JP2002239882A - 眼鏡用レンズ及び同レンズの加工方法 - Google Patents
眼鏡用レンズ及び同レンズの加工方法Info
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Abstract
分の欠点を改良した眼鏡用レンズ及び同レンズの加工方
法を提供すること。 【解決手段】 眼鏡のフレーム形状に対応したレンズ有
効領域11を備えるとともに同レンズ有効領域11の周
囲であってレンズ裏面側には同レンズ有効領域11と連
続的な3次元曲面を面取り部12として形成し、同面取
り部12の外周には前記フレーム内に嵌合させるために
カット加工を施すカット部13を形成したものである。
Description
同レンズの加工方法に関するものである。
膜やマルチ膜などの表面コーティングを施したレンズの
周囲を図7に示すようにフレームに合わせて切り取り線
pで示すようにカットし(これを玉型をカットするとい
う)、その後図8に示すように面取り加工を施すように
している。純粋に視力矯正の点からすればレンズ有効領
域51より外側の部分は表面寄りの斜めに光がレンズ有
効領域51に到達する部分(表面寄り部分)以外は不要
であるが、実際にはフレームに装着する部分を残す必要
がある。そのため図7のSで示す部分は残す必要がある
もののあまりに残した部分が角張るのはレンズの美観の
点からも好ましくないため図8のように明らかに不要と
いえる部分に面取り加工を施すわけである。また、物理
的にも角張っていると欠損の原因となってしまうからで
もある。
によって研磨された面取り面52は擦りガラス状とされ
てしまう。特に近視矯正用の凹レンズでは眼鏡使用者と
対面している第三者から見た場合には面取り面52がレ
ンズ効果によって特に斜めの角度から見た場合に大きく
拡大され眼鏡の厚みを強調するような効果を与えてしま
う。そのため特に厚いレンズを使用している眼鏡使用者
には自分と対面している第三者にいかにも厚いレンズを
使用しているという印象を与え、あまり好ましいもので
はなかった。また、レンズ有効領域51と面取り面52
とは不連続面となるためその境界線が目立ち、やはり同
様の効果を与える原因となっていた。更に、表面コーテ
ィングを施したレンズに面取り加工を施すと境界付近に
おける表面コーティングの剥がれ(いわゆる膜はげ)が
生じ、レンズ自体の美観はやはり損なわれる。本発明
は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して
なされたものである。その目的は、レンズ有効領域の外
側に設けられる面取り部分の欠点を改良した眼鏡用レン
ズ及び同レンズの加工方法を提供することにある。
めに請求項1の発明では、眼鏡のフレーム形状に対応し
たレンズ有効領域を備えるとともに同レンズ有効領域の
周囲であってレンズ裏面側には同レンズ有効領域と連続
的な3次元曲面を面取り部として形成し、同面取り部の
外周には前記フレーム内に嵌合させるためにカット加工
を施すカット部を形成したことをその要旨とする。また
請求項2の発明では、少なくとも裏面にマイナス度数を
有する眼鏡用レンズにおいて、眼鏡のフレーム形状に対
応したレンズ有効領域を備えるとともに同レンズ有効領
域の周囲であってレンズ裏面側には同レンズ有効領域と
連続的な3次元曲面を面取り部として形成し、同面取り
部の外周には前記フレーム内に嵌合させるためにカット
加工を施すカット部を形成したことをその要旨とする。
定された矯正視力を得るために材料ブロック裏面に所定
の曲率でレンズ有効領域を加工する第1のレンズ加工工
程と、 同第1のレンズ加工工程によって加工された前
記レンズ有効領域の外周に同レンズ有効領域と連続的な
3次元曲面を面取り部として加工する第2のレンズ加工
工程とを備えたことを特徴とする眼鏡用レンズの加工方
法。また請求項4の発明では請求項3の発明の構成に加
え、眼鏡のフレーム形状情報に基づいて同フレームに対
応したレンズの外形輪郭加工をする第3のレンズ加工工
程とを備えたことをその要旨とする。また請求項5の発
明では請求項3又は4の発明の構成に加え、前記第2の
レンズ加工工程は前記第1のレンズ加工工程と同時に行
われるようにしたことをその要旨とする。また請求項6
の発明では請求項3〜5のいずれかの発明の構成に加
え、前記第2のレンズ加工工程の後にレンズの表面コー
ティングを施すようにしたことをその要旨とする。これ
らのように構成すると、レンズ有効領域の外側に擦りガ
ラス状ではなくまた、継ぎ目もない面取り部が形成され
ることとなる。また上記作用に加えて請求項5の発明で
は、レンズの裏面に所定の曲率でレンズ有効領域の加工
を施す際に併せて面取り加工も行うことができる。また
上記作用に加えて請求項6の発明では、特にレンズの表
面コーティングを施す場合には面取り加工となる第2の
レンズ加工工程の後に行われるため表面コーティングが
剥がれない。
域の外側に擦りガラス状ではなくまた、継ぎ目もないレ
ンズ有効領域と連続的な面取り部が形成されることとな
り、レンズの美観が向上する。また、請求項2の発明で
は上記効果に加え次のような効果を奏する。すなわち、
縁寄りほどレンズ厚みが大きくなる凹レンズでは側面が
拡大されて眼鏡の厚みを強調するような作用があるが、
このような面取り部とすることでそのような作用を抑制
することができる。請求項5の発明では請求項3又は4
の効果に加え、レンズの裏面の加工を施す際に光学的使
用面と併せて面取り加工を行うことができるためそれら
を別々に加工する場合に比べ加工誤差がなくなり滑らか
に面が連続することとなる。請求項6の発明では請求項
3〜5のいずれか効果に加え、面取り部より内側におい
て加工時にコーティングが剥落することがなくなる。
した具体的な実施の形態を図面に基づいて説明する。 (実施の形態1)実施の形態1のレンズは図1に示すよ
うないわゆる「セミ」と呼ばれる十分な厚みを有する材
料ブロック10を図示しないCAM(computer aided m
anufacturing)装置にて切削加工あるいは研削加工して
得られる。本実施の形態1における材料ブロック10の
表面は所定の曲率となるように凸状に形成され、裏面は
所定の曲率となるよう凹状に形成されている。本実施の
形態1では材料ブロック10の形状データをCAM装置
に入力するとともに、レンズ有効領域11の形状データ
と面取り部12及びカット部13の形状データを合成し
た合成形状データに基づいて切削して図2に示すような
レンズ有効領域11、面取り部12及びカット部13を
同時に加工する。切削加工された材料ブロック10には
更に切削面にスムージング加工及びポリッシング加工を
施し滑らかな加工面を形成させる。
域11、面取り部12及びカット部13を上記のように
加工することを一次加工とし、この段階で得られるレン
ズを丸レンズと称する。次いで、この丸レンズに対して
既知の表面コーティングを施す。本実施の形態1の表面
コーティングはハード膜を形成させた後その外側にマル
チ膜を形成させるものである。この加工を二次加工とす
る。図3に示すように、二次加工が終了した丸レンズに
対してレンズを装着するフレームに応じてカット部13
のカットを行う。この段階のレンズを玉型レンズと称す
る。すなわち、フレームに装着可能な完成されたレンズ
15である。尚、本実施の形態1のレンズ15は面取り
部分の大きないわゆる又老(またろう)型の累進多焦点
レンズとした。
の面取り部12及びカット部13は次のような手段によ
って形状データを計算し上記加工が施される。図4に示
すように、レンズ外方からレンズの幾何中心に向かう所
定の数の直線を設定し、各直線にて切断したレンズ断面
の所望の形状データをシュミレートする。例えば、ある
直線Pについて説明する。図3に示すように、直線P上
ではレンズ有効領域の最端部、すなわち視野限界位置A
とフレーム配置位置Dはそのレンズ固有の値として一義
的に決定される。視野限界位置Aは光がフレーム位置か
ら入射して眼に達するまでをシュミレートしてその限界
とする。但し、フレーム装着時のずれを考慮して本実施
の形態1では第1の補正位置A’を視野限界位置Aの外
方に取る。第1の補正位置A’は一般にどの程度ずれる
かの経験則に従って設定する。次に、この第1の補正位
置A’〜フレーム配置位置D間の距離の1/4を第1の
補正位置A’から直線Pに沿ってプロットする。これを
面取り部12の一番高い頂点位置Bとする。更にこの第
1の補正位置A’〜フレーム配置位置D間の距離の1/
3をフレーム配置位置Dから直線Pに沿ってプロットす
る。これを直線開始点Cとする。更に、加工誤差、すな
わちフレームの取着位置のずれを考慮して本実施の形態
1ではフレーム配置位置Dの外方に第2の補正位置D’
を取る。第2の補正位置D’は一般にどの程度ずれるか
の経験則に従って設定する。
D’の配置位置、すなわち水平方向の位置が決定した段
階で次に面取り部12及びカット部13の直線P上の軌
跡、すなわちこれらプロットされた各位置に基づいて垂
直方向の形状を決定する。ここに、第1の補正位置A’
〜頂点位置B間の面取り部12の形状は本実施の形態1
では3次関数曲線で表される。この関数は次の4つの条
件によって決定される。 1)第1の補正位置A’を通ること。 2)第1の補正位置A’での傾きがレンズ有効領域と平
行となること。 3)頂点位置Bを通ること。 4)頂点位置Bでの傾きが水平であること。
での形状は本実施の形態1では頂点位置B〜直線開始点
C間は2次関数曲線で表され、直線開始点C〜フレーム
配置位置Dの間は1次関数直線で表される。これらの関
数は次の5つの条件によって決定される。 1)頂点位置Bを通ること。 2)頂点位置Bでの傾きが水平であること。 3)2次曲線と一次直線が直線開始点Cにおいて連続と
なること。 4)直線開始点Cにおける一階微分値が連続であるこ
と。 5)フレーム配置位置Dを通ること。 また、フレーム配置位置D〜第2の補正位置D’は上記
1次関数直線を延長する。また、第2の補正位置D’〜
カット部13の縁(丸レンズの外縁)までの形状は最終
的にはカットされるため特に形状に限定はない。例えば
本実施の形態1ではレンズの表面に対して平行となるよ
うに切削加工及び研削加工を行う。これは材料ブロック
10の形状に応じて経験則にて設定する。
形状データを得ると同様に他のレンズの幾何中心に向か
う直線上の断面形状の形状データを得る。そして隣接す
る断面形状間については既知の補完計算を行い、レンズ
有効領域11の形状データと併せて全体として立体的な
レンズ裏面形状のデータを得る。この得られた形状デー
タに基づいてCAM(computer aided manufacturing)
装置にて切削及び研削加工する。ここに、図5に示すよ
うに、レンズの幾何中心Oから離れた位置、例えば耳寄
りではレンズが厚くなり、逆に幾何中心Oに近い位置、
例えば上下方向寄りではこれと比較してレンズは薄い。
従って、レンズ全体のバランスを取る必要から面取り部
12の頂点位置Bの高さ調整及びフレーム配置位置Dで
の厚み調整が必要である。そのため、ここに図3に示す
ように材料ブロック10にレンズ有効領域11の曲率で
切削をしたと仮想した場合の各直線上の切削面(これを
切削線Kとする)から頂点位置Bに降ろした垂線を頂点
位置低減量Eとする。そして、視野限界位置Aと頂点位
置Bとの頂点高さの差を頂点高さFとする。このときこ
れら頂点位置低減量Eと頂点高さ比Fとをパラメータに
して頂点位置Bを設定することができる。これには、例
えば以下のような低減量調整手段が考えられる。
る。つまり、頂点位置低減量Eの多寡にかかわらず全周
同じ高さに設定されることとなる。 2)頂点高さFを頂点位置低減量Eとの関係で考える。
例えば、頂点高さFを頂点位置低減量Eの1/3とする
とか、同量とするとかである。この結果、例えばレンズ
の幾何中心Oから離れるほど頂点位置低減量Eが増加す
るため、その場合では切削量が多くなる傾向となる。 3)頂点高さFを頂点位置低減量Eとの関係を更に縁の
厚さ(レンズの幾何中心Oからの距離と考えてもよい)
をパラメータとして考えること。例えば、最大縁厚(レ
ンズの幾何中心Oから最も遠距離)部分においては頂点
高さFを頂点位置低減量Eの1/3とし、最小縁厚(レ
ンズの幾何中心Oから最も近距離)部分においては頂点
高さFを頂点位置低減量Eのと同量とするなどが考えら
れる。この場合にどのように、1/3から同量まで逓減
させていくかは種々の手段が考えられるが、一般的には
単純に縁の厚さあるいはレンズの幾何中心Oからの距離
の差をパラメータとすれば足る。
下、縁厚とする)の低減量調整について説明する。レン
ズの厚みはレンズの幾何中心Oからの距離が遠いほど厚
くなる。そのため、レンズの幾何中心Oから遠距離ほど
多く低減させることがレンズのデザインとしても好まし
い。一方、例えばレンズの幾何中心Oから最も遠距離位
置と同じ低減量にすると最も近距離位置の縁厚をその厚
み以上に低減してしまうというマイナス計算となってし
まう可能性もありうる。そのため、これらの点を考慮し
て例えば以下のような低減量調整手段が考えられる。 1)最小縁厚(レンズの幾何中心Oから最も近距離)部
分については前記仮想的な切削線Kから一定量だけ低減
させるようにする。そして、その他の縁はその最小縁厚
と同じにする。これならマイナス計算となってしまうこ
とはないが、レンズの幾何中心Oから遠距離部分を多く
低減させることはできない。そこで、 2)最大縁厚(レンズの幾何中心Oから最も遠距離)部
分について一定量だけ低減させた後、最小縁厚部分との
差を取りその差をパラメータとしてさらに低減量として
上乗せしていく。例えば(最大縁厚部分−最小縁厚部
分)×0.5を最大縁厚部分の低減量として加える。そ
して最大最小縁厚部分以外では厚みに比例させて低減量
を決定するようにする。どのように逓減させていくかは
種々の手段が考えられるが、上記と同様一般的には単純
に縁の厚さあるいはレンズの幾何中心Oからの距離の差
をパラメータとすれば足る。
の形態1では次のような効果を奏する。 (1)図8の従来の面取り面52をカットする場合に比
べて面取り部12は曲面に形成されているため、滑らか
で段差がなく更に擦りガラス状の状態になることがない
ため、眼鏡使用者と対面する第三者側からのレンズの外
観見栄えが良くなる。また、レンズ有効領域11と面取
り部12とは連続面として構成されているためこの部分
においていわゆるイメージジャンプがなく第三者側から
フレーム付近の視認状況に違和感を感じることがない。
特にマイナス度数の部分(レンズ上方側)では特に縁厚
が厚くなるため、面取り部12による効果が大きい。 (2)レンズ有効領域11はレンズのフレーム装着時の
ずれを考慮して第1の補正位置A’を取っている。その
ため、フレーム装着時に若干装着位置がずれたとしても
使用者においてレンズ有効領域における視野が確保され
るため不快感は生じない。 (3)フレーム配置位置Dの外側に第2の補正位置D’
が設けられ、この位置まで面取り部12が延長して形成
されているため、カット部13のカット位置が本来計算
した位置から外方に多少ずれても段差等の不具合が生じ
ることがない。 (4)レンズ有効領域11、面取り部12及びカット部
13は同時に切削されているため加工時間が短縮され、
更にレンズ有効領域11だけを別個に加工した場合に比
べて両者の連続面での加工誤差が生じることがない。
15は面取り部分の少ないいわゆる又近(またきん)型
の面取りを施した累進多焦点レンズである。以下、実施
の形態1と同じ構成については実施の形態1と同じ名称
及び番号を使い詳しい説明は省略する。実施の形態2で
も実施の形態1と同様の加工工程によってレンズ有効領
域11、面取り部12及びカット部13を加工する。レ
ンズ15の面取り部12及びカット部13は次のような
手段によって形状データを計算し上記加工が施される。
本実施の形態2でも実施の形態1と同様に図4に示すよ
うにレンズ外方からレンズの幾何中心に向かう所定の数
の直線を設定し、各直線にて切断したレンズ断面の所望
の形状データをシュミレートする。例えば、ある直線P
について説明する。図6に示すように、直線P上ではレ
ンズ有効領域の最端部、すなわち視野限界位置Aとフレ
ーム配置位置Dはそのレンズ固有の値として一義的に決
定される。また、第1の補正位置A’を視野限界位置A
の外方に取る。次に第1の補正位置A’における接線と
第1の補正位置A’〜フレーム配置位置D間の中間位置
における垂線との交点を中点Bとし、フレーム配置位置
Dを通る垂線との交点を端点Cとする。中点Bを通る水
平線とフレーム配置位置Dを通る垂線との交点を縁点E
とし、フレーム配置位置Dを通る垂線上であって交点を
Cと縁点Eの間に通過点Fを設定する。更に本実施の形
態2でもフレーム配置位置Dの外方に第2の補正位置
D’を取る。
D’の配置位置、すなわち水平方向の位置と中点B及び
通過点Fについては加えて垂直方向の位置が決定した段
階で次に面取り部12及びカット部13の直線P上の軌
跡、すなわち垂直方向にこれらプロットされた各点に基
づいて形状を決定する。ここに、第1の補正位置A’〜
通過点F間の面取り部12の形状は本実施の形態2では
3次関数曲線で表される。この関数は次の4つの条件に
よって決定される。 1)第1の補正位置A’を通ること。 2)第1の補正位置A’での傾きがレンズ有効領域と平
行となること。 3)通過点Fを通ること。 4)通過点Fでの傾きが中点Bと通過点Fとを結ぶ直線
と平行であること。 また、フレーム配置位置D〜第2の補正位置D’は上記
3次関数曲線を延長する。
の縁(丸レンズの外縁)までの形状は最終的にはカット
されるため特に形状に限定はない。実施の形態1に準ず
る。このようにして直線Pについてその断面の形状デー
タを得ると同様に他のレンズの幾何中心に向かう直線上
の断面形状の形状データを得る。そして隣接する断面形
状間については既知の補完計算を行い、レンズ有効領域
11の形状データと併せて全体として立体的なレンズ裏
面形状のデータを得る。この得られた形状データに基づ
いてCAM(computer aided manufacturing)装置にて
切削及び研削加工する。
下、縁厚とする)の低減量調整について説明する。例え
ば以下のような低減量調整手段が考えられる。 1)全周にわたって通過点Fを端点Cと同一に設定す
る。 2)全周にわたって通過点Fを縁点Eと同一に設定す
る。この場合、理論的には3次係数は0となり3次関数
曲線は2次関数曲線とされる。 3)全周にわたって通過点Fを端点Cと縁点Eの中点に
設定する。 このように構成することによって、本実施の形態2では
実施の形態1の(1)〜(4)の効果と同様の効果を奏
する。
体化することも可能である。 ・上記実施の形態ではいわゆる又老と又近について面取
り部12を加工する場合について説明したが、これらは
一例に過ぎず、要は従来職人的カンでカットしていた面
取り部分をレンズ有効領域11と連続した曲面でかつ擦
りガラス状にならないよう形成できれば足る。 ・上記実施の形態では近視用のレンズに適用した。近視
用レンズでは特に縁寄りが厚くなるため本発明の効果が
もっとも顕著であるが、その他老視用や乱視用、あるい
はこれらを組み合わせた度数のレンズに適用してもよ
い。 ・レンズとしてはSVレンズ、累進多焦点レンズ又はバ
イフォーカルレンズ等通常の眼鏡用レンズであればいず
れに適用しても構わない。 ・上記実施の形態ではレンズ有効領域11、面取り部1
2及びカット部13を同時に加工していたが、必ずしも
同時でなくとも構わない。 ・上記実施の形態での頂点高さの低減量や縁厚の低減量
の手段は一例にすぎない。例えば、実施の形態1におい
て頂点高さの基準位置を視野限界位置Aとしたが、要は
頂点位置Bの高さを相対的に決定できる基準位置であれ
ば視野限界位置Aを基準としなくともよい。また、同様
に頂点位置低減量Eも切削線Kを基準にする必要はな
い。更に、実施の形態2において基準にすべき点として
第1の補正位置A’〜フレーム配置位置D間の中間位置
にある中点Bである必要はない。 ・上記実施の形態では第1の補正位置A’や第2の補正
位置D’というようなフレーム装着時のずれを考慮した
余裕量を取っていたがこれは必ずしも必要ではない。 ・面取り部の設計においては3次関数で設計することが
最も好ましい。もちろん、2次関数や4次関数以上であ
っても構わない。更に、レンズ有効領域に近い部分をよ
り精緻な曲面となる高次元の関数で設計することが好ま
しい。この場合のレンズ有効領域に近い部分を3次関数
で設計することが最も好ましい。その他本発明の趣旨を
逸脱しない態様で実施することは自由である。
の他の技術的思想について下記に付記として説明する。 (1)裏面に少なくとも累進面が形成されたことを特徴
とする請求項1又は2に記載の眼鏡用レンズ。 (2)前記面取り部を全周囲に施したことを特徴とする
請求項1又は2若しくは付記1のいずれかに記載の眼鏡
用レンズ。 (3)前記カット部にはカット時のずれを考慮した余裕
部を前記面取り部と隣接して設けることを特徴とする請
求項3〜6のいずれかに記載の眼鏡用レンズの加工方
法。 (4)前記面取り部にはフレーム装着時のずれを考慮し
た余裕部をレンズ有効領域面取り部と隣接して設けるこ
とを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の眼鏡用
レンズの加工方法。 (5)前記面取り部の頂点位置をレンズの厚みに応じて
調整するようにしたことを特徴とする請求項3〜6若し
くは付記3又は4のいずれかに記載の眼鏡用レンズの加
工方法。 (6)前記面取り部の縁厚をレンズの厚みに応じて調整
するようにしたことを特徴とする請求項3〜6若しくは
付記3〜5のいずれかに記載の眼鏡用レンズの加工方
法。 (7) 少なくとも前記面取り部を2次以上の関数で設
計するようにすることを特徴とする請求項1又は2若し
くは付記1又は2のいずれかに記載の眼鏡用レンズ。 (8) 前記面取り部においてレンズ有効領域に近い部
分を遠い部分に比較してより高次の関数で設計するよう
にしたことことを特徴とする請求項1又は2若しくは付
記1又は2のいずれかに記載の眼鏡用レンズ。 (9) 前記面取り部においてレンズ有効領域に近い部
分を高次の関数で設計し、レンズ有効領域から離間する
ほど低次の関数で設計することを特徴とする請求項1又
は2若しくは付記1又は2のいずれかに記載の眼鏡用レ
ンズ。 (10) 少なくとも前記面取り部を2次以上の関数で
設計するようにすることを特徴とする請求項3〜6若し
くは付記3〜6のいずれかに記載の眼鏡用レンズ。 (11) 前記面取り部においてレンズ有効領域に近い
部分を遠い部分に比較してより高次の関数で設計するよ
うにしたことことを特徴とする請求項3〜6若しくは付
記3〜6のいずれかに記載の眼鏡用レンズ。 (12) 前記面取り部においてレンズ有効領域に近い
部分を高次の関数で設計し、レンズ有効領域から離間す
るほど低次の関数で設計することを特徴とする請求項3
〜6若しくは付記3〜6のいずれかに記載の眼鏡用レン
ズ。
クの正面図。
面図。
正面図。
決定する際のデータの取り方を説明する概念説明図。
レームに装着すると仮定した場合のレンズの主要位置を
示した概念図。
正面図。
正面図。
正面図。
部、15…レンズ。
Claims (6)
- 【請求項1】 眼鏡のフレーム形状に対応したレンズ有
効領域を備えるとともに同レンズ有効領域の周囲であっ
てレンズ裏面側には同レンズ有効領域と連続的な3次元
曲面を面取り部として形成し、同面取り部の外周には前
記フレーム内に嵌合させるためにカット加工を施すカッ
ト部を形成したことを特徴とする眼鏡用レンズ。 - 【請求項2】 少なくとも裏面にマイナス度数を有する
眼鏡用レンズにおいて、眼鏡のフレーム形状に対応した
レンズ有効領域を備えるとともに同レンズ有効領域の周
囲であってレンズ裏面側には同レンズ有効領域と連続的
な3次元曲面を面取り部として形成し、同面取り部の外
周には前記フレーム内に嵌合させるためにカット加工を
施すカット部を形成したことを特徴とする眼鏡用レン
ズ。 - 【請求項3】 眼鏡使用者に設定された矯正視力を得る
ために材料ブロック裏面に所定の曲率でレンズ有効領域
を加工する第1のレンズ加工工程と、同第1のレンズ加
工工程によって加工された前記レンズ有効領域の外周に
同レンズ有効領域と連続的な3次元曲面を面取り部とし
て加工する第2のレンズ加工工程とを備えたことを特徴
とする眼鏡用レンズの加工方法。 - 【請求項4】 眼鏡のフレーム形状情報に基づいて同フ
レームに対応したレンズの外形輪郭加工をする第3のレ
ンズ加工工程とを備えたことを特徴とする請求項3に記
載の眼鏡用レンズの加工方法。 - 【請求項5】 前記第2のレンズ加工工程は前記第1の
レンズ加工工程と同時に行われることを特徴とする請求
項3又は4に記載の眼鏡用レンズの加工方法。 - 【請求項6】 前記第2のレンズ加工工程の後にレンズ
の表面コーティングを施すことを特徴とする請求項3〜
5のいずれかに記載の眼鏡用レンズの加工方法。
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