JP2002238056A - デジタル撮像装置、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

デジタル撮像装置、プログラムおよび記録媒体

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JP2002238056A
JP2002238056A JP2001032315A JP2001032315A JP2002238056A JP 2002238056 A JP2002238056 A JP 2002238056A JP 2001032315 A JP2001032315 A JP 2001032315A JP 2001032315 A JP2001032315 A JP 2001032315A JP 2002238056 A JP2002238056 A JP 2002238056A
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image
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illumination
image data
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JP2001032315A
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English (en)
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Fumiko Uchino
文子 内野
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の照明環境の影響を反映させつつ色順応
を考慮した画像を再生する。 【解決手段】 照明環境の影響を取り除いた画像のデー
タに相当する物体色成分データ235と、照明環境が画
像に与える影響を示す照明成分データ236とを生成す
ることができるデジタルカメラにおいて、物体色成分デ
ータ235と照明成分データ236とを合成して画像デ
ータを生成する合成部205と、画像データに色順応に
基づく色変換を施す変換部206とを設ける。変換部2
06では、照明成分データ236から導かれる色度およ
び露出演算部204からの被写体の明るさを示すデータ
を利用して色順応に基づく色変換が行われる。また、物
体色成分データ235がメモリカード8に保存される際
には露出データ237とともに1つのファイルとして保
存される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色順応を考慮しつ
つ画像の色を変換する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】被写体への照明光が変更された場合、被
写体から観測者へと入射する光の分光分布が変化する
が、被写体の色が大きく変化したようには感じないとい
う色順応効果が人間の視覚に生じる。そして、このよう
な人間の視覚における色順応を演算式として準備してお
き、画像の色を実際に人間が感じとる色へと変換する技
術も提案されている。
【0003】例えば、特開平9−178561号公報で
は、人間の色順応を考慮した色へと画像の色を変換する
技術が提案されている。上記文献では、視対象の分光反
射率を視対象の色に対応する色票から特定し、視対象へ
の照明光と視対象の分光反射率とから人間が実際に感じ
とると考えられる色が求められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記文献で
は視対象はカラーディスプレイに表現される仮想的な物
体であり、視対象の色は操作者により数値として入力さ
れる。したがって、この技術は実在する被写体を撮影し
て得られる画像に適用することはできない。
【0005】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、実写にて得られる画像を撮影時とは異なる照明環境
下の画像へと変換し、さらに、人間の色順応効果を考慮
した画像とすることを主たる目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、デジタル撮像装置であって、被写体の画像データを
取得する撮像手段と、前記被写体への照明環境の影響を
取り除いた画像のデータに相当する物体色成分データを
求める物体色成分データ生成手段と、照明環境が画像に
与える影響を示す照明成分データと前記物体色成分デー
タとを合成して合成済画像データを生成する合成手段
と、色順応に基づく色変換を前記合成済画像データに施
す変換手段とを備える。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のデジタル撮像装置であって、前記変換手段が、前記被
写体の画像データを取得する際の露出に関する撮影条件
を用いて前記色順応に基づく色変換を行う。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載のデジタル撮像装置であって、前記被写体の画
像データから前記照明成分データを求める照明成分デー
タ生成手段をさらに備え、前記変換手段が、前記照明成
分データから導かれる色度を用いて前記色順応に基づく
色変換を行う。
【0009】請求項4に記載の発明は、デジタル撮像装
置であって、被写体の画像データを取得する撮像手段
と、前記被写体への照明環境の影響を取り除いた画像の
データに相当する物体色成分データまたは前記物体色成
分データを導くことができるデータと、前記被写体の画
像データを取得する際の露出に関する撮影条件とを一の
ファイルとして保存する保存手段とを備える。
【0010】請求項5に記載の発明は、画像処理をコン
ピュータに実行させるプログラムであって、前記プログ
ラムのコンピュータによる実行は、前記コンピュータ
に、撮影時の照明環境の影響を取り除いた画像のデータ
に相当する物体色成分データと、照明環境が画像に与え
る影響を示す照明成分データとを合成して合成済画像デ
ータを生成する合成工程と、前記撮影時の露出に関する
撮影条件を用いて色順応に基づく色変換を前記合成済画
像データに施す変換工程とを実行させる。
【0011】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
のプログラムであって、前記プログラムのコンピュータ
による実行は、前記コンピュータに、画像データから前
記物体色成分データを求める工程をさらに実行させる。
【0012】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
のプログラムであって、前記プログラムのコンピュータ
による実行は、前記コンピュータに、前記画像データか
ら前記照明成分データを求める工程をさらに実行させ、
前記変換工程において、前記照明成分データから導かれ
る色度を用いて前記色順応に基づく色変換が行われる。
【0013】請求項8に記載の発明は、画像処理をコン
ピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体で
あって、前記プログラムのコンピュータによる実行は、
前記コンピュータに、撮影時の照明環境の影響を取り除
いた画像のデータに相当する物体色成分データと、照明
環境が画像に与える影響を示す照明成分データとを合成
して合成済画像データを生成する合成工程と、前記撮影
時の露出に関する撮影条件を用いて色順応に基づく色変
換を前記合成済画像データに施す変換工程とを実行させ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】<1. 第1の実施の形態>図1
は本発明の第1の実施の形態に係るデジタル撮影装置で
あるデジタルカメラ1の全体を示す斜視図である。デジ
タルカメラ1は、撮影を行うレンズユニット11、およ
び、レンズユニット11にてデジタルデータとして取得
された画像を処理する本体部12とを有する。
【0015】レンズユニット11は、複数のレンズを有
するレンズ系111、および、レンズ系111を介して
被写体の像を取得するCCD112を有する。そして、
CCD112から出力される画像信号は本体部12へと
送られる。また、レンズユニット11には、操作者が被
写体を捉えるためのファインダ113、測距センサ11
4等も配置される。
【0016】本体部12には、フラッシュ121および
シャッタボタン122が設けられ、操作者がファインダ
113を介して被写体を捉え、シャッタボタン122を
操作することにより、CCD112にて電気的に画像が
取得される。このとき、必要に応じてフラッシュ121
が発光する。なお、CCD112は各画素の値として
R,G,Bの各色に関する値を取得する3バンドの撮像
デバイスとなっている。
【0017】CCD112からの画像信号は本体部12
内部にて後述する処理が行われ、必要に応じて本体部1
2に装着されている外部メモリであるメモリカード8に
記憶される。メモリカード8は本体部12下面の蓋を開
けて取出ボタン124を操作することにより本体部12
から取り出される。記録媒体であるメモリカード8に記
憶されたデータは別途設けられたコンピュータ等の他の
装置に渡すことができる。逆に、他の装置にてメモリカ
ード8に記憶されたデータをデジタルカメラ1が読み出
すことも可能である。
【0018】図2はデジタルカメラ1を背後から見たと
きの様子を示す図である。本体部12の背面の中央には
撮影された画像を表示したり、操作者へのメニューを表
示する液晶のディスプレイ125が設けられ、ディスプ
レイ125の側方にはディスプレイ125に表示される
メニューに従って入力操作を行うための操作ボタン12
6が配置される。これにより、デジタルカメラ1の操
作、撮影条件の設定、メモリカード8の保守、後述する
画像の再生等ができるようにされている。
【0019】図3は、デジタルカメラ1の主要な構成を
ブロック等にて示す図である。
【0020】図3に示す構成のうち、レンズ系111、
CCD112、A/D変換部115、シャッタボタン1
22、CPU21、ROM22およびRAM23は画像
を取得する機能を実現する。すなわち、レンズ系111
により被写体の像がCCD112上に結像され、シャッ
タボタン122が押されると、CCD112からの画像
信号がA/D変換部115によりデジタル変換される。
A/D変換部115にて変換されたデジタル画像信号は
本体部12のRAM23に画像データとして記憶され
る。なお、これらの処理の制御はCPU21がROM2
2内に記憶されているプログラム221に従って動作す
ることにより行われる。
【0021】また、本体部12に設けられるCPU2
1、ROM22およびRAM23が画像を処理する機能
を実現する。具体的には、ROM22に記憶されている
プログラム221に従って、RAM23を作業領域とし
て利用しながらCPU21が取得された画像に画像処理
を施す。
【0022】カードI/F(インターフェイス)123
はRAM23と接続され、操作ボタン126からの入力
操作に基づいてRAM23とメモリカード8との間の各
種データの受け渡しを行う。また、ディスプレイ125
もCPU21からの信号に基づいて画像の表示や操作者
への情報の表示を切り替えながら行う。
【0023】フラッシュ121は発光制御回路121a
を介してCPU21に接続されており、CPU21から
フラッシュ121を点灯する旨の指示を受けた場合に
は、発光制御回路121aがフラッシュ121の発光特
性が撮影ごとにばらつかないように制御を行う。これに
より、フラッシュ121からの光の分光分布(分光強
度)が一定となるように制御される。
【0024】図4は、主としてCPU21、ROM22
およびRAM23により実現される機能を他の構成とと
もにブロックにて示す図であり、図4に示す構成のう
ち、差分画像生成部201、物体色成分データ生成部2
02、照明成分データ生成部203、露出演算部20
4、合成部205および変換部206が、CPU21、
ROM22、RAM23等により実現される機能であ
る。図5は撮影および画像処理の流れを示す流れ図であ
る。以下、図4および図5を参照しながらデジタルカメ
ラ1の動作について説明する。
【0025】まず、フラッシュがONの状態にて撮影を
行い、フラッシュ光を浴びた被写体の画像(以下、「第
1画像」という。)を得る。すなわち、フラッシュ12
1を点灯するとともにCCD112にて画像を取得し、
得られた画像(正確には、画像信号)がA/D変換部1
15からRAM23へと送られ、第1画像データ231
として記憶される(ステップST11)。
【0026】次に、フラッシュがOFFの状態にて撮影
を行い、フラッシュ光を有しない照明環境下での被写体
の画像(以下、「第2画像」という。)を得る。すなわ
ち、フラッシュを用いることなくCCD112にて画像
を取得し、得られた画像がA/D変換部115からRA
M23へと送られ、第2画像データ232として記憶さ
れる(ステップST12)。
【0027】これらの2回の撮影は、連写のように迅速
に行われる。したがって、第1画像と第2画像との撮影
範囲は同一となる。また、2回の撮影はシャッター速度
(CCD112の積分時間)および絞り値(すなわち、
露出に関する撮影条件)が同一の条件にて行われる。
【0028】露出条件は、撮影直前にCCD112にて
取得された画像(または、測光センサの出力)に基づい
て露出演算部204により求められる。具体的には、ま
ず、CCD112や測光センサの出力に基づいて被写体
の明るさを求め、CCD112の感度特性を考慮して露
出値が決定される。その後、デジタルカメラ1内に予め
準備されているシャッタースピードと絞り値との関係を
示すプログラム線図に従ってシャッタースピードおよび
絞り値が自動的に決定される。
【0029】また、フラッシュ121の発光は、フラッ
シュ光の分光分布が一定となるように発光制御回路12
1aにより制御される。図6は発光制御回路121aの
動作の流れを示す図である。
【0030】フラッシュONでの撮影の際に、あるい
は、撮影に先立って、まず、発光制御回路121aがフ
ラッシュ121のフラッシュ電源への充電電圧(すなわ
ち、フラッシュ121に与えられる電圧)のモニタを開
始する(ステップST101)。そして、充電電圧が所
定の電圧(例えば、330V)に達したと確認されると
(ステップST102)、フラッシュ電源からフラッシ
ュ121へと電力を供給して発光を開始する(ステップ
ST103)。
【0031】発光の開始と同時に発光制御回路121a
は発光時間のモニタを開始する(ステップST10
4)。その後、発光開始から所定の時間が経過したこと
が確認されると(ステップST105)、発光が停止さ
れる(ステップST106)。
【0032】このように、フラッシュ121の発光は一
定の電圧および発光時間となるように制御され、フラッ
シュ121の発光特性が撮影ごとにばらつくことはな
い。なお、フラッシュ121の分光分布も上記発光制御
により一定に保たれ、この分光分布は予め計測されてR
AM23にフラッシュ分光データ234として記憶され
ている。なお、正確にはフラッシュ光の相対的な分光分
布(最大の分光強度を1として正規化された分光分布を
いい、以下「相対分光分布」という。)がフラッシュ分
光データ234として用いられる。
【0033】2回の撮影により、RAM23に第1画像
データ231および第2画像データ232が保存される
と、差分画像生成部201が第1画像データ231から
第2画像データ232を減算して差分画像データ233
を求める。これにより、第1画像の各画素のR,G,B
の各値から第2画像の対応する画素のR,G,Bの各値
がそれぞれ減算され、第1画像と第2画像との差分画像
が得られる(ステップST13)。
【0034】次に、物体色成分データ生成部202によ
り差分画像データ233およびフラッシュ分光データ2
34を用いて第2画像から照明環境の影響を取り除いた
成分が物体色成分データ235として求められ、RAM
23に保存される(ステップST14)。物体色成分デ
ータ235は、被写体の分光反射率に実質的に相当する
データである。以下、被写体の分光反射率を求める原理
について説明する。
【0035】まず、被写体を照明する照明光(光源から
の直接的な光および間接的な光を含む照明環境における
照明光いう。)の分光分布をE(λ)とし、この分光分布
E(λ)を3つの基底関数E1(λ),E2(λ),E3(λ)お
よび加重係数ε1,ε2,ε3を用いて、
【0036】
【数1】
【0037】と表し、同様に、ある画素(以下、「対象
画素」という。)に対応する被写体上の位置の分光反射
率をS(λ)を3つの基底関数S1(λ),S2(λ),S
3(λ)および加重係数σ1,σ2,σ3を用いて、
【0038】
【数2】
【0039】と表すと、CCD112上の対象画素に入
射する光I(λ)(レンズユニット11内のフィルタ等を
無視した場合の入射光)は、
【0040】
【数3】
【0041】と表現される。また、対象画素のR,G,
Bのいずれかの色(以下、「対象色」という。)に関す
る値がρcであり、CCD112の対象色の分光感度を
c(λ)とすると、値ρcは、
【0042】
【数4】
【0043】により導かれる。
【0044】ここで、フラッシュONの第1画像の対象
画素の対象色の値がρc1であり、フラッシュOFFの第
2画像の対応する値がρc2である場合、差分画像の対応
する値ρsは、
【0045】
【数5】
【0046】となる。I1(λ)はフラッシュONの際の
対象画素に入射する光であり、ε11,ε12,ε13はフラ
ッシュ光を含む照明光に関する基底関数の加重係数であ
る。同様に、I2(λ)はフラッシュOFFの際の対象画
素に入射する光であり、ε21,ε22,ε23はフラッシュ
光を含まない照明光に関する基底関数の加重係数であ
る。さらに、εsi(i=1,2,3)は(ε1i−ε2i
である。
【0047】数5において、基底関数Ei(λ),Sj(λ)
は予め定められた関数であり、分光感度Rc(λ)は予め
計測により求めることができる関数である。これらの情
報は予めROM22やRAM23に記憶される。一方、
2回の撮影においてシャッター速度(あるいは、CCD
112の積分時間)および絞り値が同一に制御され、第
1画像から第2画像を減算した差分画像は、照明環境の
変更のみの影響を受けた画像、すなわち、フラッシュ光
のみを照明光源とする画像に相当することから、加重係
数εsiは後述する手法によりフラッシュ光の相対分光分
布より導くことができる。
【0048】したがって、数5に示す方程式において未
知数は3つの加重係数σ1,σ2,σ 3のみである。ま
た、数5に示す方程式は対象画素におけるR,G,Bの
3つの色のそれぞれに関して求めることができ、これら
3つの方程式を解くことにより3つの加重係数σ1
σ2,σ3を求めることができる。すなわち、対象画素に
対応する被写体上の位置の分光反射率が得られる。
【0049】次に、加重係数εsiを求める手法について
説明する。既述のように差分画像はフラッシュ光のみを
照明光とする画像に相当し、差分画像における照明光の
相対分光分布は既知である。一方で、フラッシュから遠
い被写体上の領域はフラッシュ121に近い領域よりも
フラッシュ光を受ける度合いが小さい。したがって、差
分画像ではおおよそフラッシュ121から遠い位置ほど
暗く現れる。
【0050】そこで、3つの加重係数εs1,εs2,εs3
の値の相対関係を一定に保ったまま差分画像中の対象画
素の輝度に比例してこれらの加重係数の値を増減する。
すなわち、差分画像中の対象画素の輝度が小さい場合に
は加重係数εs1,εs2,εs3の値は小さな値として決定
され、輝度が大きい場合には加重係数εs1,εs2,ε s3
の値は大きな値として決定される。なお、3つの加重係
数εs1,εs2,εs3の相対関係は3つの基底関数E
1(λ),E2(λ),E3(λ)の加重和がフラッシュ光の分
光分布と比例するように予め求められており、輝度と加
重係数εsiとの比例関係は予め測定により求められる。
【0051】加重係数εsiは対象画素に対応する被写体
上の位置に照射されるフラッシュ光の分光分布を示す値
であり、第1画像および第2画像間におけるフラッシュ
121による照明光の変更量の分光分布を示す値であ
る。したがって、フラッシュ分光データ234より加重
係数εsiを求める処理は、フラッシュ光の相対分光分布
からフラッシュ121による照明環境(照明光)の分光
変更量を求める処理に相当する。
【0052】以上の原理に基づき、デジタルカメラ1の
物体色成分データ生成部202は差分画像データ233
の画素値およびフラッシュ分光データ234を参照しな
がら、各画素に対応する被写体上の位置の分光反射率を
求める。被写体の分光反射率は、照明環境の影響が取り
除かれた画像データに相当し、物体色成分データ235
としてRAM23に記憶される(ステップST14)。
【0053】物体色成分データ235が求められると、
数3および数4より第2画像の各画素のR,G,Bの値
に基づいて加重係数ε21,ε22,ε23に関する3つの方
程式を求めることができる。照明成分データ生成部20
3では、これらの方程式を解くことにより第2画像にお
ける各画素に関する加重係数ε2iが求められる。求めら
れた各画素の加重係数ε2iは第2画像におけるフラッシ
ュ光を含まない照明環境の影響を示す成分となる。
【0054】ここで、各画素の加重係数ε2iはそのまま
照明成分データ236とされてもよいが、およそ均一な
照明光の照明環境である場合には画素ごとの加重係数ε
2iのばらつきは少ない。そこで、加重係数ε21,ε22
ε23のそれぞれについて全画素の平均値を求め、求めら
れた3つの加重係数が照明成分データ236とされる
(ステップST15)。これにより、照明成分データ2
36は画素の位置に依存しない値となり、後述するよう
に他の物体色成分データ235と合成することでこの照
明環境による雰囲気を他の被写体の画像に取り込むこと
が可能となる。
【0055】物体色成分データ235および照明成分デ
ータ236が求められると、これらのデータはデジタル
カメラ1の本体に対して着脱自在なメモリカード8へと
転送されて保存される(ステップST16,ST1
7)。このとき、CPU21の制御の下、カードI/F
123に露出演算部204から露出に関する撮影条件を
示す露出データ237が入力され、図7に示すように物
体色成分データ235は露出データ237とともに1つ
のファイル81として保存される(ステップST1
6)。照明成分データ236は物体色成分データ235
とは別のファイルとして保存され、これらのデータは互
いに独立して取り出し可能な状態とされる。
【0056】デジタルカメラ1では、後述するように物
体色成分データ235から画像を再生する際に、露出に
関する撮影条件を利用して色順応に基づく色変換が行わ
れる。そこで、デジタルカメラ1では、物体色成分デー
タ235の取り扱いを容易とするために物体色成分デー
タ235と露出データ237とを1つのファイル81に
格納する。また、これにより、画像再生処理を外部のコ
ンピュータにて行う際にもファイル81をコンピュータ
に転送することで適切な色変換を容易に行うことが可能
となる。
【0057】なお、露出に関する撮影条件としては露出
値決定の際に用いられた被写体の明るさが保存されるこ
とが好ましいが、撮影時の被写体の明るさを求めること
ができるデータであれば他の撮影条件が利用されてもよ
い。例えば、CCD112の感度と被写体の明るさとか
ら露出値が求めることができるため、CCD112の感
度が既知である場合には、露出値が露出データ237と
して利用されてもよい。露出値に代えてシャッタースピ
ードおよび絞り値が露出データ237とされてもよい。
また、CCD112の感度および露出値が露出データ2
37とされてもよい。
【0058】次に、以上のようにしてメモリカード8に
保存された物体色成分データ235および照明成分デー
タ236を用いて画像を再生する際のデジタルカメラ1
の動作について図4および図8を参照しながら説明す
る。なお、メモリカード8には、物体色成分データ23
5および露出データ237を格納する複数のファイル、
並びに、照明成分データ236を格納する複数のファイ
ルが予め記録されているものとする。メモリカード8内
のこれらのファイルは外部のコンピュータから読み出さ
れたものであってもよい。
【0059】まず、操作者がディスプレイ125の表示
を見ながら操作ボタン126を介して指示を行うことに
より、所望の物体色成分データ235を格納するファイ
ルを選択する。これにより、再生する画像の対象(すな
わち、撮影時の被写体)が決定される。選択された物体
色成分データ235はカードI/F123を介して合成
部205に読み出される(正確には、RAM23に読み
出されて合成部205が取り扱い可能とされる。)。
【0060】さらに、操作者がディスプレイ125の表
示を見ながら操作ボタン126を介して指示を行うこと
により、所望の照明成分データ236を格納するファイ
ルを選択する。これにより、被写体への照明環境が決定
される。選択された照明成分データ236はカードI/
F123を介して合成部205に読み出される(ステッ
プST21)。
【0061】既に読み込まれている物体色成分データ2
35の基礎となった画像を再生したい場合には、物体色
成分データ235が求められた時に求められた照明成分
データ236が選択され、他の画像が撮影された際の照
明環境下での画像として再生したい場合には、他の画像
が撮影された際に得られた照明成分データ236がRA
M23に読み込まれる。もちろん、CIE規格のD6
5、蛍光灯等に対応した照明成分データ236や仮想的
な光源に対応した照明成分データ236が準備されてい
てもよく、操作者が照明成分データ236を選択するこ
とにより、任意の照明環境が画像に与える影響を再生画
像に反映させることが以下の演算処理により実現され
る。
【0062】物体色成分データ235および照明成分デ
ータ236が合成部205に入力されると、これらのデ
ータを数3および数4の加重係数εi,σjとして用いる
ことによりこれらのデータが合成されて各画素のR,
G,Bの値ρr,ρg,ρbが合成済画像データとして求
められる(ステップST22)。
【0063】合成済画像データは、照明成分データ23
6とともに変換部206へと転送され、変換部206
は、照明成分データ236が示す照明環境(照明光)の
三刺激値X0,Y0,Z0を数6に示す演算により求め、
数7により照明光の色度x0,y 0を得る(ステップST
23)。
【0064】
【数6】
【0065】
【数7】
【0066】なお、数6においてRX(λ),RY(λ),R
Z(λ)は等色関数、E(λ)は照明成分データ236から
数1により導かれる照明光の分光分布、λは可視領域の
波長である。
【0067】変換部206にはさらに物体色成分データ
235とともにメモリカード8に保存されている露出デ
ータ237がカードI/F123を介して入力される
(ステップST24)。
【0068】その後、変換部206により色度x0,y0
および露出データ237を用いて合成済画像データに色
順応に基づく色の変換が施される(ステップST2
5)。なお、色順応に基づく色変換には、色度の順応の
みならず、明暗の順応を反映した変換が含まれてもよ
い。また、明暗の順応を反映した変換のみでもよい。色
順応に基づく色変換を合成済画像データに施して変換済
画像データを生成することにより、色順応を考慮した画
像をディスプレイ125に表示することが実現される。
【0069】次に、変換部206による合成済画像デー
タの色変換について説明する。デジタルカメラ1では、
CIECAT94LABによる色順応式が利用される
(詳細については、Yoshinobu Nayatani et al., "Prop
osal of an Abridged Color-Appearance Model CIECAT9
4LAB and Its Field Trials", COLOR reserch and appl
ication, vol. 24, No. 6, Dec. 1999を参照。)。
【0070】まず、合成済画像の各画素の画素値が行列
式を用いてCIE規格の表色系の三刺激値X,Y,Zに
変換され、さらに、数8により各画素の三刺激値X,
Y,Zが生理原色系の三刺激値R,G,Bに変換され
る。
【0071】
【数8】
【0072】次に、数9により変換後の三刺激値RR
R,BRが求められる。なお、数9の各種パラメータに
ついては後述する。
【0073】
【数9】
【0074】最後に、数10により変換後の三刺激値R
R,GR,BRが三刺激値XR,YR,ZRに戻され、変換済
画像データが生成される(ステップST25)。
【0075】
【数10】
【0076】上記変換後の各画素の三刺激値XR,YR
Rがディスプレイ125に表示するための値へと変換
され、変換後の画像がディスプレイ125に表示される
(ステップST26)。これにより、色順応を考慮した
画像が表示される。
【0077】次に、数9の各種パラメータについて説明
する。Y0は被写体中の背景の影響を数9に与えるパラ
メータであり、ここでは20(%)に設定される。nは
ノイズの影響を考慮したパラメータであり、0.1また
は1が与えられる。
【0078】ξR,ηR,ζRは色順応に基づく色変換の
基準となる基準照明(例えば、CIE規格のD65、照
度1000ルクス(lx))の相対色度であり、基準照
明の色度xR0,yR0から数11により導かれる。
【0079】
【数11】
【0080】<ξ>,<η>,<ζ>は色度に関する順
応を考慮した相対色度であり、数12により照明成分デ
ータ236が示す照明(以下、「試験照明」という。)
の色度x0,y0から相対色度ξ,η,ζを求めておき、
試験照明の相対色度ξ,η,ζと基準照明の相対色度ξ
R,ηR,ζRとから数13により求められる。
【0081】
【数12】
【0082】
【数13】
【0083】なお、数13中のαは、数14により求め
られる。
【0084】
【数14】
【0085】数14中のL0は、被写体の順応輝度であ
り、単位はカンデラ毎平方メートル(cd/m2)であ
る。順応輝度L0の算出には露出データ237が利用さ
れ、その詳細については後述する。また、数14では、
合成画像の画素値をL***表色系へと変換した際の
値L*も利用される。係数Dは、被写体が発光しない物
体の場合には1.0、被写体自体が発光するディスプレ
イの場合には0.0、カラースライドのように光が投射
されるスクリーンが被写体の場合には0.5が与えられ
る。
【0086】実際の合成済画像が表す被写体は、発光物
体であるか否かを区別することが困難であることから、
係数Dは画素ごとに厳密に区別されない。通常は、係数
Dは1.0とされる。一方、係数Dを使用者の好みを反
映する係数として利用することも可能である。すなわ
ち、係数Dを使用者が指定することにより、順応度合い
(換言すれば、照明光の影響の度合い)を変更して好み
の色再現を実現することができる。
【0087】数9中のRR0,GR0,BR0は、基準照明下
の実効順応応答であり、数15により求められる。
【0088】
【数15】
【0089】数15においてLR0は、基準照明の順応輝
度であり、数16により求められる。
【0090】
【数16】
【0091】数16において、ER0は基準照明の照度
(ER0=1000(lx))である。
【0092】数9中のR0,G0,B0は、試験照明下の
実効順応応答であり、被写体の順応輝度L0(後述)を
用いて数17により求められる。
【0093】
【数17】
【0094】べき指数の関数β1(C1),β2(C2
(C1=RR0,GR0,R0,G0;C2=BR0,B0)は、
数18により示される。
【0095】
【数18】
【0096】さらに、数9中のKは以上の各種パラメー
タを用いて数19により求められる。
【0097】
【数19】
【0098】ただし、デジタルカメラ1の場合、Y0
20であるため、Kは1となる。
【0099】次に、露出データ237を利用して被写体
の順応輝度L0を算出する手法について説明する。
【0100】露出データ237は、被写体の明るさを示
すデータ(または、少なくとも被写体の明るさを導き出
すことができるデータ)となっている。具体的には、被
写体を観測した際の照度E0が被写体の明るさとされ
る。
【0101】一般に、輝度とは放射源(被写体)を観測
方向から見たときの単位面積当たりの放射強度を表し、
光束をΦ、立体角をΩ、光束の断面積をS、光束の断面
と光束の方向とのなす角をθとして、数20にて表され
る。
【0102】
【数20】
【0103】一方、照度は単位面積当たりに入射する放
射束であり、光束をΦ、入射面積をAとして、数21に
て表される。
【0104】
【数21】
【0105】ここで、デジタルカメラ1にて被写体を撮
影する場合、観測方向は被写体と正対する方向とみなす
ことができるため、θを0°(すなわち、cosθ=1)
とすることができる。また、被写体上の点から出射した
光のうち、1画素に入射する光の度合いも一定である
(すなわち、立体角Ωを考慮する必要がない。)とみな
すことができ、kを定数として、数22が満たされると
想定することができる。
【0106】
【数22】
【0107】デジタルカメラ1では、予め実測により定
数kを求めておき、本撮影の前のCCD112の出力や
測光センサの出力に基づいて被写体の照度(明るさ)を
露出演算部204により求めるようになっている。そし
て、被写体の明るさが露出データ237として物体色成
分データ235とともに1つのファイルとしてメモリカ
ード8に保存される。
【0108】数14および数17にて用いられる被写体
の順応輝度L0は、露出データ237から導かれる被写
体の照度E0を用いて数23により導かれる。
【0109】
【数23】
【0110】以上、デジタルカメラ1の構成および動作
について説明してきたが、デジタルカメラ1では、フラ
ッシュONの状態にて撮影された第1画像、フラッシュ
OFFの状態にて撮影された第2画像、および、フラッ
シュ光の相対分光分布とから照明環境の影響が取り除か
れた画像データに相当する物体色成分データ235を求
めることができる。すなわち、被写体の分光反射率を示
す物体色成分データ235を照明環境が変更された2枚
の画像から簡単に求めることができる。照明環境の変更
はフラッシュ121を用いて容易に行われる。
【0111】また、デジタルカメラ1では求められた物
体色成分データ235および第2画像データ232から
照明成分データ236が求められる。したがって、デジ
タルカメラ1では、物体色成分データ235に複数の照
明成分データ236から選択されたものを適宜合成する
ことにより、所望の照明環境下の所望の撮影対象の画像
を再生することができる。
【0112】このとき、照明成分データ236から照明
光の色度を求めつつ色順応に基づいた色変換を行うこと
により、より自然な(人間の視覚に合った)画像が再生
される。
【0113】さらに、デジタルカメラ1では、色順応に
基づく色変換の際に露出演算部204により求められた
露出に関する撮影条件が反映されるため、撮影条件ごと
に変化する被写体への照明光の強度を色順応に基づく色
変換に反映させることができ、一層適切な色変換が実現
される。
【0114】なお、デジタルカメラ1としては特殊な機
構を有さず、汎用のオンチップフィルタが設けられたC
CDを有するデジタルカメラの簡単な仕様変更により物
体色成分データ235、照明成分データ236および変
換済画像データを求めることが可能となる。これによ
り、物体色成分データ235等を求める動作を汎用のデ
ジタルカメラ1の特殊モードとして実現することがで
き、新たな生産コストが生じることはない。
【0115】<2. 第2の実施の形態>第1の実施の
形態では、デジタルカメラ1内部にて物体色成分データ
235および照明成分データ236を求めたり、色順応
を考慮した画像再生を行うが、画像の取得以外の処理は
コンピュータにより行われてもよい。
【0116】図9は本発明の第2の実施の形態に係るデ
ジタル撮像システム3の構成を示す図である。デジタル
撮像システム3は、撮影対象の画像を取得するデジタル
カメラ31、および、デジタルカメラ31にて得られた
画像を処理するコンピュータ33を有する。
【0117】デジタルカメラ31は画像を撮影し、得ら
れた画像データをコンピュータ33に伝送ケーブルを介
して転送する。もちろん、画像データはメモリカード等
の記録媒体を介してコンピュータ33に転送されてもよ
い。
【0118】デジタルカメラ31は、第1の実施の形態
に係るデジタルカメラ1から画像処理に係る機能を取り
除いた動作を行う。すなわち、図5中のステップST1
1,ST12を実行し、第1画像データ231および第
2画像データ232を取得する。また、露出演算部20
4による露出データ237の生成も行う。そして、図1
0に示すように、第1画像データ231、第2画像デー
タ232および露出データ237を1つのファイル82
に格納する。このファイル82がコンピュータ33に転
送され、画像処理が実行される。
【0119】図11はコンピュータ33の構成を示すブ
ロック図である。コンピュータ33は、各種演算処理を
行うCPU301、基本プログラムを記憶するROM3
02および各種情報を記憶するRAM303をバスライ
ンに接続した一般的なコンピュータシステムの構成とな
っている。バスラインにはさらに、情報記憶を行う固定
ディスク304、各種情報の表示を行うディスプレイ3
05、操作者からの入力を受け付けるキーボード306
aおよびマウス306b、光ディスク、磁気ディスク、
光磁気ディスク等の記録媒体91から情報の読み取りを
行う読取装置307、並びに、デジタルカメラ31との
間で通信を行う通信部308が、適宜、インターフェイ
ス(I/F)を介する等して接続される。
【0120】コンピュータ33には、事前に読取装置3
07を介して記録媒体91からプログラム341が読み
出され、固定ディスク304に記憶される。そして、プ
ログラム341がRAM303にコピーされるとともに
CPU301がRAM303内のプログラム341に従
って演算処理を実行することによりコンピュータ33が
画像処理装置としての動作を行う。
【0121】すなわち、CPU301およびその周辺構
成が図4に示す差分画像生成部201、物体色成分デー
タ生成部202および照明成分データ生成部203とし
て動作することにより第1画像データ231および第2
画像データ232(並びに、フラッシュ分光データ23
4)から物体色成分データ235および照明成分データ
236が生成される。フラッシュ分光データ34は、予
めコンピュータ33に準備されていてもよく、デジタル
カメラ31から転送されてもよい。
【0122】また、画像が再生される際には、CPU3
01およびその周辺構成が図4に示す合成部205およ
び変換部206として動作することによりキーボード3
06aおよびマウス306bを介してデータの選択が行
われ、任意の照明環境の雰囲気を取り入れつつ色順応を
考慮した画像をディスプレイ305に表示することが実
現される。このとき、物体色成分データ235を生成す
る際に利用された第1画像データ231および第2画像
データ232と同一ファイル内に存在する露出データ2
37が利用される。
【0123】以上のように、画像処理はコンピュータ3
3により行うことも可能であり、この場合、デジタルカ
メラ31における処理の負担が大幅に軽減される。
【0124】<3. 変形例>以上、本発明の実施の形
態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に
限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0125】上記実施の形態ではフラッシュを用いて取
得された第1画像およびフラッシュを用いることなく取
得された第2画像を利用して物体色成分データ235お
よび照明成分データ236を求めるようにしているが、
画像データから物体色成分データ235および照明成分
データ236を求める手法として他の手法が用いられて
もよい。
【0126】例えば、図12に示すようにモノクロ画像
を取得するデジタルカメラ31aの前に互いに異なる分
光透過特性の複数のフィルタを有する回転式フィルタ3
2を配置し、回転式フィルタ32を回転させながら複数
の画像を取得する。そして、複数の画像のデータをコン
ピュータ33に転送し、コンピュータ33にて物体色成
分データ235および照明成分データ236が求められ
てもよい。具体的演算としては、富永昌治、「色恒常性
を実現するカメラ系とアルゴリズム」、信学技報 PRU95
-11(1995-05)(77〜84頁)に記載された手法が利用
可能である。
【0127】また、複数のフィルタを切り替える機構を
デジタルカメラ内部に設けてもよい。フィルタの切り替
え機構を設けずにデジタルカメラに複数(好ましくは4
以上)の入力バンドを有する撮像素子(すなわち、複数
種類のオンチップフィルタが設けられたCCD)を設
け、これにより複数の波長帯のそれぞれについて画像を
取得するようになっていてもよい。
【0128】さらに、デジタルカメラ1に照明光を受光
するマルチバンドセンサを設けておき、照明光の分光分
布を照明成分データ236として取得してから物体色成
分データ235が求められてもよい。
【0129】物体色成分データ235は被写体の分光反
射率を正確に示すデータである必要はなく、ほぼ分光反
射率を示すデータであれば足りる。照明成分データ23
6も照明光の分光分布を正確に示すデータとして求めら
れる必要はなく、ほぼ分光分布を示すデータであればよ
い。
【0130】色順応に基づく色変換も既存の様々な手法
が利用されてよい。変換後の画像の出力先もディスプレ
イに限定されるものではなく、プリンタであってもよ
い。
【0131】また、上記実施の形態では、露出に関する
撮影条件として被写体の明るさが露出データ237とし
て利用されると説明したが、露出に関する撮影条件とし
て他のデータが利用されてもよい。また、被写体の明る
さそのものが露出データ237とされる必要はなく、既
述のように被写体の明るさを導き出すことができるデー
タであればどのようなデータが露出データ237とされ
てもよい。
【0132】第1の実施の形態ではデジタルカメラ1内
部にて物体色成分データ235および照明成分データ2
36の算出、並びに、画像の再生を行い、第2の実施の
形態では、これらの処理をコンピュータ33にて行う
が、これらの処理の分担はデジタルカメラとコンピュー
タとの間で任意の設定されてよい。第1の実施の形態で
は図7に示したように物体色成分データ235と露出デ
ータ237とは1つのファイルとして保存されると説明
したが、このようなファイルをコンピュータへと転送す
ることにより、コンピュータにて色順応を考慮した画像
の再生を容易に行うことができる。
【0133】一方、差分画像データ233の生成のみを
デジタルカメラにて行い、差分画像データ233および
第2画像データ232が露出データ237とともに1つ
のファイルとしてコンピュータ33に転送されてもよ
い。すなわち、物体色成分データ235または物体色成
分データ235を導くことができるデータと露出データ
237とをコンピュータ33に転送することにより、コ
ンピュータ33にて様々な照明環境下の画像を色順応を
考慮しつつ再生することが可能となる。
【0134】また、上記実施の形態では、CPUがプロ
グラムに従って演算を行うことにより、各種機能が実現
されると説明したが、演算処理の全部または一部は専用
の電気的回路により実現されてもよい。特に、繰り返し
演算を行う箇所をロジック回路にて構築することによ
り、高速な演算が実現される。
【0135】なお、上記実施の形態では、充電電圧およ
び発光時間をモニタすることにより、フラッシュ121
の発光特性を一定に保つようにしているが、他の方法に
よりフラッシュ121の発光特性が一定に保たれてもよ
い。例えば、フラッシュ121をパルス状に発光するこ
とにより、フラッシュの発光特性が一定に保たれてもよ
い。
【0136】充電電圧および発光時間をモニタすること
により、発光後にフラッシュ光の分光特性を求めるよう
にしてもよい。被写体への照明環境を変更する方法はフ
ラッシュ121を用いる手法に限定されるものではな
い。
【0137】また、以上の説明では物体色成分データ2
35として各画素に対応する加重係数σ1,σ2,σ3
保存され、照明成分データ236として一組の加重係数
ε1,ε2,ε3が保存されると説明したが、これらのデ
ータは被写体の分光反射率の基底関数S1(λ),S
2(λ),S3(λ)や照明光の分光分布の基底関数E
1(λ),E2(λ),E3(λ)とともに保存されてもよい。
さらに、分光反射率の特性曲線自体が物体色成分データ
235とされてもよく分光分布の特性曲線自体が照明成
分データ236とされてもよい。
【0138】
【発明の効果】請求項1ないし3の発明では、任意の照
明環境の影響を反映しつつ色順応を考慮した画像データ
を生成することができる。
【0139】また、請求項2の発明では、撮影条件を考
慮しつつ色順応に基づく色変換を行うことができる。
【0140】また、請求項3の発明では、照明環境に応
じた色変換を行うことができる。
【0141】請求項4の発明では、別途設けられたコン
ピュータ等を用いて撮影条件を考慮しつつ色順応に基づ
く色変換を容易に行うことができる。
【0142】請求項5ないし8の発明では、撮影条件を
考慮しつつ色順応に基づく色変換を行うことができる。
【0143】また、請求項6の発明では、画像データか
ら物体色成分データを求めることができる。
【0144】また、請求項7の発明では、照明環境に応
じた色変換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るデジタルカメラの全体
を示す斜視図である。
【図2】デジタルカメラの背面図である。
【図3】デジタルカメラの構成を示すブロック図であ
る。
【図4】デジタルカメラの機能をブロックにて示す図で
ある。
【図5】デジタルカメラの動作の流れを示す図である。
【図6】発光制御回路の動作の流れを示す図である。
【図7】物体色成分データを含むファイルのデータ構造
を示す図である。
【図8】画像の再生動作の流れを示す図である。
【図9】デジタル撮像システムを示す図である。
【図10】物体色成分データを含むファイルのデータ構
造を示す図である。
【図11】コンピュータの構成を示すブロック図であ
る。
【図12】デジタル撮像システムの他の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ 3 デジタル撮像システム 8 メモリカード 21,301 CPU 22,302 ROM 23,303 RAM 33 コンピュータ 81,82 ファイル 91 記録媒体 112 CCD 123 カードI/F 202 物体色成分データ生成部 203 照明成分データ生成部 205 合成部 206 変換部 221,341 プログラム 231 第1画像データ 232 第2画像データ 235 物体色成分データ 236 照明成分データ 237 露出データ ST13〜ST15,ST22,ST23,ST25
ステップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G020 AA08 DA02 DA03 DA13 DA22 DA31 DA34 DA35 DA36 DA63 DA65 5B057 BA02 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CC01 CE17 CH08 CH11 5C065 AA03 BB01 BB41 CC01 FF05 GG13 GG30 GG32 5C066 AA01 CA05 CA21 DD06 EA13 EB01 EE02 GA01 HA03 KE01 KE16 KM01 KM10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル撮像装置であって、 被写体の画像データを取得する撮像手段と、 前記被写体への照明環境の影響を取り除いた画像のデー
    タに相当する物体色成分データを求める物体色成分デー
    タ生成手段と、 照明環境が画像に与える影響を示す照明成分データと前
    記物体色成分データとを合成して合成済画像データを生
    成する合成手段と、 色順応に基づく色変換を前記合成済画像データに施す変
    換手段と、を備えることを特徴とするデジタル撮像装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のデジタル撮像装置であ
    って、 前記変換手段が、前記被写体の画像データを取得する際
    の露出に関する撮影条件を用いて前記色順応に基づく色
    変換を行うことを特徴とするデジタル撮像装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のデジタル撮像
    装置であって、 前記被写体の画像データから前記照明成分データを求め
    る照明成分データ生成手段、をさらに備え、 前記変換手段が、前記照明成分データから導かれる色度
    を用いて前記色順応に基づく色変換を行うことを特徴と
    するデジタル撮像装置。
  4. 【請求項4】 デジタル撮像装置であって、 被写体の画像データを取得する撮像手段と、 前記被写体への照明環境の影響を取り除いた画像のデー
    タに相当する物体色成分データまたは前記物体色成分デ
    ータを導くことができるデータと、前記被写体の画像デ
    ータを取得する際の露出に関する撮影条件とを一のファ
    イルとして保存する保存手段と、を備えることを特徴と
    するデジタル撮像装置。
  5. 【請求項5】 画像処理をコンピュータに実行させるプ
    ログラムであって、前記プログラムのコンピュータによ
    る実行は、前記コンピュータに、 撮影時の照明環境の影響を取り除いた画像のデータに相
    当する物体色成分データと、照明環境が画像に与える影
    響を示す照明成分データとを合成して合成済画像データ
    を生成する合成工程と、 前記撮影時の露出に関する撮影条件を用いて色順応に基
    づく色変換を前記合成済画像データに施す変換工程と、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のプログラムであって、
    前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コン
    ピュータに、 画像データから前記物体色成分データを求める工程、を
    さらに実行させることを特徴とするプログラム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のプログラムであって、
    前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コン
    ピュータに、 前記画像データから前記照明成分データを求める工程、
    をさらに実行させ、 前記変換工程において、前記照明成分データから導かれ
    る色度を用いて前記色順応に基づく色変換が行われるこ
    とを特徴とするプログラム。
  8. 【請求項8】 画像処理をコンピュータに実行させるプ
    ログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラム
    のコンピュータによる実行は、前記コンピュータに、 撮影時の照明環境の影響を取り除いた画像のデータに相
    当する物体色成分データと、照明環境が画像に与える影
    響を示す照明成分データとを合成して合成済画像データ
    を生成する合成工程と、 前記撮影時の露出に関する撮影条件を用いて色順応に基
    づく色変換を前記合成済画像データに施す変換工程と、
    を実行させることを特徴とする記録媒体。
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