JP2002236681A - 日常言語コンピューティングシステムおよびその方法 - Google Patents

日常言語コンピューティングシステムおよびその方法

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JP2002236681A
JP2002236681A JP2001033464A JP2001033464A JP2002236681A JP 2002236681 A JP2002236681 A JP 2002236681A JP 2001033464 A JP2001033464 A JP 2001033464A JP 2001033464 A JP2001033464 A JP 2001033464A JP 2002236681 A JP2002236681 A JP 2002236681A
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JP2001033464A
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Michio Sugano
野 道 夫 菅
Ichiro Kobayashi
林 一 郎 小
Noriko Ito
藤 紀 子 伊
Michiaki Iwatsume
爪 道 昭 岩
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンピュータなどの専門知識がなくとも、ユー
ザが日常的に用いる言語(日常言語)によって容易に操
作することができ、またユーザの意図を柔軟かつ正確に
把握して情報処理を実行したり管理したりすることがで
きる日常言語コンピューティングシステムを提供する。 【解決手段】 日常言語コンピューティングシステム1
は、クライアント言語コンピューティングシステム10
と、これに接続されたネットワーク言語コンピューティ
ングシステム20とを備えている。言語コンピューティ
ングシステム10,20は、日常言語により記述または
口述された言語テクストを処理する言語コンピュータ1
2,22と、言語コンピュータ12,22を日常言語に
より管理するクライアント言語オペレーティングシステ
ム16,26とを有している。言語コンピュータ12,
22は、日常言語の意味の体系を構造化したセミオティ
ックベース13,23と、セミオティックベース13,
23に基づいて言語テクストの意味理解および言語テク
ストの生成を行う意味処理機構14,24とを有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理装置とし
てのコンピューティングシステムに係り、とりわけ、人
間が日常的に用いる言語(日常言語)の意味を理解し、
全ての情報処理を日常言語により実行および管理する日
常言語コンピューティングシステムおよびその方法に関
する。なお、本明細書において、「日常言語」とは、プ
ログラミング言語などの人工言語と対比させて用いられ
る、人間の言葉を表す自然言語と区別するための用語で
あり、共通語のみならず、人々がふだん使用している方
言、年齢や性別により異なる言葉遣い、さらには個々人
の独特の言い回しなども含み、広く日常的に使用されて
いる言葉を表す概念である。また、「言語コンピュー
タ」とは、日常言語の意味処理機構を内蔵し、コンピュ
ータ上の全ての情報の管理と処理とが言語に基づいて行
えるように、主として既存のコンピュータハードウェア
上にソフトウェア的に実現されたコンピューティングの
環境である。
【0002】
【従来の技術】近年、情報処理技術や通信技術などの急
速な進展により、会社や家庭などの至るところでコンピ
ュータが用いられるようになってきている。このような
高度情報化社会においては、その一つの問題として、コ
ンピュータを使える者と使えない者との間の情報技術格
差がますます広がっていくという問題が指摘されてお
り、コンピュータなどの専門的な知識が少ない一般的な
ユーザに対して簡単な操作性を提供するということが強
く要求されるようになってきている。
【0003】このため、ユーザの操作性を向上させるた
めにインタフェースの改良および強化などが図られてお
り、その一環として、音声認識技術などを利用してユー
ザの発話を文字に置き換えたり、ユーザの発話に基づい
てコンピュータの一部の機能を操作したりするコンピュ
ータも現れてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のコンピュータでは、ユーザの発話を表面的には
受け付けることができるものの、内部で行われる情報処
理はあくまでも数値や記号などに基づいた演算処理に過
ぎず、ユーザの発話の意味を理解した上で情報処理を行
っているわけではない。このため、このようなコンピュ
ータを利用するユーザは、依然として、コンピュータで
行われる情報処理の内容および操作などを正確に理解し
た上でコンピュータを操作する必要があり、コンピュー
タなどの専門的な知識が少ない一般的なユーザには依然
として使いこなすことが困難であるという問題がある。
【0005】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、コンピュータなどの専門知識がなくとも、
ユーザが日常的に用いる言語(日常言語)によって容易
に操作することができ、またユーザの意図を柔軟かつ正
確に把握して情報処理を行うことができる日常言語コン
ピューティングシステムおよびその方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、人間の脳にお
ける情報処理が言語によって支えられていることに着目
し、数値や記号などに基づく従来の情報処理(コンピュ
ーティング)から、言語に基づく情報処理(人間の脳型
のコンピューティング)へのパラダイムシフトを志向す
ることにより、上述した課題を解決する。
【0007】このため、本発明は、人間が日常的に用い
る言語(日常言語)の意味を理解し、全ての情報処理を
日常言語により実行および管理する仕組みを提供する。
【0008】具体的には、本発明は、その第1の解決手
段として、日常言語により記述または口述された言語テ
クストを処理する言語コンピュータと、前記言語コンピ
ュータを日常言語により管理する言語オペレーティング
システムとを備え、前記言語コンピュータは、日常言語
の意味の体系を構造化したセミオティックベースと、前
記セミオティックベースに基づいて言語テクストの意味
理解および言語テクストの生成を行う意味処理機構とを
有することを特徴とする日常言語コンピューティングシ
ステムを提供する。
【0009】なお、上述した第1の解決手段において、
前記言語コンピュータの前記セミオティックベースは、
語彙情報および意味情報を含む複数の辞書項目を保持す
る電子辞書と、言語の語彙文法特徴とそれに対応する意
味役割とを体系的に保持する語彙文法ベースと、言語の
意味特徴とそれに対応する意味役割とを体系的に保持す
る意味ベースとを有し、前記語彙文法ベースに保持され
た語彙文法特徴および前記意味ベースに保持された意味
特徴は、前記電子辞書に保持された前記各辞書項目の語
彙情報および意味情報にそれぞれ関連付けられ、前記言
語コンピュータの前記意味処理機構は、前記電子辞書、
前記語彙文法ベースおよび前記意味ベースを参照して、
処理対象となる言語テクストに含まれる文字列の語彙文
法特徴に対応する意味役割を同定するとともに、この同
定された意味役割に対応する意味特徴を同定し、この同
定された意味特徴に基づいて言語テクストの意味理解を
行うことが好ましい。また、前記言語コンピュータの前
記セミオティックベースは、言語が用いられる状況を表
す状況タイプとそれに対応する状況特徴とを体系的に保
持する状況ベースをさらに有し、前記語彙文法ベースお
よび前記意味ベースはともに、前記状況ベースに保持さ
れた状況タイプに関連付けられた言語の使用域を保持
し、前記言語コンピュータの前記意味処理機構は、前記
意味ベース、前記語彙文法ベースおよび前記状況ベース
を参照して、処理対象となる言語テクストに含まれる文
字列の語彙文法特徴の使用域に対応する状況タイプを同
定するとともに、この同定された状況タイプに対応する
意味特徴の使用域を同定し、この同定された意味特徴の
使用域の範囲内で、前記同定された意味役割に対応する
意味特徴を同定し、この同定された意味特徴に基づいて
言語テクストの意味理解を行うことが好ましい。さら
に、前記言語コンピュータの前記セミオティックベース
は、言語のやりとりの実例としての言語テクストを意味
特徴とともに保持するコーパスをさらに有し、前記言語
コンピュータの前記意味処理機構は、前記コーパスを参
照して、処理対象となる言語テクストに類似した言語テ
クストの実例を検索し、この検索された言語テクストの
実例の意味特徴に基づいて言語テクストの意味理解を行
うことが好ましい。
【0010】また、上述した第1の解決手段において、
前記言語コンピュータの前記セミオティックベースは、
言語が用いられる状況を表す状況タイプとそれに対応す
る状況特徴とを体系的に保持する状況ベースと、言語の
意味特徴とそれに対応する意味役割とを体系的に保持す
る意味ベースと、言語のやりとりの実例としての言語テ
クストを状況特徴および意味特徴とともに保持するコー
パスとを有し、前記状況ベースは、前記状況タイプに対
応するテクストの場面構造をさらに保持し、前記意味ベ
ースは、前記状況ベースに保持された状況タイプに関連
付けられた言語の使用域と前記状況ベースに保持された
テクストの場面構造に関連付けられた包括プランテンプ
レートとをさらに保持し、前記言語コンピュータの前記
意味処理機構は、前記状況ベースおよび前記意味ベース
を参照して、言語テクストの生成時の状況タイプに対応
するテクストの場面構造に関連した包括プランテンプレ
ートを同定するとともに、この同定された包括プランテ
ンプレートと言語テクストの処理の結果として得られた
意味特徴とに基づいて局所プランを作成し、この作成さ
れた局所プランと前記コーパスに保持された言語テクス
トの実例とに基づいて言語テクストの生成を行うことが
好ましい。また、前記言語コンピュータの前記セミオテ
ィックベースは、言語の語彙文法特徴とそれに対応する
意味役割とを体系的に保持する語彙文法ベースをさらに
有し、前記語彙文法ベースは、前記状況ベースに保持さ
れた状況タイプに関連付けられた言語の使用域を保持
し、前記コーパスは、言語のやりとりの実例としての言
語テクストを状況特徴、意味特徴および語彙文法特徴と
ともに保持し、前記言語コンピュータの前記意味処理機
構は、前記意味ベースを参照して、前記局所プランに含
まれる意味特徴に対応する意味役割を同定する一方で、
前記語彙文法ベースを参照して、言語テクストの生成時
の状況タイプに対応する語彙文法特徴の使用域を同定
し、この同定された語彙文法特徴の使用域の範囲内で、
前記同定された意味役割に対応する語彙文法特徴を同定
し、この同定された語彙文法特徴と前記局所プランと前
記コーパスに保持された言語テクストの実例とに基づい
て言語テクストの生成を行うことが好ましい。さらに、
前記言語コンピュータの前記セミオティックベースは、
語彙情報および意味情報を含む複数の辞書項目を保持す
る電子辞書をさらに有し、前記語彙文法ベースに保持さ
れた語彙文法特徴および前記意味ベースに保持された意
味特徴は、前記電子辞書に保持された前記各辞書項目の
語彙情報および意味情報にそれぞれ関連付けられ、前記
言語コンピュータの前記意味処理機構は、前記電子辞書
を参照して、前記局所プランに含まれる意味特徴と前記
同定された語彙文法特徴とを含む辞書項目を出力すると
ともに、前記語彙文法ベースを参照して、前記同定され
た語彙文法特徴と前記出力された辞書項目とを組み合わ
せ、この組み合わせにより言語テクストの生成を行うこ
とが好ましい。
【0011】さらに、上述した第1の解決手段におい
て、前記言語オペレーティングシステムは、ユーザと前
記言語コンピュータとの間で対話的に言語テクストをや
りとりするための秘書エージェントを有することが好ま
しい。ここで、前記秘書エージェントは、専門ドメイン
ごとに複数の候補が用意され、ユーザからの指示により
所望の候補が選択されることが好ましい。また、前記言
語オペレーティングシステムは、前記秘書エージェント
により管理される知識ベースをさらに有することが好ま
しい。ここで、前記知識ベースは、前記言語コンピュー
タの前記セミオティックベースに関連付けられているこ
とが好ましい。さらに、前記言語オペレーティングシス
テムは、前記秘書エージェントを擬人化してユーザの居
住空間を模した仮想空間とともに呈示するユーザインタ
フェースを有することが好ましい。ここで、前記ユーザ
インタフェースは、ユーザからの指示により所望の態様
に設定されることが好ましい。
【0012】さらにまた、上述した第1の解決手段にお
いて、前記言語オペレーティングシステムは、前記言語
コンピュータ上での言語テクストの処理に関するプロセ
スを管理したり、言語テクストを含む言語ファイルを管
理することが好ましい。また、前記言語オペレーティン
グシステムは、他の日常言語コンピューティングシステ
ムとの間で言語データをやりとりすることが好ましい。
ここで、前記言語データは、言語テクストデータとその
意味を表すデータとを含むことが好ましい。
【0013】なお、上述した第1の解決手段において、
前記言語コンピュータは、既存のプラットフォーム上で
実現される仮想マシンであることが好ましい。また、前
記言語コンピュータは、前記言語オペレーティングシス
テムからの指示により各種のサービスを提供する言語リ
ソースをさらに有し、前記言語リソースは、前記既存の
プラットフォーム上で動作するリソース本体と、このリ
ソース本体と前記言語オペレーティングシステムによる
言語に基づく命令とを結び付けるための言語インタフェ
ースとを有することが好ましい。
【0014】本発明は、その第2の解決手段として、ク
ライアントコンピューティングシステムと、前記クライ
アントコンピューティングシステムに接続されたネット
ワークコンピューティングシステムとを備え、前記クラ
イアントコンピューティングシステムは、日常言語によ
り記述または口述された言語テクストを処理するクライ
アント言語コンピュータと、前記クライアント言語コン
ピュータを日常言語により管理するクライアント言語オ
ペレーティングシステムとを有し、前記ネットワークコ
ンピューティングシステムは、前記クライアントコンピ
ューティングシステムとの間でやりとりされる言語テク
ストを処理するネットワーク言語コンピュータと、前記
クライアントコンピューティングシステムとの間で言語
データをやりとりするとともに前記ネットワーク言語コ
ンピュータを日常言語により管理するネットワーク言語
オペレーティングシステムとを有し、前記クライアント
言語オペレーティングシステムおよび前記ネットワーク
言語オペレーティングシステムは、言語通信プロトコル
に従って互いに言語データをやりとりすることを特徴と
する日常言語コンピューティングシステムを提供する。
ここで、前記言語通信プロトコルに従ってやりとりされ
る前記言語データは、言語テクストデータとその意味を
表すデータとを含むことが好ましい。
【0015】なお、上述した第2の解決手段において、
前記クライアント言語コンピュータは、日常言語の意味
の体系を構造化したクライアントセミオティックベース
と、前記クライアントセミオティックベースに基づいて
言語テクストの意味理解および言語テクストの生成を行
うクライアント意味処理機構とを有し、前記ネットワー
ク言語コンピュータは、日常言語の意味の体系を構造化
したネットワークセミオティックベースと、前記ネット
ワークセミオティックベースに基づいて言語テクストの
意味理解および言語テクストの生成を行うネットワーク
意味処理機構とを有し、前記クライアントセミオティッ
クベースと前記ネットワークセミオティックベースと
は、前記クライアント言語オペレーティングシステムお
よび前記ネットワーク言語オペレーティングシステムに
よる管理の下で互いに連携することが好ましい。
【0016】また、上述した第2の解決手段において、
前記クライアント言語オペレーティングシステムは、ユ
ーザと前記クライアント言語コンピュータとの間で対話
的に言語テクストをやりとりする秘書エージェントを有
し、前記ネットワーク言語オペレーティングシステム
は、前記秘書エージェントとの間で言語テクストをやり
とりするとともに前記ネットワーク言語コンピュータを
管理するネットワークマネージャエージェントを有する
ことが好ましい。
【0017】さらに、上述した第2の解決手段におい
て、前記クライアント言語オペレーティングシステム
は、前記秘書エージェントにより管理されるクライアン
ト知識ベースをさらに有し、前記ネットワーク言語オペ
レーティングシステムは、前記ネットマネージャエージ
ェントにより管理されるネットワーク知識ベースをさら
に有し、前記クライアント知識ベースと前記ネットワー
ク知識ベースとは、前記秘書エージェントおよび前記ネ
ットワークマネージャエージェントによる管理の下で互
いに連携することが好ましい。
【0018】さらに、上述した第2の解決手段におい
て、前記ネットワーク言語オペレーティングシステム
は、前記クライアントコンピューティングシステムとの
間でやりとりされる言語テクストの処理に関するプロセ
スを管理したり、前記ネットワーク言語オペレーティン
グシステムは、前記クライアントコンピューティングシ
ステムとの間でやりとりされる言語テクストを含む言語
ファイルを管理することが好ましい。
【0019】本発明は、その第3の解決手段として、語
彙情報および意味情報を含む複数の辞書項目を保持する
電子辞書と、言語の語彙文法特徴とそれに対応する意味
役割とを体系的に保持する語彙文法ベースと、言語の意
味特徴とそれに対応する意味役割とを体系的に保持する
意味ベースとを有し、前記語彙文法ベースに保持された
語彙文法特徴および前記意味ベースに保持された意味特
徴は、前記電子辞書に保持された前記各辞書項目の語彙
情報および意味情報にそれぞれ関連付けられたセミオテ
ィックベースを参照して、日常言語により記述または口
述された言語テクストを処理して言語テクストの意味理
解を行う日常言語コンピューティング方法において、前
記電子辞書を参照して、処理対象となる言語テクストに
対して形態素解析と係り受け解析とを行い、当該言語テ
クストに含まれる文字列の語彙文法特徴を同定するステ
ップと、前記語彙文法ベースを参照して、前記同定され
た語彙文法特徴に対応する意味役割を同定するステップ
と、前記電子辞書を参照して、前記同定された語彙文法
特徴を含む辞書項目を出力するステップと、前記意味ベ
ースを参照して、前記出力された辞書項目に含まれてい
る意味情報を抽出するステップとを含み、前記抽出され
た意味情報に基づいて、前記同定された意味役割に対応
する意味特徴を同定して言語テクストの意味理解を行う
ステップとを含むことを特徴とする日常言語コンピュー
ティング方法を提供する。
【0020】なお、上述した第3の解決手段において、
前記セミオティックベースは、言語が用いられる状況を
表す状況タイプとそれに対応する状況特徴とを体系的に
保持する状況ベースをさらに有し、前記語彙文法ベース
および前記意味ベースはともに、前記状況ベースに保持
された状況タイプに関連付けられた言語の使用域を保持
し、前記状況ベースおよび前記語彙文法ベースを参照し
て、処理対象となる言語テクストに含まれる文字列の語
彙文法特徴の使用域に対応する状況タイプを同定するス
テップと、前記状況ベースおよび前記意味ベースを参照
して、前記同定された状況タイプに対応する意味特徴の
使用域を同定するステップとをさらに含み、前記同定さ
れた意味特徴の使用域の範囲内で、前記同定された意味
役割に対応する意味特徴を同定して言語テクストの意味
理解を行うことが好ましい。
【0021】本発明は、その第4の解決手段として、言
語が用いられる状況を表す状況タイプとそれに対応する
状況特徴とを体系的に保持する状況ベースと、言語の意
味特徴とそれに対応する意味役割とを体系的に保持する
意味ベースと、言語のやりとりの実例としての言語テク
ストを状況特徴および意味特徴とともに保持するコーパ
スとを有し、前記状況ベースは、前記状況タイプに対応
するテクストの場面構造をさらに保持し、前記意味ベー
スは、前記状況ベースに保持された状況タイプに関連付
けられた言語の使用域と前記状況ベースに保持されたテ
クストの場面構造に関連付けられた包括プランテンプレ
ートとをさらに保持するセミオティックベースを参照し
て、日常言語により記述または口述された言語テクスト
を処理して言語テクストの生成を行う日常言語コンピュ
ーティング方法において、前記状況ベースおよび前記意
味ベースを参照して、言語テクストの生成時の状況タイ
プに対応するテクストの場面構造に関連した包括プラン
テンプレートを同定するステップと、前記意味ベースを
参照して、前記同定された包括プランテンプレートと言
語テクストの処理の結果として得られた意味特徴とに基
づいて局所プランを作成するステップと、前記作成され
た局所プランと前記コーパスに保持された言語テクスト
の実例とに基づいて言語テクストの生成を行うステップ
とを含むことを特徴とする日常言語コンピューティング
方法を提供する。
【0022】なお、上述した第4の解決手段において、
前記セミオティックベースは、言語の語彙文法特徴とそ
れに対応する意味役割とを体系的に保持する語彙文法ベ
ースをさらに有し、前記語彙文法ベースは、前記状況ベ
ースに保持された状況タイプに関連付けられた言語の使
用域を保持し、前記コーパスは、言語のやりとりの実例
としての言語テクストを状況特徴、意味特徴および語彙
文法特徴とともに保持し、前記語彙文法ベースを参照し
て、言語テクストの生成時の状況タイプに対応する語彙
文法特徴の使用域を同定するステップと、前記意味ベー
スを参照して、前記局所プランに含まれる意味特徴に対
応する意味役割を同定するステップと、前記語彙文法ベ
ースを参照して、前記同定された語彙文法特徴の使用域
の範囲内で、前記同定された意味役割に対応する語彙文
法特徴を同定するステップとをさらに含み、前記同定さ
れた語彙文法特徴と前記局所プランと前記コーパスに保
持された言語テクストの実例とに基づいて言語テクスト
の生成を行うことが好ましい。また、前記セミオティッ
クベースは、語彙情報および意味情報を含む複数の辞書
項目を保持する電子辞書をさらに有し、前記語彙文法ベ
ースに保持された語彙文法特徴および前記意味ベースに
保持された意味特徴は、前記電子辞書に保持された前記
各辞書項目の語彙情報および意味情報にそれぞれ関連付
けられ、前記電子辞書を参照して、前記局所プランに含
まれる意味特徴と前記同定された語彙文法特徴とを含む
辞書項目を出力するステップと、前記語彙文法ベースを
参照して、前記同定された語彙文法特徴と前記出力され
た辞書項目とを組み合わせるステップとをさらに含み、
この組み合わせにより言語テクストの生成を行うことが
好ましい。
【0023】このように本発明によれば、日常言語の意
味の体系を構造化したセミオティックベースを用いて、
意味処理機構により、言語テクストの意味理解および言
語テクストの生成を行うので、全ての情報処理を日常言
語により実行および管理することができる。このため、
コンピュータなどの専門知識がなくとも、クライアント
が日常的に用いる言語(日常言語)によって容易に操作
することができ、またクライアントの意図を柔軟かつ正
確に把握して情報処理を行うことができる。
【0024】また、本発明によれば、言語オペレーティ
ングシステムにより、言語コンピュータ上での言語テク
ストの処理に関するプロセスの管理、言語テクストを含
む言語ファイルの管理、およびネットワークを介した言
語プロトコル通信の管理などを言語に基づいて行うの
で、情報処理に関する各種の管理を意味を伴った言語テ
クストのレベルで直感的に行うことができる。
【0025】さらに、本発明によれば、既存のリソース
(アプリケーションソフトウェアなどを含む)に言語イ
ンタフェースを設けているので、コンピュータによる情
報処理に必要なプログラミング言語、アプリケーション
ソフトウェア、ファイル、データベースおよびウェブ情
報のコンテンツなどの全てに言語に基づいてアクセスし
て利用することができる。
【0026】これにより、コンピュータの徹底したパー
ソナル化を実現することができ、電話やテレビなどと同
じような感覚で、また自分の言葉を通じて秘書を使うか
のようにコンピュータを自在に操ることができるように
なり、情報技術格差の問題は根本的に解消される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0028】[1 日常言語コンピューティングシステ
ムの概要] [1.1 全体構成]まず、図1により、本実施の形態
に係る日常言語コンピューティングシステムの全体構成
について説明する。
【0029】図1に示すように、日常言語コンピューテ
ィングシステム1は、コンピュータ端末としてのクライ
アント言語コンピューティングシステム(C−LCS)
10と、クライアント言語コンピューティングシステム
10に通信線5などを介して接続されたネットワーク言
語コンピューティングシステム(N−LCS)20とを
備えている。なお、ネットワーク言語コンピューティン
グシステム20はインターネットやイントラネットなど
のネットワーク2上に複数設けられている。
【0030】このうち、クライアント言語コンピューテ
ィングシステム10は、日常言語により記述または口述
された言語テクストを処理するクライアント言語コンピ
ューティング環境(C−LCE)12(以下「クライア
ント言語コンピュータ」という。)と、クライアント言
語コンピュータ12を日常言語により管理するクライア
ント言語オペレーティングシステム(C−LOS)16
とを有している。また、ネットワーク言語コンピューテ
ィングシステム20は、クライアント言語コンピューテ
ィングシステム10との間でやりとりされる言語テクス
トを処理するネットワーク言語コンピューティング環境
(N−LCE)22(以下「ネットワーク言語コンピュ
ータ」という。)と、クライアント言語コンピューティ
ングシステム10との間で言語データをやりとりすると
ともにネットワーク言語コンピュータ22を日常言語に
より管理するネットワーク言語オペレーティングシステ
ム(N−LOS)26とを有している。
【0031】ここで、クライアント言語オペレーティン
グシステム16は、クライアント言語コンピューティン
グシステム10におけるコンピューティングに必要な全
てのジョブを管理するものであり、クライアント(ユー
ザ)とクライアント言語コンピュータ12との間で対話
的に言語テクストをやりとりするクライアント秘書エー
ジェント17と、クライアント秘書エージェント17に
より管理されるクライアント知識ベース18と有してい
る。なお、クライアント言語オペレーティングシステム
16においては、言語テクストが言語ファイル19とし
て管理されている。
【0032】また、クライアント言語コンピュータ12
は、日常言語の意味の体系を構造化したクライアントセ
ミオティックベース(Client Semiotic Base)13と、
クライアントセミオティックベース13に基づいて言語
テクストの意味理解および言語テクストの生成を行うク
ライアント意味処理機構14とを有している。また、ク
ライアント言語コンピュータ12は、クライアント言語
オペレーティングシステム16からの指示により各種の
サービスを提供する言語アプリケーション15を有して
いる。なお、クライアント言語コンピュータ12は、既
存のハードウェアおよびオペレーティングシステムから
なる既存プラットフォーム11上で実現される仮想マシ
ンであり、クライアント言語コンピュータ12における
全ての入出力および情報処理を日常言語により実行およ
び管理するものである。
【0033】一方、ネットワーク言語オペレーティング
システム26は、ネットワークコンピューティングシス
テム20におけるコンピューティングに必要な全てのジ
ョブを管理するものであり、クライアント秘書エージェ
ント17との間で言語テクストをやりとりするとともに
ネットワーク言語コンピュータ22を管理するネットワ
ークマネージャエージェント27と、ネットマネージャ
エージェント27により管理されるネットワーク知識ベ
ース28とを有している。なお、ネットワーク言語オペ
レーティングシステム26においては、言語テクストが
言語ファイル29として管理されている。
【0034】また、ネットワーク言語コンピュータ22
は、日常言語の意味の体系を構造化したネットワークセ
ミオティックベース(Network Semiotic Base)23
と、ネットワークセミオティックベース23に基づいて
言語テクストの意味理解および言語テクストの生成を行
うネットワーク意味処理機構24とを有している。ま
た、ネットワーク言語コンピュータ22は、ネットワー
ク言語オペレーティングシステム16からの指示により
各種のサービスを提供する言語リソース25を有してい
る。なお、ネットワーク言語コンピュータ22は、クラ
イアント言語コンピュータ12と同様に、既存のハード
ウェアおよびオペレーティングシステムからなる既存プ
ラットフォーム21上で実現される仮想マシンであり、
ネットワーク言語コンピュータ22における全ての入出
力および情報処理を日常言語により実行および管理する
ものである。
【0035】なお、クライアント言語オペレーティング
システム16およびネットワーク言語オペレーティング
システム26は、ネットワーク2を介して言語通信プロ
トコルに従って互いに言語データをやりとりするように
なっており、クライアント秘書エージェント17とネッ
トワークマネージャエージェント27とが互いに連携す
るようになっている。また、クライアント知識ベース1
8とネットワーク知識ベース28とは、クライアント秘
書エージェント17およびネットワークマネージャエー
ジェント27による管理の下で互いに連携するようにな
っている。さらに、クライアントセミオティックベース
13とネットワークセミオティックベース23とは、ク
ライアント言語オペレーティングシステム16およびネ
ットワーク言語オペレーティングシステム26による管
理の下で互いに連携するようになっている。
【0036】[1.2 動作例]次に、上述した日常言
語コンピューティングシステム1の動作例について説明
する。
【0037】図1に示す日常言語コンピューティングシ
ステム1において、クライアントは、問題解決の要求や
問題解決の手順、作業指示などを日常言語により言語テ
クストとして記述または口述し、クライアント言語コン
ピューティングシステム10に対して情報処理の実行を
依頼する。
【0038】ここで、クライアントから依頼されて行わ
れる情報処理とは、パーソナルコンピュータやインター
ネットなどで一般に行われている情報処理のことであ
り、具体的には、次のようなものが挙げられる。
【0039】(a) 日常的な情報の収集や、チケットな
どの予約、スケジュール管理、ドキュメントの作成およ
び管理。 (b) 電子メールの作成および送信や、受信メールの分
類または内容の要約。 (c) コンサルテーションや学習。 (d) インターネット上のウエブ情報のコンテンツ内の
情報検索や調査。 (e) プログラミング言語やアプリケーションソフトウ
エアを用いたコンピューティング。 (f) インターネット上での電子商取引やバンキング、
インベストメント。 (g) 意思決定やプランニング、マネジメントなどの専
門的なジョブ。 (h) 家電製品やロボット、工場のプラントなどのハー
ドウェア機器の制御や管理。 (i) その他、コンピュータやインターネットの各種の
機能を用いた情報処理一般。
【0040】このような情報処理に関してのクライアン
トからの依頼は、例えば言語プログラム3として、クラ
イアント言語コンピューティングシステム10に入力さ
れる。なお、言語プログラム3は、ファイルなどに記述
されたものでもよいし、また口述されたものでもよい。
【0041】クライアント言語コンピューティングシス
テム10において、クライアント言語オペレーティング
システム16のクライアント秘書エージェント17によ
り言語プログラム3が受け付けられ、クライアント秘書
エージェント17を介してクライアント言語コンピュー
タ12上で言語プログラム3が実行される。また、クラ
イアント秘書エージェント17は、必要に応じて、ネッ
トワーク言語コンピューティングシステム20のネット
ワークマネージャエージェント27に対して言語プログ
ラム3の実行を依頼する。この場合には、ネットワーク
言語コンピューティングシステム20のネットワーク言
語コンピュータ22上で言語プログラム3が実行され
る。なお、クライアント言語コンピュータ12およびネ
ットワーク言語コンピュータ22においては、言語プロ
グラム3に含まれる言語テクストの意味理解が行われ、
最終的に既存プラットフォーム11,21上で実行可能
な形式に変換またはコンパイルされ、所望の情報処理が
行われる。クライアント言語コンピュータ12およびネ
ットワーク言語コンピュータ22における言語プログラ
ム3の実行結果は、クライアント秘書エージェント17
を介してクライアントに対して報告される。
【0042】なお、クライアント言語コンピュータ12
およびネットワーク言語コンピュータ22における情報
処理には、ほとんどがクライアント秘書エージェント1
7によるものと、主としてクライアントが行うものとが
あり、その種別に応じて情報処理の手順が異なってい
る。
【0043】以下、3つの代表的な情報処理を例に挙げ
て、図1に示す日常言語コンピューティングシステム1
の動作例について説明する。
【0044】<動作例1>まず、図2により、図1に示
す日常言語コンピューティングシステム1において、ア
プリケーションソフトウエアを利用して所定の計算を実
行する場合の動作例について説明する。
【0045】図2に示すように、まず、クライアント
は、計算の種類や、入力データ、計算の要求などを言語
プログラムとして記述し(ステップ101)、次いで、
クライアント言語オペレーティングシステム16のクラ
イアント秘書エージェント17を呼び出し、言語プログ
ラムの実行を指示する(ステップ102)。
【0046】クライアント秘書エージェント17は、ク
ライアント言語コンピュータ12を用いて言語プログラ
ムを解釈する(ステップ103)。なおこのとき、クラ
イアント秘書エージェント17は、言語プログラム意味
理解ルーチンに従って、クライアント言語コンピュータ
12のクライアント意味処理機構14を起動し、クライ
アントセミオティックベース13を用いて言語プログラ
ムの意味理解を行う(ステップ109)。
【0047】次に、クライアント秘書エージェント17
は、必要なアプリケーションソフトウエアを探し出し、
クライアントが指示する入力データを揃え、計算を実行
するための準備を行う(ステップ104)。
【0048】アプリケーションソフトウエアは、クライ
アント秘書エージェント17から計算の要求を受け付
け、実行形式のオブジェクトプログラムのセットアップ
を行い(ステップ105)、そのオブジェクトプログラ
ムをオペレーティングシステム(既存プラットフォーム
11)に渡す(ステップ106)。
【0049】最後に、クライアント秘書エージェント1
7は、オペレーティングシステム(既存プラットフォー
ム11)から実行結果を受け取り(ステップ107)、
その実行結果をクライアントに報告する(ステップ10
8)。なおこのとき、クライアント秘書エージェント1
7は、クライアント応答生成ルーチンに従って、クライ
アント言語コンピュータ12のクライアント意味処理機
構14を起動し、クライアントセミオティックベース1
3を用いて実行結果の意味理解を行うとともに実行結果
の要約を表す言語テクストを生成し、その要約を実行結
果につけてクライアントに報告する(ステップ11
0)。
【0050】<動作例2>次に、図3により、図1に示
す日常言語コンピューティングシステム1において、ネ
ットワーク上で情報検索を行う場合の動作例について説
明する。
【0051】図3に示すように、まず、クライアント
は、収集したい情報の種別とコメントとを言語プログラ
ムとして記述し(ステップ201)、次いで、クライア
ント言語オペレーティングシステム16のクライアント
秘書エージェント17を呼び出し、言語プログラムの実
行を指示する(ステップ202)。
【0052】クライアント秘書エージェント17は、ク
ライアント言語コンピュータ12を用いて言語プログラ
ムを解釈し、次いで、言語プログラムを補足してネット
ワーク言語コンピューティングシステム20のネットワ
ークマネージャエージェント27が理解できるような形
に整える(ステップ203)。なおこのとき、クライア
ント秘書エージェント17は、言語プログラム意味理解
ルーチンに従って、クライアント言語コンピュータ12
のクライアント意味処理機構14を起動し、クライアン
トセミオティックベース13を用いて言語プログラムの
意味理解を行う。また、クライアント秘書エージェント
17は、テクスト生成ルーチンに従って、クライアント
言語コンピュータ12のクライアント意味処理機構14
を起動し、クライアントセミオティックベース13を用
いて言語プログラムを補足する言語テクストを生成する
(ステップ210)。
【0053】次に、クライアント秘書エージェント17
は、ネットワーク言語コンピューティングシステム20
のネットワークマネージャエージェント27を呼び出
し、修正済みの言語プログラムの実行を依頼する(ステ
ップ204)。
【0054】ネットワークマネージャエージェント27
は、ネットワーク言語コンピュータ22を用いて修正済
みの言語プログラムを解釈し、適当な検索エージェント
を呼び出して、検索を依頼する(ステップ205)。な
おこのとき、ネットワークマネージャエージェント27
は、言語プログラム意味理解ルーチンに従って、ネット
ワーク言語コンピュータ22のネットワーク意味処理機
構24を起動し、ネットワークセミオティックベース2
3を用いて修正済みの言語プログラムの意味理解を行う
(ステップ211)。
【0055】検索エージェントは検索を実行する(ステ
ップ206)。
【0056】その後、ネットワークマネージャエージェ
ント27は、検索エージェントから検索結果を受け取
り、検索結果の要約を作成する(ステップ207)。な
おこのとき、ネットワークマネージャエージェント27
は、テクスト生成ルーチンに従って、ネットワーク言語
コンピュータ22のネットワーク意味処理機構24を起
動し、ネットワークセミオティックベース23を用いて
検索結果の要約を表す言語テクストを生成する(ステッ
プ212)。
【0057】そして、ネットワークマネージャエージェ
ント27は、その要約を、収集した情報につけてクライ
アント秘書エージェント17に報告する(ステップ20
8)。
【0058】最後に、クライアント秘書エージェント1
7は、ネットワークマネージャエージェント27から検
索結果とその要約とを受け取り、収集した情報を要約に
従って編集した上で、クライアントに報告する(ステッ
プ209)。なおこのとき、クライアント秘書エージェ
ント17は、クライアント応答生成ルーチンに従って、
クライアント言語コンピュータ12のクライアント意味
処理機構14を起動し、クライアントセミオティックベ
ース13を用いて検索結果の意味理解を行うとともに編
集された収集情報を表す言語テクストを生成する(ステ
ップ213)。
【0059】<動作例3>次に、図4により、図1に示
す日常言語コンピューティングシステム1において、ネ
ットワーク上の処理エージェント(コンサルティング
や、旅行代理店、商店など)を利用する場合の動作例に
ついて説明する。
【0060】図4に示すように、まず、クライアント
は、クライアント言語オペレーティングシステム16の
クライアント秘書エージェント17を呼び出し、目的
と、必要とする処理エージェントの種別とを指示する
(ステップ301)。
【0061】クライアント秘書エージェント17は、ク
ライアント言語コンピュータ12を用いてクライアント
の指示を解釈し、次いで、言語プログラムを作成する
(ステップ302)。なおこのとき、クライアント秘書
エージェント17は、言語プログラム意味理解ルーチン
に従って、クライアント言語コンピュータ12のクライ
アント意味処理機構14を起動し、クライアントセミオ
ティックベース13を用いてクライアントの指示の意味
理解を行う。また、クライアント秘書エージェント17
は、テクスト生成ルーチンに従って、クライアント言語
コンピュータ12のクライアント意味処理機構14を起
動し、クライアントセミオティックベース13を用いて
クライアントの指示を実現するための言語プログラム
(言語テクスト)を生成する(ステップ309)。
【0062】次に、クライアント秘書エージェント17
は、ネットワーク言語コンピューティングシステム20
のネットワークマネージャエージェント27を呼び出
し、作成された言語プログラムの実行を依頼する(ステ
ップ303)。
【0063】ネットワークマネージャエージェント27
は、ネットワーク言語コンピュータ22を用いて言語プ
ログラムを解釈し、所望のサービスを行っている処理エ
ージェントを呼び出す(ステップ305)。なおこのと
き、ネットワークマネージャエージェント27は、言語
プログラム意味理解ルーチンに従って、ネットワーク言
語コンピュータ22のネットワーク意味処理機構24を
起動し、ネットワークセミオティックベース23を用い
て言語プログラムの意味理解を行う(ステップ31
0)。
【0064】その後、ネットワークマネージャエージェ
ント27は、処理エージェントのサービスのコンテンツ
を調べ、処理エージェントのサービス内容の要約を作成
する(ステップ305)。なおこのとき、ネットワーク
マネージャエージェント27は、テクスト生成ルーチン
に従って、ネットワーク言語コンピュータ22のネット
ワーク意味処理機構24を起動し、ネットワークセミオ
ティックベース23を用いてサービス内容の要約を表す
言語テクストを生成する(ステップ311)。
【0065】そして、ネットワークマネージャエージェ
ント27は、そのサービス内容の要約をクライアント秘
書エージェント17に報告する(ステップ306)。
【0066】最後に、クライアント秘書エージェント1
7は、ネットワークマネージャエージェント27からサ
ービス内容の要約を受け取り、それを理解した上で、適
当な処理エージェントをクライアントに紹介する(ステ
ップ307)。なおこのとき、クライアント秘書エージ
ェント17は、クライアント応答生成ルーチンに従っ
て、クライアント言語コンピュータ12のクライアント
意味処理機構14を起動し、クライアントセミオティッ
クベース13を用いてサービス内容の要約の意味理解を
行うとともに処理エージェントの情報を表す言語テクス
トを生成する(ステップ312)。
【0067】その後、クライアントは、報告された処理
エージェントにコンタクトする(ステップ308)。
【0068】以下、上述した日常言語コンピューティン
グシステム1の詳細について、クライアント言語コンピ
ューティングシステム10およびネットワーク言語コン
ピューティングシステム20のそれぞれに分けて説明す
る。
【0069】[2 クライアント言語コンピューティン
グシステム] [2.1 クライアント言語オペレーティングシステ
ム] [2.1.1 概要]図1に示すクライアント言語コン
ピューティングシステム10において、クライアント言
語オペレーティングシステム16は、クライアントとク
ライアント言語コンピュータ12との間で対話的に言語
テクストをやりとりするためのクライアント秘書エージ
ェント17を有し、クライアント言語コンピュータ12
上での言語テクストの処理に関するプロセスを管理した
り、言語テクストを含む言語ファイル19を管理するこ
とができるようになっている。
【0070】具体的には、クライアント言語オペレーテ
ィングシステム16のクライアント秘書エージェント1
7は、クライアントからの要求の意味を理解し、言語テ
クストの処理に関するプロセスのスケジューリングを行
ってクライアントの要求を実現する。また、クライアン
ト秘書エージェント17は、クライアントからの指示に
より、または自発的に、言語ファイル19の作成および
管理を行う。ここで、言語ファイルとは、クライアント
またはクライアント秘書エージェント17のパーソナル
ファイルであり、言語タイトルと要約とを含み、日常言
語により作成および管理される。なお、言語ファイル
は、クライアント秘書エージェント17を介してその内
容を確認することができる他、クライアントが直接アク
セスしてその内容を確認することができる。言語ファイ
ルとしては、クライアントがクライアント秘書エージェ
ント17に作成を指示したものの他、クライアント秘書
エージェント17がクライアントの要求に応じられるよ
うに自発的に作成したもの、ネットワーク言語オペレー
ティングシステム26で管理される共用ファイルの一部
をカスタマイズしてクライアント用にしたものなどがあ
る。
【0071】また、クライアント言語オペレーティング
システム16は、ネットワーク言語オペレーティングシ
ステム26との間で言語通信プロトコルに従って言語デ
ータをやりとりすることにより、クライアント秘書エー
ジェント17とネットワークマネージャエージェント2
7とを互いに連携させたり、クライアント秘書エージェ
ント17およびネットワークマネージャエージェント2
7による管理の下でクライアント知識ベース18とネッ
トワーク知識ベース28とを互いに連携させる。
【0072】さらに、クライアント言語オペレーティン
グシステム16は、ネットワーク言語オペレーティング
システム26との間で言語通信プロトコルに従って言語
データをやりとりすることにより、クライアントセミオ
ティックベース13とネットワークセミオティックベー
ス23とを互いに連携させ、クライアント言語コンピュ
ータ12のクライアントセミオティックベース13に格
納された言語体系資源に関して、クライアント秘書エー
ジェント17が言語テクストの意味理解や言語テクスト
の生成を行うときに必要な言語体系資源をネットワーク
セミオティックベース23から補充する。
【0073】[2.1.2 ユーザインタフェース]図
5はクライアント言語オペレーティングシステム16に
よりクライアントに対して呈示されるユーザインタフェ
ースの一例を説明するための図である。
【0074】図5に示すように、クライアント言語コン
ピューティングシステム10のディスプレイ上には、ク
ライアント秘書エージェント17を擬人化した秘書アイ
コン51と、クライアントの居住空間(居間やオフィ
ス)を3次元的に模した仮想空間としてのクライアント
オフィス52とが画面4として表示されており、クライ
アントと秘書アイコン51(クライアント秘書エージェ
ント17)との間での対話など(言語テクストのやりと
り)によりクライアント言語コンピューティングシステ
ム10を操作することができるようになっている。
【0075】ここで、図5に示すようなユーザインタフ
ェースは、クライアントからの指示により所望の態様に
設定することができるようになっている。
【0076】具体的には、画面4上に表示されるクライ
アントオフィス52にはいくつかの標準パターンがあ
り、それぞれの標準パターンをオフィス変更ツールなど
を用いてクライアントからの指示により適宜変更するこ
とにより、クライアントの好みに応じて模様変えなどを
行うことができるようになっている。
【0077】また、画面4上に表示される秘書アイコン
51(クライアント秘書エージェント17)には、専門
ドメインごとに複数の候補が用意されており、クライア
ントからの指示によりクライアントの好みに応じて所望
の候補を選択することができるようになっている。な
お、画面4上に表示される秘書アイコン51は、専門ド
メインなどの性質に応じて表情、服装、方言および言葉
遣いなどが異なっている。
【0078】なお、画面4上に表示されるクライアント
オフィス52には、クライアント用のデスクアイコン5
3、クライアント秘書エージェント用のデスクアイコン
54、掲示ボートアイコン55、本棚アイコン56、電
話アイコン57、テレビアイコン58などあり、また必
要に応じてファイルキャビネットアイコンやビデオアイ
コン、ステレオアイコンなどがあり、クライアントがマ
ウス操作などにより直接指示したり、また秘書アイコン
51(クライアント秘書エージェント17)に対して言
語により指示することによりアクセスすることができる
ようになっている。
【0079】ここで、一例として、言語ファイルの内容
を確認する場合を例に挙げて説明する。図5に示す画面
4上において、言語ファイルは、クライアントオフィス
52内のファイルキャビネット(図示せず)に収納され
ており、クライアントがマウス操作などにより直接指示
したり、また秘書アイコン51(クライアント秘書エー
ジェント17)に対して言語により指示することにより
アクセスすることができる。また、クライアントは、こ
のようにしてアクセスされた言語ファイルをデスクアイ
コン53上で仮想的に開いて見ることができる他、秘書
アイコン51(クライアント秘書エージェント17)に
言語ファイルの内容を読み上げさせたり、内容の要約を
述べさせたりすることができる。
【0080】ここで、これらのアイコンのうち、例えば
掲示ボートアイコン55や本棚アイコン56にはクライ
アント言語オペレーティングシステム16により管理さ
れる言語ファイルや言語プロセスなどが関連付けられて
おり、また電話アイコン57や電話やファクシミリアイ
コン(図示せず)などにはそれぞれ電話やファクシミリ
などのクライアントが日常的に使用している物理的な通
信機器が関係付けられており、またテレビアイコン58
やビデオアイコン(図示せず)、ステレオアイコン(図
示せず)にはテレビやビデオ、ステレオなどのクライア
ントが日常的に使用している物理的なAV機器が関係付
けられている。なお、これらの物理的な通信機器やAV
機器は、クライアント言語コンピューティングシステム
10に内蔵されているものでもよく、またクライアント
言語コンピューティングシステム10に接続された外部
機器でもよい。
【0081】[2.1.3 クライアント秘書]クライ
アント秘書エージェント17は、クライアント言語コン
ピューティングシステム10およびネットワーク言語コ
ンピューティングシステム20に関する知識を有し、図
5に示すような画面4上の秘書アイコン51を通じて呈
示される表情、服装、方言および言葉遣いなどを通じて
独自のパーソナリティを示すとともに、専門ドメインな
どを通じて独自のパーソナリティを示す。
【0082】なお、クライアント秘書エージェント17
は、クライアント知識ベース18を用いて、次のような
学習能力および習熟能力を有し、特定のクライアントに
特化された個人秘書として機能するものである。
【0083】(a) 方言や独特の言葉遣いを用いてなさ
れたクライアントの要求の意味を正確に理解し、音声や
文字などにより臨機応変に応答する。 (b) 一定の常識を有し、融通性に富み、クライアント
の意図を察して、適切な提案を行う。 (c) クライアントを補佐する仕事を通じて他の様々な
ドメイン知識を獲得する。 (d) 自己の作業能力を向上させ、クライアントモデル
を形成する。
【0084】ここで、クライアント秘書エージェント1
7が行う主なジョブは、クライアントから依頼された言
語プログラムを実行したり、言語プログラムの実行をサ
ポートしたり、実行結果を報告したりすることであり、
クライアントからの直接の指示により行うジョブの他、
クライアント秘書エージェント17の独自の判断で行う
ジョブがある。
【0085】このうち、クライアントからの指示により
行うジョブとしては、次のようなものがある。
【0086】(a) 必要な情報を収集し、編集や要約の
作成などを行ってクライアントに報告する。 (b) ネットワーク言語オペレーティングシステム26
のネットワークマネージャエージェント27を呼び出
し、ドメインごとの処理エージェントに対してクライア
ントに代わってジョブの実行を依頼する。 (c) 簡単な旅行ガイドや各種の予約を行う。 (d) 言語ファイルを作成して管理する。 (e) クライアントからの指示により電子メールを作成
して送信する。 (f) アプリケーションソフトウエアの利用をサポート
したり、コンピュータの機能について説明する。
【0087】一方、クライアント秘書エージェント17
の独自の判断で行うジョブとしては、次のようなものが
ある。
【0088】(g) 図5に示す画面4上に表示されたク
ライアントオフィス52全体を管理し、ファイルの収納
や整理、模様替えなどを行う。 (h) 自分用のメモを作成する。 (i) 自分用のファイルを作成し、クライアントのスケ
ジュール管理や個人情報の管理を行う。 (j) クライアントの言語プログラムを解釈して実行し
やすいように補足や修正などを行う。 (k) 自分の専用のドメイン知識の拡充や新たに獲得し
たドメイン知識のための知識ベースを作成する。
【0089】[2.1.4 クライアント知識ベース]
クライアント知識ベース18は、クライアント秘書エー
ジェント17がクライアントからの依頼に応じて言語プ
ログラムなどを実行する際に参照する知識を格納するも
のであり、クライアント秘書エージェント17を介して
なされたクライアントからの要求に応じてその状況に必
要な知識が検索および適用される。なお、クライアント
知識ベース18は、クライアント秘書エージェント17
により追加および更新される。また、クライアント知識
ベース18内に格納された知識は、クライアント言語コ
ンピュータ12のクライアントセミオティックベース1
3によってインデックス化されている。
【0090】[2.2 クライアント言語コンピュー
タ] [2.2.1 クライアントセミオティックベース] [2.2.1.1 概要]図1に示すクライアント言語
コンピューティングシステム10のクライアントセミオ
ティックベース13は、図6に示すように、クライアン
ト電子辞書31、クライアント語彙文法ベース35、ク
ライアント意味ベース37、クライアント状況ベース3
9およびクライアントコーパス42を有している。
【0091】[2.2.1.2 クライアント電子辞
書]図6に示すように、クライアント電子辞書31は、
複数の辞書項目32を保持している。各辞書項目32
は、レコード番号、見出し情報、語彙情報(表記、読
み、品詞、活用語であればその基本形と活用型、および
語彙文法特徴)、意味情報、および頻度情報から構成さ
れている(図4(a)〜(g)参照)。このうち、各辞書項目
32の語彙情報はクライアント語彙文法ベース35に保
持された語彙文法特徴と関連付けられ、各辞書項目32
の意味情報はクライアント意味ベース37に保持された
意味特徴と関連付けられている。
【0092】また、クライアント電子辞書31は、形態
素解析のために、どのような形態素が連続して現れやす
いかを統計処理し、その結果から得られた確率を示した
形態素連接表33を保持している。
【0093】さらに、クライアント電子辞書31は、係
り受け解析のために、どのような句が係り受け関係を持
ちやすいかを統計処理し、その結果から得られた確率を
示した係り受け関係表34を保持している。
【0094】なお、このようなクライアント電子辞書3
1においては、エディタなどにより、新しい辞書項目を
登録することが可能である。なお、初期状態で登録され
ているのは日常レベルの語彙がほとんどであるが、専門
性の高い語彙でも、特に、言語プログラムに関連のある
語彙については、デフォルトで搭載するようにするとよ
い。また、必要に応じて、ネットワークセミオティック
ベース23のネットワーク電子辞書から、辞書項目をイ
ンポートするようにしてもよい。さらに、クライアント
による方言の使用をサポートするために標準語だけでな
く方言も含むようにするとよく、エディタなどにより適
宜カスタマイズするようにするとよい。
【0095】[2.2.1.3 クライアント語彙文法
ベース]図6に示すように、クライアント語彙文法ベー
ス35は、互いに関連付けられた複数の語彙文法ベース
項目36を有している。各語彙文法ベース項目36は、
レコード番号と、言語の語彙文法的な特徴を記述するた
めの情報(語彙文法特徴)とから構成されている。な
お、語彙文法特徴は、言語テクストの言い回しを解析
し、その言い回しの意味役割および意味の分析につなげ
ていくのに必要なものである。なお、クライアント語彙
文法ベース35においては、クライアント電子辞書31
に登録されている見出しの全てとそれらの可能な組合わ
せ方が、語レベル、句レベルおよび節レベルに分けて体
系化されている(図8参照)。
【0096】なお、語彙文法特徴には、2種類の情報が
付与されている。1つは、クライアント状況ベース39
に保持された状況タイプに関連付けられた言語の使用域
であり、語彙文法特徴がどのような状況下で用いられや
すいものであるかを示したものである。もう1つは、語
彙文法特徴の具現の仕方に関する情報(意味役割)であ
り、語彙文法特徴によってどのような意味役割が具現さ
れるかを示したものである(図8参照)。
【0097】なお、語彙文法特徴と意味役割との関係は
次のとおりである。例えば、「太郎」という言い回しの
語彙文法特徴は『名詞+格助詞が』で、『名詞+格助詞
が』は<動作主>という意味役割を表すことができると
すると、「太郎が歩く」の「太郎が」は、走るという<
動作>に対して、走るという動作をする人、すなわち<
動作主>という意味役割を表していることになる。
【0098】[2.2.1.4 クライアント意味ベー
ス]図6に示すように、クライアント意味ベース37
は、互いに関連付けられた複数の意味ベース項目38を
有している。各意味ベース項目38は、レコード番号
と、言語の意味的な特徴を記述するための情報(意味特
徴)とから構成されている。なお、意味特徴は、言語テ
クストの意味を解析し、その意味が担う意味役割および
語彙文法特徴の分析につなげていくために必要なもので
ある。なお、クライアント意味ベース37においては、
クライアント電子辞書31に意味情報として導入された
ものが、主として上位および下位の関係に基づいて体系
化されている(図9参照)。なお、普通の国語辞典など
に記載されている単語の意味から、類義語辞典(シソー
ラス)に記載されている概念、さらに文全体で表現され
る“命令”や“質問”のような意味まで含むようにする
ことが好ましい。
【0099】なお、意味特徴には、2種類の情報が付与
されている。1つは、クライアント状況ベース39に保
持された状況タイプに関連付けられた言語の使用域であ
り、意味特徴がどのような状況下で現れやすいものであ
るかを示したものである。もう1つは、意味特徴の具現
の仕方に関する情報(意味役割)であり、意味特徴によ
ってどのような意味役割が具現されるかを示したもので
ある(図8参照)。なお、各意味ベース項目38の意味
特徴に付与された言語の使用域は、言い換えると、クラ
イアント状況ベース39に保持された状況タイプに対応
するテクストの場面構造(後述)のどの場面で現れやす
いものであるかを示したものであり、この場面において
典型的にやりとりされる意味を表したものが包括プラン
テンプレート44として保持されている(図10参
照)。
【0100】図10に示すように、包括プランテンプレ
ート44は、言語テクスト情報46の一部を構成する意
味特徴のテンプレートである。包括プランテンプレート
44は、どのような意味特徴を持つ項目が入るべきかを
指定したスロットを含んでおり、クライアント意味ベー
ス37に基づいて、その意味特徴を満たす項目によりス
ロットが埋められることにより、一文ごとにどのような
意味特徴を含むことになるのかが決まるようになってい
る。なお、各文ごとにどのような意味特徴が含まれるの
かを示したものは局所プランと呼ばれる(図11の符号
45参照)。
【0101】なお、包括プランテンプレート44および
局所プラン45では、意味特徴は3種類に分けて記載さ
れる。1つは、「概念構成的意味」で、主として文を構
成している名詞句や動詞句の意味(例えば、人、場所、
動作、状態を表すなど)を規定するための特徴である。
2つ目は、「対人関係的意味」で、話し手が、文を通じ
て表している聞き手に対する態度(例えば、相手の方が
目上である、あるいは、初対面であるために丁寧に接し
ているなど)や、文の内容に対する態度(例えば、文の
中に話し手には分からないことが含まれているので、質
問するなど)を記述するための特徴である。3つ目は、
「テクスト形成的意味」で、文の話題をどのように文中
で提示するかを規定するための特徴である。なお、話題
は、文中で提示することもあれば、分かり切っている場
合には示さずにおくこともできるので、それに関する選
択がここで設定される。これらは、クライアント語彙文
法ベース35に保持されている語彙文法特徴(図10お
よび図11において、「過程構成」、「叙法」および
「テーマ構造」として記載されている特徴)によって、
それぞれ具現される。
【0102】ここで、このような意味特徴と語彙文法特
徴とはあらかじめ関連付けられている。すなわち、上述
した意味特徴の具現の仕方に関する情報(意味役割)に
よって、意味特徴が文中でどのような語彙文法特徴によ
って具現されるか(例えば、“感謝する”という意味特
徴は、クライアント語彙文法ベース35に保持された
「ありがとう」や「すみません」という語彙文法特徴に
よって具現される)、また意味特徴によってどのような
意味役割が具現されるか(「太郎」が“人間の名前”と
いう意味特徴を持ち、“人間”が<動作主>という意味
役割を担うことが可能であるとすると、「太郎が走る」
の「太郎」は、走るという<動作>に対して、<動作主
>という意味役割を担っている)、が指定されている。
【0103】[2.2.1.5 クライアント状況ベー
ス]図6に示すように、クライアント状況ベース39
は、互いに関連付けられた複数の状況ベース項目40を
有している。各状況ベース項目40は、レコード番号
と、言語が用いられる状況を類似関係に基づいて分類し
てグループ化した情報(状況タイプ)とから構成されて
いる。
【0104】なお、状況タイプには、それに対応する状
況特徴が付与されている。状況特徴は、言語活動領域、
役割関係および伝達様式の3つの特徴からなっている
(図12参照)。このうち、言語活動領域とは言語を使
って何が行われているか(例えば、ジョブを説明するな
ど)、役割関係とは誰が関わっているか(例えば、クラ
イアントが発信者で、クライアント秘書エージェントが
受信者)、伝達様式とはどのように言語が伝達されるか
(例えば、音声出力を想定して書かれたもの)、に関連
している。これらの3種類の特徴が変わると、言語の使
用のされ方に違いが生じる。
【0105】人間は日々の生活において、ある状況タイ
プのときに、どのように話が展開するか、どのような意
味のやりとりが行われるか、どのような言葉遣いがなさ
れるかなどについて、直感的に様々な予測をし、適切な
言語を使用している。同様のことをコンピュータ上で再
現するためには、状況タイプとそこで典型的に用いられ
る言語の特徴(語彙文法特徴および意味特徴)とを結び
付けておく必要がある。このため、クライアント状況ベ
ース39の各状況ベース項目40に状況タイプの情報を
付与するとともに、クライアント語彙文法ベース35の
各語彙文法ベース項目36およびクライアント意味ベー
ス37の各意味ベース項目38に言語の使用域という情
報を付与し、状況タイプから使用域、また使用域から状
況タイプを引き出すことができるようになっている。
【0106】図13は図6に示すクライアントセミオテ
ィックベース13におけるクライアント状況ベース3
9、クライアント意味ベース37およびクライアント語
彙文法ベース35間の連関の様子を説明するための図で
ある。
【0107】図13において、クライアント状況ベース
39内の楕円61で示した部分が特定の状況タイプを示
しており、これとの関連で、クライアント意味ベース3
7の使用域(符号62参照)およびクライアント語彙文
法ベース35の使用域(符号63参照)が抽出される。
このような状況タイプと使用域との連関によって、言語
の使用の状況とそこで伝えたい意味とが与えられれば、
適切な言い回しが導き出され、言語の使用の状況とそこ
で発せられた言い回しとが与えられれば、適切な意味が
導き出される。さらに、特定の状況タイプによって限定
されたクライアント意味ベース37の使用域に対応する
意味特徴(符号62参照)の中から1つ(符号64参
照)が選ばれると、それを具現する語彙文法特徴(符号
65参照)がクライアント語彙文法ベース35の使用域
に対応する語彙文法特徴(符号63参照)の中から選ば
れる。状況タイプが変わると、どの意味特徴と語彙文法
特徴とが連関するかが変わる。
【0108】さらに、クライアント状況ベース39は、
状況タイプに対応するテクストの場面構造41を保持し
ている(図14参照)。図14に示すように、テクスト
の場面構造41は、言語テクストの大まかな展開を示し
たものであり、ある状況にはどのような場面が存在する
か、それがどのような順番で現れるか、その場面は必須
であるかどうか、といった情報が含まれている。テクス
トの場面構造41の各場面は、クライアント意味ベース
37に保持された包括プランテンプレート44と連関し
ている。
【0109】なお、このようなクライアント状況ベース
39においては、エディタなどにより、新しい状況タイ
プやテクストの場面構造を作成することが可能である。
また、クライアントの要求に応じて要約文の字数制限を
設定したり、クライアントに必要な特定の情報だけを含
む要約文を作成するようにすることも可能である。さら
に、必要に応じて、ネットワークセミオティックベース
23のネットワーク状況ベースから、状況タイプやテク
ストの場面構造をインポートするようにしてもよい。
【0110】[2.2.1.6 クライアントコーパ
ス]図6に示すように、クライアントコーパス42は、
複数のコーパス項目43を有している。各コーパス項目
43は、レコード番号と、言語のやりとりの実例として
の言語テクストとから構成されている。なお、各言語テ
クストは、クライアント電子辞書31、クライアント語
彙文法ベース35、クライアント意味ベース37および
クライアント状況ベース39内の言語体系に従って解析
され、それぞれの特徴(語彙文法特徴、意味特徴および
状況特徴)が記述されている(図15(a)(b)参照)。な
お、初期状態では、新聞から日常会話まで、様々な状況
タイプに属する言語テクストが保存されている。ここ
で、クライアント電子辞書31、クライアント語彙文法
ベース35、クライアント意味ベース37およびクライ
アント状況ベース39内の言語体系とクライアントコー
パス42内の言語テクストの特徴(語彙文法特徴、意味
特徴および状況特徴)とを比較してみると、実際に言語
テクスト内で具現されている特徴に対して、言語体系内
にある他の具現可能な特徴にはどのようなものがあるの
かが分かる。
【0111】なお、このようなクライアントコーパス4
2においては、クライアントとクライアント秘書エージ
ェント17との間でなされた言語テクストのやりとり
が、その語彙文法特徴、意味特徴および状況特徴ととも
に全て記録される。そして、言語テクストの意味理解お
よび言語テクストの生成時には、クライアントが頻繁に
用いる言語テクストを優先的に利用することにより、迅
速に処理を行うことが可能となる。
【0112】[2.2.2 クライアント意味処理機
構] [2.2.2.1 概要]図1に示すクライアント言語
コンピュータ12において、クライアント意味処理機構
14により行われる言語テクストの処理は、全てクライ
アントセミオティックベース13内の言語体系資源を用
いて行われる。基本的な言語テクストの処理には、大別
して、与えられた言語テクストの意味理解を行うための
ものと、状況に即した言語テクストの生成を行うための
ものとがある。また、基本的に言語テクストの生成の範
疇に含まれる事項であるが、言語テクストの生成におい
て、対人関係を特に考慮したケースとして、言語テクス
トの翻訳がある。
【0113】以下、クライアント意味処理機構14によ
りクライアントセミオティックベース13を用いた言語
テクストの意味理解、言語テクストの生成、および言語
テクストの翻訳が行われるタイミングについて列挙す
る。
【0114】(1)言語テクストの意味理解 (a) クライアントが記述または口述した言語プログラ
ムをクライアント秘書エージェント17受け取ったと
き。 (b) 言語プログラムの実行結果をクライアント秘書エ
ージェント17が受け取ったとき。 (c) ネットワークマネージャエージェント27に依頼
した言語プログラムの実行結果の要約をクライアント秘
書エージェント17が受け取ったとき。
【0115】(2)言語テクストの生成 (a) クライアント言語コンピューティングシステム1
0を起動した後、クライアント秘書エージェント17が
クライアントにあいさつをするとき。 (b) クライアントが記述または口述した質問を理解し
た後、それに対して返答するとき。 (c) クライアントが記述または口述した言語プログラ
ムを理解した後、ネットワークマネージャエージェント
27にその言語プログラムの実行を依頼するため、その
言語プログラムを修正するとき。 (d) クライアントが記述または口述した言語プログラ
ムを理解したが、クライアント秘書エージェント17が
その言語プログラムを実行するにあたって必要な情報が
不足していることが分かり、クライアントから必要な情
報を引き出そうとするとき。 (e) 言語プログラムの実行結果を理解した後、その内
容を要約するとき。 (f) ネットワークマネージャエージェント27に依頼
した言語プログラムの実行結果の要約を理解した後、ク
ライアントの好みに合わせて、その実行結果と要約とを
編集するとき。
【0116】(3)言語テクストの翻訳 (a) 異種言語を用いてクライアント同士がコミュニケ
ーションをとるとき。 (b) クライアントがクライアント秘書エージェント1
7に言語テクストの翻訳を依頼するとき。 (c) 専門家の難解な話をクライアントが理解できるレ
ベルの話に翻訳するとき。 (d) ある方言を他の方言、あるいは標準語とされる言
語に翻訳するとき。
【0117】なお、言語テクストの処理の基本は、言語
テクストの意味理解と言語テクストの生成である。言語
テクストの翻訳は、原テクストの理解と翻訳されたテク
ストの生成として考えることができる。そこで、以下、
言語テクストの意味理解と言語テクストの生成とを中心
にして、その処理の内容について具体的に説明する。
【0118】[2.2.2.2 言語テクストの意味理
解]ここでは、クライアントが記述した言語プログラム
の意味理解を例に挙げて、言語テクストの意味理解の処
理について説明する。
【0119】<処理例1>図16は言語テクストの意味
理解の一例を説明するためのフローチャートである。な
お、図16に示すフローチャートは、処理対象となる情
報(矩形の囲み線)と、処理に用いられるクライアント
セミオティックベースの各部(矩形の二重囲み線)との
関係を、制御の流れ(矢印)とともに表したものであ
る。
【0120】図16において、まず、クライアント言語
コンピュータ12が、クライアントが入力した言語プロ
グラムをクライアント秘書エージェント17から受け取
る(ステップ401)。
【0121】クライアント言語コンピュータ12のクラ
イアント意味処理機構14は、クライアントコーパス4
2を参照して、言語プログラムに含まれる言語テクスト
に類似した言語テクストがあるかどうかを確認する(ス
テップ402)。
【0122】ここで、クライアントコーパス42内に類
似した言語テクストが見つかった場合には、その言語テ
クストの意味特徴を、言語プログラムの意味として、ク
ライアント秘書エージェント17に渡す(ステップ40
3)。
【0123】これにより、言語プログラムの意味理解は
終了となる。
【0124】なお、図16に示す処理例は、クライアン
トセミオティックベース13の一部であるクライアント
コーパス42のみを用いて言語プログラムの意味理解を
行うものである。
【0125】<処理例2>これに対し、ステップ402
において、クライアントコーパス42内に類似した言語
テクストが見つからなかった場合には、図17に示すよ
うな処理が行われる。
【0126】図17はクライアントセミオティックベー
ス13の全てを用いて言語プログラムの意味理解を行う
場合を説明するためのフローチャートである。なお、図
17に示すフローチャートの表現方法は図16と同様で
ある。
【0127】図17において、まず、クライアント言語
コンピュータ12が、クライアントが入力した言語プロ
グラムをクライアント秘書エージェント17から受け取
る(ステップ501)。
【0128】クライアント言語コンピュータ12のクラ
イアント意味処理機構14は、クライアント電子辞書3
1の形態素連接表33および係り受け関係表34を参照
して、言語プログラムに含まれる言語テクストに対して
形態素解析と係り受け解析とを行い(ステップ50
2)、次いで、クライアント語彙文法ベース35を参照
して、形態素解析および係り受け解析の結果情報のつい
た文字列から、それらの語彙文法特徴を同定する(ステ
ップ503)。
【0129】その後、クライアント語彙文法ベース35
を参照して、ステップ503で得られたそれぞれの語彙
文法特徴が表現できる意味役割を同定する(ステップ5
04)。
【0130】また、クライアント意味ベース37を参照
して、ステップ504で得られたそれぞれの意味役割を
担うことのできる意味特徴を同定する(ステップ50
5)。
【0131】一方で、クライアント語彙文法ベース35
を参照して、ステップ503で得られた語彙文法特徴か
らその使用域を同定する(ステップ506)。
【0132】また、クライアント状況ベース39を参照
して、ステップ506で得られた語彙文法特徴の使用域
から、その使用域に対応する状況タイプを同定する(ス
テップ507)。
【0133】次に、クライアント意味ベース37を参照
して、ステップ507で得られた状況タイプに対応する
意味特徴の使用域を同定する(ステップ508)。
【0134】一方で、クライアント電子辞書31を参照
して、ステップ503で得られたそれぞれの語彙文法特
徴を含む辞書項目を出力する(ステップ509)。
【0135】また、クライアント意味ベース37を参照
して、ステップ509で得られた辞書項目に含まれてい
る意味情報を抽出し、ステップ506乃至ステップ50
8で得られた意味特徴の使用域の範囲内で、ステップ5
04で得られた意味役割を実際に担うことができる意味
特徴を同定する(ステップ510)。
【0136】その後、クライアントコーパス42を参照
して、同じ意味特徴を持つ言語テクストの実例があるか
どうかを確認し、あれば、その意味特徴のコーパス項目
に言語テクスト情報を登録し、なければ、新たなコーパ
ス項目を作成して、そこに言語テクスト情報を登録する
(ステップ511)。
【0137】最後に、以上の処理で得られた意味特徴
を、言語プログラムの意味として、クライアント秘書エ
ージェント17に渡す(ステップ512)。
【0138】なお、上述したステップ501乃至ステッ
プ512において、ステップ506乃至ステップ508
の処理は、状況タイプが特定されていない場合に行われ
るものであり、具体的な状況タイプが設定されている場
合には、処理が省略される。
【0139】<具体例>次に、上述した言語プログラム
の意味理解に関して、インターネットショッピングとい
う状況設定の下でやりとりされる言語テクストを例に挙
げて具体的に説明する。
【0140】まず、前提として、「インターネットショ
ッピング」という状況タイプは、クライアント状況ベー
ス39内で図12に示すように規定されている。また、
この状況タイプには、図14に示すようなテクストの場
面構造41が設定されている。なお、図14に示すテク
ストの場面構造41の概要は次のとおりである。
【0141】1.始めのあいさつ 2.顧客同定(2.1.会員登録) 3.注文受付 4.届け先指定(4.1.自宅以外の届け先登録) ((4.2.ギフト指定)) 5.支払方法指定(5.1.カード情報登録) 6.注文内容確認 7.届け先確認 8.支払方法確認 9.送付期日通知((9.1. 送付期日指定)) 10.問い合わせ方法通知 11.終わりのあいさつ
【0142】なお、ここで、一重カッコで示したもの
は、インターネットショッピングという状況で必ず観察
される場面ではないが、比較的頻繁に観察される場面を
表し、二重カッコで示したものは、ほとんど観察されな
いが、たまに出てくる場面を表し、カッコのないものは
必須の場面を表している。なお、図14においては、上
述した場面のうち二重カッコで示したものが省略されて
いる。
【0143】まず、図16に示す処理例に従って言語プ
ログラムの意味理解が行われる場合について説明する。
上述したテクストの場面構造のうち、最後にある「1
1.終わりのあいさつ」の場面における客の発話「(は
い、よろしく)お願いします」などは、その場面に特有
の言い回しである。このように場面に特有の言い回しと
いうのは、あらかじめクライアントコーパス42内に意
味理解が行われた状態で保持されている(図15(b)参
照)。このため、図16に示す処理例に従って、クライ
アントコーパス42内に保持されている言語テクストを
利用することにより、言語テクストの意味を容易に特定
することができる。
【0144】次に、図17に示す処理例に従って言語プ
ログラムの意味理解が行われる場合について説明する。
ここでは、上述したテクストの場面構造のうち、「2.
1.顧客同定」の「名前、住所、電話番号、メールアド
レスを質問」という場面を対象にする。次の言語テクス
トは、実際の発話例からの抜粋である。ただし、個人名
は置き換えてある。
【0145】店員(エージェント):では、会員として
登録させていただきますので、お名前、ご住所、お電話
番号、電子メールアドレスをお願いします。(A) 客(クライアント):はい、名前はやまだたろうと申し
ます。(B) 店員(エージェント):はい、あの、漢字のほう、お願
いします。
【0146】店員の発話(A)を受けて、客の発した言
い回し(B)は、次のような処理を経て意味理解が行わ
れる。初めに、クライアント電子辞書31を参照して、
言い回し(B)に対して形態素解析と係り受け関係解析
とを行う(上記ステップ502)。次に、クライアント
語彙文法ベース35を参照して、言い回し(B)の語彙
文法特徴を同定し(上記ステップ503)、さらに語彙
文法特徴が担っている意味役割を同定する(上記ステッ
プ504)。なお、この時点では、クライアント語彙文
法ベース35において、図18の点線を付した部分の語
彙文法特徴および意味役割が選択される。これにより、
この時点までに得られた言語テクスト情報をまとめる
と、図19に示すようになる。
【0147】次に、クライアント意味ベース37を参照
して、「名前、やまだたろう、申します」の意味特徴を
同定する。その際には、語彙文法特徴から同定された意
味役割を用いて、当該意味役割に対応する意味特徴を同
定する(上記ステップ505)。
【0148】また、クライアント電子辞書31を参照し
て、当該語彙文法特徴を語彙情報として含む辞書項目を
出力する(上記ステップ509)。これにより、図4
(a)〜(d)のような辞書項目が出力される。
【0149】その後、クライアント意味ベース37を参
照して、これらの辞書項目に含まれる意味情報と、クラ
イアント語彙文法ベース35により得られた意味役割と
に基づいて、言い回し(B)の意味特徴が同定される
(ステップ510)。なお、この時点では、クライアン
ト意味ベース37において、図20の点線を付した部分
の意味役割および意味特徴が選択される。これにより、
図21に示すような局所プラン45が作成される。この
ような局所プラン45が得られた時点で、言語テクスト
の意味理解は終了したことになる。
【0150】なお、クライアントコーパス42を参照し
て、同じ意味特徴を持つ言語テクストの実例があるか確
認し、あれば、その意味特徴のコーパス項目に言い回し
(B)の言語テクスト情報を登録し、なければ、新たに
その意味特徴のコーパス項目を作成して、そこに言い回
し(B)の言語テクスト情報を登録する(上記ステップ
511)最後に、以上の処理で得られた意味特徴を、言
い回し(B)の意味として、クライアント秘書エージェ
ント17に渡す(上記ステップ512)。
【0151】[2.2.2.3 言語テクストの生
成]ここでは、言語プログラムの実行結果の報告を例に
挙げて、言語テクストの生成の処理について説明する。
【0152】<処理例1>図22は言語テクストの生成
の一例を説明するためのフローチャートである。なお、
図22に示すフローチャートは、処理対象となる情報
(矩形の囲み線)と、処理に用いられるクライアントセ
ミオティックベースの各部(矩形の二重囲み線)との関
係を、制御の流れ(矢印)とともに表したものである。
【0153】図22において、まず、クライアント言語
コンピュータ12が、言語プログラムの実行結果をクラ
イアント秘書エージェント17から受け取る(ステップ
601)。
【0154】クライアント言語コンピュータ12のクラ
イアント意味処理機構14は、クライアント状況ベース
39を参照して、言語プログラムの理解時に得られた状
況タイプを参照しながら、言語テクストの生成時の状況
タイプを同定する(ステップ602)。
【0155】また、クライアント状況ベース39を参照
して、言語テクストの生成時の状況タイプに対応するテ
クストの場面構造を同定する(ステップ603)。
【0156】さらに、クライアント意味ベース37を参
照して、テクストの場面構造の各場面に関連した包括プ
ランテンプレートを同定する(ステップ604)。
【0157】その後、クライアント意味ベース37を参
照して、言語プログラムの実行結果として得られた意味
特徴を加えて、ステップ604で得られた包括プランテ
ンプレートのスロットを埋めていくことにより、局所プ
ランを作成する(ステップ605)。なお、必要であれ
ば、図16および図17に示すような処理により、言語
プログラムの実行結果の意味理解を行い、その結果とし
て得られた意味特徴を用いる。
【0158】これにより、言語テクストの生成時の状況
タイプと局所プランとが得られたこととなる。
【0159】この時点で、クライアントコーパス42を
参照して、類似した状況特徴と意味特徴とを持つ言語テ
クストがあるかどうかを確認し、クライアントコーパス
42内に類似した言語テクストの実例が見つかった場合
には、その言語テクストの言い回しを言語プログラムの
実行結果の要約文として取り出し(ステップ613)、
クライアント秘書エージェント17に渡す(ステップ6
14)。
【0160】これにより、言語プログラムの実行結果の
報告は終了となる。
【0161】<処理例2>なお、上述した処理例1のス
テップ613において、クライアントコーパス42内に
類似した状況特徴と意味特徴とを持つ言語テクストが見
つからなかった場合には、図23に示すような処理が行
われる。
【0162】図23はクライアントセミオティックベー
ス13のクライアント語彙文法ベース35、クライアン
ト意味ベース37、クライアント状況ベース39および
クライアントコーパス42を用いて言語プログラムの実
行結果の報告を行う場合を説明するためのフローチャー
トである。なお、図23に示すフローチャートの表現方
法は図22と同様である。また、ステップ601乃至ス
テップ605に関しては、図22のものと同じ処理であ
るので、説明は省略する。
【0163】図23において、クライアント語彙文法ベ
ース35を参照して、ステップ602で得られた言語テ
クストの生成時の状況タイプに対応する語彙文法特徴の
使用域を同定する(ステップ606)。
【0164】また、クライアント意味ベース37を参照
して、ステップ605で得られた局所プラン内の意味特
徴が担うことができる意味役割を同定する(ステップ6
07)。
【0165】さらに、クライアント語彙文法ベース35
を参照して、ステップ606で得られた語彙文法特徴の
使用域の範囲内で、ステップ607で同定された意味役
割を実際に担うことができる語彙文法特徴を同定する
(ステップ608)。
【0166】これにより、言語テクストの生成時の状況
タイプと局所プランと語彙文法特徴とが得られたことと
なる。
【0167】この時点で、クライアントコーパス42を
参照して、類似した状況特徴と意味特徴と語彙文法特徴
とを持つ言語テクストがあるかどうかを確認し、クライ
アントコーパス42内に類似した言語テクストの実例が
見つかった場合には、その言語テクストの言い回しを言
語プログラムの実行結果の要約文として取り出し(ステ
ップ615)、クライアント秘書エージェント17に渡
す(ステップ616)。
【0168】これにより、言語プログラムの実行結果の
報告は終了となる。
【0169】<処理例3>なお、上述した処理例2のス
テップ615において、クライアントコーパス42内に
類似した状況特徴と意味特徴と語彙文法特徴とを持つ言
語テクストが見つからなかった場合には、図24に示す
ような処理が行われる。
【0170】図24はクライアントセミオティックベー
ス13のクライアント電子辞書31、クライアント語彙
文法ベース35、クライアント意味ベース37、クライ
アント状況ベース39およびクライアントコーパス42
を用いて言語プログラムの実行結果の報告を行う場合を
説明するためのフローチャートである。なお、図24に
示すフローチャートの表現方法は図22および図23と
同様である。また、ステップ601乃至ステップ608
に関しては、図22および図23のものと同じ処理であ
るので、説明は省略する。
【0171】図24において、クライアント電子辞書3
1を参照して、ステップ605で得られた局所プラン内
の意味特徴とステップ608で得られた語彙文法特徴と
を含む辞書項目を出力する(ステップ609)。
【0172】また、クライアント語彙文法ベース35を
参照して、ステップ608で得られた語彙文法特徴とス
テップ609で得られた辞書項目とを組み合わせて、言
い回しを作成する(ステップ610)。
【0173】その後、クライアントコーパス42を参照
して、同じ言い回しの言語テクストの実例があるかどう
かを確認し、あれば、その言い回しのコーパス項目にそ
の言い回しの言語テクストの情報を登録し、なければ、
新たなコーパス項目を作成して、そこにその言い回しの
言語テクスト情報を登録する(ステップ611)。
【0174】最後に、以上の処理で得られた言い回し
を、言語プログラムの実行結果の要約文として、クライ
アント秘書エージェント17に渡す(ステップ61
2)。
【0175】なお、上述したステップ601乃至ステッ
プ616において、ステップ601乃至ステップ605
の処理は、状況タイプが特定されていない場合に行われ
るものであり、具体的な状況タイプが設定されている場
合には、テクストの場面構造や包括プランテンプレート
を利用することによって、処理が省略される。
【0176】<具体例>次に、上述した言語プログラム
の実行結果の報告に関して、引き続きインターネットシ
ョッピングという状況設定の下でやりとりされる言語テ
クストを例に挙げて説明する。
【0177】まず、前提として、「インターネットショ
ッピング」という状況タイプは、クライアント状況ベー
ス39内で図12に示すように規定されている。また、
この状況タイプには、図14に示すようなテクストの場
面構造41が設定されている。
【0178】図14に示すテクストの場面構造41にお
いて、今回は、「1.始めのあいさつ」の「社名を通
知」の場面を対象にする。
【0179】なお、テクストの場面構造の各場面は、そ
こでどのような意味のやりとりが行われるかが設定され
た包括プランテンプレート44に関連している。
【0180】図7は「1.始めのあいさつ」の「社名を
通知」という場面でどのような意味のやりとりが行われ
るかが設定された包括プランテンプレート44である。
なお、包括プランテンプレートというものは、あくま
で、インターネットショッピングという状況タイプに属
する言語テクストに共通するものであり、実際の言語テ
クストの言い回しを特定するためには、包括プランテン
プレートに基づいて局所プランを作成しなければならな
い。局所プランは、包括プランテンプレートのスロット
に、意味特徴についての具体的な項目が挿入されること
により作成される。例えば、今生成している言語テクス
トが、「Xインターネットショッピング・センター」と
いう会社のものだとすると、図7に示す包括プランテン
プレート44の「社名」に「Xインターネットショッピ
ング・センター」という個別名が挿入され、図8に示す
ような局所プラン44が作成される(上記ステップ60
5)。このような局所プラン45により、文の具体的な
意味が記述されたことになる。なお、局所プランは、言
語テクストの生成を行うために毎回作成されるものであ
り、これに対して包括プランテンプレートは、あらかじ
めクライアントセミオティックベース13内のクライア
ント意味ベース37内に保持されているものである。
【0181】局所プランが作成された場合には、これに
基づいて、語彙文法特徴が特定される必要がある。しか
し、クライアントコーパス42を参照して、類似した状
況特徴と意味特徴(局所プラン)とを持つ言語テクスト
の実例が見つかったときには、その実例の言い回しを利
用することによって、あとの処理を省略することができ
る(図22の処理例に対応)。
【0182】これに対して、類似した状況特徴と意味特
徴(局所プラン)とを持つ言語テクストの実例が見つか
らなかったときには、さらに以下の処理が行われる。
【0183】すなわち、クライアント意味ベース37を
参照して、局所プラン内の意味特徴に対応する意味役割
が同定され(上記ステップ607)、さらに、クライア
ント語彙文法ベース35を参照して、意味役割に対応す
る語彙文法特徴が同定される(上記ステップ608)。
なお、この時点では、クライアント意味ベース37にお
いて、図25の点線を付した部分の意味特徴および意味
役割が選択され、クライアント語彙文法ベース35にお
いて、図26の点線を付した部分の語彙文法特徴および
意味役割が選択される。
【0184】ここで、クライアントコーパス42を参照
して、類似した状況特徴と意味特徴(局所プラン)と語
彙文法特徴とを持つ言語テクストの実例が見つかったと
きには、その実例の言い回しを利用することによって、
あとの処理を省略することができる(図23の処理例に
対応)。
【0185】図27はこのような言語テクストの生成の
過程で得られた言語テクスト情報の一例を示す図であ
る。図27において、語彙文法特徴は太字で示されてお
り、その部分をみると分かるように、ある語彙文法特徴
は、特定の意味役割が名詞句によって具現されるとか、
名詞句の後ろに助詞の「は」が付くということを表して
いるだけで、具体的な単語までは限定できないこともあ
る。そのときには、クライアント電子辞書31を参照し
て、局所プラン内の意味特徴を持ち、かつ語彙文法特徴
を含んだものを同定する(上記ステップ609)。
【0186】ここで、クライアント電子辞書31におい
て、辞書項目の語彙情報や意味情報にそれぞれ語彙文法
特徴と意味特徴と同じ項目が含まれている見出し語を探
すことにより、図4(e)〜(g)に示すような辞書項目が検
索される。
【0187】その後、語彙文法特徴と辞書項目とを組み
合わせることによって、局所プラン内の意味特徴を表現
する言い回しが決定される(上記ステップ610)。な
お、上述した局所プランと語彙文法特徴とに基づいて作
成された言い回しは、図28に示されている。
【0188】このようにして言い回しが得られた時点
で、言語テクストの生成が終了したことになる。
【0189】なお、クライアントコーパス42を参照し
て、同じ言い回しの言語テクストの実例があるか確認
し、あればその言い回しのコーパス項目にその言い回し
の言語テクスト情報を登録し、なければ、新たにその言
い回しのコーパス項目を作成し、そこにその言い回しの
言語テクストの情報を登録する(上記ステップ61
1)。
【0190】最後に、以上の処理で得られた言い回し
を、局所プランに従って生成された言語テクストとし
て、クライアント秘書エージェント17に渡す(上記ス
テップ612)。
【0191】[2.2.2.3 言語テクストの翻訳]
言語テクストの翻訳としては、異種言語間での翻訳の
他、同一国言語のある方言から標準語とされる言語への
翻訳などがある。
【0192】このような言語テクストの翻訳は、クライ
アント言語コンピュータ12のクライアント意味処理機
構14において、上述した言語テクストの意味理解と言
語テクストの生成とにより行われる。すなわち、原テク
ストの理解によって得られた局所プランのうち、状況特
徴および意味特徴に関する値はそのまま保持し、語彙文
法特徴の値のみを翻訳対象となる言語の語彙文法特徴の
値に変更する。その結果、異種言語などにおける局所プ
ランが作成される。この新たな局所プランに基づいて言
語テクストの生成を行うことにより、原テクストから異
種言語、あるいは標準語とされる言語への翻訳が行われ
る。なお、言語テクストの生成を行う際には、クライア
ントコーパス42を参照して、既に類似した言語テクス
トを生成したことがあるかどうかを局所プランに基づい
て確認し、あればその言語テクストを部分的に修正して
翻訳テクストとしてクライアント秘書エージェント17
に渡す。
【0193】[2.2.3 言語アプリケーション]図
1に示すクライアント言語コンピューティングシステム
10において、クライアント言語コンピュータ12は、
クライアント言語オペレーティングシステム16からの
指示により各種のサービスを提供する言語アプリケーシ
ョン15を有している。
【0194】図29はクライアント言語コンピューティ
ングシステム10のクライアント言語コンピュータ12
で提供される言語アプリケーション15を説明するため
の図である。図29に示すように、言語アプリケーショ
ン15は、既存プラットフォーム11(図1参照)上で
動作する既存のアプリケーションソフトウエア(リソー
ス本体)66と、この既存のアプリケーションソフトウ
エア66とクライアント言語オペレーティングシステム
16(図1参照)による言語に基づく命令とを結び付け
るための言語インタフェース67とを有している。
【0195】言語アプリケーション15には、それを使
用する際に頻繁に用いられる言語の言い回しや表現(例
えば、図形を描画するときの言葉遣い、ワープロを利用
するときの言葉遣い、ネットワークを利用するときの言
葉遣いなど)が特定できるような言語の使用域の情報が
付与されている。
【0196】クライアント秘書エージェント17によ
り、クライアントの発した言語テクストから言語の使用
域およびその状況タイプが判別される。ここで、クライ
アント知識ベース18内には、言語アプリケーション1
5と状況タイプとの対応関係が、言語アプリケーション
の操作手順と操作において必要となるパラメータととも
に知識として格納されており、クライアント秘書エージ
ェント17は、このクライアント知識ベース18を参照
することにより、クライアントからの要求に対してどの
言語アプリケーション15を使用するかを判別する。ま
た、各言語アプリケーションごとに機能や操作方法が言
語で説明されており、複数の言語アプリケーションの中
から有用なものを判別しなくてはならないときは、日常
言語で各言語アプリケーションにアクセスして決定する
ことができる。判別された言語アプリケーションは、言
語の使用域に関する情報を持っており、言語インタフェ
ースに用意されている操作コマンドのいずれが使用され
るかが判別される。
【0197】ここで、言語アプリケーション15の言語
インタフェース67は、言語に基づく命令によってアプ
リケーションソフトウエア66にアクセスして操作する
ための、既存のアプリケーションソフトウエア66とク
ライアント秘書を仲介するインタフェースであり、通常
のアプリケーションソフトウエアの操作項目とクライア
ント秘書エージェント17の言語に基づく命令とを結び
付ける。
【0198】なお、言語インタフェース67は、既存の
アプリケーションソフトウエアの全てに共通に使用でき
る仕様となっており、各アプリケーションソフトウエア
が持つ個別の言語の使用域に対応して、言語インタフェ
ース67の一部が割り当てられている。また、アプリケ
ーションソフトウエア66を操作するコマンド群は、操
作に必要な簡単な言語に基づく命令の集合となってお
り、操作量の程度や度合いのパラメータとともに用いら
れることにより、アプリケーションソフトウエア66の
細かい操作が可能となっている。
【0199】図29において、クライアントが、提供を
受けたいサービスについての要求をクライアント秘書エ
ージェント17に対して日常言語により依頼すると、ク
ライアント秘書エージェント17は様々なレベルの抽象
度を持つクライアントの依頼の意図を解釈し、様々な言
語アプリケーション15を用いることによりクライアン
トの要求を実現する。
【0200】具体的には、アプリケーションソフトウエ
ア66に付されている操作方法に従って、ユーザプロフ
ァイル68を参照して、クライアントの好み(例えば
色)を考慮して、アプリケーションソフトウエア67の
操作手順および操作内容(操作量となるパラメータの値
など)を決定する。このようにして決定された操作の順
序および操作内容は、言語インタフェース67を介し
て、アプリケーションソフトウエア66に送られて実行
される。
【0201】なお、言語アプリケーション15の使用に
関しては、クライアントからの要求を受け付けたクライ
アント秘書エージェント17がクライアントの要求を考
慮してアプリケーションソフトウェア66の選択やスケ
ジューリングなどを行うので、クライアントは自分の要
求がどのアプリケーションソフトウエア66を利用する
ことによって達成されるかを考える必要はなく、クライ
アント秘書エージェント17に対して自分の要求を依頼
するだけで済む。
【0202】なお、アプリケーションソフトウエア66
の操作手順は構造化されており、目的とするジョブ(タ
スク)ごとに操作手順の構造が存在している。クライア
ント秘書エージェント17は、クライアントの要求を実
現するためのジョブを選択し、そのタスクの持つ手順に
従って操作を行う。同時に操作内容の詳細についてもク
ライアントの発した言語テクストおよびクライアントの
好みなどを考慮して決定する。
【0203】[3 ネットワーク言語コンピューティン
グシステム] [3.1 ネットワーク言語オペレーティングシステ
ム] [3.1.1 概要]図1に示すネットワーク言語コン
ピューティングシステム20において、ネットワーク言
語オペレーティングシステム26は、クライアント秘書
エージェント17との間で言語テクストをやりとりする
ためのネットワークマネージャエージェント27を有
し、ネットワーク言語コンピュータ12上での複数のク
ライアントの言語テクストの処理に関するプロセスを管
理したり、言語テクストを含む言語ファイル29を管理
したりすることができるようになっている。
【0204】具体的には、ネットワーク言語オペレーテ
ィングシステム26のネットワークマネージャエージェ
ント27は、クライアント言語オペレーティングシステ
ム16のクライアント秘書エージェント17との間で言
語データをやりとりすることにより、クライアント秘書
エージェント17からの要求(問い合わせやジョブの実
行の依頼)を一括して受け付け、言語テクストの処理に
関するプロセスのスケジューリングを行ってクライアン
トの要求を実現する。また、ネットワークマネージャエ
ージェント27は、ネットワーク上の共用ファイルやネ
ットワーク上に置かれたクライアント用のファイルとし
ての言語ファイル29を管理し、クライアント秘書エー
ジェント17およびネットワーク上の各種の処理エージ
ェントの要求に応じて言語ファイル29を検索したり提
示したりする。
【0205】[3.1.1 ネットワークマネージャ]
ネットワークマネージャエージェント27は、ネットワ
ーク上でサービスを提供するクライアント秘書エージェ
ント17を一般化したエージェントであり、クライアン
ト秘書エージェント17からの問い合わせやジョブの実
行の依頼に応ずるものである。なお、これらの問い合わ
せやジョブの実行の依頼は、言語通信プロトコルに従っ
て、クライアント秘書エージェント17からネットワー
クマネージャエージェント27に送られる。このとき、
クライアントの発した言語テクストからクライアント秘
書エージェント17が理解した言語の使用域および言語
の使用域に対応する状況タイプなどもネットワークマネ
ージャエージェント27に送られる。
【0206】また、ネットワークマネージャエージェン
ト27は、ネットワーク言語オペレーティングシステム
26内の各種の処理エージェントや、クライアント言語
オペレーティングシステム16からネットワーク言語オ
ペレーティングシステム27へ移動してきたクライアン
ト秘書エージェント17を管理する。
【0207】具体的には、次のとおりである。
【0208】(1) エージェントの管理 クライアント秘書エージェント17や各種の処理エージ
ェントのテンプレートの生成や、ネットワーク言語オペ
レーティングシステム20内での処理エージェントの利
用、退去および消滅などを行う。
【0209】(2) エージェントの検索 クライアント秘書エージェント17から要求されたジョ
ブを遂行可能な能力を持った他のクライアント秘書エー
ジェントやネットワーク上の処理エージェントをメタデ
ータベースによって検索する。ここで、ネットワーク知
識ベース28内には、エージェントと状況タイプと間の
対応関係が、エージェントの能力および所在などの情報
とともに知識として格納されており、ネットワークマネ
ージャエージェント27は、ネットワーク知識ベース2
8を参照することにより、クライアント秘書エージェン
ト17からの要求に対してどの処理エージェントにジョ
ブの実行を依頼するか決定する。なお、適当な処理エー
ジェントが存在しない場合には、他のネットワーク言語
コンピューティングシステムのネットワークマネージャ
エージェントにジョブの実行を依頼する。
【0210】(3) エージェントの仲介 複数のクライアント秘書エージェントとネットワーク上
の処理エージェントとの協調作業によりジョブを実行す
る際のプランニングや仲介を行う。ここで、ネットワー
ク知識ベース28内には、プランニングに関する知識
が、状況タイプおよびジョブの内容と関連付けられて格
納されており、ネットワークマネージャエージェント2
7は、必要に応じてネットワーク知識ベース28を参照
しながら、ネットワーク上のどの処理エージェントにど
のジョブを割り当てるのかを決定する。また、各処理エ
ージェントからの返答結果を統合して、最初に要求のあ
ったクライアント秘書エージェント17に対してジョブ
の実行結果を送る。
【0211】[3.1.2 ネットワーク知識ベース]
ネットワーク知識ベース25は、ネットワークマネージ
ャエージェント27がクライアント秘書エージェント1
7からの依頼に応じてジョブを実行する際に参照する知
識を格納するものであり、ネットワークマネージャエー
ジェント27からの要求に応じてその状況に必要な知識
が検索および適用される。なお、ネットワーク知識ベー
ス28は、ネットワークマネージャエージェント27に
より追加および更新される。また、ネットワーク知識ベ
ース28内に格納された知識は、ネットワーク言語コン
ピュータ22のネットワークセミオティックベース23
によってインデックス化されている。
【0212】[3.1.3 言語プロセス管理]ネット
ワーク言語オペレーティングシステム26は、ネットワ
ーク言語コンピュータ12上での複数のクライアントの
言語テクストの処理に関するプロセスを管理する言語プ
ロセス管理部を有している。
【0213】図30はネットワーク言語オペレーティン
グシステム26での言語プロセス管理を説明するための
模式図である。図30に示すように、ネットワーク言語
オペレーティングシステム26は、言語プロセス管理部
71を有し、ネットワークマネージャエージェント27
によって受け付けた、クライアント秘書エージェント1
7や各種の処理エージェント72からの要求(問い合わ
せやジョブの実行の依頼)を管理し、クライアント秘書
エージェント17や各種の処理エージェント72に対し
て計算機資源73を割り振るためのスケジューリングを
行う。具体的には、言語プロセス管理部71は、複数の
クライアント秘書エージェント17および各種の処理エ
ージェント72からのリクエストに対する応答スケジュ
ール管理を行い、リクエストに対しての応答の優先順位
をつけ、その順位に従って計算機資源73を割り振る。
【0214】[3.1.4 言語ファイル管理]ネット
ワーク言語オペレーティングシステム26は、ネットワ
ーク上の共用ファイルやネットワーク上に置かれたクラ
イアント用のファイルとしての言語ファイル29を管理
する言語ファイル管理部を有している。
【0215】言語ファイル管理部は、言語ファイル29
に含まれるタイトルおよびアブストラクトの内容とネッ
トワーク状況ベースとの間の対応関係をとることによ
り、言語ファイル29がどのようなドメインおよびジョ
ブ(タスク)で用いられるかを分類および管理し、クラ
イアント秘書エージェント17および各種の処理エージ
ェントの要求に応じて言語ファイル29を検索したり提
示したりする。
【0216】[3.1.5 言語プロトコル通信管理]
ネットワーク言語オペレーティングシステム26は、言
語通信プロトコルに従って、クライアント言語コンピュ
ーティングシステム10のクライアント言語オペレーテ
ィングシステム16や、他のネットワーク言語コンピュ
ーティングシステムのネットワーク言語オペレーティン
グシステム2との間での言語プロトコル通信を管理する
ようになっている。
【0217】ここで、言語通信プロトコルについて説明
する前に、現在インターネット上で用いられている通信
プロトコル一般について説明する。
【0218】通信プロトコルとは、2つのシステムが互
いに通信を行うために必要な「通信規約」のことをい
い、取り扱う情報の構造(フォーマット(format))
と、その情報の送受信の手順(プロシージャ(procedur
e))とから構成される。コンピュータ間で通信を行う
ためには、ネットワーク上で通信を確立するための手続
き(ネットワークの物理的確立、論理信号のやりとりの
確立、配送ルートの確立、送信および受信の確立など)
や送信するデータの形式などにおいて細かい規約が必要
となる。
【0219】現在、このような通信規約の標準として
は、大きく分けると2つの標準(国際標準プロトコルと
業界標準プロトコルと呼ばれるもの)が存在している。
このうち、国際標準プロトコルのモデルとして採用され
ているのがOSI(Open System Interconnection)参
照モデルであり、互いに通信を行う2つのシステムを7
つの階層に分け、階層内の機能、階層と階層とのインタ
フェース、および同じ階層間のプロトコルを規定したモ
デルとなっている。OSI参照モデルは、ISO(国際
標準化機構)によって、プロトコルの統合標準を目指し
て提案されたものであるが、現在では他のプロトコルの
枠組みまたは比較対象となるモデルとして用いられてい
る。
【0220】現在のインターネット上で一般的に用いら
れているのは業界標準プロトコルと呼ばれるものであ
り、UnixネットワークのプロトコルであるTCP/
IPと呼ばれるものが普及している。TCP/IPプロ
トコルは、図36に示すように、OSI参照モデルとは
少し異なった階層構造を有しており、おおまかに分けて
4層の構造を有している。
【0221】言語通信プロトコルは、図36に示すよう
なTCP/IPプロトコル群の一つのアプリケーション
プロトコルとして実装されるものであり、図1に示す日
常言語コンピューティングシステム1で用いられる主と
なる通信規約となり、日常言語コンピューティングシス
テム1の全てのコンポーネントはこの言語通信プロトコ
ルによってコミュニケーション(通信)を行う。なお、
既存のインターネット上で用いられているTCP/IP
プロトコル群は、それらの使用を専門とするエージェン
トに対して言語通信プロトコルに従ってやりとりするこ
とにより、間接的に言語通信プロトコルから利用するこ
とができる。また、言語通信プロトコルにおける情報の
送受信の手順は、人間が自然言語で行う対話の過程と同
じものであり、コミュニケーションを行う対象は人間の
みならずあらゆるネットワーク資源を想定しており、エ
ージェントを仲介することにより、そのネットワーク資
源固有の通信プロトコルに従ってコミュニケーションを
行うことが可能になる。
【0222】なお、言語通信プロトコルは、人間が日常
的に用いている日常言語をそのまま通信するために規約
化したものであり、既存のネットワークプロトコルおよ
びエージェント間通信のプロトコルを包括し、セミオテ
ィックベースの言語体系資源をクライアントからの要求
により配信したり、言語テクストの意味理解、言語テク
ストの生成および言語テクストの翻訳をネットワーク上
で実現するための通信規約である。
【0223】図31は言語通信プロトコルの一例を示す
図である。図31に示すように、言語通信プロトコルの
データ仕様は、言語テクストデータに、セミオティック
ベースの言語体系資源に基づいて得られた言語テクスト
データの意味を表すデータをつけたものとなっている。
言語テクストデータの意味を表すデータの仕様は、セミ
オティックベースにおける言語テクスト情報と同じとな
っており、言語体系とそれを取り巻くコンテクストとの
関係がそのままの形で言語通信プロトコルのデータ仕様
となり、ヘッダ部と、言語テクストの言い回し、状況特
徴、意味特徴および語彙文法特徴を含むデータ部とから
なっている。
【0224】なお、データ部において、「言語テクス
ト」層には、実際の言語テクストの言い回しが含まれて
いる。「状況」層には、言語テクストの言語活動領域、
役割関係および伝達様式の具体的な値が含まれている。
「語彙・文法」層には、言語テクストの語彙文法特徴が
解析された値が含まれている。「意味」層には、状況特
徴に対応する語彙文法特徴を捉えることにより得られた
言語テクストの意味特徴の具体的な値が含まれている。
なお、「状況」層、「意味」層および「語彙・文法」層
の間には互いを規定する制約関係が成り立っている。
【0225】言語テクストの意味理解、言語テクストの
生成および言語テクストの翻訳は、言語通信プロトコル
に従ってやりとりされる言語データに基づいて行われ
る。特に、言語テクストの翻訳がなされるときには、原
テクストの意味を損なうことなく、「状況」層の役割関
係の値によって、相手に伝えるべき語彙文法特徴が選択
され、言語通信プロトコルに従った言語データとして送
られる。
【0226】例を挙げると、異なる言語を話すクライア
ントAとクライアントBとが存在し、クライアントAか
らクライアントBへのコミュニケーションをとる場合、
クライアントAとクライアントBとの役割関係には、
「外国人」同士という値が選ばれ、クライアントAの言
語テクストの意味を損なうことなく、クライアントBの
話す言語の語彙文法資源によりクライアントAの言語テ
クストの意味が表現される。同様に、クライアントAと
クライアントBとが異なる方言を話す場合も、クライア
ントAの方言をクライアントBの方言に翻訳し、スムー
ズなコミュニケーションが実現される。また、専門家と
素人とがコミュニケーションをする場合などにも、難解
な表現を素人にも理解できるような表現に翻訳し、コミ
ュニケーションをスムーズにすることができる。これら
と同様に、クライアントは自らが翻訳したい言語テクス
トをクライアント秘書エージェント17に依頼して、翻
訳してもらうことも可能である。
【0227】なお、クライアント言語コンピューティン
グシステム10において、クライアント秘書エージェン
ト17がクライアントの発した言語テクストの意味理解
および言語テクストの生成を行うときに必要となる言語
体系資源は、デフォルトではクライアントセミオティッ
クベース13となっている。しかし、言語テクストの意
味理解および言語テクストの生成に必要となる言語体系
資源が不足している(すなわち、言語通信プロトコルに
従った言語データの一部が不足しているためにクライア
ント秘書エージェント17がクライアントの発した言語
テクストの意味を理解できない状態に陥っている)場合
には、図32に示すように、クライアント秘書エージェ
ント17からネットワークマネージャエージェント27
に対して、ネットワークセミオティックベース23内の
言語体系資源を配信してもらうように要求することがで
きるようになっており、これによりクライアントセミオ
ティックベース13とネットワークセミオティックベー
ス23とが互いに連携するようになっている。なお、ネ
ットワークセミオティックベース23から一度配信され
た言語体系資源はクライアントセミオティックベース1
3内に蓄積され、クライアント固有のクライアントセミ
オティックベース13が形成されていく。
【0228】[3.2.ネットワーク言語コンピュー
タ] [3.2.1 ネットワークセミオティックベース] [3.2.1.1 概要]図1に示すネットワーク言語
コンピューティングシステム20において、ネットワー
クセミオティックベース23は、クライアント言語コン
ピューティングシステム10のクライアントセミオティ
ックベース13の拡大版であり、クライアントセミオテ
ィックベース13と同様に、ネットワーク電子辞書、ネ
ットワーク語彙文法ベース、ネットワーク意味ベース、
ネットワーク状況ベースおよびネットワークコーパスか
ら構成されている。なお、クライアントセミオティック
ベース13の各部は、ネットワーク言語コンピューティ
ングシステム20にネットワーク2を介して接続された
クライアント言語コンピューティングシステム10内に
あるクライアントセミオティックベース16内の情報の
全てを含んでいる。
【0229】以下、クライアントセミオティックベース
13と異なる点を中心として、ネットワークセミオティ
ックベース23の各部について説明する。
【0230】[3.2.1.2 ネットワーク電子辞
書]ネットワーク電子辞書は、基本的にクライアント電
子辞書31と同じ構成となっているが、ネットワーク上
でやりとりされる多様な言い回しの解析に対処できるよ
うに、より豊富な辞書項目が含まれている。初期状態に
おいては、日常レベルの語彙の他、脳科学や法律などの
専門性の高い語彙も搭載されている。特に、コンピュー
タの機能や言語プログラムに関連のある語彙について
は、ネットワーク上の各種の処理エージェントとのやり
とりに支障がないように充実しておくことが好ましい。
また、必要に応じて、他のネットワーク言語コンピュー
ティングシステムのネットワークセミオティックベース
の電子辞書から、辞書項目をインポートするようにして
もよい。
【0231】[3.2.1.3 ネットワーク語彙文法
ベース]ネットワーク語彙文法ベースは、基本的にクラ
イアント語彙文法ベース35と同じ構成となっている
が、ネットワーク上でやりとりされる多様な言い回しの
解析に対処できるように、より豊富な語彙文法ベース項
目を含んでいる。
【0232】[3.2.1.4 ネットワーク意味ベー
ス]ネットワーク意味ベースは、基本的にクライアント
意味ベース37と同じ構成となっているが、ネットワー
ク上でやりとりされる多様な意味の解析に対処できるよ
うに、より豊富な意味ベース項目を含んでいる。
【0233】[3.2.1.5 ネットワーク状況ベー
ス]ネットワーク状況ベースは、基本的にクライアント
状況ベース39と同じ構成となっているが、ネットワー
ク上でやりとりされる多様な状況の解析に対処できるよ
うに、より豊富な状況ベース項目を含んでいる。必要に
応じて、他のネットワーク言語コンピューティングシス
テムのネットワークセミオティックベースのネットワー
ク状況ベースから、状況タイプやテクストの場面構造を
インポートするようにしてもよい。
【0234】[3.2.1.6 ネットワークコーパ
ス]ネットワークコーパスは、基本的にクライアントコ
ーパス42と同じ構成となっているが、量および種類と
もに、より多くの言語テクストの実例を含んでいる。な
お、このようなネットワークコーパスにおいては、クラ
イアント秘書エージェント17とネットワークマネージ
ャエージェント27との間、またはネットワークマネー
ジャエージェント27と処理エージェントとの間でなさ
れた言語テクストのやりとりが、その語彙文法特徴、意
味特徴および状況特徴とともに全て記録される。
【0235】[3.2.2 ネットワーク意味処理機
構] [3.2.2.1 概要]ネットワーク言語コンピュー
タ22において、ネットワーク意味処理機構24により
行われる言語テクストの処理は、全てネットワークセミ
オティックベース23内の言語体系資源を用いて行われ
る。
【0236】以下、ネットワーク意味処理機構24によ
りネットワークセミオティックベース23を用いて言語
テクストの意味理解、言語テクストの生成、および言語
テクストの翻訳が行われるタイミングについて列挙す
る。
【0237】(1) 言語テクストの意味理解 (a) ネットワークマネージャエージェント27がクラ
イアント秘書エージェント17から質問を受け取ったと
き。 (b) クライアント秘書エージェント17の修正した言
語プログラムをネットワークマネージャエージェント2
7が受け取ったとき。 (c) ジョブの実行結果をネットワークマネージャエー
ジェント27が受け取ったとき。
【0238】(2) 言語テクストの生成 (a) クライアント秘書エージェント17からの質問を
理解した後、それに対してネットワークマネージャエー
ジェント27が返答するとき。 (b) ネットワークマネージャエージェント27がネッ
トワーク上の各種の処理エージェントに対してジョブを
依頼するとき。 (c) クライアント秘書エージェント17の修正した言
語プログラムを理解したが、ネットワークマネージャエ
ージェント27がその言語プログラムを実行するにあた
って必要な情報が不足していることが分かり、クライア
ント秘書エージェント17から必要な情報を引き出そう
とするとき。
【0239】(3) 言語テクストの翻訳 (a) 異種言語を用いる処理エージェントを利用すると
き。 (b) 複数の言語(方言を含む)を用いてクライアント
同士がそれぞれのクライアント秘書エージェント17を
介してコミュニケーションをとるとき。 (c) 複数の言語(方言を含む)を用いてクライアント
同士がそれぞれのクライアント秘書エージェント17を
介してコミュニケーションをとる際に、クライアント秘
書エージェント17同士のコミュニケーションを仲介す
るのに必要な言語体系資源が不足していると判断し、ネ
ットワークマネージャエージェント27の支援が必要と
なるとき。 (d) 専門家と位置付けられるクライアントの難解な話
をその分野において素人と位置付けられるクライアント
が理解できるレベルの話に翻訳するとき。
【0240】なお、これらの処理は、入出力のデータは
それぞれ異なるが、どのような順番でネットワークセミ
オティックベース23内の言語体系資源を用いて処理を
行うか、という観点では、言語テクストの意味理解と言
語テクストの生成の2つがあるのみである。以下、言語
テクストの意味理解と言語テクストの生成とを中心にし
て、その処理の内容について具体的に説明する。
【0241】[3.2.2.2 言語テクストの意味理
解]ネットワーク言語コンピュータ22が、言語テクス
トとして処理エージェントからのジョブの実行結果をネ
ットワークマネージャエーネント27から受け取ると、
ネットワーク言語コンピュータ22のネットワーク意味
処理機構24は、ネットワークコーパスを参照して、ジ
ョブの実行結果に含まれる言語テクストに類似した言語
テクストがあるかどうか確認する。
【0242】ここで、ネットワークコーパス内に類似し
た言語テクストが見つかった場合には、その言語テクス
トの意味特徴を、ジョブの実行結果に含まれる言語テク
ストの意味として、ネットワークマネージャエージェン
ト27に渡すことにより、ジョブの実行結果の意味理解
は終了となる。
【0243】これに対し、ネットワークコーパス内に類
似した言語テクストが見つからなかった場合には、図3
3に示すような処理が行われる。
【0244】図33はネットワークセミオティックベー
ス23の全てを用いてジョブの実行結果の意味理解を行
う場合を説明するためのフローチャートである。なお、
図34に示すフローチャートは、処理対象となる情報
(矩形の囲み線)と、処理に用いられるクライアントセ
ミオティックベースの各部(矩形の二重囲み線)との関
係を、制御の流れ(矢印)とともに表したものである。
【0245】図33において、まず、ネットワーク言語
コンピュータ22が、ジョブの実行結果をネットワーク
マネージャエージェント27から受け取る(ステップ7
01)。
【0246】ネットワーク言語コンピュータ22のネッ
トワーク意味処理機構24は、ネットワーク電子辞書を
参照して、ジョブの実行結果に含まれる言語テクストに
対して形態素解析と係り受け解析とを行い(ステップ7
02)、次いで、ネットワーク語彙文法ベースを参照し
て、形態素解析および係り受け解析の結果情報のついた
文字列から、それらの語彙文法特徴を同定する(ステッ
プ703)。
【0247】その後、ネットワーク語彙文法ベースを参
照して、ステップ703で得られたそれぞれの語彙文法
特徴が表現できる意味役割を同定する(ステップ70
4)。
【0248】また、ネットワーク意味ベースを参照し
て、ステップ704で得られたそれぞれの意味役割を担
うことのできる意味特徴を同定する(ステップ70
5)。
【0249】一方で、ネットワーク語彙文法ベースを参
照して、ステップ703で得られた語彙文法特徴からそ
の使用域を同定する(ステップ706)。
【0250】また、ネットワーク状況ベースを参照し
て、ステップ706で得られた語彙文法特徴の使用域か
ら、その使用域に対応する状況タイプを同定する(ステ
ップ707)。なおこのとき、言語テクストの生成時の
状況(状況タイプ)が分かれば、それも参照する。ネッ
トワーク上の処理エージェントから受け取ったジョブの
実行結果の意味理解の場合には、その処理エージェント
にジョブを依頼したときの状況(状況タイプ)を参照す
る。
【0251】次に、ネットワーク意味ベースを参照し
て、ステップ707で得られた状況タイプに対応する意
味特徴の使用域を同定する(ステップ708)。
【0252】一方で、ネットワーク電子辞書を参照し
て、ステップ703で得られたそれぞれの語彙文法特徴
を含む辞書項目を出力する(ステップ709)。
【0253】また、ネットワーク意味ベースを参照し
て、ステップ709で得られた辞書項目に含まれている
意味情報を抽出し、この抽出された意味情報に基づい
て、ステップ706乃至ステップ708で得られた意味
特徴の使用域の範囲内で、ステップ704で得られた意
味役割を実際に担うことができる意味特徴を同定する
(ステップ710)。
【0254】その後、ネットワークコーパスを参照し
て、同じ意味特徴を持つ言語テクストの実例があるかど
うかを確認し、あれば、その意味特徴のコーパス項目に
言語テクスト情報を登録し、なければ、新たなコーパス
項目を作成して、そこに言語テクスト情報を登録する
(ステップ711)。
【0255】最後に、以上の処理で得られた意味特徴
を、ジョブの実行結果の意味として、ネットワークマネ
ージャエージェント27に渡す(ステップ712)。
【0256】なお、上述したステップ701乃至ステッ
プ712において、ステップ706乃至ステップ708
の処理は、状況タイプが特定されていない場合に行われ
るものであり、具体的な状況タイプが設定されている場
合には、処理が省略される。
【0257】[3.2.2.3 言語テクストの生成]
図34はジョブの実行結果の要約を報告する場合の言語
テクストの生成を説明するためのフローチャートであ
る。なお、図35に示すフローチャートは、処理対象と
なる情報(矩形の囲み線)と、処理に用いられるネット
ワークセミオティックベースの各部(矩形の二重囲み
線)との関係を、制御の流れ(矢印)とともに表したも
のである。
【0258】図34において、まず、ネットワーク言語
コンピュータ22が、ジョブの実行結果をネットワーク
マネージャエージェント27から受け取る(ステップ8
01)。
【0259】ネットワーク言語コンピュータ12のネッ
トワーク意味処理機構24は、ネットワーク状況ベース
を参照して、ジョブの実行を記述した言語テクストの理
解時に得られた状況タイプを参照しながら、言語テクス
トの生成時の状況タイプを同定する(ステップ80
2)。
【0260】また、ネットワーク状況ベースを参照し
て、言語テクストの生成時の状況タイプに対応するテク
ストの場面構造を同定する(ステップ803)。
【0261】さらに、ネットワーク意味ベースを参照し
て、テクストの場面構造の各場面に関連した包括プラン
テンプレートを同定する(ステップ804)。
【0262】その後、ネットワーク意味ベースを参照し
て、ジョブの実行結果として得られた意味特徴を加え
て、ステップ804で得られた包括プランテンプレート
のスロットを埋めていくことにより、局所プランを作成
する(ステップ805)。なお、必要であれば、図33
に示すような処理により、ジョブの実行結果の意味理解
を行い、その結果として得られた意味特徴を用いる。
【0263】これにより、言語テクストの生成時の状況
タイプと局所プランとが得られたこととなる。
【0264】この時点で、ネットワークコーパスを参照
して、類似した状況特徴と意味特徴とを持つ言語テクス
トがあるかどうかを確認し、ネットワークコーパス内に
類似した言語テクストの実例が見つかった場合には、そ
の実例の言い回しをジョブの実行結果の要約文として取
り出すこともできる。これにより、言語プログラムの実
行結果の報告は終了となる。
【0265】これに対し、ネットワークコーパス内に類
似した状況特徴と意味特徴とを持つ言語テクストが見つ
からなかった場合には、ネットワーク語彙文法ベースを
参照して、ステップ802で得られた言語テクストの生
成時の状況タイプに対応する語彙文法特徴の使用域を同
定する(ステップ806)。
【0266】また、ネットワーク意味ベースを参照し
て、ステップ805で得られた局所プラン内のそれぞれ
の意味特徴が担うことができる意味役割を同定する(ス
テップ807)。
【0267】さらに、ネットワーク語彙文法ベースを参
照して、ステップ806で得られた語彙文法特徴の使用
域の範囲内で、ステップ807で同定された意味役割を
実際に担うことができる語彙文法特徴を同定する(ステ
ップ808)。
【0268】これにより、言語テクストの生成時の状況
タイプと局所プランと語彙文法特徴とが得られたことと
なる。
【0269】この時点で、ネットワークコーパスを参照
して、類似した状況特徴と意味特徴と語彙文法特徴とを
持つ言語テクストがあるかどうかを確認し、ネットワー
クコーパス内に類似した言語テクストの実例が見つかっ
た場合には、その実例の言い回しをジョブの実行結果の
要約文として取り出すこともできる。これにより、ジョ
ブの実行結果の報告は終了となる。
【0270】これに対し、ネットワークコーパス内に類
似した状況特徴と意味特徴と語彙文法特徴とを持つ言語
テクストが見つからなかった場合には、ネットワーク電
子辞書を参照して、ステップ805で得られた局所プラ
ン内の意味特徴とステップ808で得られた語彙文法特
徴とを含む辞書項目を出力する(ステップ809)。
【0271】また、ネットワーク語彙文法ベースを参照
して、ステップ808で得られた語彙文法特徴とステッ
プ809で得られた辞書項目とを組み合わせて、言い回
しを作成する(ステップ810)。
【0272】その後、ネットワークコーパスを参照し
て、同じ言い回しの言語テクストの実例があるかどうか
を確認し、あれば、その言い回しのコーパス項目にその
言い回しの言語テクスト情報を登録し、なければ、新た
なコーパス項目を作成して、そこにその言い回しの言語
テクスト情報を登録する(ステップ811)。
【0273】最後に、以上の処理で得られた言い回し
を、ジョブの実行結果の要約文として、ネットワークマ
ネージャエージェント27に渡す(ステップ812)。
【0274】なお、上述したステップ801乃至ステッ
プ812において、ステップ801乃至ステップ805
の処理は、状況タイプが特定されていない場合に行われ
るものであり、具体的な状況タイプが設定されている場
合には、テクストの場面構造や包括プランテンプレート
を利用することによって、処理が省略される。
【0275】[3.2.3 言語リソース]図1に示す
ネットワーク言語コンピューティングシステム20にお
いて、ネットワーク言語コンピュータ22は、ネットワ
ーク言語オペレーティングシステム26からの指示によ
り各種のサービスを提供する言語リソース25を有して
いる。言語リソース25は、アプリケーション(電子図
書館や、サーバプログラム、各種のデータベースなどを
含む)、プログラミング言語、ライブラリおよびユーテ
ィリティなどの既存のリソースに、この既存のリソース
とネットワーク言語オペレーティングシステム26によ
る言語に基づく命令とを結び付けるための言語インタフ
ェースを付加することによって、言語によってアクセス
できるようにした共用リソースである。
【0276】言語リソース25には、それを使用する際
に頻繁に用いられる言語の言い回しや表現(例えば、ネ
ットワーク上のデータベースを用いるときの言葉遣い、
プログラミング言語を用いるときの言葉遣いなど)が特
定できるような言語の使用域の情報が付与されている。
【0277】ここで、ネットワーク知識ベース28内に
は、言語リソース25と状況タイプとの対応関係が、言
語リソースの操作手順と操作において必要となるパラメ
ータとともに知識として格納されており、ネットワーク
マネージャエージェント27は、このネットワーク知識
ベース27を参照することにより、クライアント秘書エ
ージェント17からの要求に対してどの言語リソース2
5を使用するかを判別する。また、各言語リソース25
ごとに機能や操作方法が言語で説明されており、複数の
言語リソースの中から有用なものを判別しなければなら
ないときには、日常言語で各言語リソースにアクセスし
て決定することができる。判別された言語リソースは、
言語インターフェースの使用域に関する情報を持ってお
り、言語インターフェースに用意されている操作コマン
ド群のいずれが使用されるかが判別される。
【0278】このように本実施の形態によれば、日常言
語の意味の体系を構造化したセミオティックベース1
3,23を用いて、意味処理機構14,24により、言
語テクストの意味理解および言語テクストの生成を行う
ので、全ての情報処理を日常言語により実行および管理
することができる。このため、コンピュータなどの専門
知識がなくとも、クライアントが日常的に用いる言語
(日常言語)によって容易に操作することができ、また
クライアントの意図を柔軟かつ正確に把握して情報処理
を行うことができる。
【0279】また、本実施の形態によれば、言語オペレ
ーティングシステム16,26により、言語コンピュー
タ12,22上での言語テクストの処理に関するプロセ
スの管理、言語テクストを含む言語ファイル19,29
の管理、およびネットワーク2を介した言語プロトコル
通信の管理などを言語に基づいて行うので、情報処理に
関する各種の管理を意味を伴った言語テクストのレベル
で直感的に行うことができる。
【0280】さらに、本実施の形態によれば、既存のリ
ソース(アプリケーションソフトウェアなどを含む)に
言語インタフェースを設けているので、コンピュータに
よる情報処理に必要なプログラミング言語、アプリケー
ションソフトウェア、ファイル、データベースおよびウ
ェブ情報のコンテンツなどの全てに言語に基づいてアク
セスして利用することができる。
【0281】なお、上述した実施の形態において、クラ
イアント言語コンピューティングシステム10(クライ
アント言語コンピュータ12およびクライアント言語オ
ペレーティングシステム16)およびネットワーク言語
コンピューティングシステム20(ネットワーク言語コ
ンピュータ22およびネットワーク言語オペレーティン
グシステム26)は、図35に示すようなコンピュータ
80上で稼働するプログラムとして実現することができ
る。ここで、コンピュータ80は、バス88と、バス8
8に接続されたプロセッサ81、メモリ82およびハー
ドディスク83と、バス88に接続された周辺機器(キ
ーボードやマウスなどの入力装置84、ディスプレイや
プリンタなどの出力装置85、FDドライブ86および
CD−ROMドライブ87)とを備えている。そして、
上述したようなプログラムは、メモリ82やハードディ
スク83、フレキシブルディスク89およびCD−RO
M90などのようなコンピュータ読み取り可能な記録媒
体に格納され、プロセッサ81から逐次読み出されて実
行されることにより上述したような機能を実現すること
ができる。
【0282】なお、上述した実施の形態において、クラ
イアント言語コンピューティングシステム10のクライ
アント言語コンピュータ12およびネットワーク言語コ
ンピューティングシステム20のネットワーク言語コン
ピュータ22はいずれも、既存のハードウェアおよびオ
ペレーティングシステムからなる既存のプラットフォー
ム上で実現される仮想マシンとして実現しているが、こ
れに限らず、ハードウェアとして実現するようにしても
よい。
【0283】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、日
常言語の意味の体系を構造化したセミオティックベース
を用いて、意味処理機構により、言語テクストの意味理
解および言語テクストの生成を行うので、全ての情報処
理を日常言語により実行および管理することができる。
このため、コンピュータなどの専門知識がなくとも、ク
ライアントが日常的に用いる言語(日常言語)によって
容易に操作することができ、またクライアントの意図を
柔軟かつ正確に把握して情報処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による日常言語コンピューティングシス
テムの一実施の形態を示す図。
【図2】図1に示す日常言語コンピューティングシステ
ムを用いた情報処理の一例(アプリケーションソフトウ
エアの利用)を説明するための図。
【図3】図1に示す日常言語コンピューティングシステ
ムを用いた情報処理の一例(情報検索)を説明するため
の図。
【図4】図1に示す日常言語コンピューティングシステ
ムを用いた情報処理の一例(処理エージェントの利用)
を説明するための図。
【図5】図1に示す日常言語コンピューティングシステ
ムのクライアント言語コンピューティングシステムによ
りクライアントに対して呈示されるユーザインタフェー
スの一例を説明するための図。
【図6】図1に示す日常言語コンピューティングシステ
ムの言語コンピュータで用いられるセミオティックベー
スを説明するための図。
【図7】図6に示すセミオティックベースの電子辞書に
含まれる情報の一例を示す図。
【図8】図6に示すセミオティックベースの語彙文法ベ
ースに含まれる情報を説明するための図。
【図9】図6に示すセミオティックベースの意味ベース
に含まれる情報を説明するための図。
【図10】図6に示すセミオティックベースの意味ベー
スに含まれる包括プランテンプレートの一例を示す図。
【図11】図10に示す包括プランテンプレートに基づ
いて作成された局所プランの一例を示す図。
【図12】図6に示すセミオティックベースの状況ベー
スに含まれる情報を説明するための図。
【図13】図6に示すセミオティックベースにおける状
況ベース、意味ベースおよび語彙文法ベース間の連関の
様子を説明するための図。
【図14】図6に示すセミオティックベースの状況ベー
スに含まれるテクストの場面構造の一例を示す図。
【図15】図6に示すセミオティックベースのコーパス
に含まれる情報を説明するための図。
【図16】図1に示す日常言語コンピューティングシス
テムにおけるクライアント言語コンピューティングシス
テム側での言語テクストの意味理解の一例を説明するた
めのフローチャート。
【図17】図1に示す日常言語コンピューティングシス
テムにおけるクライアント言語コンピューティングシス
テム側での言語テクストの意味理解の他の例を説明する
ためのフローチャート。
【図18】図17に示す言語テクストの意味理解時に用
いられる語彙文法ベースの情報を説明するための図。
【図19】図17に示す言語テクストの意味理解の途中
で作成された言語テクスト情報の一例を示す図。
【図20】図17に示す言語テクストの意味理解時に用
いられる意味ベースの情報を説明するための図。
【図21】図17に示す言語テクストの意味理解におい
て最終的に作成された言語テクスト情報の一例を示す
図。
【図22】図1に示す日常言語コンピューティングシス
テムにおけるクライアント言語コンピューティングシス
テム側での言語テクストの生成の一例を説明するための
フローチャート。
【図23】図1に示す日常言語コンピューティングシス
テムにおけるクライアント言語コンピューティングシス
テム側での言語テクストの生成の他の例を説明するため
のフローチャート。
【図24】図1に示す日常言語コンピューティングシス
テムにおけるクライアント言語コンピューティングシス
テム側での言語テクストの生成のさらに他の例を説明す
るためのフローチャート。
【図25】図23および図24に示す言語テクストの生
成時に用いられる意味ベースの情報を説明するための
図。
【図26】図23および図24に示す言語テクストの生
成時に用いられる意味ベースの情報を説明するための
図。
【図27】図22乃至図24に示す言語テクストの生成
の過程で得られた言語テクスト情報の一例を示す図。
【図28】図22乃至図24に示す言語テクストの生成
において最終的に作成された言語テクスト情報の一例を
示す図。
【図29】図1に示す日常言語コンピューティングシス
テムの言語コンピュータで提供される言語アプリケーシ
ョンを説明するための図。
【図30】図1に示す日常言語コンピューティングシス
テムのネットワーク言語オペレーティングシステムでの
言語プロセス管理を説明するための模式図。
【図31】図1に示す日常言語コンピューティングシス
テムにおいてクライアント言語コンピューティングシス
テムとネットワーク言語コンピューティングシステムと
の間で言語通信プロトコルに従ってやりとりされる言語
データのデータ仕様の一例を示す図。
【図32】図1に示す日常言語コンピューティングシス
テムにおいてクライアント言語コンピューティングシス
テムとネットワーク言語コンピューティングシステムと
の間でのセミオティックベースの連携の様子を説明する
ための図。
【図33】図1に示す日常言語コンピューティングシス
テムにおけるネットワーク言語コンピューティングシス
テム側での言語テクストの意味理解の一例を説明するた
めのフローチャート。
【図34】図1に示す日常言語コンピューティングシス
テムにおけるネットワーク言語コンピューティングシス
テム側での言語テクストの生成の一例を説明するための
フローチャート。
【図35】図1に示す日常言語コンピューティングシス
テムが適用されるコンピュータのハードウェア構成を示
すブロック図。
【図36】通信プロトコルの階層構造を説明するための
図。
【符号の説明】
1 日常言語コンピューティングシステム 2 ネットワーク 3 言語プログラム 4 画面 5 通信線 10 クライアント言語コンピューティングシステム
(C−LCS) 11 既存プラットフォーム 12 クライアント言語コンピューティング環境(C−
LCE)(言語コンピュータ) 13 クライアントセミオティックベース 14 クライアント意味処理機構 15 言語アプリケーション 16 クライアント言語オペレーティングシステム(C
−LOS) 17 クライアント秘書エージェント 18 クライアント知識ベース 19 言語ファイル 20 ネットワーク言語コンピューティングシステム
(N−LCS) 21 既存プラットフォーム 22 ネットワーク言語コンピューティング環境(N−
LCE)(言語コンピュータ) 23 ネットワークセミオティックベース 24 ネットワーク意味処理機構 25 言語リソース 26 ネットワーク言語オペレーティングシステム(N
−LOS) 27 ネットワークマネージャ 28 ネットワーク知識ベース 29 言語ファイル 31 クライアント電子辞書 32 辞書項目 33 形態素連接表 34 係り受け関係表 35 クライアント語彙文法ベース 36 語彙文法ベース項目 37 クライアント意味ベース 38 意味ベース項目 39 クライアント状況ベース 40 状況ベース項目 41 テクストの場面構造 42 クライアントコーパス 43 コーパス項目 44 包括プランテンプレート 45 局所プラン 46 言語テクスト情報 51 秘書アイコン 52 クライアントオフィス 66 アプリケーションソフトウエア 67 言語インタフェース 68 ユーザプロファイル 71 言語プロセス管理部 72 処理エージェント 73 計算機資源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 501058294 伊藤 紀子 埼玉県志木市本町6−17−16−201 (71)出願人 501057644 岩爪 道昭 埼玉県新座市野火止8−20−37−608 (72)発明者 菅 野 道 夫 神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎南4−12−15 −401 (72)発明者 小 林 一 郎 東京都町田市成瀬台1−10−3 (72)発明者 伊 藤 紀 子 埼玉県志木市本町6−17−16−201 (72)発明者 岩 爪 道 昭 埼玉県新座市野火止8−20−37−608 Fターム(参考) 5B091 AA15 BA03 BA19 CB12 CC03

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】日常言語により記述または口述された言語
    テクストを処理する言語コンピュータを備え、 前記言語コンピュータは、日常言語の意味の体系を構造
    化したセミオティックベースと、前記セミオティックベ
    ースに基づいて言語テクストの意味理解および言語テク
    ストの生成を行う意味処理機構とを有することを特徴と
    する日常言語コンピューティングシステム。
  2. 【請求項2】前記言語コンピュータの前記セミオティッ
    クベースは、語彙情報および意味情報を含む複数の辞書
    項目を保持する電子辞書と、言語の語彙文法特徴とそれ
    に対応する意味役割とを体系的に保持する語彙文法ベー
    スと、言語の意味特徴とそれに対応する意味役割とを体
    系的に保持する意味ベースとを有し、前記語彙文法ベー
    スに保持された語彙文法特徴および前記意味ベースに保
    持された意味特徴は、前記電子辞書に保持された前記各
    辞書項目の語彙情報および意味情報にそれぞれ関連付け
    られ、 前記言語コンピュータの前記意味処理機構は、前記電子
    辞書、前記語彙文法ベースおよび前記意味ベースを参照
    して、処理対象となる言語テクストに含まれる文字列の
    語彙文法特徴に対応する意味役割を同定するとともに、
    この同定された意味役割に対応する意味特徴を同定し、
    この同定された意味特徴に基づいて言語テクストの意味
    理解を行うことを特徴とする請求項1記載の日常言語コ
    ンピューティングシステム。
  3. 【請求項3】前記言語コンピュータの前記セミオティッ
    クベースは、言語が用いられる状況を表す状況タイプと
    それに対応する状況特徴とを体系的に保持する状況ベー
    スをさらに有し、前記語彙文法ベースおよび前記意味ベ
    ースはともに、前記状況ベースに保持された状況タイプ
    に関連付けられた言語の使用域を保持し、 前記言語コンピュータの前記意味処理機構は、前記意味
    ベース、前記語彙文法ベースおよび前記状況ベースを参
    照して、処理対象となる言語テクストに含まれる文字列
    の語彙文法特徴の使用域に対応する状況タイプを同定す
    るとともに、この同定された状況タイプに対応する意味
    特徴の使用域を同定し、この同定された意味特徴の使用
    域の範囲内で、前記同定された意味役割に対応する意味
    特徴を同定し、この同定された意味特徴に基づいて言語
    テクストの意味理解を行うことを特徴とする請求項2記
    載の日常言語コンピューティングシステム。
  4. 【請求項4】前記言語コンピュータの前記セミオティッ
    クベースは、言語のやりとりの実例としての言語テクス
    トを意味特徴とともに保持するコーパスをさらに有し、 前記言語コンピュータの前記意味処理機構は、前記コー
    パスを参照して、処理対象となる言語テクストに類似し
    た言語テクストの実例を検索し、この検索された言語テ
    クストの実例の意味特徴に基づいて言語テクストの意味
    理解を行うことを特徴とする請求項1記載の日常言語コ
    ンピューティングシステム。
  5. 【請求項5】前記言語コンピュータの前記セミオティッ
    クベースは、言語が用いられる状況を表す状況タイプと
    それに対応する状況特徴とを体系的に保持する状況ベー
    スと、言語の意味特徴とそれに対応する意味役割とを体
    系的に保持する意味ベースと、言語のやりとりの実例と
    しての言語テクストを状況特徴および意味特徴とともに
    保持するコーパスとを有し、前記状況ベースは、前記状
    況タイプに対応するテクストの場面構造をさらに保持
    し、前記意味ベースは、前記状況ベースに保持された状
    況タイプに関連付けられた言語の使用域と前記状況ベー
    スに保持されたテクストの場面構造に関連付けられた包
    括プランテンプレートとをさらに保持し、 前記言語コンピュータの前記意味処理機構は、前記状況
    ベースおよび前記意味ベースを参照して、言語テクスト
    の生成時の状況タイプに対応するテクストの場面構造に
    関連した包括プランテンプレートを同定するとともに、
    この同定された包括プランテンプレートと言語テクスト
    の処理の結果として得られた意味特徴とに基づいて局所
    プランを作成し、この作成された局所プランと前記コー
    パスに保持された言語テクストの実例とに基づいて言語
    テクストの生成を行うことを特徴とする請求項1記載の
    日常言語コンピューティングシステム。
  6. 【請求項6】前記言語コンピュータの前記セミオティッ
    クベースは、言語の語彙文法特徴とそれに対応する意味
    役割とを体系的に保持する語彙文法ベースをさらに有
    し、前記語彙文法ベースは、前記状況ベースに保持され
    た状況タイプに関連付けられた言語の使用域を保持し、
    前記コーパスは、言語のやりとりの実例としての言語テ
    クストを状況特徴、意味特徴および語彙文法特徴ととも
    に保持し、 前記言語コンピュータの前記意味処理機構は、前記意味
    ベースを参照して、前記局所プランに含まれる意味特徴
    に対応する意味役割を同定する一方で、前記語彙文法ベ
    ースを参照して、言語テクストの生成時の状況タイプに
    対応する語彙文法特徴の使用域を同定し、この同定され
    た語彙文法特徴の使用域の範囲内で、前記同定された意
    味役割に対応する語彙文法特徴を同定し、この同定され
    た語彙文法特徴と前記局所プランと前記コーパスに保持
    された言語テクストの実例とに基づいて言語テクストの
    生成を行うことを特徴とする請求項5記載の日常言語コ
    ンピューティングシステム。
  7. 【請求項7】前記言語コンピュータの前記セミオティッ
    クベースは、語彙情報および意味情報を含む複数の辞書
    項目を保持する電子辞書をさらに有し、前記語彙文法ベ
    ースに保持された語彙文法特徴および前記意味ベースに
    保持された意味特徴は、前記電子辞書に保持された前記
    各辞書項目の語彙情報および意味情報にそれぞれ関連付
    けられ、 前記言語コンピュータの前記意味処理機構は、前記電子
    辞書を参照して、前記局所プランに含まれる意味特徴と
    前記同定された語彙文法特徴とを含む辞書項目を出力す
    るとともに、前記語彙文法ベースを参照して、前記同定
    された語彙文法特徴と前記出力された辞書項目とを組み
    合わせ、この組み合わせにより言語テクストの生成を行
    うことを特徴とする請求項6記載の日常言語コンピュー
    ティングシステム。
  8. 【請求項8】前記言語コンピュータを日常言語により管
    理する言語オペレーティングシステムをさらに備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の日常言語コンピューティ
    ングシステム。
  9. 【請求項9】前記言語オペレーティングシステムは、ユ
    ーザと前記言語コンピュータとの間で対話的に言語テク
    ストをやりとりするための秘書エージェントを有するこ
    とを特徴とする請求項8記載の日常言語コンピューティ
    ングシステム。
  10. 【請求項10】前記秘書エージェントは、専門ドメイン
    ごとに複数の候補が用意され、ユーザからの指示により
    所望の候補が選択されることを特徴とする請求項9記載
    の日常言語コンピューティングシステム。
  11. 【請求項11】前記言語オペレーティングシステムは、
    前記秘書エージェントにより管理される知識ベースをさ
    らに有することを特徴とする請求項9または10記載の
    日常言語コンピューティングシステム。
  12. 【請求項12】前記知識ベースは、前記言語コンピュー
    タの前記セミオティックベースに関連付けられているこ
    とを特徴とする請求項11記載の日常言語コンピューテ
    ィングシステム。
  13. 【請求項13】前記言語オペレーティングシステムは、
    前記秘書エージェントを擬人化してユーザの居住空間を
    模した仮想空間とともに呈示するユーザインタフェース
    を有することを特徴とする請求項9記載の日常言語コン
    ピューティングシステム。
  14. 【請求項14】前記ユーザインタフェースは、ユーザか
    らの指示により所望の態様に設定されることを特徴とす
    る請求項13記載の日常言語コンピューティングシステ
    ム。
  15. 【請求項15】前記言語オペレーティングシステムは、
    前記言語コンピュータ上での言語テクストの処理に関す
    るプロセスを管理することを特徴とする請求項8記載の
    日常言語コンピューティングシステム。
  16. 【請求項16】前記言語オペレーティングシステムは、
    言語テクストを含む言語ファイルを管理することを特徴
    とする請求項8記載の日常言語コンピューティングシス
    テム。
  17. 【請求項17】前記言語オペレーティングシステムは、
    他の日常言語コンピューティングシステムとの間で言語
    データをやりとりすることを特徴とする請求項8記載の
    日常言語コンピューティングシステム。
  18. 【請求項18】前記言語データは、言語テクストデータ
    とその意味を表すデータとを含むことを特徴とする請求
    項17記載の日常言語コンピューティングシステム。
  19. 【請求項19】前記言語コンピュータは、既存のプラッ
    トフォーム上で実現される仮想マシンであることを特徴
    とする請求項1記載の日常言語コンピューティングシス
    テム。
  20. 【請求項20】前記言語コンピュータは、前記言語オペ
    レーティングシステムからの指示により各種のサービス
    を提供する言語リソースをさらに有し、前記言語リソー
    スは、既存のプラットフォーム上で動作するリソース本
    体と、このリソース本体と前記言語オペレーティングシ
    ステムによる言語に基づく命令とを結び付けるための言
    語インタフェースとを有することを特徴とする請求項8
    記載の日常言語コンピューティングシステム。
  21. 【請求項21】クライアントコンピューティングシステ
    ムと、 前記クライアントコンピューティングシステムに接続さ
    れたネットワークコンピューティングシステムとを備
    え、 前記クライアントコンピューティングシステムは、日常
    言語により記述または口述された言語テクストを処理す
    るクライアント言語コンピュータと、前記クライアント
    言語コンピュータを日常言語により管理するクライアン
    ト言語オペレーティングシステムとを有し、 前記ネットワークコンピューティングシステムは、前記
    クライアントコンピューティングシステムとの間でやり
    とりされる言語テクストを処理するネットワーク言語コ
    ンピュータと、前記クライアントコンピューティングシ
    ステムとの間で言語データをやりとりするとともに前記
    ネットワーク言語コンピュータを日常言語により管理す
    るネットワーク言語オペレーティングシステムとを有
    し、 前記クライアント言語オペレーティングシステムおよび
    前記ネットワーク言語オペレーティングシステムは、言
    語通信プロトコルに従って互いに言語データをやりとり
    することを特徴とする日常言語コンピューティングシス
    テム。
  22. 【請求項22】前記言語通信プロトコルに従ってやりと
    りされる前記言語データは、言語テクストデータとその
    意味を表すデータとを含むことを特徴とする請求項21
    記載の日常言語コンピューティングシステム。
  23. 【請求項23】前記クライアント言語コンピュータは、
    日常言語の意味の体系を構造化したクライアントセミオ
    ティックベースと、前記クライアントセミオティックベ
    ースに基づいて言語テクストの意味理解および言語テク
    ストの生成を行うクライアント意味処理機構とを有し、
    前記ネットワーク言語コンピュータは、日常言語の意味
    の体系を構造化したネットワークセミオティックベース
    と、前記ネットワークセミオティックベースに基づいて
    言語テクストの意味理解および言語テクストの生成を行
    うネットワーク意味処理機構とを有し、 前記クライアントセミオティックベースと前記ネットワ
    ークセミオティックベースとは、前記クライアント言語
    オペレーティングシステムおよび前記ネットワーク言語
    オペレーティングシステムによる管理の下で互いに連携
    することを特徴とする請求項21記載の日常言語コンピ
    ューティングシステム。
  24. 【請求項24】前記クライアント言語オペレーティング
    システムは、ユーザと前記クライアント言語コンピュー
    タとの間で対話的に言語テクストをやりとりする秘書エ
    ージェントを有し、前記ネットワーク言語オペレーティ
    ングシステムは、前記秘書エージェントとの間で言語テ
    クストをやりとりするとともに前記ネットワーク言語コ
    ンピュータを管理するネットワークマネージャエージェ
    ントを有することを特徴とする請求項21記載の日常言
    語コンピューティングシステム。
  25. 【請求項25】前記クライアント言語オペレーティング
    システムは、前記秘書エージェントにより管理されるク
    ライアント知識ベースをさらに有し、前記ネットワーク
    言語オペレーティングシステムは、前記ネットマネージ
    ャエージェントにより管理されるネットワーク知識ベー
    スをさらに有し、前記クライアント知識ベースと前記ネ
    ットワーク知識ベースとは、前記秘書エージェントおよ
    び前記ネットワークマネージャエージェントによる管理
    の下で互いに連携することを特徴とする請求項24記載
    の日常言語コンピューティングシステム。
  26. 【請求項26】前記ネットワーク言語オペレーティング
    システムは、前記クライアントコンピューティングシス
    テムとの間でやりとりされる言語テクストの処理に関す
    るプロセスを管理することを特徴とする請求項21記載
    の日常言語コンピューティングシステム。
  27. 【請求項27】前記ネットワーク言語オペレーティング
    システムは、前記クライアントコンピューティングシス
    テムとの間でやりとりされる言語テクストを含む言語フ
    ァイルを管理することを特徴とする請求項21記載の日
    常言語コンピューティングシステム。
  28. 【請求項28】語彙情報および意味情報を含む複数の辞
    書項目を保持する電子辞書と、言語の語彙文法特徴とそ
    れに対応する意味役割とを体系的に保持する語彙文法ベ
    ースと、言語の意味特徴とそれに対応する意味役割とを
    体系的に保持する意味ベースとを有し、前記語彙文法ベ
    ースに保持された語彙文法特徴および前記意味ベースに
    保持された意味特徴は、前記電子辞書に保持された前記
    各辞書項目の語彙情報および意味情報にそれぞれ関連付
    けられたセミオティックベースを参照して、日常言語に
    より記述または口述された言語テクストを処理して言語
    テクストの意味理解を行う日常言語コンピューティング
    方法において、 前記電子辞書を参照して、処理対象となる言語テクスト
    に対して形態素解析と係り受け解析とを行い、当該言語
    テクストに含まれる文字列の語彙文法特徴を同定するス
    テップと、 前記語彙文法ベースを参照して、前記同定された語彙文
    法特徴に対応する意味役割を同定するステップと、 前記電子辞書を参照して、前記同定された語彙文法特徴
    を含む辞書項目を出力するステップと、 前記意味ベースを参照して、前記出力された辞書項目に
    含まれている意味情報を抽出するステップとを含み、 前記抽出された意味情報に基づいて、前記同定された意
    味役割に対応する意味特徴を同定して言語テクストの意
    味理解を行うステップとを含むことを特徴とする日常言
    語コンピューティング方法。
  29. 【請求項29】前記セミオティックベースは、言語が用
    いられる状況を表す状況タイプとそれに対応する状況特
    徴とを体系的に保持する状況ベースをさらに有し、前記
    語彙文法ベースおよび前記意味ベースはともに、前記状
    況ベースに保持された状況タイプに関連付けられた言語
    の使用域を保持し、 前記状況ベースおよび前記語彙文法ベースを参照して、
    処理対象となる言語テクストに含まれる文字列の語彙文
    法特徴の使用域に対応する状況タイプを同定するステッ
    プと、 前記状況ベースおよび前記意味ベースを参照して、前記
    同定された状況タイプに対応する意味特徴の使用域を同
    定するステップとをさらに含み、 前記同定された意味特徴の使用域の範囲内で、前記同定
    された意味役割に対応する意味特徴を同定して言語テク
    ストの意味理解を行うことを特徴とする請求項28記載
    の日常言語コンピューティング方法。
  30. 【請求項30】言語が用いられる状況を表す状況タイプ
    とそれに対応する状況特徴とを体系的に保持する状況ベ
    ースと、言語の意味特徴とそれに対応する意味役割とを
    体系的に保持する意味ベースと、言語のやりとりの実例
    としての言語テクストを状況特徴および意味特徴ととも
    に保持するコーパスとを有し、前記状況ベースは、前記
    状況タイプに対応するテクストの場面構造をさらに保持
    し、前記意味ベースは、前記状況ベースに保持された状
    況タイプに関連付けられた言語の使用域と前記状況ベー
    スに保持されたテクストの場面構造に関連付けられた包
    括プランテンプレートとをさらに保持するセミオティッ
    クベースを参照して、日常言語により記述または口述さ
    れた言語テクストを処理して言語テクストの生成を行う
    日常言語コンピューティング方法において、 前記状況ベースおよび前記意味ベースを参照して、言語
    テクストの生成時の状況タイプに対応するテクストの場
    面構造に関連した包括プランテンプレートを同定するス
    テップと、 前記意味ベースを参照して、前記同定された包括プラン
    テンプレートと言語テクストの処理の結果として得られ
    た意味特徴とに基づいて局所プランを作成するステップ
    と、 前記作成された局所プランと前記コーパスに保持された
    言語テクストの実例とに基づいて言語テクストの生成を
    行うステップとを含むことを特徴とする日常言語コンピ
    ューティング方法。
  31. 【請求項31】前記セミオティックベースは、言語の語
    彙文法特徴とそれに対応する意味役割とを体系的に保持
    する語彙文法ベースをさらに有し、前記語彙文法ベース
    は、前記状況ベースに保持された状況タイプに関連付け
    られた言語の使用域を保持し、前記コーパスは、言語の
    やりとりの実例としての言語テクストを状況特徴、意味
    特徴および語彙文法特徴とともに保持し、 前記語彙文法ベースを参照して、言語テクストの生成時
    の状況タイプに対応する語彙文法特徴の使用域を同定す
    るステップと、 前記意味ベースを参照して、前記局所プランに含まれる
    意味特徴に対応する意味役割を同定するステップと、 前記語彙文法ベースを参照して、前記同定された語彙文
    法特徴の使用域の範囲内で、前記同定された意味役割に
    対応する語彙文法特徴を同定するステップとをさらに含
    み、 前記同定された語彙文法特徴と前記局所プランと前記コ
    ーパスに保持された言語テクストの実例とに基づいて言
    語テクストの生成を行うことを特徴とする請求項30記
    載の日常言語コンピューティング方法。
  32. 【請求項32】前記セミオティックベースは、語彙情報
    および意味情報を含む複数の辞書項目を保持する電子辞
    書をさらに有し、前記語彙文法ベースに保持された語彙
    文法特徴および前記意味ベースに保持された意味特徴
    は、前記電子辞書に保持された前記各辞書項目の語彙情
    報および意味情報にそれぞれ関連付けられ、 前記電子辞書を参照して、前記局所プランに含まれる意
    味特徴と前記同定された語彙文法特徴とを含む辞書項目
    を出力するステップと、 前記語彙文法ベースを参照して、前記同定された語彙文
    法特徴と前記出力された辞書項目とを組み合わせるステ
    ップとをさらに含み、 この組み合わせにより言語テクストの生成を行うことを
    特徴とする請求項31記載の日常言語コンピューティン
    グ方法。
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