JP2002236113A - 配管の検査装置及び方法並びに配管の検査システム - Google Patents

配管の検査装置及び方法並びに配管の検査システム

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JP2002236113A
JP2002236113A JP2001030998A JP2001030998A JP2002236113A JP 2002236113 A JP2002236113 A JP 2002236113A JP 2001030998 A JP2001030998 A JP 2001030998A JP 2001030998 A JP2001030998 A JP 2001030998A JP 2002236113 A JP2002236113 A JP 2002236113A
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pipe
signal
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piping
elastic wave
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Shinji Ito
慎司 伊藤
Toru Nomura
徹 野村
Shinichi Kaida
進一 海田
Hiroichi Kaneko
博一 金子
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CENTRAL COMP SERVICES CO Ltd
CENTRAL COMPUTER SERVICES CO Ltd
Eneos Corp
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CENTRAL COMP SERVICES CO Ltd
CENTRAL COMPUTER SERVICES CO Ltd
Japan Energy Corp
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度に配管の欠陥の位置等を特定しうる配
管の検査装置及び方法並びに配管の検査システムを提供
する。 【解決手段】 配管28を伝搬する弾性波30を発信
し、配管から反射された弾性波を電気的な信号として検
出し、検出された検出信号と所定の参照信号との相関を
求め、求められた相関の極大値に基づいて配管の欠陥の
位置を特定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配管の検査装置及
び方法並びに配管の検査システムに係り、特に、配管の
欠陥の位置等を特定しうる配管の検査装置及び方法並び
に配管の検査システムに関する。
【0002】
【従来の技術】化学プラントや都市ガス等の配管につい
ては、敷設後、メンテナンス等のために、欠陥の検査を
行うことが必要である。
【0003】配管の欠陥の検査する技術として、磁気歪
センサを用いた配管の検査方法が提案されている(特表
平11−502020号公報、米国特許5581037
号公報参照)。
【0004】提案されている配管の検査方法では、配管
に機械的振動を発生させ、配管に取り付けられたセンサ
を用いて、配管を伝搬する弾性波を検出する。配管を伝
搬する弾性波は、配管の欠陥により反射されるため、セ
ンサにより検出される弾性波には、配管の欠陥により反
射された波も含まれている。従って、提案されている検
査方法では、配管に機械的振動を発生させた際に生じる
弾性波がセンサに到達する時間と、配管を伝搬する弾性
波が欠陥によって反射されてセンサに到達する時間との
時間差から、配管の欠陥の位置を特定することができ
る。
【0005】提案されている検査方法は、地中に埋設さ
れた配管や、保温材に覆われた配管等、露出していない
配管を検査できるため、一般の検査装置に比べて有利で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、提案さ
れている検査方法では、配管に機械的振動を発生させた
際に生じる弾性波がセンサに到達する時間と、配管を伝
搬する弾性波が欠陥によって反射されてセンサに到達す
る時間との時間差から、単に配管の欠陥の位置を求める
ものであるため、配管に加える機械的振動の波長より細
かい精度で配管の欠陥の位置を特定することは困難であ
った。殊に、配管の欠陥を検査するためには、配管の長
手方向に数m以上離れた位置まで弾性波を伝播させる必
要があり、減衰の少ない、比較的低い周波数の機械的振
動を配管に加える必要がある。周波数の低い振動は、波
長が長い。提案されている検査方法では、配管に加える
機械的振動の波長より細かい精度で配管の欠陥の位置を
特定することが困難であるため、波長の長い機械的振動
を加えざるを得ない配管の検査においては、高い精度で
配管の欠陥の位置を特定することは困難であった。
【0007】また、提案されている検査方法では、配管
の欠陥の位置と他の反射要因の位置とが近接している場
合に、他の反射要因の影響を受けることなく、配管の欠
陥の位置を特定することが困難であった。例えば、溶接
線の近傍において配管に欠陥がある場合には、溶接線に
よって大きな反射波が生じるため、配管の欠陥の位置を
特定することが困難であった。
【0008】また、欠陥によって弾性波が反射される際
に、副次的な波が生じる場合がある。例えば、配管内に
液体が満たされている場合には、配管に機械的振動を加
えた際に、配管を満たす液体中に放出された波が、液体
中を伝搬し、配管に再入射して配管を伝搬し、配管の欠
陥によって反射されることによって、トレーリング波と
呼ばれる波が発生する。このような副次的な波が発生し
た場合には、センサにより検出された信号が欠陥による
ものであるのか、トレーリング波等によるものなのかを
特定することが困難であり、配管の欠陥の位置を正確に
特定することが困難であった。
【0009】本発明の目的は、高精度に配管の欠陥の位
置等を特定しうる配管の検査装置及び方法並びに配管の
検査システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、配管を伝搬
する弾性波を発信し、前記配管から反射された前記弾性
波を電気的な信号として検出し、検出された検出信号と
所定の参照信号との相関を求め、求められた相関の極大
値に基づいて前記配管の欠陥の位置を特定することを特
徴とする配管の検査方法により達成される。これによ
り、検出信号と参照信号との相関を求め、検出信号と参
照信号との相関が極大となる位置から配管の欠陥の位置
を特定するので、高精度に配管の欠陥の位置を特定する
ことができる。
【0011】また、上記の配管の検査方法において、前
記所定の参照信号は、前記配管が周方向にほぼ均一に不
連続になっている部分から反射される波を用いて形成さ
れていることが望ましい。
【0012】また、上記の配管の検査方法において、前
記配管の一の欠陥の位置を特定した後、前記検出信号か
ら、前記一の欠陥に相当する部分の信号を除去し、前記
一の欠陥に相当する部分の前記信号が除去された前記検
出信号を用いて、前記配管の他の欠陥の位置を特定する
ことが望ましい。
【0013】また、上記の配管の検査方法において、前
記検出信号から、前記弾性波が前記配管を満たす液体を
伝搬した後、前記配管に再入射して前記配管を伝搬し、
前記配管の欠陥によって反射されることにより生ずる副
次的な信号を除去し、前記副次的な信号が除去された前
記検出信号を用いて、前記配管の欠陥の位置を特定する
ことが望ましい。
【0014】また、上記の配管の検査方法において、磁
気歪効果により、前記弾性波の発信及び/又は検出を行
うことが望ましい。
【0015】また、上記目的は、配管を伝搬する弾性波
を発信し、前記配管から反射された前記弾性波を電気的
な信号として検出し、検出された検出信号と所定の参照
信号との相関を求め、求められた相関の極大値に基づい
て前記配管の欠陥の位置を特定することを特徴とする配
管の検査装置により達成される。これにより、検出信号
と参照信号との相関を求め、検出信号と参照信号との相
関が極大となる位置から配管の欠陥の位置を特定するの
で、高精度に配管の欠陥の位置を特定することができ
る。
【0016】また、上記目的は、弾性体を伝搬する弾性
波を発信し、前記弾性体から反射された前記弾性波を電
気的な信号として検出し、検出された検出信号と所定の
参照信号との相関を求め、求められた相関の極大値に基
づいて前記弾性体の欠陥の位置を特定することを特徴と
する配管の検査方法により達成される。これにより、検
出信号と参照信号との相関を求め、検出信号と参照信号
との相関が極大となる位置から配管の欠陥の位置を特定
するので、高精度に弾性体の欠陥の位置を特定すること
ができる。
【0017】また、上記目的は、現場で配管の検査装置
を用いて取得された検出信号を、前記検査装置と異なる
解析用コンピュータに導入し、前記解析用コンピュータ
がデータベースに蓄積された所定の参照信号を用いて、
前記配管の欠陥の位置を特定することを特徴とする配管
の検査システムにより達成される。これにより、データ
ベースに蓄積された豊富なデータを活用して、高精度な
解析を行うことができる。また、解析されたデータをデ
ータベースに蓄積し、その後のデータ解析に役立てるこ
とができるので、解析精度を累積的に進歩させることが
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]本発明の第1実
施形態による配管の検査装置及び方法を図1乃至図4を
用いて説明する。図1は、本実施形態による配管の検査
装置を示すブロック図である。なお、本実施形態では、
配管の検査を行う場合を例に説明するが、本発明は、配
管の検査を行う場合のみならず、弾性波を伝搬し得る被
測定体であれば、あらゆる被測定体の検査に適用可能で
ある。
【0019】(配管の検査装置)図1に示すように、本
実施形態による配管の検査装置は、装置全体を制御する
とともに、信号解析を行って配管の欠陥等を特定する制
御・解析用コンピュータ10と、制御・解析用コンピュ
ータ10からの命令によって信号を発生する信号発生器
12と、信号発生器12から出力された信号を増幅する
電力増幅器14と、電力増幅器14から出力される信号
によって配管28に機械的振動を加える伝送素子16
と、配管28を伝搬する弾性波30を検出する検出素子
18と、検出素子18により検出された信号を増幅する
プリアンプ20と、プリアンプ20から出力されるアナ
ログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ2
2と、検出信号や解析結果等を表示する表示器24と、
検出信号や参照信号等を記憶するメモリ26とを有して
いる。
【0020】本実施形態による検査装置及び方法は、配
管28に機械的振動を加え、配管28を伝搬する弾性波
30を時系列的に検出し、検出された時系列的な信号に
ついて、後述する参照信号を用いて所定の信号処理を行
うことにより、配管28の欠陥の位置を特定することに
主な特徴がある。
【0021】(a)信号発生器12 信号発生器12は、制御・解析用コンピュータ10から
の命令に基づいて、配管28に機械的振動を加えるため
の信号を発生するものである。
【0022】信号発生器12は、比較的低い周波数、例
えば10〜200kHz程度、特には30〜100kH
z程度の周波数の信号を発生する。このような低周波の
信号を用いるのは、低周波信号は、高周波信号に比べて
配管28での減衰が小さいからである。
【0023】信号発生器12から出力する信号の種類と
しては、例えば、ワンショットパルスを用いることがで
きる。
【0024】(b)電力増幅器14 電力増幅器14は、信号発生器12から出力された信号
を増幅するものである。
【0025】伝送素子16を介して配管28に所望の機
械的振動を加えることができるよう、例えば高出力の電
力増幅器14が用いられる。
【0026】(c)伝送素子16 伝送素子16は、電力増幅器14からの信号により、検
査対象である配管28に機械的振動を加えるものであ
る。
【0027】伝送素子16は、配管28に効率的に機械
的振動を加えることができるよう、配管28の周囲に設
けられる。
【0028】伝送素子16は、例えば、可変磁界を生成
する伝送コイル32と、伝送コイル32の近傍に設けら
れ、配管28を静的に磁化するバイアス磁石34とによ
り構成することができる。
【0029】このような構成の伝送素子16は、磁気歪
効果により配管28に機械的振動を加える。磁気歪効果
により配管28に機械的振動を加えるので、長い波長の
機械的振動を配管28に加える場合であっても、効率よ
く機械的振動を配管28に加えることができ、また高い
S/N比を得ることができる。
【0030】伝送素子16は、配管28の長手方向のう
ち、一方向にのみ、例えば図1の紙面左側の方向にのみ
弾性波30を伝搬させる特性を有することが望ましい。
一方向にのみ弾性波30を伝搬させる特性を有する伝送
素子16を用いれば、信号処理の容易化を図ることがで
きる。但し、そのような特性は、必ずしも必要なわけで
はなく、両方向に弾性波を伝送する伝送素子16を用い
てもよい。
【0031】(d)配管28 配管28は、検査対象となるものである。
【0032】配管28の材料としては、例えば、金属や
プラスチック等が考えられる。
【0033】なお、検査対象となる配管28の材料は、
金属やプラスチックに限定されるものではなく、弾性波
30が伝搬し得る弾性体より成る配管28であれば、あ
らゆる材料より成る配管28を検査対象とすることがで
きる。
【0034】本実施形態による検査装置は、磁気歪効果
により配管28に機械的振動を印加するものであるた
め、強磁性体より成る配管28が検査対象となる場合に
適している。
【0035】なお、本実施形態による検査装置は、検査
対象となる配管28が強磁性体でない場合であっても、
何ら問題なく、検査を行うことができる。例えば、伝送
素子16や検出素子18が設けられる箇所において、配
管28の周囲に強磁性体等より成るシート等を巻き付け
れば、伝送素子16を介して配管28に機械的振動を加
えることができ、また、配管28を伝搬する弾性波30
を検出素子18を介して検出することができる。
【0036】配管28の直径は、例えば10〜50cm
程度、特には20〜30cm程度が考えられる。なお、
検査対象となる配管28の直径は、これらに限定される
ものではない。
【0037】本実施形態による検査装置は、露出してい
ない配管28を検査できる点で、一般的の検査装置に比
べて優れている。即ち、一般の検査装置では、露出して
いない配管28を検査することは困難であるが、本実施
形態による配管の検査装置では、例えば、埋設されてい
る配管28や、保温材で覆われている配管28等を検査
することが可能である。なお、本実施形態による検査装
置は、露出していない配管のみならず、露出している配
管も何ら問題なく検査することができる。
【0038】(e)検出素子18 検出素子18は、配管28を伝搬する弾性波30を電気
信号として検出するものである。
【0039】検出素子18は、配管28の周囲に設けら
れ、弾性波によって配管28に生じる磁界の変化を検出
する検出コイル36と、検出コイル36の近傍に設けら
れ、配管28を静的に磁化するバイアス磁石38とによ
り構成されている。本実施形態による配管の検査装置で
は、検出素子18が伝送素子16と近似した構成になっ
ているので、配管を伝わる弾性波30を効率よく検出す
ることができる。
【0040】なお、本実施形態では、伝送素子16と近
似した構成の検出素子18を用いたが、検出素子18は
必ずしも伝送素子16と近似した構成にする必要はな
く、伝送素子16と異なる構成の検出素子18を用いて
もよい。
【0041】(f)プリアンプ プリアンプ20は、検出素子18により検出された信号
を増幅するものである。
【0042】検出素子18により検出される信号は微弱
であるため、そのままでは信号処理に適さない。このた
め、プリアンプ20によって、信号が増幅される。
【0043】プリアンプ20により増幅された信号は、
A/Dコンバータ22に出力される。
【0044】(g)A/Dコンバータ22 A/Dコンバータ22は、プリアンプ20から出力され
るアナログ信号をデジタル信号に変換するものである。
【0045】A/Dコンバータ22のサンプリング周期
は、信号発生器12から出力される信号の周期の例えば
1/2以下、特には、1/10以下とすることができ
る。サンプリング周期を短くすることにより、より高精
度な解析が可能となる。
【0046】A/Dコンバータ22の振幅分解能は、8
bit以上、特には12bit以上とすることができ
る。振幅分解能を向上することにより、より高精度な解
析が可能となる。
【0047】(h)メモリ26 メモリ26は、検出信号や参照信号等を記憶するもので
ある。
【0048】メモリ26には、A/Dコンバータ22か
ら出力された検出信号が時系列的に記憶される。即ち、
A/Dコンバータ22から出力された信号は、制御・解
析用コンピュータ10により順次読み取られ、読みとら
れた信号が順次メモリ26に書き込まれていく。
【0049】また、メモリ26には、検出信号を処理す
る際に用いられる参照信号が記憶される。参照信号は、
弾性波が配管の欠陥よって反射される波と同様の信号で
ある。参照信号を作成する際には、例えば、配管の端面
で反射される波や、溶接線によって反射される波等、配
管が周方向に均一に不連続になっている部分によって反
射される波を検出し、こうして検出された波から参照信
号を作成することができる。
【0050】なお、本実施形態のように伝送素子16と
検出素子18とが近似した構成になっている場合には、
信号発生器12から出力される信号と同様の信号を参照
信号として用いることも可能である。
【0051】また、参照信号は1つに限定されるもので
はない。例えば、フランジによって反射される波を参照
信号としてメモリに記憶しておけば、フランジによる反
射波なのか、配管の欠陥による反射波なのかを、判別す
ることが可能となる。このように多様な反射要素を考慮
して多数の参照信号を作成し、これらの参照信号を適宜
用いれば、何の反射要素による反射なのかを判別するこ
とが可能となり、配管の欠陥の誤認を防止することがで
きる。
【0052】また、伝送素子16の特性、配管28にお
ける弾性波30の伝搬特性、検出素子18の特性等の様
々なパラメータを考慮して、参照信号を作成してもよ
い。このようなパラメータを考慮して参照信号を作成す
れば、解析精度をより向上することができる。
【0053】また、参照信号は、予めメモリ26に記憶
しておいてもよいし、参照信号を記憶した記憶媒体を用
いて、別途メモリ26に記憶するようにしてもよい。参
照信号を記憶した記憶媒体を用いて別途メモリ26記憶
できるように構成すれば、適宜改良される参照信号を用
いて、解析精度の向上を図ることができる。
【0054】また、本実施形態による配管の検査装置を
電話回線に接続し、参照信号を受信することにより、参
照信号をメモリ26に記憶できるようにしてもよい。ま
た、インターネットのホームページ等から参照信号をダ
ウンロードできるようにしてもよい。
【0055】(i)表示器24 表示器24は、検出信号や解析結果等を表示するもので
ある。
【0056】また、表示器24は、本実施形態による検
査装置の動作状態等を表示することもできる。
【0057】(j)制御・解析用コンピュータ10 制御・解析用コンピュータ10は、装置全体を制御する
とともに、検出信号を解析して配管28の欠陥等を特定
するものである。
【0058】制御・解析用コンピュータ10には、装置
全体を制御するためのプログラムや信号処理を行うため
のプログラム等が導入されている。
【0059】このようなプログラムは、予め制御・解析
用コンピュータ10に導入されていてもよいし、プログ
ラムを記憶した記憶媒体等を用いて、別途導入できるよ
うにしてもよい。プログラムを記憶した記憶媒体を用い
て別途導入できるように構成すれば、プログラムをバー
ジョンアップして、検査精度の向上や機能の改良を図る
ことができる。
【0060】また、本実施形態による配管の検査装置を
電話回線に接続し、プログラムを受信することにより、
プログラムをバージョンアップするようにしてもよい。
また、インターネットのホームページ等からプログラム
をダウンロードできるようにしてもよい。
【0061】制御・解析用コンピュータは、配管28に
機械的振動を加える際には、信号発生器12に信号を発
生すべき旨の命令を出力する。これにより、電力増幅器
14、伝送素子16を介して配管28に機械的振動が加
わる。配管28を伝搬した弾性波30は、検出素子18
により電気信号として検出され、プリアンプ20で増幅
され、A/Dコンバータ22でデジタル信号に変換され
て、制御・解析用コンピュータ10により読みとられ
る。
【0062】また、制御・解析用コンピュータ10は、
A/Dコンバータ22から読み取った信号を時系列的に
メモリ26に記憶していく。この際に、表示器24を用
いて検出信号を表示するようにしてもよい。
【0063】また、制御・解析用コンピュータ10は、
メモリ26に記憶した時系列の検出信号と参照信号とを
用いて、所定の信号処理を行う。そして、処理された信
号を解析することにより、配管28の欠陥の位置を特定
する。
【0064】また、制御・解析用コンピュータ10は、
表示器24を用いて解析結果等を表示する。
【0065】なお、制御・解析用コンピュータ10とし
て、人工知能(AI、Artificial Intelligence)を有
するコンピュータを用いてもよい。人工知能を有するコ
ンピュータを用いれば、参照信号等を適宜改良すること
ができ、解析精度を累積的に進歩させていくことができ
る。
【0066】このようにして、本実施形態による配管の
検査装置が構成されている。
【0067】(配管の検査方法)次に、本実施形態によ
る配管の検査方法を図1乃至図4を用いて説明する。図
2は、時系列的に取得された検出信号の例を示すタイム
チャートである。図3は、参照信号の例を示すタイムチ
ャートである。図4は、信号処理された検出信号の例を
示すタイムチャートである。
【0068】まず、配管28に機械的振動を加え、配管
28の長手方向に弾性波30を伝搬させる。具体的に
は、まず、制御・解析用コンピュータ10から信号発生
器12に、信号を発生すべき旨の命令が出力される。こ
れにより、信号発生器12から例えばワンショットパル
スの信号が出力される。信号発生器12から出力された
信号は、電力増幅器14により増幅される。そして、伝
送素子16を介して、配管28に機械的振動が加えられ
る。配管28に機械的振動が加えられると、配管28の
長手方向に弾性波30が伝搬する。例えば、図1の紙面
左側に向かって弾性波30が伝搬する。
【0069】なお、弾性波30を配管28の紙面左側方
向にのみ伝搬させるのは必ずしも容易ではない。このた
め、弾性波30は、紙面右側方向にも一定程度は伝搬す
る。
【0070】配管28の紙面左側方向に伝搬する弾性波
30は、配管28の欠陥等により反射され、紙面右側方
向に向かって伝搬する。紙面右側に向かって伝搬する反
射波は、検出素子18により電気信号として検出され
る。
【0071】検出素子30により検出された信号は、プ
リアンプ20により増幅され、A/Dコンバータ22に
よりデジタル信号に変換されて、制御・解析用コンピュ
ータ10に読みとられる。
【0072】制御・解析用コンピュータ10により読み
とられた検出信号は、順次メモリ26に記憶されてい
く。こうして、時系列的な検出信号がメモリ26に記憶
される。なお、この際に、表示器24を用いて検出信号
を表示することもできる。
【0073】図2は、時系列的に取得された検出信号の
例を示すタイムチャートである。横軸は、実際には時間
軸であるが、検出素子から配管の欠陥までの距離をわか
りやすくするため、検出素子からの距離に換算した値が
示されている。縦軸は、信号強度を示している。
【0074】図2の場合には、検出素子の直近に相当す
る部分にまず大きな信号が観測され、更に、検出素子か
らある程度離れた位置に信号S1〜S4が観測されてい
る。
【0075】検出素子18の直近に相当する部分の大き
な信号は、検出素子18から極めて近接した位置からの
信号であり、伝送素子16を介して配管28に機械的振
動を印加した際に、弾性波30が図1の紙面右方向に伝
搬したことによるものと考えることができる。
【0076】一方、信号S1〜S4は、何らかの反射要素
によって弾性波30が図1の紙面右方向に反射されたこ
とによるものであると考えることができる。
【0077】次に、図2に示すような時系列的に取得さ
れた検出信号に対して、参照信号に時間遅れをもたせて
所定の信号処理を行う。所定の信号処理は、制御・解析
用コンピュータ10により行われる。
【0078】具体的には、まず、一定時間分の検出信号
と参照信号とを、メモリ26から読み出す。
【0079】図3は、参照信号の例を示すタイムチャー
トである。図3の横軸は、実際には時間軸であるが、図
2の横軸との整合性を確保すべく、検出素子18からの
距離に換算した値で示されている。縦軸は、信号強度を
示している。なお、図3では、図2に対して波形が拡大
して表されている。
【0080】次に、メモリ26から読み出された一定時
間分の検出信号と参照信号との各時間毎の積を求め、そ
れを足し合わせて相関を求める。
【0081】次に、前回読み出した検出信号より微小時
間Δtだけ遅い分の一定時間分の検出信号を、メモリ2
6から読み出す。即ち、前回読み出した検出信号がtn
からtn+1までの検出信号であったとすると、今回メモ
リ26から読み出す検出信号は、tn+Δtからtn+1
Δtまでの検出信号となる。微小時間Δtが短ければ短い
ほど、高精度に信号処理を行うことができる。この後、
メモリ26から読み出された検出信号と参照信号との各
時間毎の積を求め、それを足し合わせて、検出信号と参
照信号との相関を求める。
【0082】この後も、同様にして、メモリ26から読
み出す一定時間分の検出信号を、順次、微小時間Δt
つ遅らせていき、読み出された検出信号と参照信号とを
用いて上記のように積和演算を行い、検出信号と参照信
号との相関を順次求めていく。
【0083】この一連の処理である畳み込み演算は、検
出信号と参照信号とをそれぞれフーリエ変換し、フーリ
エ変換されたこれらの信号の周波数空間での共役積を求
め、求められた共役積を逆フーリエ変換することにより
行われる。フーリエ変換の種類としては、例えば離散フ
ーリエ変換や高速フーリエ変換等を用いることができ
る。このようにして畳み込み演算を行うと、検出信号と
参照信号との相関が求められる。
【0084】波形処理に用いられる参照信号は、弾性波
が欠陥によって反射される波と近似した波であるため、
配管に欠陥が生じている位置に相当する部分では、検出
信号と参照信号との相関が極大となる。
【0085】図4は、信号処理された検出信号の例を示
すタイムチャートである。
【0086】図4に示すように、検出素子からある程度
離れた位置に、極大値M1〜M4が観測されている。
【0087】次に、極大値M1〜M4が観測される位置を
測定することにより、配管の欠陥の位置を特定する。図
2に示す信号S1〜S4には、ある程度の幅があるため、
信号S1〜S4から欠陥の位置を正確に特定することは必
ずしも容易ではないが、極大値M1〜M4には信号S1
4のような幅はないため、配管の欠陥の位置を正確に
特定することができる。
【0088】即ち、提案されている配管の検査方法で
は、検出信号に対して何ら信号処理を行うことなく配管
の欠陥の位置を特定していたので、弾性波の波長より高
い精度で配管の欠陥の位置を特定することは困難であっ
た。これに対し、本実施形態では、検出信号と参照信号
との相関を求め、検出信号と参照信号との相関が極大と
なる位置から配管の欠陥の位置を特定するので、高精度
に配管の欠陥の位置を特定することができる。
【0089】なお、上記では、取得された時系列的な検
出信号のすべてに対して、順次信号処理を行ったが、必
ずしも取得された検出信号のすべてに対して信号処理を
行わなくてもよい。例えば、信号S1〜S4が観測されて
いる近傍の検出信号に対してのみ信号処理を行うように
すれば、信号処理を短時間で完了することができる。
【0090】(変形例(その1))次に、本実施形態に
よる配管の検査装置及び方法の変形例(その1)を図5
乃至図8を用いて説明する。図5乃至図8は、本変形例
による配管の検査方法を示すタイムチャートである。
【0091】本変形例による配管の検査方法は、欠陥の
位置が互いに近接している場合であっても、欠陥の位置
を特定し得る点に主な特徴がある。
【0092】図5は、配管の欠陥の位置が互いに近接し
ている場合の検出信号の例を示すタイムチャートであ
る。図5では、何らかの反射要因によるものと考えられ
る信号S1〜S5が5箇所で観測されている。しかも、信
号S1と信号S2とが互いに近接している。
【0093】このように信号S1と信号S2が互いに近接
している場合には、配管の欠陥の位置を特定することが
必ずしも容易ではない。そこで、本変形例では、以下の
ようにして配管の欠陥を特定する。
【0094】即ち、まず、検出信号と参照信号とを畳み
込み演算することにより、検出信号と参照信号との相関
を求めるところまでは、図1乃至図4に示す第1実施形
態による配管の検査方法と同様である。このような信号
処理を行うことにより、図6に示すような信号が得られ
る。図6は、図5の信号に対して信号処理を行った状態
を示すタイムチャートである。
【0095】次に、極大値M1が観測される位置を測定
することにより、1つ目の欠陥の位置を特定する。こう
して特定された1つ目の欠陥の位置は、メモリ26に記
憶される。
【0096】次に、図5に示す信号処理された検出信号
の波形から、信号S1の波形を除去する。具体的には、
信号S1の波形から、参照信号の波形に一定の係数を乗
算した波形を減算することにより、信号S1の波形を除
去する。
【0097】図7は、信号S1を除去した状態を示すタ
イムチャートである。図7に示すように、信号S1の波
形が除去されている。
【0098】次に、図7に示した時系列の検出信号に対
して、第1実施形態による配管の検査方法と同様にして
信号処理を行う。このような信号処理を行うことによ
り、図8に示すような信号が得られる。図8は、図7の
信号に対して信号処理を行った状態を示すタイムチャー
トである。
【0099】次に、極大値M2が観測される位置を測定
することにより、2つ目の欠陥の位置を特定する。1つ
目の欠陥に相当する位置の波形が既に除去されているの
で、2つ目の欠陥の位置を容易に特定することができ
る。
【0100】この後も、同様にして、信号S2〜S4を順
次削除し、所定の信号処理を行うことにより、極大値M
3〜M5から欠陥の位置を順次特定していく。
【0101】このように、本変形例によれば、特定され
た欠陥に相当する部分の波形を除去しつつ、次の欠陥の
位置を順次特定していくので、欠陥の位置が互いに近接
している場合であっても、容易に欠陥の位置を特定する
ことができる。
【0102】なお、ここでは、信号S1〜S4を順次除去
したが、互いに近接している信号についてのみ除去する
ようにしてもよい。例えば、図5に示す検出信号では、
2つ目以降の信号S2〜S5は互いに十分に離れているの
で、信号S1についてのみ除去し、信号S2〜S5につい
ては除去することなく、第1実施形態による検査方法と
同様にして配管の欠陥の位置を特定してもよい。
【0103】また、ここでは、信号S1が配管の欠陥に
よって反射される波である場合を例に説明したが、例え
ば信号S1が溶接線による反射波であることも考えられ
る。かかる場合には、信号S1の波形から、参照信号の
波形に一定の係数を乗算した波形を減算しても、信号S
1を除去することは必ずしも容易ではない。このような
場合には、予めメモリ26に溶接線によって反射する波
に近似した参照信号を記憶しておき、かかる参照信号を
用いて信号S1を除去することが可能である。
【0104】(変形例(その2))次に、本実施形態に
よる配管の検査方法の変形例(その2)を図9乃至図1
0を用いて説明する。図8及び図9は、本変形例による
配管の検査方法を示すタイムチャートである。
【0105】本変形例による配管の検査方法は、トレー
リング波の影響を受けることなく、配管の欠陥の位置を
特定できることに主な特徴がある。ここで、トレーリン
グ波とは、弾性波が配管内の液体を伝搬する際に生じる
副次的な波のことである。弾性波が配管の欠陥によって
反射される際に、トレーリング波が複数発生する場合が
あり、かかるトレーリング波が発生すると配管の欠陥の
位置の特定が困難となる。本変形例では、以下のように
して、トレーリング波の影響を除去しつつ、配管の欠陥
の位置を特定する。
【0106】まず、メモリ26から検出信号を読み出
し、検出信号の絶対値を求める。
【0107】図9(a)は、検出信号の絶対値を示すタ
イムチャートである。図9(a)に示すように、検出素
子18からある程度離れた位置に、信号S1〜S14が観
測されている。また、信号S1〜S14以外にも、微小な
信号が現れている。
【0108】次に、メモリ26から参照信号が読み出さ
れる。
【0109】次に、制御・解析用コンピュータ10によ
り、トレーリング波を求めるシミュレーションが行われ
る。シミュレーションは、配管の径や、配管の長さ方向
における弾性波の伝搬速度、液体中を伝搬する弾性波の
速度等を考慮して行われる。
【0110】図9(b)は、シミュレーションにより求
められたトレーリング波を示すタイムチャートである。
分かりやすくするため、参照信号Rとトレーリング波T
1〜T6とは、グラフの負側に表されている。
【0111】次に、検出信号から、トレーリング波を除
去する。例えば図10(b)の場合には、シミュレーシ
ョンにより求められたトレーリング波T1〜T6と同様の
位置に現れている信号S2、S4、S5、S7、S9、及び
12を順次除去する。
【0112】このようにして検出信号からトレーリング
波を除去すると、図10(a)に示すような信号が得ら
れる。図10(a)は、検出信号からトレーリング波を
除去した状態を示すタイムチャートである。
【0113】更に、図10(a)に示す信号から、参照
信号Rとシミュレーションにより求められたトレーリン
グ波T1〜T6とを除去すると、図10(b)に示すよう
な信号が得られる。
【0114】次に、第1実施形態による配管の検査方法
と同様にして、検出信号と参照信号との相関を求め、相
関が極大となる位置を測定することにより、配管の欠陥
の位置を特定する(図示せず)。
【0115】このように本実施形態によれば、検出信号
からトレーリング波を除去することができるので、トレ
ーリング波の影響を受けることなく、正確に配管の欠陥
の位置を特定することができる。
【0116】[第2実施形態]本発明の第2実施形態に
よる配管の検査システムを図11を用いて説明する。図
11は、本実施形態による配管の検査システムを示す概
略図である。図1乃至図10に示す第1実施形態による
配管の検査装置及び方法と同一の構成要素には、同一の
符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0117】本実施形態による配管の検査システムは、
配管の検査装置を用いて取得された時系列の検出信号
を、現場で解析せずに、別個に設けられたデータベース
を用いて解析することに主な特徴がある。
【0118】現場A〜Cでは、それぞれ、配管の検査装
置40によって、第1実施形態と同様にして時系列の検
出信号が取得される。配管の検査装置40としては、例
えば、第1実施形態に示す配管の検査装置と同様の検査
装置を用いることができる。
【0119】そして、取得された時系列の検出信号より
成るデータは、例えば電話回線42を介して、データを
解析する解析業者44に送信される。
【0120】なお、配管の検査装置40は、電話回線4
2により解析業者44の解析コンピュータ45と必ずし
も常時接続されている必要はない。例えば、データを送
信する場合にのみ、電話回線42を介して接続すればよ
い。
【0121】また、現場A〜Cで取得された検出信号
は、必ずしもすべて解析業者44に送信しなくてもよ
い。即ち、信号解析が容易な場合には、現場で解析を行
い、解析が困難な場合にのみ、解析業者44に解析を依
頼するようにしてもよい。
【0122】解析業者44は、解析用コンピュータ45
とデータベース46とを保有している。このデータベー
ス46には、過去に取得された検出信号等のデータが豊
富に蓄積されている。データベース46には、例えば、
配管の種類毎に分類された反射波のデータ、欠陥の大き
さ毎に分類された反射波のデータ、反射要因の種類毎に
分類された反射波のデータ等が蓄積されている。
【0123】検出信号の解析は、解析コンピュータ45
により行われる。解析コンピュータ45は、データベー
ス46に蓄積された多様な参照信号の中から、適切な参
照信号を選択して、第1実施形態と同様にして信号処理
を行い、配管の欠陥の位置を特定する。
【0124】なお、ここでは、第1実施形態と同様にし
て信号処理を行う場合を例に説明したが、例えば、ニュ
ーラル・ネットワーク(Neural Network)を用いて信号
処理を行ってもよい。ニューラル・ネットワークを用い
れば、解析精度を累積的に進歩させることができ、より
高精度な解析が可能となる。
【0125】データ解析が終了すると、解析された結果
が依頼者に送信される。
【0126】解析されたデータは依頼者に送信するのみ
ならず、データベース46にも蓄積される。データベー
ス46に蓄積されたデータは、その後の解析に適宜役立
てられる。本実施形態によれば、解析されたデータをデ
ータベース46に蓄積し、その後のデータ解析に役立て
ることができるので、解析技術を累積的に進歩させるこ
とができ、究極的には極めて高精度な解析ができるよう
になる。
【0127】このように本実施形態によれば、現場で取
得された時系列の検出信号を、解析業者に送信し、解析
業者の保有するデータベースを用いて解析するので、デ
ータベースに蓄積された豊富なデータを活用して、高精
度な解析を行うことができる。
【0128】また、本実施形態によれば、解析されたデ
ータをデータベースに蓄積し、その後のデータ解析に役
立てることができるので、解析精度を累積的に進歩させ
ることができる。
【0129】[変形実施形態]本発明は上記実施形態に
限らず種々の変形が可能である。
【0130】例えば、第1実施形態では、磁気歪効果を
用いて配管を振動させる伝送素子を例に説明したが、伝
送素子は、磁気歪効果を用いるものに限定されるもので
はなく、例えば圧電効果を用いる伝送素子を用いてもよ
い。即ち、配管に振動を加えることができる伝送素子で
あれば、いかなる伝送素子を用いてもよい。
【0131】また、第1実施形態では、弾性波によって
配管に生じる磁化の変化を磁気歪効果を用いて検出する
検出素子を用いたが、検出素子は、磁気歪効果を用いて
配管に生じる磁化の変化を検出するものに限定されるも
のではなく、例えば、ホール効果を用いて配管に生じる
磁化の変化を検出して弾性波を検出する検出素子を用い
てもよい。即ち、配管を通る弾性波を検出しうる検出素
子であれば、いかなる検出素子を用いてもよい。
【0132】また、第1実施形態では、伝送素子と検出
素子とを別個に設けたが、伝送素子と検出素子とを必ず
しも別個に設けることなく、伝送機能と検出機能とを有
する一体型の素子を用いてもよい。
【0133】また、第1実施形態では、信号発生器から
出力する信号としてワンショットパルスを用いたが、信
号発生器から出力する信号の種類はワンショットパルス
に限定されるものではなく、例えば、図11に示すよう
なチャープ波を用いることもできる。
【0134】また、第2実施形態では、解析業者44に
データ解析を依頼する場合を例に説明したが、自社内に
データ解析部署が存在する場合は、そのデータ解析部署
にデータ解析を行わせてもよい。また、自社内にデータ
解析部署が設けられていない場合には、例えば自己の部
署内で解析を行ってもよい。
【0135】また、第2実施形態では、電話回線を用い
てデータの受け渡しを行ったが、データの受け渡しは必
ずしも電話回線を用いる必要はなく、例えばデータを記
憶した記憶媒体を郵送することによりデータを受け渡し
てもよい。
【0136】また、第2実施形態では、現場A〜Cで取
得された検出信号を解析する場合を例に説明したが、現
場A〜Cに限定されるものではなく、多様な現場で取得
されたデータを解析することができる。
【0137】また、上記実施形態では、配管の検査を行
う場合を例に説明したが、検査対象は配管に限定される
ものではなく、あらゆる弾性体を検査対象とすることが
できる。例えば、板、タンク、石、更に具体的には、大
理石等の欠陥を検出することもできる。
【0138】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、検出信号
と参照信号との相関を求め、検出信号と参照信号との相
関が極大となる位置から配管の欠陥の位置を特定するの
で、高精度に配管の欠陥の位置を特定することができ
る。
【0139】また、本発明によれば、特定された欠陥に
相当する部分の波形を除去しつつ、次の欠陥の位置を順
次特定していくので、欠陥の位置が互いに近接している
場合であっても、容易に欠陥を位置を特定することがで
きる。
【0140】また、本発明によれば、溶接線等による反
射波を除去することができるので、溶接線等と欠陥の位
置とが互いに近接している場合であっても、容易に欠陥
を位置を特定することができる。
【0141】また、本発明によれば、検出信号からトレ
ーリング波を除去することができるので、トレーリング
波の影響を受けることなく、正確に配管の欠陥の位置を
特定することができる。
【0142】また、本発明によれば、現場で取得された
時系列の検出信号を、解析業者に送信し、解析業者の保
有するデータベースを用いて解析するので、データベー
スに蓄積された豊富なデータを活用して、高精度な解析
を行うことができる。
【0143】また、本発明によれば、解析されたデータ
をデータベースに蓄積し、その後のデータ解析に役立て
ることができるので、解析精度を累積的に進歩させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による配管の検査装置を
示すブロック図である。
【図2】時系列的に取得された検出信号の例を示すタイ
ムチャートである。
【図3】参照信号の例を示すタイムチャートである。
【図4】信号処理された検出信号の例を示すタイムチャ
ートである。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例(その1)によ
る配管の検査方法を示すタイムチャート(その1)であ
る。
【図6】本発明の第1実施形態の変形例(その1)によ
る配管の検査方法を示すタイムチャート(その2)であ
る。
【図7】本発明の第1実施形態の変形例(その1)によ
る配管の検査方法を示すタイムチャート(その3)であ
る。
【図8】本発明の第1実施形態の変形例(その1)によ
る配管の検査方法を示すタイムチャート(その4)であ
る。
【図9】本発明の第1実施形態の変形例(その2)によ
る配管の検査方法を示すタイムチャート(その1)であ
る。
【図10】本発明の第1実施形態の変形例(その2)に
よる配管の検査方法を示すタイムチャート(その2)で
ある。
【図11】本発明の第2実施形態による配管の検査シス
テムを示す概略図である。
【図12】チャープ波を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10…制御・解析用コンピュータ 12…信号発生器 14…電力増幅器 16…伝送素子 18…検出素子 20…プリアンプ 22…A/Dコンバータ 24…表示器 26…メモリ 28…配管 30…弾性波 32…伝送コイル 34…バイアス磁石 36…検出コイル 38…バイアス磁石 40…検査装置 42…電話回線 44…解析業者 45…解析用コンピュータ 46…データベース
フロントページの続き (72)発明者 野村 徹 東京都港区虎ノ門二丁目10番1号 株式会 社ジャパンエナジー内 (72)発明者 海田 進一 東京都港区虎ノ門二丁目10番1号 株式会 社ジャパンエナジー内 (72)発明者 金子 博一 岡山県倉敷市潮通二丁目1番地 株式会社 ジャパンエナジー水島製油所内 Fターム(参考) 2G047 AB01 BC10 CA02 GA19 GG09 GG12 GG19 GG24 GG36 2G053 AA11 AB09 AB11 BA12 BA26 CA03 CB17 DA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配管を伝搬する弾性波を発信し、 前記配管から反射された前記弾性波を電気的な信号とし
    て検出し、 検出された検出信号と所定の参照信号との相関を求め、 求められた相関の極大値に基づいて前記配管の欠陥の位
    置を特定することを特徴とする配管の検査方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の配管の検査方法におい
    て、 前記所定の参照信号は、前記配管が周方向にほぼ均一に
    不連続になっている部分から反射される波を用いて形成
    されていることを特徴とする配管の検査方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の配管の検査方法に
    おいて、 前記配管の一の欠陥の位置を特定した後、前記検出信号
    から、前記一の欠陥に相当する部分の信号を除去し、 前記一の欠陥に相当する部分の前記信号が除去された前
    記検出信号を用いて、前記配管の他の欠陥の位置を特定
    することを特徴とする配管の検査方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    配管の検査方法において、 前記検出信号から、前記弾性波が前記配管を満たす液体
    を伝搬した後、前記配管に再入射して前記配管を伝搬
    し、前記配管の欠陥によって反射されることにより生ず
    る副次的な信号を除去し、 前記副次的な信号が除去された前記検出信号を用いて、
    前記配管の欠陥の位置を特定することを特徴とする配管
    の検査方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    配管の検査方法において、 磁気歪効果により、前記弾性波の発信及び/又は検出を
    行うことを特徴とする配管の検査方法。
  6. 【請求項6】 配管を伝搬する弾性波を発信し、 前記配管から反射された前記弾性波を電気的な信号とし
    て検出し、 検出された検出信号と所定の参照信号との相関を求め、 求められた相関の極大値に基づいて前記配管の欠陥の位
    置を特定することを特徴とする配管の検査装置。
  7. 【請求項7】 弾性体を伝搬する弾性波を発信し、 前記弾性体から反射された前記弾性波を電気的な信号と
    して検出し、 検出された検出信号と所定の参照信号との相関を求め、 求められた相関の極大値に基づいて前記弾性体の欠陥の
    位置を特定することを特徴とする配管の検査方法。
  8. 【請求項8】 現場で配管の検査装置を用いて取得され
    た検出信号を、前記検査装置と異なる解析用コンピュー
    タに導入し、前記解析用コンピュータがデータベースに
    蓄積された所定の参照信号を用いて、前記配管の欠陥の
    位置を特定することを特徴とする配管の検査システム。
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