JP2002233960A - レジンボンド超砥粒ホイール及びその製造方法 - Google Patents

レジンボンド超砥粒ホイール及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】レジンボンド部に気泡を含まず密度が高く、切
れ味に優れ、寿命が長いレジンボンド超砥粒ホイール、
及び、高価な金型や成形機を必要とせず、形状の自由度
の大きいレジンボンド超砥粒ホイールの製造方法を提供
する。 【解決手段】液状熱硬化性樹脂、硬化剤、超砥粒及び充
填剤を含有する混合物に、公転運動と自転運動を付与す
ることにより撹拌し、公転運動を付与することにより脱
泡したのち、該混合物を注型して室温で硬化させてなる
ことを特徴とするレジンボンド超砥粒ホイール、並び
に、液状熱硬化性樹脂、硬化剤、超砥粒及び充填剤の混
合物を容器に充填し、該容器を公転及び自転させて混合
物を撹拌し、該容器を公転させて混合物を脱泡したの
ち、該混合物を注型して室温で硬化させ、さらに80〜
200℃で二次硬化処理することを特徴とするレジンボ
ンド超砥粒ホイールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジンボンド超砥
粒ホイール及びその製造方法に関する。さらに詳しく
は、本発明は、レジンボンド部に気泡を含まず密度が高
く、切れ味に優れ、寿命が長いレジンボンド超砥粒ホイ
ール、及び、高価な金型や成形機を必要とせず、形状の
自由度の大きいレジンボンド超砥粒ホイールの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】超砥粒ホイールにおける超砥粒の固定方
法として、レジンボンド、ビトリファイドボンド、メタ
ルボンド、電着などが行われている。レジンボンドは、
切れ味は良好であるが、耐久性が低い。ビトリファイド
ボンドは、切れ味がよく、耐摩耗性も良好であるが、脆
く欠けやすい。メタルボンドは、砥粒保持力と耐摩耗性
に優れているが、超砥粒に内部応力が発生し、砥粒が割
れたり、欠けやすくなる。電着は、形状の自由度が大き
く、切れ味も良好であるが、超砥粒はメッキにより機械
的に保持されるのみである。このために、超砥粒ホイー
ルにおいては、その用途に応じて、超砥粒の固定方法が
選択されている。例えば、石材研磨盤用の超砥粒ホイー
ルでは、粗仕上げ及び中仕上げ用のホイールとして、粒
度#50〜400程度の超砥粒を用いたメタルボンド超
砥粒ホイールが使用され、細仕上げ用のホイールとし
て、粒度#400〜3,000程度の超砥粒を用いたレ
ジンボンド超砥粒ホイールが使用されている。一般に、
超砥粒の粒度が細かいほど面粗さは良好となるが、切れ
味と寿命は粒度の粗い方が長い。レジンボンド超砥粒ホ
イールは、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などの結合
剤の粉末と超砥粒を混合し、又は、結合剤を超砥粒にコ
ーティングし、金型に充填してプレス成形する方法、あ
るいは、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの
液状の結合剤と超砥粒を混合し、型に流し込んで硬化さ
せる方法により製造されている。例えば、特公平2−5
3196号公報には、重研削や難削材の加工に好適な砥
石の製造法として、導電金属で被覆した砥粒を高分子結
合剤と混合して成形型に充填し、加熱により一定温度に
制御しながら、加圧状態と加圧解放状態とを複数回繰り
返し、含有ガスを放出させるとともに、砥粒の被覆金属
を塑性変形させて密着させ、砥石本体を成形する方法が
提案されている。しかし、ホットプレス法は、高価な金
型と成型機が必要であり、また、形状的な自由度に乏し
く、複雑な形状を作りにくいという問題がある。特公平
7−47267号公報には、研削砥石及び研磨布紙の両
特性を兼備した発泡研磨体の製造方法として、不飽和ポ
リエステル樹脂、架橋剤、硬化剤、砥粒、発泡剤ととも
に、さらに熱硬化性樹脂を含有する混合物を発泡硬化さ
せる方法が提案されている。また、特開平11−156
725号公報には、低弾性率と砥粒保持力を維持しつ
つ、研削抵抗が低く、研削焼けが発生しないレジノイド
研削砥石として、アルミナ系砥粒25容量部と、平均粒
径80μmの有機質中空体20容量部と、径1mmの気孔
10容量部を、エポキシ硬化樹脂結合剤40容量部に分
散してなるレジノイド研削砥石が提案されている。しか
し、液状結合剤を用いる方法は、設備が安価で形状の自
由度も大きいが、超砥粒の結合剤としては十分な硬度が
得られない。また、気泡が入るために密度も十分ではな
く、上記の公報のように、発泡研磨体、中空体含有砥石
などの気泡の混入が問題にならない研削工具の製造に用
いられる場合が多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、レジンボン
ド部に気泡を含まず密度が高く、切れ味に優れ、寿命が
長いレジンボンド超砥粒ホイール、及び、高価な金型や
成形機を必要とせず、形状の自由度の大きいレジンボン
ド超砥粒ホイールの製造方法を提供することを目的とし
てなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、液状熱硬化性樹
脂、硬化剤、超砥粒及び充填剤を含有する混合物に、公
転運動及び自転運動を付与することにより撹拌及び脱泡
処理したのち、該混合物を注型して室温で硬化させ、好
ましくはさらに加熱して二次硬化処理することにより、
注型法と同等の簡便さで、ホットプレス法と同等以上の
性能を有するレジンボンド超砥粒ホイールを製造し得る
ことを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、(1)液状熱硬化性樹
脂、硬化剤、超砥粒及び充填剤を含有する混合物に、公
転運動と自転運動を付与することにより撹拌し、公転運
動を付与することにより脱泡したのち、該混合物を注型
して室温で硬化させてなることを特徴とするレジンボン
ド超砥粒ホイール、(2)室温硬化したのち、80〜2
00℃で二次硬化処理された第1項記載のレジンボンド
超砥粒ホイール、(3)液状熱硬化性樹脂が、不飽和ポ
リエステル樹脂又はビニルエステル樹脂である第1項記
載のレジンボンド超砥粒ホイール、(4)液状熱硬化性
樹脂、硬化剤、超砥粒及び充填剤の混合物を容器に充填
し、該容器を公転及び自転させて混合物を撹拌し、該容
器を公転させて混合物を脱泡したのち、該混合物を注型
して室温で硬化させ、さらに80〜200℃で二次硬化
処理することを特徴とするレジンボンド超砥粒ホイール
の製造方法、及び、(5)液状熱硬化性樹脂が、不飽和
ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂である第4項
記載のレジンボンド超砥粒ホイールの製造方法、を提供
するものである。さらに、本発明の好ましい態様とし
て、(6)液状熱硬化性樹脂、硬化剤、超砥粒及び充填
剤を含有する混合物が、促進剤を含有する第1項記載の
レジンボンド超砥粒ホイール、(7)液状熱硬化性樹脂
の25℃における粘度が、0.1〜10Pa・sである第1
項記載のレジンボンド超砥粒ホイール、(8)撹拌時の
公転運動の回転速度が、1,000〜4,000min-1
あり、自転運動の回転速度が400〜1,600min-1
ある第1項記載のレジンボンド超砥粒ホイール、及び、
(9)脱泡時の公転運動の回転速度が、1,000〜4,
500min-1である第1項記載のレジンボンド超砥粒ホ
イール、を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のレジンボンド超砥粒ホイ
ールは、液状熱硬化性樹脂、硬化剤、超砥粒及び充填剤
を含有する混合物に、公転運動と自転運動を付与するこ
とにより撹拌し、公転運動を付与することにより脱泡し
たのち、該混合物を注型して室温で硬化させてなる超砥
粒ホイールであり、室温硬化したのち、さらに80〜2
00℃で二次硬化処理された超砥粒ホイールであること
がより好ましい。本発明のレジンボンド超砥粒ホイール
においては、液状熱硬化性樹脂、硬化剤、超砥粒及び充
填剤の混合物を容器に充填し、該容器を公転及び自転さ
せて混合物を撹拌し、該容器を公転させて混合物を脱泡
したのち、該混合物を注型して室温で硬化させ、さらに
80〜200℃で二次硬化処理する。本発明に使用する
液状熱硬化性樹脂に特に制限はなく、例えば、ジアリル
フタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹
脂、レゾルシノール樹脂、アクリル樹脂などを挙げるこ
とができる。これらの中で、不飽和ポリエステル樹脂及
びビニルエステル樹脂を特に好適に用いることができ
る。不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂
は、それぞれを単独で用いることができ、あるいは、両
者を混合して用いることもできる。本発明に用いる硬化
剤は、使用する液状熱硬化性樹脂に応じて適宜選択する
ことができる。例えば、ジアリルフタレート樹脂、ビニ
ルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂に対して
は、硬化剤として有機過酸化物などを用いることがで
き、エポキシ樹脂に対しては、硬化剤として、アミン、
ポリアミノアミド、酸無水物、ジシアンジアミドなどを
用いることができる。
【0006】不飽和ポリエステル樹脂は、グリコールと
不飽和多塩基酸、飽和多塩基酸を加熱エステル化するこ
とにより得られ、通常は不飽和結合と共重合し得るスチ
レンなどのモノマー類に溶解した状態で市販されてい
る。本発明に用いる不飽和ポリエステル樹脂に特に制限
はなく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、無水マレイン酸、無水フタル酸などから合成さ
れる一般用樹脂、プロピレングリコール、2,2−ビス
[4−(ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、無水
フタル酸、イタコン酸などから合成される耐薬品性樹
脂、テトラクロロ−1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベ
ンゼン、テトラクロロ無水フタル酸、クロレンド酸無水
物などから合成される耐炎性樹脂、ジエチレングリコー
ル、アジピン酸、セバシン酸などから合成される可撓性
樹脂、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、イソフタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸など
から合成される高硬度、耐擦傷性樹脂などを挙げること
ができる。これらの中で、高硬度、耐擦傷性樹脂を特に
好適に用いることができる。ビニルエステル樹脂は、エ
ポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応、(メタ)アクリロ
イル基を有するモノアルコールと多塩基酸無水物とエポ
キシ樹脂の逐次反応、グリシジルメタクリレートとビス
フェノール類の反応などにより得られる樹脂であり、エ
ポキシアクリレートと呼ばれる場合もあり、通常は不飽
和結合と共重合し得るスチレンなどのモノマー類に溶解
した状態で市販されている。ビニルエステル樹脂の製造
に用いられるエポキシ樹脂は、通常は分子量350〜
1,000のビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
【0007】本発明において、不飽和ポリエステル樹脂
又はビニルエステル樹脂の硬化剤としては、例えば、メ
チルエルチケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパー
オキシド、メチルアセトアセテートパーオキシド、アセ
チルアセトンパーオキシド、クメンハイドロパーオキシ
ドなどを挙げることができる。これらの硬化剤は、1種
を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み
合わせて用いることもできる。本発明において、これら
の硬化剤と併用する促進剤としては、例えば、ナフテン
酸コバルト、オクチル酸コバルトなどのコバルトの有機
酸塩を挙げることができる。本発明においては、さらに
必要に応じて助促進剤を使用することができる。助促進
剤としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアセトア
ミド、アセチルアセトン、ジメドン、ジベンゾイルメタ
ン、2−アセチルシクロペンタノン、アセト酢酸メチル
などのβ−ジケトン類、ジメチルアニリン、ジメチルト
ルイジンなどの芳香族第三級アミンなどを挙げることが
できる。助促進剤を使用することにより、室温における
硬化速度をさらに速めることができる。本発明において
は、液状熱硬化性樹脂の25℃における粘度が、0.1
〜10Pa・sであることが好ましく、0.5〜5Pa・sで
あることがより好ましい。液状熱硬化性樹脂の25℃に
おける粘度が0.1Pa・s未満であると、室温硬化中に超
砥粒、充填剤などが沈降するおそれがある。液状熱硬化
性樹脂の25℃における粘度が10Pa・sを超えると、
液状熱硬化性樹脂、硬化剤、超砥粒、充填剤などの混合
物の撹拌による均一混合が困難になるおそれがある。本
発明に用いる超砥粒としては、天然ダイヤモンド砥粒、
人造ダイヤモンド砥粒、立方晶窒化ホウ素砥粒などを挙
げることができる。本発明に用いる超砥粒の粒度に特に
制限はなく、超砥粒ホイールの用途に応じて適宜選択す
ることができる。本発明に用いる充填剤に特に制限はな
く、例えば、炭酸カルシウム、クレー、アルミナ、タル
ク、マイカ、ガラスパウダー、タングステン、炭化タン
グステン、酸化クロム、酸化マグネシウムなどを挙げる
ことができる。
【0008】本発明においては、液状熱硬化性樹脂、硬
化剤、超砥粒及び充填剤を含有する混合物に、公転運動
と自転運動を付与することにより撹拌し、公転運動を付
与することにより脱泡したのち、均一に混合され脱泡さ
れた混合物を注型して室温で硬化し、さらに好ましくは
80〜200℃で二次硬化処理する。液状熱硬化性樹脂
などを含有する混合物に公転運動と自転運動を付与する
方法に特に制限はないが、例えば、(株)キーエンスから
販売されているハイブリッドミキサーなどを用いて混合
物に公転運動と自転運動を付与することができる。混合
物を容器に充填し、容器を回転速度1,000〜4,00
0min-1で公転させるとともに、回転速度400〜1,6
00min-1で自転させることにより、容器内の混合物に
遠心力と向心力が同時にはたらいて、混合物が撹拌され
均一化される。公転運動と自転運動を付与して撹拌する
時間に特に制限はないが、通常は0.5〜5分で混合物
を均一化することができる。次いで、容器を回転速度
1,000〜4,500min-1で公転させることにより、
容器内の混合物に遠心力がはたらいて、混合物と気泡の
比重差により脱泡が行われる。脱泡時には、30〜10
0min-1のゆるやかな回転速度で自転させることが好ま
しい。公転運動を付与して脱泡する時間に特に制限はな
いが、通常は0.5〜5分で完全に脱泡することができ
る。
【0009】比較的高粘度の液状熱硬化性樹脂と充填剤
を含有する混合物は、従来はニーダーなどの混練機を用
いて撹拌、混合されていた。しかし、ニーダーなどの混
練機を用いると、混合後のブレードなどの清掃に手間が
かかるばかりでなく、ブレードや器壁などに付着して失
われる混合物の量も多かった。本発明においては、混合
物を容器に充填して、公転運動と自転運動を付与するこ
とにより撹拌するので、ブレードなどの清掃の必要はな
い。また、比較的高粘度の液状熱硬化性樹脂と充填剤を
含有する混合物は、従来は減圧により脱泡されていた。
しかし、混合物を減圧下におくと、含まれる気泡が膨張
して混合物の体積が増大するので、大容量の容器を必要
とし、その結果器壁に付着して失われる混合物の量も多
くなった。本発明においては、混合物に遠心力を作用さ
せて脱泡するので、混合物の体積の増大はなく、大容量
の容器を使用する必要はない。混練機による撹拌と真空
脱泡を組み合わせる従来の方法では、処理に時間がかか
るので、室温硬化型の液状熱硬化性樹脂組成物はその間
に増粘し、注型が困難となる場合も多かった。本発明に
おいては、撹拌と脱泡を1〜10分の短時間で終了する
ことができるので、室温硬化型の液状熱硬化性樹脂組成
物を容易に処理することができる。また、混練機による
撹拌と真空脱泡を組み合わせる従来の方法では、液状熱
硬化性樹脂の含有量の多い混合物しか処理できなかった
が、本発明においては、液状熱硬化性樹脂が50重量%
以下のような少ない樹脂量でも撹拌及び脱泡が可能であ
る。
【0010】本発明においては、撹拌、脱泡を終了した
混合物を所望の型に注型して室温で硬化させる。混合物
を注型する型の材質に特に制限はなく、例えば、金型、
樹脂型などを挙げることができる。型の内面には、必要
に応じて、離型剤を塗布することができる。混合物を注
型する型の形状に特に制限はなく、例えば、チップ型に
注型して研磨用チップとし、台金に接合することがで
き、円環状の型に注型して超砥粒層としたのち台金に接
合してストレートホイールとすることもでき、あるい
は、台金を装着した型に注型して硬化と同時に超砥粒ホ
イールを得ることもできる。本発明においては、液状熱
硬化性樹脂を型に注型するので、ホットプレス法に比べ
て形状の自由度が大きく、容易に複雑な形状を有するレ
ジンボンド超砥粒ホイールを得ることができる。本発明
において、室温とは、JIS K 0050に規定される
5〜35℃をいう。本発明において、室温で硬化させる
時間に特に制限はないが、硬化剤と促進剤を併用して常
温硬化型とした場合、1〜36時間、より好ましくは4
〜24時間室温に放置することにより、液状熱硬化性樹
脂を硬化させることができる。室温での硬化時間が1時
間未満であると、樹脂の硬化が不十分となるおそれがあ
る。室温での樹脂の硬化時間が36時間を超えても、悪
影響はないが、硬化時間を長くする効果は得られない。
【0011】本発明においては、液状熱硬化性樹脂、硬
化剤、超砥粒及び充填剤を含有する混合物を注型して室
温で硬化させたのち、形成されたレジンボンド超砥粒ホ
イールを、さらに80〜200℃、より好ましくは10
0〜150℃で二次硬化処理することが好ましい。二次
硬化処理することにより、液状熱硬化性樹脂の重合と架
橋をさらに進めて、レジンボンド超砥粒ホイールの強
度、硬度、密度、耐熱性などの特性を高めることができ
る。室温硬化により形成されたレジンボンド超砥粒ホイ
ールは、すでに形態の安定性を有するので、空気中にお
いて恒温槽内などに静置することにより、二次硬化処理
することができる。二次硬化処理温度が80℃未満であ
ると、二次硬化処理の効果が十分に発現しないおそれが
ある。二次硬化処理温度が200℃を超えると、熱劣化
を生ずるおそれがある。二次硬化処理の時間に特に制限
はないが、4〜20時間であることが好ましい。二次硬
化処理時間が4時間未満であると、硬度などの物性値が
不安定となるおそれがある。二次硬化処理時間が20時
間を超えると、それ以上に二次硬化処理時間を延ばして
もレジンボンド超砥粒ホイールの特性は向上しない。本
発明のレジンボンド超砥粒ホイールは、液状熱硬化性樹
脂、硬化剤、超砥粒及び充填剤を含有する混合物を、撹
拌、脱泡処理後に硬化させるので、気泡のない密度の高
いレジンボンド部を有する。また、室温硬化後に二次硬
化処理すると、ボンド硬度の高い超砥粒ホイールとな
る。本発明の製造方法によれば、ホットプレス法のよう
な高価な金型や成型機を使用することなく、優れた性能
を有するレジンボンド超砥粒ホイールを製造することが
できる。
【0012】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 石材研磨用レジンボンド超砥粒ホイールを製作した。不
飽和ポリエステル樹脂[イソ系不飽和ポリエステル樹脂
27.5重量%、ビニルエステル樹脂27.5重量%、ス
チレン45重量%、粘度2.0Pa・s]100重量部に、
メチルエチルケトンパーオキシド[日本油脂(株)、パー
メック]1重量部とナフテン酸コバルト[Co6重量
%]1重量部を添加し、基材となる液状樹脂を調製し
た。この液状樹脂30容量部と、充填剤としての#20
00WA砥粒70容量部を混合した。得られた混合物に
対して、粒度#400の人造ダイヤモンド砥粒を0.3c
t/cm3混合した。ハイブリッドミキサー[(株)キーエン
ス、HM−500]を用いて、混合物の撹拌1分と脱泡
1分を続けて行った。別途に準備した長径40mm、短径
20mmの小判形チップ形状のフッ素樹脂製型枠に、撹拌
と脱泡の終わった上記の混合物を深さ15mmまで流し込
み、室温で4時間放置し、硬化させて研磨用チップを得
た。この研磨用チップの表面硬度は、ロックウエルFス
ケール(HRF)50であった。室温硬化後の研磨用チ
ップを、110℃の恒温槽中で、18時間加熱処理して
二次硬化した。二次硬化処理した研磨用チップの表面硬
度は、HRF80であった。二次硬化処理した12個の
研磨用チップ1を、別途に準備したアルミニウム製の直
径200mmの円板状台金2にエポキシ系接着剤を用いて
固定し、図1に示す形状の石材研磨用レジンボンド超砥
粒ホイールを得た。この超砥粒ホイールを用いて、あら
かじめメタル研磨盤[旭ダイヤモンド工業(株)、みやび
シリーズ]により中仕上げを終えた研磨面寸法600mm
×600mmの御影石(中国産)の細仕上げ研磨試験を行
った。得られた超砥粒ホイールを石材用自動研磨機[大
和機械(株)]に取りつけ、回転数450min-1、送り3.
5m/min、圧力150kPa、水量12L/minの条件
で、73分間研磨した。研削速度は3.1cm3/minであ
り、研削比は38であった。 比較例1 実施例1と同一形状、同一寸法の石材研磨用レジンボン
ド超砥粒ホイールを、フェノール樹脂を用いてホットプ
レス法により製作した。フェノール樹脂60重量部と充
填剤#2000WA砥粒40重量部を混合し、さらに粒
度#400の人造ダイヤモンド砥粒を0.3ct/cm3混合
した。この混合物を用いて180℃で30分間ホットプ
レス成形し、実施例1と同じ形状の長径40mm、短径2
0mm、厚さ15mmの研磨チップを得た。得られた研磨用
チップ12個を、実施例1と同じ形状のアルミニウム製
の台金にエポキシ系接着剤を用いて固定し、石材研磨用
レジンボンド超砥粒ホイールを得た。得られた超砥粒ホ
イールを用いて、実施例1と同じ条件で、御影石の細仕
上げを行った。研削速度は2.1cm3/minであり、研削
比は20であった。実施例1及び比較例1の結果を、第
1表に示す。
【0013】
【表1】
【0014】第1表に見られるように、研削速度は実施
例1の超砥粒ホイールの方が比較例1の超砥粒ホイール
より約50%大きく、また、研削比は実施例1の超砥粒
ホイールは比較例1の超砥粒ホイールのほぼ2倍であ
る。 実施例2 JIS B 4131に規定する形状が1A1で、寸法が
175D×6T×3X×50.8Hのストレートホイー
ルを製作した。不飽和ポリエステル樹脂[イソ系不飽和
ポリフェニレンエーテル樹脂27.5重量%、ビニルエ
ステル樹脂27.5樹脂、スチレン45樹脂、粘度2.0
Pa・s]100重量部に、メチルエチルケトンパーオキ
シド[日本油脂(株)、パーメック]1重量部とナフテン
酸コバルト[Co6重量%]1重量部を添加し、基材と
なる液状樹脂を調製した。この液状樹脂100重量部、
充填剤としての平均粒径11μmの炭化ケイ素50重量
部及び粒度230/270のニッケル被覆合成ダイヤモ
ンド砥粒(ニッケル被覆率55重量%)50重量部を混
合した。ハイブリッドミキサー[(株)キーエンス、HM
−500]を用いて、この混合物の撹拌1分と脱泡1分
を続けて行った。別途に準備した169D×6T×5
0.8Hのアルミニウム合金製の台金を、離型剤を塗布
した金型に装填し、台金と金型の間隙に上記の撹拌及び
脱泡処理した混合物を注型し、室温で24時間放置して
硬化させ、ダイヤモンド砥粒層が形成されたストレート
ホイールを金型から取り出した。次いで、取り出したス
トレートホイールを120℃の恒温槽中で、14時間加
熱して二次硬化処理した。処理後のダイヤモンド砥粒層
の外周及び両側面を研削し、ストレートホイールを得
た。このストレートホイールを用いて、研削試験を行っ
た。ストレートホイールを平面研削盤[(株)岡本工作機
械製作所、KSK−Z1]に取り付け、ドレッシング用
砥石GC180−Gを用い、加工方式を駆動方式20o
傾斜とし、ホイール回転数1,800min-1、砥石回転数
400min-1、送り速度1m/min、切り込み15μm/
passの条件で、得られたストレートホイールのドレッシ
ングを行った。次いで、湿式プランジ研削方式により、
超硬合金K−20種を、ホイール回転数1,800mi
n-1、テーブル送り2m/min、切り込み50μmの条件
で、総研削量が6.3cm3に達するまで研削を行った。こ
の間の法線研削抵抗は平均70Nであり、研削比は27
0であった。 比較例2 実施例2と同一形状、同一寸法のストレートホイール
を、フェノール樹脂を用いてホットプレス法により製作
した。フェノール樹脂100重量部、充填剤としての平
均粒径11μmの炭化ケイ素50重量部及び粒度230
/270のニッケル被覆合成ダイヤモンド砥粒(ニッケ
ル被覆率55重量%)50重量部を混合し、実施例2と
同じ台金の外周にホットプレス法によりダイヤモンド砥
粒層を形成した。このストレートホイールを、実施例2
と同じ条件でドレッシングし、実施例2と同じ条件で研
削試験を行った。試験中の法線研削抵抗は平均86Nで
あり、研削比は290であった。実施例2及び比較例2
の結果を、第2表に示す。
【0015】
【表2】
【0016】第2表に見られるように、比較例2のフェ
ノール樹脂を用いてホットプレス法により製作したスト
レートホイールに比べて、実施例2の不飽和ポリエステ
ル樹脂を用いて製作したストレートホイールは、法線研
削抵抗が小さく、研削比は同等である。
【0017】
【発明の効果】本発明のレジンボンド超砥粒ホイール
は、レジンボンド部に気泡を含まず密度が高く、切れ味
に優れ、寿命が長い。本発明方法によれば、このような
レジンボンド超砥粒ホイールを、高価な金型や成形機を
使用することなく、簡便かつ容易に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例において製作したレジンボンド
超砥粒ホイールの斜視図である。
【符号の説明】
1 研磨用チップ 2 台金

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液状熱硬化性樹脂、硬化剤、超砥粒及び充
    填剤を含有する混合物に、公転運動と自転運動を付与す
    ることにより撹拌し、公転運動を付与することにより脱
    泡したのち、該混合物を注型して室温で硬化させてなる
    ことを特徴とするレジンボンド超砥粒ホイール。
  2. 【請求項2】室温硬化したのち、80〜200℃で二次
    硬化処理された請求項1記載のレジンボンド超砥粒ホイ
    ール。
  3. 【請求項3】液状熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル
    樹脂又はビニルエステル樹脂である請求項1記載のレジ
    ンボンド超砥粒ホイール。
  4. 【請求項4】液状熱硬化性樹脂、硬化剤、超砥粒及び充
    填剤の混合物を容器に充填し、該容器を公転及び自転さ
    せて混合物を撹拌し、該容器を公転させて混合物を脱泡
    したのち、該混合物を注型して室温で硬化させ、さらに
    80〜200℃で二次硬化処理することを特徴とするレ
    ジンボンド超砥粒ホイールの製造方法。
  5. 【請求項5】液状熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル
    樹脂又はビニルエステル樹脂である請求項4記載のレジ
    ンボンド超砥粒ホイールの製造方法。
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