (en)
Inventor
Yoko Akiyama
洋子 秋山
Hiroto Bando
博人 坂東
Yukihiro Matsumoto
行浩 松本
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リピド・リッチ・プラーク退縮物質の溶解
性、経口吸収性、血液中への吸収性が改善された固体分
散体。 【解決手段】 水難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ
・プラーク退縮物質および親水性重合体を含有する固体
分散体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水難溶性ないし不
溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質の溶解性が改
善された固体分散体およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】難溶性の化合物を親水性重合体マトリッ
クス内に均質な溶液または溶融物を形成し、続いて、溶
剤を冷却するかまたは取り除くことによって混合物を凝
固させることで製造される固体分散体は、溶解性や吸収
性を改善し薬剤の生物利用性を高めるとは公知である。
例えばグリゼオフルビンを親水性重合体のポリエチレン
グリコールに分散させて固体分散体とし、その溶解性な
どを改善している(ジャーナル・オブ・ファーマシュー
ティカル・サイエンス(J. Pharm. Sc
i.),60(9), 1281−1302(197
1))。さらに、スルファチアゾールとポリビニルピロ
リドンの固体分散体(ジャーナル・オブ・ファーマシュ
ーティカル・サイエンス(J. Pharm. Sc
i.),58(5), 538−549(196
9))、フィソキサゾールやスルファメチゾールとポリ
ビニルピロリドンの固体分散体(ケミカル・ファーマシ
ューティカル・ブレチン(Chem. Pharm.
Bull.),27(5),1223−1230(19
79))などが知られている。また、特開平7−108
44号公報、特開平6−263736号公報、特開平7
−149722号公報、特開平6−340647号公報
には、ACAT阻害活性を有する化合物が記載されてい
るが、該化合物を含有する固体分散体については開示さ
れていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水難溶性な
いし不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質の溶解
性が改善された新規な固体分散体を提供することを課題
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、水難溶性な
いし不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質に親水
性重合体を共存させることにより、予想外にも該リピド
・リッチ・プラーク退縮物質の溶解性を著しく改善でき
ることを見出した。本発明者らは、この知見に基づい
て、さらに研究を行った結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明は、(1)水難溶性ない
し不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質を含有し
てなる、該リピド・リッチ・プラーク退縮物質の水溶解
性が改善された医薬組成物、(2)固体分散体である上
記(1)項記載の組成物、(3)水難溶性ないし不溶性
のリピド・リッチ・プラーク退縮物質および親水性重合
体を含有する上記(1)項または(2)項記載の組成
物、(4)リピド・リッチ・プラーク退縮物質が非晶形
である上記(1)項または(2)項記載の組成物、
(5)親水性重合体がセルロース誘導体、ポリアルケニ
ルピロリドン、ポリアルキレングリコールまたはメタア
クリル酸コポリマーである上記(3)項記載の組成物、
(6)親水性重合体が腸溶性重合体である上記(3)項
記載の組成物、(7)親水性重合体がヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースフタレ−トである上記(3)項記載
の組成物、(8)親水性重合体がメタアクリル酸とアク
リル酸エチルの共重合体またはメタアクリル酸とメタア
クリル酸メチルの共重合体である上記(3)項記載の組
成物。(9)さらに乳糖を含む上記(1)項記載の組成
物、(10)水難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ・
プラーク退縮物質が、25℃で水に対する溶解度が10
mg/mL未満のリピド・リッチ・プラーク退縮物質で
ある上記(1)項記載の組成物、(11)水難溶性ない
し不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質が、式
〔I〕
【化3】 〔式中、A環は置換基を有していてもよい環式炭化水素
または置換基を有していてもよい複素環を;B環は5員
または6員の同素または複素環を;XおよびYは、それ
ぞれ−NR1−(R1は水素原子、置換基を有していても
よい炭化水素基、置換基を有していてもよいヒドロキシ
ル基または置換基を有していてもよいアミノ基を示
す)、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−C(R
2)R2a−(R2およびR2aはそれぞれ水素原子、ヒドロ
キシル基または置換基を有していてもよい炭化水素基を
示す)、−N=または=CR3−(R3は水素原子、ハロ
ゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換
基を有していてもよいヒドロキシル基または置換基を有
していてもよい炭化水素基で置換されていてもよいメル
カプト基を示す)を;Dはオキソ基またはチオキソ基で
置換されていてもよいC1- 3アルキレン基、−NH−ま
たは−CH2NH−を;Eは−NR4−(R4は水素原子
または置換基を有していてもよい炭化水素基を示
す、)、−O−、−S(O)n−(nは0、1または2
を示す)または−CONR5−(R5は水素原子または置
換基を有していてもよい炭化水素基を示す)を;Gは結
合手またはC1-3アルキレン基を;Arは置換基を有し
ていてもよいアリール基または置換基を有していてもよ
い複素環基を示し、DはB環の構成原子と一緒になって
オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよい5員
ないし7員環を形成してもよく、R4はB環の構成原子
と一緒になってオキソ基またはチオキソ基で置換されて
いてもよい5員ないし7員環を形成してもよく、B環は
−D−E−G−Ar以外にさらに置換基を有していても
よい。〕で表わされる化合物もしくはその塩またはその
プロドラッグである上記(1)項記載の組成物、(1
2)水難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ・プラーク
退縮物質が、式〔V〕
【化4】 〔式中、R10およびR11はそれぞれ水素原子、ハロゲン
原子、置換基を有していてもよい鎖状炭化水素基または
置換基を有していてもよい鎖状炭化水素基で置換されて
いてもよいヒドロキシル基を、または一緒になって隣接
する炭素原子とともに置換基を有していてもよい環状炭
化水素またはオキソ化されていてもよいジヒドロフラン
環を形成していてもよく、I環は置換基を有していても
よいベンゼン環または置換基を有していてもよいピリジ
ン環を、J環は置換基を有していてもよいベンゼン環ま
たはピリジン環を示す。〕で表される化合物もしくはそ
の塩またはそのプロドラッグである上記(1)項記載の
組成物、(13)水難溶性ないし不溶性のリピド・リッ
チ・プラーク退縮物質が(i) 2−〔6−クロロ−2−オ
キソ−4−(2−メチルフェニル)−2H−クロメン−
3−イル〕−N−(2,6−ジメトキシフェニル)アセ
トアミド、(ii) N−(2,6−ジメトキシフェニル)−
N’−〔3−(2−メチルフェニル)−6,7−ジヒドロ
−5H−インデノ[5,6-b]フラン−2−イル〕尿素、(ii
i) N−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニ
ル)−2−(2−オキソ−4−フェニル−2,6,7,8
−テトラヒドロシクロペンタ[g]クロメン−3−イル)
アセトアミド、(iv) 2-{7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル
-6-[(4-フェニル-1-ピペラジニル)メチル]-2H-クロメン
-3-イル}-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニ
ル]アセトアミド、(v) 2-[7-クロロ-4-(3-クロロフェニ
ル)-6-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-ク
ロロ -2-(トリフルオロメチル) フェニル]アセトアミ
ド、(vi)2-[7-クロロ-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニ
ル)-6-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-
クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミ
ド、(vii) 2-(7-クロロ-6-フルオロ-2-オキソ-4-フェニ
ル-2H-クロメン-3-イル)-N-[4-フルオロ-2-(トリフル
オロメチル)フェニル]アセトアミド、(viii) (2E)-3-[3
-[7-クロロ-3-[2-[[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)
フェニル]アミノ]-2-オキソエチル]-6-メチル-2-オキソ
-2H-クロメン-4-イル]フェニル]-2-プロペン酸メチ
ル、(ix) 2-[4-(3-クロロフェニル)-6,7-ジメチル-2-
オキソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ 2-(トリフ
ルオロメチル)フェニル]アセトアミド、(x) 2-[6-クロ
ロ-4-(3-クロロフェニル)-7-メチル-2-オキソ-2H-クロ
メン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フ
ェニル]アセトアミド、(xi) (2E)-3-[3-[7-クロロ-3-[2
-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミ
ノ]-2-オキソエチル]-6-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-
4-イル]フェニル]-2-プロペン酸エチル、(xii) (2E)-3-
[3-[7-クロロ-3-[2-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチ
ル)フェニル]アミノ]-2-オキソエチル]-6-メチル-2-オ
キソ-2H-クロメン-4-イル]フェニル]-2-プロペン酸もし
くはその塩またはそのプロドラッグである上記(1)項
記載の組成物、(14)水難溶性ないし不溶性のリピド
・リッチ・プラーク退縮物質と親水性重合体との重量比
が1:1〜1:20である上記(3)項記載の組成物、
(15)水難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ・プラ
ーク退縮物質と親水性重合体との重量比が1:3〜1:
5である上記(3)項記載の組成物、(16)リピド・
リッチ・プラーク退縮剤である上記(1)項記載の組成
物、(17)急性冠動脈症候群、急性心筋梗塞、不安定
狭心症または末梢動脈閉塞症の予防・治療剤である上記
(1)項記載の組成物、(18)水難溶性ないし不溶性
のリピド・リッチ・プラーク退縮物質および親水性重合
体を含む有機溶媒の懸濁液または溶液から有機溶媒を除
去することを特徴とする水難溶性ないし不溶性のリピド
・リッチ・プラーク退縮物質および親水性重合体を含有
する固体分散体の製造法、および(19)上記(2)項
記載の固体分散体を含有してなる医薬製剤を提供する。
【0006】さらに、本発明は、(20)化合物〔I〕
が、式〔II〕
【化5】 〔式中、A’環は置換基を有していてもよい6員環式炭
化水素を;C環は置換基を有していてもよいベンゼン環
を;X’およびZはいずれか一方が−NR1’−(R1’
は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基また
は置換基を有していてもよいアミノ基を示す)、−O−
または−S−を、他方が−CO−、−CS−または−C
(R2’)R2a’−(R2’およびR2a’はそれぞれ水素
原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示
す)を、あるいはいずれか一方が−N=を、他方は=C
3’−(R3’は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有
していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい
アミノ基、置換基を有していてもよいヒドロキシル基ま
たは置換基を有していてもよい炭化水素基で置換されて
いてもよいメルカプト基を示す)を;‐‐‐は一重結合
または二重結合を;Y’は、Y’に隣接する‐‐‐が一
重結合の場合は
【化6】 (R6は水素原子、ヒドロキシル基または置換基を有し
ていてもよい炭化水素基を示す)または窒素原子を、
Y’に隣接する‐‐‐が二重結合の場合は炭素原子を;
D’はオキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよ
いC1-3アルキレン基を;E’は−NR7−(R7は水素
原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示
す)、−O−または−S(O)n−(nは0,1または
2を示す)を;G’は結合手またはC1-3アルキレン基
を;Ar’は置換基を有していてもよいアリール基また
は置換基を有していてもよい複素環基を示し、D’はZ
と一緒になってオキソ基またはチオキソ基で置換されて
いてもよい5員ないし7員環を形成していてもよく、R
7はZと一緒になてオキソ基またはチオキソ基で置換さ
れていてもよい5員ないし7員環を形成していてもよ
い〕で表される化合物である上記(11)記載の固体分
散体、(21)化合物〔I〕が、式〔III〕
【化7】 〔式中、A’’環、C’環およびH環はそれぞれ置換基
を有していてもよいベンゼン環を、X’’は−NR8
(R8は水素原子または置換基を有していてもよい炭化
水素基を示す)、−O−または−S−を、Uは−(CH
2)m−(mは1または2を示す)または−NH−を、
aは水素原子または置換基を有していてもよい炭化水
素基を示す〕で表される化合物である上記(11)記載
の固体分散体、(22)化合物〔I〕が、式〔IV〕
【化8】 〔式中、A’’’環は置換基を有していてもよいベンゼ
ン環を、Q環は置換基を有していてもよい芳香環を、W
は−CH2−、−CO−または−CS−を、Vは
【化9】 を、またはWとVが一緒になって
【化10】 を、Y’’は−CH2−、−O−、−S−、−CO−、
−CS−または−NR9−(R9は水素原子または炭化水
素基を示す)を、U’は−NH−、−CH2−または−
CH2NH−を、Rbは水素原子または置換基を有してい
てもよい炭化水素基を、‐‐‐は一重結合または二重結
合を示す〕で表される化合物である上記(11)記載の
固体分散体、(23)R10およびR11がそれぞれハロゲ
ン原子または置換基を有していてもよいC1-7アルキル
基である上記(12)記載の固体分散体、(24)環状
炭化水素がC5-7環状炭化水素である上記(12)記載
の固体分散体、(25)J環がハロゲン化アルキル基お
よび/またはハロゲン原子で置換されたベンゼン環であ
る上記(12)記載の固体分散体、(26)I環がアル
キル基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン原子で置
換されていてもよいベンゼン環である上記(12)記載
の固体分散体、(27)化合物〔I〕が、式〔VI〕
【化11】 〔式中、R12およびR13はそれぞれ水素原子、ハロゲン
原子または置換基を有していてもよい鎖状炭化水素基
を、または一緒になって隣接する炭素原子とともに置換
基を有していてもよい環状炭化水素基を形成していても
よく、
【化12】 は2−クロロフェニル基、2−フルオロフェニル基以外
の置換基を有していてもよいフェニル基を、L環は置換
基を有していてもよいベンゼン環またはピリジン環を示
す。但し、
【化13】 がフェニル基の場合、R13はメチル基でなく、
【化14】 が2−メチルフェニル基の場合、R13は塩素原子でな
い。〕で表される化合物である上記(11)記載の固体
分散体、(28)R12およびR13がそれぞれハロゲン原
子またはC1-3アルキル基である上記(27)記載の固
体分散体、(29)環状炭化水素がC5-7環状炭化水素
である上記(27)記載の固体分散体、(30)
【化15】 がC1-3アルキル基で置換されていてもよいフェニル基
である上記(27)記載の固体分散体、(31)L環が
置換されたベンゼン環である上記(27)記載の固体分
散体、(32)水難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ
・プラーク退縮物質リピド・リッチ・プラーク退縮物質
を有機溶媒に溶解し、この溶液に親水性重合体を加えて
得られる懸濁液または溶液に、必要に応じて添加剤を懸
濁し、次いで有機溶媒を除去することを特徴とする水難
溶性ないし不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質
リピド・リッチ・プラーク退縮物質および親水性重合体
を含有する固体分散体の製造法。(33)水難溶性ない
し不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質リピド・
リッチ・プラーク退縮物質を有機溶媒に溶解し、この溶
液に親水性重合体を加えて懸濁し、この懸濁液を有機溶
媒に溶解し、得られる均質物質に必要に応じて添加剤を
懸濁し、次いで有機溶媒を除去することを特徴とする水
難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物
質リピド・リッチ・プラーク退縮物質および親水性重合
体を含有する固体分散体の製造法、および(34)錠剤
またはカプセルである上記(19)項記載の医薬製剤を
提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本願明細書において、「水難溶性
ないし不溶性」とは、例えば、25℃で水に対して10
00ppm未満、好ましくは10ppm未満の溶解度を
示すこと、または25℃で水に対する溶解度が10mg
/mL未満、好ましくは0.1mg/mL未満などであ
ることを示す。溶解度は常法に従って測定することがで
きる。本願明細書において、「水溶解性が改善された」
とは、例えば、水に対する溶解度が向上することを言
う。具体的には、例えば、25℃における水に対する溶
解度が約5倍、好ましくは約10倍、より好ましくは1
00倍、さらに好ましくは1000倍、1万倍、10万
倍、100万倍以上に向上することを言う。より具体的
には、使用するリピド・リッチ・プラーク退縮物質の2
5℃で水に対する溶解度が10ppm未満の場合、例え
ば、25℃で水に対する溶解度が10ppm以上、好ま
しくは1000ppm以上、より好ましくは10000
0ppm以上を示す場合などを言う。また、使用するリ
ピド・リッチ・プラーク退縮物質の25℃で水に対する
溶解度が0.1mg/mL未満の場合、25℃で水に対
する溶解度が0.1mg/mL以上、好ましくは10m
g/mL以上、より好ましくは1000mg/mL以上
を示す場合などを言う。本願明細書において、「固体分
散体」(固溶体)とは、例えば、溶融法、溶媒法または
溶融−溶媒法等により調製され得る、固体状態で不活性
な担体またはそのマトリックス中に1種または2種以上
の活性成分が分散したもの(ジャーナル・オブ・ファー
マコロジカル・サイエンス(J. Pharm. Sci.),Vol.60,
1281-1302,1971)をいう。本発明の固体分散体は、特に
非晶形であることが望ましい。本発明の固体分散体の平
均粒径は、特に限定されないが、通常、下限は約0.0
5μm以上、好ましくは約0.1μm以上、より好まし
くは約1μm以上、さらに好ましくは3μmよりも大き
いサイズであり、上限は約30mm以下、好ましくは約
100μm以下、より好ましくは約50μm以下、さら
に好ましくは約10μm以下である。
【0008】「水難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ
・プラーク退縮物質」としては、上記した溶解度を示す
リピド・リッチ・プラーク退縮物質であれば、特に限定
されない。具体的には、式〔I〕
【化16】 〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される化
合物〔I〕もしくはその塩またはそのプロドラッグなど
が用いられる。
【0009】上記式〔I〕中、A環で示される置換基を
有していてもよい環式炭化水素における環式炭化水素と
しては、例えばC3−10の飽和炭化水素環(例、シク
ロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シ
クロヘキサン環、シクロヘプタン環等);C5−8の不
飽和炭化水素環(例、シクロペンテン環、シクロヘキセ
ン環、シクロヘプテン環、ベンゼン環等)が挙げられ
る。これら中で、C5− の飽和炭化水素環(例、シク
ロペンタン環、シクロヘキサン環等)、C5−6不飽和
炭化水素環(例、シクロペンテン環、シクロヘキセン
環、ベンゼン環等)が好ましく、ベンゼン環が特に好ま
しい。上記置換基を有していてもよい環式炭化水素にお
ける置換基としては、例えば (i)ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキル基
(例えば、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、
トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−
ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、プロピ
ル、イソプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、
ブチルなど); (ii)アミノ基で置換されたC1−4アルキル基(例え
ば、アミノメチル、2−アミノエチルなど); (iii)モノ−またはジ−C1−4アルキルアミノ基で置
換されたC1−4アルキル基(例えば、メチルアミノメ
チル、ジメチルアミノメチル、2−メチルアミノエチ
ル、2−ジメチルアミノエチルなど); (iv)カルボキシル基で置換されたC1−4アルキル基
(例えば、カルボキシメチル、カルボキシエチルな
ど); (v)C1−4アルコキシ−カルボニル基で置換されたC
1−4アルキル基(例えば、メトキシカルボニルエチ
ル、エトキシカルボニルエチルなど); (vi)ヒドロキシル基で置換されたC1−4アルキル基
(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルな
ど); (vii)C1−4アルコキシ基で置換されたC1−4アル
キル基(例えば、メトキシメチル、メトキシエチル、エ
トキシエチルなど); (viii)C3−6シクロアルキル基(例えば、シクロプロ
ピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル
など); (ix)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素など); (x)ニトロ基; (xi)シアノ基; (xii)ヒドロキシル基; (xiii)ハロゲン化されていてもよいC1−4アルコキシ
基(例えば、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフル
オロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエト
キシ、プロピロキシ、ブトキシ、イソプロピロキシな
ど),C1−4アルコキシ基またはフェノキシ基で置換
されていてもよいC1−4アルコキシ基;(xiv)ハロゲ
ン化されていてもよいC1−4アルキルチオ基(例え
ば、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロ
メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピル
チオ、ブチルチオなど),C1−4アルコキシ基または
フェノキシ基で置換されていてもよいC1−4アルキル
チオ基; (xv)アミノ基; (xvi)モノ−またはジ−C1−4アルキルアミノ基(例
えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノなど); (xvii)環状アミノ基(例えば、窒素原子以外に酸素原
子、硫黄原子などのヘテロ原子を1ないし3個含んでい
てもよい5ないし9員の環状アミノ基など、具体的には
例えばピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モ
ルホリニルなど); (xviii)C1−4アルキル−カルボニルアミノ基(例え
ば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルア
ミノなど); (xix)アミノカルボニルオキシ基; (xx)モノ−またはジ−C1−4アルキルアミノ−カルボ
ニルオキシ基(例えば、メチルアミノカルボニルオキ
シ、エチルアミノカルボニルオキシ、ジメチルアミノカ
ルボニルオキシ、ジエチルアミノカルボニルオキシな
ど); (xxi)C1−4アルキルスルホニルアミノ基(例えば、
メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プ
ロピルスルホニルアミノなど); (xxii)C1−4アルコキシ−カルボニル基(例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソブトキシカルボニルなど); (xxiii)ベンジルオキシカルボニル基; (xxiv)カルボキシル基; (xxv)C1−6アルキル−カルボニル基(例えば、メチ
ルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニルな
ど); (xxvi)C3−6シクロアルキル−カルボニル(例えば、
シクロヘキシルカルボニルなど); (xxvii)カルバモイル基; (xxviii)モノ−またはジ−C1−4アルキルカルバモイ
ル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイ
ル、プロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル、ジエ
チルカルバモイル、ジブチルカルバモイルなど)、 (xxix)C1−6アルキルスルホニル基(例えば、メチル
スルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニルな
ど); (xxx)C1−4アルキル(例、メチル)、C1−4
アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル)、ハロ
ゲン化されていてもよいC1−4アルキル(例、メチ
ル、トリフルオロメチル)、ハロゲン(例、フッ素、塩
素)またはヒドロキシル基を有していてもよいC
6−12アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、ヒ
ドロキシフェニル、メチルフェニル、クロロフェニルな
ど)、C7−15アラルキル(例えば、ベンジルな
ど)、C1−4アルコキシ−C1−4アルキル(例え
ば、プロポキシエチルなど)、炭素原子以外に窒素原
子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1ないし3
個含む5ないし9員の複素環基(例えば、ピペリジニ
ル、ピペラニジル、モルホリニル、チエニル、フリル、
ピリジル、ピリミジニル、チアゾリル、ベンゾチアゾリ
ル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベン
ゾイソオキサゾリルなど)、ヒドロキシル、チオー
ル、オキソ、チオキソなどから選ばれる1または2個の
置換基で置換された環状アミノ基(例えば、窒素原子以
外に酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1ないし3
個含んでいてもよい5ないし9員の環状アミノ基など、
具体的には例えばピロリジニル、ピペリジニル、ピペラ
ジニル、3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イ
ル、[1,3]チアゾロ[4,5−b]ピリジン−3
(2H)−イル、モルホリニルなど)で置換されたC
1−6アルキル基(例えば、モルホリノメチル、4−フ
ェニル−1−ピペラジニルメチル、2−モルホリノエチ
ル、3−ピペラジニルプロピル、4−メチルスルホニル
−ピペラジニルメチル、4−ベンジル−1−ピペラジニ
ルメチル、4−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ピペ
ラニジルメチル、4−ヒドロキシピペリジニルメチル、
4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジニルメチル、
4−フェニルピペリジニルメチル、4−(2−ピリジ
ル)−1−ピペラジニルメチル、4−(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−ピペラニジルメチル、(4−フェニル
−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)メチ
ルなど); (xxxi)C1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例え
ば、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキ
シ、ブチルカルボニルオキシなど)で置換されたC
1−4アルキル基; (xxxii)C1−4アルキルおよび炭素原子以外に窒素
原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1ないし
3個含む5ないし9員の複素環基(例えば、チエニル、
フリル、ピリジル、ピリミジニル、チアゾリル、ベンゾ
チアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサゾリ
ル、ベンゾイソオキサゾリルなど)で置換されたアミノ
基(例、メチル(2−ピリジル)アミノ)で置換された
1−4アルキル基; (xxxiii)C1−4アルキルおよびC1−4アルキル−
カルボニルで置換されたアミノ基(例、メチル(メチル
カルボニル)アミノ)で置換されたC1−4アルキル
基; (xxxiv)C1−4アルキルおよびC6−12アリール
−カルボニルで置換されたアミノ基(例、メチル(ベン
ゾイル)アミノ)で置換されたC1−4アルキル基; (xxxv)C1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例え
ば、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキ
シ、ブチルカルボニルオキシなど)で置換されたC
1−4アルキル基; (xxxvi)モノまたはジ−C1−4アルコキシ−C
1−4アルキル−アミノ基(例、ブトキシプロピルアミ
ノ)で置換されたC1−4アルキル基; (xxxvii)炭素原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原
子などのヘテロ原子を1ないし3個含む5ないし9員の
複素環(例えば、チエニル、フリル、ピリジル、ピリミ
ジニル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチ
アゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリ
ルなど)−チオ基(例、2−ピリジルチオ)で置換され
たC1−4アルキル基; (xxxviii)オキソ基; (xxxix)C1−4アルコキシ−カルボニルC2−6
ルケニル基(例、メトキシカルボニルビニルなど); (xxxx)カルボキシル基で置換されたC2−6アルケニル
基(例、カルボキシビニルなど); (xxxxi)シアノ基で置換されたC1−4アルキル基
(例、シアノメチルなど)などが用いられ、さらには後
述する「置換基を有していてもよい複素環基」が該環式
炭化水素の置換基としてそのまま用いられる。これらの
置換基は置換可能な位置に、同一または相異なって1な
いし5個、好ましくは1ないし3個置換していてもよ
い。
【0010】これらの置換基として好ましいものとして
は、(i)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素な
ど)、(ii)ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキ
ル基(例えば、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチ
ル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピルなど)、(iii)C3−6シクロアルキル基(例え
ば、シクロプロピル、シクロブチルなど)、(iv)ヒドロ
キシル基、(v)ハロゲン化されていてもよいC1−4
ルコキシ基(例えば、メトキシ、ジフルオロメトキシ、
トリフルオロメトキシ、エトキシなど)、(vi)ハロゲン
化されていてもよいC1−4アルキルチオ基(例えば、
メチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオな
ど)、(vii)アミノ基、(viii)モノ−またはジ−C
1−4アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチ
ルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなど)、(i
x)C1−4アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニルなど)、(x)C
6−12アリール基(例えば、フェニル、ナフチルな
ど)で置換されていてもよい環状アミノ基(例えば、窒
素原子以外に酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1
ないし3個含んでいてもよい5ないし9員の環状アミノ
基など、具体的には例えばピロリジニル、ピペリジニ
ル、モルホリニルなど)で置換されたC1−6アルキル
基(例えば、モルホリノメチル、4−フェニル−1−ピ
ペラジニルメチル、2−モルホリノエチル、3−ピペラ
ジニルプロピルなど)および(xi)カルボキシル基などが
挙げられ、特に、(i)ハロゲン原子(例えば、フルオ
ロ、クロロなど)、(ii)C1−4アルキル(例えば、メ
チル、エチルなど)、(iii)C3−6シクロアルキル基
(例えば、シクロプロピル、シクロブチルなど)、(iv)
ヒドロキシル基、(v)C1−4アルコキシ基(例えば、
メトキシ、エトキシなど)、(vi)C6−12アリール基
(例えば、フェニル、ナフチルなど)で置換されていて
もよい環状アミノ基(例えば、窒素原子以外に酸素原
子、硫黄原子などのヘテロ原子を1ないし3個含んでい
てもよい5ないし9員の環状アミノ基など、具体的には
例えばピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、
3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル、モルホ
リニルなど)で置換されたC1−6アルキル基(例え
ば、モルホリノメチル、4−フェニル−1−ピペラジニ
ルメチル、2−モルホリノエチル、(4−フェニル−
3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イルメチ
ル)、3−ピペラジニルプロピルなど)および(vii)カ
ルボキシル基が好ましい。
【0011】上記式〔I〕中、A環で表される置換基を
有していてもよい複素環における複素環としては、例え
ば炭素原子以外に、例えば窒素、酸素、硫黄原子などの
ヘテロ原子を1ないし4個、好ましくは1ないし2個含
む5ないし9員、好ましくは5または6員の芳香族複素
環が挙げられる。該芳香族複素環としては、例えばフラ
ン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾリン環、イ
ソオキサゾリン間、チアゾリン環、イソチアゾリン環、
イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−オキサジア
ゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,3,4−
オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール
環、1,2,3−チアジアゾール環、1,2,4−チアジア
ゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,3−ト
リアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾー
ル環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラ
ジン環、トリアジン環などの芳香族単環式複素環などが
挙げられる。これらの中でも、フラン環、チオフェン
環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール
環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−チアジ
アゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール
環、ピリジン環、ピリダジン環、チアゾール環、チアジ
アゾリン環、などが好ましく、フラン環、チオフェン
環、ピリジン環が特に好ましい。上記、置換基を有して
いてもよい複素環基が有していてもよい置換基として
は、例えば、(i)ハロゲン化されていてもよいC1−4
アルキル基(例えば、メチル、クロロメチル、ジフルオ
ロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エ
チル、2,2−ジブロモエチル、2,2,2−トリフルオ
ロエチル、プロピル、イソプロピル、3,3,3−トリフ
ルオロプロピル,ブチルなど);(ii)C3− シクロア
ルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シ
クロペンチル、シクロヘキシルなど);(iii)ハロゲン
原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など);(i
v)ニトロ基;(v)シアノ基;(vi)ヒドロキシル基;(vii)
ハロゲン化されていてもよいC1−4アルコキシ基(例
えば、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキ
シ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリ
フルオロエトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、イ
ソプロピルオキシなど);(viii)ハロゲン化されていて
もよいC1−4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、
ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチ
ルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ
など);(ix)アミノ基;(x)モノ−またはジ−C1−4
アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミ
ノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ
など);(xi)環状アミノ基〔例えば、窒素原子以外に酸
素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1ないし3個含ん
でいてもよい5ないし9員の環状アミノ基(例、ピロリ
ジノ、ピペリジノ、モルホリノ等)など〕;(xii)C
1−4アルキル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチ
ルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノな
ど);(xiii)アミノカルボニルオキシ基;(xiv)モノ−
またはジ−C1−4アルキルアミノカルボニルオキシ基
(例えば、メチルアミノカルボニルオキシ、エチルアミ
ノカルボニルオキシ、ジメチルアミノカルボニルオキ
シ、ジエチルアミノカルボニルオキシなど);(xv)C
1−4アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルス
ルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルス
ルホニルアミノなど);(xvi)C1−4アルコキシ−カ
ルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、プロポキシカルボニル、イソブトキシカルボ
ニルなど);(xvii)カルボキシル基;(xviii)C1−6
アルキル−カルボニル基(例えば、メチルカルボニル、
エチルカルボニル、ブチルカルボニルなど);(xix)C
3−6シクロアルキル−カルボニル基(例えば、シクロ
ヘキシルカルボニルなど);(xx)カルバモイル基;(xx
i)モノ−またはジ−C1−4アルキルカルバモイル基
(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、
プロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル、ジエチル
カルバモイル、ジブチルカルバモイルなど);(xxii)C
1−6アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニ
ル、エチルスルホニル、プロピルスルホニルなど);(x
xiii)C3−6シクロアルキルスルホニル(例えば、シ
クロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニルな
ど);(xxiv)C6−10アリール基(例えば、フェニ
ル、ナフチルなど);(xxv)フェノキシ、ベンゾイル、
フェノキシカルボニル、フェニル−C1−4アルキルカ
ルバモイル、フェニルカルバモイル、フェニル−C
1−4アルキル−カルボニルアミノ、ベンゾイルアミ
ノ、フェニル−C1−4アルキルスルホニル、フェニル
スルホニル、フェニル−C1−4アルキルスルフィニ
ル、フェニル−C1−4アルキルスルホニルアミノまた
はフェニルスルホニルアミノ基〔それぞれのフェニル基
またはナフチル基は置換可能な位置に、C1−4アルキ
ル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソ
プロピルなど)、C1−4アルコキシ基(例えばメトキ
シ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキ
シ、n−ブチルオキシなど)、ハロゲン原子(例えばク
ロロ、ブロモ、ヨードなど)、ヒドロキシル基、ベンジ
ルオキシ基、アミノ基、モノ−またはジ−C1−4アル
キルアミノ基(例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、
エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ
など)、ニトロ基、C1−6アルキルカルボニル基(例
えば1-オキソエチル、1−オキソプロピル、1−オキ
ソブチルなど)などの置換基を1ないし3個有していて
もよい。〕などが用いられる。これらの置換基は置換可
能な位置に、同一または相異なって1ないし5個、好ま
しくは1ないし3個置換していてもよい。
【0012】これらの置換基として好ましいものとして
は、(i)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素な
ど)、(ii)ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキ
ル基(例えば、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチ
ル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピルなど)、(iii)C3−6シクロアルキル基(例え
ば、シクロプロピル、シクロブチルなど)、(iv)ヒドロ
キシル基、(v)ハロゲン化されていてもよいC1−4
ルコキシ基(例えば、メトキシ、ジフルオロメトキシ、
トリフルオロメトキシ、エトキシなど)、(vi)ハロゲン
化されていてもよいC1−4アルキルチオ基(例えば、
メチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオな
ど)、(vii)アミノ基、(viii)モノ−またはジ−C
1−4アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチ
ルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなど)、(i
x)C1−4アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニルなど)および(x)カ
ルボキシル基などが挙げられ、特に、(i)ハロゲン原子
(例えば、フルオロ、クロロなど)、(ii)C1−4アル
キル(例えば、メチル、エチルなど)、(iii)C3−6
シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブ
チルなど)、(iv)ヒドロキシル基、(v)C1−4アルコ
キシ基(例えば、メトキシ、エトキシなど)および(vi)
カルボキシル基が好ましい。
【0013】上記式〔I〕中、B環で表される5員また
は6員の同素環としては、例えばシクロペンタン環、シ
クロヘキサン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン
環、シクロペンタジエン環、シクロヘキサジエン環、ベ
ンゼン環などが挙げられる。これらの中で、シクロヘキ
サン環、シクロヘキセン環、シクロペンタジエン環、ベ
ンゼン環が好ましく、シクロヘキサン環、シクロペンタ
ジエン環が特に好ましい。上記式〔I〕中、B環で表さ
れる5員または6員の複素環としては、例えば、シクロ
ペンタン環またはシクロヘキサン環において1ないし3
個の炭素原子の替りに窒素原子、酸素原子、硫黄原子な
どのヘテロ原子を1ないし3個含む5員または6員の複
素環(例、ピロリジン環、ピロリン環、イミダゾリジン
環、イミダゾリン環、ピラゾリジン環、ピラゾリン環、
ピペリジン環、ピペラジン環、モリホリン環、チオモル
ホリン環、ジヒドロフラン環、テトラヒドロフラン環、
α−ピラン環、γ−ピラン環、ジヒドロピラン環、テト
ラヒドロピラン環、1−チアシクロヘキサン環、1−チ
ア−5−シクロヘキセン環、1−チア−3,5−シクロ
ヘキサジエン環等);5員または6員の芳香族複素環
(例、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾ
リン環、イソオキサゾリン間、チアゾリン環、イソチア
ゾリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−
オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、
1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジ
アゾール環、1,2,3−チアジアゾール環、1,2,4−
チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,
2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、
テトラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジ
ン環、ピラジン環、トリアジン環等)が挙げられる。こ
れらの中で、ピロリジン環、ピロリン環、ピペラジン
環、モリホリン環、チオモルホリン環、ジヒドロフラン
環、テトラヒドロフラン環、α−ピラン環、γ−ピラン
環、ジヒドロピラン環、フラン環、チオフェン環、ピロ
ール環、オキサゾリン環、イソオキサゾリン間、チアゾ
リン環、イソチアゾリン環、イミダゾール環、ピラゾー
ル環、1,2,3−オキサジアゾール環、1,2,4−オキ
サジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,
2,5−オキサジアゾール環、1,2,3−チアジアゾー
ル環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジ
アゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−ト
リアゾール環が好ましく、α−ピラン環、フラン環が特
に好ましい。
【0014】B環が−D−E−G−Ar以外に置換基を
有する場合、該置換基は例えば、オキソ基、チオキソ基
に加え上記した置換基を有していてもよい環式炭化水素
または置換基を有していてもよい複素環より導かれる基
が挙げられる。これらのうち(i)置換基を有する環式炭
化水素より導かれる基、(ii)オキソ基、(iii)チオキソ
基が好ましく、置換基を有していてもよいフェニル基、
オキソ基、チオキソ基が特に好ましい。該フェニル基が
有していてもよい置換基は、上記置換基を有していても
よい環式炭化水素における置換基と同意義を有する。上
記式〔I〕中、R、R、R2a、R、Rおよび
で表される置換基を有していてもよい炭化水素基に
おける炭化水素基としては、例えば脂肪族鎖式(非環
式)炭化水素基、脂環式炭化水素基およびアリール基な
どが挙げられるが、なかでも脂肪族鎖式炭化水素基が好
ましい。該炭化水素基の脂肪族鎖式炭化水素基として
は、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基、例え
ば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などが挙
げられる。なかでも直鎖状または分枝状アルキル基が好
ましい。該アルキルとしては、例えばメチル,エチル,
n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチ
ル,sec−ブチル,tert−ブチル,n−ペンチル,イソ
ペンチル,ネオペンチル,1−メチルプロピル,n−ヘ
キシル,イソヘキシル,1,1−ジメチルブチル,2,
2−ジメチルブチル,3,3−ジメチルブチル,3,3
−ジメチルプロピル,2−エチルブチル,n−ヘプチル
などのC1−7アルキルが挙げられ、なかでも、n−プ
ロピル,イソプロピル,イソブチル,ネオペンチルなど
のC3−5アルキルが好ましく、特にイソブチル,ネオ
ペンチルなどが好ましい。該アルケニル基としては、例
えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−メチルア
リル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、
2−メチル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテ
ニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−
メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1
−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−
ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセ
ニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニ
ル、5−ヘキセニル等のC2−6アルケニルが挙げられ
なかでも、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−メチ
ルアリル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−
2−プロペニル、3−メチル−2−ブテニル等が特に好
ましい。該アルキニル基としては、例えば、エチニル、
1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−
ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチ
ニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニ
ル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニ
ル、5−ヘキシニル等のC2−6アルキニルが挙げら
れ、中でもエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル
等が特に好ましい。
【0015】該炭化水素基の脂環式炭化水素基として
は、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えば、シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジ
エニル基等が挙げられる。該シクロアルキル基としては
炭素数3〜9個のシクロアルキル基が好ましく、例え
ば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シ
クロノニル等が挙げられ、中でも、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC
3−6シクロアルキル基が好ましい。該シクロアルケニ
ル基としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イ
ル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセ
ン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、1−シ
クロブテン−1−イル、1−シクロペンテン−1−イル
等のC5−6シクロアルケニル基が挙げられる。該シク
ロアルカジエニル基としては、例えば、2,4−シクロ
ペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン
−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルの
5−6シクロアルカジエニル基などが挙げられる。該
炭化水素基のアリール基としては、炭素数6〜16の単
環式または縮合多環式芳香族炭化水素基が挙げられ、例
えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリ
ル、アセナフチレニル等が挙げられ、なかでもフェニ
ル、1−ナフチル、2−ナフチル等のC6−10のアリ
ール基が特に好ましい。
【0016】上記炭化水素基が置換基を有する場合の置
換基としては、例えば置換されていてもよいアリール
基、置換されていてもよいシクロアルキル基もしくはシ
クロアルケニル基、置換されていてもよい複素環基、置
換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水
酸基、置換されていてもよいチオール基、アシル基、ハ
ロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、オキ
ソ基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、置換され
ていてもよいアルキル基等が挙げられ、該炭化水素基は
これらの任意の置換基で置換可能な位置に1〜5個(好
ましくは1〜3個)置換されていてもよい。該置換され
ていてもよいアリール基のアリール基としては、フェニ
ル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフ
チレニル等のC6−16アリール基が挙げられ、なかで
もフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等のC
6−10のアリール基が好ましい。該アリール基の置換
基としては、(i)ハロゲン化されていてもよいC1−6
アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
トリフルオロメロキシ等)、(ii)ハロゲン原子(例、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、(iii)ハロゲン化されて
いてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、
プロピル、トリフルオロメチル等)等が挙げられ、該ア
リール基はこれらの任意の置換基で1〜2個置換されて
いてもよい。該置換されていてもよいシクロアルキル基
のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロ
ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプ
チル等のC3−7シクロアルキル基等が挙げられる。該
シクロアルキル基の置換基とその置換数としては、前記
置換されていてもよいアリール基における置換基と同様
な種類と個数が挙げられる。該置換されていてもよいシ
クロアルケニル基のシクロアルケニル基としては、シク
ロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シ
クロヘキセニル等のC3−6シクロアルケニル基等が挙
げられる。該シクロアルケニル基の置換基とその置換数
としては、前記置換されていてもよいアリール基におけ
る置換基と同様な種類と個数が挙げられる。該置換され
ていてもよい複素環基の複素環基としては、環系を構成
する原子(環原子)として、酸素、硫黄、窒素のうち少
なくとも1個好ましくは1〜4個のヘテロ原子をもつ芳
香族複素環基及び飽和あるいは不飽和の非芳香族複素環
基(脂肪族複素環基)が挙げられるが、好ましくは芳香
族複素環基である。該芳香族複素環基としては、5〜6
員の芳香族単環式複素環基(例、フリル、チエニル、ピ
ロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリ
ル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,
2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリ
ル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,
2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリ
ル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリア
ゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピ
リジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ト
リアジニル等)及び5〜6員環(前記5〜6員の芳香族
単環式複素環、ベンゼン環など)が2〜3個縮合した芳
香族縮合複素環基(例:ベンゾフラニル、イソベンゾフ
ラニル、ベンゾ〔〕チエニル、インドリル、イソイン
ドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベ
ンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、
ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1
H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シ
ンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジ
ニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カル
バゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−
カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェ
ノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チ
アントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、
インドリジニル、ピロロ〔1,2−〕ピリダジニル、
ピラゾロ〔1,5−〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−
〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−〕ピリジル、イミ
ダゾ〔1,2−〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−
〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−
〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−
ピリダジニル等)が挙げられるが、なかでもフリル、チ
エニル、インドリル、イソインドリル、ピラジニル、ピ
リジル、ピリミジニルなどの5〜6員芳香族単環式複素
環基が好ましい。該非芳香族複素環基としては、例え
ば、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエ
タニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニ
ル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニ
ル、チオモルホリニル、ピペラジニル等4〜9員非芳香
族複素環基(特に、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペ
ラジニル、モルホリニル、3、6−ジヒドロピリジル−
1(2H)−イルなどの窒素原子以外に酸素原子、硫黄
原子などのヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよい
5ないし9員の環状アミノ基)が挙げられる。該複素環
基は1〜4個好ましくは1〜2個の置換基を有していて
もよく、このような置換基としては、C1−6アルキル
基(例:メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、n−
ヘキシル等)、C6−12アリール基(例、フェニ
ル)、ヒドロキシ−C6−12アリール基(例、4−ヒ
ドロキシフェニル)、C1−4アルキルスルホニル基
(例、メチルスルホニル)、C7−15アラルキル基
(例、ベンジル)、C1−4アルコキシ−C1−4アル
キル基(例えば、プロポキシエチルなど)、炭素原子以
外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を
1ないし3個含む5ないし9員の複素環基(例えば、ピ
ペリジニル、ピペラニジル、モルホリニル、チエニル、
フリル、ピリジル、ピリミジニル、チアゾリル、ベンゾ
チアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサゾリ
ル、ベンゾイソオキサゾリルなど)、ヒドロキシル基、
オキソ基、チオキソ基等が挙げられる。該置換されてい
てもよいアミノ基(アミノ基、モノ−又はジ−置換アミ
ノ基が含まれる)における置換基としては、例えば低級
(C1−4)アルキル(例、メチル、エチル、プロピル
等)、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子な
どのヘテロ原子を1ないし3個含む5ないし9員の複素
環基(例、チエニル、フリル、ピリジル、ピリミジニ
ル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾ
リル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル
等)、C1−4アルキル−カルボニル基(例、メチルカ
ルボニル、エチルカルボニル等)、C6−12アリール
−カルボニル基(例、ベンゾイル等)、C1−4アルキ
ル−スルホニル基、C1−4アルコキシ−C1−4アル
キル基等が挙げられる。また、Rで表わされる置換さ
れていてもよい炭化水素基における炭化水素基が脂環式
炭化水素基又はアリール基である場合、置換基として
は、さらにC1−6アルキル基(例、メチル,エチル,
プロピル、n−ブチル、n−ヘキシルなど)でもよい。
該置換されていてもよい水酸基としては、例えば水酸
基、ハロゲン化されていてもよいC1−16アルコキシ
基、好ましくはハロゲン化されていてもよいC −4
ルコキシ基、さらに好ましくはC1−4アルコキシ基
(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ、t−ブロキシなど)、C1−6アルキル−カルボニ
ルオキシ基(例えば、メチルカルボニルオキシ、エチル
カルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシなど)、ア
ミノカルボニルオキシ基、モノ−またはジ−C1−4
ルキルアミノカルボニルオキシ基などが挙げられる。該
置換されていてもよいチオール基としては、例えばチオ
ール基、ハロゲン化されていてもよいC1−16アルキ
ルチオ基、好ましくはハロゲン化されていてもよいC
1−4アルキルチオ基、さらに好ましくはC1−4アル
キルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオなど)、
炭素原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘ
テロ原子を1ないし3個含む5ないし9員の複素環(例
えば、チエニル、フリル、ピリジル、ピリミジニル、チ
アゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、
ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリルなど)−
チオ基(例、2−ピリジルチオ)等が挙げられる。該ア
シル基としては、ホルミル基、C1−6アルキル−カル
ボニル基好ましくはC1−4アルキル−カルボニル基
(例、メチルカルボニル、エチルカルボニル)、C
1−4アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボ
ニル)、C1−6アルキル−スルホニル基好ましくはC
1−4アルキル−スルホニル基(例、メチルスルホニ
ル、エチルスルホニル)、C1−4アルコキシ−スルホ
ニル基(例、メトキシスルホニル)、ベンジルオキシカ
ルボニル基、C3−6シクロアルキル−カルボニル、カ
ルバモイル基、モノ−またはジ−C1−4アルキルカル
バモイル基等が挙げられる。より具体的には、該炭化水
素基の置換基としては、ハロゲン原子;アミノ基;モノ
−またはジ−C1−4アルキルアミノ基;カルボキシル
基;C1−4アルコキシカルボニル基;ヒドロキシル
基;ハロゲン化されていてもよいC1−4アルコキシ
基;C3−6シクロアルキル基;ニトロ基;シアノ基;
ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキルチオ基;
環状アミノ基(例えば、窒素原子以外に酸素原子、硫黄
原子などのヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよい
5ないし9員の環状アミノ基など、具体的には例えばピ
ロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニ
ルなど);C1−4アルキル−カルボニルアミノ基;ア
ミノカルボニルオキシ基;モノ−またはジ−C1−4
ルキルアミノカルボニルオキシ基;C1−4アルキルス
ルホニルアミノ基;C1−4アルコキシ−カルボニル
基;ベンジルオキシカルボニル基;カルボキシル基;C
1−6アルキル−カルボニル基;C3−6シクロアルキ
ル−カルボニル;カルバモイル基;モノ−またはジ−C
1−4アルキルカルバモイル基;C1−6アルキルスル
ホニル基;C −4アルキル、C1−4アルキルス
ルホニル、ヒドロキシル基を有していてもよいC
6−12アリール基、C7−15アラルキル基、C
1−4アルコキシ−C1−4アルキル、炭素原子以外
に窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1
ないし3個含む5ないし9員の複素環基、ヒドロキシ
ル基などから選ばれる1または2個の置換基で置換され
た環状アミノ基(例えば、窒素原子以外に酸素原子、硫
黄原子などのヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよ
い5ないし9員の環状アミノ基など、具体的には例えば
ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリ
ニルなど)で置換されたC1−6アルキル基;C −6
アルキル−カルボニルオキシ基;C1−4アルキルおよ
び炭素原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子などの
ヘテロ原子を1ないし3個含む5ないし9員の複素環基
で置換されたアミノ基;C1−4アルキルおよびC
1−4アルキル−カルボニルで置換されたアミノ基;C
1−4アルキルおよびC6−12アリール−カルボニル
で置換されたアミノ基;C1−6アルキル−カルボニル
オキシ基;モノまたはジ−C1−4アルコキシ−C
1−4アルキル−アミノ基;炭素原子以外に窒素原子、
酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1ないし3個含
む5ないし9員の複素環−チオ基;オキソ基などから選
ばれる1ないし4個の置換基が用いられる。
【0017】上記式〔I〕中、R、R、R2aおよ
びRで表される置換基を有していてもよいヒドロキシ
ル基としては、例えば(i)ヒドロキシル基、(ii)C
1−4アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシな
ど)、(iii)C6−10アリールオキシ基(例えば、フ
ェニルオキシ、ナフチルオキシなど)、(iv)C1−4
ルキル−カルボニルオキシ基(例えば、ホルミルオキ
シ、アセトキシ、プロピオニルオキシなど)、(v)C
2−6アルカノイルオキシ基(例えば、アセチルオキ
シ、プロピオニルオキシ、バレリルオキシなど)および
(vi)C6−10アリール−カルボニルオキシ基(例え
ば、ベンジルオキシ、ナフチルオキシなど)などが挙げ
られ、好ましくはヒドロキシル基およびC1−4アルコ
キシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イ
ソプロポキシなど)が挙げられる。上記式〔I〕中、R
で表される置換基を有していてもよいアミノ基として
は、例えば(i)C1−4アルキル基(例えば、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピルなど)、(ii)C1−4
アルキル−カルボニル基(例えば、アセチル、プロピオ
ニル、ブチリルなど)、(iii)C1−4アルコキシ−カ
ルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、プロポキシカルボニルなど)、(iv)ハロゲン
原子(例えば、フッ素、塩素など)、(v)フェニル基、
(vi)C1−4アルキル−フェニル基(例えば、4−メチ
ルフェニル、3−メチルフェニル、2−メチルフェニル
など)、(vii)ハロゲン化フェニル基(例えば、4−ク
ロロフェニル、3−クロロフェニル、2−クロロフェニ
ルなど)および(viii)C1−4アルコキシ−フェニル基
(例えば、4−メトキシフェニル、3−メトキシフェニ
ル、2−メトキシフェニルなど)から選ばれた1ないし
3個の置換基で置換されていてもよいアミノ基などが挙
げられ、特にアミノ基およびモノ−またはジ−C 1−4
アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミ
ノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ
など)などが好ましい。上記式〔I〕中、Rで表され
る置換基を有してもよい炭化水素基で置換されていても
よいメルカプト基としては、例えば上記置換基を有して
いてもよい炭化水素基と同様の置換基を有していてもよ
い炭化水素基で置換されていてもよいメルカプト基が挙
げられ、これらの中で、C1−4アルキルチオ基(例え
ば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオなど)など
が特に好ましい。
【0018】上記式〔I〕中、Dで表されるオキソ基ま
たはチオキソ基で置換されていてもよいC1−3アルキ
レン基におけるC1−3アルキレン基としては、例え
ば、−CH−、−CHCH−、−CHCH
−および−CH(CH)−CH−などが挙げら
れ、好ましくは−CH−および−CHCH−であ
る。該オキソ基またはチオキソ基で置換されたC1−3
アルキレン基としては、例えば−CO−、−CS−、−
CHCO−、−CHCS−、−CHCHCO−
および−CHCHCS−などが挙げられる。Dは、
好ましくは、(i)オキソ基で置換されていてもよいC
1−3アルキレン基、(ii)−NH−、(iii)−CH
H−であり、特に好ましくは−CH−、−CHCO
−、−CHCHCO−、−NH−である。上記式
〔I〕において、DとB環の構成原子が一緒になってオ
キソ基またはチオキソ基で置換されていてもよい5員な
いし7員環を形成する場合、該5員ないし7員環は、例
えばDが結合するB環の構成原子に隣接するB環の構成
原子と一緒になってオキソ基またはチオキソ基で置換さ
れていてもよい1〜3個の窒素原子を含む5員ないし7
員の飽和複素環が好ましい例として挙げられ、さらに、
1個の窒素原子を含む5員または6員の飽和複素環が特
に好ましい。上記DとB環の構成原子が一緒になってオ
キソ基またはチオキソ基で置換されていてもよい5員な
いし7員環を形成する場合の好ましい具体的な例は、例
えば、式
【化17】 〔式中、M環はオキソ基またはチオキソ基で置換され
ていてもよく;hは3から5の整数;その他の記号は前
記と同意義を示す。〕で表され、好ましくは式
【化18】 〔式中、M'環はオキソ基で置換されていてもよく;
その他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される。
【0019】上記式〔I〕中、Eの好ましい例として、
例えば−NR4’−(R4’は水素原子または置換基を
有していてもよいメチル、エチル、n−プロピル、n−
ブチル、イソプロピル、ヘキシル等のC1−6アルキル
基を示す。)、−CONR −(R5’は水素原子ま
たは置換基を有していてもよいメチル、エチル、n−プ
ロピル、n−ブチル、イソプロピル、ヘキシル等のC
1−6アルキル基を示す。)が挙げられる。該R4’
よびR5’が有していてもよい置換基としては、前記置
換基を有していてもよい炭化水素基が有していてもよい
置換基と同意義を有する。さらに、Eは−CONR5’
−(R5’は水素原子または置換基を有していてもよい
メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロ
ピル、ヘキシル等のC1−6アルキル基を示す。)が特
に好ましい。上記式〔I〕中、RとB環の構成原子が
一緒になってオキソ基またはチオキソ基で置換されてい
てもよい5員ないし7員環を形成する場合、該5員ない
し7員環は、例えばRが結合するB環の構成原子に隣
接するB環の構成原子と一緒になってオキソ基またはチ
オキソ基で置換されていてもよい2〜4個の窒素原子を
含む5員ないし7員の飽和複素環が好ましい例として挙
げられ、さらに、2個の窒素原子を含む5員または6員
の飽和複素環が特に好ましい。上記RとB環の構成原
子が一緒になってキソ基またはチオキソ基で置換されて
いてもよい5員ないし7員環を形成する場合の好ましい
具体例としては、例えば、式
【化19】 〔式中、M環はオキソ基またはチオキソ基で置換され
ていてもよく;iは1ないし3の整数;但し、Dの構成
原子と−(CH)i−の炭素数の合計は2ないし4;
その他の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされ、好
ましくは式
【化20】 〔式中、DおよびEは−CH−または−CO−;
その他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される。
【0020】上記式〔I〕中、Gで表されるC1−3
ルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン
等が挙げられる。D、EおよびGの好ましいものとして
は、(i) Dが−CO−、Eが−NR−(Rは前記と
同意義を示す)、Gが−CH−または−CHCH
−;(ii)Dが−CO−、Eが−NR−(Rは前記と
同意義を示す)、Gが結合手;(iii)Dが−CHCO
−または−CHCHCO−、Eが−NR−(R
は前記と同意義を示す)、Gが結合手;(iv)Dが−CH
CO−または−CHCHCO−、Eが−NR
(Rは前記と同意義を示す)、Gが−CH−または
−CHCH−;(v)Dが−CH−または−CH
CH−、Eが−O−、Gが−CH−または−CH
CH−;(vi)Dが−CH−または−CH CH
−、Eが−NR−(Rは前記と同意義を示す)、
Gが−CH−または−CHCH−;(vii)Dが−
NH−、Eが−COR−(Rは前記と同意義を示
す)、Gが結合手、および(viii)Dが−CH−または
−CHCH −、Eが−S−または−SO−、Gが−
CH−または−CHCH−、などの組合わせが挙
げられる。
【0021】上記式〔I〕中、Arは置換基を有してい
てもよいアリール(aryl)基または置換基を有していて
もよい複素環基を示す。Arで示される置換基を有して
いてもよいアリール基におけるアリール基としては、例
えばフェニル、ナフチルなどのC6−10アリール基な
どが好ましく、特に、例えばフェニル基などが好まし
い。前記Arで示されるアリール基は同一または相異な
る置換基を1ないし5個有していてもよく、好ましくは
1ないし3個有していてもよい。また、それらは環のい
ずれの位置に置換していてもよい。かかる置換基として
は、例えば(i)ハロゲン化されていてもよいC1−4
ルキル基(例えば、メチル、クロロメチル、ジフルオロ
メチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチ
ル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチ
ル、プロピル、イソプロピル、3,3,3−トリフルオロ
プロピル、ブチルなど)、(ii)アミノ基で置換されたC
1−4アルキル基(例えば、アミノメチル、2−アミノ
エチルなど)、(iii)モノ−またはジ−C1−4アルキ
ルアミノ基で置換されたC1−4アルキル基(例えば、
メチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、2−メチ
ルアミノエチル、2−ジメチルアミノエチルなど)、(i
v)カルボキシル基で置換されたC1−4アルキル基(例
えば、カルボキシメチル、カルボキシエチルなど)、
(v)C1−4アルコキシカルボニル基で置換されたC
1−4アルキル基(例えば、メトキシカルボニルエチ
ル、エトキシカルボニルエチルなど)、(vi)ヒドロキシ
ル基で置換されたC1−4アルキル基(例えば、ヒドロ
キシメチル、ヒドロキシエチルなど)、(vii)C1−4
アルコキシカルボニル基で置換されたC1−4アルキル
基(例えば、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキ
シエチルなど)、(viii)C3−6シクロアルキル基(例
えば、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチ
ル,シクロヘキシルなど)、(ix)ハロゲン原子(例え
ば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、(x)ニトロ
基、(xi)シアノ基、(xii)ヒドロキシル基、(xiii)ハロ
ゲン化されていてもよいC1−4アルコキシ基(例え
ば、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメト
キシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プ
ロピロキシ、ブトキシ、イソプロピロキシなど)、(xi
v)ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキルチオ基
(例えば、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフ
ルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプ
ロピルチオ、ブチルチオなど)、(xv)アミノ基、(xvi)
モノ−またはジ−C1−4アルキルアミノ基(例えば、
メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチ
ルアミノ、ジエチルアミノなど)、(xvii)環状アミノ基
(例えば、窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子などのヘ
テロ原子を1ないし3個含んでいてもよい5ないし9員
の環状アミノ基など、具体的には例えばピロリジノ、ピ
ペリジノ、モルホリノなど)、(xviii)C1−4アルキ
ル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プ
ロピオニルアミノ、ブチリルアミノなど)、(xix)アミ
ノカルボニルオキシ基、(xx)モノ−またはジ−C1−4
アルキルアミノカルボニルオキシ基(例えば、メチルア
ミノカルボニルオキシ、エチルアミノカルボニルオキ
シ、ジメチルアミノカルボニルオキシ、ジエチルアミノ
カルボニルオキシなど)、(xxi)C1−4アルキルスル
ホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エ
チルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノな
ど)、(xxii)C1−4アルコキシ−カルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポ
キシカルボニル、イソブトキシカルボニルなど)、(xxi
ii)ベンジルオキシカルボニル基、(xxiv)カルボキシル
基、(xxv)C1−6アルキル−カルボニル基(例えば、
メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニ
ルなど)、(xxvi)C3−6シクロアルキル−カルボニル
(例えば、シクロヘキシルカルボニルなど)、(xxvii)
カルバモイル基、(xxviii)モノ−またはジ−C1−4
ルキルカルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、
エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ブチルカ
ルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモ
イルなど)および(xxix)C1−6アルキルスルホニル基
(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロ
ピルスルホニルなど)など、さらには後述するようなA
rで表わされる置換基を有していてもよい複素環基が該
アリール基の置換基としてそのまま用いられる。この置
換基を有していてもよい複素環基としては、例えば(i)
ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキル基(例え
ば、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリク
ロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモ
エチル、2,2,2−トリフルオロエチル、プロピル、イ
ソプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、ブチル
など)、(ii)C3−6シクロアルキル基(例えば、シク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシルなど)、(iii)ハロゲン原子(例えば、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)、(iv)ヒドロキシル基、(v)
ハロゲン化されていてもよいC1−4アルコキシ基(例
えば、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメ
トキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、
プロピルオキシ、ブチルオキシ、イソプロピルオキシな
ど)、(vi)ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキ
ルチオ基(例えば、メチルチオ、ジフルオロメチルチ
オ,トリフルオロメチルチオ,エチルチオ、プロピルチ
オ、イソプロピルチオ、ブチルチオなど)、(vii)アミ
ノ基、(viii)モノ−またはジ−C1−4アルキルアミノ
基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなど)、(ix)C
1−4アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニ
ル、イソブトキシカルボニルなど)、(x)カルボキシル
基およびC1−6アルキル−カルボニル基(例えば、メ
チルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニル
など)などの1ないし3個で置換されていてもよい5ま
たは6員の芳香族単環式複素環基(例えば、フリル、チ
エニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリ
ル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,
2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリ
ル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,
3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,
3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,
2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリ
ダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルな
ど)などが挙げられる。
【0022】これらの置換基の好ましいものとしては、
(i)ハロゲン化されていてもよいC 1−4アルキル基
(例えば、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、
トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−
ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、プロピ
ル、イソプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピルな
ど)、(ii)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素
など)、(iii)ニトロ基、(iv)ヒドロキシル基、(v)ハロ
ゲン化されていてもよいC1−4アルコキシ基(例え
ば、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメト
キシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシな
ど)、(vi)アミノ基、(vii)モノ−またはジ−C1−4
アルキルアミノ基で置換されたC1−4アルキル基(例
えば、メチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、2
−メチルアミノエチル、2−ジメチルアミノエチルな
ど)、(viii)モノ−またはジ−C1−4アルキルアミノ
基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルア
ミノ、ジエチルアミノなど)、(ix)C1−4アルコキシ
−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキ
シカルボニルなど)、(x)カルボキシル基および(xi)カ
ルバモイル基などが挙げられ、特に好ましくはハロゲン
化されていてもよいC1−4アルキル基(例えば、メチ
ル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチ
ル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、
プロピル、イソプロピルなど)、ハロゲン原子(例え
ば、フッ素、塩素、臭素など)およびハロゲン化されて
いてもよいC −4アルコキシ基(例えば、メトキシ、
トリフルオロメトキシ、エトキシ、プロポキシなど)で
ある。
【0023】上記式〔I〕中、Arで表わされる置換基
を有していてもよい複素環基における複素環基として
は、例えば炭素原子以外に、例えば窒素、酸素、硫黄原
子などのヘテロ原子を1ないし4個、好ましくは1ない
し2個含んでいてもよい5ないし9員、好ましくは5ま
たは6員の芳香族複素環基が用いられる。前記芳香族複
素環基としては、例えばフリル、チエニル、ピロリル、
オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチ
アゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキ
サジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4
−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジア
ゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジ
アゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリア
ゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリ
ミジニル、ピラジニル、トリアジニルなどの芳香族単環
式複素環基、または例えばベンゾフラニル、イソベンゾ
フラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソイ
ンドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、
ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリ
ル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリ
ル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリ
ル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フ
タラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニ
ル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニ
ル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニ
ル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイ
ニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロ
リニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダ
ジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ
〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジ
ル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ
〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ
〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3
−b〕ピリダジニルなどの芳香族縮合複素環基などが用
いられる。
【0024】前記複素環基の中でも、5または6員複素
環基が好ましく、例えば、フリル、チエニル、ピロリ
ル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、
ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、
キノリル、イソキノリル、チアゾリル、チアジアゾリ
ル、チオフェニルなどが用いられる。特に、例えばフリ
ル、チエニル、ピリジルなどが好ましい。Arで表わさ
れる置換基を有していてもよい複素環基が有していても
よい置換基としては、例えば、(i)ハロゲン化されてい
てもよいC1−4アルキル基(例えば、メチル、クロロ
メチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフ
ルオロメチル、エチル、2,2−ジブロモエチル、2,
2,2−トリフルオロエチル、プロピル、イソプロピ
ル、3,3,3−トリフルオロプロピル,ブチルなど)、
(ii)C3−6シクロアルキル基(例えば、シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルな
ど)、(iii)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素など)、(iv)ニトロ基、(v)シアノ基、(vi)
ヒドロキシル基、(vii)ハロゲン化されていてもよいC
1−4アルコキシ基(例えば、メトキシ、フルオロメト
キシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エ
トキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロピルオ
キシ、ブチルオキシ、イソプロピルオキシなど)、(vii
i)ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキルチオ基
(例えば、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフ
ルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプ
ロピルチオ、ブチルチオなど)、(ix)アミノ基、(x)モ
ノ−またはジ−C1−4アルキルアミノ基(例えば、メ
チルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチル
アミノ、ジエチルアミノなど)、(xi)環状アミノ基(例
えば、窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子などのヘテロ
原子を1ないし3個含んでいてもよい5ないし9員の環
状アミノ基など、具体的には例えばピロリジノ、ピペリ
ジノ、モルホリノなど)、(xii)C1−4アルキル−カ
ルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオ
ニルアミノ、ブチリルアミノなど)、(xiii)アミノカル
ボニルオキシ基、モノ−またはジ−C1−4アルキルア
ミノカルボニルオキシ基(例えば、メチルアミノカルボ
ニルオキシ、エチルアミノカルボニルオキシ、ジメチル
アミノカルボニルオキシ、ジエチルアミノカルボニルオ
キシなど)、(xiv)C1−4アルキルスルホニルアミノ
基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニ
ルアミノ、プロピルスルホニルアミノなど)、(xv)C
1−4アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニ
ル、イソブトキシカルボニルなど)、(xvi)カルボキシ
ル基、(xvii)C1−6アルキル−カルボニル基(例え
ば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカル
ボニルなど)、(xviii)C3−6シクロアルキル−カル
ボニル基(例えば、シクロヘキシルカルボニルなど)、
(xix)カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−4アル
キルカルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エ
チルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ブチルカル
バモイル、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイ
ルなど)、(xx)C1−6アルキルスルホニル基(例え
ば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルス
ルホニルなど)、(xxi)C3−6シクロアルキルスルホ
ニル(例えば、シクロペンチルスルホニル、シクロヘキ
シルスルホニルなど)、(xxii)例えばメチル、エチル、
プロピル、ブチル、イソプロピルなどのC1−4アルキ
ル基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロピルオキ
シ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシなどのC
1−4アルコキシ基、例えばクロロ、ブロモ、ヨードな
どのハロゲン原子、ヒドロキシル基、ベンジルオキシ
基、アミノ基、モノ−またはジ−C −4アルキルアミ
ノ基、ニトロ基、C1−6アルキルカルボニル基などか
ら選ばれた1ないし3個の置換基でそれぞれのフェニル
基またはナフチル基が置換されていてもよいフェニル、
ナフチル、フェノキシ、ベンゾイル、フェノキシカルボ
ニル、フェニル−C1−4アルキルカルバモイル、フェ
ニルカルバモイル、フェニル−C1−4アルキル−カル
ボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニル−C 1−4
アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、フェニル−
1−4アルキルスルフィニル、フェニル−C1−4
ルキルスルホニルアミノまたはフェニルスルホニルアミ
ノ基などが挙げられる。
【0025】これらの置換基として好ましいものとして
は、(i)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素な
ど)、(ii)ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキ
ル基(例えば、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチ
ル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピルなど)、(iii)C3−6シクロアルキル基(例え
ば、シクロプロピル、シクロブチルなど)、(iv)ヒドロ
キシル基、(v)ハロゲン化されていてもよいC1−4
ルコキシ基(例えば、メトキシ、ジフルオロメトキシ、
トリフルオロメトキシ、エトキシなど)、(vi)ハロゲン
化されていてもよいC1−4アルキルチオ基(例えば、
メチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオな
ど)、(vii)アミノ基、(viii)モノ−またはジ−C
1−4アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチ
ルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなど)、(i
x)C1−4アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニルなど)および(x)カ
ルボキシル基などが挙げられ、特に、ハロゲン原子(例
えば、フルオロ、クロロなど)、C1−4アルキル(例
えば、メチル、エチルなど)、C3−6シクロアルキル
基(例えば、シクロプロピル、シクロブチルなど)、ヒ
ドロキシル基、C1−4アルコキシ基(例えば、メトキ
シ、エトキシなど)およびカルボキシル基などが好まし
い。
【0026】Arとしては、例えばハロゲン原子(例え
ば、フッ素、塩素など)、ハロゲン化されていてもよい
1−4アルキル基(例えば、メチル、ジフルオロメチ
ル、トリフルオロメチル、エチル、2,2,2−トリフル
オロエチル、プロピル、イソプロピルなど)およびハロ
ゲン化されていてもよいC1−4アルコキシ基(例え
ば、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメト
キシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシなど)などから選ばれた1な
いし3個の置換基を有していてもよいフェニル基が好ま
しい。また1個のハロゲン化されていてもよいC1−4
アルキル基(例えば、メチル、トリフルオロメチル、エ
チルなど)、C1−4アルコキシ基(例えば、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシなど)、またはC3−6シク
ロアルキル(例えば、シクロプロピルなど)で置換され
ていてもよい例えば炭素原子以外に1ないし3個のヘテ
ロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子など)
を含んでいる5または6員の複素環基(例えば、フリ
ル、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、チアゾリル、
チアジアゾリルなど)なども好ましい。
【0027】Arの特に好ましいものとしては、例えば
ハロゲン原子(例えば塩素、フッ素など)、ハロゲン化
されていてもよいC1−4アルキル基(例えばメチル、
トリフルオロメチル、エチル、イソプロピルなど)、ハ
ロゲン化されていてもよいC 1−4アルコキシ基(例え
ばメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシなど)、
ジ−C1−4アルキルアミノ基(例えばジメチルアミノ
など)、C1−3アシルオキシ基(例えばアセトキシな
ど)およびヒドロキシル基より選ばれた1ないし4個の
置換基で置換されていてもよいフェニル基またはピリジ
ル基が用いられる。
【0028】式〔I〕で表される化合物またはその塩の
好ましいものとしては、式〔II〕
【化21】 〔式中、A’環は置換基を有していてもよい6員環式炭
化水素を;C環は置換基を有していてもよいベンゼン環
を;X’およびZはいずれか一方が−NR1’−(R
1’は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基
または置換基を有していてもよいアミノ基を示す)、−
O−または−S−を、他方が−CO−、−CS−または
−C(R2’)R2a’−(R2’およびR2a’はそ
れぞれ水素原子または置換基を有していてもよい炭化水
素基を示す)を、あるいはいずれか一方が−N=を、他
方は=CR3’−(R3’は水素原子、ハロゲン原子、
置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有して
いてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいヒドロ
キシル基または置換基を有していてもよい炭化水素基で
置換されていてもよいメルカプト基を示す)を;‐‐‐
は一重結合または二重結合を;Y’は、Y’に隣接する
‐‐‐が一重結合の場合は
【化22】 (Rは水素原子、ヒドロキシル基または置換基を有し
ていてもよい炭化水素基を示す)または窒素原子、Y'
に隣接する‐‐‐が二重結合の場合は炭素原子;D’は
オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよいC
1−3アルキレン基を;E’は−NR−(Rは水素
原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示
す)、−O−または−S(O)n−(nは0,1または
2を示す)を;G’は結合手またはC1−3アルキレン
基を;Ar’は置換基を有していてもよいアリール基ま
たは置換基を有していてもよい複素環基を示し、D’は
Z’と一緒になってオキソ基またはチオキソ基で置換さ
れていてもよい5員ないし7員環を形成していてもよ
く、RはZと一緒になってオキソ基またはチオキソ基
で置換されていてもよい5員ないし7員環を形成してい
てもよい。〕で表される化合物またはその塩が挙げられ
る。
【0029】上記式〔II〕中、A’環およびC環が有
していてよい置換基としては、前記式〔I〕におけるA
環で表される置換基を有していてもよい環式炭化水素が
有していてもよい置換基と同意義を有する。上記式〔I
I〕中、「置換基を有していてもよい炭化水素基」、
「置換基を有していてもよいアミノ基」、「置換基を有
していてもよいヒドロキシル基」、「置換基を有してい
てもよい炭化水素基で置換されていてもよいメルカプト
基」、「オキソ基またはチオキソ基で置換されていても
よいC1−3アルキレン基」、「C1−3アルキレン
基」、「置換基を有していてもよいアリール基または置
換基を有していてもよい複素環基」は前記と同意義を有
する。D’とZが一緒になって形成してもよい「オキソ
基またはチオキソ基で置換されていてもよい5員ないし
7員環」は前記DとB環の構成原子が一緒になって形成
してもよい「オキソ基またはチオキソ基で置換されてい
てもよい5員ないし7員環」と同意義を有する。R
Zが一緒になって形成してもよい「オキソ基またはチオ
キソ基で置換されていてもよい5員ないし7員環」は前
記RとB環の構成原子が一緒になって形成してもよい
「オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよい5
員ないし7員環」と同意義を有する。
【0030】式〔I〕で表される化合物またはその塩
の、他の好ましい例として、式〔III〕
【化23】 〔式中、A’’環、C’環およびD環はそれぞれ置換基
を有していてもよいベンゼン環を、X’’は−NR
(Rは水素原子または置換基を有していてもよい炭化
水素基を示す)、−O−または−S−を、Uは−(CH
)m−(mは1または2を示す)または−NH−を、
は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水
素基を示す。〕で表される化合物またはその塩が挙げら
れる。
【0031】上記式〔III〕中、A’’環、C’環お
よびD環が有していてよい置換基としては、前記式
〔I〕におけるA環で表される置換基を有していてもよ
い環式炭化水素が有していてもよい置換基と同意義を有
する。上記式〔III〕中、「置換基を有していてもよ
い炭化水素基」は前記と同意義を有する。
【0032】式〔I〕で表される化合物またはその塩
の、さらなる好ましい例として、式〔IV〕
【化24】 〔式中、A’’’環は置換基を有していてもよいベンゼ
ン環を、Q環は置換基を有していてもよい芳香環を、W
は−CH−、−CO−または−CS−を、Vは
【化25】 を、またはWとVが一緒になって
【化26】 を、Y’’は−CH−、−O−、−S−、−CO−、
−CS−または−NR−(Rは水素原子または炭化
水素基を示す)を、U’は−NH−、−CH−または
−CHNH−を、Rは水素原子または置換されてい
てもよい炭化水素基を、‐‐‐は一重結合または二重結
合を示す。〕で表される化合物またはその塩が挙げられ
る。
【0033】A’’’環は置換基を有していてもよいベ
ンゼン環を、Q環は置換基を有していてもよい芳香環を
示す。このようなベンゼン環および芳香環の置換基とし
ては、例えば(i)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素等、好ましくは、例えば塩素、フッ素
等)、(ii)ハロゲンで置換されていてもよいアルキル
基、(iii)ハロゲンで置換されていてもよいアルコキシ
基、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいアルキルチオ
基、(v)C1−7アシルアミノ基(例えば ホルミルアミ
ノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルア
ミノ基等のC1−6アルカノイルアミノ基、ベンゾイル
アミノ基等)、(vi)C1−4アルキル基で置換されてい
てもよいアミノ基(例えばメチルアミノ、エチルアミ
ノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルア
ミノ、メチルプロピルアミノ基等のモノ−またはジ−C
1−4アルキルアミノ基)、(vii)C1−3アシルオキ
シ基(例えばホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオニ
ルオキシ基等)、(viii)水酸基、(ix)シアノ基、(x)カル
ボキシル基等が用いられる。
【0034】前記したハロゲンで置換されていてもよい
アルキル基としては、たとえば炭素数1ないし6の直鎖
状または分枝状のアルキル基またはこれにハロゲン原子
(例えばフッ素、塩素、臭素およびびヨウ素等、好まし
くは例えば塩素、臭素等)が1ないし5個置換したもの
等が用いられ、例えばメチル、クロロメチル、ジフルオ
ロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エ
チル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチ
ル、ペンタフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリ
フルオロプロピル、イソプロピル、2−トリフルオロメ
チルエチル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、
イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロ
ペンチル、4−トリフルオロメチルブチル、ヘキシル、
6,6,6−トリフルオロヘキシル、5−トリフルオロメ
チルペンチル等が繁用され、好ましくは例えばメチル、
クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、
トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,
2,2−トリフルオロエチル、プロピル、3,3,3−ト
リフルオロプロピル、イソプロピル、2−トリフルオロ
メチルエチル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭
素数1ないし4の直鎖状または分枝状のアルキル基また
はこれに前記のごときハロゲン原子が1ないし3個置換
したものが用いられる。
【0035】ハロゲンで置換されていてもよいアルコキ
シ基及びハロゲンで置換されていてもよいアルキルチオ
基としては、たとえば前記アルキル基またはハロゲンで
置換されたアルキル基と、それぞれ酸素原子および硫黄
原子とが結合してできるハロゲンで置換されていてもよ
いアルコキシ基、ハロゲンで置換されていてもよいアル
キルチオ基などが用いられる。ハロゲンで置換されてい
てもよいアルコキシ基としては、例えば、炭素数1ない
し6の直鎖状または分枝状のアルコキシ基またはこれに
前記のごときハロゲン原子が1ないし5個置換したもの
等が用いられ、例えばメトキシ、ジフルオロメトキシ、
トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフル
オロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、
sec−ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシなどが汎
用され、好ましくは、例えばメトキシ、ジフルオロメト
キシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−ト
リフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、4, 4,4−トリフルオロブトキシ、イソブト
キシ、sec−ブトキシなどの炭素数1ないし4の直鎖状
または分枝状のアルコキシ基またはこれに前記のごとき
ハロゲン原子が1ないし3個置換したもの等が用いられ
る。
【0036】ハロゲンで置換されていてもよいアルキル
チオ基としては、たとえば炭素数1ないし6の直鎖状ま
たは分枝状のアルキルチオ基またはこれに前記のごとき
ハロゲン原子が1ないし5個置換したもの等が用いら
れ、例えばメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフ
ルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプ
ロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチ
ルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等が汎用され、好
ましくはたとえばメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、
トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、
イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオ
ロブチルチオなどの炭素数1ないし4の直鎖状または分
枝状のアルキルチオ基またはこれに前記のごときハロゲ
ン原子が1ないし3個置換したもの等が用いられる。以
下「ハロゲンで置換されていてもよい」は、前記のごと
きハロゲンを1ないし3個有していてもよいことを示
す。A’’’環で表されるベンゼン環およびQ環で表さ
れる芳香環の置換基として好ましいものとしては、(i)
ハロゲン原子、(ii)ハロゲンで置換されていてもよいC
1−6アルキル基、(iii)C1−6アルコキシ基、(iv)
水酸基、(v)C1−4アルキル基で置換されていてもよ
いアミノ基および(vi)C1−3アシルオキシ基等が用い
られる。(i)〜(vi)の各用語は、前記と同意義を示す。
A’’’環で表わされるベンゼン環およびQ環表わされ
る芳香環の置換基は、ベンゼン環および芳香環の置換可
能な位置のいずれに置換していてもよく、置換基が2個
以上の場合それぞれ同一または異なっていてもよく、そ
の個数は1ないし4個、好ましくは2または3個であ
る。またA環あるいはQ環上の隣接した炭素が−(CH
)−(qは3ないし5の整数を示す)で表される基
と連結し5ないし7員環を形成していてもよく、この様
な場合も式〔III〕で表される化合物に含まれる。
【0037】A環として、好ましくは例えばハロゲン
(例えば塩素等)、ハロゲンで1ないし3個置換されて
いてもよいC1−4アルキル基(例えばメチル、エチ
ル、イソプ ロピル、トリフルオロメチル等)およびC
1−4アルコキシ基(例えばメトキシ等) より選ばれ
た1ないし4個の置換基で置換されていてもよいベンゼ
ン環が用いられ、特に、1個のハロゲン(前記と同意
義)または1個のC1−4アルキル基(例えば、メチ
ル、エチル、イソプロピルなど)などで置換されていて
もよいベンゼン環が好ましい。Q環で表される芳香環と
しては、例えば炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子およ
び窒素原子を1ないし4個、好ましくは1または2個有
していてもよい5員または6員の芳香環が用いられ、好
ましくは、例えば炭素原子以外に窒素原子を1または2
個有していてもよい5または6員の芳香環が、より好ま
しくは、例えば(1)ベンゼン環、(2)ピリジン環、(3)ピ
ラジン環、(4)ピリミジン環、(5)ピリダジン環等が用い
られ、さらに好ましくは、例えばベンゼン環またはピリ
ミジン環等、特に好ましくは、例えばベンゼン環等が用
いられる。
【0038】Q環は同一または相異なって1ないし4個
の置換基を有していてもよく、このような置換基として
好ましいものとしては、例えば(i)ハロゲン(例えばフ
ッ素、塩素等)、(ii)ハロゲンで置換されていてもよい
1−4アルキル基(例えばメチル、エチル、イソプロ
ピル、トリフルオロメチル等)、(iii)ハロゲンで置換
されていてもよいC1−4アルコキシ基(例えばメトキ
シ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシ
等)、(iv)ジ−C1−4アルキルアミノ基(例えばジメ
チルアミノ等)、(v)C1−3アシルオキシ基(例えば
アセトキシ等)または(vi)水酸基等が用いられ、特に、
ハロゲン(前記と同意義)、ハロゲンで置換されていて
もよいC1−4アルキル基(前記と同意義)、ハロゲン
で置換されていてもよいC1−4アルコキシ基(前記と
同意義)等である。上記式〔III〕中、Rで表され
る置換基を有していてもよい炭化水素基は前記と同意義
を有する。
【0039】Rで示される炭化水素基は、前記と同意
義を有する。上記式〔IV〕中、Wは−CH−、−C
O−または−CS−を示し、好ましくは、−CH−、
−CO−である。上記式〔IV〕中、Vは、
【化27】 を、またはWとVが一緒になって
【化28】 を示し、好ましくは、
【化29】 である。上記式〔IV〕中、Y’’は−CH−、−O
−、−S−、−CO−、−CS−、−NR−(R
前記と同意義を有する。)を示し、好ましくは、−CH
−、−O−、−CO−、−NR9a−(R9aは、例
えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル等のC
1−6アルキル基を示す)が用いられ、特に好ましく
は、−CH−、−O−である。上記式〔IV〕中、
U’は−NH−、−CH−、−CHNH−を示し、
好ましくは−NH−、−CH−である。
【0040】式〔I〕で表される化合物またはその塩
の、他の好ましい例として式〔V〕
【化30】 〔式中、R10およびR11はそれぞれ水素原子、ハロゲン
原子、置換基を有していてもよい鎖状炭化水素基または
置換基を有していてもよい鎖状炭化水素基で置換されて
いてもよいヒドロキシル基を、または一緒になって隣接
する炭素原子とともに置換基を有していてもよい環状炭
化水素またはオキソ化されていてもよいジヒドロフラン
環を形成していてもよく、I環は置換されていてもよい
ベンゼン環または置換基を有していてもよいピリジン環
を、J環は置換されていてもよいベンゼン環またはピリ
ジン環を示す。(好ましくは、R10が水素原子である
場合、R11は置換された鎖状炭化水素基を示す。)〕
で表される化合物またはその塩が挙げられ、R10およ
びR11としては、それぞれ水素原子、ハロゲン原子ま
たは置換基を有していてもよい鎖状炭化水素基、または
一緒になって隣接する炭素原子とともに置換基を有して
いてもよい環状炭化水素またはオキソ化されていてもよ
いジヒドロフラン環を形成する場合が好ましい。上記式
〔V〕中、R10およびR11で表される「置換基を有して
いてもよい鎖状炭化水素基」および「置換基を有してい
てもよい鎖状炭化水素基で置換されていてもよいヒドロ
キシル基」における「鎖状炭化水素基」としては、例え
ばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が用いら
れる。アルキル基としては炭素数1ないし7の直鎖状ま
たは分枝状のものが用いられ、好ましくは例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル等の炭素数1ないし
4の直鎖状または分枝状のアルキル基が用いられる。ア
ルケニル基としては、例えばエテニル、プロペニル、イ
ソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニ
ル等の炭素数2ないし6のアルケニル基が用いられ、好
ましくは例えば、エテニル、プロペニル、イソプロペニ
ルなどの炭素数2ないし4のアルケニル基が用いられ
る。アルキニル基としては、例えばエチニル、プロピニ
ル、イソプロピニル、ブチニル、イソブチニル、sec−
ブチニル等の炭素数2ないし6のアルケニル基が用いら
れ、好ましくは例えば、エチニル、プロピニル、イソプ
ロピニル等の炭素数2ないし4のアルキニル基が用いら
れる。上記の鎖状炭化水素基としては、好ましくは炭素
数1ないし6の直鎖状または分枝状アルキル基が好まし
く、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の炭
素数1ないし4の直鎖状または分枝状のアルキル基が好
ましい。R10およびR11で表される「置換基を有してい
てもよい鎖状炭化水素基」および「置換基を有していて
もよい鎖状炭化水素基で置換されていてもよいヒドロキ
シル基」の置換基としては、前述の「置換基を有してい
てもよい炭化水素基」における置換基などが用いられ
る。R10およびR11としては、それぞれハロゲン原
子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、置換基を
有していてもよいC1−7アルキル基(好ましくはメチ
ル、エチル、プロピルなどのC1−4アルキル基、特に
好ましくはメチル)、置換基を有していてもよいC
2−6アルケニル基(好ましくはエテニル)または置換
基を有していてもよいC1−7アルキル基で置換されて
いてもよいヒドロキシル基(好ましくは、ヒドロキシル
基、メトキシなどのC1−4アルコキシ基)などが好ま
しく、なかでもハロゲン原子または置換基を有していて
もよいC −7アルキル基が好ましい。又、「置換基を
有していてもよいC1−7アルキル基」における「C
1−7アルキル基」は、置換基としてオキソ基を有して
いてもよく、当該オキソ基がα位に置換する場合、例え
ば、ホルミル、アセチルなどのC1−7アルカノイル基
を形成していてもよい。上記C1−7アルキル基の置換
基としては、例えば、(i)ヒドロキシル基、(ii)モ
ノ−またはジ−C1−4アルキルアミノ基(例、ジメチ
ルアミノ、ジエチルアミノ)、(iii)C1−4アルキ
ルおよび炭素原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子
などのヘテロ原子を1ないし3個含む5ないし9員の複
素環基(例えば、チエニル、フリル、ピリジル、ピリミ
ジニル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチ
アゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリ
ルなど)で置換されたアミノ基(例、メチル(2−ピリ
ジル)アミノ)、(iv)C1−4アルキルおよびC
1−4アルキル−カルボニルで置換されたアミノ基
(例、メチル(メチルカルボニル)アミノ)、(v)C
1−4アルキルおよびC6−12アリール−カルボニル
で置換されたアミノ基(例、メチル(ベンゾイル)アミ
ノ)、(vi)モノまたはジ−C1−4アルコキシ−C
1−4アルキル−アミノ基(例、ブトキシプロピルアミ
ノ)、(vii)C1−4アルキル(例、メチル)、ハロ
ゲン原子、ヒドロキシ基およびハロゲン化されていても
よいC1−4アルキルから選ばれる置換基1ないし4個
を有していてもよいC6−12アリール(例、フェニ
ル、4−ヒドロキシフェニル、4−クロロフェニル、3
−メチルフェニル)、C1−4アルキルスルホニル
(例、メチルスルホニル)、ハロゲン原子、ヒドロキシ
基およびハロゲン化されていてもよいC1−4アルキル
から選ばれる置換基1ないし4個を有していてもよいC
7−15アラルキル(例、ベンジル)、C1−4アルコ
キシ−C1−4アルキル(例えば、プロポキシエチルな
ど)、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子な
どのヘテロ原子を1ないし3個含む5ないし9員の複素
環基(例えば、ピペリジニル、ピペラニジル、モルホリ
ニル、チエニル、フリル、ピリジル、ピリミジニル、チ
アゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、
ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリルなど)、
ヒドロキシル基などで置換されていてもよい、窒素原子
以外に酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1ないし
3個含んでいてもよい5ないし9員の環状アミノ基
(例、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モ
ルホリニル、3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−
イル)、(viii)C1−6アルキル−カルボニルオキシ
基(例えば、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニ
ルオキシ、ブチルカルボニルオキシなど)、(ix)炭素
原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ
原子を1ないし3個含む5ないし9員の複素環(例え
ば、チエニル、フリル、ピリジル、ピリミジニル、チア
ゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベ
ンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリルなど)−チ
オ基(例、2−ピリジルチオ)などが好ましい。該C
2−6アルケニル基の置換基としては、例えば、C
1−4アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニ
ル)などが好ましい。上記式〔V〕中、R10およびR
11が一緒になって隣接する炭素原子とともに置換基を
有していてもよい環状炭化水素を形成する場合の環状炭
化水素としては、例えば飽和または不飽和の環状脂肪族
(例えば、シクロアルカン、シクロアルケン、シクロア
ルカジエン等)およびアリールが挙げられる。該シクロ
アルカンとしては、例えば、シクロプパン、シクロブタ
ン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタ
ン、シクロオクタン、シクロノナン等が挙げられ、中で
も、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、
シクロヘキサン等のC3− シクロアルカンが好まし
い。該シクロアルケンとしては、例えば、シクロペンテ
ン、、シクロヘキセン、シクロブテン、シクロペンテン
等のC5−6シクロアルケンが挙げられる。該シクロア
ルカジエンとしては、例えば、2,4−シクロペンタジ
エン、2,4−シクロヘキサジエン、2,5−シクロヘ
キサジエンのC 5−6シクロアルカジエンなどが挙げら
れる。上記アリールとしては、炭素数6〜16の単環式
または縮合多環式芳香族炭化水素が挙げられ、例えば、
ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナン
トレン環、アセナフタレン環等が挙げられ、なかでもベ
ンゼン環、ナフタレン環等のC6−10のアリールが特
に好ましいR10およびR11が一緒になって隣接する
炭素原子とともに形成してもよい環状炭化水素の好まし
い例として、C5−7環状炭化水素が挙げられ、さらに
飽和または不飽和の環状脂肪族(例えば、シクロアルカ
ン、シクロアルケン、シクロアルカジエン等)が挙げら
れ、特にシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタ
ン、シクロノナン等が挙げられ、中でも、シクロプロパ
ン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等
のC3−7シクロアルカンが好ましい。該環状炭化水素
が有していてもよい置換基は、前述の「置換基を有して
いてもよい炭化水素基」における置換基と同意義を有す
る。上記の不飽和の環状脂肪族の置換基としては、オキ
ソ基、ヒドロキシル基が好ましい。
【0041】上記式〔V〕中、I環で表される置換基を
有していてもよいベンゼン環および置換基を有していて
もよいピリジン環、J環で表される置換基を有していて
もよいベンゼン環および置換基を有していてもよいピリ
ジン環における置換基は、前記A環で表される「置換基
を有していてもよい環式炭化水素」における置換基と同
意義を有する。I環はアルキル基、ハロゲン化アルキル
基またはハロゲン原子で置換されていてもよいベンゼン
環が好ましく、C1−6アルキル基、ハロゲン化C
1−4アルキル基またはハロゲン原子で置換されていて
もよいベンゼン環が特に好ましい。J環はハロゲン化ア
ルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよいベ
ンゼン環が好ましく、ハロゲン化C1−4アルキル基ま
たはハロゲン原子で置換されていてもよいベンゼン環が
特に好ましい。
【0042】式〔I〕で表される化合物またはその塩の
好ましい例として、式〔VI〕
【化31】 〔式中、R12およびR13はそれぞれ水素原子、ハロ
ゲン原子または置換基を有していてもよい鎖状炭化水素
基を、または一緒になって隣接する炭素原子とともに置
換基を有していてもよい環状炭化水素を形成していても
よく、
【化32】 は置換基を有していてもよいフェニル基(好ましくは、
2−クロロフェニル環および2−フルオロフェニル環を
除く)を、L環は置換基を有していてもよいベンゼン環
または置換基を有していてもよいピリジン環を示す。
(好ましくは、
【化33】 がフェニル基の場合、R13はメチル基でなく、
【化34】 が2−メチルフェニル基の場合、R13は塩素原子でな
い。)〕で表される化合物またはその塩 上記式〔VI〕中、R12およびR13で表される「置
換基を有していてもよい鎖状炭化水素基」としては、上
記R10およびR11で表される「置換基を有していて
もよい鎖状炭化水素基」と同様なものが挙げられる。R
12およびR13が一緒になって隣接する炭素原子とと
もに形成してもよい置換基を有していてもよい環状炭化
水素は、上記R10およびR11が一緒になって結合す
る炭素原子とともに形成してもよい「置換基を有してい
てもよい環状炭化水素」と同意義を有する。R12およ
びR13が一緒になって隣接する炭素原子とともに形成
してもよい環状炭化水素における環状炭化水素の好まし
い例として、C5−7環状炭化水素が挙げられ、さらに
飽和または不飽和の環状脂肪族(例えば、シクロアルカ
ン、シクロアルケン、シクロアルカジエン等)が挙げら
れ、特にシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタ
ン、シクロノナン等が挙げられ、中でも、シクロプロパ
ン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等
のC3−7シクロアルカンが好ましい。R12およびR
13はそれぞれハロゲン原子またはC1−3アルキル基
が好ましい。上記式〔VI〕中、
【化35】 で表される置換基を有していてもよいフェニル基におけ
る「置換基」は、上記I環で表される置換基を有してい
てもよいベンゼン環における「置換基」と同意義を有す
る。
【化36】 の好ましい例として、例えばC1−3アルキル基で置換
されていてもよいフェニル基が挙げられる。上記式〔V
I〕中、L環で表される「置換基を有していてもよいベ
ンゼン環および置換基を有していてもよいピリジン環」
は、上記J環で表される「置換基を有していてもよいベ
ンゼン環および置換基を有していてもよいピリジン環」
と同意義を有する。L環の好ましい例として、例えば置
換されたベンゼン環が挙げられる。該置換基は上記L環
が有していてもよい置換基と同意義を有する。
【0043】式〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔I
V〕、〔V〕および〔VI〕で表わされる化合物は遊離
体であっても、薬理学的に許容される塩であっても本発
明に含まれる。このような塩としては、 式〔I〕、
〔II〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕および〔V
I〕で表わされる化合物がカルボキシル基等の酸性基を
有する場合、無機塩基(例、ナトリウム、カリウム等の
アルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ
土類金属、亜鉛、鉄、銅等の遷移金属等)や有機塩基
(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジ
ン、ピコリン、エタノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミ
ン、トリエタノ−ルアミン、ジシクロヘキシルアミン、
N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどの有機アミ
ン類、アルギニン、リジン、オルニチンなどの塩基性ア
ミノ酸類等)などとの塩を形成していてもよい。式
〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕およ
び〔VI〕で表わされる化合物がアミノ基等の塩基性基
を有する場合、無機酸や有機酸(例、塩酸、硝酸、硫
酸、燐酸、炭酸、重炭酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、
トリフルオロ酢酸、フマ−ル酸、シュウ酸、酒石酸、マ
レイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸
等)、アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ
酸等との塩を形成してもよい。式〔I〕、〔II〕、
〔III〕、〔IV〕、〔V〕および〔VI〕で表わさ
れる化合物またはその塩はプロドラッグとして用いるこ
ともできる。該プロドラックは、生体内における生理条
件下で酵素や胃酸等による反応により式〔I〕、〔I
I〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕および〔VI〕で
表わされる化合物またはその塩に変換され得る化合物、
すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして式
〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕およ
び〔VI〕で表わされる化合物またはその塩に変化する
化合物、胃酸等により加水分解などを起こして式
〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕およ
び〔VI〕で表わされる化合物またはその塩に変化する
化合物をいう。式〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔I
V〕、〔V〕および〔VI〕で表わされる化合物または
その塩のプロドラッグとしては、式〔I〕、〔II〕、
〔III〕、〔IV〕、〔V〕および〔VI〕で表わさ
れる化合物またはその塩がアミノ基を有する場合、該ア
ミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物
(例、式〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔IV〕、
〔V〕および〔VI〕で表わされる化合物またはその塩
のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチル
アミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,
3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、
テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロ
イルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物
など);式〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔IV〕、
〔V〕および〔VI〕で表わされる化合物またはその塩
が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル
化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例、水酸基がア
セチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイ
ル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチ
ルアミノメチルカルボニル化された化合物など);式
〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕およ
び〔VI〕で表わされる化合物またはその塩がカルボキ
シル基を有する場合、該カルボキシル基がエステル化、
アミド化された化合物(例、カルボキシル基がエチルエ
ステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエス
テル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイル
オキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエ
チルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチル
エステル化、メチルアミド化された化合物など);等が
挙げられる。これらのプロドラックは自体公知の方法に
よって式〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔IV〕、
〔V〕および〔VI〕で表わされる化合物またはその塩
から製造することができる。また、式〔I〕、〔I
I〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕および〔VI〕で
表わされる化合物またはその塩のプロドラッグは、広川
書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計16
3頁から198頁に記載されているような、生理的条件
で式〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕
および〔VI〕で表わされる化合物またはその塩に変化
するものであってもよい。また、式〔I〕、〔II〕、
〔III〕、〔IV〕、〔V〕および〔VI〕で表わさ
れる化合物またはその塩は水和物および非水和物のいず
れであってもよい。また、式〔I〕、〔II〕、〔II
I〕、〔IV〕、〔V〕および〔VI〕で表わされる化
合物またはその塩は同位元素(例、3H, 14C, 35S,125I
など)などで標識されていてもよい。
【0044】式〔I〕で表される化合物の好ましい例と
しては、式〔II〕ないし〔VI〕で表される化合物な
どの他に、例えば、EPA585913号、EPA60
2598号、特開平6−263736号、特開平6−3
40647号、特開平8−295667号、WO99−
33825などに開示の化合物などが挙げられる。式
〔I〕で表される化合物の中でも、2-[7-クロロ-4-(3-
クロロフェニル)-6-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イ
ル]-N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]
アセトアミド;2-[7-クロロ-4-(3-クロロ-4-フルオロフ
ェニル)-6-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4
-フルオロ-2-(トリフルオロメチル) フェニル] アセト
アミド;2-[7-クロロ-6-メチル-4-(3-メチルフェニル)-
2-オキソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリ
フルオロメチル) フェニル] アセトアミド;2-[7-クロ
ロ-6-メチル-4-(3-メチルフェニル)- 2-オキソ-2H-クロ
メン-3-イル]-N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)
フェニル] アセトアミド;2-[7-クロロ-2-オキソ-4-フ
ェニル- 6-[(4-フェニルピペラジン-1-イル)メチル]-2H
-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチ
ル) フェニル] アセトアミド;2-[7-クロロ-2-オキソ-4
-フェニル- 6-[(4-フェニルピペラジン-1-イル)メチル]
-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロ
メチル) フェニル] アセトアミド;2-[7-クロロ-6-[[4-
(4-クロロフェニル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イ
ル] メチル]-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-イ
ル]-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル) フェニル]
アセトアミド;2-[7-クロロ-6-[[4-(4-クロロフェニル)
-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル] メチル]-2-オキソ
-4-フェニル-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-フルオロ-2-
(トリフルオロメチル) フェニル] アセトアミド;2- [7
-クロロ-6-[[4-(3-メチルフェニル) ピペリジン-1-イ
ル] メチル]-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-イ
ル]-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル) フェニル]
アセトアミド;2- [7-クロロ-6-[[4-(3-メチルフェニ
ル) ピペリジン-1-イル] メチル]-2-オキソ-4-フェニル
-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロ
メチル)フェニル] アセトアミド;2−〔6−クロロ−
2−オキソ−4−(2−メチルフェニル)−2H−クロ
メン−3−イル〕−N−(2,6−ジメトキシフェニ
ル)アセトアミド;N−(2,6−ジメトキシフェニル)
−N’−〔3−(2−メチルフェニル)−6,7−ジヒド
ロ−5H−インデノ[5,6-b]フラン−2−イル〕尿素;
N−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)
−2−(2−オキソ−4−フェニル−2,6,7,8−テ
トラヒドロシクロペンタ[g]クロメン−3−イル)アセ
トアミド;2-{7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フ
ェニル-1-ピペラジニル)メチル]-2H-クロメン-3-イル}-
N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセト
アミド;2-[7-クロロ-4-(3-クロロフェニル)-6-メチル-
2-オキソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリフ
ルオロメチル) フェニル]アセトアミド;2-[7-クロロ-4
-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-メチル-2-オキソ-2
H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメ
チル)フェニル]アセトアミド;2-(7-クロロ-6-フルオロ
-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-イル)-N-[4-フ
ルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミ
ド;(2E)-3-[3-[7-クロロ-3-[2-[[4-クロロ-2-(トリフ
ルオロメチル)フェニル]アミノ]-2-オキソエチル]-6-メ
チル-2-オキソ-2H-クロメン-4-イル]フェニル]-2-プロ
ペン酸メチル;2-[4-(3-クロロフェニル)-6,7-ジメチ
ル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ 2-
(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド;2-[6-ク
ロロ-4-(3-クロロフェニル)-7-メチル-2-オキソ-2H-ク
ロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)
フェニル]アセトアミド;(2E)-3-[3-[7-クロロ-3-[2-
[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミ
ノ]-2-オキソエチル]-6-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-
4-イル]フェニル]-2-プロペン酸エチル;(2E)-3-[3-[7-
クロロ-3-[2-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フ
ェニル]アミノ]-2-オキソエチル]-6-メチル-2-オキソ-2
H-クロメン-4-イル]フェニル]-2-プロペン酸;またはそ
の塩などが好ましく用いられ、なかでも、2−〔6−ク
ロロ−2−オキソ−4−(2−メチルフェニル)−2H
−クロメン−3−イル〕−N−(2,6−ジメトキシフ
ェニル)アセトアミド;N−(2,6−ジメトキシフェニ
ル)−N’−〔3−(2−メチルフェニル)−6,7−ジヒ
ドロ−5H−インデノ[5,6-b]フラン−2−イル〕尿
素;N−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニ
ル)−2−(2−オキソ−4−フェニル−2,6,7,8
−テトラヒドロシクロペンタ[g]クロメン−3−イル)
アセトアミド;2-{7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-
[(4-フェニル-1-ピペラジニル)メチル]-2H-クロメン-3-
イル}-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]
アセトアミド;2-[7-クロロ-4-(3-クロロフェニル)-6-
メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-
(トリフルオロメチル) フェニル]アセトアミド;2-[7-
クロロ-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-メチル-2-
オキソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリフ
ルオロメチル)フェニル]アセトアミド;2-(7-クロロ-6-
フルオロ-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-イル)-
N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセ
トアミド;(2E)-3-[3-[7-クロロ-3-[2-[[4-クロロ-2-
(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-2-オキソエチ
ル]-6-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-4-イル]フェニ
ル]-2-プロペン酸メチル;2-[4-(3-クロロフェニル)-
6,7-ジメチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-
クロロ 2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミ
ド;2-[6-クロロ-4-(3-クロロフェニル)-7-メチル-2-オ
キソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリフル
オロメチル)フェニル]アセトアミド;(2E)-3-[3-[7-ク
ロロ-3-[2-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェ
ニル]アミノ]-2-オキソエチル]-6-メチル-2-オキソ-2H-
クロメン-4-イル]フェニル]-2-プロペン酸エチル;(2E)
-3-[3-[7-クロロ-3-[2-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロ
メチル)フェニル]アミノ]-2-オキソエチル]-6-メチル-2
-オキソ-2H-クロメン-4-イル]フェニル]-2-プロペン
酸;またはその塩などが好ましく用いられる。式〔I〕
で表される化合物およびその塩は、公知化合物ならびに
新規化合物を含む。該公知化合物〔II〕、〔III〕
および〔IV〕およびこれらの塩は、例えば、EPA5
85913号、EPA602598号、特開平6−26
3736号などで開示され、これらの公報の開示に従っ
て製造することができる。該上記新規化合物〔V〕およ
び〔VI〕およびこれらの塩は、例えば次の方法によっ
て製造することができる。即ち、化合物〔I〕またはそ
の塩は、化合物〔II〕、〔III〕および〔IV〕を
製造できる上記公知方法、化合物〔V〕および〔VI〕
を製造できる下記製造法およびそれらの方法に準ずる方
法で製造することができる。化合物〔V〕またはその塩
は例えば下式で示されるように、対応するクマリン酢酸
誘導体〔VII〕、その塩またはそのカルボキシル基の
反応性誘導体と式〔VIII〕
【化37】 〔式中、記号は前記と同意義を有する。〕で表される化
合物またはその塩とを反応させることにより製造するこ
とができる。該カルボン酸の反応性誘導体としては、例
えば酸ハライド(例えば、クロリド,ブロミドなど)、
酸無水物、混合酸無水物(例えば、メチル炭酸との無水
物,エチル炭酸との無水物、イソブチル炭酸との無水物
など)、活性エステル(例えば、ヒドロキシコハク酸イ
ミドとのエステル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
とのエステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボキシイミドとのエステル、p−ニトロ
フェノールとのエステル、8−オキシキノリンとのエス
テルなど)などが用いられ、とりわけ酸ハライドが好ま
しい。また、化合物〔V〕またはその塩は、クマリン酢
酸誘導体〔VII〕またはその塩と式〔VIII〕で表
される化合物またはその塩をカップリング試薬の存在下
で反応することによっても製造することができる。該カ
ップリング試薬としては、例えばカルボジイミド類(例
えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N-[3-(ジメチ
ルアミノ)プロピル]-N'-エチルカルボジイミド、N-シク
ロヘキシル-N'-(2-モルホリン-4-イルエチル) カルボジ
イミド、N-シクロヘキシル-N'-[4-(ジエチルアミノ) シ
クロヘキシル] カルボジイミドなど)、カルボニルジイ
ミダゾール、N-エチル-5-フェニルイソキサゾリウム-3'
-スルホン酸塩、N-エチル-2'-ヒドロキシベンズイソキ
サゾリウムトリフルオロホウ酸塩、2-エトキシ-1-エト
キシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン、2-イソブチル
オキシ-1-イソブチルオキシカルボニル-1,2-ジヒドロキ
ノリン、(ベンゾトリアゾリル-N-ヒドロキシトリスジ
エチルアミノホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩、
ジフェニルホスホリルアジドなどが用いられる。さら
に、カルボジイミド類は添加物とともに用いると反応を
有利に進めることができることがある。該添加物として
は、N-ヒドロキシコハクイミド、1-ヒドロキシベンゾト
リアゾール、3-ヒドロキシ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-1,
2,3-ベンゾロリアジン、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-
2,3-ジカルボン酸イミド、2-ヒドロキシイミノ-2-シア
ノ酢酸エチル、2-ヒドロキシイミノ-2-シアノアセトア
ミドなどが用いられる。化合物〔VII〕の塩として
は、前記した化合物〔I〕の塩と同様な塩がもちいられ
る。
【化38】 該反応は、通常反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例え
ば、クロロホルム、ジクロルメタン、エチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、
酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、ピリジン、N,N−
ジメチルホルムアミドなどのハロゲン化炭化水素類、エ
ーテル類、エステル類、炭化水素類、芳香族アミン類、
アミド類など)中で行われる。本反応は塩基の存在下も
しくは非存在下で行なうことができる。反応温度は通常
約−10℃ないし120℃,好ましくは約0℃ないし1
00℃である。反応時間は通常約5分ないし48時間好
ましくは約0.5ないし24時間である。化合物〔VI
II〕またはその塩の使用量は化合物〔VII〕または
その塩またはその反応性誘導体1モルに対して約1ない
し5モル当量、好ましくは約1ないし3モル当量であ
る。塩基としては例えばトリエチルアミンなどのアルキ
ルアミン類、N−メチルモルホリン、ピリジンなどの環
状アミン類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエ
チルアニリンなどの芳香族アミン類、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸
水素塩などが用いられ、その使用量は化合物〔VII
I〕またはその塩1モルに対して約1ないし5モル当
量、好ましくは約1ないし3モル当量である。また、本
反応において水と混和しない溶媒を用いる場合、反応系
に水を適宜の割合で加え2相系で反応させてもよい。カ
ップリング試薬を用いる場合、通常無水条件下で反応を
行なうことが好ましい。該カップリング試薬の使用量は
化合物〔VII〕またはその塩1モルに対して約1ない
し10モル当量、好ましくは約1ないし3モル当量であ
る。さらに添加物を用いる場合、その使用量はカップリ
ング試薬1モルに対して約1ないし5モル当量、好まし
くは約1ないし2モル当量である。
【0045】上記反応で用いられる原料化合物〔VI
I〕またはその塩は、例えばEPA585913に記載
の方法ないしは該方法に準じる方法により得ることがで
きる。また、原料化合物〔VII〕またはその塩は、下
記に示す方法によっても得ることができる。
【化39】 〔式中、Rはアルキル基(メチル、エチル、プロピ
ル、t−ブチル等)を、他の記号は前記と同意義を有す
る。〕 反応工程1は、化合物〔VII'〕またはその塩とコハク酸
モノエステルの反応性誘導体とを縮合することによって
行われる。コハク酸モノエステルの反応性誘導体として
は、例えばコハク酸モノアルキルエステル(例、メチル
エステル、エチルエステル、プロピルエステル)の酸ハ
ライド(例えば、酸クロリドなど)、が用いられ、特に
エチルコハク酸クロリドが好ましい。用いられるコハク
酸モノエステルの反応性誘導体の量は、通常化合物〔VI
I'〕またはその塩に対して、当モル量ないし約10倍モ
ル量であり、好ましくは、当モル量ないし3倍モル量用
いられる。該反応は、通常、塩基の存在下有利に行わ
れ、該塩基としては、有機もしくは無機の塩基が用いら
れる。有機塩基としては、例えば、3級アミン類(例え
ば、トリエチルアミン、ジイソプルピルエチルアミン、
ジアザビシクロウンデセンなど)などが用いられる。無
機塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカ
リ金属;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭
酸水素アルカリ金属;水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム等の水素化アルカリ金属などが用いられる。用いられ
る塩基の量は、通常化合物〔VII'〕またはその塩に対し
て、当モル量ないし約10倍モル量であり、好ましく
は、当モル量ないし3倍モル量用いられる。該反応は、
溶媒中で行うと有利に行うことができる。溶媒として
は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒が用いられ、例え
ば、炭化水素類(例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエンなど)、ハロゲン化炭化
水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルムな
ど)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなど)、アミド類(例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸ト
リアミドなど)、ウレア類(例えば1,3-ジメチル-3,4,
5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジンなど)、ニトリル
類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリルなど)
などが用いられる。これらの溶媒は単独で用いられるこ
ともできるし、また必要に応じて2種またはそれ以上の
多種類を適当な割合で混合して用いることができる。溶
媒の使用量は、1グラムの化合物〔VII'〕またはその塩
に対して通常約1ないし100ミリリットル、好ましく
は約10ないし50ミリリットルである。反応温度は、
通常約−20℃ないし反応に用いる溶媒の沸点までが用
いられ、約25℃ないし100℃が好ましい。反応時間
は、用いる塩基や反応溶媒の種類、反応温度にもよるが
約10分ないし24時間、好ましくは、約20分ないし
12時間である。反応工程2は、化合物〔VII''〕を塩
基で処理することによって行われる。該塩基としては、
例えば、反応工程1で述べたと同様な塩基が用いられ、
用いられる塩基の量は、通常化合物〔VII''〕またはそ
の塩に対して、約0.1倍モル量ないし10倍モル量であ
り、好ましくは、約0.1倍モル量ないし1倍モル量用い
られる。該反応は、溶媒中で行うと有利に行うことがで
きる。溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒が
用いられ、例えば、炭化水素類(例えば、ペンタン、ヘ
キサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなど)、
ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロ
ロホルムなど)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、アミド類
(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチ
ルリン酸トリアミドなど)、ウレア類(例えば1,3-ジメ
チル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジンなど)、
ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリ
ルなど)などが用いられる。これらの溶媒は単独で用い
られることもできるし、また必要に応じて2種またはそ
れ以上の多種類を適当な割合で混合して用いることがで
きる。溶媒の使用量は、1グラムの化合物〔VII''〕に
対して通常約1ないし100ミリリットル、好ましくは
約10ないし50ミリリットルである。反応温度は、通
常約20℃ないし反応に用いる溶媒の沸点までが用いら
れ、約25℃ないし120℃が好ましい。反応時間は、
塩基や反応溶媒の種類、反応温度にもよるが約30分な
いし24時間、好ましくは、約1時間ないし12時間で
ある。また、該反応は、Dien-Starkの脱水装置などによ
って、反応中に生じる水を除去することによって有利に
進めることができる場合がある。また、反応工程1と反
応工程2を一気に行なうこともできる。例えば、コハク
酸モノエステルの反応性誘導体として、例えばコハク酸
モノアルキルエステル(例、メチルエステル、エチルエ
ステル、プロピルエステル)の酸ハライド(例えば、酸
クロリドなど)を、塩基として、例えば、3級アミン類
(例えば、トリエチルアミン、ジイソプルピルエチルア
ミン、ジアザビシクロウンデセンなど)などを過剰量用
いることによって、化合物〔VII''〕またはその塩から
一気に化合物〔VII'''〕またはその塩を製造することが
できる。その際に用いられる酸ハライドの使用量は、通
常化合物〔VII''〕またはその塩に対して、約1.5倍
モル量ないし10倍モル量であり、好ましくは、約1.
5倍モル量ないし3倍モル量用いられる。また、用いら
れる塩基の量は、通常化合物〔VII''〕またはその塩に
対して、約2倍モル量ないし10倍モル量であり、好ま
しくは、約2倍モル量ないし5倍モル量用いられる。該
反応は、溶媒中で行うと有利に行うことができる。溶媒
としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒が用いられ、
用いる溶媒の種類および量は、例えば、反応工程1と同
様である。反応温度は、通常約20℃ないし反応に用い
る溶媒の沸点までが用いられ、約25℃ないし60℃が
好ましい。反応時間は、酸ハライドや塩基の種類、反応
溶媒の種類、反応温度にもよるが約30分ないし24時
間、好ましくは、約30分ないし4時間である。反応工
程3は、化合物〔VII'''〕を酸または塩基で処理するこ
とによって行われる。該酸としては、有機酸(例えば、
ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ベン
ゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)、また
は無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リ
ン酸など)を用いることができ、必要に応じて2種また
はそれ以上の多種類を適当な割合で混合して用いること
ができる。該塩基としては、例えば水酸化アルカリ金属
(例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなど)、炭酸アルカリ金属(例えば、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなど)、炭酸水素ア
ルカリ金属(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ
リウムなど)が用いられる。用いられる酸もしくは塩基
の量は、通常化合物〔VII'''〕に対して、約1モル量な
いし100倍モル量であり、好ましくは、約1モル量な
いし10倍モル量用いられる。該反応は、溶媒中で行う
と有利に行うことができる。溶媒としては、反応に悪影
響を及ぼさない溶媒が用いられ、例えば、炭化水素類
(例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベン
ゼンなど)、低級アルコール類(例えばメタノール、エ
タノール、プロパノールなど)、エーテル類(例えばジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
ど)、アミド類(例えばN,N−ジメチルホルムアミ
ド、ヘキサメチルリン酸トリアミドなど)、ウレア類
(例えば1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピ
リミジンなど)などが用いられる。酸を用いる反応の場
合には、上述の酸を溶媒として用いることもできる。こ
れらの溶媒は単独で用いられることもできるし、また、
必要に応じて2種またはそれ以上の多種類を適当な割合
で混合するかもしくは水との混合溶媒としても用いるこ
とができる。溶媒の使用量は、1グラムの化合物〔VI
I'''〕に対して通常約1ないし100ミリリットル、好
ましくは約10ないし50ミリリットルである。反応温
度は、通常約−20℃ないし反応に用いる溶媒の沸点ま
でが用いられ、約15℃ないし120℃が好ましい。反
応時間は、酸や反応溶媒の種類、反応温度にもよるが約
10分ないし24時間、好ましくは、約30分ないし1
2時間である。さらに、オキソ化されたシクロアルカン
が縮合したクマリンアミドは、合成の適宜の段階でシク
ロアルカンが縮合したクマリンアミドを酸化反応に付す
ことによって合成することもできる。該酸化反応は、酸
化剤(例えば、過マンガン酸塩、クロム酸など)を用
い、自体公知の方法〔例えば、A.B.スミス三世ら
(A.B. Smith, III, et.al.),ザ・ジャーナル・オブ・
オーガニック・ケミストリー(The Journal of Organic
Chemistry)50巻、3239〜3241頁、1985
年)を用いることによって行われる。上記反応に用いら
れる、化合物〔VII'〕、〔VII''〕および〔VII'''〕の
塩は、前記化合物〔I〕の塩と同様な塩が用いられる。
【0046】また、化合物〔VI〕またはその塩は例え
ば次のまたはの方法で製造することができる。 方法
【化40】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 式〔IX〕で表わされるカルボン酸またはその塩あるいは
その反応性誘導体と式〔X〕またはその塩との反応はア
ミド結合またはウレア結合の生成反応であり、種々の公
知の方法により実施される。たとえば化合物〔IX〕また
はその塩(例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム
などのアルカリ金属、アルカリ土類金属との塩等)と化
合物〔X〕またはその塩(例えば塩酸、硫酸などの無機
酸との塩またはメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸、フマール酸、マレ
イン酸などの有機酸との塩等)とを反応させる場合、通
常適宜の縮合剤を用いるか、あるいは化合物〔IX〕また
はその塩を一旦その反応性誘導体に導いた後化合物
〔X〕またはその塩と反応させることが好ましい。かか
る縮合剤としては例えばジシクロヘキシルカルボジイミ
ド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル
カルボジイミド塩酸塩、シアノリン酸ジエチル、ジフェ
ニルホスホリルアジドなどが用いられる。これら縮合剤
を用いるときは、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例え
ばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタ
ン、酢酸エチル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエ
タン、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等のエーテル類、エステル
類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、アミド類、ス
ルホキシド類等)中で有利に行うことができる。本反応
は塩基の存在下に反応を促進させてもよく、約−10℃
ないし100℃、好ましくは約0℃ないし60℃で反応
は行われる。反応時間は通常約1ないし96時間、好ま
しくは約1ないし72時間である。化合物〔IX〕または
その塩及び縮合剤の使用量は化合物〔X〕またはその塩
1モルに対しそれぞれ約1ないし5モル当量、好ましく
は約1ないし3モル当量である。塩基としては例えばト
リエチルアミン等のアルキルアミン類、N−メチルモル
ホリン、ピリジンなどの環状アミン類等が用いられ、そ
の使用量は化合物〔IX〕またはその塩1モルに対し約1
ないし5モル当量、好ましくは約1ないし3モル当量で
ある。
【0047】化合物〔IX〕の反応性誘導体としては例え
ば酸ハライド(例えばクロリド、ブロミドなど)、酸無
水物、混合酸無水物(例えばメチル炭酸との無水物、エ
チル炭酸との無水物、イソブチル炭酸との無水物な
ど)、活性エステル(例えばヒドロキシコハク酸イミド
とのエステル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとの
エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3
−ジカルボキシイミドとのエステル、p−ニトロフェノ
ールとのエステル、8−オキシキノリンとのエステルな
ど)などが用いられる。化合物〔IX〕またはその塩と化
合物〔X〕の反応性誘導体とを反応させる場合は、通常
溶媒(例えばクロロホルム、ジクロルメタン、1,2−
ジクロルエタン、エチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタン、酢酸エチル、ベン
ゼン、トルエン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムア
ミドなどのハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステ
ル類、炭化水素類、アミド類など)中で行われる。本反
応は塩基の存在下反応を促進させてもよい。反応温度は
通常約−10℃ないし120℃、好ましくは約0℃ない
し100℃である。反応時間は通常約0.5ないし48
時間好ましくは約1ないし24時間である。化合物
〔X〕またはその塩の使用量は化合物〔IX〕の反応性誘
導体1モルに対して約1ないし5モル当量、好ましくは
約1ないし3モル当量である。塩基としては例えばトリ
エチルアミン等のアルキルアミン類、N−メチルモルホ
リン、ピリジン等の環状アミン類、N,N−ジメチルア
ニリン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族アミン
類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の
炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のア
ルカリ金属の炭酸水素塩などが用いられ、その使用量は
化合物〔IX〕またはその反応性誘導体1モルに対し約1
ないし5モル当量、好ましくは約1ないし3モル当量で
ある。また、本反応において水と混和しない溶媒を用い
る場合、反応系に適宜の割合で水を加え2相系で反応さ
せてもよい。
【0048】方法
【化41】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 本方法はアミン誘導体である化合物〔XI〕またはその塩
(例、塩酸、硫酸などの鉱酸との塩、またはメタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、シ
ュウ酸、フマール酸、マレイン酸などの有機酸との塩)
とイソシアネート誘導体である化合物〔XII〕との反応
によりウレア誘導体を生成する方法である。本方法はこ
れらのイソシアネート体〔XII〕と化合物〔XI〕または
その塩を用いる反応ではウレア誘導体が生成する。本反
応は溶媒を用いること無く行うこともできるが、溶媒中
で行うことも有効である。かかる溶媒は反応をさまたげ
ない限りいかなる溶媒でもよく、例えばエーテル類
(例、ジエチルエーテル,ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンな
ど)、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシ
レンなど)、 エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチル
など)、アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミドな
ど)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシドなど)
などが好んで用いられる。化合物〔XII〕を塩の形で用
いる場合には必要により脱塩剤を添加することにより反
応を有利に進行させることができる。この場合、脱塩剤
としては例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、
N−メチルモルホリンなどの3級アミン類、ピリジン、
ピコリン、N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族アミ
ン類などが好んで用いられる。これら脱塩剤の使用量は
化合物〔XII〕の塩1モルに対して約1ないし5モル当
量、好ましくは約1ないし3モル当量である。反応温度
は通常約−10℃ないし180℃、好ましくは約0℃な
いし120℃である。反応時間は通常約15分間ないし
40時間好ましくは約30分間ないし20時間である。
化合物〔XII〕またはその塩 の使用量は、化合物〔XI〕
またはその塩1モルに対して約1ないし5モル当量、好
ましくは約1ないし3モル当量である。上記反応で用い
られる原料化合物〔IX〕、〔XI〕またはそれらの塩は、
例えばEPA602598に記載の方法ないしは該方法
に準じる方法により得ることができる。
【0049】また、前記した化合物〔V〕、〔VI〕ま
たはその塩の製造法の各反応および原料化合物合成の各
反応において、原料化合物が置換基としてアミノ基,カ
ルボキシル基,ヒドロキシ基を有する場合、これらの基
にペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基
が導入されたものであってもよく、反応後に必要に応じ
て保護基を除去することにより目的化合物を得ることが
できる。アミノ基の保護基としては、例えば、ホルミ
ル、置換基を有していてもよい、C1−6アルキルカル
ボニル(例えば、アセチル、エチルカルボニルなど)、
フェニルカルボニル、C1−6アルキル−オキシカルボ
ニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ルなど)、フェニルオキシカルボニル、C7−10アラ
ルキル−カルボニル(例えば、ベンジルカルボニルな
ど)、トリチル、フタロイルまたはN,N−ジメチルア
ミノメチレンなどが用いられる。これらの置換基として
は、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素など)、C −6アルキル−カルボニル(例えば、メ
チルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニル
など)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ない
し3個程度である。カルボキシル基の保護基としては、
例えば、置換基を有していてもよい、C −6アルキル
(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピ
ル、n−ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、トリ
チルまたはシリルなどが用いられる。これらの置換基と
しては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素など)、ホルミル、C1−6アルキル−カルボニ
ル(例えば、アセチル、エチルカルボニル、ブチルカル
ボニルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は
1ないし3個程度である。ヒドロキシ基の保護基として
は、例えば、置換基を有していてもよい、C1− アル
キル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プ
ロピル、n−ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、
7−10アラルキル(例えば、ベンジルなど)、ホル
ミル、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチ
ル、エチルカルボニルなど)、フェニルオキシカルボニ
ル、ベンゾイル、C7−10アラルキル−カルボニル
(例えば、ベンジルカルボニルなど)、ピラニル、フラ
ニルまたはシリルなどが用いられる。これらの置換基と
しては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素など)、C1−6アルキル(例えば、メチル、エ
チル、n−プロピルなど)、フェニル、C7−10アラ
ルキル(例えば、ベンジルなど)、ニトロ基などが用い
られ、置換基の数は1ないし4個程度である。また、保
護基の除去方法としては、それ自体公知またはそれに準
じた方法が用いられるが、例えば酸、塩基、還元、紫外
光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチ
オカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウム
フルオリド、酢酸パラジウムなどで処理する方法が用い
られる。以上の方法によって得られる化合物〔V〕、
〔VI〕またはそれらの塩は、たとえば再結晶、蒸留、
クロマトグラフィ−などの通常の分離手段により単離、
精製することができる。かくして得られる本発明の化合
物〔V〕または〔VI〕が遊離体で得られた場合には、
自体公知の方法あるいはそれに準じる方法(例えば、中
和など)によって塩に変換することができ、逆に塩で得
られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方
法により、遊離体または他の塩に変換することができ
る。
【0050】本発明における化合物〔I〕、〔II〕、
〔III〕、〔IV〕、〔V〕、〔VI〕それらの塩、
およびそれらのプロドッグ(以下、本発明の化合物と略
記する場合がある)は低毒性で安全であり、リピド・リ
ッチ・プラーク退縮作用を有するので、哺乳動物(例、
マウス、ラット、ウサギ、犬、ネコ、牛、豚、サル、ヒ
ト等)の急性心筋梗塞、不安定狭心症等の急性冠動脈症
候群、末梢動脈閉塞症、経皮的冠動脈形成術(PTC
A)後の再狭搾、心筋梗塞、狭心症等の虚血性心疾患、
動脈硬化症、間歇性跛行、脳卒中(脳梗塞、脳塞栓、脳
出血など)、ラクネ梗塞、脳血管性痴呆などの予防また
は治療に有用であり、脱泡沫化薬として有用である。更
に、新規化合物〔V〕、〔VI〕およびそれらの塩は、
公知化合物〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔IV〕お
よびそれらの塩と同様に、ACAT阻害作用(好ましく
は、マクロファージのACAT阻害作用、サブタイプ1
のACAT阻害作用)を有し、〔I〕、〔II〕、〔I
II〕、〔IV〕およびそれらの塩と同様低毒性で安全
であり、新規化合物〔V〕、〔VI〕それらの塩、およ
びそれらのプロドラッグは、哺乳動物(例、マウス、ラ
ット、ウサギ、犬、ネコ、牛、豚、サル、ヒト等)の高
コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、および
これらに起因する疾患(例えば心筋梗塞等の虚血性心疾
患および脳梗塞・脳卒中等の脳血管障害など)に対する
安全な予防・治療剤として、公知化合物〔I〕、〔I
I〕、〔III〕、〔IV〕それらの塩、およびそれら
のプロドラッグと同様にして用いられる。その他、本発
明に用いられるリピド・リッチ・プラーク退縮物質とし
ては、特開平11−49802号公報、特開平10−1
47527号公報、特開平10−147522号公報、
特開平10−147519号公報、特開平10−306
078号公報、特開平7−149733号公報、特開昭
59−231058号公報、特表平8−512046号
公報、特表平7−503737号公報、特表平7−50
3712号公報、特表平6−500337号公報、特表
平6−501463号公報、USP5112827、U
SP5656634、USP5596001、USP5
362878、EP523941、EP522887、
EP506437、EP501822などに開示されて
いる物質(特に具体的に合成されている物質)を利用す
ることができる。また、本発明により、リピド・リッチ
・プラーク退縮作用を有する化合物またはその塩(好ま
しくは、本発明の化合物など)を含有してなる動脈硬化
巣の進展抑制剤が提供される、かかる進展抑制剤は、H
MG−CoA還元酵素阻害剤と組み合わせて用いること
が好ましい。
【0051】本発明の固体分散体に使用される親水性重
合体としては、例えば、水溶性重合体、腸溶性重合体、
胃溶性重合体などが用いられ、なかでも腸溶性重合体が
好ましく用いられる。水溶性重合体としては、例えば、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;
メチルセルロース、エチルセルロース等のアルキルセル
ロースなどのセルロース誘導体;ポリビニルドン等の
ポリアルケニルピロリドン;ポリエチレングリコール
等のポリアルキレングリコールなどが用いられる。腸溶
性重合体としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレート等のヒドロキシアルキルセルロー
スフタレート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースア
セテートサクシネート等のヒドロキシアルキルセルロー
スアセテートサクシネート;カルボキシメチルエチルセ
ルロース等のカルボキシアルキルセルロース;酢酸フタ
ル酸セルロース;メタアクリル酸コポリマーL−100
−55等のアクリル酸エチルおよびメタアクリル酸の共
重合体;メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸
コポリマーS等のメタアクリル酸メチルおよびメタアク
リル酸の共重合体などが用いられる。胃溶性重合体とし
ては、例えば、アミノアルキルメタアクリレートコポリ
マーE;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテー
トなどが用いられる。その他、メタアクリル酸コポリマ
ーRL、メタアクリル酸コポリマーRS等のアクリル酸
エチルおよびメタアクリル酸メチルの少量の4級アンモ
ニウムグループを含む共重合体、カルボキシメチルセル
ロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコ
ール、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン
酸プロピレングリコールエステル、カンテン、ゼラチ
ン、キトサンといった水難溶性ないし不溶性リピド・リ
ッチ・プラーク退縮物質を分散させうる親水性重合体が
用いられる。これらの親水性重合体は、2種類以上混合
して使用しても良い。
【0052】上記した中でも、親水性重合体としては、
ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルセルロース、
ポリアルケニルピロリドン、ポリアルキレングリコー
ル、メタアクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセル
ロースなどが好ましく、特にヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレ−ト、ポリビニルピロリドン、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルエチ
ルセルロース、メタアクリル酸コポリマーL、メタアク
リル酸コポリマーL−100−55などが好適である。
【0053】本発明の固体分散体は、一般的に医薬品製
剤の分野で使用される添加剤を含んでいてもよい。添加
剤としては、製剤素材として慣用されている各種有機、
無機担体物質などの薬学的に許容される担体が用いら
れ、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤など
として配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化
剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもで
きる。賦形剤の好適な例としては、例えば、乳糖、白
糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、シ
ュクロ−ス、有孔デンプン、マンニトール、ケイ酸カル
シウム(商品名:フローライトRE)、メタケイ酸アル
ミン酸マグネシウム(商品名:ノイシリン)、軽質無水
ケイ酸(商品名:サイリシア)、白糖・デンプン球状顆
粒(品名:ノンパレル)、結晶セルロース・カルボキシ
メチルセルロース(商品名:アビセルRC)、ヒドロキ
シプロピルスターチなどが用いられる。滑沢剤の好適な
例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステア
リン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げ
られる。結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロ
ース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩
壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシ
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシ
ウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチ
ルスターチナトリウム、メチルセルロース(商品名:メ
トローズSM)、クロスカルメロ−スナトリウム、カル
メロースカルシウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロ
−ス、でんぷんグリコ−ル酸ナトリウム、部分アルファ
ー化デンプンなどが用いられる。滑沢剤としては、例え
ば、タルク、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウ
ム、トウモロコシデンプン、酸化マグネシウムなどが用
いられる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレングリコール(商品名:プル
ロニック)、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソル
ベート80、セタノールなどが用いられる。防腐剤の好
適な例としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル
類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチ
ルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが用いら
れる。抗酸化剤の好適な例としては、例えば、亜硫酸
塩、アスコルビン酸などが用いられる。これらの添加剤
は、単独で、または2種以上を混合して使用してもよ
い。
【0054】本発明の固体分散体は、自体公知の方法を
用いて製造できるが、具体的には、例えばスプレードラ
イ法、ロータリーエバポレーション法などの溶媒法;例
えば二軸エクストルーダー法などの溶融法;混合粉砕
法;超音波成形機などを用いる超音波法などにより製造
することができる。より具体的には、本発明の固体分散
体は、下記の溶媒法により製造することができる。 (1)リピド・リッチ・プラーク退縮物質を適当な有機
溶媒に溶解し、(2)この溶液に親水性重合体を加え、
(3)必要に応じて、この懸濁液または溶液に賦形剤、
崩壊剤、滑沢剤および界面活性剤のような添加剤を懸濁
し、次いで、(4)この均質な懸濁液から常法、例えば
スプレードライ法、ロータリーエバポレーション法など
により、減圧下または常圧下で有機溶媒を溜去する。ま
た、より一層均質な固体分散体を所望する場合には、均
質な懸濁液を上記操作法(2)で製造し、次いで逐次下
記操作法に付す。(5)上記製造法(2)で製造した懸
濁液を適当な有機溶媒に溶解し、(6)必要に応じて賦
形剤、崩壊剤、滑沢剤および界面活性剤のような添加剤
を懸濁し、次いで、(7)有機溶媒を常法、例えばスプ
レードライ法、ロータリーエバポレーション法などによ
り、により減圧下または常圧下で溜去する。
【0055】上記操作(1)で使用する有機溶媒として
は、水難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ・プラーク
退縮物質および親水性重合体を溶解しうるものであれば
特に限定されず、例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、プ
ロパノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブタノール、モ
ノメトキシエタノール、エチレングリコールモノメチル
エーテル等のアルコ−ル;ジエチルエーテル、ジブチル
エーテル、ジイソブチルエーテル、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、エチレングリコール等のエーテル類;n
−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンのような脂
肪族炭化水素類:ベンゼン、トルエン、キシレンのよう
な芳香族炭化水素類:アセトニトリル等のニトリル類;
酢酸、プロピオン酸等の有機酸類;酢酸エチル等のエス
テル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチル
ケトン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等のアミド類;もしくはこれらの適当な比
率の混合液などが用いられる。それらの中でも、ケトン
類、アルコール類などの低沸点の溶剤が好ましく、なか
でもアセトン、エタノールなどが好ましい。
【0056】処理温度、処理時間などの操作条件は、使
用される原料化合物、有機溶媒などによって異なるが、
処理温度は通常200℃以下である。溶融法では、水難
溶性ないし不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質
を融点以上に加温して溶融した後、親水性重合体、必要
に応じて賦形剤、崩壊剤、滑沢剤および界面活性剤のよ
うな添加剤をこれに溶解し、急冷することによって製造
することができる。例えば、二軸エクストルーダー法で
は、水難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ・プラーク
退縮物質と親水性重合体、必要に応じて賦形剤、崩壊
剤、滑沢剤および界面活性剤のような添加剤を物理混合
したものを、高圧下で加温することにより水難溶性ない
し不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質を融点以
下の温度で溶融させた後、急冷することによって製造す
ることができる。混合粉砕法では、水難溶性ないし不溶
性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質と親水性重合
体、必要に応じて賦形剤、崩壊剤、滑沢剤および界面活
性剤のような添加剤を物理混合したものを混合粉砕する
ことによって製造することができる。超音波法では、水
難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物
質と親水性重合体、必要に応じて賦形剤、崩壊剤、滑沢
剤および界面活性剤のような添加剤を物理混合したもの
を臼に充填し予成形した後、超音波、例えば超音波成形
機を用いて、超音波を照射することにより製造すること
ができる。
【0057】親水性重合体の量は特に限定されず、水難
溶性ないし不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質
を分散しうる量であればいかなる量でもよい。例えば、
親水性重合体と水難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ
・プラーク退縮物質との好適な重量比は、0.01:1
から100:1の範囲であればよく、好ましくは0.0
2:1から50:1、より好ましくは0.1:2から2
0:1であり、さらに好ましくは0.3:1ないし1
0:1、より好ましくは1:1ないし10:1であり、
特に3〜5(特に4):1が好適である。添加剤の量は
特に限定されないが、添加剤を使用する場合、賦形剤、
崩壊剤、滑沢剤、界面活性剤などの添加剤と水難溶性な
いし不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質との好
適な重量比は通常0.1:1から20:1の範囲であれ
ばよく、好ましくは0.3:1ないし10:1、さらに
好ましくは1:1ないし3:1である。上記操作(5)
で使用する有機溶媒は特に限定されず、例えばクロロホ
ルム、ジクロロメタンなどのような上記操作法(2)の
懸濁液を溶解しうる溶媒であればいかなる溶媒でもよ
い。
【0058】本発明の固体分散体は、それ自体経口投与
用医薬製剤として使用することができ、また常法により
細粒剤、微細顆粒、顆粒、錠剤、カプセル剤、注射剤な
どの医薬製剤とすることもできる。本発明の固体分散体
を含有する医薬製剤は、所望によっては、上記した添加
剤、具体的には、着色剤、甘味剤、芳香剤、例えばシュ
クロ−ス、乳糖、デンプン、結晶性セルロース、合成ケ
イ酸アンモニウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク
なその希釈剤や滑沢剤を経口投与用医薬製剤に混合して
もよい。また、製剤表面をコーティングすることにより
徐放性製剤とすることもできる。通常、リピド・リッチ
・プラーク退縮物質は水難溶性ないし不溶性であるた
め、経口投与した場合、投与量のうち実際に血中へ吸収
される割合が小さいために、バイオアベイラビリティが
低いという欠点を有している。しかし、本発明の固体分
散体を上記の種々の投与形態に任意に変化させて製造し
た種々の製剤は、水難溶性ないし不溶性のリピド・リッ
チ・プラーク退縮物質それ自体の結晶と比して、溶解
度、経口吸収性または(および)血液中への吸収性が著
しく改良される。このように、本発明は固体分散体は、
水難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮
物質の可溶化が達成され、これにより水難溶性ないし不
溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質のバイオアベ
イラビリティが飛躍的に改良されている。
【0059】本発明の固体分散体における水難溶性ない
し不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質の含有量
は、剤型、投与方法、担体などにより異なるが、製剤全
量に対して、通常0.1〜99%(w/w)である。本
発明の固体分散体における親水性重合体の含有量は、剤
型、投与方法、担体などにより異なるが、製剤全量に対
して、通常1〜99.9%(w/w)である。本発明の
固体分散体における添加物の含有量は、剤型、投与方法
などにより異なるが、製剤全量に対して、通常0〜99
%(w/w)、好ましくは5〜20%である。本発明の
医薬製剤における固体分散体の含有量は、剤型、投与方
法、担体などにより異なるが、製剤全量に対して、通常
0.1〜100%(w/w)である。本発明の医薬製剤
における添加物の含有量は、剤型、投与方法などにより
異なるが、製剤全量に対して、通常0〜99.9%(w
/w)である。
【0060】また、本発明の固体分散体またはそれを含
有する医薬製剤は、これらの疾患の治療において、単独
で治療のために使用されてもよく、またはその他の脂質
低下薬またはコレステロール低下薬、心筋保護薬、冠動
脈疾患治療薬、糖尿病治療薬、甲状腺機能低下治療薬、
ネフローゼ症候群治療薬、骨粗鬆症治療薬または慢性腎
不全治療薬を含む他の医薬成分と共に使用されてもよ
く、この場合、これらは経口製剤として投与されること
が好ましく、また必要により直腸製剤として坐薬の形態
で投与されてもよい。この場合の可能な組み合わせ成分
は、例えばフィブラート類〔例、クロフィブラート、ベ
ザフィブラート、ジェムフィプロジル等〕,ニコチン
酸、その誘導体および類縁体〔例、アシピモックスおよ
びプロブコール〕,胆汁酸結合樹脂〔例、コレスチラミ
ン、コレスチポール等〕,コレステロール吸収を抑制す
る化合物〔例、シトステロールやネオマイシン等〕,コ
レステロール生合成を阻害する化合物〔例、ロバスタチ
ン、シンバスタチン、プラバスタチン等のHMG−Co
A還元酵素阻害薬〕,スクアレンエポキシダーゼ阻害薬
〔例、NB−598および類縁化合物等〕が挙げられ
る。更に別の可能な組合せ成分は、オキシドスクアレン
−ラノステロールサイクラーゼ、例えばデカリン誘導
体、アザデカリン誘導体およびインダン誘導体である。
また、糖尿病治療薬〔アクトス、ロジグリダソン、キネ
ダック,ベンフィル,ヒューマリン,オイグルコン,グ
リミクロン,ダオニール,ノボリン,モノタード,イン
シュリン類,グルコバイ,ジメリン,ラスチノン,バシ
ルコン,デアメリンS,イスジリン類〕;甲状腺機能低
下症治療薬〔乾燥甲状腺(チレオイド),レボチロキシ
ンナトリウム(チラージンS),リオチロニジンナトリ
ウム(サイロニン、チロミン);ネフローゼ症候群治療
薬:プレドニゾロン(プレドニン),コハク酸プレドニ
ゾロンナトリウム(プレドニン),コハク酸メチルプレ
ドニゾロンナトリウム(ソル・メドロール),ベタメタ
ゾン(リンデロン)〕;抗凝固療法剤〔ジピリダモール
(ベルサンチン),塩酸ジラゼプ(コメリアン)、チロ
ピジン、クロビドグレル、Xa阻害剤〕;慢性腎不全治
療薬〔利尿薬〔例、フロセミド(ラシックス),ブメタ
ニド(ルネトロン),アゾセミド(ダイアート)〕,降
圧薬(例、ACE阻害薬、(マレイン酸エナラプリル
(レニベース))及びCa 拮抗薬(マニジピン)、α受
容体遮断薬、AII拮抗薬(カンデサルタン)〕などと
組み合わせて、投与する際、好ましくは経口投与で使用
し得る。
【0061】さらに、本発明の化合物が有するリピド・
リッチ・プラーク退縮作用から考えて、本発明の化合物
は血栓形成の予防および治療に適している。その際それ
らは単独で、または既知の下記治療薬と組み合わせて、
好ましくは経口投与で使用し得る。血栓形成予防治療
薬:血液凝固阻止薬〔例、ヘパリンナトリウム,ヘパリ
ンカルシウム,ワルファリンカルシウム(ワーファリ
ン),Xa阻害薬〕,血栓溶解薬〔例、tPA,ウロキ
ナーゼ〕,抗血小板薬〔例、アスピリン,スルフィンピ
ラゾロ(アンツーラン),ジピリダモール(ペルサンチ
ン),チクロピジン(パナルジン),シロスタゾール
(プレタール),GPIIb/IIIa拮抗薬(レオプロ)〕;
冠血管拡張薬:ニフェジピン,ジルチアゼム,ニコラジ
ル,唖硝酸剤;心筋保護薬:心臓ATP−K用口薬、エ
ンドセリン拮抗薬、ウロテンシン拮抗薬など。本発明の
固体分散体またはそれを含有する医薬製剤におけるこれ
ら他の薬物の含有量は、剤型、投与方法、担体などによ
り異なるが、製剤全量に対して、通常0〜95%(w/
w)である。本発明の固体分散体は経口的に、あるいは
非経口的に、注射、点滴、吸入法、直腸投入、あるいは
局所投与により用いることができ、そのまま、あるいは
医薬品組成物の製剤(例えば、粉末、顆粒、錠剤、ピル
剤、カプセル剤、注射剤、シロップ剤、エマルジョン
剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤など)として用いる
ことができる。すなわち少なくとも一つの本発明の固体
分散体を単独で、あるいは医薬として許容される担体
(アジュバンド剤、賦形剤、補形剤及び/又は希釈剤な
ど)と混合して用いることができる。医薬用の組成物は
通常の方法に従って製剤化することができる。かかる製
剤は通常活性成分を賦型剤、希釈剤,担体等の添加剤と
混合/練合することにより製造することができる。本明
細書において、非経口とは、皮下注射、静脈内注射、筋
肉内注射、腹腔内注射あるいは点滴法などを含むもので
ある。注射用調剤、例えば、無菌注射用水性懸濁物ある
いは油性懸濁物は、適当な分散化剤または湿化剤及び懸
濁化剤を用いて当該分野で知られた方法で調製されう
る。その無菌注射用調剤は、また、例えば水溶液などの
非毒性の非経口投与することのできる希釈剤あるいは溶
剤中の無菌の注射のできる溶液または懸濁液であってよ
い。使用することのできるベーヒクルあるいは溶剤とし
て許されるものとしては、水、リンゲル液、等張食塩液
などがあげられる。さらに、通常溶剤または懸濁化溶媒
として無菌の不揮発性油も用いられうる。このために
は、いかなる不揮発性油も脂肪酸も使用でき、天然ある
いは合成あるいは半合成の脂肪性油又は脂肪酸、そして
天然あるいは合成あるいは半合成のモノあるいはジある
いはトリグリセリド類も含められる。直腸投与用の座剤
は、その薬物と適当な非刺激性の補形剤、例えば、ココ
アバターやポリエチレングリコール類といった常温では
固体であるが腸管の温度では液体で、直腸内で融解し、
薬物を放出するものなどと混合して製造されることがで
きる。また、適当な基剤(例、酪酸の重合体、グリコー
ル酸の重合体、酪酸-グリコール酸の共重合体、酪酸の
重合体とグリコール酸の重合体との混合物、ポリグリセ
ロール脂肪酸エステル等)と組合わせ徐放性製剤とする
ことも有効である。経口投与用の固形投与剤型として
は、粉剤、顆粒剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤などの上
記したものがあげられる。そのような剤型の製剤は、固
体分散体と、少なくとも一つの添加物、例えば、ショ
糖、乳糖(ラクトース)、セルロース糖、マンニトール
(D−マンニトール)、マルチトール、デキストラン、
デンプン類(例、コーンスターチ)、微結晶セルロー
ス、寒天、アルギネート類、キチン類、キトサン類、ペ
クチン類、トラガントガム類、アラビアゴム類、ゼラチ
ン類、コラーゲン類、カゼイン、アルブミン、合成又は
半合成のポリマー類又はグリセリド類とを混合及び/又
は練合することにより製造することができる。そのよう
な剤型物はまた、通常の如く、さらなる添加物を含むこ
とができ、例えば不活性希釈剤、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの滑沢剤、パラベン類、ソルビン酸などの保存
剤、アスコルビン酸、α−トコフェロール、システイン
などの抗酸化剤、崩壊剤(例、クロスカルメロースナト
リウム)、結合剤(例、ヒドロキシプロピルセルロー
ス)、増粘剤、緩衝化剤、甘味付与剤、フレーバー付与
剤、パーフューム剤などがあげられる。錠剤及びピル剤
はさらにエンテリックコーティングされて製造されるこ
ともできる。経口投与用の液剤は、医薬として許容され
るエマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁
剤、溶液剤などがあげられ、それらは当該分野で普通用
いられる不活性希釈剤、例えば水及び必要により添加物
を含んでいてよい。これら経口用液剤は、固体分散体と
不活性希釈剤、及び必要により他の添加剤を混合する等
慣用方法に従い製造することができる。経口投与剤で
は、剤形にもよるが、通常約0.01〜99W%、好ま
しくは約0.1〜90W%通常約0.5〜50W%の本発
明の固体分散体を配合するのがよい。
【0062】ある特定の患者に対する本発明の固体分散
体またはそれを含有する医薬製剤の投与量は、年令、体
重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方
法、排泄速度、薬物の組み合わせ、患者のその時に治療
を行っている病状の程度に応じ、それらあるいはその他
の要因を考慮して決められる。、本発明の固体分散体ま
たはそれを含有する医薬製剤に含まれる化合物〔I〕、
〔II〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕、〔VI〕も
しくはその塩またはプロドラッグは、低毒性で安全に使
用することができ、その1日の投与量は患者の状態や体
重、化合物の種類、投与経路等によって異なるが、例え
ば、高脂血症予防・治療剤として使用する場合、成人
(体重約60kgとして)1日当たりの投与量は、経口剤
の場合、有効成分〔I〕として約1〜500mg、好まし
くは約10〜200mgであり、非経口剤の場合、有効成
分〔I〕として約0.1〜100mg、好ましくは約1〜
50mg、通常約1〜20mgであり、この範囲では何ら毒
性は見られない。
【0063】さらに、本発明は、(1)本発明の固体分
散体と併用薬とを組み合わせてなる薬物(以下、併用剤
と略記する)、(2)哺乳動物に対して、本発明の固体
分散体の有効量と併用薬の有効量とを組み合わせて投与
することを特徴とするリピド・リッチ・プラーク退縮方
法、および(3)哺乳動物に対して、本発明の固体分散
体の有効量と併用薬の有効量とを組み合わせて投与する
ことを特徴とする急性心筋梗塞、不安定狭心症等の急性
冠動脈症候群、末梢動脈閉塞症、経皮的冠動脈形成術
(PTCA)後の再狭搾、高コレステロール血症、アテ
ローム性動脈硬化症、心筋梗塞等の虚血性心疾患、脳梗
塞・脳卒中等の脳血管障害または血栓形成の予防・治療
方法を提供する。
【0064】本発明の固体分散体と併用し得る併用薬と
しては、例えば、前記した本発明の固体分散体以外の医
薬成分やその他の高脂血症治療薬、利尿薬、高血圧症治
療薬、心不全治療薬、不整脈治療薬、抗凝血薬、抗血小
板薬、糖尿病治療薬、HDL増加薬、不安定プラーク安定
化薬、血管拡張薬、血管収縮薬、昇圧薬、抗菌薬、抗真
菌薬、非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド薬、免疫調
節薬、抗原虫薬、抗潰瘍薬、鎮咳・去たん薬、鎮静薬、
麻酔薬、抗不安薬、抗精神病薬、筋弛緩薬、抗てんかん
薬、抗うつ薬、麻薬拮抗薬、抗腫瘍薬、抗アレルギー
薬、ビタミン薬、ビタミン誘導体、骨・カルシウム代謝
薬、骨粗鬆症治療薬、関節炎治療薬、抗リウマチ薬、抗
喘息薬、頻尿・尿失禁治療薬、腎不全・腎症治療薬、ア
トピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、エン
ドトキシン拮抗薬あるいは抗体、シグナル伝達阻害薬、
炎症性メディエーター作用抑制薬、炎症性メディエータ
ー作用抑制抗体、抗炎症性メディエーター作用抑制薬、
抗炎症性メディエーター作用抑制抗体などが挙げられ、
なかでも高脂血症治療薬、利尿薬、高血圧症治療薬、心
不全治療薬、不整脈治療薬、抗凝血薬、抗血小板薬、糖
尿病治療薬、HDL増加薬、不安定プラーク安定化薬など
が好ましい。前記した医薬成分以外の併用薬としては、
具体的には、以下のものが挙げられる。
【0065】(1)高脂血症治療薬 HMG-CoA還元酵素阻害薬(例、フルバスタチン、セリバス
タチン、アトルバスタチンなど)、フィブラート系薬剤
(例、シンフィブラート、クロフィブラートアルミニウ
ム、クリノフィブラート、フェノフィブラートなど)、
陰イオン交換樹脂(例、コレスチラミドなど)、ニコチ
ン酸製剤(例、ニコモール、ニセリトロール、ニコチン
酸トコフェロールなど)、多価不飽和脂肪酸誘導体
(例、イコサペント酸エチル、ポリエンフォスファチジ
ルコリン、メリナミドなど)、植物ステロール(例、ガ
ンマ−オリザノール、ソイステロールなど)、エラスタ
ーゼ、デキストラン硫酸ナトリウム、スクワレン合成酵
素阻害薬、CETP阻害薬、2−クロロ−3−〔4−(2−
メチル−2−フェニルプロポキシ)フェニル〕プロピオ
ン酸エチル〔ケミカル・アンド・ファーマシューティカ
ル・ブレティン(Chem.Pharm. Bull),38,2792
−2796(1990)〕など。 (2)利尿薬 サイアザイド系利尿薬(ベンチルヒドロクロロチアジ
ド、シクロペンチアジド、エチアジド、ヒドロクロロチ
アジド、ヒドロフルメチアジド、メチクロチアジド、ペ
ンフルチアジド、ポリチアジド、トリクロルメチアジド
など)、ループ利尿薬(クロルタリドン、クロフェナミ
ド、インダパミド、メフルシド、メチクラン、ソトラゾ
ン、トリバミド、キネタゾン、メトラゾン、フロセミ
ド、メフルシドなど)、カリウム保持性利尿薬(スピロ
ノラクトン、トリアムテレンなど)。 (3)高血圧治療薬 交感神経抑制薬 α刺激薬(例、クロニジン、グアナベンズ、グアンフ
ァシン、メチルドパなど)、神経節遮断薬(例、ヘキサ
メトニウム、トリメタファンなど)、シナプス前遮断剤
(例、アルサーオキシロン、ジメチルアミノレセルピナ
ート、レシナミン、レセルピン、シロシンゴピンな
ど)、ニューロン遮断薬(例、ベタニジン、グアネチジ
ンなど)、α遮断薬(例、ブナゾシン、ドキサゾシ
ン、プラゾシン、テラゾシン、ウラピジルなど)、β遮
断薬(例、プルプラノロール、ナドロール、チモロー
ル、ニプラジロール、ブニトロロール、インデノロー
ル、ペンブトロール、カルテオロール、カルベジロー
ル、ピンドロール、アセブトロール、アテノロール、ビ
ソプロロール、メトプロロール、ラベタロール、アモス
ラロール、アロチノロールなど)など。 血管拡張薬 カルシウムチャンネル拮抗薬(例、マニジピン、ニカル
ジピン、ニルバジピン、ニソルジピン、ニトレンジピ
ン、ベニジピン、アムロジピン、アラニジピンなど)、
フタラジン誘導体(例、ブトララジン、カドララジン、
エカラジン、ヒドララジン、トドララジンなど)など。 ACE阻害薬 アラセプリル、カプトプリル、シラザプリル、デラプリ
ル、エナラプリル、リジノプリル、テモカプリル、トラ
ンドラプリル、キナプリル、イミダプリル、ベナゼプリ
ル、ベリンドプリルなど。 AII拮抗薬 ロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサ
ルタン、イルベサルタン、フォラサルタンなど。 利尿薬(例えば前述の利尿薬など) (4)心不全治療薬 強心薬(例、ジギトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキ
シン、ラナトシドC、プロスシラリジンなど)、α、β
刺激薬(例、エピネフリン、ノルエピネフリン、イソプ
ロテレノール、ドパミン、ドカルパミン、ドブタミン、
デノパミンなど)、ホスホジエステラーゼ阻害薬(例、
アムリノン、ミルリノン、塩酸オルプリノンなど)カル
シウムチャンネル感受性増強薬(例、ピモベンタンな
ど)、硝酸薬(例、ニトログリセリン、硝酸イソソルビ
ドなど)、ACE阻害薬(例えば前述のACE阻害薬など)、
利尿薬(例えば前述の利尿薬など)、カルペリチド、ユ
ビデカレノン、ベスナリノン、アミノフィリンなど。 (5)不整脈治療薬 ナトリウムチャンネル遮断薬(例、キニジン、プロカイ
ンアミド、ジソピラミド、アジマリン、シベンゾリン、
リドカイン、ジフェニルヒダントイン、メキシレチン、
プロパフェノン、フレカイニド、ピルジカイニド、フェ
ニトインなど)、β遮断薬(例、プロプラノロール、ア
ルプレノロール、プフェトロール、オクスプレノロー
ル、アテノール、アセブトロール、メトプロロール、ビ
ソプロロール、ピンドロール、カルテオロール、アロチ
ロールなど)、カリウムチャンネル遮断薬(例、アミオ
ダロンなど)、カルシウムチェンネル遮断薬(例、ベラ
パミル、ジルチアゼムなど)など。 (6)抗凝血薬および抗血小板薬 クエン酸ナトリウム、活性化プロテインC、組織因子経
路阻害剤、アンチトロンビンIII、ダルテパリンナトリ
ウム、アルガトロバン、ガベキサート、オザクレルナト
リウム、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウ
ム、アルプロスタジル、ペントキシフィリン、チソキナ
ーゼ、ストレプトキナーゼなど。 (7)糖尿病治療薬 スルホニル尿素剤(例、トルブタミド、クロルプロパミ
ド、グリクロピラミド、アセトヘキサミド、トラザミ
ド、グリベンクラミド、グリブゾールなど)、ビグアナ
イド剤(例、塩酸メトホルミン、塩酸ブホルミンな
ど)、α−グルコシダーゼ阻害薬(例、ボグリボース、
アカルボースなど)、インスリン抵抗性改善薬(例、ピ
オグリタゾン、トログリタゾンなど)、インスリン、グ
ルカゴン、糖尿病性合併症治療薬(例、エパルレスタッ
トなど)など。 (8)HDL増加薬 スクワレン合成酵素阻害薬、CETP阻害薬、LPL活性化薬
など。 (9)不安定プラーク安定化薬 MMP阻害薬、キマーゼ阻害薬など。 (10)血管拡張薬 オキシフェドリン、ジルチアゼム、トラゾリン、ヘキソ
ベンジン、バメタン、クロニジン、メチルドパ、グアナ
ベンズなど。 (11)血管収縮薬 ドパミン、ドブタミンデノパミンなど。 (12)昇圧薬 ドパミン、ドブタミン、デノパミン、ジギトキシン、ジ
ゴキシン、メチルジゴキシン、ラナトシドC、G−スト
ロファンチンなど。 (13)抗菌薬 サルファ剤 スルファメチゾール、スルフィソキサゾール、スルファ
モノメトキシン、スルファメチゾール、サラゾスルファ
ピリジン、スルファジアジン銀など。 キノリン系抗菌薬 ナリジクス酸、ピペミド酸三水和物、エノキサシン、ノ
ルフロキサシン、オフロキサシン、トシル酸トスフロキ
サシン、塩酸シプロフロキサシン、塩酸ロメフロキサシ
ン、スパルフロキサシン、フレロキサシンなど。 抗結核薬 イソニアジド、エタンブトール(塩酸エタンブトー
ル)、パラアミノサリチル酸(パラアミノサリチル酸カ
ルシウム)、ピラジナミド、エチオナミド、プロチオナ
ミド、リファンピシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸
カナマイシン、サイクロセリンなど。 抗抗酸菌薬 ジアフェニルスルホン、リファンピシリンなど。 抗ウイルス薬 イドクスウリジン、アシクロビル、ビタラビン、ガンシ
クロビルなど。 抗HIV薬 ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、硫酸インジナ
ビルエタノール付加物、リトナビルなど。 抗スピロヘータ薬 抗生物質 塩酸テトラサイクリン、アンピシリン、ピペラシリン、
ゲンタマイシン、ジベカシン、カネンドマイシン、リビ
ドマイシン、トブラマイシン、アミカシン、フラジオマ
イシン、シソマイシン、テトラサイクリン、オキシテト
ラサイクリン、ロリテトラサイクリン、ドキシサイクリ
ン、アンピシリン、ピペラシリン、チカルシリン、セフ
ァロチン、セファピリン、セファロリジン、セファクロ
ル、セファレキシン、セフロキサジン、セファドロキシ
ル、セファマンドール、セフォトアム、セフロキシム、
セフォチアム、セフォチアムヘキセチル、セフロキシム
アキセチル、セフジニル、セフジトレンピボキシル、セ
フタジジム、セフピラミド、セフスロジン、セフメノキ
シム、セフポドキシムプロキセチル、セフピロム、セフ
ァゾプラン、セフェピム、セフスロジン、セフメノキシ
ム、セフメタゾール、セフミノクス、セフォキシチン、
セフブペラゾン、ラタモキナセフ、フロモキセフ、セフ
ァゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾ
キシム、モキサラクタム、チエナマイシン、スルファゼ
シン、アズスレオナムまたはそれらの塩、グリセオフル
ビン、ランカシジン類〔ジャーナル・オブ・アンチバイ
オティックス(J.Antibiotics),38,877−88
5(1985)〕など。 (14)抗真菌薬 ポリエチレン系抗生物質(例、アムホテリシンB、ナ
イスタチン、トリコマイシン) グリセオフルビン、ピロールニトリンなど シトシン代謝拮抗薬(例、フルシトシン) イミダゾール誘導体(例、エコナゾール、クロトリマ
ゾール、硝酸ミコナゾール、ビホナゾール、クロコナゾ
ール) トリアゾール誘導体(例、フルコナゾール、イトラコ
ナゾール、アゾール系化合物〔2−〔(1R,2R)−
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ
−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール
−1−イル)プロピル〕−4−〔4−(2,2,3,3
−テトラフルオロプロポキシ)フェニル−3−(2H,
4H)−1,2,4−トリアゾロン) チオカルバミン酸誘導体(例、トリナフトール) エキノカンジン系誘導体(例、カスポファンギン、F
K−463、V−エキノカンシン)など。 (15)非ステロイド性抗炎症薬 アセトアミノフェン、フェナセチン、エテンザミド、ス
ルピリン、アンチピリン、ミグレニン、アスピリン、メ
フェナム酸、フルフェナム酸、ジクロフェナックナトリ
ウム、ロキソプロフェンナトリウム、フェニルブタゾ
ン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェ
ン、ナプロキセン、オキサプロジン、フルルビプロフェ
ン、フェンブフェン、プラノプロフェン、フロクタフェ
ニン、エピリゾール、塩酸チアラミド、ザルトプロフェ
ン、メシル酸ガベキサート、メシル酸カモスタット、ウ
リナスタチン、コルヒチン、プロベネジド、スルフィン
ピラゾン、ベンズブロマロン、アロプリノール、金チオ
リンゴ酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、サリチ
ル酸ナトリウム、塩酸モルヒネ、サリチル酸、アトロピ
ン、スコポラミン、モルヒネ、ペチジン、レボルファイ
ノール、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキシモルフ
ォンまたはその塩など。 (16)ステロイド薬 デキサメサゾン、ヘキセストロール、メチマゾール、ベ
タメサゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセ
トニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、
プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、酢酸コルチゾ
ン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プロピオン
酸ベクロメタゾン、エストリオールなど。 (17)免疫調節薬 シクロスポリン、タクロリムス、グスペリムス、アザチ
オプリン、抗リンパ血清、乾燥スルホ化免疫グロブリ
ン、エリスロポイエチン、コロニー刺激因子、インター
ロイキン、インターフェロンなど。 (18)抗原虫薬 メトロニダゾール、チニダゾール、クエン酸ジエチルカ
ルバマジン、塩酸キニーネ、硫酸キニーネなど。 (19)抗潰瘍薬 メタクロプロミド、塩酸ヒスチジン、ランソプラゾー
ル、メトクロプラミド、ピレンゼピン、シメチジン、ラ
ニチジン、ファモチジン、ウロガストリン、オキセサゼ
イン、プログルミド、オメプラゾール、スクラルファー
ト、スルピリド、セトラキサート、ゲファルナート、ア
ルジオキサ、テプレノン、プロスタグランジンなど。
(20)鎮咳・去たん薬 塩酸エフェドリン、塩酸ノスカピン、リン酸コデイン、
リン酸ジヒドロコデイン、塩酸イソプロテレノール、塩
酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸ノスカ
ピン、アロクラマイド、クロルフェジアノール、ピコペ
リダミン、クロペラスチン、プロトキロール、イソプロ
テレノール、サルブタモール、テレプタリン、オキシペ
テバノール、塩酸モルヒネ、臭化水素酸デキストロペト
ルファン、塩酸オキシコドン、リン酸ジモルファン、ヒ
ベンズ酸チペピジン、クエン酸ペントキシベリン、塩酸
クロフェダノール、ベンゾナテート、グアイフェネシ
ン、塩酸ブロムヘキシン、塩酸アンブロキソール、アセ
チルシステイン、塩酸エチルシステイン、カルボシステ
インなど。 (21)鎮静薬 塩酸クロルプロマジン、硫酸アトロピン、フェノバルビ
タール、バルビタール、アモバルビタール、ペントバル
ビタール、チオペンタールナトリウム、チアミラールナ
トリウム、ニトラゼパム、エスタゾラム、フルラザパ
ム、ハロキサゾラム、トリアゾラム、フルニトラゼパ
ム、ブロムワレリル尿素、抱水クロラール、トリクロホ
スナトリウムなど。 (22)麻酔薬 (22−1)局所麻酔薬 塩酸コカイン、塩酸プロカイン、リドカイン、塩酸ジブ
カイン、塩酸テトラカイン、塩酸メピバカイン、塩酸ブ
ピバカイン、塩酸オキシブプロカイン、アミノ安息香酸
エチル、オキセサゼイン)など。 (22−2)全身麻酔薬 吸入麻酔薬(例、エーテル、ハロタン、亜酸化窒素、
インフルラン、エンフルラン)、 静脈麻酔薬(例、塩酸ケタミン、ドロペリドール、チ
オペンタールナトリウム、チアミラールナトリウム、ペ
ントバルビタール)など。 (23)抗不安薬 ジアゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、クロルジアゼ
ポキシド、メダゼパム、オキサゾラム、クロキサゾラ
ム、クロチアゼパム、ブロマゼパム、エチゾラム、フル
ジアゼパム、ヒドロキシジンなど。 (24)抗精神病薬 塩酸クロルプロマジン、プロクロルペラジン、トリフロ
ペラジン、塩酸チオリダジン、マレイン酸ペルフェナジ
ン、エナント酸フルフェナジン、マレイン酸プロクロル
ペラジン、マレイン酸レボメプロマジン、塩酸プロメタ
ジン、ハロペリドール、ブロムペリドール、スピペロ
ン、レセルピン、塩酸クロカプラミン、スルピリド、ゾ
テピンなど。 (25)筋弛緩薬 プリジノール、ツボクラリン、パンクロニウム、塩酸ト
ルペリゾン、カルバミン酸クロルフェネシン、バクロフ
ェン、クロルメザノン、メフェネシン、クロゾキサゾ
ン、エペリゾン、チザニジンなど。 (26)抗てんかん薬 フェニトイン、エトサクシミド、アセタゾラミド、クロ
ルジアゼポキシド、トリペタジオン、カルバマゼピン、
フェノバルビタール、プリミドン、スルチアム、パルプ
ロ酸ナトリウム、クロナゼパム、ジアゼパム、ニトラゼ
パムなど。 (27)抗うつ薬 イミプラミン、クロミプラミン、ノキシプチリン、フェ
ネルジン、塩酸アミトリプチリン、塩酸ノルトリプチリ
ン、アモキサピン、塩酸ミアンセリン、塩酸マプロチリ
ン、スルピリド、マレイン酸フルボキサミン、塩酸トラ
ゾドンなど。 (28)麻薬拮抗薬 レバロルファン、ナロルフィン、ナロキソンまたはその
塩など。 (29)抗腫瘍薬 6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロ
ール、ブレオマイシン、メトトレキサート、アクチノマ
イシンD、マイトマイシンC、ダウノルビシン、アドリ
アマイシン、ネオカルチノスタチン、シトシンアラビノ
シド、フルオロウラシル、テトラヒドロフリル−5−フ
ルオロウラシル、ピシバニール、レンチナン、レバミゾ
ール、ベスタチン、アジメキソン、グリチルリチン、塩
酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ブレオマ
イシン、硫酸ヘプロマイシン、硫酸ビンクリスチン、硫
酸ビンブラスチン、塩酸イリノテカン、シクロフォスフ
ァミド、メルファラン、ズスルファン、チオテパ、塩酸
プロカルバジン、シスプラチン、アザチオプリン、メル
カプトプリン、テガフール、カルモフール、シタラビ
ン、メチルテストステロン、プロピオン酸テストステロ
ン、エナント酸テストステロン、メピチオスタン、ホス
フェストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸エユープリ
ン、酢酸ブセレリンなど。 (30)抗アレルギー薬 ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、トリペレナ
ミン、メトジラミン、クレミゾール、ジフェニルピラリ
ン、メトキシフェナミン、クロモグリク酸ナトリウム、
トラニラスト、レピリナスト、アンレキサノクス、イブ
ジラスト、ケトチフェン、テルフェナジン、メキタジ
ン、アセラスチン、エピナスチン、塩酸オザグレル、プ
ランルカスト水和物、セラトロダストなど。 (31)脂溶性ビタミン薬 ビタミンA類:ビタミンA、ビタミンAおよびパ
ルミチン酸レチノール ビタミンD類:ビタミンD、D、D、Dおよ
びD ビタミンE類:α−トコフェロール、β−トコフェロ
ール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、ニコ
チン酸dl−α−トコフェロール ビタミンK類:ビタミンK、K、KおよびK 葉酸(ビタミンM)など。 (32)ビタミン誘導体 ビタミンの各種誘導体、例えば、5,6−トランス−コ
レカルシフェロール、2,5−ヒドロキシコレカルシフ
ェロール、1−α−ヒドロキシコレカルシフェロールな
どのビタミンD誘導体、5,6−トランス−エルゴカ
ルシフェロール等のビタミンD誘導体など。 (33)抗喘息薬 塩酸イソプレナリン、硫酸サルブタモール、塩酸プロカ
テロール、硫酸テルブタリン、塩酸トリメトキノール、
塩酸ツロブテロール、硫酸オルシプレナリン、臭化水素
酸フェノテロール、塩酸エフェドリン、臭化イプロトロ
ピウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウム、
テオフィリン、アミノフィリン、クロモグリク酸ナトリ
ウム、トラニラスト、レピリナスト、アンレキサノン、
イブジラスト、ケトチフェン、テルフェナジン、メキタ
ジン、アゼラスチン、エピナスチン、塩酸オザグレル、
プランルカスト水和物、セラトロダスト、デキサメタゾ
ン、プレドニゾロン、ヒドロコルチアオン、プロピオン
酸ベクロペタゾンなど。 (34)頻尿・尿失禁治療薬 塩酸フラボキサートなど。 (35)アトピー性皮膚炎治療薬 クロモグリク酸ナトリウムなど。 (36)アレルギー性鼻炎治療薬 クロモグリク酸ナトリウム、マレイン酸クロルフェニラ
ミン、酒石酸アリメマジン、フマル酸クレマスチン、塩
酸ホモクロルシクリジン、テルフェナジン、メキタジン
など。 (37)その他 ヒドロキシカム、ダイアセリン、メゲストロール酢酸、
ニセロゴリン、プロスタグランジン類など。
【0066】本発明の固体分散体と併用薬とを併用する
と、例えば、次のような効果を有する。 (1)本発明の固体分散体や併用薬物を単独投与する場
合の投与量または副作用を軽減することができる。 (2)急性心筋梗塞、不安定狭心症等の急性冠動脈症候
群、末梢動脈閉塞症、経皮的冠動脈形成術(PTCA)
後の再狭搾、高コレステロール血症、アテローム性動脈
硬化症、心筋梗塞等の虚血性心疾患、脳梗塞・脳卒中等
の脳血管障害または血栓形成などの疾患に対して、相乗
的な治療効果が得られる。 (3)急性心筋梗塞、不安定狭心症等の急性冠動脈症候
群、末梢動脈閉塞症、経皮的冠動脈形成術(PTCA)
後の再狭搾、高コレステロール血症、アテローム性動脈
硬化症、心筋梗塞、狭心症等の虚血性心疾患、脳梗塞・
脳卒中等の脳血管障害または血栓形成などの疾患に伴い
発症する種々の疾患に対して、広く治療効果を発揮す
る。本発明の併用剤の使用に際しては、本発明の固体分
散体と併用薬の投与時期は限定されず、本発明の固体分
散体またはその医薬組成物と併用薬またはその医薬組成
物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時
間差をおいて投与してもよい。併用薬の投与量は、臨床
上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投
与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択すること
ができる。本発明の併用剤の投与形態は、特に限定され
ず、投与時に、本発明の固体分散体と併用薬とが組み合
わされていればよい。このような投与形態としては、例
えば、(1)本発明の固体分散体と併用薬とを同時に製
剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明の固
体分散体と併用薬とを別々に製剤化して得られる2種の
製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明の固体
分散体と併用薬とを別々に製剤化して得られる2種の製
剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本
発明の固体分散体と併用薬とを別々に製剤化して得られ
る2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本
発明の固体分散体と併用薬とを別々に製剤化して得られ
る2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投
与(例えば、本発明の固体分散体またはその医薬組成
物;併用薬またはその医薬組成物の順序での投与、ある
いは逆の順序での投与)などが挙げられる。
【0067】本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、
本発明の固体分散体または(および)上記併用薬を自体
公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合
して医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーテ
ィング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤、(ソフ
トカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等と
して、経口的又は非経口的(例、局所、直腸、静脈投与
等)に安全に投与することができる。注射剤は、静脈
内、筋肉内、皮下または臓器内投与あるいは直接病巣に
投与することができる。本発明の併用剤の製造に用いら
れてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素
材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質があげら
れ、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤及
び崩壊剤、あるいは液状製剤における溶剤、溶解補助
剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等があげ
られる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着
色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量
用いることもできる。賦形剤としては、例えば乳糖、白
糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結
晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤
としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられ
る。結合剤としては、例えば結晶セルロース、白糖、D
−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム
等が挙げられる。崩壊剤としては、例えばデンプン、カ
ルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
スカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、
L−ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。溶
剤としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレン
グリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、
オリーブ油等が挙げられる。溶解補助剤としては、例え
ばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D
−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリ
スアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミ
ン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられ
る。懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノー
ルアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプ
ロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベ
ンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン、等の界面
活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチ
ルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等
の親水性高分子等が挙げられる。等張化剤としては、例
えばブドウ糖、 D−ソルビトール、塩化ナトリウム、
グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。緩衝剤
としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸
塩等の緩衝液等が挙げられる。無痛化剤としては、例え
ばベンジルアルコール等が挙げられる。防腐剤として
は、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタ
ノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、
デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。抗酸化剤と
しては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフ
ェロール等が挙げられる。
【0068】本発明の併用剤における本発明の固体分散
体と併用薬との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患
等により適宜選択することができる。例えば、本発明の
併用剤における本発明の固体分散体中の有効成分の含有
量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に
対して約0.01ないし100重量%、好ましくは約
0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5な
いし20重量%程度である。本発明の併用剤における併
用薬の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常
製剤全体に対して約0.01ないし100重量%、好ま
しくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約
0.5ないし20重量%程度である。本発明の併用剤に
おける担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって
相違するが、通常製剤全体に対して約1ないし99.9
9重量%、好ましくは約10ないし90重量%程度であ
る。また、本発明の固体分散体および併用薬をそれぞれ
別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
【0069】これらの製剤は、製剤工程において通常一
般に用いられる自体公知の方法により製造することがで
きる。例えば、本発明の固体分散体または併用薬は、分
散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー
社製、米国)、HCO 60(日光ケミカルズ製)、ポリエチ
レングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギ
ン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、デキストリンなど)、安定化剤(例、アスコルビン
酸、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、界面活性剤(例、ポリ
ソルベート80、マクロゴール等)、可溶剤(例、グリ
セリン、エタノール等)、緩衝剤(例、リン酸及びその
アルカリ金属塩、クエン酸及びそのアルカリ金属塩
等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、塩化カリウム、
マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)、pH調節
剤(例、塩酸、水酸化ナトリウム等)、保存剤(例、パ
ラオキシ安息香酸エチル、安息香酸、メチルパラベン、
プロピルパラベン、ベンジルアルコール等)、溶解剤
(例、濃グリセリン、メグルミン等)、溶解補助剤
(例、プロピレングリコール、白糖等)、無痛化剤
(例、ブドウ糖、ベンジルアルコール等)などと共に水
性注射剤に、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コ
ーン油などの植物油、プロピレングリコールなどの溶解
補助剤に溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形
し、注射剤とすることができる。経口投与用製剤とする
には、自体公知の方法に従い、本発明の固体分散体また
は併用薬を例えば、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプン
など)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウムな
ど)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキ
シメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ヒドロ
キシプロピルセルロースなど)又は滑沢剤(例、タル
ク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコー
ル 6000など)などを添加して圧縮成形し、次いで
必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の
目的のため自体公知の方法でコーティングすることによ
り経口投与製剤とすることができる。そのコーティング
剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレ
ングリコール、ツイーン 80、プルロニック F6
8、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセ
ルロースアセテートサクシネート、オイドラギット(ロ
ーム社製、ドイツ,メタアクリル酸・アクリル酸共重
合)および色素(例、ベンガラ,二酸化チタン等)など
が用いられる。経口投与用製剤は速放性製剤、徐放性製
剤のいずれであってもよい。例えば、坐剤とするには、
自体公知の方法に従い、本発明の固体分散体または併用
薬を油性又は水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤と
することができる。上記組成物に用いる油性基剤として
は、例えば、高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂、
ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製,ドイツ)
など〕、中級脂肪酸〔例、ミグリオール類(ダイナマイ
トノーベル社製,ドイツ)など〕、あるいは植物油
(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが挙げられ
る。また、水性基剤としては、例えばポリエチレングリ
コール類、プロピレングリコール、水性ゲル基剤として
は、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重
合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。上記徐放性
製剤としては、徐放性マイクロカプセル剤などが挙げら
れる。徐放型マイクロカプセルとするには、自体公知の
方法を採用できるが、例えば、下記〔2〕に示す徐放性
製剤に成型して投与するのが好ましい。本発明の固体分
散体は、固形製剤(例、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル
剤)などの経口投与用製剤に成型するか、坐剤などの直
腸投与用製剤に成型するのが好ましい。特に経口投与用
製剤が好ましい。併用薬は、薬物の種類に応じて上記し
た剤形とすることができる。
【0070】以下に、〔1〕本発明の固体分散体または
併用薬の注射剤およびその調製、〔2〕本発明の固体分
散体または併用薬の経口投与用徐放性製剤又は速放性製
剤およびその調製、〔3〕本発明の固体分散体または併
用薬の舌下錠、バッカル又は口腔内速崩壊剤およびその
調製、〔4〕本発明の併用薬の固体分散体およびその調
製について具体的に示す。 〔1〕注射剤およびその調製 本発明の固体分散体または併用薬を水に溶解してなる注
射剤が好ましい。該注射剤には安息香酸塩又は/および
サリチル酸塩を含有させてもよい。該注射剤は、本発明
の固体分散体または併用薬と所望により安息香酸塩又は
/およびサリチル酸塩の双方を水に溶解することにより
得られる。上記安息香酸、サリチル酸の塩としては、例
えばナトリウム,カリウムなどのアルカリ金属塩、カル
シウム,マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、アン
モニウム塩、メグルミン塩、その他トロメタモールなど
の有機酸塩などが挙げられる。注射剤中の本発明の固体
分散体中の有効成分または併用薬の濃度は0.5〜50
w/v%、好ましくは3〜20w/v%程度である。ま
た安息香酸塩又は/およびサリチル酸塩の濃度は0.5
〜50w/v%、好ましくは3〜20w/v%が好まし
い。
【0071】また、本剤には一般に注射剤に使用される
添加剤、例えば安定化剤(アスコルビン酸、ピロ亜硫酸
ナトリウム等)、界面活性剤(ポリソルベート80、マ
クロゴール等)、可溶剤(グリセリン、エタノール
等)、緩衝剤(リン酸及びそのアルカリ金属塩、クエン
酸及びそのアルカリ金属塩等)、等張化剤(塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム等)、分散剤(ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、デキストリン)、pH調節剤(塩
酸、水酸化ナトリウム等)、保存剤(パラオキシ安息香
酸エチル、安息香酸等)、溶解剤(濃グリセリン、メグ
ルミン等)、溶解補助剤(プロピレングリコール、白糖
等)、無痛化剤(ブドウ糖、ベンジルアルコール等)な
どを適宜配合することができる。これらの添加剤は一般
に注射剤に通常用いられる割合で配合される。注射剤は
pH調節剤の添加により2〜12好ましくは2.5〜8.
0に調整するのがよい。注射剤は本発明の固体分散体ま
たは併用薬と所望により安息香酸塩又は/およびサリチ
ル酸塩の双方を、また必要により上記添加剤を水に溶解
することにより得られる。これらの溶解はどのような順
序で行ってもよく、従来の注射剤の製法と同様に適宜行
うことができる。注射用水溶液は加温するのがよく、ま
た通常の注射剤と同様にたとえば濾過滅菌,高圧加熱滅
菌などを行うことにより注射剤として供することができ
る。注射用水溶液は、例えば100℃〜121℃の条件
で5分〜30分高圧加熱滅菌するのがよい。さらに多回
分割投与製剤として使用できるように、溶液の抗菌性を
付与した製剤としてもよい。
【0072】〔2〕徐放性製剤又は速放性製剤およびそ
の調製 徐放性製剤としては本発明の固体分散体または併用薬を
含んでなる核を所望により水不溶性物質や親水性ポリマ
ー、腸溶性ポリマーあるいは膨潤性ポリマーなどの単独
の被膜剤あるいはこれらを適宜組み合わせた被膜剤で被
覆してなる徐放性製剤が好ましい。例えば、1日1回あ
るいは2回、好ましくは1日1回投与型の経口投与用徐
放性製剤が好ましい。被膜剤に用いられる水不溶性物質
としては、例えばエチルセルロース、ブチルセルロース
などのセルロースエーテル類、セルロースアセテート、
セルロースプロピオネートなどのセルロースエステル
類、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチレートなど
のポリビニルエステル類、アクリル酸/メタクリル酸共
重合体、メチルメタクリレート共重合体、エトキシエチ
ルメタクリレート/シンナモエチルメタクリレート/ア
ミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸アルキルアミド共
重合体、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリメタクリレ
ート、ポリメタクリルアミド、アミノアルキルメタクリ
レート共重合体、ポリ(メタクリル酸アンヒドリド)、
グリシジルメタクリレート共重合体、とりわけオイドラ
ギットRS−100,RL−100,RS−30D,R
L−30D,RL−PO,RS−PO(アクリル酸エチ
ル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメ
チル・アンモニウムエチル共重合体)、オイドラギット
NE−30D(メタアクリル酸メチル・アクリル酸エチ
ル共重合体)などのオイドラギット類(ローム・ファー
マ社)などのアクリル酸系ポリマー、硬化ヒマシ油
(例、ラブリーワックス(フロイント産業)など)など
の硬化油、カルナバワックス、脂肪酸グリセリンエステ
ル、パラフィンなどのワックス類、ポリグリセリン脂肪
酸エステル等が挙げられる。膨潤性ポリマーとしては、
酸性の解離基を有し、 pH依存性の膨潤を示すポリマー
が好ましく、胃内のような酸性領域では膨潤が少なく、
小腸や大腸などの中性領域で膨潤が大きくなる酸性の解
離基を有するポリマーが好ましい。このような酸性の解
離基を有し pH依存性の膨潤を示すポリマーとしては、
例えばカーボマー(Carbomer)934P、940、94
1、974P、980、1342等、ポリカーボフィル
(polycarbophil)、カルシウムポリカボーフィル(car
cium polycarbophil)(前記はいずれもBFグツドリッ
チ社製)、ハイビスワコー103、104、105、3
04(いずれも和光純薬(株)製)などの架橋型ポリア
クリル酸重合体が挙げられる。徐放性製剤に用いられる
被膜剤は親水性ポリマーなどの親水性物質を含んでいて
もよく、該親水性物質としては、例えばプルラン、デキ
ストリン、アルギン酸アルカリ金属塩などの硫酸基を有
していてもよい多糖類、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースナトリウムなどのヒドロキシアルキル
基又はカルボキシアルキル基を有する多糖類、メチルセ
ルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。腸溶性
ポリマーとしてはヒドロキシプロピルメチルセルロース
フタレート等のヒドロキシアルキルセルロースフタレー
ト;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサ
クシネート等のヒドロキシアルキルセルロースアセテー
トサクシネート;カルボキシメチルエチルセルロース等
のカルボキシアルキルセルロース;酢酸フタル酸セルロ
ース;メタアクリル酸コポリマーL−100−55等の
アクリル酸エチルおよびメタアクリル酸の共重合体;メ
タアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポリマー
S等のメタアクリル酸メチルおよびメタアクリル酸の共
重合体などが用いられる。徐放性製剤の被膜剤における
水不溶性物質の含有率は約30ないし約90%(w/
w)、好ましくは約35ないし約80%(w/w)、さらに
好ましくは約40ないし75%(w/w)、腸溶性ポリマ
ーあるいは膨潤性ポリマーの含有率は約3ないし約30
%(w/w)、好ましくは約3ないし約15%(w/w)であ
る。被膜剤は親水性物質をさらに含んでいてもよく、そ
の場合被膜剤における親水性物質の含有率は約50%(w
/w)以下、好ましくは約5〜約40%(w/w)、さらに好
ましくは約5〜約35%(w/w)である。ここで上記%
(w/w)は被膜剤液から溶媒(例、水、メタノール、エ
タノール等の低級アルコール等)を除いた被膜剤組成物
に対する重量%を示す。徐放性製剤の被覆剤としては上
記水不溶性物質、腸溶性ポリマーあるいは膨潤性ポリマ
ー、親水性物質の組み合わせの他に、たとえばパラフィ
ン、硬化油、トリグリセライド、モノグリセライド、ス
テアリン酸、ステアリルアルコール、カルナバロウ、ポ
リグリセリン脂肪酸エステルなどのワックス類を単独あ
るいは組み合わせて被覆剤としてもよい。被覆量は核に
対して1−90%、好ましくは5−50%である。
【0073】徐放性製剤は、以下に例示するように本発
明の固体分散体または併用薬を含む核を調製し、次いで
得られた核を、水不溶性物質や膨潤性ポリマーなどを加
熱溶解あるいは溶媒に溶解又は分散させた被膜剤液で被
覆することにより製造される。 I.薬剤を含む核の調製。 被膜剤で被覆される本発明の固体分散体または併用薬を
含む核(以下、単に核と称することがある)の形態は特
に制限されないが、好ましくは顆粒あるいは細粒などの
粒子状に形成される。核が顆粒の場合、その平均粒子径
は、好ましくは約150ないし2,000μm、さらに
好ましくは約500ないし約1,400μmである。核
が細粒の場合、その平均粒子径は、好ましくは約75な
いし500μm、さらに好ましくは約120ないし約3
50μmである。核の調製は通常の製造方法で実施する
ことができる。例えば、本発明の固体分散体または併用
薬に適当な賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定化剤
等を混合し、湿式押し出し造粒法、流動層造粒法などに
より調製する。核の固体分散体または併用薬含量は、約
0.5ないし約95%(w/w)、好ましくは約5.0ない
し約80%(w/w)、さらに好ましくは約30ないし約
70%(w/w)である。核に含まれる賦形剤としては、
例えば白糖、乳糖、マンニトール、グルコースなどの糖
類、澱粉、結晶セルロース、リン酸カルシウム、コーン
スターチなどが用いられる。中でも、結晶セルロース、
コーンスターチが好ましい。結合剤としては、例えばポ
リビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、
ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、プル
ロニックF68、アラビアゴム、ゼラチン、澱粉などが
用いられる。崩壊剤としては、例えばカルボキシメチル
セルロースカルシウム(ECG505)、クロスカルメロースナ
トリウム(Ac-Di-Sol)、架橋型ポリビニルピロリドン
(クロスポビドン)、低置換度ヒドロキシプロピルセル
ロース(L-HPC)などが用いられる。中でも、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、低置換
度ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。滑沢剤、
凝集防止剤としては例えばタルク、ステアリン酸マグネ
シウムおよびその無機塩、また潤滑剤としてポリエチレ
ングリコールなどが用いられる。安定化剤としては酒石
酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸などの
酸が用いられる。
【0074】核は上記製造法以外にも、例えば核の中心
となる不活性担体粒子上に水、低級アルコール(例、メ
タノール、エタノールなど)等の適当な溶媒に溶解した
結合剤をスプレーしながら、本発明の固体分散体または
併用薬あるいはこれと賦形剤、滑沢剤などとの混合物を
少量づつ添加して行なう転動造粒法、パンコーティング
法、流動層コーティング法や溶融造粒法によっても調製
することができる。不活性担体粒子としては、例えば白
糖、乳糖、澱粉、結晶セルロース、ワックス類で製造さ
れたものが使用でき、その平均粒子径は約100μmな
いし約1,500μmであるものが好ましい。核に含ま
れる固体分散体または併用薬と被膜剤とを分離するため
に、防護剤で核の表面を被覆してもよい。防護剤として
は、例えば前記親水性物質や、水不溶性物質等が用いら
れる。防護剤は、好ましくはポリエチレングリコールや
ヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル基を有す
る多糖類、より好ましくはヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが用いられ
る。該防護剤には安定化剤として酒石酸、クエン酸、コ
ハク酸、フマル酸、マレイン酸等の酸や、タルクなどの
滑沢剤を含んでいてもよい。防護剤を用いる場合、その
被覆量は核に対して約1ないし約15%(w/w)、好ま
しくは約1ないし約10%(w/w)、さらに好ましくは
約2ないし約8%(w/w)である。防護剤は通常のコー
ティング法により被覆することができ、具体的には、防
護剤を例えば流動層コーティング法、パンコーティング
法等により核にスプレーコーティングすることで被覆す
ることができる。
【0075】II.核の被膜剤による被覆 前記Iで得られた核を、前記水不溶性物質及び pH依存
性の膨潤性ポリマー、および親水性物質を加熱溶解ある
いは溶媒に溶解又は分散させた被膜剤液により被覆する
ことにより徐放性製剤が製造される。核の被膜剤液によ
る被覆方法として、例えば噴霧コーティングする方法な
どが挙げられる。被膜剤液中の水不溶性物質、膨潤性ポ
リマー又は親水性物質の組成比は、被膜中の各成分の含
有率がそれぞれ前記含有率となるように適宜選ばれる。
被膜剤の被覆量は、核(防護剤の被覆量を含まない)に
対して約1ないし約90%(w/w)、好ましくは約5な
いし約50%(w/w)、さらに好ましくは約5ないし3
5%(w/w)である。被膜剤液の溶媒としては水又は有
機溶媒を単独であるいは両者の混液を用いることができ
る。混液を用いる際の水と有機溶媒との混合比(水/有
機溶媒:重量比)は、1ないし100%の範囲で変化さ
せることができ、好ましくは1ないし約30%である。
該有機溶媒としては、水不溶性物質を溶解するものであ
れば特に限定されないが、例えばメチルアルコール、エ
チルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルア
ルコール等の低級アルコール、アセトンなどの低級アル
カノン、アセトニトリル、クロロホルム、メチレンクロ
ライドなどが用いられる。このうち低級アルコールが好
ましく、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが
特に好ましい。水及び水と有機溶媒との混液が被膜剤の
溶媒として好ましく用いられる。この時、必要であれば
被膜剤液中に被膜剤液安定化のために酒石酸、クエン
酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸などの酸を加えて
もよい。噴霧コーティングにより被覆する場合の操作は
通常のコーティング法により実施することができ、具体
的には、被膜剤液を例えば流動層コーティング法、パン
コーティング法等により核にスプレーコーティングする
ことで実施することができる。この時必要であれば、タ
ルク、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ステア
リン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸などを滑沢剤とし
て、グリセリン脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油、クエン
酸トリエチル、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ルなどを可塑剤として添加してもよい。被膜剤による被
膜後、必要に応じてタルクなどの帯電防止剤を混合して
もよい。徐放性製剤は、疎水性物質を基剤とするマトリ
ックス型の徐放剤とすることができる。例えば本発明の
固体分散体あるいは併用薬が疎水性物質中に分散した錠
剤、顆粒、細粒あるいは粉末などが考えられる。疎水性
物質としてはパラフィン、硬化ヒマシ油、硬化ナタネ
油、硬化綿実油などの硬化油、トリグリセライド、モノ
グリセライド、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ステア
リルアルコールなどの高級脂肪族アルコール、カルナバ
ロウ、テトラグリセリンペンタステアレート、テトラグ
リセリンヘキサベヘネートのポリグリセリン脂肪酸エス
テル等を単独あるいは組み合わせて単体とし本発明の固
体分散体あるいは併用薬を分散させて徐放性製剤とす
る。調製方法としては溶融造粒、スプレードライ、スプ
レーチリング法などにより調製することができる。徐放
性製剤中の本発明の固体分散体あるいは併用薬の含量は
1−90%、好ましくは20−60%である。このよう
にして得られた徐放性製剤はさらに保護コーティングを
施してもよい。さらに必要であれば徐放性のコーティン
グ剤をコーティングすることもできる。このようにして
得られた徐放性製剤をカプセルなどに充填してもよい。
徐放性製剤としては、本発明の固体分散体あるいは併用
薬を腐食性ポリマー中に分散させて例えばマトリックス
タイプの徐放性錠剤を調製することもできる。腐食性ポ
リマーとしてはメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースなどのセルロース、ポリエチ
レンオキサイド類、アクリル酸ポリマー類などを単独あ
るいは組み合わせてマトリックス担体とし固体分散体あ
るいは併用薬と混合し例えば直打によりマトリックス錠
を得ることができる。徐放性製剤中の本発明の固体分散
体あるいは併用薬の含量は1−90%、好ましくは20
−60%である。このようにして得られたマトリックス
錠をさらにコーティングしてもよい。
【0076】速放性製剤は、液状(溶液、懸濁液、乳化
物など)であっても固形状(粒子状、丸剤、錠剤など)
であってもよい。速放性製剤は、通常、活性成分である
薬物に加えて、製剤分野で慣用される担体、添加剤や賦
形剤(以下、賦形剤と略称することがある)を含んでい
てもよい。用いられる製剤賦形剤は、製剤賦形剤として
常用される賦形剤であれば特に限定されない。例えば経
口固形製剤用の賦形剤としては、乳糖、デンプン、コー
ンスターチ、結晶セルロース(旭化成(株)製、アビセ
ルPH101など)、粉糖、グラニュウ糖、マンニトー
ル、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、L−システインなどが挙げられ、好ましくはコーン
スターチおよびマンニトールなどが挙げられる。これら
の賦形剤は一種又は二種以上を組み合わせて使用でき
る。賦形剤の含有量は速放性製剤全量に対して、例えば
約4.5〜約99.4w/w%、好ましくは約20〜約
98.5w/w%、さらに好ましくは約30〜約97w/
w%である。速放性製剤における薬物の含量は、速放性
製剤全量に対して、約0.5〜約95%、好ましくは約
1〜約60%の範囲から適宜選択することができる。速
放性製剤が経口固型製剤の場合、通常上記成分に加え
て、崩壊剤を含有する。このような崩壊剤としては、例
えばカルボキシメチルセルロースカルシウム(五徳薬品
製、ECG−505)、クロスカルメロースナトリウム
(例えば、旭化成(株)製、アクジゾル)、クロスポビ
ドン(例えば、BASF社製、コリドンCL)、低置換
度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学(株))、
カルボキシメチルスターチ(松谷化学(株)、カルボキ
シメチルスターチナトリウム(木村産業製、エキスプロ
タブ)、部分α化デンプン(旭化成(株)製、PCS)
などが用いられ、例えば水と接触して吸水、膨潤、ある
いは核を構成している有効成分と賦形剤との間にチャネ
ルを作るなどにより顆粒を崩壊させるものを用いること
ができる。これらの崩壊剤は、一種又は二種以上を組み
合わせて使用できる。崩壊剤の配合量は、用いる薬物の
種類や配合量、放出性の製剤設計などにより適宜選択さ
れるが、速放性製剤全量に対して、例えば約0.05〜
約30w/w%、好ましくは約0.5〜約15w/w%で
ある。
【0077】速放性製剤が経口固型製剤である場合、経
口固型製剤の場合には上記の組成に加えて、所望により
固型製剤において慣用の添加剤をさらに含んでいてもよ
い。このような添加剤としては、例えば結合剤(例え
ば、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリンな
ど)、滑沢剤(例えば、ポリエチレングリコール、ステ
アリン酸マグネシウム、タルク、軽質無水ケイ酸(例え
ば、アエロジル(日本アエロジル))、界面活性剤(例
えば、アルキル硫酸ナトリウムなどのアニオン系界面活
性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンヒマシ油誘導体等の非イオン系界面活性剤な
ど)、着色剤(例えば、タール系色素、カラメル、ベン
ガラ、酸化チタン、リボフラビン類)、必要ならば、橋
味剤(例えば、甘味剤、香料など)、吸着剤、防腐剤、
湿潤剤、帯電防止剤などが用いられる。また、安定化剤
として酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸などの有
機酸を加えてもよい。上記結合剤としては、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ポリエチレングリコールおよびポ
リビニルピロリドンなどが好ましく用いられる。速放性
製剤は、通常の製剤の製造技術に基づき、前記各成分を
混合し、必要により、さらに練合し、成型することによ
り調製することができる。上記混合は、一般に用いられ
る方法、例えば、混合、練合などにより行われる。具体
的には、例えば速放性製剤を粒子状に形成する場合、前
記徐放性製剤の核の調製法と同様の手法により、バーチ
カルグラニュレーター、万能練合機(畑鉄工所製)、流
動層造粒機FD−5S(パウレック社製)等を用いて混
合しその後、湿式押し出し造粒法、流動層造粒法などに
より造粒することにより調製することができる。混合は
ローラーコンパクター、打錠機等で圧縮した後、粉砕す
ることによっても造粒することができ、必要なら賦形剤
を加えた後直接打錠することにより成型とすることがで
きる。このようにして得られた速放性製剤と徐放性製剤
とは、そのままあるいは適宜、製剤賦形剤等と共に常法
により別々に製剤化後、同時あるいは任意の投与間隔を
挟んで組み合わせて投与する製剤としてもよく、また両
者をそのままあるいは適宜、製剤賦形剤等と共に一つの
経口投与製剤(例、顆粒剤、細粒剤、錠剤、カプセル
等)に製剤化してもよい。両製剤を顆粒あるいは細粒に
製して、同一のカプセル等に充填して経口投与用製剤と
してもよい。
【0078】〔3〕舌下錠、バッカル又は口腔内速崩壊
剤およびその調製 舌下錠、バッカル製剤、口腔内速崩壊剤は錠剤などの固
形製剤であってもよいし、口腔粘膜貼付錠(フィルム)
であってもよい。舌下錠、バッカル又は口腔内速崩壊剤
としては、本発明の固体分散体または併用薬と賦形剤と
を含有する製剤が好ましい。また、滑沢剤、等張化剤、
親水性担体、水分散性ポリマー、安定化剤などの補助剤
を含有していてもよい。また、吸収を容易にし、生体内
利用率を高めるためにβ−シクロデキストリン又はβ−
シクロデキストリン誘導体(例、ヒドロキシプロピル−
β−シクロデキストリンなど)などを含有していてもよ
い。上記賦形剤としては、乳糖、白糖、D−マンニトー
ル、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが
挙げられる。滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ
などが挙げられ、特に、ステアリン酸マグネシウムやコ
ロイドシリカが好ましい。等張化剤としては塩化ナトリ
ウム、グルコース、フルクトース、マンニトール、ソル
ビトール、ラクトース、サッカロース、グリセリン、尿
素などが挙げられ、特にマンニトールが好ましい。親水
性担体としては結晶セルロース、エチルセルロース、架
橋性ポリビニルピロリドン、軽質無水珪酸、珪酸、リン
酸二カルシウム、炭酸カルシウムなどの膨潤性親水性担
体が挙げられ、特に結晶セルロース(例、微結晶セルロ
ースなど)が好ましい。水分散性ポリマーとしてはガム
(例、トラガカントガム、アカシアガム、グアーガ
ム)、アルギン酸塩(例、アルギン酸ナトリウム)、セ
ルロース誘導体(例、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース)、ゼラチン、水溶性デンプン、ポリアクリル
酸(例、カーボマー)、ポリメタクリル酸、ポリビニル
アルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリカーボフィル、アスコルビン酸パルミチン
酸塩などが挙げられ、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、ポリアクリル酸、アルギン酸塩、ゼラチン、カル
ボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ
エチレングリコールなどが好ましい。特にヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースが好ましい。安定化剤として
は、システイン、チオソルビトール、酒石酸、クエン
酸、炭酸ナトリウム、アスコルビン酸、グリシン、亜硫
酸ナトリウムなどが挙げられ、特に、クエン酸やアスコ
ルビン酸が好ましい。
【0079】舌下錠、バッカル又は口腔内速崩壊剤は、
本発明の固体分散体または併用薬と賦形剤とを自体公知
の方法により混合することにより製造することができ
る。さらに、所望により上記した滑沢剤、等張化剤、親
水性担体、水分散性ポリマー、安定化剤、着色剤、甘味
剤、防腐剤などの補助剤を混合してもよい。上記成分を
同時に若しくは時間差をおいて混合した後、加圧打錠成
形することにより舌下錠、バッカル錠又は口腔内速崩壊
錠が得られる。適度な硬度を得るため、打錠成形の過程
の前後において必要に応じ水やアルコールなどの溶媒を
用いて加湿・湿潤させ、成形後、乾燥させて製造しても
よい。粘膜貼付錠(フィルム)に成型する場合は、本発
明の固体分散体または併用薬および上記した水分散性ポ
リマー(好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、賦形剤などを
水などの溶媒に溶解させ、得られる溶液を流延させて(c
ast)フィルムとする。さらに、可塑剤、安定剤、酸化防
止剤、保存剤、着色剤、緩衝剤、甘味剤などの添加物を
加えてもよい。フィルムに適度の弾性を与えるためポリ
エチレングリコールやプロピレングリコールなどのグリ
コール類を含有させたり、口腔の粘膜ライニングへのフ
ィルムの接着を高めるため生物接着性ポリマー(例、ポ
リカルボフィル、カルボポール)を含有させてもよい。
流延は、非接着性表面に溶液を注ぎ、ドクターブレード
などの塗布用具で均一な厚さ(好ましくは10〜100
0ミクロン程度)にそれを広げ、次いで溶液を乾燥して
フィルムを形成することにより達成される。このように
形成されたフィルムは室温若しくは加温下乾燥させ、所
望の表面積に切断すればよい。
【0080】好ましい口腔内速崩壊剤としては、本発明
の固体分散体または併用薬と、本発明の固体分散体また
は併用薬とは不活性である水溶性若しくは水拡散性キャ
リヤーとの網状体からなる固体状の急速拡散投与剤が挙
げられる。該網状体は、本発明の固体分散体または併用
薬を適当な溶媒に溶解した溶液とから構成されている固
体状の該組成物から溶媒を昇華することによって得られ
る。該口腔内速崩壊剤の組成物中には、本発明の固体分
散体または併用薬に加えて、マトリックス形成剤と二次
成分とを含んでいるのが好ましい。該マトリックス形成
剤としてはゼラチン類、デキストリン類ならびに大豆、
小麦ならびにオオバコ(psyllium)種子タンパクなどの動
物性タンパク類若しくは植物性タンパク類;アラビアゴ
ム、ガーガム、寒天ならびにキサンタンなどのゴム質物
質;多糖類;アルギン酸類;カルボキシメチルセルロー
ス類;カラゲナン類;デキストラン類;ペクチン類;ポ
リビニルピロリドンなどの合成ポリマー類;ゼラチン−
アラビアゴムコンプレックスなどから誘導される物質が
含まれる。さらに、マンニトール、デキストロース、ラ
クトース、ガラクトースならびにトレハロースなどの糖
類;シクロデキストリンなどの環状糖類;リン酸ナトリ
ウム、塩化ナトリウムならびにケイ酸アルミニウムなど
の無機塩類;グリシン、L−アラニン、L−アスパラギ
ン酸、L−グルタミン酸、L−ヒドロシキプロリン、L
−イソロイシン、L−ロイシンならびにL−フェニルア
ラニンなどの炭素原子数が2から12までのアミノ酸な
どが含まれる。マトリックス形成剤は、その1種若しく
はそれ以上を、固形化の前に、溶液又は懸濁液中に導入
することができる。かかるマトリックス形成剤は、界面
活性剤に加えて存在していてもよく、また界面活性剤が
排除されて存在していてもよい。マトリックス形成剤は
そのマトリックスを形成することに加えて、本発明の固
体分散体または併用薬の拡散状態をその溶液又は懸濁液
中に維持する助けをすることができる。
【0081】保存剤、酸化防止剤、界面活性剤、増粘
剤、着色剤、pH調整剤、香味料、甘味料若しくは食味
マスキング剤などの二次成分を組成物中に含有していて
よい。適当な着色剤としては、赤色、黒色ならびに黄色
酸化鉄類およびエリス・アンド・エベラールド社のFD&
Cブルー2号ならびにFD&Cレッド40号などのFD
&C染料が挙げられる。適当な香味料には、ミント、ラ
スベリー、甘草、オレンジ、レモン、グレープフルー
ツ、カラメル、バニラ、テェリーならびにグレープフレ
ーバーおよびその組合せたものが含まれる。適当なpH
調整剤は、クエン酸、酒石酸、リン酸、塩酸およびマレ
イン酸が含まれる。適当な甘味料としてはアスパルテー
ム、アセスルフェームKならびにタウマチンなどが含ま
れる。適当な食味マスキング剤としては、重炭酸ナトリ
ウム、イオン交換樹脂、シクロデキストリン包接化合
物、吸着質物質ならびにマイクロカプセル化アポモルフ
ィンが含まれる。製剤には通常約0.1〜約50重量
%、好ましくは約0.1〜約30重量%の本発明の固体
分散体中の有効成分または併用薬を含み、約1分〜約6
0分の間、好ましくは約1分〜約15分の間、より好ま
しくは約2分〜約5分の間に(水に)本発明の固体分散
体または併用薬の90%以上を溶解させることが可能な
製剤(上記、舌下錠、バッカルなど)や、口腔内に入れ
られて1ないし60秒以内に、好ましくは1ないし30
秒以内に、さらに好ましくは1ないし10秒以内に崩壊
する口腔内速崩壊剤が好ましい。上記賦形剤の製剤全体
に対する含有量は、約10〜約99重量%、好ましくは
約30〜約90重量%である。β−シクロデキストリン
又はβ−シクロデキストリン誘導体の製剤全体に対する
含有量は0〜約30重量%である。滑沢剤の製剤全体に
対する含有量は、約0.01〜約10重量%、好ましく
は約1〜約5重量%である。等張化剤の製剤全体に対す
る含有量は、約0.1〜約90重量%、好ましくは、約
10〜約70重量%である。親水性担体の製剤全体に対
する含有量は約0.1〜約50重量%、好ましくは約1
0〜約30重量%である。水分散性ポリマーの製剤全体
に対する含有量は、約0.1〜約30重量%、好ましく
は約10〜約25重量%である。安定化剤の製剤全体に
対する含有量は約0.1〜約10重量%、好ましくは約
1〜約5重量%である。上記製剤はさらに、着色剤、甘
味剤、防腐剤などの添加剤を必要に応じ含有していても
よい。 〔4〕本発明の併用薬の固体分散体およびその調製 本発明の併用薬が水難溶性ないし不溶性である場合は、
固体分散体(例、水難溶性ないし不溶性の薬物および親
水性重合体を含有する固体分散体など)として製剤化し
てもよい。ここで、「固体分散体」とは、例えば、溶融
法、溶媒法または溶融−溶媒法等により調整され得る、
固体状態で不活性な担体(例、親水性重合体など)また
はそのマトリックス中に1種または2種以上の活性成分
(好ましくは、非晶形の活性成分)が分散したもの(J.
Pharm. Sci., Vol. 60, 1281-1302, 1971)をいう。ま
た、固体分散体の平均粒径は、特に限定されないが、通
常、下限は約0.05μm以上、好ましくは約0.1μ
m以上、より好ましくは約1μm以上、さらに好ましく
は3μmよりも大きいサイズであり、上限は約30mm
以下、好ましくは約100μm以下、より好ましくは約
50μm以下、さらに好ましくは約10μm以下であ
る。
【0082】該固体分散体に使用される親水性重合体と
しては、例えば、水溶性重合体、腸溶性重合体、胃溶性
重合体などが用いられ、なかでも腸溶性重合体が好まし
く用いられる。水溶性重合体としては、例えば、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;メチル
セルロース、エチルセルロース等のアルキルセルロース
などのセルロース誘導体;ポリビニルドン等のポリア
ルケニルピロリドン;ポリエチレングリコール等のポ
リアルキレングリコールなどが用いられる。腸溶性重合
体としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースフタレート等のヒドロキシアルキルセルロースフタ
レート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテー
トサクシネート等のヒドロキシアルキルセルロースアセ
テートサクシネート;カルボキシメチルエチルセルロー
ス等のカルボキシアルキルセルロース;酢酸フタル酸セ
ルロース;メタアクリル酸コポリマーL−100−55
等のアクリル酸エチルおよびメタアクリル酸の共重合
体;メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポ
リマーS等のメタアクリル酸メチルおよびメタアクリル
酸の共重合体などが用いられる。胃溶性重合体として
は、例えば、アミノアルキルメタアクリレートコポリマ
ーE;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート
などが用いられる。その他、メタアクリル酸コポリマー
RL、メタアクリル酸コポリマーRS等のアクリル酸エ
チルおよびメタアクリル酸メチルの少量の4級アンモニ
ウムグループを含む共重合体、カルボキシメチルセルロ
ース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコー
ル、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸
プロピレングリコールエステル、カンテン、ゼラチン、
キトサンといった水難溶性ないし不溶性薬物を分散させ
うる親水性重合体が用いられる。これらの親水性重合体
は、2種類以上混合して使用しても良い。
【0083】上記した中でも、親水性重合体としては、
ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルセルロース、
ポリアルケニルピロリドン、ポリアルキレングリコー
ル、メタアクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセル
ロースなどが好ましく、特にヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレ−ト、ポリビニルピロリドン、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルエチ
ルセルロース、メタアクリル酸コポリマーLなどが好適
である。
【0084】上記固体分散体は、一般的に医薬品製剤の
分野で使用される添加剤を含んでいてもよい。添加剤と
しては、製剤素材として慣用されている各種有機、無機
担体物質などの薬学的に許容される担体が用いられ、賦
形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤などとして
配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着
色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤の好適な例としては、例えば、乳糖、白糖、D−
マンニトール、デンプン、結晶セルロース、シュクロ−
ス、有孔デンプン、マンニトール、ケイ酸カルシウム
(商品名:フローライトRE)、メタケイ酸アルミン酸
マグネシウム(商品名:ノイシリン)、軽質無水ケイ酸
(商品名:サイリシア)、白糖・デンプン球状顆粒(品
名:ノンパレル)、結晶セルロース・カルボキシメチル
セルロース(商品名:アビセルRC)、ヒドロキシプロ
ピルスターチなどが用いられる。滑沢剤の好適な例とし
ては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられ
る。結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロー
ス、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩壊
剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチル
スターチナトリウム、メチルセルロース(商品名:メト
ローズSM)、クロスカルメロ−スナトリウム、カルメ
ロースカルシウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロ−
ス、でんぷんグリコ−ル酸ナトリウム、部分アルファー
化デンプンなどが用いられる。滑沢剤としては、例え
ば、タルク、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウ
ム、トウモロコシデンプン、酸化マグネシウムなどが用
いられる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレングリコール(商品名:プル
ロニック)、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソル
ベート80、セタノールなどが用いられる。防腐剤の好
適な例としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル
類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチ
ルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが用いら
れる。抗酸化剤の好適な例としては、例えば、亜硫酸
塩、アスコルビン酸などが用いられる。これらの添加剤
は、単独で、または2種以上を混合して使用してもよ
い。
【0085】上記固体分散体は、自体公知の方法を用い
て製造できるが、具体的には、例えばスプレードライ
法、ロータリーエバポレーション法などの溶媒法;例え
ば二軸エクストルーダー法などの溶融法;混合粉砕法;
超音波成形機などを用いる超音波法などにより製造する
ことができる。より具体的には、上記固体分散体は、下
記の溶媒法により製造することができる。 (1)活性成分を適当な有機溶媒に溶解し、(2)この
溶液に親水性重合体を加え、縣濁液を調製し、(3)必
要に応じて、この懸濁液または溶液に賦形剤、崩壊剤、
滑沢剤および界面活性剤のような添加剤を懸濁し、次い
で、(4)この均質な懸濁液から常法、例えばスプレー
ドライ法、ロータリーエバポレーション法などにより、
減圧下または常圧下で有機溶媒を溜去する。また、より
一層均質な固体分散体を所望する場合には、均質な懸濁
液を上記工程(2)で調製し、次いで逐次下記工程に付
す。(5)上記工程(2)で調製した懸濁液を適当な有
機溶媒に溶解し、(6)必要に応じて賦形剤、崩壊剤、
滑沢剤および界面活性剤のような添加剤を懸濁し、次い
で、(7)有機溶媒を常法、例えばスプレードライ法、
ロータリーエバポレーション法などにより、により減圧
下または常圧下で溜去する。
【0086】上記工程(1)で使用する有機溶媒として
は、水難溶性ないし不溶性の活性成分および親水性重合
体を溶解しうるものであれば特に限定されず、例えば、
メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、イソプロピル
アルコ−ル、ブタノール、モノメトキシエタノール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル等のアルコ−ル;
ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレング
リコール等のエーテル類;n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、n−ヘプタンのような脂肪族炭化水素類:ベンゼ
ン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類:ア
セトニトリル等のニトリル類;酢酸、プロピオン酸等の
有機酸類;酢酸エチル等のエステル類、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、クロロホルム等の脂肪族ハロゲン
化炭化水素類;アセトン、メチルケトン等のケトン類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミ
ド類;もしくはこれらの適当な比率の混合液などが用い
られる。それらの中でも、ケトン類、アルコール類など
の低沸点の溶剤が好ましく、なかでもアセトン、エタノ
ールなどが好ましい。
【0087】処理温度、処理時間などの操作条件は、使
用される原料化合物、有機溶媒などによって異なるが、
処理温度は通常200℃以下である。溶融法では、水難
溶性ないし不溶性の活性成分を融点以上に加温して溶融
した後、親水性重合体、必要に応じて賦形剤、崩壊剤、
滑沢剤および界面活性剤のような添加剤をこれに溶解
し、急冷することによって製造することができる。例え
ば、二軸エクストルーダー法では、水難溶性ないし不溶
性の活性成分と親水性重合体、必要に応じて賦形剤、崩
壊剤、滑沢剤および界面活性剤のような添加剤を物理混
合したものを、高圧下で加温することにより水難溶性な
いし不溶性の活性成分を融点以下の温度で溶融させた
後、急冷することによって製造することができる。混合
粉砕法では、水難溶性ないし不溶性の活性成分と親水性
重合体、必要に応じて賦形剤、崩壊剤、滑沢剤および界
面活性剤のような添加剤を物理混合したものを混合粉砕
することによって製造することができる。超音波法で
は、水難溶性ないし不溶性の活性成分と親水性重合体、
必要に応じて賦形剤、崩壊剤、滑沢剤および界面活性剤
のような添加剤を物理混合したものを臼に充填し予成形
した後、超音波、例えば超音波成形機を用いて、超音波
を照射することにより製造することができる。
【0088】親水性重合体の量は特に限定されず、水難
溶性ないし不溶性の活性成分を分散しうる量であればい
かなる量でもよい。例えば、親水性重合体と水難溶性な
いし不溶性の活性成分との好適な重量比は、0.01:
1から100:1の範囲であればよく、好ましくは0.
02:1から50:1、より好ましくは0.1:2から
20:1であり、さらに好ましくは0.3:1ないし1
0:1、より好ましくは1:1ないし10:1であり、
特に3〜5(特に4):1が好適である。添加剤の量は
特に限定されないが、添加剤を使用する場合、賦形剤、
崩壊剤、滑沢剤、界面活性剤などの添加剤と水難溶性な
いし不溶性の活性成分との好適な重量比は通常0.1:
1から20:1の範囲であればよく、好ましくは0.
3:1ないし10:1、さらに好ましくは1:1ないし
3:1である。上記工程(5)で使用する有機溶媒は特
に限定されず、例えばクロロホルム、ジクロロメタンな
どのような上記工程(2)の懸濁液を溶解しうる溶媒で
あればいかなる溶媒でもよい。
【0089】上記固体分散体は、それ自体経口投与用医
薬製剤として使用することができ、また常法により細粒
剤、微細顆粒、顆粒、錠剤、カプセル剤、注射剤などの
医薬製剤とすることもできる。上記固体分散体を含有す
る医薬製剤は、所望によっては、上記した添加剤、具体
的には、着色剤、甘味剤、芳香剤、例えばシュクロ−
ス、乳糖、デンプン、結晶性セルロース、合成ケイ酸ア
ンモニウム、ステアリン酸マグネシウム、タルクなその
希釈剤や滑沢剤を経口投与用医薬製剤に混合してもよ
い。また、製剤表面をコーティングすることにより徐放
性製剤とすることもできる。通常、水難溶性ないし不溶
性の活性成分は、経口投与した場合、投与量のうち実際
に血中へ吸収される割合が小さいために、バイオアベイ
ラビリティが低いという欠点を有している。しかし、上
記固体分散体を上記の種々の投与形態に任意に変化させ
て製造した種々の製剤は、水難溶性ないし不溶性の活性
成分それ自体の結晶と比して、溶解度、経口吸収性また
は(および)血液中への吸収性が著しく改良される。こ
のように、上記固体分散体は、水難溶性ないし不溶性の
活性成分の可溶化が達成され、これにより水難溶性ない
し不溶性の活性成分のバイオアベイラビリティが飛躍的
に改良されている。
【0090】上記固体分散体における水難溶性ないし不
溶性の活性成分の含有量は、剤型、投与方法、担体など
により異なるが、製剤全量に対して、通常0.1〜99
%(w/w)である。上記固体分散体における親水性重
合体の含有量は、剤型、投与方法、担体などにより異な
るが、製剤全量に対して、通常1〜99.9%(w/
w)である。上記固体分散体における添加物の含有量
は、剤型、投与方法などにより異なるが、製剤全量に対
して、通常0〜99%(w/w)である。本発明の医薬
製剤における上記固体分散体の含有量は、剤型、投与方
法、担体などにより異なるが、製剤全量に対して、通常
0.1〜100%(w/w)である。本発明の医薬製剤
における添加物の含有量は、剤型、投与方法などにより
異なるが、製剤全量に対して、通常0〜99.9%(w
/w)である。
【0091】本発明の併用剤の投与量は、活性成分の種
類、年齢、体重、症状、剤形、投与方法、投与期間など
により異なるが、例えば、高脂血症の患者(成人、体重
約60kg)一人あたり、通常、本発明の固体分散体中
の有効成分として、それぞれ1日約0.01〜約100
0mg/kg、好ましくは約0.01〜約100mg/kg、よ
り好ましくは約0.1〜約100mg/kg、とりわけ
約0.1〜約50mg/kgを、なかでも約1.5〜約
30mg/kgを1日1回から数回に分けて静脈投与され
る。もちろん、前記したように投与量は種々の条件で変
動するので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあ
り、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
併用薬は、副作用が問題とならない範囲でどのような量
を設定することも可能である。併用薬としての一日投与
量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、感受
性差、投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種
類、有効成分の種類などによって異なり、特に限定され
ないが、薬物の量として通常、たとえば経口投与で哺乳
動物1kg体重あたり約0.001〜2000mg、好
ましくは約0.01〜500mg、さらに好ましくは、
約0.1〜100mg程度であり、これを通常1日1〜
4回に分けて投与する。
【0092】本発明の併用剤を投与するに際しては、同
時期に投与してもよいが、併用薬を先に投与した後、本
発明の固体分散体を投与してもよいし、本発明の固体分
散体を先に投与し、その後で併用薬を投与してもよい。
時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成
分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、併用薬を
先に投与する場合、併用薬を投与した後1分〜3日以
内、好ましくは10分〜1日以内、より好ましくは15
分〜1時間以内に本発明の固体分散体を投与する方法が
挙げられる。本発明の固体分散体を先に投与する場合、
本発明の固体分散体を投与した後、1分〜1日以内、好
ましくは10分〜6時間以内、より好ましくは15分か
ら1時間以内に併用薬を投与する方法が挙げられる。好
ましい投与方法としては、例えば、経口投与製剤に製形
された併用薬約0.001〜200mg/kgを経口投
与し、約15分後に経口投与製剤に製形された本発明の
固体分散体中の有効成分 約0.005〜100mg/k
gを1日量として経口投与する。
【0093】
【発明の実施の形態】以下に実施例、製剤例、実験例を
あげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。HNMRスペクトル
は、内部基準としてテトラメチルシランを用いてバリア
ンジェミニ200(200MHz)型スペクトルメ−タ
−で測定し、全δ値をppmで示した。混合溶媒におい
て示した数値は、特に断らない限り各溶媒の容量混合費
である。%は、特に断らない限り重量%を意味する。ま
たシリカゲルクロマトグラフィにおける溶出溶媒の比
は、特に断らない限り容量比を示す。本明細書中におけ
る室温(常温)とは約20℃から約30℃の温度を表
す。なお実施例中の各記号は次の意味を表す。 AcOEt:酢酸エチル,Me:メチル,Et:エチ
ル,THF:テトラヒドロフラン,IPE:イソプロピ
ルエーテル,EtO:ジエチルエーテル,decomp.:分
解,s:シングレット,d:ダブレット,t:トリプレ
ット,q:クアルテット,dd:ダブルダブレット,d
t:ダブルトリプレット,m:マルチプレット,br:
幅広い,J:カップリング定数,Py:ピリジル,DB
U:ジアザビシクロウンデセン,DMF:ジメチルホル
ムアミド,DPPA:ジフェニルホスホリルアジド,h
ex:ヘキサン,Ac:アセチル,Ph:フェニル,T
s:トシル,mCPBA:メタクロロ過安息香酸,
u:tert−ブチル
【0094】参考例A1 6,7−ジクロロ−2−オキソ−4−フェニル−2H−クロメ
ン−3−カルボン酸の合成
【化42】 (4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニル)(フェニル)メ
タノン(1.5 g)、マロン酸ジエチル(1.28 ml)および
DBU(0.25 ml)の混合物を170℃で30分間攪拌した。
反応混合物を酢酸エチル(50 ml)に溶解し、水、1規
定塩酸および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し
た。硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去
し、残渣をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲ
ル、展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=1:9)にて精製
した。得られた6,7−ジクロロ−2−オキソ−4−フェニ
ル−2H−クロメン−3−カルボン酸エチルの粗製品を酢
酸(10 ml)および濃塩酸(5 ml)に溶解し、1時間加
熱還流した。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を
THF(10 ml)および酢酸エチル(50 ml)の混合溶媒に
溶解した後、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および
飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。硫酸マグネ
シウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、残渣を酢酸
エチルから再結晶にて精製して表題化合物(0.65 g、収
率34%)を得た。 融点:233−234℃. NMR (CDCl3) δ:7.29−7.40 (3H,m), 7.48−7.58 (4H,
m). IR(KBr):3400−2400, 1748, 1717 cm−1. 元素分析:C16H8O4Cl2 として 計算値(%):C: 57.34, H: 2.41, 実測値(%):C: 57.30, H: 2.50.
【0095】参考例A2〜6 参考例A1と同様にして〔表1〕の化合物を得た。 〔表1〕
【化43】
【表1】
【0096】参考例A7 (6,7−ジクロロ−2−オキソ−4−フェニル−2H−クロメ
ン−3−イル)酢酸の合成
【化44】 6,7−ジクロロ−2−オキソ−4−フェニル−2H−クロメ
ン−3−カルボン酸(0.8g)のTHF(10 ml)溶液にDMF
(1滴)およびオキサリルクロリド(0.31 ml)を加え、
室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下にて濃縮した
のち得られた残渣をTHF(10 ml)に溶解し、N−メチル
−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(1.68g)および
水酸化カリウム(3.0 g)から調製したジアゾメタンの
エ−テル(30ml)溶液を滴下した。発泡が収まったの
ち反応液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をメタノ−
ル(50ml)に溶解し、酸化銀(0.3 g)を加えて30分
加熱還流した。不溶物を濾去したのち濾液を減圧下で濃
縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカ
ゲル、展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=1:4)にて精
製した。得られた(6,7−ジクロロ−2−オキソ−4−フェ
ニル−2H−クロメン−3−イル)酢酸メチルの粗製品を酢
酸(5 ml)および濃塩酸(2.5 ml)に溶解し、1時間加
熱還流した。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を
THF(10 ml)および酢酸エチル(50 ml)の混合溶媒に
溶解したのち、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およ
び飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。硫酸マグ
ネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、残渣を酢
酸エチルから再結晶にて精製して表題化合物(0.52 g、
収率62%)を得た。 融点:222−223℃. NMR (CDCl3) δ:3.43 (2H, s), 7.10 (1H, s), 7.20−
7.36 (2H, m), 7.50−7.64 (4H, m.). IR(KBr):3400−2400, 1725, 1599 cm−1. 元素分析:C17H10O4Cl2・0.3H2Oとして 計算値(%):C:57.59, H:3.01, 実測値(%):C:57.44, H:2.99.
【0097】参考例A8〜12 参考例A7と同様にして〔表2〕の化合物を得た。 〔表2〕
【化45】
【表2】
【0098】参考例A13 (2−オキソ−4−フェニル−2,6,7,8−テトラヒドロシク
ロペンタ[g]クロメン−3−イル)酢酸の合成
【化46】 (6−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イ
ル)(フェニル)メタノン(1.0 g)およびトリエチルアミ
ン(0.98 ml)のTHF(20 ml)溶液に0℃にてエチルコ
ハク酸クロリド(0.55 ml)を加え、1時間攪拌した。反
応液に水を加え生成物を酢酸エチルにて抽出した。抽出
液を1規定塩酸および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次
洗浄し硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留
去した。得られた残渣をトルエン(10 ml)に溶解し、D
BU(0.25 ml)を加えて2.5時間加熱還流した。冷却後
反応液に酢酸エチル(60 ml)を加えて希釈し、水、1
規定塩酸および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し
た。硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去
し、残渣をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲ
ル、展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=1:2)にて精製
した。得られた(2−オキソ−4−フェニル−2,6,7,8−テ
トラヒドロシクロペンタ[g]クロメン−3−イル)酢酸エ
チルの粗製品を酢酸(20 ml)および濃塩酸(10 ml)に
溶解し、1時間加熱還流した。反応液を減圧下で濃縮
し、得られた残渣をTHF(5 ml)および酢酸エチル(50
ml)の混合溶媒に溶解したのち、水、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗
浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を
留去し、残渣を酢酸エチル−イソプロピルエーテルから
再結晶にて精製して表題化合物(0.95 g、収率70%)を
得た。 融点:216−218℃. NMR (CDCl3) δ:2.09 (2H, m), 2.81 (2H, d, J=7 H
z), 2.99 (2H, d, J=7 Hz), 3.41 (2H, s), 6.82 (1H,
s), 7.20−7.30 (3H, m), 7.50−7.60 (3H, m). IR(KBr):3400−2400, 1714, 1622 cm−1. 元素分析:C20H16O4として 計算値(%):C:74.99, H:5.03, 実測値(%):C:74.75, H:5.13.
【0099】参考例A14〜20 参考例A13と同様にして〔表3〕の化合物を得た。 〔表3〕
【化47】
【表3】
【0100】参考例A21 2−(7−クロロ−6−メチル−2−オキソ−4−フェニル−
2H−クロメン−3−イル)酢酸エチルの合成
【化48】 (4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)(フェ
ニル)メタノン(5.0 g)およびトリエチルアミン(5.65
ml)のTHF(100 ml)溶液に0℃にてエチルコハク酸ク
ロリド(3.47 ml)を加え、1時間攪拌した。反応液に
水を加え生成物を酢酸エチルにて抽出した。抽出液を1
規定塩酸および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し
硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去し
た。得られた残渣をトルエン(50 ml)に溶解し、DBU
(1.25 ml)を加えて2.5時間加熱還流した。冷却後反
応液に酢酸エチル(100 ml)を加えて希釈し、水、1規
定塩酸および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し
た。硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去
し、残渣をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲ
ル、展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=1:4)にて精製
し、さらに酢酸エチル−ヘキサンから再結晶にて精製し
て表題化合物(3.86 g、収率53%)を得た。 融点:132−133℃. NMR (CDCl3) δ:1.23 (3H, t, J=7 Hz), 2.28 (2H,
s), 3.36 (2H, s), 4.13 (2H, t, J=7 Hz), 6.84 (1H,
s), 7.20−7.35 (2H, m), 7.41 (1H, s), 7.45−7.60
(3H, m). IR(KBr):1728, 1609, 1366, 1188 cm−1. 元素分析:C20H17ClO4として 計算値(%):C:67.32, H:4.80, 実測値(%):C:67.55, H:5.13.
【0101】参考例A22〜23 参考例A21と同様にして〔表4〕の化合物を得た。
〔表4〕
【化49】
【表4】
【0102】参考例A24 2−[6−(ブロモメチル)−7−クロロ−2−オキソ−4−フ
ェニル−2H−クロメン−3−イル]酢酸の合成
【化50】 (7−クロロ−6−メチル−2−オキソ−4−フェニル−2H
−クロメン−3−イル)酢酸エチル(3.5 g)の酢酸エチ
ル(50 ml)溶液にN−ブロモコハク酸イミド(2.1g)お
よび2,2'−アゾイソブチロニトリル(48.3 mg)を加
え、1時間加熱還流した。反応液を冷却後、水、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶
液で順次洗浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧
下で溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=1:4)に
て精製して2−[6−(ブロモメチル)−7−クロロ−2−オ
キソ−4−フェニル−2H−クロメン−3−イル]酢酸エチ
ルの粗結晶(約2.6 g)を得た。この粗結晶を酢酸(50
ml)および濃塩酸(25 ml)に溶解し、30分間加熱還
流した。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をTHF
(10 ml)および酢酸エチル(50 ml)の混合溶媒に溶解
したのち、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽
和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。硫酸マグネシ
ウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、残渣を酢酸エ
チルで洗浄して表題化合物の粗結晶(1.78 g、収率44
%)を得た。本化合物はさらに精製することなく次の反
応に用いた。 NMR (CDCl3) δ:3.43 (2H, s), 4.58 (2H, s), 7.11
(1H, s), 7.20−7.30 (2H, m), 7.48 (1H, s), 7.50−
7.65 (3H, m).
【0103】参考例A25〜26 参考例A24と同様にして〔表5〕の化合物を得た。 〔表5〕
【化51】
【表5】
【0104】参考例A27 (2,8 −オキソ−4−フェニル−2,6,7,8−テトラヒドロ
シクロペンタ[g]クロメン−3−イル)酢酸エチルの合成
【化52】 酸化クロム(33 g)の塩化メチレン(300 ml)懸濁液に
−10℃ にて、3,5−ジメチルピラゾ−ル(32 g)をいっ
きに加え、同温で15分撹拌したのち、(2−オキソ−4−
フェニル−2,6,7,8−テトラヒドロシクロペンタ[g]ク
ロメン−3−イル)酢酸エチル(7.6 g)を加えた。反応
液を−10℃にて2時間撹拌したのち水を加え、有機層を
希塩酸および水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥し
た。減圧下で溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)で
精製し、さらに酢酸エチルより再結晶にて精製して表題
化合物(1.2 g、収率15%)を得た。 融点:145−148℃. NMR (CDCl3) δ:1.23 (3H, t, J = 9 Hz), 2.75 (2H,
t, J = 6 Hz), 3.08 (2H, t, J = 6 Hz), 3.41 (2H,
s), 4.14 (2H, q, J = 9 Hz), 7.10 (1H, s), 7.28(2H,
m), 7.55 (3H, m), 7.71 (1H, s). IR(KBr):2980, 1715, 1615, 1563 cm−1. 元素分析:C22H18O5として 計算値(%):C:72.92, H:5.01, 実測値(%):C:73.15, H:5.20.
【0105】参考例A28 (2,8−ジオキソ−4−フェニル−2,6,7,8−テトラヒドロ
シクロペンタ[g]クロメン−3−イル)酢酸の合成
【化53】 (2,8−ジオキソ−4−フェニル−2,6,7,8−テトラヒドロ
シクロペンタ[g]クロメン−3−イル)酢酸エチル(1.2
g)を酢酸(20 ml)および濃塩酸(10 ml)に溶解し、
30分間加熱還流した。反応液を減圧下で濃縮し、得ら
れた残渣をTHF(10 ml)および酢酸エチル(50 ml)の
混合溶媒に溶解したのち、水、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し
た。硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去
し、残渣を酢酸エチルより再結晶にて精製して表題化合
物(0.87 g、収率79%)を得た。 融点:240℃ (decomp.). NMR (CDCl3+DMSO−d61滴) δ:2.74 (2H, t, J = 6 H
z), 3.08 (2H, t, J = 6Hz), 3.40 (2H, s), 7.11 (1H,
s), 7.32 (2H, m), 7.56 (3H, m), 7.68 (1H,s). IR(KBr):3400−2400, 1713 cm−1. 元素分析:C20H14O5として 計算値(%):C:71.85, H:4.22, 実測値(%):C:71.40, H:4.50.
【0106】参考例B1 N−(2,6−ジメトキシフェニル)−2−(2−オキソ−4−フ
ェニル−2,6,7,8−テトラヒドロシクロペンタ[g]クロ
メン−3−イル) アセトアミドの合成
【化54】 (2−オキソ−4−フェニル−2,6,7,8−テトラヒドロシク
ロペンタ[g]クロメン−3−イル)酢酸(150mg)のTHF
(10 ml)溶液に、ジメチルホルムアミド(DMF,1滴)
およびオキサリルクロリド(0.06 ml)を加え、室温に
て30分間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮して得られた
残渣をTHF(10 ml)に溶解し、2,6−ジメトキシアニリ
ン(79 mg)およびトリエチルアミン(0.1 ml)のTHF
(5 ml)溶液に滴下した。室温にて一時間撹拌したの
ち、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣に水を加え、酢
酸エチルにて抽出した。抽出液を希塩酸、1N−水酸化ナ
トリウム、水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥
後濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル−THFより再結
晶にて精製して表題化合物(146 mg、収率64%)を得
た。 融点:213−215℃. NMR (CDCl3) δ:2.09 (2H, m), 2.81 (2H, t, J = 7 H
z), 2.99 (2H, t, J = 7Hz), 3.46 (2H, br) 3.78 (6H,
s), 6.54 (2H, d, J = 8 Hz), 6.85 (1H, s),7.14 (1
H, t, J = 8 Hz), 7.26 (1H, s), 7.43 (2H, m), 7.50
(1H, m). IR(KBr):1707, 1686, 1508 cm−1. 元素分析:C28H25NO5・0.2H2Oとして 計算値(%):C:73.25, H:5.58, N:3.05, 実測値(%):C:73.04, H:5.79, N:3.14.
【0107】参考例B2〜14 (2−オキソ−4−フェニル−2,6,7,8−テトラヒドロシク
ロペンタ[g]クロメン−3−イル)酢酸を用い、参考例B
1と同様にして〔表6〕の化合物を得た。 〔表6〕
【化55】
【表6】
【0108】参考例B15 N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−2−(2−オキソ−4
−フェニル−2,6,7,8−テトラヒドロシクロペンタ[g]ク
ロメン−3−イル)アセトアミドの合成
【化56】 (2−オキソ−4−フェニル−2,6,7,8−テトラヒドロシク
ロペンタ[g]クロメン−3−イル)酢酸(150 mg)のTHF
(10 ml)溶液にDMF(1滴)混合溶液にオキサリルクロ
リド(0.06 ml)を加え、室温にて30分撹拌した。反応
液を減圧下で濃縮して得られた残渣をTHF(10 ml)に溶
解し、4−アミノ−3、5−ジクロロピリジン(100 mg)
および水素化ナトリウム(60%、油性)(40 mg)のTHF
懸濁液に滴下した。一夜室温にて撹拌したのち反応液に
水を加え、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を水洗し、
硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮した。得られた残渣
を酢酸エチル−THFより再結晶にて精製して表題化合物
を無色結晶(60 mg、28%)として得た。 融点:257−259℃. NMR (CDCl3) δ:2.11 (2H, m), 2.27 (3H, m), 2.90
(2H, t, J = 7 Hz), 2.99(2H, t, J = 7 Hz), 3.71 (6
H, s), 6.54 (1H, s), 6.56 (2H, d, J = 8 Hz),6.86
(1H, bs), 7.06 (1H, s), 7.15 (1H, t, J = 8 Hz), 7.
33 (5H, m). IR(KBr):1699, 1655, 1306, 1144 cm−1. 元素分析:C25H18N2O3Cl2・0.3H2Oとして 計算値(%):C:63.79, H:3.98, N:5.95, 実測値(%):C:63.56, H:4.10, N:5.71.
【0109】参考例B16〜21 (2−オキソ−4−フェニル−2,6,7,8−テトラヒドロシク
ロペンタ[g]クロメン−3−イル)酢酸を用い参考例B1
5と同様にして〔表7〕の化合物を得た。〔表7〕
【化57】
【表7】
【0110】参考例B22〜46 参考例B1と同様にして〔表8〕から〔表11〕の化合
物を得た。 〔表8〕
【化58】
【表8】
【0111】〔表9〕
【化59】
【表9】
【0112】〔表10〕
【化60】
【表10】
【0113】〔表11〕
【化61】
【表11】
【0114】参考例B47〜69 参考例B15と同様にして〔表12〕の化合物を得た。 〔表12〕
【化62】
【表12】
【0115】参考例B70 2-[7-クロロ-6-{(ジメチルアミノ)メチル}-2-オキソ-4-
フェニル-2H-クロメン-3-イル]-N-(2,6-ジメトキシフェ
ニル)アセトアミドの合成
【化63】 2-[6-(ブロモメチル)-7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-2
H-クロメン-3-イル]酢酸(0.13 g)のTHF(3 ml)溶液
にDMF(1滴)およびオキサリルクロリド(56 ml)を加
え、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下で濃縮し
て得られた残渣をTHF(2 ml)に溶解し、2,6-ジメトキ
シアニリン(46 ml)およびトリエチルアミン(86 ml)
のTHF(2 ml)溶液に0℃にて滴下した。1時間攪拌した
のち反応液に水を加え、溶液を酢酸エチルにて抽出し
た。抽出液を1規定塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウ
ム水溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、
減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をTHF(2 ml)
に溶解し、ジメチルアミン(200 mg)のTHF(1 ml)溶
液を加えて一夜撹拌した。反応液を減圧下で濃縮し、得
られた残渣を酢酸エチル(30 ml)に溶解したのち、飽
和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウム
にて乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロ
ロホルム−メタノール−アンモニア水=30:1:0.1)に
て精製し、さらに酢酸エチルから再結晶にて精製して表
題化合物(81mg、収率50%)を得た。 融点:221−223 ℃. NMR (CDCl3) δ:2.17 (6H, s), 3.41 (2H, s), 3.48
(2H, brs), 3.79 (6H, brs), 6.54 (2H, d, J=8 Hz),
7.08 (1H, brs), 7.15 (1H, t, J=8 Hz), 7.35-7.60 (8
H, m). IR(KBr):1732, 1661, 1560, 1478 cm-1. 元素分析:C28H27N2O5Clとして 計算値(%):C:66.33, H:5.37, N:5.53, 実測値(%):C:66.17, H:5.38, N:5.22.
【0116】参考例B71〜73 参考例B70と同様にして〔表13〕の化合物を得た。
〔表13〕
【化64】
【表13】
【0117】参考例B74 2-[7-クロロ-6-{(モルホリン−4−イル)メチル}-2-オ
キソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-イル]-N-(4-クロロ-2-
トリフルオロメチルフェニル)アセトアミドの合成
【化65】 2-[6-(ブロモメチル)-7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-2
H-クロメン-3-イル]酢酸(0.20 g)のTHF(5 ml)溶液
にDMF(1滴)およびオギザリルクロリド(86 ml)を加
え、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下にて濃縮
して得られた残渣をTHF(3 ml)に溶解し、4-クロロ-2-
トリフルオロメチルアニリン(69 ml)および水素化ナ
トリウム(60%、油性)(22 mg)のTHF(2 ml)懸濁液
に0℃にて滴下した。室温で12時間攪拌したのち反応
液に水を加え生成物を酢酸エチルにて抽出した。抽出液
を1規定塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で
順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶
媒を留去した。得られた残渣をTHF(2 ml)に溶解し、
モルホリン(0.21 ml)を加えて3日間撹拌した。反応
液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル(30 m
l)に溶解したのち、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗
浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を
留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノール−アン
モニア水=40:1:0.1)にて精製し、さらに酢酸エチル
から再結晶にて精製して表題化合物(112 mg、収率57
%)を得た。 融点:205−207 ℃. NMR (CDCl3) δ:2.35−2.45 (4H, m), 3.45−3.65 (8
H, m), 7.21 (1H, s), 7.30−7.40 (2H, m), 7.45 (1H,
s), 7.45−7.65 (5H, m), 8.08 (1H, d, J=9 Hz), 8.2
4 (1H, brs). IR(KBr):1725, 1663, 1530, 1310 cm-1. 元素分析:C29H23N2O4Cl2F3として 計算値(%):C:58.90, H:3.92, N:4.74, 実測値(%):C:58.90, H:3.89, N:4.61.
【0118】参考例B75〜79 参考例B74と同様にして〔表14〕の化合物を得た。 〔表14〕
【化66】
【表14】
【0119】参考例B80 酢酸 [7-クロロ-3-{2-(2,6-ジメトキシアニリノ)-2-オ
キソエチル}-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-6-イ
ル]メチルの合成
【化67】 2-[6-(ブロモメチル)-7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-2
H-クロメン-3-イル]酢酸(0.13 g)のTHF(3 ml)溶液
にDMF(1滴)およびオキサリルクロリド(56 ml)を加
え、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下で濃縮し
て得られた残渣をTHF(2 ml)に溶解し、2,6-ジメトキ
シアニリン(46 ml)およびトリエチルアミン(86 ml)
のTHF(2 ml)溶液に0℃にて滴下した。1時間攪拌した
のち反応液に水を加え生成物を酢酸エチルにて抽出し
た。抽出液を1規定塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウ
ム水溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、
減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をDMF(2 ml)
に溶解し、無水酢酸ナトリウム(150 mg)を加えて60℃
にて3時間撹拌した。反応液に水を加え生成物を酢酸エ
チルにて抽出し、抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で
洗浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒
を留去し、得られた残渣をTHFから再結晶にて精製して
表題化合物(61 mg、収率36%)を得た。 融点:229−231℃. NMR (CDCl3) δ:1.99 (3H, s), 3.50 (2H, brs), 3.78
(6H, brs), 5.09 (2H,s), 6.55 (2H, d, J=8 Hz), 7.0
6 (1H, brs), 7.16 (1H, t, J=8 Hz), 7.25−7.60 (8H,
m). IR(KBr):1737, 1732, 1477, 1260 cm-1. 元素分析:C28H24NO7Clとして 計算値(%):C:64.43, H:4.63, N:2.68, 実測値(%):C:64.45, H:4.95, N:2.64.
【0120】参考例B81 酢酸 [7-クロロ-3-{2-(2,6-イソプロピルアニリノ)-2-
オキソエチル}-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-6-イ
ル]]メチルの合成
【化68】 参考例B80と同様にして表題化合物(収率27%)を得
た。 融点:290−292℃. NMR (CDCl3) δ:1.15 (12H, d, J=7 Hz), 1.99 (3H,
s), 3.03 (2H, m), 3.53(2H, s), 5.10 (2H, s), 7.00
−7.60 (11H, m). IR(KBr):1732, 1647, 1532, 1364 cm-1. 元素分析:C32H32NO5Clとして 計算値(%):C:70.39, H:5.91, N:2.57, 実測値(%):C:70.41, H:5.67, N:2.58.
【0121】参考例B82 酢酸 [7-クロロ-3-{2-(4-クロロ-2-トリフルオロメチル
アニリノ)-2-オキソエチル}-2-オキソ-4-フェニル-2H-
クロメン-6-イル]メチルの合成
【化69】 2-[6-(ブロモメチル)-7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-2
H-クロメン-3-イル]酢酸(0.30 g)のTHF(6 ml)溶液
にDMF(1滴)およびオキサリルクロリド(130 ml)を加
え、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下にて濃縮
して得られた残渣をTHF(3 ml)に溶解し、4-クロロ-2-
トリフルオロメチルアニリン(104 ml)および水素化ナ
トリウム(60%、油性)(121 mg)のTHF(2 ml)懸濁
液に0℃にて滴下した。1時間攪拌したのち反応液に水
を加え生成物を酢酸エチルにて抽出した。抽出液を1規
定塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗
浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留
去した。得られた残渣をDMF(3 ml)に溶解し、無水酢
酸ナトリウム(121 mg)を加えて60℃にて3時間撹拌し
た。反応液に水を加え生成物を酢酸エチルにて抽出し、
抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マ
グネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒:酢酸エチル−ヘキサン=1:2)にて精製し、さらに
酢酸エチルから再結晶にて精製して表題化合物(126 m
g、収率45%)を得た。 融点:186−187℃. NMR (CDCl3) δ:1.99 (3H, s), 3.49 (2H, s), 5.10
(2H, s), 7.08 (1H, s),7.30−7.40 (2H, m), 7.45−7.
65 (6H, m), 8.08 (1H, d, J=9 Hz), 8.17 (1H,brs). IR(KBr):1725, 1663, 1530, 1310 cm-1. 元素分析:C27H18NO5Cl2F3として 計算値(%):C:57.46, H:3.21, N:2.48, 実測値(%):C:57.20, H:3.25, N:2.25.
【0122】参考例B83〜84 参考例B82と同様にして〔表15〕の化合物を得た。 〔表15〕
【化70】
【表15】
【0123】参考例B85 2−[7-クロロ-6-{(ヒドロキシルメチル)-2-オキソ-4-
フェニル-2H-クロメン-3−イル)-N-(4-クロロ-2-トリフ
ルオロメチルフェニル)アセトアミドの合成
【化71】 酢酸 [7-クロロ-3-{2-(4-クロロ-2-トリフルオロメチル
アニリノ)-2-オキソエチル}-2-オキソ-4-フェニル-2H-
クロメン-6-イル]メチルエステル(81 mg)をTHF(0.4
ml)およびメタノール(2 ml)の混合溶媒に溶解し、DB
U(0.11 ml)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応
液に酢酸エチル(30 ml)を加えて希釈したのち、1規
定塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗
浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留
去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒:酢酸エチル)にて精製し、さらに酢
酸エチルから再結晶にて精製して表題化合物(34 mg、
収率80%)を得た。 融点:241−243℃. NMR (CDCl3) δ:1.85 (1H, t, J=6 Hz), 3.48 (2H,
s), 4.70 (2H, d, J=6 Hz), 7.21 (1H, s), 7.30−7.40
(2H, m), 7.45−7.65 (6H, m), 8.08 (1H, d, J=9Hz),
8.19 (1H, brs). IR(KBr):1699, 1655, 1306, 1144 cm-1. 元素分析:C25H16NO4Cl2F3として 計算値(%):C:57.49, H:3.09, N:2.68, 実測値(%):C:57.52, H:3.09, N:2.57.
【0124】参考例B86〜87 参考例B85と同様にして〔表16〕の化合物を得た。 〔表16〕
【化72】
【表16】
【0125】参考例B88〜89 参考例B15と同様にして〔表17〕の化合物を得た。 〔表17〕
【化73】
【表17】
【0126】参考例A29〜31 参考例A7と同様にして〔表18〕の化合物を得た。 〔表18〕
【化74】
【表18】
【0127】参考例A32〜34 参考例A27と同様にして〔表19〕の化合物を得た。 〔表19〕
【化75】
【表19】
【0128】参考例A35〜37 参考例A28と同様にして〔表20〕の化合物を得た。 〔表20〕
【化76】
【表20】
【0129】参考例B90〜95 参考例B15と同様にして〔表21〕の化合物を得た。 〔表21〕
【化77】
【表21】
【0130】参考例B96〜101 参考例B15と同様にして〔表22〕の化合物を得た。 〔表22〕
【化78】
【表22】
【0131】参考例A38 3-(2-メチルフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-インデノ[5,6-
b]フラン-2-カルボン酸の合成
【化79】 (6-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)(2-
メチルフェニル) メタノン(2.0 g)のDMF(50 ml)溶
液に、氷冷下、水素化ナトリウム(60%、油性)(400
mg)を加えた。同温で30分撹拌したのち、ブロモ酢酸エ
チル(1 ml)を加え、1時間撹拌した。反応液に水を加
え、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を水洗後、硫酸マ
グネシウムにて乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得ら
れた残渣をトルエン(50 ml)に溶解し、DBU (2 ml)
を加えた。反応液を一夜加熱還流したのち水を加え、酢
酸エチルにて抽出した。抽出液を水洗後、硫酸マグネシ
ウムにて乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残
渣をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル、展
開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=1: 3)にて精製し
て、3-(2-メチルフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-インデノ
[5,6-b]フラン-2-カルボン酸エチルの粗製品を得た。得
られたエステルの粗製品をTHF(50 ml)およびメタノー
ル(30 ml)の混合溶媒に溶解し、1規定水酸化ナトリ
ウム(30 ml)を加えて室温で3時間撹拌した。反応液
を減圧下で濃縮し、得られた残渣に水を加え、希塩酸に
て酸性にしたのち酢酸エチルにて抽出した。抽出液を水
洗後、硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下で溶媒を留
去した。得られた残渣を酢酸エチルより再結晶にて精製
して表題化合物を無色結晶(0.9 g、収率39%)として
得た。 融点:213−215℃. NMR (CDCl3) δ:2.13 (2H, m), 2.17 (3H, m), 2.91
(2H, t, J = 8 Hz), 3.04(2H, t, J = 8 Hz), 7.11 (1
H, s), 7.26 (2H, m), 7.32 (2H, m), 7.45 (1H,s). IR(KBr):3400−2400, 1720 cm-1. 元素分析:C19H16O3 として 計算値(%):C: 78.06, H: 5.52, 実測値(%):C: 77.82, H: 5.59.
【0132】参考例A39〜53 参考例A38と同様にして〔表23〕および〔表24〕
の化合物を得た。 〔表23〕
【化80】
【表23】
【0133】〔表24〕
【化81】
【表24】
【0134】参考例B101a N-(2,6-ジメトキシフェニル)-N'-[3-(2-メチルフェニ
ル)-6,7-ジヒドロ-5H-インデノ[5,6-b]フラン-2-イル]
尿素
【化82】 3-(2-メチルフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-インデノ[5,6-
b]フラン-2-カルボン酸(3 g)、トリエチルアミン(2.
2 ml)、およびDPPA(2.9 ml)のベンゼン(200ml)溶
液を室温で1時間撹拌したのち、1時間加熱還流した。
室温まで冷却後、反応液に2、6-ジメトキシアニリン
(1.6 g)を加え1時間加熱還流した。反応液に水およ
びクロロホルムを加え、有機層を希塩酸、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、水で順次洗浄し、硫酸マグネシウム
にて乾燥後、減圧下で溶媒を溜去した。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロ
ロホルム)にて精製し、さらにTHF-クロロホルムより再
結晶にて精製して表題化合物を無色結晶(2.4 g、53
%)として得た。 融点:270℃ (分解). NMR (CDCl3) δ:2.11 (2H, m), 2.27 (3H, m), 2.90
(2H, t, J = 7 Hz), 2.99(2H, t, J = 7 Hz), 3.71 (6
H, s), 6.54 (1H, s), 6.56 (2H, d, J = 8 Hz),6.86
(1h, bs), 7.06 (1H, s), 7.15 (1H, t, J = 8 Hz), 7.
33 (5H, m). IR(KBr):3241, 1659, 1557 cm−1. 元素分析:C27H26N2O4 として 計算値(%):C: 73.28, H: 5.92, N: 6.33, 実測値(%):C: 73.15, H: 6.00, N: 6.29.
【0135】参考例B102〜133 参考例B101aと同様にして〔表25〕および〔表2
6〕の化合物を得た。 〔表25〕
【化83】
【表25】
【0136】〔表26〕
【化84】
【表26】
【0137】参考例A54〜63 参考例A13と同様にして〔表27〕の化合物を得た。 〔表27〕
【化85】
【表27】
【0138】参考例A64〜65 参考例A27と同様にして〔表28〕の化合物を得た。 〔表28〕
【化86】
【表28】
【0139】参考例A66〜67 参考例A28と同様にして〔表29〕の化合物を得た。 〔表29〕
【化87】
【表29】
【0140】参考例B134〜153 参考例B1と同様にして〔表30〕の化合物を得た。 〔表30〕
【化88】
【表30】
【0141】参考例B154〜179 参考例B15と同様にして〔表31〕の化合物を得た。 〔表31〕
【化89】
【表31】
【0142】参考例B180〜202 参考例B74と同様にして〔表32〕および〔表33〕
の化合物を得た。 〔表32〕〜〔表33〕
【化90】
【表32】
【表33】
【0143】参考例B203 2-[7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(ピリジン-2-イ
ルチオ)メチル]-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-
(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミドの合成
【化91】 2-[6-(ブロモメチル)-7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-2
H-クロメン-3-イル]酢酸(0.21 g)のTHF(5 ml)溶液
にDMF(1滴)およびオギザリルクロリド(86 ml)を加
え、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下にて濃縮
して得られた残渣をTHF(3 ml)に溶解し、4-クロロ-2-
トリフルオロメチルアニリン(72 ml)および水素化ナ
トリウム(60%、油性)(23 mg)のTHF(2 ml)懸濁液
に0 ℃にて滴下した。室温で12時間攪拌したのち反応
液に水を加え生成物を酢酸エチルにて抽出した。抽出液
を1規定塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で
順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶
媒を留去した。得られた残渣をTHF(10 ml)に溶解し、
2-メルカプトピリジン(0.088 g)とDBU(0.118 ml)を加
え、室温で24時間攪拌した。反応液に水を加え酢酸エチ
ルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄したのち硫酸
マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残
渣を酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルから再結晶し
て表題化合物を無色結晶(205 mg, 65%)として得た。
融点:213−215 ℃。
【0144】参考例B204 2-[7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(ピリジン-2-イ
ルチオ)メチル]-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-フルオロ-2
-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミドの合成
【化92】 参考例B203と同様にして表題化合物(収率:71%)
を得た。融点:195−196 ℃ (AcOEt-IPE)。
【0145】参考例B205 2-[6-[[アセチル(メチル)アミノ]メチル]-7-クロロ-2-
オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-
2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミドの合成
【化93】 2-[6-[(メチルアミノ)メチル]-7-クロロ-2-オキソ-4-フ
ェニル-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリフル
オロメチル)フェニル]アセトアミド(参考例B180)
(0.20 g)のTHF溶液(5 ml)にトリエチルアミン(0.11 ml)
と塩化アセチル(0.033 ml)を加え、3時間攪拌した。反
応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和重
曹水、飽和食塩水で順次洗浄したのち硫酸マグネシウム
で乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロ
マトグラフィー(担体:シリカゲル、展開溶媒:酢酸エ
チル−ヘキサン=1:4)で精製し、さらに酢酸エチル
−ジイソプロピルエーテルから再結晶して表題化合物を
無色結晶(105 mg, 48%)として得た。融点:199−201
℃。
【0146】参考例B206 2-[6-[[ベンゾイル(メチル)アミノ]メチル]-7-クロロ-2
-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ
-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミドの合成
【化94】 参考例B205と同様にして表題化合物(収率:66%)
を得た。融点:215−216 ℃ (AcOEt-Hexane)。
【0147】参考例B207 2-[7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-(ピペラジン-1-イ
ル)メチル-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリ
フルオロメチル)フェニル]アセトアミドの合成
【化95】 2-[6-(ブロモメチル)-7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-2
H-クロメン-3-イル]酢酸(0.28 g)のTHF(7 ml)溶液
にDMF(1滴)およびオギザリルクロリド(120 ml)を加
え、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下にて濃縮
して得られた残渣をTHF(5 ml)に溶解し、2-クロロ-4-
トリフルオロメチルアニリン(101 ml)および水素化ナ
トリウム(60%、油性)(32 mg)のTHF(3 ml)懸濁液
に0 ℃にて滴下した。室温で12時間攪拌したのち反応
液に水を加え、生成物を酢酸エチルにて抽出した。抽出
液を1規定塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液
で順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で
溶媒を留去した。得られた残渣をTHF(10 ml)に溶解
し、tert-ブチル 1-ピペリジンカルボキシレート (0.19
1 g)とトリエチルアミン(0.14 ml)を加え、5時間加熱還
流した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出
液を飽和食塩水で洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥後、減
圧下濃縮した。得られた残渣を酢酸(10 ml)に溶解し
濃塩酸(10 ml)を加えた後、30分間加熱還流した。反
応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和重
曹水、飽和食塩水で順次洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥
後、抽出液を減圧下濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル
−ジイソプロピルエーテルから再結晶して表題化合物を
無色結晶(122 mg, 30%)として得た。融点:237−242
℃。
【0148】参考例B208 2-(7-クロロ-6-ヒドロキシ-2-オキソ-4-フェニル-2H-ク
ロメン-3-イル)-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)
フェニル]アセトアミドの合成
【化96】 2-(7-クロロ-6-メトキシ-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロ
メン-3-イル)-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フ
ェニル]アセトアミド(参考例B178)(3.20g)の塩化
メチレン溶液(10 ml)に1M三臭化ホウ素/塩化メチレン
溶液(31.6 ml, 31.6 mmol)を加え室温で3日間攪拌し
た。反応液を氷水に注ぎ濃塩酸を加えた。沈殿物を濾取
し、イソプロパノールとエーテルで順次洗浄して表題化
合物を無色結晶(2.05 g, 64%)として得た。一部をTHF−
イソプロピルエーテルから再結晶して融点を測定した。
融点:246−247 ℃。
【0149】参考例B209 2-(7-クロロ-6-ヒドロキシ-2-オキソ-4-フェニル-2H-ク
ロメン-3-イル)-N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチ
ル)フェニル]アセトアミドの合成
【化97】 参考例B208と同様にして表題化合物(収率:58%)
を得た。融点:240−243 ℃ (AcOEt-Hexane)。
【0150】参考例B210 2-(7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-(2-プロポキシエ
トキシ)-2H-クロメン-3-イル)-N-[4-クロロ-2-(トリフ
ルオロメチル)フェニル]アセトアミドの合成
【化98】 2-(7-クロロ-6-ヒドロキシ-2-オキソ-4-フェニル-2H-ク
ロメン-3-イル)-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)
フェニル]アセトアミド(参考例B208)(0.30 g)のD
MF溶液(5 ml)に2-クロロエチルエチルエーテル(0.31 m
l)、炭酸カリウム(0.23 g)、よう化ナトリウム(0.15 g)
を加え120℃で30分間攪拌した。反応液に水を加えて酢
酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄したの
ち硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られ
た残渣を酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルから再結
晶して表題化合物を無色結晶(151 mg, 43%)として得
た。融点:170−171 ℃。
【0151】参考例B211〜213 参考例B210と同様にして〔表34〕の化合物を得
た。 〔表34〕
【化99】
【表34】
【0152】参考例B214 N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(8
-ヒドロキシ-2-オキソ-4-フェニル-2,6,7,8-テトラヒド
ロシクロペンタ[g]クロメン-3-イル)アセトアミドの合
【化100】 氷冷下、NaBH4(30 mg)のDME(2 ml)縣濁液に2-(2,8-
ジオキソ-4-フェニル-2,6,7,8-テトラヒドロシクロペン
タ[g]クロメン-3-イル)-N-[4-フルオロ-2-(トリフルオ
ロメチル)フェニル]-アセトアミド(参考例B88)(1
70 mg)を加え、さらにメタノール(1 ml)を加えて室
温で10分間撹拌した。反応液を希塩酸に注ぎ込み、酢酸
エチルにて抽出した。抽出液を水洗後、硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、減圧下で濃縮して表題化合物を無色結晶
(110 mg、収率 65%)として得た。一部を酢酸エチルか
ら再結晶して融点を測定した。融点:217−218 ℃ 。
【0153】参考例B215 N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-[8
-ヒドロキシ-4-(3-メチルフェニル)-2-オキソ-2,6,7,8-
テトラヒドロシクロペンタ[g]クロメン-3-イル]アセト
アミドの合成
【化101】 参考例B214と同様にして表題化合物(収率:82%)
を得た。融点:225−227 ℃ (AcOEt)。
【0154】参考例B216 N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(4
-フェニル-2-オキソ-2,6-ジヒドロシクロペンタ[g]クロ
メン-3-イル)アセトアミドの合成
【化102】 N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(8
-ヒドロキシ-2-オキソ-4-フェニル-2,6,7,8-テトラヒド
ロシクロペンタ[g]クロメン-3-イル)アセトアミド(参
考例B214)(250 mg)のトルエン(50 ml)溶液にp
-TsOH・1水和物(300 mg)を加え30分間加熱還流し
た。反応液を濃縮したのち、得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸
エチル= 3:1)にて生成して表題化合物を無色結晶(20
0 mg、収率74%)として得た。一部をTHFから再結晶して
融点を測定した。融点:217−218 ℃。
【0155】参考例B217 N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-[4
-(3-メチルフェニル)-2-オキソ-2,6-ジヒドロシクロペ
ンタ[g]クロメン-3-イル]アセトアミドの合成
【化103】 参考例B216と同様にして表題化合物(収率:55%)
を得た。融点:196−197 ℃ (AcOEt-Hexane)。
【0156】参考例B218 (2E)-3-[3-[2-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フ
ェニル]アミノ]-2-オキソエチル]-7-メチル-2-オキソ-4
-フェニル-2H-クロメン-6-イル]プロペン酸メチルの合
【化104】 アルゴン雰囲気下2-(6-ブロモ-7-メチル-2-オキソ-4-フ
ェニル-2H-クロメン-3-イル)-N-[4-フルオロ-2-(トリフ
ルオロメチル)フェニル]アセトアミド(参考例B17
7)(500 mg)のDMF(5 mL)溶液にアクリル酸メチル
(0.14 mL)、Et3N(0.21 mL)、Pd(OAc)2(5 mg)、ト
リフェニルフォスフィン(10 mg)を加えて120℃で10時
間加熱攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽
出した。抽出液を希塩酸、NaHCO3水溶液、水で順次洗浄
したのち、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮し
て表題化合物を無色結晶(360 mg、収率 72%)として得
た。一部を酢酸エチルから再結晶して融点を測定した。
融点:233−236 ℃。
【0157】参考例A68 2-(6,7-ジメチル-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-
イル)酢酸エチルの合成
【化105】 参考例A21と同様にして表題化合物(収率:75%)を
得た。融点:127−128℃ (AcOEt-Hexane)。
【0158】参考例A69 2-[6,7-ビス(アセトキシメチル)-2-オキソ-4-フェニル-
2H-クロメン-3-イル]酢酸エチルの合成
【化106】 2-(6,7-ジメチル-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-
イル)酢酸エチル(0.50 g)の酢酸エチル(20 ml)溶液
にN-ブロモコハク酸イミド(0.66 g)および2,2'-アゾ
イソブチロニトリル(24.4 mg)を加え、1時間加熱還
流した。反応液を冷却後、水、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し
た。硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去
した。得られた残渣をDMF(10 ml)に溶解し、無水酢酸
ナトリウム(488 mg)を加えて60 ℃にて5時間撹拌し
た。反応液に水を加え生成物を酢酸エチルにて抽出し、
抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マ
グネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒:酢酸エチル−ヘキサン)にて精製し、さらにエー
テル−ジイソプロピルエーテルから再結晶して表題化合
物(281 mg、収率42%)を得た。融点:95−96 ℃。
【0159】参考例A70 2-[6,7-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキソ-4-フェニル-
2H-クロメン-3-イル]酢酸エチルの合成
【化107】 2-[6,7-ビス(アセトキシメチル)-2-オキソ-4-フェニル-
2H-クロメン-3-イル]酢酸エチル(240 mg)のエタノー
ル(4 ml)溶液にDBU(0.4 ml)を加え、室温にて30
分間攪拌した。反応液に酢酸エチル(30 ml)を加えて
希釈したのち、1規定塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶
液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナト
リウム水溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥
後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をエーテル
から再結晶して表題化合物(167 mg、収率86%)を得
た。融点:130−131 ℃。
【0160】参考例A71 2-(2,8-ジオキソ-4-フェニル-6,8-ジヒドロ-2H-フロ[3,
4-g]クロメン-3-イル)酢酸エチルの合成
【化108】 2-[6,7-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキソ-4-フェニル-
2H-クロメン-3-イル]酢酸エチル(150 mg)のジクロロ
メタン(3 ml)溶液に二酸化マンガン(1.5 g)を加
え、室温にて一夜攪拌した。触媒を濾去したのち、濾液
を減圧下で濃縮し、得られた残渣をTHFから再結晶して
表題化合物(98 mg、収率66%)を得た。融点:222−223
℃。
【0161】参考例A72 2-(2,8-ジオキソ-4-フェニル-6,8-ジヒドロ-2H-フロ[3,
4-g]クロメン-3-イル)酢酸の合成
【化109】 2-(2,8-ジオキソ-4-フェニル-6,8-ジヒドロ-2H-フロ[3,
4-g]クロメン-3-イル)酢酸エチル(58 mg)を酢酸(2 m
l)および濃塩酸(1 ml)に溶解し、30分間加熱還流し
た。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をTHF(10
ml)および酢酸エチル(50 ml)の混合溶媒に溶解した
のち、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し
た。硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去
し、残渣をTHF−イソプロピルエーテルから再結晶して
表題化合物(72 mg、収率92%)を得た。融点:226−227
℃。
【0162】参考例B219 2-[7-クロロ-6-(シアノメチル)-2-オキソ-4-フェニル-2
H-クロメン-3-イル]-N-(4-クロロ-2-トリフルオロメチ
ルフェニル)アセトアミドの合成
【化110】 2-[6-(ブロモメチル)-7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-2
H-クロメン-3-イル]酢酸(1.6 g)のTHF(40 ml)溶液
にDMF(5滴)およびオギザリルクロリド(0.7 ml)を加
え、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下にて濃縮
して得られた残渣をTHF(20 ml)に溶解し、4-クロロ-2
-トリフルオロメチルアニリン(0.55 ml)および水素化
ナトリウム(60%、油性)(176 mg)のTHF(20 ml)懸
濁液に0℃にて滴下した。室温で12時間攪拌したのち
反応液に水を加え生成物を酢酸エチルにて抽出した。抽
出液を1規定塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶
液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下
で溶媒を留去した。得られた2-[6-(ブロモメチル)-7-ク
ロロ-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-イル]-N-(4-
クロロ-2-トリフルオロメチルフェニル)アセトアミドの
粗結晶をDMF(6 ml)に溶解し、青酸ナトリウム(0.13
g)を加えて3時間撹拌した。反応液に水を加え、生じ
た沈殿を濾取し、水、メタノール、エーテルで順次洗浄
した。得られた沈殿をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒:クロロホルム−酢酸エチル−ヘキサン
=5:1:4)にて精製し、さらにTHF−ジイソプロピルエ
ーテルから再結晶して表題化合物(480 mg、収率55%)
を得た。融点:247−248 ℃。
【0163】参考例B220 2-[6-(アミノエチル)-7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-2
H-クロメン-3-イル]-N-(4-クロロ-2-トリフルオロメチ
ルフェニル)アセトアミドの合成
【化111】 2-[7-クロロ-6-(シアノメチル)-2-オキソ-4-フェニル-2
H-クロメン-3-イル]-N-(4-クロロ-2-トリフルオロメチ
ルフェニル)アセトアミド(100 mg)のTHF(5 ml)溶液
にラネ−コバルト(100 mg)を加え、水素雰囲気下(4.
5 気圧)室温にて7時間攪拌した。触媒を濾去したのち
濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル再結
晶して表題化合物(27 mg、収率27%)を得た。融点:16
5−167℃。
【0164】参考例B221 2-(2,8-ジオキソ-4-フェニル-6,8-ジヒドロ-2H-フロ[3,
4-g]クロメン-3-イル)-N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロ
メチル)フェニル]アセトアミドの合成
【化112】 参考例B15と同様にして表題化合物(収率:71%)を
得た。融点:253−254℃ (AcOEt-IPE)。
【0165】参考例B222 2-[7-クロロ-6-[(1-オキシド-4-フェニル-1-ピペラジニ
ル)メチル]-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-イル]
-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセト
アミドの合成
【化113】 2-[7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フェニル-1-
ピペラジニル)メチル]-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロ
ロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド(1.0
g)のクロロホルム溶液(5 ml)にmCPBA(0.41 g)を加え、
室温で30分間攪拌した。反応液をそのままシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−メタ
ノール−アンモニア水=85:15:1)に付して精製し、
さらに酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルから再結晶
して表題化合物(218 mg、収率21%)を得た。融点:157
−159 ℃。
【0166】参考例B223 2-[7-クロロ-6-[(4-オキシド-4-フェニル-1-ピペラジニ
ル)メチル]-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-イル]
-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセト
アミドの合成
【化114】 2-[7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フェニル-1-
ピペラジニル)メチル]-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロ
ロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド(1.0
g)のクロロホルム溶液(5 ml)にmCPBA(0.41 g)を加え、
室温で30分間攪拌した。反応液をそのままシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−メタ
ノール−アンモニア水=85:15:1)に付し、2-[7-クロ
ロ-6-[(1-オキシド-4-フェニル-1-ピペラジニル)メチ
ル]-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-
クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド
(参考例B222)を分取したあとの微量成分をさらに
HPLC(CHIRALCEL OD、ヘキサン−エタノール=8:2)で精
製して表題化合物(71 mg、収率7%)を得た。融点:183
−184 ℃。
【0167】参考例B224 2-[7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フェニル-1-
ピペラジニル)メチル]-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロ
ロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド 塩
酸塩の合成
【化115】 2-[6-(ブロモメチル)-7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-2
H-クロメン-3-イル]酢酸(0.41 g)のTHF(10 ml)溶液
にDMF(1滴)およびオギザリルクロリド(0.2ml)を加
え、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下にて濃縮
して得られた残渣をTHF(5 ml)に溶解し、4-クロロ-2-
トリフルオロメチルアニリン(0.14 ml)および水素化
ナトリウム(60%、油性)(44 mg)のTHF(5 ml)懸濁
液に0℃にて滴下した。室温で12時間攪拌したのち反
応液に水を加え生成物を酢酸エチルにて抽出した。抽出
液を1規定塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液
で順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で
溶媒を留去した。得られた2-[6-(ブロモメチル)-7-クロ
ロ-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-イル]-N-(4-ク
ロロ-2-トリフルオロメチルフェニル)アセトアミドの粗
結晶のDMF(10 ml)溶液に1-フェニルピペラジン(0.166
g)と炭酸カリウム(0.285 g)を加え、80℃で30分間攪拌
した。冷却後、反応液を酢酸エチル(5 ml)で希釈し、水
(120 ml)に注ぎ込んだ。生じた沈殿物を濾取し、水(20
ml)、エタノール(10 ml)で順次洗浄した。濾取した結晶
をTHF(6 ml)に溶解したのち、濃塩酸(0.26 ml)を加え、
20分間攪拌した。沈殿物を濾取し、酢酸エチルで洗浄し
て表題化合物(491 mg、収率70%)を得た。融点:238−
239 ℃。
【0168】参考例B225 2-[7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フェニル-1-
ピペラジニル)メチル]-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロ
ロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド メ
タンスルホン酸塩の合成
【化116】 参考例B224と同様にして表題化合物(収率:67%)
を得た。融点:198−204 ℃ (THF-EtOH)。
【0169】参考例B226 2-[7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フェニル-1-
ピペラジニル)メチル]-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロ
ロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミドの合
成(参考例B75の化合物の別途合成法)
【化117】 2-[6-(ブロモメチル)-7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-2
H-クロメン-3-イル]酢酸(0.41 g)のTHF(10 ml)溶液
にDMF(1滴)およびオギザリルクロリド(0.2ml)を加
え、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下にて濃縮
して得られた残渣をTHF(5 ml)に溶解し、4-クロロ-2-
トリフルオロメチルアニリン(0.14 ml)および水素化
ナトリウム(60%、油性)(44 mg)のTHF(5 ml)懸濁
液に0℃にて滴下した。室温で12時間攪拌したのち反
応液に水を加え生成物を酢酸エチルにて抽出した。抽出
液を1規定塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液
で順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下で
溶媒を留去した。得られた2-[6-(ブロモメチル)-7-クロ
ロ-2-オキソ-4-フェニル-2H-クロメン-3-イル]-N-(4-ク
ロロ-2-トリフルオロメチルフェニル)アセトアミドの粗
結晶のDMF(10 ml)溶液に1-フェニルピペラジン(0.166
g)と炭酸カリウム(0.285 g)を加え、80℃で30分間攪拌
した。冷却後、反応液を酢酸エチル(5 ml)で希釈し、水
(120 ml)に注ぎ込んだ。生じた沈殿物を濾取し、水(20
ml)、エタノール(10 ml)で順次洗浄した。濾取した結晶
をTHF(6 ml)に溶解したのち、濃塩酸(0.26 ml)を加え、
20分間攪拌した。沈殿物を濾取し、酢酸エチルで洗浄し
た。濾取した沈殿のエタノール(10 ml)懸濁液に飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)を加え、20分間攪拌し
た。沈殿物を濾取し、水(20 ml)、エタノール(10 ml)で
順次洗浄した。濾取した結晶をTHF(20 ml)に溶解させた
のち、硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下濃縮し
た。得られた残渣をTHF-エタノールから再結晶して表題
化合物を無色結晶(0.431 g、収率63%)として得た。融
点:201−203 ℃。
【0170】参考例A73 [7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フェニルピペラ
ジン-1-イル)メチル]-2H-クロメン-3-イル]酢酸エチル
・塩酸塩の合成
【化118】 窒素気流下に(7-クロロ-6-メチル-2-オキソ-4-フェニ
ル-2H-クロメン-3-イル)酢酸エチル(100 g)、N-ブロ
モコハク酸イミド(59.9 g)、2,2'-アゾビス-2,4-ジメ
チルバレロニトリル(3.48 g)をAcOtBu (700 ml)に
懸濁し、80℃で2時間攪拌した。反応液を冷却し、25℃
以下でトリエチルアミン(34.03 g)を10分で滴下し、
引き続き内温40℃以下でフェニルピペラジン(45.47
g)を15分かけて滴下した。滴下終了後室温で2時間攪拌
した。反応液にエタノール(500 ml)を15分かけて滴下
し、さらに水(200 ml)を15分かけて滴下した。滴下終
了後室温で30分、さらに氷冷下で1時間攪拌した。生じ
た結晶をろ過し、50%エタノールで洗浄して[7-クロロ-
2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フェニルピペラジン-1-イ
ル)メチル]-2H-クロメン-3-イル]酢酸エチルの粗結晶
(100 g:収率69%)を得た。こうして得られた粗結晶
(70 g)をエタノール(280 ml,)およびAcOtBu(280m
l)の混合溶液に懸濁し、40℃で濃塩酸(12.2 ml)を加
えた。40℃で30分攪拌後、室温まで冷却しさらに氷冷
し、1時間攪拌した。生じた結晶をろ過し、50%エタノ
ールで洗浄して表題化合物(72 g:回収率96%)を白色
結晶として得た。 NMR (CDCl3) δ:1.23 (3H, t, J = 7 Hz), 3.20-3.50
(4H, m), 3.41 (2H, s), 3.50-3.65 (2H, m), 3.70-3.9
0 (2H, m), 4.14 (2H, q, J = 7 Hz), 4.20-4.35 (2H,
m), 6.95-7.10 (3H, m), 7.20-7.40 (5H, m), 7.52 (1
H,s), 7.50-7.65(3H,m), 7.80-7.90 (1H, brs).
【0171】参考例A74 [7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フェニルピペラ
ジン-1-イル)メチル]-2H-クロメン-3-イル]酢酸の合成
【化119】 [7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フェニルピペラ
ジン-1-イル)メチル]-2H-クロメン-3-イル]酢酸エチル
・塩酸塩(40 g)をエタノール(120 ml)に懸濁し、2N
水酸化ナトリウム水溶液(144.5 ml)を加えた。70℃
で1時間攪拌して得られた黄色澄明液を、エタノール(4
0 ml)および6N塩酸(49.4 ml)の混合溶液中に45分か
けて滴下した。40℃で反応液を8% 炭酸水素ナトリウム
でpH 5.5〜6.0に調整した。pHが安定した後内温35〜40
℃で15分攪拌し、室温まで冷却し室温で30分攪拌した。
生じた結晶をろ過し、30%エタノールで洗浄して、表題
化合物(34 g:収率96%)を白色結晶として得た。 NMR (CDCl3) δ:2.45-2.70 (2H,m), 2.90-3.25 (3H,
m), 3.39 (2H, s), 3.40-3.85 (4H, m), 4.20-4.40 (2
H, m), 6.80-7.00 (2H, m), 7.10-7.70 (10H,m).
【0172】参考例A75 [6-(ブロモメチル)-7-クロロ-4-(3-クロロフェニル)-2-
オキソ-2H-クロメン-3-イル]酢酸の合成
【化120】 参考例A24と同様にして表題化合物を得た。 NMR (CDCl3) δ:3.36 (1H, d, J = 17 Hz), 3.47 (1H,
d, J = 17 Hz), 4.60(2H, s), 7.07 (1H, s), 7.18 (1
H, m), 7.28 (1H, m), 7.48 (1H, s), 7.55 (2H, m).
【0173】参考例B227 2-[7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フェニル-1-
ピペラジニル)メチル]-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロ
ロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミドの合
成(参考例B75の化合物の別途合成法)
【化121】 [7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フェニルピペラ
ジン-1-イル)メチル]-2H-クロメン-3-イル]酢酸(500
g)をTHF(5 L)およびDMF(5 ml)の混合溶液に懸濁
し、氷冷下5℃以下に冷却した。チオニルクロリド(150
ml)を同温で滴下した。滴下終了後室温に戻し、25〜3
0℃で5時間攪拌した。反応液にトルエン(2 L)を加
え、減圧濃縮した。得られた残渣をTHF(5 L)に懸濁
し、4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)アニリン(250
g)を加え、80℃で5時間還流した。反応液を40℃まで冷
却しアセトン(5 L)、水(2.5 L)を加えた。25%アン
モニア水でpH=7.6に調整し、15〜20℃で30分間攪拌し
た。晶出した結晶を遠心分離器で分離し、アセトンおよ
び水で洗浄して、表題化合物(487g:収率71%)を得
た。融点:201−203 ℃。
【0174】参考例B228〜248 参考例B74と同様にして〔表35〕の化合物を得た。
〔表35〕
【化122】
【表35】
【0175】参考例B249〜268 参考例B74と同様にして〔表36〕の化合物を得た。 〔表36〕
【化123】
【表36】
【0176】参考例B269〜271 参考例B74と同様にして〔表37〕の化合物を得た。 〔表37〕
【化124】
【表37】
【0177】参考例B272〜273 参考例B74と同様にして〔表38〕の化合物を得た。 〔表38〕
【化125】
【表38】
【0178】参考例B274〜276 参考例B74と同様にして〔表39〕の化合物を得た。 〔表39〕
【化126】
【表39】
【0179】参考例B277〜283 参考例B203と同様にして〔表40〕の化合物を得
た。 〔表40〕
【化127】
【表40】
【0180】参考例A76〜87 参考例A13と同様にして〔表41〕の化合物を得た。 〔表41〕
【化128】
【表41】
【0181】参考例B284〜307 参考例B15と同様にして〔表42〕の化合物を得た。 〔表42〕
【化129】
【表42】
【0182】参考例B308 (2E)-3-[3-[7-クロロ-3-(2-[[4-クロロ-2-(トリフルオ
ロメチル)フェニル]アミノ]-2-オキソエチル)-6-メチル
-2-オキソ-2H-クロメン-4-イル]フェニル]-2-プロペン
酸メチルの合成
【化130】 2-[4-(3-ブロモフェニル)-7-クロロ-6-メチル-2-オキソ
-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメ
チル)フェニル]アセトアミド(500 mg)のDMF(5 ml)
溶液にアルゴン雰囲気下、アクリル酸メチル(0.14 m
l)、トリエチルアミン(0.21 ml)、Pd(OAc)2(5 m
g)、トリフェニルホスフィン(10 mg)を加え、120℃
で3時間加熱した。反応終了後水を加え、酢酸エチルに
て抽出した。抽出液を水洗し、硫酸マグネシウムにて乾
燥後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=2:1)
にて精製し、さらにTHF−酢酸エチルから再結晶して、
表題化合物を無色結晶(333 mg、収率 67%)として得
た。融点:202−204℃。
【0183】参考例B309 (2E)-3-[3-[7-クロロ-3-(2-[[4-クロロ-2-(トリフルオ
ロメチル)フェニル]アミノ]-2-オキソエチル)-6-メチル
-2-オキソ-2H-クロメン-4-イル]フェニル]-2-プロペン
酸の合成
【化131】 (2E)-3-[3-[7-クロロ-3-(2-[[4-クロロ-2-(トリフルオ
ロメチル)フェニル]アミノ]-2-オキソエチル)-6-メチル
-2-オキソ-2H-クロメン-4-イル]フェニル]-2-プロペン
酸エチル(200 mg)のエタノール(5 ml)およびTHF(2
ml)の混合溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(3 m
l)を加え、室温で4時間攪拌した。1N塩酸(10 ml)
を加えた後酢酸エチルにて抽出した。抽出液を水洗し、
硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮した。得られた粗結
晶をTHF−酢酸エチルから再結晶して表題化合物を無色
結晶(137 mg、収率 70%)として得た。融点:191−194
℃。
【0184】参考例B310 2-[4-(3-アミノフェニル)-7-クロロ-6-メチル-2-オキソ
-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメ
チル)フェニル]アセトアミドの合成
【化132】 2-[7-クロロ-6-メチル-4-(3-ニトロフェニル)-2-オキソ
-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメ
チル)フェニル]アセトアミド(300 mg)のエタノール
(2 ml)およびTHF(5 ml)の混合溶液にラネーニッケ
ル(50 mg)を加え、水素雰囲気下、室温で5時間攪拌し
た。触媒を濾去した後、反応液を濃縮した。得られた残
渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン−酢酸エチル=2:1)にて精製し、さらにTHF−酢
酸エチルから再結晶して、表題化合物を無色結晶(166
mg、収率 59%)として得た。融点:206−207℃。
【0185】参考例B311〜316 参考例B1と同様にして〔表43〕の化合物を得た。 〔表43〕
【化133】
【表43】
【0186】参考例A88〜93 参考例A13と同様にして〔表44〕の化合物を得た。 〔表44〕
【化134】
【表44】
【0187】参考例B317〜328 参考例B15と同様にして〔表45〕の化合物を得た。 〔表45〕
【化135】
【表45】
【0188】参考例A94 (4-クロロ-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)(ピリジン-
3-イル)メタノン
【化136】 3-ピリジンカルボアルデヒド(2.2 g)のTHF溶液(50 m
l)に、1-ブロモ-4-クロロ-2-メトキシ-5-メチルベンゼ
ン(5.0 g)、マグネシウム(0.8 g)より調整したGrig
nard試薬のTHF溶液(50 ml)を0℃で滴下し、1時間攪拌
した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢
酸エチルにて抽出した。抽出液を水洗後、硫酸マグネシ
ウムにて乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣は精
製することなく次の工程に用い、トルエン(150 ml)、
二酸化マンガン(15 g)を加えてDeen-Starkを用いて脱
水しながら1時間還留加熱した。反応終了後、反応液を
セライトを用いて濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得
られた残渣に塩化メチレン(50 ml)、1N BBr3/塩化メ
チレン(60 ml)溶液を加えて室温で1晩攪拌した。反
応終了後、水を加え、減圧下で溶媒を留去した。得られ
た残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し
た後、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を水洗後、硫酸
マグネシウムにて乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた
残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒:酢酸エチル)にて
精製して表題化合物を油状物(2.4g)とし得た。 NMR (CDCl3) δ:2.28 (3H, s), 7.14 (1H, s), 7.37
(1H, s), 7.50 (1H, dd,J = 8 Hz, 4 Hz), 8.00 (1H,
m), 8.84 (1H, dd, J=4Hz, 2H), 8.90 (1H, d, J=2Hz),
11.75 (1H,s)。
【0189】参考例A95 (7-クロロ-6-メチル-2-オキソ-4-ピリジン-3-イル-2H-
クロメン-3-イル)酢酸・塩酸塩の合成
【化137】 参考例A13と同様にして表題化合物(収率:67%)
を得た。融点:279−281℃(メタノール)。
【0190】参考例A96 [4-クロロ-2-ヒドロキシ-5-[(4-フェニルピペラジン-1-
イル) メチル] フェニル]( ピリジン-3-イル) メタノン
の合成
【化138】 参考例A93と同様にして表題化合物(収率:63%)
を得た。 NMR (CDCl3) δ:2.65 (4H, t, J = 5 Hz), 3.14 (4H,
t, J = 5 Hz ), 3.59 (2H, s), 6.80-9.00 (12H, m)。
【0191】参考例A97 [7-クロロ-2-オキソ-6-[(4-フェニルピペラジン-1-イ
ル)メチル]-4-ピリジン-3-イル-2H-クロメン-3-イル]酢
酸エチルの合成
【化139】 参考例A21と同様にして表題化合物(収率:22%)
を得た。融点:153−157℃(酢酸エチル−イソプロピル
エーテル)。
【0192】参考例A98 [7-クロロ-6-メチル-2-オキソ]-4-ピリジン-3-イル-2H-
クロメン-3-イル]酢酸エチルの合成(参考例A21の化
合物の別途合成法)
【化140】 (4-クロロ-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)(フェニル)
メタノン(130 g)をアセトニトリル(325 ml)に懸濁
し、室温でDBU(217 g)を加えた。約40℃に加熱し、反
応温度を40〜45℃に保ちながらエチルコハク酸クロリド
(147 g)のアセトニトリル(234 ml)溶液を滴下し
た。滴下終了後、40〜45℃で30分攪拌した。水を加え、
40℃で30分攪拌し、室温まで冷却しさらに氷冷下内温0
〜5℃で1時間攪拌した。析出した結晶を濾過し、冷CH3C
N−H2O=3:2 で洗浄して表題化合物を微茶白色結晶(140
g:収率74%)として得た。 NMR (CDCl3) δ:1.23 (3H, t, J=7 Hz), 2.28 (2H,
s), 3.36 (2H, s), 4.13 (2H, t, J=7 Hz), 6.84 (1H,
s), 7.20-7.35 (2H, m), 7.41 (1H, s), 7.45-7.60(3H,
m)。
【0193】参考例B329〜330 参考例B15と同様にして〔表46〕の化合物を得た。 〔表46〕
【化141】
【表46】
【0194】参考例B331 2-[7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フェニル-1-
ピペラジニル)メチル]-2H-クロメン-3-イル]-N-(4-ヒド
ロキシ-2,3,5-トリメチルフェニル)アセトアミドの合成
【化142】 2-[7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル-6-[(4-フェニル-1-
ピペラジニル)メチル]-2H-クロメン-3-イル]-N-(4-ヒド
ロキシ-2,3,5-トリメチルフェニル)酢酸(200 mg)のDM
F(2 ml)溶液に、4-アミノ-2,3,6-トリメチルフェノ
ール(68 mg)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド(118 mg)、1-ヒドロキシベンゾト
リアゾール(83 mg)を加え、室温で一夜攪拌した。反
応液に水を加え生じた沈殿を濾取した。得られた粗結晶
をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン
−酢酸エチル=1:1)にて精製し、さらに酢酸エチル
から再結晶して、表題化合物を無色結晶(84 mg、収率
33%)として得た。融点:193℃(decomp.)。
【0195】参考例B332〜333 参考例B331と同様にして〔表47〕の化合物を得
た。 〔表47〕
【化143】
【表47】
【0196】参考例B334 2-[7-クロロ-2-オキソ-6-[(4-フェニル-1-ピペラジニ
ル)メチル]-4-(3-ピリジニル)-2H-クロメン-3-イル]-N-
[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトア
ミドの合成
【化144】 7-クロロ-2-オキソ-6-[(4-フェニル-1-ピペラジニル)メ
チル]-4-(3-ピリジニル)-2H-クロメン-3-イル]酢酸エチ
ル(500 mg, 0.97 mmol)のエタノール(10 ml)懸濁液に、
2規定水酸化ナトリウム水溶液(1.5 ml)を加え、70℃で
1時間加熱攪拌した。放冷後、1規定塩酸(3 ml)を加
え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中性に調整した。
溶媒を減圧下留去し、残渣をトルエンと共沸し水分を除
去した。得られた黄色粉末(350 mg)にTHF(5 ml), DMF(1
drop), 塩化チオニル(0.22 ml)を加え、室温で2時間
攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣にTHF(15 ml), 2
−アミノ−5−クロロベンゾトリフルオリド(0.38 ml,
2.1 mmol)を加えて、80℃で15時間攪拌した。放冷後塩
化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。
抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:
ヘキサン−酢酸エチル=1:1)にて精製し、さらに酢
酸エチル−イソプロピルエーテルから再結晶して表題化
合物を無色結晶(102 mg、収率 21%)として得た。融
点:214−216 ℃。
【0197】参考例B335 2-[7-クロロ-2-オキソ-6-[(4-フェニル-1-ピペラジニ
ル)メチル]-4-(3-ピリジニル)-2H-クロメン-3-イル]-N-
[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセト
アミドの合成
【化145】 参考例B334と同様にして表題化合物(収率 21%)を
得た。融点:202−205℃(酢酸エチル−イソプロピルエ
ーテル)。
【0198】参考例B336から337 参考例B308と同様にして〔表48〕の化合物を得
た。 〔表48〕
【化146】
【表48】
【0199】参考例B338 3-[3-[7-クロロ-3-(2-[[4-クロロ-2-(トリフルオロメチ
ル)フェニル]アミノ]-2-オキソエチル)-6-メチル-2-オ
キソ-2H-クロメン-4-イル]フェニル]-2-プロピオン酸エ
チルの合成
【化147】 (2E)-3-[3-[7-クロロ-3-(2-[[4-クロロ-2-(トリフルオ
ロメチル)フェニル]アミノ]-2-オキソエチル)-6-メチル
-2-オキソ-2H-クロメン-4-イル]フェニル]-2-プロペン
酸エチル(138 mg)のエタノール(5 ml)、THF(2 m
l)の混合溶液にラネーニッケル(約100 mg)を加え、
水素雰囲気下、室温で4時間攪拌した。セライトを用い
て触媒を除去した後、濾液を濃縮した。得られた残渣を
シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−
酢酸エチル=2:1)にて精製し、酢酸エチルから再結
晶して表題化合物を無色結晶(131 mg、収率 95%)とし
て得た。融点:116℃ (decomp.)。
【0200】参考例B339から340 参考例B309と同様にして〔表49〕の化合物を得
た。 〔表49〕
【化148】
【表49】
【0201】 実施例1 参考例B75の化合物 0.2g ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト 1.8g 合計 2.0g 参考例B75の化合物(0.2g)を塩化メチレン(24mL)
およびエタノール(16mL)に溶解し、これにヒドロキシ
プロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(HP-50、信越化
学工業社製、1.8g)を加えて溶解し、スプレードライヤ
(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去した。生成
物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B7
5の化合物の固体分散物(1.4g)を得た。
【0202】 実施例2 参考例B75の化合物 0.2g ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト 1.6g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B75の化合物(0.2g)を塩化メチレン(24mL)
およびエタノール(16mL)に溶解し、これにヒドロキシ
プロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(HP-50、信越化
学工業社製、1.6g)を加えて溶解した。この溶液に乳糖
(0.2g)を加えて均一に懸濁し、次いでスプレードライ
ヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去した。生
成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B
75の化合物の固体分散物(1.4g)を得た。
【0203】 実施例3 参考例B75の化合物 0.4g ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト 1.4g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B75の化合物(0.4g)を塩化メチレン(24mL)
およびエタノール(16mL)に溶解し、これにヒドロキシ
プロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(HP-50、信越化
学工業社製、1.4g)を加えて溶解した。この溶液に乳糖
(0.2g)を加えて均一に懸濁し、次いでスプレードライ
ヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去した。生
成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B
75の化合物の固体分散物(1.4g)を得た。
【0204】 実施例4 参考例B75の化合物 0.6g ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト 1.2g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B75の化合物(0.6g)を塩化メチレン(24mL)
およびエタノール(16mL)に溶解し、これにヒドロキシ
プロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(HP-50、信越化
学工業社製、1.2g)を加えて溶解した。この溶液に乳糖
(0.2g)を加えて均一に懸濁し、次いでスプレードライ
ヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去した。生
成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B
75の化合物の固体分散物(1.4g)を得た。
【0205】 実施例5 参考例B75の化合物 0.2g オイドラギット 1.8g 合計 2.0g 参考例B75の化合物(0.2g)を塩化メチレン(24mL)
およびエタノール(16mL)に溶解し、これにオイドラギ
ット(L-100-55、ローム社製、1.8g)を加えて溶解し、
スプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒
を溜去した。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥
して、参考例B75の化合物の固体分散物(1.4g)を得
た。
【0206】 実施例6 参考例B75の化合物 0.2g オイドラギット 1.6g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B75の化合物(0.2g)を塩化メチレン(24mL)
およびエタノール(16mL)に溶解し、これにオイドラギ
ット(L-100-55、ローム社製、1.6g)を加えて溶解し
た。この溶液に乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁し、次
いでスプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機
溶媒を溜去した。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間
乾燥して、参考例B75の化合物の固体分散物(1.4g)
を得た。
【0207】 実施例7 参考例B75の化合物 0.4g オイドラギット 1.4g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B75の化合物(0.4g)を塩化メチレン(24mL)
およびエタノール(16mL)に溶解し、これにオイドラギ
ット(L-100-55、ローム社製、1.4g)を加えて溶解し
た。この溶液に乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁し、次
いでスプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機
溶媒を溜去した。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間
乾燥して、参考例B75の化合物の固体分散物(1.4g)
を得た。
【0208】 実施例8 参考例B75の化合物 0.6g オイドラギット 1.2g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B75の化合物(0.6g)を塩化メチレン(24mL)
およびエタノール(16mL)に溶解し、これにオイドラギ
ット(L-100-55、ローム社製、1.2g)を加えて溶解し
た。この溶液に乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁し、次
いでスプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機
溶媒を溜去した。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間
乾燥して、参考例B75の化合物の固体分散物(1.4g)
を得た。
【0209】試験例1 溶解度測定試験 (1)試験試料 (A)実施例2の固体分散体。 (B)対照として参考例B75の化合物それ自体の結
晶。 (2)試験法 常法に従い、参考例B75の化合物の第十三改正日本薬
局法第2液(pH6.8)における溶解度を測定した。
即ち、遠沈管に第十三改正日本薬局法第2液(pH6.
8)10mL入れ、これに上記の試験試料(参考例B7
5の化合物を20mg含有する)を添加し、室温で振と
うした。振とうを続けて3時間後に、ポアサイズ0.4
5μmのメンブランフィルターでろ過した。濾液中の参
考例B75の化合物の溶解量をHPLCで測定した。 (3)試験結果
【表50】
【0210】試験例2 溶出試験 (1)試験試料 (A)対照として参考例B75の化合物それ自体の結
晶。 (B)実施例2の固体分散体。 (C)実施例3の固体分散体。 (D)実施例7の固体分散体。 (E)実施例8の固体分散体。 (2)試験法 試験液として第十三改正日本薬局法の溶出試験第2法
(パドル法)に従って第十三改正日本薬局法第2液50
0mLを使用して100mgに対して試験を行ない、1
00rpmでの各溶出試験開始からの一定時間後の溶出
液を測定した。 (3)試験結果 参考例B75の化合物の固体分散体の溶出率を下記の表
51に示す。
【表51】
【0211】試験例3 バイオアベラビリティ試験 (1)試験試料 (A)対照として参考例75Bの化合物それ自体の結
晶。 (B)実施例2の固体分散体。 (C)実施例3の固体分散体。 (D)実施例4の固体分散体。 (E)実施例5の固体分散体。 (F)実施例8の固体分散体。 (2)試験法 参考例B75の化合物の固体分散体を含む上記試料(10
mg/kg)を自由摂食させた生後9週令のIGS/SD雄性ラット
に経口投与した。参考例75Bの化合物の血漿中濃度を
高性能液体クロマトグラフィ−により、投与後、1、2,
4,8,24時間後に測定した。 (3)試験結果 参考例B75の化合物の固体分散体および結晶の血漿中
濃度を下記の表52に示す。
【表52】
【0212】 実施例9 参考例B53の化合物 0.2g ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト 1.6g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B53の化合物(0.2g)を塩化メチレン(24mL)
およびエタノール(16mL)に溶解し、これにヒドロキシ
プロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(HP-50、信越化
学工業社製、1.6g)を加えて溶解した。この溶液に乳糖
(0.2g)を加えて均一に懸濁し、次いでスプレードライ
ヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去した。生
成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参考例B
53の化合物の固体分散物(1.4g)を得た。
【0213】 実施例10 参考例B53の化合物 1.5g ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト 3.15g ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール 0.25g ラウリル硫酸ナトリウム 0.1g 合計 5.0g 参考例B53の化合物(1.5g)を塩化メチレン(60mL)
およびエタノール(40mL)に溶解し、これにヒドロキシ
プロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(HP-50、信越化
学工業社製、3.15g)とポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレングリコール(PEP-101、フロイント産業社
製、0.25g)およびラウリル硫酸ナトリウム(和光純薬
社製、0.1g)を加えて溶解した。次いでスプレードラ
イヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去した。
生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参考例
B53の化合物の固体分散物(3.0g)を得た。
【0214】 実施例11 参考例B53の化合物 1.5g オイドラギット 3.15g ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール 0.25g ラウリル硫酸ナトリウム 0.1g 合計 5.0g 参考例B53の化合物(1.5g)を塩化メチレン(60mL)
およびエタノール(40mL)に溶解し、これにオイドラギ
ット(L-100-55、ローム社製、3.15g)とポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレングリコール(PEP-101、フ
ロイント産業社製、0.25g)およびラウリル硫酸ナトリ
ウム(和光純薬社製、0.1g)を加えて溶解した。次い
でスプレードライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶
媒を溜去した。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾
燥して、参考例B53の化合物の固体分散物(3.0g)を
得た。
【0215】試験例4 バイオアベラビリティ試験 (1)試験試料 (A)対照として参考例B53の化合物それ自体の結
晶。 (B)実施例9の固体分散体。 (C)実施例10の固体分散体。 (D)実施例11の固体分散体。 (2)試験法 参考例B53の化合物の固体分散体を含む上記試料(10
mg/kg)を自由摂食させた生後9週令のIGS/SD雄性ラット
に経口投与した。参考例B53の化合物の血漿中濃度を
高性能液体クロマトグラフィ−により、投与後、1、2,
4,8,24時間後に測定した。 (3)試験結果 参考例B53の化合物の固体分散体および結晶の血漿中
濃度を下記の表53に示す。
【表53】
【0216】 実施例12 参考例B292の化合物 0.2g ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト 1.6g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B292の化合物(0.2g)を塩化メチレン(24m
L)およびエタノール(16mL)に溶解し、これにヒドロ
キシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(HP-55、信
越化学工業社製、1.6g)を加えて溶解した。この溶液に
乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁し、次いでスプレード
ライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去し
た。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参
考例B292の化合物の固体分散物(1.4g)を得た。
【0217】 実施例13 参考例B323の化合物 0.2g ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト 1.6g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B323の化合物(0.2g)を塩化メチレン(24m
L)およびエタノール(16mL)に溶解し、これにヒドロ
キシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(HP-55、信
越化学工業社製、1.6g)を加えて溶解した。この溶液に
乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁し、次いでスプレード
ライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去し
た。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参
考例B323の化合物の固体分散物(1.4g)を得た。
【0218】 実施例14 参考例B321の化合物 0.2g ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト 1.6g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B321の化合物(0.2g)を塩化メチレン(24m
L)およびエタノール(16mL)に溶解し、これにヒドロ
キシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(HP-55、信
越化学工業社製、1.6g)を加えて溶解した。この溶液に
乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁し、次いでスプレード
ライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去し
た。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参
考例B321の化合物の固体分散物(1.4g)を得た。
【0219】 実施例15 参考例B305の化合物 0.2g ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト 1.6g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B305の化合物(0.2g)を塩化メチレン(24m
L)およびエタノール(16mL)に溶解し、これにヒドロ
キシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(HP-55、信
越化学工業社製、1.6g)を加えて溶解した。この溶液に
乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁し、次いでスプレード
ライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去し
た。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参
考例B305の化合物の固体分散物(1.4g)を得た。
【0220】 実施例16 参考例B299の化合物 0.2g ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト 1.6g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B299の化合物(0.2g)を塩化メチレン(24m
L)およびエタノール(16mL)に溶解し、これにヒドロ
キシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(HP-55、信
越化学工業社製、1.6g)を加えて溶解した。この溶液に
乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁し、次いでスプレード
ライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去し
た。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参
考例B299の化合物の固体分散物(1.4g)を得た。
【0221】 実施例17 参考例B336の化合物 0.2g ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト 1.6g 乳糖 0.2g 合計 2.0g 参考例B336の化合物(0.2g)を塩化メチレン(24m
L)およびエタノール(16mL)に溶解し、これにヒドロ
キシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(HP-55、信
越化学工業社製、1.6g)を加えて溶解した。この溶液に
乳糖(0.2g)を加えて均一に懸濁し、次いでスプレード
ライヤ(ヤマト科学社製)を用いて有機溶媒を溜去し
た。生成物を真空乾燥機で減圧下に14時間乾燥して、参
考例B336の化合物の固体分散物(1.4g)を得た。
【0222】試験例5 バイオアベラビリティ試験 (1)試験試料 (A)対照として参考例B292の化合物それ自体の結
晶。 (B)実施例12の固体分散体。 (C)対照として参考例B323の化合物それ自体の結
晶。 (D)実施例13の固体分散体。 (E)対照として参考例B321の化合物それ自体の結
晶。 (F)実施例14の固体分散体。 (2)試験法 参考例B292、参考例B323および参考例B321
の化合物の固体分散体を含む上記試料(10mg/kg)を自
由摂食させた生後9週令のIGS/SD雄性ラットに経口投与
した。参考例B292、参考例B323および参考例B
321の化合物の血漿中濃度を高性能液体クロマトグラ
フィ−により、投与後、1、2,4,8,24時間後に測定し
た。 (3)試験結果 参考例B292、参考例B323および参考例B321
の化合物の固体分散体および結晶の血漿中濃度を下記の
表54に示す。
【表54】
【0223】 実施例18 (1)実施例1の固体分散体 50mg (2)ラクトース 34mg (3)トウモロコシ澱粉 10.6mg (4)トウモロコシ澱粉(のり状) 5mg (5)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg (6)カルボキシメチルセルロースカルシウム 20mg 計 120mg 常法に従い上記(1)〜(6)を混合し、打錠機により
打錠し、錠剤を得る。実施例1の固体分散体に代えて、
実施例2〜17の固体分散体をそれぞれ用いて、錠剤を
得ることができる。
【0224】
【発明の効果】本発明の固体分散体は、水難溶性ないし
不溶性のリピド・リッチ・プラーク退縮物質の溶解性、
経口吸収性または(および)血液中への吸収性が著しく
改善されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/32 A61K 47/32 47/36 47/36 47/38 47/38 A61P 7/02 A61P 7/02 9/00 9/00 9/04 9/04 9/10 9/10 43/00 123 43/00 123 (72)発明者 松本 行浩 兵庫県神戸市中央区熊内町4−12−4− 607 Fターム(参考) 4C076 AA31 AA37 AA41 AA45 BB05 CC11 CC13 CC41 CC42 DD67 EE13 EE16 EE23 EE31 EE38 FF02 FF06 FF09 FF33 FF34 FF68 GG09 GG12 GG14 4C086 AA01 AA02 BA19 GA02 GA07 GA12 MA02 MA03 MA05 MA52 NA11 NA13 NA15 ZA36 ZA40 ZA54

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ
    ・プラーク退縮物質を含有してなる、該リピド・リッチ
    ・プラーク退縮物質の水溶解性が改善された医薬組成
    物。
  2. 【請求項2】 固体分散体である請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 水難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ
    ・プラーク退縮物質および親水性重合体を含有する請求
    項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 リピド・リッチ・プラーク退縮物質が非
    晶形である請求項1または2記載の組成物。
  5. 【請求項5】 親水性重合体がセルロース誘導体、ポリ
    アルケニルピロリドン、ポリアルキレングリコールまた
    はメタアクリル酸コポリマーである請求項3記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 親水性重合体が腸溶性重合体である請求
    項3記載の組成物。
  7. 【請求項7】 親水性重合体がヒドロキシプロピルメチ
    ルセルロースフタレ−トである請求項3記載の組成物。
  8. 【請求項8】 親水性重合体がメタアクリル酸とアクリ
    ル酸エチルの共重合体またはメタアクリル酸とメタアク
    リル酸メチルの共重合体である請求項3記載の組成物。
  9. 【請求項9】 さらに乳糖を含む請求項1記載の組成
    物。
  10. 【請求項10】 水難溶性ないし不溶性のリピド・リッ
    チ・プラーク退縮物質が、25℃で水に対する溶解度が
    10mg/mL未満のリピド・リッチ・プラーク退縮物
    質である請求項1記載の組成物。
  11. 【請求項11】 水難溶性ないし不溶性のリピド・リッ
    チ・プラーク退縮物質が、式〔I〕 【化1】 〔式中、A環は置換基を有していてもよい環式炭化水素
    または置換基を有していてもよい複素環を;B環は5員
    または6員の同素または複素環を;XおよびYは、それ
    ぞれ−NR1−(R1は水素原子、置換基を有していても
    よい炭化水素基、置換基を有していてもよいヒドロキシ
    ル基または置換基を有していてもよいアミノ基を示
    す)、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−C(R
    2)R2a−(R2およびR2aはそれぞれ水素原子、ヒドロ
    キシル基または置換基を有していてもよい炭化水素基を
    示す)、−N=または=CR3−(R3は水素原子、ハロ
    ゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換
    基を有していてもよいヒドロキシル基または置換基を有
    していてもよい炭化水素基で置換されていてもよいメル
    カプト基を示す)を;Dはオキソ基またはチオキソ基で
    置換されていてもよいC1- 3アルキレン基、−NH−ま
    たは−CH2NH−を;Eは−NR4−(R4は水素原子
    または置換基を有していてもよい炭化水素基を示
    す、)、−O−、−S(O)n−(nは0、1または2
    を示す)または−CONR5−(R5は水素原子または置
    換基を有していてもよい炭化水素基を示す)を;Gは結
    合手またはC1-3アルキレン基を;Arは置換基を有し
    ていてもよいアリール基または置換基を有していてもよ
    い複素環基を示し、DはB環の構成原子と一緒になって
    オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよい5員
    ないし7員環を形成してもよく、R4はB環の構成原子
    と一緒になってオキソ基またはチオキソ基で置換されて
    いてもよい5員ないし7員環を形成してもよく、B環は
    −D−E−G−Ar以外にさらに置換基を有していても
    よい。〕で表わされる化合物もしくはその塩またはその
    プロドラッグである請求項1記載の組成物。
  12. 【請求項12】 水難溶性ないし不溶性のリピド・リッ
    チ・プラーク退縮物質が、式〔V〕 【化2】 〔式中、R10およびR11はそれぞれ水素原子、ハロゲン
    原子、置換基を有していてもよい鎖状炭化水素基または
    置換基を有していてもよい鎖状炭化水素基で置換されて
    いてもよいヒドロキシル基を、または一緒になって隣接
    する炭素原子とともに置換基を有していてもよい環状炭
    化水素またはオキソ化されていてもよいジヒドロフラン
    環を形成していてもよく、I環は置換基を有していても
    よいベンゼン環または置換基を有していてもよいピリジ
    ン環を、J環は置換基を有していてもよいベンゼン環ま
    たはピリジン環を示す。〕で表される化合物もしくはそ
    の塩またはそのプロドラッグである請求項1記載の組成
    物。
  13. 【請求項13】 水難溶性ないし不溶性のリピド・リッ
    チ・プラーク退縮物質が(i) 2−〔6−クロロ−2−オ
    キソ−4−(2−メチルフェニル)−2H−クロメン−
    3−イル〕−N−(2,6−ジメトキシフェニル)アセ
    トアミド、(ii) N−(2,6−ジメトキシフェニル)−
    N’−〔3−(2−メチルフェニル)−6,7−ジヒドロ
    −5H−インデノ[5,6-b]フラン−2−イル〕尿素、(ii
    i) N−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニ
    ル)−2−(2−オキソ−4−フェニル−2,6,7,8
    −テトラヒドロシクロペンタ[g]クロメン−3−イル)
    アセトアミド、(iv) 2-{7-クロロ-2-オキソ-4-フェニル
    -6-[(4-フェニル-1-ピペラジニル)メチル]-2H-クロメン
    -3-イル}-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニ
    ル]アセトアミド、(v) 2-[7-クロロ-4-(3-クロロフェニ
    ル)-6-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-ク
    ロロ-2-(トリフルオロメチル) フェニル]アセトアミ
    ド、(vi) 2-[7-クロロ-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニ
    ル)-6-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-
    クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミ
    ド、(vii) 2-(7-クロロ-6-フルオロ-2-オキソ-4-フェニ
    ル-2H-クロメン-3-イル)-N-[4-フルオロ-2-(トリフル
    オロメチル)フェニル]アセトアミド、(viii) (2E)-3-[3
    -[7-クロロ-3-[2-[[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)
    フェニル]アミノ]-2-オキソエチル]-6-メチル-2-オキソ
    -2H-クロメン-4-イル]フェニル]-2-プロペン酸メチ
    ル、(ix) 2-[4-(3-クロロフェニル)-6,7-ジメチル-2-
    オキソ-2H-クロメン-3-イル]-N-[4-クロロ 2-(トリフ
    ルオロメチル)フェニル]アセトアミド、(x) 2-[6-クロ
    ロ-4-(3-クロロフェニル)-7-メチル-2-オキソ-2H-クロ
    メン-3-イル]-N-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フ
    ェニル]アセトアミド、(xi) (2E)-3-[3-[7-クロロ-3-[2
    -[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミ
    ノ]-2-オキソエチル]-6-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-
    4-イル]フェニル]-2-プロペン酸エチル、(xii) (2E)-3-
    [3-[7-クロロ-3-[2-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチ
    ル)フェニル]アミノ]-2-オキソエチル]-6-メチル-2-オ
    キソ-2H-クロメン-4-イル]フェニル]-2-プロペン酸もし
    くはその塩またはそのプロドラッグである請求項1記載
    の組成物。
  14. 【請求項14】 水難溶性ないし不溶性のリピド・リッ
    チ・プラーク退縮物質と親水性重合体との重量比が1:
    1〜1:20である請求項3記載の組成物。
  15. 【請求項15】 水難溶性ないし不溶性のリピド・リッ
    チ・プラーク退縮物質と親水性重合体との重量比が1:
    3〜1:5である請求項3記載の組成物。
  16. 【請求項16】 リピド・リッチ・プラーク退縮剤であ
    る請求項1記載の組成物。
  17. 【請求項17】 急性冠動脈症候群、急性心筋梗塞、不
    安定狭心症または末梢動脈閉塞症の予防・治療剤である
    請求項1記載の組成物。
  18. 【請求項18】 水難溶性ないし不溶性のリピド・リッ
    チ・プラーク退縮物質および親水性重合体を含む有機溶
    媒の懸濁液または溶液から有機溶媒を除去することを特
    徴とする水難溶性ないし不溶性のリピド・リッチ・プラ
    ーク退縮物質および親水性重合体を含有する固体分散体
    の製造法。
  19. 【請求項19】 請求項2記載の固体分散体を含有して
    なる医薬製剤。
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