JP2002238165A - 変電所配電線遮断器開放検出方法及び装置 - Google Patents

変電所配電線遮断器開放検出方法及び装置

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JP2002238165A JP2001037331A JP2001037331A JP2002238165A JP 2002238165 A JP2002238165 A JP 2002238165A JP 2001037331 A JP2001037331 A JP 2001037331A JP 2001037331 A JP2001037331 A JP 2001037331A JP 2002238165 A JP2002238165 A JP 2002238165A
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Takashi Hashimoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ネットワーク受配電設備側で変電所の配電線遮
断器が開放されたことを検出することができる変電所配
電線遮断器開放検出方法を提供する。 【解決手段】ネットワーク受配電設備のネットワーク変
圧器NTr1 〜NTr3の二次側で検出した有効電力P1
〜P3 、無効電力Q1 〜Q3 、有効電力変動量ΔP1
〜ΔP3 、無効電力変動量ΔQ1 〜ΔQ3 、及び変圧器
の一次側電圧変動量ΔV1 〜ΔV3 を入力変数として、
これらの入力変数と出力値との関係を与える判別関数を
ニューラルネットワークの技法を用いて作成する。受配
電設備内で測定された入力変数に対して判別関数の出力
値を演算し、演算された出力値から配電線遮断器FCB
1 〜FCB3 が開放されたか否かを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源変電所の変圧
器から配電線遮断器を通して引き出された配電線にネッ
トワーク受配電設備が接続されている配電系統におい
て、電源変電所の配電線遮断器が開放されたことを受配
電設備側で検出する変電所配電線遮断器開放検出方法及
び該方法を実施するために用いる変電所配電線遮断器開
放検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】配電系統においては、電源変電所から配
電線遮断器を通して引き出された複数の配電線にネット
ワーク受配電設備や本予備受配電設備(常用予備受配電
設備とも呼ばれる。)などの様々な受配電設備が接続さ
れている。また最近では、配電系統に、自家発電設備や
太陽光発電設備などの分散型電源が接続されるため、該
分散型電源を配電系統と連系させることが必要になって
いる。
【0003】なお本明細書において「ネットワーク受配
電設備」(単に受配電設備ともいう。)は配電線の電圧
を降圧するネットワーク変圧器と、該ネットワーク変圧
器の二次側とネットワーク母線との間に設けられるプロ
テクタ遮断器とを複数回線分備えた受配電設備である。
ネットワーク受配電設備としては、ビル等に設置される
スポットネットワーク受配電設備と、一定の市街地域に
電力を供給する目的で設置されるレギュラーネットワー
ク受配電設備とがあるが、本明細書でいう「ネットワー
ク変圧器」はこれら双方を包含する。
【0004】このような配電系統において、特定の配電
線の点検や工事を行なう際には、該配電線と電源変電所
の変圧器との間に設けられた配電線遮断器を開く必要が
ある。また配電線の工事や点検を行なうために配電線遮
断器を開いた際には、作業の安全上、その遮断器につな
がる配電線を無電圧状態にする必要がある。
【0005】ところが、配電系統にネットワーク受配電
設備が設けられている場合には、複数の配電線の間が受
配電設備内の回路を通して相互に接続されているため、
ある回線の配電線を電源変電所の変圧器から切り離して
も、他回線の配電線から受配電設備内のネットワーク母
線とネットワーク変圧器とを通して、逆電力の潮流が起
る。
【0006】ネットワーク受配電設備では、切り離され
た配電線につながるネットワーク変圧器の二次側で検出
した変圧器の励磁電流と配電線の対地静電容量を通して
流れる充電電流との合成電流をネットワーク変圧器の二
次側で検出して、逆電力の潮流が生じたことを検出する
ネットワーク継電器を各ネットワーク変圧器に対して設
けて、該ネットワーク継電器により所定の位相及びしき
い値以上の逆電力の潮流が検出されたときに、ネットワ
ーク変圧器の二次側に設けられたプロテクタ遮断器を開
くことにより、直ちにその回線を電源変電所につながる
配電線から切り離して、逆電力の潮流を遮断するように
している。
【0007】なお本明細書においては、「受配電設備」
なる語を、配電系統の末端の需要家に設置される「受電
設備」、及び需要家よりも上位の個所に設置されて二次
側に更に配電回路が接続される「配電設備」の双方を含
む語として用いている。すなわち、本明細書において
「受配電設備」は、上記の意味での受電設備及び配電設
備のいずれであってもよい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ネット
ワーク受配電設備が設置されている配電系統において
は、受配電設備内で電力用変圧器を通して逆電力の潮流
が生じたことが検出されたときにその電力用変圧器に対
して直列に接続された遮断器を開いて、電源変電所の変
圧器から切り離された配電線につながる受配電設備内の
回線を該配電線から切り離すようにしている。
【0009】ところが、配電線に分散型電源が連系され
ていると、配電線遮断器を開いて該配電線を電源変電所
から切り離した際に、切り離された配電線につながる電
力用変圧器の一次側から二次側に電力の潮流が生じるこ
とがあり、切り離された配電線につながる電力用変圧器
を通して起る逆電力の潮流を検出できないことがある。
このような場合には、従来のネットワーク継電器でプロ
テクタ遮断器を動作させることはできないため、電源変
電所から切り離された配電線につながる受配電設備内の
回線を該配電線から切り離すことができない。
【0010】また配電線に分散型電源が連系されている
場合、または本予備受配電設備が接続されている場合に
は、負荷のバランス状態により、ある配電線側から各受
配電設備の電力用変圧器を通して他の配電線側に逆電力
の潮流が起ることがある。このような定常時の逆電力の
潮流に応答して受配電設備のプロテクタ遮断器が遮断動
作を行なうことは避ける必要があるため、系統に分散型
電源が連系している場合等の逆電力の潮流が発生し易い
系統条件の下では、受配電設備内で逆電力の潮流を検出
している継電器のしきい値を高く設定して、受配電設備
の遮断器の動作に抑制をかける必要がある。
【0011】しかしながら、配電線遮断器が開いたとき
に電力用変圧器の励磁電流と配電線の対地静電容量を通
して流れる充電電流との合成電流は極めて小さいため、
受電設備内の逆電力検出用の継電器のしきい値を高く設
定すると、電力用変圧器を通して配電線側に流れる逆電
力を検出することができなくなることがあり、電源変電
所から切り離された配電線につながる受配電設備内の回
線を該配電線から切り離すことができなくなることがあ
る。その結果、他の配電線から切り離された配電線に給
電され続けることになり、工事、点検等を行なうことが
できなくなる。上記のような事態を避けるためには、ネ
ットワーク継電器とは異なる方式によりネットワーク受
配電設備側で配電線遮断器が開放したことを検出できる
ようにしておいて、配電線遮断器の開放が検出されたと
きに、その回線のプロテクタ遮断器の開放により電源変
電所の変圧器から切り離された配電線につながる受配電
設備内の回線を該配電線から切り離す必要がある。
【0012】本発明の目的は、配電系統の受配電設備側
で配電線遮断器が開かれたことを検出する変電所配電線
遮断器開放検出方法を提案することにある。
【0013】本発明の他の目的は、上記の方法を実施す
るために用いる変電所配電線遮断器開放検出装置を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる検出方法
は、配電線電圧を降圧するネットワーク変圧器と該ネッ
トワーク変圧器の二次側とネットワーク母線との間に設
けられたプロテクタ遮断器とを有する受電回路を複数回
線分備えたネットワーク受配電設備が、電源変電所から
配電線遮断器を介して引き出された複数回線の配電線に
接続されている配電系統の受配電設備側で配電線遮断器
が開放されたことを検出する方法である。 本発明にお
いては、変電所において配電線遮断器が開放されたとき
に、受配電設備で計測される種々の電気的変量(電圧、
電流、電力等)の内、特定の電気的変量に顕著な変化が
生じることに着目して、配電線遮断器の開放現象と強い
相関関係を有する電気的変量を選択して常時計測し、計
測された電気的変量の変化が所定の判定条件または判定
式を満たしたときに、配電線遮断器が開放されたと判定
する。
【0015】本発明者は、種々の解析を行った結果、ネ
ットワーク受配電設備において計測される電気的変量の
内、配電線遮断器の開放条件と最も強い相関関係を有す
るものは、ネットワーク変圧器の二次側を通過する有効
電力の変動量(有効電力変動量という。)ΔPと無効電
力の変動量(無効電力変動量という。)ΔQとであるこ
とを見出した。変電所で特定の回線の配電線遮断器が開
放されると、受配電設備では、配電線遮断器が開放され
た回線のネットワーク変圧器の二次側で計測した有効電
力変動量及び無効電力変動量が他の回線のネットワーク
変圧器の二次側で計測した有効電力変動量及び無効電力
変動量との関係で特有の変化を示す。
【0016】本願の第1の発明はこの点を利用したもの
で、本発明においては、受配電設備を構成する複数回線
分の受電回路のそれぞれのネットワーク変圧器の二次側
を通過する電力を一定の時間毎に測定して、有効電力変
動量ΔP及び無効電力変動量ΔQを検出し、特定の受電
回路で検出された有効電力変動量ΔPのみが他の受電回
路で検出された有効電力変動量と符号が逆で、他の受電
回路で検出された有効電力変動量よりも絶対値が大き
く、かつ特定の受電回路で検出された無効電力変動量Δ
Qのみが他の受電回路で検出された無効電力変動量と符
号が逆で、他の受電回路で検出された無効電力変動量よ
りも絶対値が大きいときに、その特定の受電回路が接続
された回線の配電線遮断器が開放されていると判定す
る。
【0017】また本願第2の発明では、受配電設備で検
出し得る特定の電気的変量を入力変数として、入力変数
と各回線の配電線遮断器の開閉状態に対応する出力値と
の間の関係を与える判別関数を各回線の配電線遮断器毎
に作成しておく。そして、受配電設備内で入力変数とし
た電気的変量を一定の時間毎に検出して、検出した電気
的変量を判別関数の入力変数に代入することにより各回
線の配電線遮断器用の判別関数の出力値を演算し、演算
された出力値から各回線の配電線遮断器が開放されてい
るか否かを判定する。
【0018】上記判別関数は、受配電設備を構成する複
数回線分の受電回路のそれぞれのネットワーク変圧器の
二次側で測定した有効電力変動量ΔP及び無効電力変動
量ΔQを入力変数とするように構成することができる。
【0019】上記判別関数はまた、受配電設備を構成す
る複数回線分の受電回路のそれぞれのネットワーク変圧
器の二次側で測定した有効電力変動量ΔP及び無効電力
変動量ΔQとそれぞれのネットワーク変圧器の一次電圧
の変動量ΔVとを入力変数とするように構成することが
できる。
【0020】上記判別関数はまた、受配電設備を構成す
る複数回線分の受電回路のそれぞれのネットワーク変圧
器の二次側を通過する有効電力P、無効電力Q、有効電
力の変動量ΔP及び無効電力の変動量ΔQを入力変数と
するように構成することができる。
【0021】上記判別関数はまた、受配電設備を構成す
る複数回線分の受電回路のそれぞれのネットワーク変圧
器の二次側を通過する有効電力P、無効電力Q、有効電
力変動量ΔP、無効電力変動量ΔQ及びそれぞれのネッ
トワーク変圧器の一次電圧の変動量ΔVを入力変数とす
るように構成できる。
【0022】上記判別関数は、入力変数と複数の中間変
数との間の関係を与える複数の中間層の多項関数式と複
数の中間変数と出力値Sとの間の関係を与える1つの出
力層の多項関数式とにより構成するのが好ましい。
【0023】このような判別関数を用いると、ニューラ
ルネットワークの技法により、教師データに基づいて学
習をさせながら、関数式の各項の係数や定数を決めるこ
とができるため、判定の確度を高くすることができる。
【0024】ニューラルネットワークの技法による場
合、コンピュータ上で多項判別関数を生成するためのツ
ールとして、既存の判別関数同定ツール(ソフトウェ
ア)が市販されているため、これらのツールを用いて適
確な判別関数を比較的容易に生成することができる。
【0025】配電線遮断器が開放されているか否かを判
定する場合、判別関数の出力値は0または1の値をとれ
ばよいため、中間層及び出力層を構成する関数として
は、シグモイド関数のように0または1に収束する関数
を用いるのが好ましい。
【0026】なお上記判別関数は、必ずしもニューラル
ネットワークの技法を用いて生成する必要はなく、最小
自乗法や、線形計画法等の技法を用いて生成してもよ
い。
【0027】上記の各検出方法によれば、受配電設備側
で変電所の配電線遮断器が開放されたことを検出するこ
とができるため、変電所から各受配電設備に配電線遮断
器の状態情報を転送したり、プロテクタ遮断器の開放指
令を与えたりすることなく、各受配電設備側での判断
で、配電線遮断器が開放された回線のプロテクタ遮断器
を開くことができる。
【0028】また本発明は、電源変電所に対して特別の
工事を行うことなく実施できるので、既設の配電系統に
も容易に適用することができる。
【0029】更に本発明の検出方法を採用すれば、ネッ
トワーク配電系統に本予備負荷が混在している場合でも
受配電設備側で配電線遮断器の開放を検出して、プロテ
クタ遮断器を的確に動作させることができるため、本予
備負荷に対する制限を大幅に緩和して、配電線路の有効
利用を図ることができる。
【0030】また上記の検出方法を採用すれば、ネット
ワーク配電系統に分散型電源が接続されている場合で
も、各受配電設備で配電線遮断器の開放を検出して、プ
ロテクタ遮断器を開くことができるため、変電所から各
受配電設備へ情報を転送するシステム等の高価なシステ
ムを導入することなく、配電系統への分散型電源の連系
を可能にすることができる利点がある。
【0031】本発明によればまた、上記の各検出方法を
実施するために用いる変電所配電線遮断器開放検出装置
が提供される。
【0032】本発明に係わる検出装置は、受配電設備を
構成する複数回線分の受電回路のそれぞれのネットワー
ク変圧器の二次電流(プロテクタ遮断器の通過電流)及
びネットワーク母線の電圧をそれぞれサンプリングする
電流検出部及び二次電圧検出部と、これら電流検出部及
び電圧検出部によりサンプリングされた二次電流及びネ
ットワーク母線電圧を用いて受配電設備を構成する複数
回線分の受電回路のそれぞれのネットワーク変圧器の二
次側を通過する有効電力及び無効電力を演算して、演算
された有効電力及び無効電力から有効電力変動量ΔP及
び無効電力変動量ΔQを検出する電力変動量演算部と、
特定の受電回路で検出された有効電力変動量ΔPのみが
他の受電回路で検出された有効電力変動量と符号が逆
で、他の受電回路で検出された有効電力変動量よりも絶
対値が大きく、かつ受配電設備の特定の受電回路で検出
された無効電力変動量ΔQのみが他の受電回路で検出さ
れた無効電力変動量と符号が逆で、他の受電回路で検出
された無効電力変動量よりも絶対値が大きいときに、特
定の受電回路が接続された回線の配電線遮断器が開放さ
れていると判定する判定部とを備えることにより構成さ
れる。
【0033】本発明に係わる検出装置はまた、受配電設
備を構成する複数回線分の受電回路のそれぞれのネット
ワーク変圧器の二次電流及びネットワーク母線の電圧を
それぞれサンプリングする電流検出部及び電圧検出部
と、電流検出部及び電圧検出部によりサンプリングされ
た二次電流及びネットワーク母線電圧を用いて受配電設
備を構成する複数回線分の受電回路のそれぞれのネット
ワーク変圧器の二次側を通過する有効電力及び無効電力
を演算するとともに、演算された有効電力及び無効電力
から有効電力変動量ΔP及び無効電力変動量ΔQを演算
する演算部と、少くとも演算部により演算された有効電
力変動量及び無効電力変動量を入力変数として、該入力
変数と各回線の配電線遮断器の開閉状態に対応する出力
値との間の関係を与える多項式判別関数を記憶した判別
関数記憶部と、変動量を判別関数記憶部に記憶された判
別関数の入力変数に代入することにより判別関数の出力
値を演算する出力値演算部と、演算された判別関数の出
力値から各回線の配電線遮断器が開放されているか否か
を判定する判定部とを備えた構成とすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用する受配電
設備が設けられた配電系統の構成例を示したもので、同
図においてS/Sは変電所の電源、STr1 ないしST
r3 は変電所の電源変圧器、B1 ないしB3 は変圧器S
Tr1 ないしSTr3 の二次側につながる変電所母線、
BCB12及びBCB23はそれぞれ母線B1 ,B2 間及び
B2 ,B3 間を連絡する母線連絡用遮断器、F1 ないし
F3 は変電所母線B1 ないしB3 にそれぞれ配電線遮断
器FCB1 ないしFCB3 を介して接続された第1ない
し第3の回線の配電線である。配電線F1 ないしF3 に
は変電所の変圧器STr1 ないしSTr3 から20KV
級の特別高圧の電圧が印加されている。
【0035】SNWaないしSNWcは配電線F1 〜F
3 に接続されたスポットネットワーク受配電設備で、各
受配電設備は、配電線F1 〜F3 にそれぞれ一端が接続
された第1ないし第3の回線用の受電回路A1 ないしA
3 と、第1ないし第3の回線用の受電回路A1 ないしA
3 の他端側に接続されたネットワーク母線NWBとを備
えている。
【0036】ネットワーク母線NWBには、配電線F1
ないしF3 の特別高圧の電圧(例えば22KV)を受電
回路A1 ないしA3 のネットワーク変圧器NTr1 ない
しNTr3 により降圧して得た電圧(例えば400V)
が印加されている。
【0037】各回線用の受電回路は配電線電圧を降圧す
るネットワーク変圧器NTr1 〜NTr3 と、変圧器N
Tr1 ないしNTr3 の二次側とネットワーク母線NW
Bとの間に設けられたプロテクタ遮断器PCB1 ないし
PCB3 とを備えていて、受電回路A1 ないしA3 のネ
ットワーク変圧器の一次側が配電線F1 ないしF3 に接
続されている。
【0038】なお実際のネットワーク受配電設備におい
ては、各受電回路が、ネットワーク変圧器の一次側と配
電線との間に挿入される断路器や、プロテクタ遮断器を
制御するネットワーク継電器や、ネットワーク変圧器の
二次側とプロテクタ遮断器との間に挿入されるプロテク
タヒューズや、ネットワーク変圧器の二次電流及び二次
電圧をそれぞれ検出する変流器及び計器用変圧器等を更
に備えているが、ネットワーク受配電設備の構成は既に
周知であるので、その詳細な説明は省略する。またD
は、配電線F1 に接続された単相本予備受配電設備で、
この設備は、変圧器DTrと、本予備負荷Lと、分散型
電源(自家発電設備等)Go とを有している。
【0039】また図示の例では、受配電設備SNWbの
ネットワーク母線NWBに太陽光発電装置等の分散型電
源G1 が接続されている。
【0040】図1に示したような配電系統において、例
えば第1の回線の配電線F1 の点検や工事を行なう際に
は、変電所の配電線遮断器FCB1 を開放して配電線F
1 を変電所母線B1 から切り離す。このように、第1の
回線の配電線遮断器FCB1が開かれて、配電線F1 が
変電所母線B1 から切り離されたとき、他回線の配電線
F2 及びF3 側から、受配電設備SNWa〜SNWc内
の受電回路A2 及びA3 とネットワーク母線NWBとを
通して配電線F1 につながるネットワーク変圧器NTr
1 に電流が流れ込み、該変圧器NTr1 の二次側から一
次側に電力の逆潮流が生じる。このとき、各受配電設備
の受電回路A1 のネットワーク継電器(図示せず。)
は、変圧器NTr1 の励磁電流と、ネットワーク母線N
WB側から変圧器NTr1 を通して配電線F1 の対地静
電容量に流れる充電電流との合成電流と、変圧器NTr
1 の二次側の電圧とを検出して逆電力の潮流を検出し、
プロテクタ遮断器PCB1を開く。
【0041】図1に示した受配電設備において、逆電力
に対するネットワーク継電器のしきい値を低くしておく
と、ネットワーク母線に分散型電源G1 が接続されてい
る場合に、該分散型電源からネットワーク母線とネット
ワーク変圧器とを通して配電線側に逆電力の潮流が生じ
たときにもプロテクタ遮断器が遮断動作を行なってしま
う。このように定常時の逆電力の潮流に応答して受配電
設備内の遮断器が遮断動作を行なうことは避ける必要が
ある。
【0042】従って、図1に示したような配電系統で
は、受配電設備内で逆電力の潮流を検出しているネット
ワーク継電器のしきい値を高く設定して、プロテクタ遮
断器の動作に抑制をかける必要がある。
【0043】また図1に示すように配電線F1 に分散型
電源Go が接続されている場合には、系統の負荷のバラ
ンス状態によっては、配電線遮断器FCB1 が開いたと
きに、分散型電源Go から配電線F1 を通して受電回路
A1 のネットワーク変圧器NWTr1 に流れ込む電力の
方が、ネットワーク母線NWB側からネットワーク変圧
器NWTr1 に流れ込む電力よりも大きいことがあり得
る。このような場合には、受電回路A1 のネットワーク
継電器がプロテクタ遮断器PCB1 を開くことができな
いため、配電線遮断器FCB1 が開いた際に、ネットワ
ーク母線NWBを配電線F1 から切り離すことができな
くなる。
【0044】本発明においては、このような問題が生じ
るのを防ぐために、各ネットワーク受配電設備内で電源
変電所の配電線遮断器FCB1 〜FCB3 が開いたこと
を検出することができるようにする。
【0045】図2は、3回線分の受電回路A1 ないしA
3 を有するスポットネットワーク受配電設備の構成を概
略的に示したものである。同図においてVN は、ネット
ワーク母線の電圧、I1 ないしI3 はそれぞれプロテク
タ遮断器PCB1 ないしPCB3 の通過電流、P1 ない
しP3 はそれぞれプロテクタ遮断器PCB1 ないしPC
B3 の通過電力の有効分、ΔP1 ないしΔP3 はこれら
の有効電力の変動量(瞬時的な変化量)である。またQ
1 ないしQ3 はプロテクタ遮断器PCB1 ないしPCB
3 の通過電力の無効分、ΔQ1 ないしΔQ3 はこれらの
無効電力の変動量であり、ΔV1 ないしΔV3 は、それ
ぞれネットワーク変圧器NTr1 ないしNTr3 の一次
側電圧の変動量である。
【0046】ネットワーク受配電設備では、ネットワー
ク母線に計器用変圧器PTが接続され、ネットワーク変
圧器の二次側とプロテクタ遮断器との間を接続する導体
に変流器CT1 ないしCT3 がそれぞれ取り付けられて
いるため、これらの出力を所定のサンプリング周期でサ
ンプリングすることにより、ネットワーク母線の電圧V
N とプロテクタ遮断器の通過電流I1 ないしI3 とを常
時監視することができる。
【0047】また上記ネットワーク母線の電圧VN と第
1ないし第3の回線の変圧器NTr1 ないしNTr3 の
インピーダンスZT1ないしZT3と、第1ないし第3の回
線のプロテクタ遮断器の通過電流I1 ないしI3 とによ
り、第1ないし第3の回線のネットワーク変圧器の一次
電圧V1 ないしV3 を演算することができ、電圧VNの
最新のサンプリング値により演算されたV1 ないしV3
と所定時間前にサンプリングされたVN のサンプリング
値により演算されたV1 ないしV3 とのそれぞれの差を
とることにより、ΔV1 ないしΔV3 を演算することが
できる。
【0048】更に、ネットワーク母線電圧VN と第1の
回線のプロテクタ遮断器通過電流I1 とにより、第1の
回線のネットワーク変圧器の通過電力の有効分P1 及び
無効分Q1 を演算することができ、ネットワーク母線電
圧VN 及びプロテクタ遮断器通過電流I1 の最新のサン
プリング値から演算されたP1 及びQ1 と、所定時間前
にサンプリングされたVN 及びI1 のサンプリング値か
ら演算されたP1 及びQ1 との差をとることにより、Δ
P1 及びΔQ1 を演算することができる。同様にして、
P2 ,Q2 ,ΔP2 及びΔQ2 とP3 ,Q3 ,ΔP3 及
びΔQ3 とを演算することができる。
【0049】受配電設備内で計測し得る上記電気的変量
(測定値から演算により求められるものを含む。)のそ
れぞれについて、配電線遮断器の開放の検出に用いる変
数としての有用性を評価したところ、以下の結果が得ら
れた。
【0050】a.プロテクタ遮断器を通過する有効電力
P(現在値)及び無効電力Q(現在値) プロテクタ遮断器を通過する有効電力P及び無効電力Q
は、変電所の配電線遮断器の開放によって、回線間のバ
ランスが大きく崩れ、また自所の受配電設備の負荷電力
や本予備負荷電力により大きな影響を受けるため、配電
線遮断器の開放を検出する変数として有用である。
【0051】b.プロテクタ遮断器を通過する有効電力
変動量ΔP及び無効電力変動量ΔQ ΔP及びΔQは、変電所の配電線遮断器の開放の前後の
循環電流の変化により現れる。また配電線遮断器の開放
時には電源インピーダンスが大きく変化し、これにより
ΔP及びΔQが大きく変化するする。したがって、ΔP
及びΔQは配電線遮断器の開放を検出するために用いる
変数として極めて有用である。
【0052】c.ネットワーク変圧器の一次電圧 系統電圧は100%±数%の範囲に保たれるように制御
されており、ネットワーク変圧器の一次電圧と変電所の
配電線遮断器の開放現象との相関よりも、ネットワーク
変圧器の一次電圧と変電所の変圧器のタップ切換現象等
との相関の方が強いため、ネットワーク変圧器の一次電
圧は、配電線遮断器の開放を検出するために用いる変数
としては適当でない。
【0053】d.ネットワーク変圧器の一次電圧の変動
量ΔV ネットワーク変圧器の一次電圧の変動量ΔVは、変電所
の配電線遮断器の開放の前後の循環電流の変化により現
れ、また配電線遮断器の開放時の電源インピーダンスの
変化により変化するため、配電線遮断器の開放を検出す
るために用いる変数として有用である。しかし系統電圧
は100%±数%の範囲に保たれるように制御されてい
るので、配電線遮断器が開いてもΔVは余り大きい値は
とらない。従ってこのΔVのみで配電線遮断器の開放を
判定することはできない。
【0054】e.プロテクタ遮断器の通過電流 プロテクタ遮断器の通過電流(ベクトル量)は、変電所
の配電線遮断器の開放により大きく変化するが、その位
相角の評価が難しいため、配電線遮断器の開放の検出の
ために用いる変数としては余り適さない。
【0055】上記の評価の結果から、受配電設備で計測
し得る電気的変量のうち、ネットワーク変圧器の一次電
圧変動量ΔV(図2の例ではΔV1 ないしΔV3 )と、
プロテクタ遮断器を通過する有効電力P(図2の例では
P1 ないしP3 )及び無効電力Q(図2の例ではQ1 な
いしQ3 )と、有効電力変動量ΔP(図2の例ではΔP
1 ないしΔP3 )及び無効電力変動量ΔQ(図2の例で
はΔQ1 ないしΔQ3)との5種類の電気的変量を配電
線遮断器の開放の検出のために用いる変数として選定し
た。
【0056】図2に示したように受配電設備が3回線の
受電回路を含む場合、変数の数は15個となり、受配電
設備が4回線の受電回路を含む場合、変数の数が20個
となる。
【0057】3回線の受電回路を有するネットワーク受
配電設備が接続された一般的なネットワーク配電系統に
おいて、配電系統で種々の変動現象が生じたときに受配
電設備内で観測される変数の変化傾向をまとめた図表を
図3に示した。同図において1Lないし3Lはそれぞれ
第1の回線ないし第3の回線を意味する。表中の数値
は、第1ないし第3回線でそれぞれ計測された同種の計
測量の内、最もおおきいものを100(または−10
0)とし、他の同種の計測量を相対値で示した。また各
数値に付した符号は、回線間での方向の違いを示すもの
で、系統で起きる実際の計測量の符号とは異なる。表中
の数値「0」は、計測量が小さいために回線間の計測量
に有意な差がないものを含む。また表中の「*」及び空
欄は、不定値(100〜−100の間のいかなる値をも
とり得ること)を意味する。表の右端の「検出」の欄
は、表の左端の欄に示された各系統現象が生じたときに
自回線の配電線遮断器が開放されたか否かを示す。
【0058】また図3の図表の左端欄に示された系統現
象の内、「自回線FCB開放」は、自回線(同図の場合
は第1の回線)の配電線遮断器が開放されたことを示
し、「他回線FCB開放」は、他回線(同図の場合は第
2の回線または第3の回線)の配電線遮断器が開放され
たことを示す。更に「自回線本予備負荷変動」及び「他
回線本予備負荷変動」はそれぞれ、自回線の配電線に接
続された本予備負荷及び他回線に接続された本予備負荷
が変動したことを示す。また「自所SNW負荷変動」及
び「他所SNW負荷変動」はそれぞれ、自所の受配電設
備のネットワーク負荷及び他の受配電設備のネットワー
ク負荷に変動が生じたことを意味する。また「母線連絡
CBの開閉操作」は、図1に示した母線連絡用遮断器B
CB12またはBCB23の開閉操作が行われたことを示
し、「母線分割時の本予備負荷変動」は、母線連絡用遮
断器を開いている状態で本予備負荷の変動が生じたこと
を示している。
【0059】図3から、特定の回線の配電線遮断器が開
放されたときには、受配電設備内でΔP及びΔQに以下
に示す変化が生じることが分かる。
【0060】イ.配電線遮断器が開放された回線の受電
回路で検出された有効電力変動量ΔPのみが他の受電回
路で検出された有効電力変動量と符号が逆で、他の受電
回路で検出された有効電力変動量よりも絶対値が大き
い。
【0061】ロ.配電線遮断器が開放された回線の受電
回路で検出された無効電力変動量ΔQのみが他の受電回
路で検出された無効電力変動量と符号が逆で、他の受電
回路で検出された無効電力変動量よりも絶対値が大き
い。
【0062】したがって、各回線の受電回路で測定(演
算により)されたΔP及びΔQの2つの変数について、
上記イの条件とロの条件との双方を満たしているか否か
を判定するだけでも、各回線の配電線遮断器が開放され
たか否かを高い確度で判定することができる。
【0063】即ち、受配電設備を構成する複数回線分の
受電回路のそれぞれのネットワーク変圧器の二次側を通
過する電力を一定の時間毎に測定して、有効電力変動量
ΔP及び無効電力変動量ΔQを検出し、特定の受電回路
で検出された有効電力変動量ΔPのみが他の受電回路で
検出された有効電力変動量と符号が逆で、他の受電回路
で検出された有効電力変動量よりも絶対値が大きく、か
つ受配電設備の特定の受電回路で検出された無効電力変
動量ΔQのみが他の受電回路で検出された無効電力変動
量と符号が逆で、他の受電回路で検出された無効電力変
動量よりも絶対値が大きいときに、特定の受電回路が接
続された回線の配電線遮断器が開放されていると判定す
ることができる。
【0064】上記有効電力変動量ΔP及び無効電力変動
量ΔQは、VN 及びI1 の最新のサンプリング値から演
算したP及びQと所定時間前にサンプリングしたVN 及
びI1 から演算したP及びQとの差をとることにより求
めることができるが、この場合、判定の誤差を少くする
ためには、VN 及びI1 の最新のサンプリング値から演
算したP及びQと3回前にサンプリングされたVN 及び
I1 から演算したP及びQとの差をとるようにするのが
好ましい。
【0065】受配電設備において計測される電圧及び電
流は、それぞれの基本波成分のみを取り出すためにフィ
ルタに通され、更に演算により電力が求められるため、
計測された電力のデータの変化は実系統での変化に対し
て遅れを有する。例えば、配電線遮断器が開放された際
の実系統における有効電力Pの変化が図4(A)であっ
たとすると、計測値の変化は同図(B)のようになり、
計測値には応答遅れτが生じる。そのため、サンプリン
グ間隔(0.1sec )が図示の通りであったとすると、
最新のサンプリング値から演算された有効電力Pと1回
前のサンプリング値から演算された有効電力Pとの差を
とると、図4のaのように、変化を検出することができ
ない。また図4のbのように、最新のサンプリング値か
ら演算された有効電力Pと2回前のサンプリング値から
演算された有効電力Pとの差をとった場合にも変化の有
無が曖昧になる。これに対し、図4のcのように、最新
のサンプリング値から演算された有効電力Pと3回前の
サンプリング値から演算された有効電力Pとの差をとる
ようにすれば、有効電力の変化を確実にとらえることが
できる。
【0066】また図3から下記のことが言える。
【0067】(a)系統で変動が生じた場合、その変動
の原因となる現象が生じた回線での変数の変動量(絶対
値)が最も大きい。
【0068】(b)母線連絡用遮断器の開閉操作は、変
電所の変圧器バンク間の負荷アンバランス等の系統状態
によっては、各変数に、配電線遮断器を開放した場合と
同様なパターンの変化を生じさせる。
【0069】(c)母線分割時に本予備負荷変動が生じ
たときには、系統の構成や本予備負荷の変動量等、系統
状態によっては、各変数に、変電所の配電線遮断器の開
放と同じパターンの変化が生じ得る。
【0070】(d)配電線遮断器の通過電力が大きい状
態で配電線遮断器が開放したときの変数の変化傾向は、
他の系統変動現象が生じたときの変化傾向と異なる。
【0071】(e)配電線遮断器の通過電力が小さい状
態で配電線遮断器が開放したときの変数の変化傾向と自
回線本予備負荷変動が生じたときの変数の変化傾向は、
本予備負荷の変動量など系統状態によっては、同じ変化
パターンを示す。
【0072】図3からは明らかでないが、ネットワーク
配電系統に自家発電装置等の分散型電源が連系している
場合、分散型電源による電力の逆潮流が生じたときに
は、変電所の配電線遮断器を通過する電力が小さくなる
ことがあり、このような状態では、配電線遮断器が開放
されても受配電設備側では電気的変量が僅かな変化しか
示さない。
【0073】したがって、分散型電源や本予備受配電設
備が混在しているネットワーク配電系統において、特定
の電気的変量の変化にのみ着目して配電線遮断器の開放
を検出しようとした場合には、配電線遮断器の開放を検
出できないことがあり得る。
【0074】そこで、ネットワーク受配電設備で観測さ
れる電気的変量の内、変電所の配電線遮断器の開放現象
と強い相関関係を有するもののすべてを変数として、配
電線遮断器の開閉状態(S)を表す多項判別関数(f)
を生成して、観測された変数に対してこの判別関数の出
力値を演算することにより、配電線遮断器の開放の有無
を判別するようにするのが好ましい。このような判別関
数を、ネットワーク受配電設備の責務の全範囲で成立さ
せることができれば、配電線遮断器の開放を検出できな
い範囲を狭くすることができ、検出の信頼性を高めるこ
とができる。
【0075】前述のように、ΔV,P,Q,ΔP及びΔ
Qを変数とする場合、ネットワーク受配電設備に3回線
分の受電回路が設けられる場合の判別関数は下記のよう
に表現できる。
【0076】 S=f(ΔV1 ,P1 ,Q1 ,ΔP1 ,ΔQ1 ,ΔV2 ,P2 ,Q2 ,ΔP2 , ΔQ2 ,ΔV3 ,P3 ,Q3 ,ΔP3 ,ΔQ3 ) …(1) 上記の判別関数は、最小自乗法や、線形計画法等種々の
技法を用いて生成することが考えられるが、多項判別関
数を生成する技法としては、ニューラルネットワークの
技法を応用することができ、しかも、ニューラルネット
ワークにおいては、コンピュータ上で動く各種の関数同
定ツールが市販されているので、これを利用して判別関
数を生成するのが便利である。
【0077】即ち、本発明においては、ニューラルネッ
トワークを推論マシンとして用いるのではなく、多項判
別関数の生成ツールとして用いている。
【0078】周知のように、ニューラルネットワーク
は、入力変数により構成される入力層と、中間変数によ
り構成される中間層(中間出力)と出力値により構成さ
れる出力層との複数の階層構造を有しており、層間では
適当な関数を用いて変数の変換を行う。入力層を構成す
る変数(ニューロン)の数は、入力として用いる変数の
数(本発明においては5×回線数)により決まる。中間
層は多段階に構成することもできるが、本実施形態では
中間層を1つだけ設ける。中間層を構成する変数の数は
任意であり、試行錯誤により最も誤差が少い出力値を得
ることができる数に設定する。出力層を構成する出力
(ニューロン)は判定が必要な事象の数だけ設ける。本
発明の場合は、配電線遮断器が開いているか閉じている
かを判定すればよく、出力値が1であるか0であるかに
より判定できるため、出力層を構成するニューロンは1
つだけ設ける。
【0079】ニューラルネットワークにより多項判別関
数を生成する場合、先ず入力変数xi と中間変数tとの
間の関係を与える関数t=f(u)を決め、各入力変数
xiと中間変数uとの間の結びつきの強さを与える重み
係数wi との積の和u=Σwi×xi を変数として関数
t=f(u)を求める。また中間層の各変数tと出力層
の関数値との間の関係を与える関数S=F(t)を決
め、その関数Sの各係数を求めて、多項判別式を生成す
る。
【0080】関数f(u)、F(t)としては、任意の
関数を用いることができるが、1または0の出力値を得
る場合には、ステップ応答関数やシグモイド関数を用い
る。一般には、扱い易さの点から、変化が滑らかで特異
点を持たず、0または1に収束する特性を有するシグモ
イド関数を用いている。本実施形態では、f(u)及び
F(t)として下記のシグモイドログ関数を用いるもの
とする。
【0081】 f(u)=1/{1+exp (−u)} …(2) u=b+Σwi ×xi …(3) シグモイドログ関数の値と入力uとの関係は、図5に示
す通りで、入力uを+無限大とすると1に収束し、uを
−無限大とすると0に収束する。
【0082】前述のように、本実施形態では、入力変数
として各回線毎に5種類の変数を用いるが、ここで各回
線毎に用いる入力変数を改めて整理すると表1に示す通
りである。なお表1においてNW変圧器はネットワーク
変圧器を意味する。
【0083】
【表1】 判別関数は3相の各相毎に生成することも考えられる
が、P,Q,ΔP,ΔQについては3相の平均値を基準
化したものを用い、ΔVも各相の電圧値をスカラ量とし
て扱って3相の平均をとったものを用いて、3相に共通
の判別関数を生成するようにした方が、各相単位で判別
関数を生成する場合よりも扱うデータの数が減り、矛盾
データの発生が減少して、結果的にすべての事象に対し
て安全側に動作することが明らかになったので、3相の
データを一括して扱って3相に共通の判別式を生成する
ようにした。
【0084】表1に示したように、各入力変数の値とし
て基準化した値を用いると、どの需要家でも使用できる
検出装置を得ることができるため、この検出装置を用い
て汎用性があるリレーを構成することができる。
【0085】発明者は、図1に示す標準的な構成を有す
るネットワーク配電系統について、各需要家での負荷条
件及びその他の変動条件を設定し、ニューラルネットワ
ークの汎用の判別関数同定ツールを用いて、判別関数を
作成した。
【0086】判別関数を生成するに当っては先ず、設定
した系統条件のすべてについて系統計算を行い、配電線
遮断器の通過電力が微小となるために判定に役立たない
と思われるデータを除外して、系統変動後のV,P,Q
と系統変動前のV,P,QとからΔV、ΔP及びΔQを
各受配電設備の各回線毎に求めて、入力変数ΔV1 ,P
1 ,Q1 ,ΔP1 ,ΔQ1 ,ΔV2 ,P2 ,Q2 ,ΔP
2 ,ΔQ2 ,ΔV3 ,P3 ,Q3 ,ΔP3 ,ΔQ3 に対
する教師データを作成した。
【0087】作成したΔV1 ,P1 ,Q1 ,ΔP1 ,Δ
Q1 ,ΔV2 ,P2 ,Q2 ,ΔP2,ΔQ2 ,ΔV3 ,
P3 ,Q3 ,ΔP3 ,ΔQ3 の教師データを判別関数に
入力して前述の判別関数同定ツールにより、中間変数の
数を種々変化させて、入力と出力との関係式の同定誤差
を最小とするように反復計算を行わせ、その結果から収
束性がよい中間層数を選択して判別関数を仮生成した。
【0088】一般には入力変数の数の1/2〜2倍程度
の数の中間変数を用いるが、上記の計算の結果、中間層
を構成する変数tを14個とした場合、及び19個とし
た場合に最も誤差が少いことが明らかになった。そこ
で、実施例では、14個の中間変数t1 〜t14を用いる
こととした。
【0089】次いで、仮生成した判別関数に再度教師デ
ータを入力して反復計算を行わせ、配電線遮断器の開放
の有無を判定する上で誤差が大きいデータを矛盾データ
として選別し、選別した矛盾データを配電線遮断器の開
放を示すデータとして扱ってもよいか否かを検討した。
ここで矛盾データとは、配電線遮断器の開放現象に対し
て受配電設備内で観測される電気的変量と、配電線遮断
器の開放以外の系統の変化に対して受配電設備内で観測
される電気的変量とが類似する場合に得られるデータ
(そのデータによっては配電線遮断器の開放と他の系統
の変化とを区別できない場合)を言う。
【0090】次いで、実フィールドでの入力を考慮し
て、ΔV1 ,P1 ,Q1 ,ΔP1 ,ΔQ1 ,ΔV2 ,P
2 ,Q2 ,ΔP2 ,ΔQ2 ,ΔV3 ,P3 ,Q3 ,ΔP
3 ,ΔQ3 のそれぞれに対して用意された教師データに
見なし誤差をランダムに重畳させて、追加教師データを
作成し、これらを仮生成された判別関数に入力して、矛
盾データを配電線遮断器の開放を示すデータとして安全
側に用いることができる形で、本格的な判別関数を複数
生成させた。
【0091】このようにして生成した複数の判別関数の
中から、収束性が最もよく、再評価により適性出力が得
られたものを最終的な判別関数とした。
【0092】図1に示すような標準的な配電系統に対し
て、上記のようにして作成した判別関数を示すと下記の
(5)式の通りである。
【0093】 S=1/ [1+exp{−(44.318t1 +2.314 t2 +29.143t3 −1.350 t4 −28.734t5 −69.008t6 −2.146 t7 −3.237 t8 +3.791 t9 +14.682t10+1.709 t11+25.363t12−23.075t13 +0.451 t14+27.8136 )}] …(4) 上記の式において中間変数t1 〜t14は、入力変数ΔV
1 ,P1 ,Q1 ,ΔP1 ,ΔQ1 ,ΔV2 ,P2 ,Q2
,ΔP2 ,ΔQ2 ,ΔV3 ,P3 ,Q3 ,ΔP3 ,Δ
Q3 の関数で与えられる。t1 〜t14を与える関数を図
6の図表にまとめて示した。
【0094】上記の判別式の出力値Sは、配電線遮断器
が開放しているときに「0」の値(0.5未満の値を0
とする。)をとり、配電線遮断器が閉路しているときに
は、「1」の値(0.5以上の値を1とする。)をと
る。
【0095】各回線に対して上記の判別関数を作成して
おいて、受配電設備の各回線の受電回路で測定された変
数を各回線の判別関数に入力して出力値Sを求めること
により、各回線の配電線遮断器が開放されたか否かを検
出することができる。
【0096】未学習データを用いて上記の判別関数によ
る判定を試行したところ、受配電設備の責務の全範囲に
おいて、配電線遮断器の開放の判定を正しく行うことが
できることが確認された。
【0097】上記の例では、受配電設備を構成する複数
回線分の受電回路のそれぞれのネットワーク変圧器の二
次側で測定した有効電力P、無効電力Q、有効電力変動
量ΔP、無効電力変動量ΔQ及びそれぞれのネットワー
ク変圧器の一次電圧の変動量ΔVを入力変数とするよう
に判別関数を構成したが、これらの入力変数の内、配電
線遮断器の開放現象を検出する上で最も有効なものは、
前述のように、ΔPとΔQとであるので、各回線のΔP
及びΔQのみを入力変数とするように判別関数を構成す
ることもできる。
【0098】またネットワーク変圧器の一次電圧は、配
電線遮断器が開放しても余り大きな変化は示さないた
め、受配電設備を構成する複数回線分の受電回路のそれ
ぞれのネットワーク変圧器の二次側で測定した有効電力
P、無効電力Q、有効電力変動量ΔP及び無効電力変動
量ΔQを入力変数とするように判別関数を構成してもよ
い。
【0099】図7は、本発明に係わる配電線遮断器開放
検出装置1をネットワーク受配電設備に接続した状態を
示している。
【0100】前述のように、有効電力変動量ΔP及び無
効電力変動量ΔQの関係から配電線遮断器の開放を検出
する方法をとる場合、検出装置1は、図8に示すよう
に、受配電設備を構成する複数回線分の受電回路のそれ
ぞれのネットワーク変圧器の二次電流I及びネットワー
ク母線電圧VN をそれぞれサンプリングする電流検出部
1A及び電圧検出部1Bと、電流検出部及び電圧検出部
によりサンプリングされた二次電流及びネットワーク母
線電圧を用いて受配電設備を構成する複数回線分の受電
回路のそれぞれのネットワーク変圧器の二次側を通過す
る有効電力P及び無効電力Qを演算して、演算された有
効電力及び無効電力から有効電力変動量ΔP及び無効電
力変動量ΔQを検出する電力変動量演算部1Cと、特定
の受電回路で検出された有効電力変動量ΔPのみが他の
受電回路で検出された有効電力変動量ΔPと符号が逆
で、他の受電回路で検出された有効電力変動量よりも絶
対値が大きく、かつ受配電設備の特定の受電回路で検出
された無効電力変動量ΔQのみが他の受電回路で検出さ
れた無効電力変動量と符号が逆で、他の受電回路で検出
された無効電力変動量よりも絶対値が大きいときに、特
定の受電回路が接続された回線の配電線遮断器が開放さ
れていると判定する判定部1Dとにより構成される。
【0101】上記電力変動量演算部1C及び判定部1D
はコンピュータにより実現することができる。
【0102】また前述の判別関数を用いて配電線遮断器
の開放を検出する場合、検出装置1は、図9に示すよう
に、受配電設備を構成する複数回線分の受電回路のそれ
ぞれのネットワーク変圧器の二次電流I1 〜I3 及びネ
ットワーク母線電圧VN をそれぞれサンプリングする電
流検出部1A及び電圧検出部1Bと、電流検出部1A及
び電圧検出部1Bによりサンプリングされた二次電流及
びネットワーク母線電圧を用いて、受配電設備を構成す
る複数回線分の受電回路のそれぞれのネットワーク変圧
器の一次側電圧の変動量ΔV1 〜ΔV3 と、二次側を通
過する有効電力P1 〜P3 及び無効電力Q1 〜Q3 と、
有効電力変動量ΔP1 〜ΔP3 及び無効電力変動量ΔQ
1 〜ΔQ3 とを演算する演算部1C´と、入力変数と各
回線の配電線遮断器の開閉状態に対応する出力値Sとの
間の関係を与える多項式判別関数を記憶した判別関数記
憶部1Eと、演算部により演算された変動量ΔV1 〜Δ
V3 と、二次側を通過する有効電力P1 〜P3 及び無効
電力Q1 〜Q3 と、有効電力変動量ΔP1 〜ΔP3 及び
無効電力変動量ΔQ1 〜ΔQ3 とを判別関数の入力変数
に代入することにより判別関数の出力値を演算する出力
値演算部1Fと、演算された出力値から各回線の配電線
遮断器が開放されているか否かを判定す判定部1D´と
により構成される。
【0103】上記電流検出部1Aは、図2に示した変流
器CT1 ないしCT3 と、該変流器の出力を演算処理に
適した信号に変換する回路とにより構成される。
【0104】上記のように、ΔP及びΔQの関係から配
電線遮断器の開放を検出する方法、または判別関数から
配電線遮断器の開放を検出する方法の一連の処理のアル
ゴリズムの一例を示すフローチャートを図10に示し
た。
【0105】図10のアルゴリズムに従う場合には、先
ずステップ1において、電流検出部及び電圧検出部が一
定時間毎にサンプリングしたネットワーク変圧器の二次
電流(プロテクタ遮断器の通過電流)のデータとネット
ワーク母線電圧のデータとを保存する。次いでステップ
2においてプロテクタ遮断器が開いているか否かを判定
し、開いていない場合には、ステップ3に進んで前述し
たΔP,ΔQによる開放判定処理または判別関数による
開放判定処理を行う。この開放判定処理の過程でコンピ
ュータが実行するプログラムにより、コンピュータ上に
図8に示した検出装置または図9に示した検出装置が構
成される。
【0106】次いでステップ4において、開放判定処理
の判定結果を判別し、配電線遮断器が開放されたと判定
されたときには、ステップ5に進んで開放カウンタをイ
ンクリメントする。次にステップ6において開放カウン
タの計数値が2に等しいか否かを判定し、その計数値が
2に等しくない場合(配電線遮断器が開放されたとの判
定が2回行われていない場合)には、ステップ7をスキ
ップする。配電線遮断器が開放されたとの判定が2回行
われて、ステップ6において開放カウンタの計数値が2
に等しいと判定されたときには、ステップ7に進んでプ
ロテクタ遮断器開放処理を行う。この過程が再判定起動
指令を発生することに相当する。ステップ2においてプ
ロテクタ遮断器が開いていると判定されたとき、及びス
テップ4において配電線遮断器が開放されていないと判
定されたときには、ステップ8に進んで開放カウンタを
リセットするとともに、ステップ1に戻って図10に示
した一連の処理を反復して行わせる。
【0107】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、受配電
設備側で変電所の配電線遮断器が開放されたことを検出
することができるため、変電所から各受配電設備に配電
線遮断器の状態情報を転送したり、プロテクタ遮断器の
開放指令を与えたりすることなく、各受配電設備側での
判断で、配電線遮断器が開放された回線のプロテクタ遮
断器を開くことができる利点がある。
【0108】また本発明によれば、各受配電設備内から
電圧、電流情報を取得することにより変電所の配電線遮
断器の開放を検出できるため、配電線及び変電所内の工
事を要することなく、既設の配電系統に適用することが
できる利点がある。
【0109】更に本発明の検出方法を採用すれば、ネッ
トワーク配電系統に本予備負荷が混在している場合でも
受配電設備側で配電線遮断器の開放を検出して、プロテ
クタ遮断器を的確に動作させることができるため、本予
備負荷に対する制限を大幅に緩和して、配電線路の有効
利用を図ることができる。
【0110】また上記の検出方法を採用すれば、ネット
ワーク配電系統に分散型電源が接続されている場合で
も、各受配電設備で配電線遮断器の開放を検出して、プ
ロテクタ遮断器を開くことができるため、変電所から各
受配電設備へ情報を転送するシステム等の高価なシステ
ムを導入することなく、配電系統への分散型電源の連系
を可能にすることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する系統の構成の一例を示した回
路図である。
【図2】受配電設備が2回線の受電回路を有している場
合に受配電設備内で検出し得る電気的変量を示した説明
図であ。
【図3】受配電設備内で測定し得る電気的変量と系統の
変動現象との関係を検証した結果を示した図表である。
【図4】有効電力変動量を求める際のサンプリング値の
用い方の違いによる効果の相違を説明するための説明図
である。
【図5】本発明の実施形態で用いる判別関数を生成する
際に用いるシグモイド関数の入力と出力との関係を示し
た線図である。
【図6】本発明の実施形態において生成された判別関数
の中間層を構成する中間変数を示した図表である。
【図7】本発明に係わる検出装置をネットワーク受配電
設備に接続した状態を示した構成図である。
【図8】本発明に係わる検出方法のうち、有効電力変動
量及び無効電力変動量を用いて配電線遮断器の開放を検
出する方法を実施する検出装置の構成を示したブロック
図である。
【図9】本発明に係わる検出方法のうち、判別関数を用
いて配電線遮断器の開放を検出する方法を実施する検出
装置の構成を示したブロック図である。
【図10】本発明に係わる検出方法において、ΔP及び
ΔQの関係または判別関数を用いて配電線遮断器の開放
の有無を判別した後、更に系統インピーダンスを用いて
配電線遮断器の開放の有無を際判定する場合の処理のア
ルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
S/S…変電所、B1 〜B3 …変電所母線、FCB1 〜
FCB3 …配電線遮断器、F1 〜F3 …配電線、SNW
a〜SNWc…ネットワーク受配電設備、NTr1 〜N
Tr3 …ネットワーク変圧器、PCB1 〜PCB3 …プ
ロテクタ遮断器、NWB…ネットワーク母線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 信行 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4番1号 東京電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 深津 尚明 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4番1号 東京電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 奥田 勝則 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 田村 亨 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 橋本 隆 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 ダイヘンビジネスサービス株式会社内 Fターム(参考) 5G058 EE03 EF01 EH02 EH03 5G066 HA11 HB13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配電線電圧を降圧するネットワーク変圧
    器と該ネットワーク変圧器の二次側とネットワーク母線
    との間に設けられたプロテクタ遮断器とを有する受電回
    路を複数回線分備えたネットワーク受配電設備が、電源
    変電所から配電線遮断器を介して引き出された複数回線
    の配電線に接続されている配電系統の前記受配電設備側
    で前記配電線遮断器が開放されたことを検出する変電所
    配電線遮断器開放検出方法であって、 前記受配電設備を構成する複数回線分の受電回路のそれ
    ぞれのネットワーク変圧器の二次側を通過する電力を一
    定の時間毎に測定して、有効電力変動量ΔP及び無効電
    力変動量ΔQを検出し、 特定の受電回路で検出された有効電力変動量ΔPのみが
    他の受電回路で検出された有効電力変動量と符号が逆
    で、他の受電回路で検出された有効電力変動量よりも絶
    対値が大きく、かつ前記受配電設備の特定の受電回路で
    検出された無効電力変動量ΔQのみが他の受電回路で検
    出された無効電力変動量と符号が逆で、他の受電回路で
    検出された無効電力変動量よりも絶対値が大きいとき
    に、前記特定の受電回路が接続された回線の配電線遮断
    器が開放されていると判定することを特徴とする変電所
    配電線遮断器開放検出方法。
  2. 【請求項2】 配電線電圧を降圧するネットワーク変圧
    器と該ネットワーク変圧器の二次側とネットワーク母線
    との間に設けられたプロテクタ遮断器とを有する受電回
    路を複数回線分備えたネットワーク受配電設備が、電源
    変電所から配電線遮断器を介して引き出された複数回線
    の配電線に接続されている配電系統の前記受配電設備側
    で前記配電線遮断器が開放されたことを検出する変電所
    配電線遮断器開放検出方法であって、 前記受配電設備で検出し得る特定の電気的変量を入力変
    数として、入力変数と各回線の配電線遮断器の開閉状態
    に対応する出力値との間の関係を与える判別関数を各回
    線の配電線遮断器毎に作成しておき、 前記受配電設備内で前記入力変数とした電気的変量を一
    定の時間毎に検出して、検出した電気的変量を各判別関
    数の入力変数に代入することにより前記判別関数の出力
    値を演算し、 演算された各判別関数の出力値から各回線の配電線遮断
    器が開放されているか否かを判定することを特徴とする
    変電所配電線遮断器開放検出方法。
  3. 【請求項3】 前記判別関数は、前記受配電設備を構成
    する複数回線分の受電回路のそれぞれのネットワーク変
    圧器の二次側で測定した有効電力変動量ΔP及び無効電
    力変動量ΔQを入力変数とするように構成される請求項
    2に記載の変電所配電線遮断器開放検出方法。
  4. 【請求項4】 前記判別関数は、前記受配電設備を構成
    する複数回線分の受電回路のそれぞれのネットワーク変
    圧器の二次側で測定した有効電力変動量ΔP及び無効電
    力変動量ΔQとそれぞれのネットワーク変圧器の一次電
    圧の変動量ΔVとを入力変数とするように構成される請
    求項2に記載の変電所配電線遮断器開放検出方法。
  5. 【請求項5】 前記判別関数は、前記受配電設備を構成
    する複数回線分の受電回路のそれぞれのネットワーク変
    圧器の二次側で測定した有効電力P、無効電力Q、有効
    電力変動量ΔP及び無効電力変動量ΔQを入力変数とす
    るように構成される請求項2に記載の変電所配電線遮断
    器開放検出方法。
  6. 【請求項6】 前記判別関数は、前記受配電設備を構成
    する複数回線分の受電回路のそれぞれのネットワーク変
    圧器の二次側で測定した有効電力P、無効電力Q、有効
    電力変動量ΔP、無効電力変動量ΔQ及びそれぞれのネ
    ットワーク変圧器の一次電圧の変動量ΔVを入力変数と
    するように構成される請求項2に記載の変電所配電線遮
    断器開放検出方法。
  7. 【請求項7】 前記判別関数は、前記入力変数と複数の
    中間変数との間の関係を与える複数の中間層の多項関数
    式と前記複数の中間変数と前記出力値Sとの間の関係を
    与える1つの出力層の多項関数式とからなっている請求
    項2ないし6のいずれか一つに記載の変電所配電線遮断
    器開放検出方法。
  8. 【請求項8】 配電線電圧を降圧するネットワーク変圧
    器と該ネットワーク変圧器の二次側とネットワーク母線
    との間に設けられたプロテクタ遮断器とを有する受電回
    路を複数回線分備えたネットワーク受配電設備が、電源
    変電所から配電線遮断器を介して引き出された複数回線
    の配電線に接続されている配電系統の前記受配電設備側
    で前記配電線遮断器が開放されたことを検出する変電所
    配電線遮断器開放検出装置であって、 前記受配電設備を構成する複数回線分の受電回路のそれ
    ぞれのネットワーク変圧器の二次電流及び前記ネットワ
    ーク母線の電圧をそれぞれサンプリングする電流検出部
    及び電圧検出部と、 前記電流検出部及び電圧検出部によりサンプリングされ
    た二次電流及びネットワーク母線電圧を用いて前記受配
    電設備を構成する複数回線分の受電回路のそれぞれのネ
    ットワーク変圧器の二次側を通過する有効電力及び無効
    電力を演算して、演算された有効電力及び無効電力から
    有効電力変動量ΔP及び無効電力変動量ΔQを検出する
    電力変動量演算部と、 特定の受電回路で検出された有効電力変動量ΔPのみが
    他の受電回路で検出された有効電力変動量と符号が逆
    で、他の受電回路で検出された有効電力変動量よりも絶
    対値が大きく、かつ前記受配電設備の特定の受電回路で
    検出された無効電力変動量ΔQのみが他の受電回路で検
    出された無効電力変動量と符号が逆で、他の受電回路で
    検出された無効電力変動量よりも絶対値が大きいとき
    に、前記特定の受電回路が接続された回線の配電線遮断
    器が開放されていると判定する判定部とを備えたことを
    特徴とする変電所配電線遮断器開放検出装置。
  9. 【請求項9】 配電線電圧を降圧するネットワーク変圧
    器と該ネットワーク変圧器の二次側とネットワーク母線
    との間に設けられたプロテクタ遮断器とを有する受電回
    路を複数回線分備えたネットワーク受配電設備が、電源
    変電所から配電線遮断器を介して引き出された複数回線
    の配電線に接続されている配電系統の前記受配電設備側
    で前記配電線遮断器が開放されたことを検出する変電所
    配電線遮断器開放検出装置であって、 前記受配電設備を構成する複数回線分の受電回路のそれ
    ぞれのネットワーク変圧器の二次電流及び前記ネットワ
    ーク母線の電圧をそれぞれサンプリングする電流検出部
    及び電圧検出部と、 前記電流検出部及び電圧検出部によりサンプリングされ
    た二次電流及びネットワーク母線電圧を用いて前記受配
    電設備を構成する複数回線分の受電回路のそれぞれのネ
    ットワーク変圧器の二次側を通過する有効電力及び無効
    電力を演算するとともに、演算された有効電力及び無効
    電力から有効電力変動量ΔP及び無効電力変動量ΔQを
    演算する演算部と、 少くとも前記演算部により演算された有効電力変動量及
    び無効電力変動量を入力変数とした場合に、該入力変数
    と各回線の配電線遮断器の開閉状態に対応する出力値と
    の間の関係を与える多項式判別関数を記憶した判別関数
    記憶部と、 前記変動量を前記判別関数記憶部に記憶された判別関数
    の入力変数に代入することにより前記判別関数の出力値
    を演算する出力値演算部と、 演算された出力値から各回線の配電線遮断器が開放され
    ているか否かを判定する判定部と、 を備えたことを特徴とする変電所配電線遮断器開放検出
    装置。
  10. 【請求項10】 前記判別関数は、前記有効電力変動量
    ΔP及び無効電力変動量ΔQの外に、更にネットワーク
    変圧器の一次電圧の変動量ΔVを入力変数とするように
    構成されている請求項9に記載の変電所配電線遮断器開
    放検出装置。
  11. 【請求項11】 前記判別関数は、前記有効電力変動量
    ΔP及び無効電力変動量ΔQの外に、更に前記受配電設
    備を構成する複数回線分の受電回路のそれぞれのネット
    ワーク変圧器の二次側を通過する有効電力P、無効電力
    Qを入力変数とするように構成されている請求項9に記
    載の変電所配電線遮断器開放検出装置。
  12. 【請求項12】 前記演算部は、前記ネットワーク変圧
    器の一次側電圧の変動量ΔVを更に演算するように構成
    され、 前記判別関数は、前記有効電力変動量ΔP及び無効電力
    変動量ΔQの外に、更に前記受配電設備を構成する複数
    回線分の受電回路のそれぞれのネットワーク変圧器の二
    次側を通過する有効電力P、無効電力Q、及びそれぞれ
    のネットワーク変圧器の一次電圧の変動量ΔVを入力変
    数とするように構成されている請求項9に記載の変電所
    配電線遮断器開放検出装置。
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