JP2002231613A - 露光方法及び装置並びにマスク及びその製造方法 - Google Patents

露光方法及び装置並びにマスク及びその製造方法

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JP2002231613A
JP2002231613A JP2001027678A JP2001027678A JP2002231613A JP 2002231613 A JP2002231613 A JP 2002231613A JP 2001027678 A JP2001027678 A JP 2001027678A JP 2001027678 A JP2001027678 A JP 2001027678A JP 2002231613 A JP2002231613 A JP 2002231613A
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Nobuyuki Irie
信行 入江
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Nikon Corp
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法が大きなバーコードや複雑な形状のバー
コードを短時間で高効率的に形成できるようにすること
である。 【解決手段】 所定の体系に従って複数の要素コードを
間欠的に配列して構成されるバーコードを、バーコード
の読み取り方向(要素コードの配列方向)Dに直交する
方向に縮小した形状を有する縮小コードが形成されたマ
スクを用い、バーコードの読み取り方向Dに直交する方
向に順次隣接するように、縮小コードの像Imを基板上
に複数回露光転写する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスクに形成され
たパターンの像をウエハ、ガラスプレート、ガラス基板
(ブランクス)等の基板上に露光転写する露光方法及び
露光装置並びにこれらに用いられるマスク及び該マスク
の製造方法に関し、特にバーコード等のコードの像を基
板上に転写する際に用いて好適な露光方法及び露光装置
並びにこれらに用いられるマスク及び該マスクの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路、液晶表示素子、撮像素
子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイスの製造
工程の一つであるフォトリソグラフィ工程では、露光対
象としての基板(フォトレジストが塗布された半導体ウ
エハやガラスプレート等)にフォトマスク又はレチクル
(以下、これらを総称するときはマスクという)のパタ
ーンの像を投影露光する露光装置が使用される。また、
このような露光装置に用いるレチクル自体を露光装置を
用いて製造する場合もある。尚、以下の説明において、
両者を区別する必要がある場合には、前者をデバイス露
光装置、後者をレチクル露光装置という場合がある。
【0003】近年、特に半導体集積回路や液晶表示素子
の大面積化に伴い、基板上の露光領域を複数に分割し、
分割された各々の露光領域を異なるマスクを用いて露光
転写して基板上の露光領域全面を露光することが行われ
ている。複数枚のマスクを用いて露光処理を行う場合に
は、複数のレチクルから特定のレチクルを識別する必要
がある。このため、各レチクルには識別情報がレチクル
バーコードとして描画されている。このレチクルバーコ
ードはマイクロデバイスのパターン及びレチクルの位置
計測用のマークが形成されていないレチクルの周辺部に
描画されている。
【0004】従来、このレチクルバーコードは、レチク
ルに形成されるパターンと同様に、電子線を用いるEB
描画装置、又はレーザ光を用いるレーザ描画装置を用い
て描画される。これらの装置を用いてパターンを形成す
る場合には、電子線又はレーザ光の照射方向に対して垂
直な面内でレチクルを移動させることにより、照射され
る電子線又はレーザ光に対する相対的な位置を可変させ
る。レチクルバーコードも基本的にはパターンと同様な
方法で形成されるが、レチクルバーコードマークを構成
するコード要素は形状が矩形であり、その長さ(幅)が
可変するだけであるので、レチクルバーコードマークを
微小なピッチのグリッドデータに分解し、このグリッド
データに基づいて長時間かけて描画される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、マイクロデ
バイス製造においては、主として製造コストを低減する
ため、単位時間において露光処理することのできる基板
の枚数(所謂スループット)の向上が要求されている。
特に、複数枚のレチクルを用いて基板の露光領域全面を
露光する場合には、レチクルの交換に長時間を要すると
スループットが低下するため短時間でレチクルを交換す
る必要がある。レチクルの交換時においては、露光処理
に使用するレチクルを特定するためにレチクルバーコー
ドに付された情報の読み取りが行われるが、レチクルの
交換に要する時間を短縮するためには、この読み取り時
間を短縮する必要がある。
【0006】レチクルバーコードの情報を読み取る際に
は、バーコードリーダの読み取り位置にレチクルバーコ
ードを正確に位置合わせする必要があり、かかる位置合
わせに要する時間が読み取り時間を長くする一因となっ
ている。ここで、読み取り時間の短縮化のために位置合
わせに要する時間を短縮すると、バーコードリーダの読
み取り位置に対するレチクルバーコードの位置合わせ精
度が低下する。そこで、読み取り時間の短縮化を図るた
め、読み取り位置に対してレチクルバーコードが僅かに
ずれて配置されても情報を読み取ることができるように
レチクルバーコードの寸法を拡大することが要求されて
いる。
【0007】また、近年複雑且つ微細なパターンを形成
するために、1つのレチクルを用いて露光処理及び現像
処理を行った後、更に異なるレチクルを用いて基板上に
形成されているレジストパターンに対して露光処理を行
う二重露光方法が用いられている。また、近年の半導体
集積回路はASIC(Application Spe
cific Integrated Circuit:
特定用途向け集積回路)として製造されることが多くな
っている。二重露光方法を用いる場合及びASICを製
造する際の何れも、使用するレチクルの枚数が飛躍的に
増大する。かかる状況下において、現状のレチクルバー
コードでは、十分な情報を盛り込むことができないこと
が予想される。
【0008】また、システムLSIの需要増大に伴い、
内部で使用されているIP(Intellectual
Property)に関する情報もレチクルバーコー
ドに盛り込んで管理したいという要求が高まることは容
易に想像できる。ここで、IPとは電子回路の機能ブロ
ックを意味し、一例としてはCPU、メモリー(DRA
M、SRAMなど)、DSP、コンバータなどがある。
この要求の対策として、現在レチクルに描画されている
一次元のレチクルバーコードを二次元化等により複雑化
して、より多くの情報を盛り込めるようにすることも考
えられている。この場合において、レチクルバーコード
の寸法を増大させて更に多くの情報を盛り込むことも考
えられている。
【0009】しかしながら、レチクルバーコードの寸法
が増大するほど及びレチクルバーコードが複雑化するほ
ど、上述したEB描画装置又はレーザ描画装置を用いて
レチクルバーコードを描画する場合には、描画に要する
時間が長くなるという問題がある。描画の時間が長くな
ると、その分レチクルの製造コストの上昇を伴うことに
なる。
【0010】よって、本発明の目的は、寸法が大きなバ
ーコードや複雑な形状のバーコードを短時間で高効率的
に形成できるようにすることである。また、本発明の他
の目的は以下の説明から明らかになる。
【0011】
【課題を解決するための手段】以下、この項に示す例で
は、理解の容易化のため、本発明の各構成要件に実施形
態の図に示す代表的な参照符号を付して説明するが、本
発明の構成又は各構成要件は、これら参照符号によって
拘束されるものに限定されない。
【0012】〔露光方法〕上記課題を解決するために、
本発明の第1の観点によると、所定の体系に従って複数
の要素コードを間欠的に配列して構成されるバーコード
(B1)を該配列方向(D)に直交する方向に縮小した
形状を有する縮小コードが形成されたマスク(BR1)
を用い、該配列方向(D)に直交する方向に順次隣接す
るように、該縮小コードを基板(4)上に複数回露光転
写するようにした露光方法が提供される(請求項1)。
【0013】ここで、縮小コードとは、バーコードを構
成する要素コードの配列方向に対して直交する方向にの
み寸法を縮小したバーコードをいい、所定の倍率を有す
る光学系を介して縮小したバーコードではない点に注意
されたい。つまり、光学系を理想的な光学系とすると、
光学系を介して縮小したバーコードは元のバーコードに
対して相似関係にあるが、縮小コードはバーコードに対
して相似関係にはない。
【0014】マスクに形成された縮小コードを、要素コ
ードの配列方向に対して直交する方向に順次隣接するよ
うに基板上に複数回露光転写させているので、要素コー
ドの配列方向に対して直交する方向における寸法が大き
なバーコードを形成することができる。しかも、バーコ
ードはマスクに形成された縮小コードを複数回露光転写
するだけで形成されるため、極めて短時間でバーコード
を形成することができる。また、縮小コードの露光転写
回数に応じて、要素コードの配列方向に対して直交する
方向におけるバーコードの寸法を任意に設定することも
できる。
【0015】ここで、前記マスク(BR1)には、前記
縮小コードを前記バーコードの種類に応じて複数形成す
るようにできる(請求項2)。これにより、バーコード
を形成するためのマスクの枚数を低減することができ
る。また、マスクの交換回数を減少し、あるいは省略す
ることができるので、バーコードを形成する時間を短縮
することができる。
【0016】また、上記課題を解決するために、本発明
の第2の観点によると、所定の体系に従って複数の要素
コードを間欠的に配列して構成されるバーコード(B
1)の該要素コードが形成されたマスク(BR2)を用
い、基板(4)上で該バーコード(B1)が復元される
ように、該要素コードを該基板(4)上に順次露光転写
するようにした露光方法が提供される(請求項5)。
【0017】例えば、バーコードを構成する要素コード
毎にマスクを準備して、マスクを変更しつつ、バーコー
ドの配列方法に順次露光転写することにより、少ない数
のマスクで多様なバーコードを転写形成することができ
る。また、二次元バーコードのようにバーコードの形状
が複雑化した場合であってもバーコードの要素をなす要
素コードを順次転写することで復元することができる。
【0018】ここで、前記マスク(BR2)には、前記
バーコードを構成する複数の要素コードを形成するよう
にできる(請求項6)。これにより、バーコードを形成
するためのマスクの枚数を低減できるとともに、マスク
の交換回数を低減でき、バーコードを形成する時間を短
縮することができる。
【0019】上記課題を解決するために、本発明の第3
の観点によると、所定の体系に従って構成されるコード
を複数に分割してなる分割コードが形成されたマスク
(BR1)を用い、基板(4)上で該コードが復元され
るように、該分割コードを該基板上に順次露光転写する
ようにした露光方法が提供される(請求項9)。
【0020】ここで、コードとは、上述したバーコード
を含む、より広い概念であり、例えば矩形ないし円形の
要素コードをマトリックス状に配列して構成されるマト
リックスコードが含まれる。この場合においても、多様
なコードを短時間で転写形成することが可能である。
【0021】〔露光装置〕上記課題を解決するために、
本発明の第4の観点によると、マスク(Ri)を介して
基板(4)を露光する露光装置において、所定の体系に
従って複数の要素コードを間欠的に配列して構成される
バーコード(B1)を該配列方向(D)に直交する方向
に縮小した形状を有する縮小コードが前記バーコード
(B1)の種類に応じて複数形成されたマスク(BR
1)と、前記マスク(BR1)を移動するステージ
(2)と、前記マスク(BR1)の複数の縮小コードの
うち露光転写する縮小コード以外の縮小コードに対応す
る部分を遮蔽するブラインド(110)とを備えた露光
装置が提供される(請求項4)。
【0022】上記課題を解決するために、本発明の第5
の観点によると、マスク(Ri)を介して基板(4)を
露光する露光装置において、所定の体系に従って複数の
要素コードを間欠的に配列して構成されるバーコード
(B1)の該複数の要素コードが形成されたマスク(B
R2)と、前記マスク(BR2)を移動するステージ
(2)と、前記マスク(BR2)の複数の要素コードの
うち露光転写する要素コード以外の要素コードに対応す
る部分を遮蔽するブラインド(110)とを備えた露光
装置が提供される(請求項8)。
【0023】〔マスク〕上記課題を解決するために、本
発明の第6の観点によると、所定の体系に従って複数の
要素コードを間欠的に配列して構成されるバーコード
(B1)を該配列方向(D)に直交する方向に縮小した
形状を有する縮小コードが前記バーコード(B1)の種
類に応じて複数形成されたマスク(BR1)が提供され
る(請求項3)。
【0024】上記課題を解決するために、本発明の第7
の観点によると、所定の体系に従って複数の要素コード
を間欠的に配列して構成されるバーコード(B1)の該
複数の要素コードが形成されたマスク(BR2)が提供
される(請求項7)。
【0025】〔マスク製造方法〕上記課題を解決するた
めに、本発明の第8の観点によると、所定の体系に従っ
て構成される転写用のコードを複数に分割してなる分割
コードをそれぞれ拡大して拡大パターンとし、該拡大パ
ターンの投影光学系(3)による縮小像を画面継ぎを行
いながらマスク基板(4)に順次投影露光するようにし
たマスク製造方法が提供される(請求項10)。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。
【0027】図1は、本発明の実施形態に係る露光装置
の概略構成を示す図であり、この露光装置は、ステップ
・アンド・リピート方式のスティチング型投影露光装置
である。尚、以下の説明においては、図1中に示された
XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参
照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直
交座標系は、X軸及びZ軸が紙面に対して平行となるよ
う設定され、Y軸が紙面に対して垂直となる方向に設定
されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面
が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設
定される。
【0028】図1において、光源100からの光(ここ
では、ArFエキシマレーザとする)としての紫外パル
ス光IL(以下、露光光ILと称する)は、照明光学系
1との間で光路を位置的にマッチングさせるための可動
ミラー等を含むビームマッチングユニット(BMU)1
01を通り、パイプ102を介して光アッテネータとし
ての可変減光器103に入射する。主制御系9は基板4
上のレジストに対する露光量を制御するため、光源10
0との間で通信することにより、発光の開始及び停止、
発振周波数、及びパルスエネルギーで定まる出力を制御
するとともに、可変減光器103における露光光ILに
対する減光率を段階的又は連続的に調整する。
【0029】可変減光器103を通った露光光ILは、
所定の光軸に沿って配置されるレンズ系104、105
よりなるビーム整形光学系を経て、オプチカル・インテ
グレータ(ロットインテグレータ、又はフライアイレン
ズ等であって、同図ではフライアイレンズ)106に入
射する。尚、フライアイレンズ106は、照度分布均一
性を高めるために、直列に2段配置してもよい。フライ
アイレンズ106の射出面には開口絞り系107が配置
されている。開口絞り系107には、通常照明用の円形
の開口絞り、複数の偏心した小開口よりなる変形照明用
の開口絞り、輪帯照明用の開口絞り等が切り換え自在に
配置されている。
【0030】フライアイレンズ106から射出されて開
口絞り系107の所定の開口絞りを通過した露光光IL
は、透過率が高く反射率が低いビームスプリッタ108
に入射する。ビームスプリッタ108で反射された光は
光電検出器よりなるインテグレータセンサ109に入射
し、インテグレータセンサ109の検出信号は不図示の
信号線を介して主制御系9に供給される。ビームスプリ
ッタ108の透過率及び反射率は予め高精度に計測され
て、主制御系9内のメモリに記憶されており、主制御系
9は、インテグレータセンサ109の検出信号より間接
的に投影光学系3に対する露光光ILの入射光量をモニ
タできるように構成されている。
【0031】ビームスプリッタ108を透過した露光光
ILは、レチクルブラインド機構110に入射する。レ
チクルブラインド機構110は、4枚の可動式のブライ
ンド(遮光板)111及びその駆動機構を備えて構成さ
れている。これら4枚のブラインド111をそれぞれ適
宜な位置に設定することにより、投影光学系3の視野内
の略中央で矩形状の照明視野領域が形成される。
【0032】レチクルブラインド機構110のブライン
ド111により矩形状に整形された露光光ILは、フィ
ルタステージFS上に載置された濃度フィルタFjに入
射する。濃度フィルタFj(ここでは、F1〜F9の9
枚とする)は、基本的に図2(a)に示されているよう
な構成である。
【0033】図2(a)は、濃度フィルタFjの構成の
一例を示す上面図である。この濃度フィルタFjは、石
英ガラスのような光透過性の基板上に、クロム等の遮光
性材料を蒸着した遮光部121と、該遮光性材料を蒸着
しない透光部122と、該遮光性材料をその存在確率を
変化させながら蒸着した減光部(減衰部)123とを有
している。
【0034】減光部123は、ドット状に遮光性材料を
蒸着したもので、ドットサイズは、濃度フィルタFjを
図1に示した位置に設置している状態で解像限界以下と
なるものである。そのドットは、内側(透光部122
側)から外側(遮光部121側)に行くに従って傾斜直
線的に減光率が高くなるようにその存在確率を増大させ
て形成されている。但し、そのドットは、内側から外側
に行くに従って曲線的に減光率が高くなるようにその存
在確率を増大させて形成されていてもよい。
【0035】尚、ドット配置方法は、同一透過率部でド
ットを同一ピッチPで配置するよりも、Pに対して、ガ
ウス分布をもつ乱数Rを各ドット毎に発生させたものを
加えたP+Rで配置するのがよい。その理由は、ドット
配置によって回折光が発生し、場合によっては照明系の
開口数(NA)を超えて感光基板まで光が届かない現象
が起き、設計透過率からの誤差が大きくなるためであ
る。
【0036】また、ドットサイズは全て同一サイズが望
ましい。その理由は、複数種のドットサイズを使用して
いると、前述の回折による設計透過率からの誤差が発生
した場合に、その誤差が複雑、即ち透過率補正が複雑に
なるからである。ところで、濃度フィルタの描画は、ド
ット形状誤差を小さくするため高加速EB描画機で描画
するのが望ましい。また、ドット形状は、プロセスによ
る形状誤差が測定しやすい長方形(正方形)が望まし
い。形状誤差がある場合は、その誤差量が計測可能であ
れば透過率補正がしやすい利点がある。
【0037】遮光部121には、複数のアライメント用
のマーク124A,124B,124C,124Dが形
成されている。これらのマーク124A,124B,1
24C,124Dは、図2(a)に示されているよう
に、濃度フィルタFjの遮光部121の一部を除去し
て、矩形状あるいはその他の形状の開口(光透過部)1
24A,124B,124C,124Dを形成して、該
マークとすることができる。また、これらに代えて、図
2(b)に示したマークを用いることもできる。図2
(b)は濃度フィルタFjに形成されるマークの一例を
示す上面図である。図2(b)では、複数のスリット状
の開口からなるスリットマーク125を採用している。
【0038】このスリットマーク125は、X方向及び
Y方向の位置を計測するために、Y方向に形成されたス
リットをX方向に配列したマーク要素と、X方向に形成
されたスリットをY方向に配列したマーク要素とを組み
合わせたものである。濃度フィルタFjの位置及び投影
倍率は、マーク124A,124B,124C,124
Dの位置情報を計測した結果に基づいて調整される。ま
た、濃度フィルタFjのZ方向の位置及びZ方向チルト
量については、複数Z位置でマーク124A,124
B,124C,124D又はマーク125を計測し、信
号強度又は信号コントラストが最大となるZ位置をベス
トフォーカスとし、そのベストフォーカス位置からある
一定量デフォーカスした位置に濃度フィルタは設置され
ている。
【0039】尚、濃度フィルタに設けるマークの数は4
つに限られるものではなく、濃度フィルタの設定精度な
どに応じて少なくとも1つを設けておけばよい。さら
に、本例では照明光学系の光軸と中心がほぼ一致するよ
うに濃度フィルタが配置され、その中心(光軸)に関し
て対称に4つのマークを設けるものとしたが、濃度フィ
ルタに複数のマークを設けるときはその中心に関して点
対称とならないようにその複数のマークを配置する、あ
るいはその複数のマークは点対称に配置し、別に認識パ
ターンを形成することが望ましい。これは、照明光学系
内に濃度フィルタを配置してエネルギー分布を計測した
後にその濃度フィルタを取り出してその修正を加えて再
設定するとき、結果として照明光学系の光学特性(ディ
ストーションなど)を考慮して濃度フィルタの修正が行
われているため、その濃度フィルタが回転して再設定さ
れると、その修正が意味をなさなくなるためであり、元
の状態で濃度フィルタを再設定可能とするためである。
【0040】本実施形態では、濃度フィルタFjは、図
3(a)〜(i)に示されているように、F1〜F9の
9枚が設けられている。図3(a)〜(i)は、この露
光装置が備える濃度フィルタの構成を示す図である。こ
れらは、相互に減光部123の形状又は位置が異なって
おり、露光処理を行うべきショットの4辺について、隣
接するショット間でパターンの像が重ね合わされる部分
である重合部(以下、画面継ぎ部ともいう)が有るか否
かに応じて選択的に使用される。
【0041】即ち、ショット配列がp(行)×q(列)
の行列である場合、ショット(1,1)については図3
(a)の濃度フィルタが、ショット(1,2〜q−1)
については図3(b)の濃度フィルタが、ショット
(1,q)については図3(c)の濃度フィルタが、シ
ョット(2〜p−1,1)については図3(d)の濃度
フィルタが、ショット(2〜p−1,2〜q−1)につ
いては図3(e)の濃度フィルタが、ショット(2〜p
−1,q)については図3(f)の濃度フィルタが、シ
ョット(p,1)については図3(g)の濃度フィルタ
が、ショット(p,2〜q−1)については図3(h)
の濃度フィルタが、ショット(p,q)については図3
(i)の濃度フィルタが使用される。
【0042】尚、濃度フィルタFjとしては、上述のよ
うな9種類に限定されることはなく、ショット形状やシ
ョット配列に応じて、その他の形状の減光部123を有
するものを採用することができる。
【0043】濃度フィルタFjはマスターレチクルRi
と1対1に対応していてもよいが、同一の濃度フィルタ
Fjを用いて複数のマスターレチクルRiについて露光
処理を行うようにした方が、濃度フィルタFjの数を削
減することができ、高効率的である。
【0044】濃度フィルタFjを90度又は180度回
転させて使用できるようにすれば、例えば、図3
(a),(b)及び(e)の3種類の濃度フィルタFj
を準備すれば、その余の濃度フィルタは不要となり効率
的である。
【0045】さらには、濃度フィルタFjは図3(e)
に示すもの1種類とし、レチクルブラインド機構110
の4枚のブラインド111の位置を選択的に設定して、
また、マスターレチクルRiの遮光帯を利用して、減光
部123の4辺のうちの一又は複数を対応するブライン
ド111で遮蔽するようすれば、単一の濃度フィルタ
で、図3(a)〜(i)に示したような濃度フィルタ、
その他の濃度フィルタの機能を実現することができ、高
効率的である。
【0046】また、濃度フィルタFjとしては、上述の
ようなガラス基板上にクロム等の遮光性材料で減光部や
遮光部を形成したもののみならず、液晶素子等を用いて
遮光部や減光部の位置、減光部の減光特性を必要に応じ
て変更できるようにしたものを用いることもでき、この
場合には、濃度フィルタを複数準備する必要がなくなる
とともに、製造するワーキングレチクル(マイクロデバ
イス)の仕様上の各種の要請に柔軟に対応することがで
き、高効率的である。
【0047】図1に戻り、フィルタステージFSは、保
持している濃度フィルタFjをXY平面内で回転方向及
び並進方向に微動又は移動する。不図示のレーザ干渉計
によって、フィルタステージFSのX座標、Y座標、及
び回転角が計測され、この計測値、及び主制御系9から
の制御情報によってフィルタステージFSの動作が制御
される。
【0048】濃度フィルタFjを通過した露光光IL
は、反射ミラー112及びコンデンサレンズ系113、
結像用レンズ系114、反射ミラー115、及び主コン
デンサレンズ系116を介して、マスターレチクルRi
の回路パターン領域上でブラインド111の矩形状の開
口部と相似な照明領域を一様な強度分布で照射する。即
ち、ブラインド111の開口部の配置面は、コンデンサ
レンズ113、結像用レンズ系114、及び主コンデン
サレンズ系116との合成系によってマスターレチクル
Riのパターン形成面とほぼ共役となっている。
【0049】照明光学系1から射出された露光光ILに
より、レチクルステージ2に保持されたマスターレチク
ルRiが照明される。レチクルステージ2には、i番目
(i=1〜N)のマスターレチクルRi及びバーコード
を形成するためのマスターレチクルBR1が保持されて
いる。
【0050】本実施形態においては、レチクルステージ
2の側方に棚状のレチクルライブラリ16bが配置さ
れ、このレチクルライブラリ16bはZ方向に順次配列
されたN(Nは自然数)個の支持板17bを有し、支持
板17bにマスターレチクルR1,…,RN,BR1が
載置されている。
【0051】レチクルライブラリ16bは、スライド装
置18bによってZ方向に移動自在に支持されており、
レチクルステージ2とレチクルライブラリ16bとの間
に、回転自在でZ方向に所定範囲で移動できるアームを
備えたローダ19bが配置されている。主制御系9がス
ライド装置18bを介してレチクルライブラリ16bの
Z方向の位置を調整した後、ローダ19bの動作を制御
して、レチクルライブラリ16b中の所望の支持板17
bとレチクルステージ2との間で、所望のマスターレチ
クルR1〜RN,BR1を受け渡しできるように構成さ
れている。
【0052】マスターレチクルRiの照明領域内のパタ
ーンの像は、投影光学系3を介して縮小倍率1/α(α
は例えば5、又は4等)で、ワーキングレチクル用の基
板(ブランクス)4の表面に投影される。レチクルステ
ージ2は、載置されたマスターレチクルRiをXY平面
内で位置決めする。レチクルステージ2の位置及び回転
角(X軸、Y軸、Z軸の各軸回りの回転量)は不図示の
レーザ干渉計によって計測され、この計測値、及び主制
御系9からの制御情報によってレチクルステージ2の動
作が制御される。
【0053】図4は、マスターレチクルの親パターンの
縮小像を基板4上に投影する様子を示す要部斜視図であ
り、図5は基板4の詳細を示す上面図である。尚、図4
は、基板4のパターンエリア(露光光ILが照射され、
例えばデバイスのパターンが形成されることになる領
域)25に親パターンの縮小像を投影する様子を示して
いる。
【0054】基板4は、光透過性の石英ガラス板からな
り、その表面にはパターンエリア25が設定されてい
る。また、基板4には、このパターンエリア25を挟む
ようにアライメントマーク用の一対のマークエリアMA
1が配置されており、このマークエリアMA1内に位置
合わせ用の2つの2次元マークよりなるアライメントマ
ーク24A,24B(図4参照)が形成されている。
【0055】尚、このアライメントマーク24A,24
Bは一例であり、アライメントマークはかかるマークエ
リアMA1のほぼ全域に渡って形成される場合もある。
アライメントマークエリアMA1は、アライメントセン
サ14A,14Bにより検出する際に、該アライメント
センサ14A,14Bに適した波長の照明光で照明され
る。
【0056】また、これらのパターンエリア25やアラ
イメントマークエリアMA1とは異なる位置には、当該
基板4の識別情報、その他の各種情報が設定されるため
の情報マークエリアMA2及びレチクルIDエリアMA
3が配置されている。この情報マークエリアMA2及び
レチクルIDエリアMA3には、バーコード、マトリッ
クスコード、その他の文字、図形、数字、記号等により
所望の情報が設定される。設定される情報は、例えばマ
イクロデバイスに関する情報、レチクル作成に関する情
報、及び露光装置に関する情報である。
【0057】より具体的には、マイクロデバイスに関す
る情報としてデバイス名(例えば、1G DRAM等)
や工程名(例えば、メタル第1層)等が設定され、レチ
クル作成に関する情報として作成日、規格、連番、レチ
クルの種類、使用描画機等が設定され、露光装置に関す
る情報として使用対象の露光装置、照明条件(例えば、
投影光学系の開口数や開口絞り径/投影光学系の瞳径、
所謂σ値)、精度規格等が設定される。これらの情報を
ワーキングレチクルとしての基板4に設定するのは、こ
れらの情報を露光装置が読み取りセンサによって読み取
り、露光時における照明条件等の条件設定を自動化した
り、オペレーションミスによって誤った種類のレチクル
を用いた露光処理が行われるときに警告等を発して未然
に防止するためである。
【0058】ここで、マークエリアMA2やレチクルI
DエリアMA3に形成されるバーコードについて説明す
る。図6は、レチクル等に形成されるバーコードの構成
例を説明するための図であり、Code39なるバーコ
ード規格に適用した場合を例示している。
【0059】レチクルに形成されるバーコードB1は、
クロム等の金属が蒸着されている部分(以下、マークと
いう)と、金属が蒸着されていないガラス部分(以下、
スペースという)とをバーコードB1のスキャン方向D
に組み合わせて形成され、大別すると始点クワイエット
ゾーンB11と終点クワイエットゾーンB13との間に
セグメントB12が配置されて構成される。
【0060】このように、バーコードはマークをスキャ
ン方向Dに間欠的に配列して構成される。また、バーコ
ードB1の高さHは、3.5mm程度以上に設定され
る。始点クワイエットゾーンB11及び終点クワイエッ
トゾーンB13は金属が蒸着されない所定幅を有する領
域であり、それぞれバーコードB1の始点及び終点を識
別する目的で設けられる領域である。
【0061】セグメントB12は、所定の間隔(キャラ
クタ間のギャップ)をもってスタートキャラクタST
1、各種キャラクタD1〜D14、及びストップキャラ
クタST2を配列して構成される。スタートキャラクタ
ST1及びストップキャラクタST2は、例えば記号
「*」を示す情報で構成され、それぞれセグメントB1
2の開始及び終了を識別するためのものである。
【0062】セグメントB12内に設けられるスタート
キャラクラST1、各種キャラクタD1〜D14、及び
ストップキャラクタST2は、5本のマークと4本のス
ペースとからなる9つのエレメントで構成され、9本の
内の3本が太エレメント、残りの6本が細エレメントと
なっている。ここで、エレメントとは、マークとスペー
スとを区別することなくバーコードを構成する要素をい
う。以下、太エレメントのマークを太マークといい、細
エレメントのマークを細マークといい、太エレメントの
スペースを太スペースといい、細エレメントのスペース
を細スペースという。
【0063】例えば、図6ではスタートキャラクタST
1を拡大して図示しているが、このスタートキャラクタ
ST1は、順に細マークe1、太スペースe2、細マー
クe3、細スペースe4、太マークe5、細スペースe
6、太マークe7、細スペースe8、及び細マークe9
から構成される。
【0064】このように、図6に示したバーコードB1
を構成する主要なエレメントは、太エレメントE1、細
エレメントE2、キャラクタ間のギャップE3、クワイ
エットゾーンE4、及びクワイエットゾーンE5に分類
される。換言すると、これらのエレメントがあれば、セ
グメントB12内に格納されるキャラクタD1〜D14
の内容に拘わらずバーコードB1を復元することができ
る。
【0065】図7は、バーコードB1のキャラクタD1
〜D14に格納される情報の一覧を示す図表である。図
7では、キャラクタD1〜D14に格納される情報が文
字である場合のマーク及びスペースで構成されるパター
ン、マークの配列、及びスペースの配列を示している。
例えば、文字「1」のパターンは、太マーク、細スペー
ス、細マーク、太スペース、細マーク、細スペース、細
マーク、細スペース、及び太マークを順に配列して構成
される。ここで、太マークを「1」、細マークを「0」
と表した場合、マークのみを抜き出すと「10001」
と表され、スペースのみを抜き出すと「0100」と表
される。
【0066】図5に示した情報マークエリアMA2に形
成されたバーコードは露光装置が備える読取センサ(図
示省略)により読み取られる際に、該読取センサに適し
た波長の照明光で照明される。基板4の表面にはフォト
レジストが塗布されており、情報マークエリアMA2及
びレチクルIDエリアMA3に形成されるバーコード
は、パターンエリア25にマスターレチクルRiのパタ
ーン像を転写する際に併せて、情報マークのパターンが
形成されたマスターレチクルBR1,BR2を用いて形
成される。バーコード等の情報マークのパターンを形成
する方法の詳細については後述する。
【0067】図1及び図4においては、図示を簡略化し
て基板4が試料台5上に載置されている状態を図示して
いるが、試料台5には、基板ホルダとは別に、昇降可能
でかつ全体的に微少回転可能な3本の基板支持部を有す
るセンターテーブルが設けられている。また、図示は省
略しているが、試料台5上にはガラス基板の表面に反射
防止膜を形成してなる反射防止板が配置されている。
尚、このような反射防止板を設けずに、試料台5や該試
料台5上の構造物の表面に反射防止膜を直接形成するよ
うにしてもよい。
【0068】試料台5は、図1に示されているように、
基板ステージ6上に固定されている。試料台5は、オー
トフォーカス方式で基板4のフォーカス位置(光軸AX
方向の位置)、及び傾斜角を制御することによって、基
板4の表面を投影光学系3の像面に合わせ込む。この試
料台5上には位置決め用の基準マーク部材12及び基板
4上の照度分布を検出する照度分布検出センサ(いわゆ
る照度ムラセンサ)126が固定されている。また、基
板ステージ6は、ベース7上で例えばリニアモータによ
りX方向、Y方向に試料台5(基板4)を移動し位置決
めする。
【0069】試料台5の上部に固定された移動鏡8m、
及び対向して配置されたレーザ干渉計8によって試料台
5のX座標、Y座標、及び回転角が計測され、この計測
値がステージ制御系10、及び主制御系9に供給されて
いる。移動鏡8mは、図4に示すように、X軸の移動鏡
8mX、及びY軸の移動鏡8mYを総称するものであ
る。ステージ制御系10は、その計測値、及び主制御系
9からの制御情報に基づいて、基板ステージ6のリニア
モータ等の動作を制御する。
【0070】照度分布検出センサ126は、図8に示す
ように、露光光ILが投影光学系3を介して照明されて
いる状態で基板ステージ6を基板4に水平な面内で移動
させることにより露光光ILの空間分布、即ち露光光の
分布を計測するためのものである。照度分布検出センサ
126は、矩形(本実施形態においては正方形)状の開
口54を有する遮光板55の下側に光電センサ56を設
けて構成され、光電センサ56による検出信号は、主制
御系9に出力される。尚、開口54の下側に光電センサ
56を設けずに、ライトガイドなどにより光を導いて他
の部分で光電センサなどにより受光量を検出するように
してもよい。
【0071】主制御系9には、磁気ディスク装置等の記
憶装置11が接続され、記憶装置11に、露光データフ
ァイルが格納されている。露光データファイルには、マ
スターレチクルR1〜RNの相互の位置関係、マスター
レチクルR1〜RNに対応する濃度フィルタF1〜FL
の対応関係、アライメント情報等が記録されている。
【0072】本実施形態による露光装置は、複数のマス
ターレチクルを用いて重ね継ぎ露光を行うものである。
この露光装置は、この実施形態では、ワーキングレチク
ル34を製造するレチクル露光装置として構成している
が、半導体集積回路を製造する際に用いるデバイス露光
装置として構成することもできる。また、レチクル露光
装置として構成する場合及びデバイス露光装置として構
成する場合の何れでも、基板4の情報マークエリアMA
2及びレチクルIDエリアMA3にバーコードを形成す
ることができる。
【0073】以下、マスターレチクルRiとこの露光装
置を用いて製造されるレチクル、即ちワーキングレチク
ル34の製造方法の概略及びバーコードの形成方法に付
いて説明する。
【0074】図9は、マスターレチクルRiを用いてレ
チクル(ワーキングレチクル)を製造する際の製造工程
を説明するための図である。図9中に示したワーキング
レチクル34が最終的に製造されるレチクルである。こ
の実施形態では、ワーキングレチクル34は、ハーフト
ーン型の位相シフトレチクルであり、石英ガラス等から
なる光透過性の基板の一面に、透過率が10〜数%程度
に設計されたマスク材料からなるハーフトーン膜で原版
パターン27を形成したものである。
【0075】ワーキングレチクル34は、光学式の投影
露光装置の投影光学系を介して、1/β倍(βは1より
大きい整数、又は半整数等であり、一例として4,5,
又は6等)の縮小投影で使用されるものである。即ち、
図9において、ワーキングレチクル34の原版パターン
27の1/β倍の縮小像27Wを、フォトレジストが塗
布されたウエハW上の各ショット領域48に露光した
後、現像やエッチング等を行うことによって、その各シ
ョット領域48に所定の回路パターン35が形成され
る。
【0076】図9において、まず最終的に製造される半
導体デバイスのあるレイヤの回路パターン35が設計さ
れる。回路パターン35は直交する辺の幅がdX,dY
の矩形の領域内に種々のライン・アンド・スペースパタ
ーン(又は孤立パターン)等を形成したものである。こ
の実施形態では、その回路パターン35をβ倍して、直
交する辺の幅がβ・dX,β・dYの矩形の領域からな
る原版パターン27をコンピュータの画像データ上で作
成する。β倍は、ワーキングレチクル34が使用される
投影露光装置の縮小倍率(1/β)の逆数である。尚、
反転投影されるときは反転して拡大される。
【0077】次に、原版パターン27をα倍(αは1よ
り大きい整数、又は半整数等であり、一例として4,
5,又は6等)して、直交する辺の幅がα・β・dX,
α・β・dYの矩形の領域よりなる親パターン36を画
像データ上で作成し、その親パターン36を縦横にそれ
ぞれα個に分割して、α×α個の親パターンP1,P
2,P3,…,PN(N=α)を画像データ上で作成
する。図9では、α=5の場合が示されている。尚、こ
の親パターン36の分割数αは、必ずしも原版パターン
27から親パターン36への倍率αに合致させる必要は
ない。
【0078】その後、それらの親パターンPi(i=1
〜N)について、それぞれ電子ビーム描画装置(又はレ
ーザビーム描画装置等も使用できる)用の描画データを
生成し、その親パターンPiをそれぞれ等倍で、親マス
クとしてのマスターレチクルRi上に転写する。
【0079】例えば、1枚目のマスターレチクルR1を
製造する際には、石英ガラス等の光透過性の基板上にク
ロム、又はケイ化モリブデン等のマスク材料の薄膜を形
成し、この上に電子線レジストを塗布した後、電子ビー
ム描画装置を用いてその電子線レジスト上に1番目の親
パターンP1の等倍の潜像を描画する。その後、電子線
レジストの現像を行ってから、エッチング、及びレジス
ト剥離等を施すことによって、マスターレチクルR1上
のパターン領域20に親パターンP1が形成される。
【0080】この際に、マスターレチクルR1上には、
親パターンP1に対して所定の位置関係で2つの2次元
マークよりなるアライメントマーク21A,21Bを形
成しておく。同様に他のマスターレチクルRiにも、電
子ビーム描画装置等を用いてそれぞれ親パターンPi、
及びアライメントマーク21A,21Bが形成される。
このアライメントマーク21A,21Bは、基板又は濃
度フィルタに対する位置合わせに使用される。
【0081】このように、電子ビーム描画装置(又はレ
ーザビーム描画装置)で描画する各親パターンPiは、
原版パターン27をα倍に拡大したパターンであるた
め、各描画データの量は、原版パターン27を直接描画
する場合に比べて1/α程度に減少している。
【0082】さらに、親パターンPiの最小線幅は、原
版パターン27の最小線幅に比べてα倍(例えば5倍、
又は4倍等)であるため、各親パターンPiは、それぞ
れ従来の電子線レジストを用いて電子ビーム描画装置に
よって短時間に、かつ高精度に描画できる。
【0083】また、一度N枚のマスターレチクルR1〜
RNを製造すれば、後はそれらを繰り返し使用すること
によって、必要な枚数のワーキングレチクル34を製造
できるため、マスターレチクルR1〜RNを製造するた
めの時間は、大きな負担ではない。
【0084】上記マスターレチクルRiとは別に、電子
ビーム描画装置又はレーザビーム描画装置等を用いてバ
ーコードを形成する際に用いるマスターレチクルBR1
に縮小コードを形成しておく。ここで、縮小コードと
は、図6に示したバーコードB1のスキャン方向D(配
列方向)に対して直交する方向(高さ方向)にのみバー
コードを縮小したバーコードをいい、投影光学系3を介
してバーコードを縮小したバーコードではない点に注意
されたい。つまり、投影光学系3を理想的な光学系とす
ると、投影光学系3を介して縮小したバーコードはマス
ターレチクルBR1に形成されたバーコードに対して相
似関係にあるが、マスターレチクルBR1に形成される
縮小コードはバーコードに対して相似関係にはない。
【0085】図10は、バーコード形成用のマスターレ
チクルBR1の上面図である。図10に示したように、
マスターレチクルBR1には、図7に示した一覧中の文
字のパターンを示す縮小コードが図7中の文字数分だけ
形成されている。よって、このマスターレチクルBR1
のみで、セグメントB12(図6参照)に格納されるキ
ャラクタD1〜D14の内容に拘わらず種々のバーコー
ドB1を形成することができる。ここで、図10中の
「始QZ」とは始点クワイエットゾーンE4を示し、
「終QZ」とは終点クワイエットゾーンE5を示してい
る(図6参照)。
【0086】バーコード形成用のマスターレチクルBR
1に形成される縮小コードは、上述したように電子ビー
ム描画装置又はレーザビーム描画装置等を用いて形成さ
れるため時間を要するが、一度マスターレチクルBR1
を製造すれば、後はそれらを繰り返し使用することによ
って、必要な枚数のワーキングレチクル34にバーコー
ドを形成する際に用いることができる。よって、マスタ
ーレチクルBR1を製造するための時間は、大きな負担
ではない。
【0087】このようにして製造されたN枚のマスター
レチクルRi及びバーコード形成用のマスターレチクル
BR1を用い、マスターレチクルRiの親パターンPi
の1/α倍の縮小像PIi(i=1〜N)を、それぞれ
画面継ぎを行いながら(互いの一部を重ね合わせつつ)
パターンエリア25に転写し、更にマスターレチクルB
R1の親パターンの1/α倍の縮小像を、それぞれ画面
継ぎを行いながら情報マークエリアMA2及びレチクル
IDエリアMA3に転写することによってワーキングレ
チクル34が製造される。
【0088】マスターレチクルRi及びマスターレチク
ルBR1を用いたワーキングレチクル34の露光動作の
詳細は、以下の通りである。まず、基板ステージ6のス
テップ移動によって基板4上の第1番目のショット領域
が投影光学系3の露光領域(投影領域)に移動される。
これと並行して、レチクルライブラリ16bからマスタ
ーレチクルR1がローダ19bを介してレチクルステー
ジ2に搬入・保持されるとともに、フィルタライブラリ
16aから濃度フィルタF1がローダ19aを介してフ
ィルタステージFSに搬入・保持される。そして、マス
ターレチクルR1及び濃度フィルタF1のアライメント
等が行われた後、そのマスターレチクルR1の縮小像が
投影光学系3を介して基板4上の対応するショット領域
に転写される。
【0089】基板4上の1番目のショット領域への1番
目のマスターレチクルR1の縮小像の露光が終了する
と、基板ステージ6のステップ移動によって基板4上の
次のショット領域が投影光学系3の露光領域に移動され
る。これと並行して、レチクルステージ2上のマスター
レチクルR1がローダ19を介してライブラリ16に搬
出され、次の転写対象のマスターレチクルR2がライブ
ラリ16からローダ19を介してレチクルステージ2に
搬入・保持されるとともに、フィルタステージFS上の
濃度フィルタF1がローダ19を介してライブラリ16
に搬出され、次の転写対象のマスターレチクルR2に対
応する濃度フィルタF2がライブラリ16からローダ1
9を介してフィルタステージFS上に搬入・保持され
る。
【0090】そして、マスターレチクルR2及び濃度フ
ィルタF2のアライメント等が行われた後、そのマスタ
ーレチクルR2の縮小像が投影光学系3を介して基板4
上の当該ショット領域に転写される。以下ステップ・ア
ンド・リピート方式で基板4上の残りのショット領域
に、濃度フィルタF2〜FNが必要に応じて適宜に取り
換えられつつ、順次対応するマスターレチクルR3〜R
Nの縮小像の露光転写が行われる。
【0091】以上説明した手順でマスターレチクルR1
〜RNの縮小像がマスターレチクル上のパターンエリア
25に露光転写される。パターンエリア25の露光転写
が終了すると、レチクルステージ2上のマスターレチク
ルRNがローダ19を介してライブラリ16に搬出さ
れ、バーコード形成用のマスターレチクルBR1がライ
ブラリ16からローダ19を介してレチクルステージ2
に搬入・保持される。そして、露光転写する縮小コード
が形成されている領域のみに照明光が照射されるようレ
チクルブラインド機構110を制御する。ここでは、記
号「*」の縮小コードを情報マークエリアMA2に露光
転写する場合の動作を例に挙げて説明する。
【0092】次に、基板ステージ6のステップ移動によ
って基板4上の情報マークエリアMA2とマスターレチ
クルBR1の転写する縮小コードが形成されている領域
とを位置合わせして、マスターレチクルBR1に照明光
を照明することにより、縮小コードの縮小像が投影光学
系3を介して基板4上の情報マークエリアMA2に露光
転写される。以上の処理が終了すると、転写されたバー
コードの像の高さ分だけ基板4がX方向に移動され、再
度縮小コードの縮小像がマークエリアMA2に露光転写
される。
【0093】図11は、縮小コードを用いて所望の高さ
を有するバーコードを形成する様子を示す図である。図
11に示したように投影光学系3を介した縮小コードの
縮小像Imを、バーコードの高さ方向に順次重ね継ぎ露
光することにより、所望の高さHを有するバーコードを
基板4上に形成することができる。
【0094】1つの縮小コードに対する重ね継ぎ露光が
終了すると、次に露光転写する縮小コードが形成されて
いる領域のみに照明光が照射されるようレチクルブライ
ンド機構110を制御する。併せて、既に情報マークエ
リアMA2に形成されているバーコードb1と露光転写
される縮小コードの像がスキャン方向DにギャップE3
分だけ離間するように基板4の位置合わせを行い、上述
した手順と同様の手順により順次重ね継ぎ露光を行う。
このようにして、所望の高さHを有するバーコードB1
が基板4の情報マークエリアMA2に形成される。
【0095】尚、以上の説明においては、説明の簡単化
のために既に縮小コードが露光転写された位置に対して
隣接した位置に縮小コードの像を露光転写させて重ね継
ぎ露光を行う場合を例に挙げて説明した。この方法で
は、つなぎ合わせ部分の露光量が増大するため、つなぎ
合わせ部分において線幅が変化するおそれがある。
【0096】従って、バーコードを形成する際も、図2
に示した濃度フィルタFjと同様な濃度フィルタを用い
て、つなぎ合わせ部分の露光量を他の部分の露光量と同
様にすることで、継ぎ目を目立たなくすることが好まし
い。ただし、バーコードB1の読み取り時においてつな
ぎ合わせの線幅の変化分は余り問題とならないため、制
御を単純にしたい場合には、濃度フィルタを用いずにつ
なぎ合わせ部分を無くするか又は微量だけつなぎ合わせ
る方法でよい。
【0097】以上説明した実施形態では、高さ方向の寸
法が大であるバーコードを短時間に形成できるだけでな
く、バーコードの形成時にバーコードの高さ方向の寸法
を任意に変更可能である。縮小パターンではなく予め高
さ方向の寸法が大きなパターンをマスターレチクルBR
1に形成しておけば一度の露光転写で高さ方向の寸法が
大きなバーコードを基板4に形成できる。しかしなが
ら、かかる場合には、高さ方向の寸法が大であるバーコ
ードしか形成することができない。本実施形態は、マス
ターレチクルBR1に縮小コードを形成し、露光転写の
回数を可変することにより高さ方向の寸法を任意に設定
することができるため、バーコード読み取り時の位置精
度を緩和したいときにだけバーコードB1の高さ方向の
寸法を大にするといった用途に用いることができる。ま
た、縮小コードは小さいので、マスターレチクルBR1
上により多種類のコード(文字パターン)を配置するこ
とができ、この点でも有利である。
【0098】次に、バーコードB1を基板4上に形成す
る方法の他の実施形態について説明する。上述した実施
形態では、マスターレチクルBR1に縮小コードが形成
されており、図7に示した一覧中の文字のパターン毎の
縮小コードの縮小像を順次基板4上に露光転写すること
により、高さ方向に所望の寸法を有するバーコードB1
を形成していた。これに対し、以下に説明する他の実施
形態においては、バーコードを構成する要素コードが形
成されたマスターレチクルBR2を用いてバーコードを
短時間で形成するとともに、複雑な形状のバーコードで
あっても容易に形成することができる。
【0099】図12は、バーコードB1を基板4上に形
成する方法の他の実施形態で用いられるマスターレチク
ルBR2の上面図である。図12に示したように、マス
ターレチクルBR2には、図6を用いて説明したバーコ
ードB1の主要なエレメントである、太エレメントE
1、細エレメントE2、キャラクタ間のギャップE3、
クワイエットゾーンE4、及びクワイエットゾーンE5
を形成するための要素コードEM1〜EM5が形成され
ている。尚、図中斜線部はクロム等の金属が蒸着されて
いる部分を示している。
【0100】ここで、基板4がブランクス(ガラス基板
にクロム等の金属が蒸着されており、更にその上面にフ
ォトレジスト等の感光剤が塗布されたもの)である場合
には、マスターレチクルBR2の要素コードE1〜E5
が、ブランクスに蒸着された金属を除去するパターンで
なければならない点に注意する必要がある。このため、
図12に示したように、マスターレチクルBR2に形成
される要素コードEM1〜EM5は、マスターレチクル
BR2に蒸着された金属を除去して形成されている。
【0101】本実施形態では、これらの要素コードEM
1〜EM5のみを用いてバーコードを基板4上の情報マ
ークエリアMA2に形成している。ここで、要素コード
EM1〜EM5は、前述した実施形態と同様にバーコー
ドB1の高さ方向(図12において符号hが付された方
向)に縮小した形状であることが好ましい。
【0102】本実施形態においても、前述したパターン
エリア25の露光転写が終了した後にバーコードが形成
される。パターンエリア25の露光転写が終了した後、
レチクルステージ2上のマスターレチクルRNがローダ
19を介してライブラリ16に搬出され、バーコード形
成用のマスターレチクルBR2がライブラリ16からロ
ーダ19を介してレチクルステージ2に搬入・保持され
る。そして、露光転写する要素コード(例えば、要素コ
ードEM1)が形成されている領域のみに照明光が照射
されるようレチクルブラインド機構110を制御する。
【0103】ここでは、記号「*」のバーコードを情報
マークエリアMA2に露光転写する場合の動作を例に挙
げて説明する。
【0104】図13は、要素コードを用いて所望の高さ
を有するバーコードを形成する様子を説明するための図
である。基板ステージ6のステップ移動によって基板4
上の情報マークエリアMA2とマスターレチクルBR2
の転写する要素コード(例えば、要素コードEM1)と
を位置合わせして、マスターレチクルBR2に照明光を
照明することにより、要素コードEM1の縮小像が投影
光学系3を介して基板4上の情報マークエリアMA2に
露光転写される。
【0105】以上の処理が終了すると、転写された要素
コードEM1の縮小像Im11の高さ分だけ基板4が−
X方向に移動され(移動経路r1)、再度要素コードE
M1の縮小像がマークエリアMA2に露光転写される。
以上の処理にて図13(a)中の領域EX1が露光され
る。
【0106】次に、基板4の情報マークエリアMA2に
形成するバーコードの細エレメントの幅分だけ基板4を
−Y方向に移動させるとともに(移動経路r2)、要素
コードEM2が形成されている領域のみに照明光が照射
されるようレチクルブラインド機構110を制御する。
そして、要素コードEM2の縮小像Im12を投影光学
系3を介して基板4上の情報マークエリアMA2に露光
転写し、転写された要素コードEM2の像Im12の高
さ分だけ基板4をX方向に移動し(移動経路r3)、再
度要素コードEM2の縮小像を露光転写する。この処理
によって図13(a)中の領域EX2が露光される。
【0107】同様に、基板4の情報マークエリアMA2
に形成するバーコードの太エレメントの幅分だけ基板4
を−Y方向に移動させて(移動経路r4)、要素コード
EM2の縮小像Im12を投影光学系3を介して基板4
上の情報マークエリアMA2に露光転写し、転写された
要素コードEM2の像Im12の高さ分だけ基板4を−
X方向に移動し(移動経路r5)、再度要素コードEM
2の縮小像を露光転写する。以上の処理で図13(a)
中の領域EX3が露光される。
【0108】領域EX3が露光されると、次に基板4を
バーコードの太エレメントの幅分だけ−Y方向に移動さ
せるとともに(移動経路r6)、要素コードEM2の縮
小像Im12を情報マークエリアMA2に露光転写す
る。そして、転写された要素コードEM2の像Im12
の高さ分だけ基板4をX方向に移動し(移動経路r
7)、再度要素コードEM2の縮小像Im12をマーク
エリアMA2に露光転写すると、図13(a)中の領域
EX4が露光される。
【0109】以上の処理によって露光された領域EX1
〜EX4と形成されるバーコードとの関係を図13
(b)に示す。図13(b)において、斜線を付した部
分がバーコードのマークとなる部分であり、点線で示し
た領域が露光された領域EX1〜EX4である。図13
(b)から分かるように、露光された部分がバーコード
のスペース部分となる。
【0110】要素コードEM1,EM2を用いて記号
「*」のバーコードが情報マークエリアMA2に露光転
写されると、次に、マスターレチクルBR2の要素コー
ドEM3が形成されている領域のみに照明光が照射され
るようレチクルブラインド機構110を制御するととも
に、領域EX4からY方向に細エレメントの幅分だけ離
間した位置に要素コードEM3の縮小像が投影されるよ
う基板4を移動させる。そして、図5に示したキャラク
タ間のギャップE3を形成するために要素コードEM3
の縮小像を投影する。
【0111】以後、同様の処理を行って前述した要素コ
ードEM1,EM2を用いて数値「0」〜「9」や記号
「*」等のバーコードを形成する処理及び要素コードE
M3の縮小像を投影する処理が繰り返し行われ、最後に
要素マークEM5を用いて終点クワイエットゾーンを形
成するための露光処理が行われる。
【0112】上述した処理では図13(a)に示した領
域EX1〜EX4を露光する際に、つなぎ合わせ露光を
行っていたが、バーコードB1の高さを高くする必要が
無い場合には、かかる処理を省略しても良い。
【0113】また、上記実施形態では、要素コードを用
いて一次元のバーコードを形成する場合を例に挙げて説
明したが、二次元バーコードを形成する場合には、二次
元バーコードを構成する要素コードをマスターレチクル
BR2に形成することで対応することができる。
【0114】このように、本実施形態においては、バー
コードを構成する要素コードを用いて要素コードの縮小
像を複数回基板4上に転写することによりバーコードを
復元しているため、バーコードを形成する時間を短縮す
ることができるとともに、複雑なバーコードに対しても
対応することができる。
【0115】また、本実施形態においても、領域EX1
〜EX4各々を露光する際につなぎ合わせ露光を行って
いるため、図2に示した濃度フィルタFjと同様な濃度
フィルタを用いて、つなぎ合わせ部分の露光量を他の部
分の露光量と同様にすることで、継ぎ目を目立たなくす
ることが好ましい。さらに、マスターレチクルBR2上
で長手方向に関して要素コードを長く形成しておき、そ
の要素コードの転写にあたっては、要求される長さに応
じてブラインド機構111により要素コードの照明範囲
を制限するようにしてもよい。
【0116】尚、以上説明した実施形態及び他の実施形
態の説明では、縮小コードの像及び要素コードの像を基
板4に露光転写する際に、基板4を移動させて転写され
る像と基板4との位置合わせを行っていたが、基板4を
XY平面内において移動させずにレチクルステージ2を
移動させることによって位置合わせを行っても良い。
【0117】また、上記実施形態においては、説明を簡
単にするために、基板4にバーコードを形成するための
マスターレチクルBR1,BR2が電子ビーム描画装置
又はレーザビーム描画装置等を用いて形成される場合を
例として説明した。しかしながら、このマスターレチク
ルBR1,BR2もワーキングレチクル34と同様な方
法によって製造しても良い。この場合には、所定の体系
に従って構成される転写用のコードを複数に分割してな
る分割コードをそれぞれ拡大して拡大パターンとし、こ
の拡大パターンの投影光学系3による縮小像を画面継ぎ
を行いながら基板4に順次投影露光することにより製造
される。
【0118】さて、このようにマスターレチクルR1〜
RN及びマスターレチクルBR2の縮小像を基板4上に
投影露光する際には、隣接する縮小像間の画面継ぎ(つ
なぎ合わせ)を高精度に行う必要がある。このために
は、各マスターレチクルRi(i=1〜N)と、基板4
上の対応するショット領域(Siとする)とのアライメ
ントを高精度に行う必要がある。このアライメントのた
めに、本実施形態の投影露光装置にはレチクル及び基板
用のアライメント機構が備えられている。
【0119】図14は、レチクルのアライメント機構を
示し、この図14において、試料台5上で基板4の近傍
に光透過性の基準マーク部材12が固定され、基準マー
ク部材12上にX方向に所定間隔で例えば十字型の1対
の基準マーク13A,13Bが形成されている。
【0120】基準マーク13A,13Bの底部には、露
光光ILから分岐された照明光で投影光学系3側に基準
マーク13A,13Bを照明する照明系が設置されてい
る。マスターレチクルRiのアライメント時には、図1
の基板ステージ6を駆動することによって、図14に示
すように、基準マーク部材12上の基準マーク13A,
13Bの中心がほぼ投影光学系3の光軸AXに合致する
ように、基準マーク13A,13Bが位置決めされる。
【0121】また、マスターレチクルRiのパターン面
(下面)のパターン領域20をX方向に挟むように、一
例として十字型の2つのアライメントマーク21A,2
1Bが形成されている。基準マーク13A,13Bの間
隔は、アライメントマーク21A,21Bの投影光学系
3による縮小像の間隔とほぼ等しく設定されており、上
記のように基準マーク13A,13Bの中心をほぼ光軸
AXに合致させた状態で、基準マーク部材12の底面側
から露光光ILと同じ波長の照明光で照明することによ
って、基準マーク13A,13Bの投影光学系3による
拡大像がそれぞれマスターレチクルRiのアライメント
マーク21A,21Bの近傍に形成される。
【0122】これらのアライメントマーク21A,21
Bの上方に投影光学系3側からの照明光を±X方向に反
射するためのミラー22A,22Bが配置され、ミラー
22A,22Bで反射された照明光を受光するようにT
TR(スルー・ザ・レチクル)方式で、画像処理方式の
アライメントセンサ14A,14Bが備えられている。
アライメントセンサ14A,14Bはそれぞれ結像系
と、CCDカメラ等の2次元の撮像素子とを備え、その
撮像素子がアライメントマーク21A,21B、及び対
応する基準マーク13A,13Bの像を撮像し、その撮
像信号が図1のアライメント信号処理系15に供給され
ている。
【0123】アライメント信号処理系15は、その撮像
信号を画像処理して、基準マーク13A,13Bの像に
対するアライメントマーク21A,21BのX方向、Y
方向への位置ずれ量を求め、これら2組の位置ずれ量を
主制御系9に供給する。主制御系9は、その2組の位置
ずれ量が互いに対称に、かつそれぞれ所定範囲内に収ま
るようにレチクルステージ2の位置決めを行う。これに
よって、基準マーク13A,13Bに対して、アライメ
ントマーク21A,21B、ひいてはマスターレチクル
Riのパターン領域20内の親パターンPi(図6参
照)が位置決めされる。
【0124】言い換えると、マスターレチクルRiの親
パターンPiの投影光学系3による縮小像の中心(露光
中心)は、実質的に基準マーク13A,13Bの中心
(ほぼ光軸AX)に位置決めされ、親パターンPiの輪
郭(パターン領域20の輪郭)の直交する辺はそれぞれ
X軸、及びY軸に平行に設定される。この状態で図1の
主制御系9は、レーザ干渉計8によって計測される試料
台5のX方向、Y方向の座標(XF,YF)を記憶
することで、マスターレチクルRiのアライメントが終
了する。この後は、親パターンPiの露光中心に、試料
台5上の任意の点を移動することができる。
【0125】また、図1に示されているように、投影光
学系3の側部には、基板4上のマークの位置検出を行う
ために、オフ・アクシス方式で、画像処理方式のアライ
メントセンサ23が備えられている。アライメントセン
サ23は、フォトレジストに対して非感光性で広帯域の
照明光で被検マークを照明し、被検マークの像をCCD
カメラ等の2次元の撮像素子で撮像し、撮像信号をアラ
イメント信号処理系15に供給する。尚、アライメント
センサ23の検出中心とマスターレチクルRiのパター
ンの投影像の中心(露光中心)との間隔(ベースライン
量)は、基準マーク部材12上の所定の基準マークを用
いて予め求められて、主制御系9内に記憶されている。
【0126】図14に示すように、基板4上のX方向の
端部に例えば十字型の2つのアライメントマーク24
A,24Bが形成されている。そして、マスターレチク
ルRiのアライメントが終了した後、基板ステージ6を
駆動することによって、図1のアライメントセンサ23
の検出領域に順次、図14の基準マーク13A,13
B、及び基板4上のアライメントマーク24A,24B
を移動して、それぞれ基準マーク13A,13B、及び
アライメントマーク24A,24Bのアライメントセン
サ23の検出中心に対する位置ずれ量を計測する。
【0127】これらの計測結果は主制御系9に供給さ
れ、これらの計測結果を用いて主制御系9は、基準マー
ク13A,13Bの中心がアライメントセンサ23の検
出中心に合致するときの試料台5の座標(XP,YP
)、及びアライメントマーク24A,24Bの中心が
アライメントセンサ23の検出中心に合致するときの試
料台5の座標(XP,YP)を求める。これによっ
て、基板4のアライメントが終了する。
【0128】この結果、基準マーク13A,13Bの中
心とアライメントマーク24A,24Bの中心とのX方
向、Y方向の間隔は(XP−XP,YP−Y
)となる。そこで、マスターレチクルRiのアライ
メント時の試料台5の座標(XF ,YF)に対し
て、その間隔(XP−XP,YP−YP)分だ
け図1の基板ステージ6を駆動することによって、図4
に示すように、マスターレチクルRiのアライメントマ
ーク21A,21Bの投影像の中心(露光中心)に、基
板4のアライメントマーク24A,24Bの中心(基板
4の中心)を高精度に合致させることができる。この状
態から、図1の基板ステージ6を駆動して試料台5をX
方向、Y方向に移動することによって、基板4上の中心
に対して所望の位置にマスターレチクルRiの親パター
ンPiの縮小像PIiを露光できる。
【0129】即ち、図4は、i番目のマスターレチクル
Riの親パターンPiを投影光学系3を介して基板4上
に縮小転写する状態を示し、この図4において、基板4
の表面のアライメントマーク24A,24Bの中心を中
心として、X軸及びY軸に平行な辺で囲まれた矩形のパ
ターン領域25が、主制御系9内で仮想的に設定され
る。パターン領域25の大きさは、図6の親パターン3
6を1/α倍に縮小した大きさであり、パターン領域2
5が、X方向、Y方向にそれぞれα個に均等に分割され
てショット領域S1,S2,S3,…,SN(N=
α)が仮想的に設定される。ショット領域Si(i=
1〜N)の位置は、図1の親パターン36を仮に図4の
投影光学系3を介して縮小投影した場合の、i番目の親
パターンPiの縮小像PIiの位置に設定されている。
【0130】マスターレチクルRiと濃度フィルタの相
対的な位置合わせは、マーク124A,124Bやスリ
ットマーク125の位置情報を計測した結果に基づいて
行われる。このとき、基板ステージ6の特性上、ヨーイ
ング誤差等の誤差によって基板4に微小な回転を生じる
ことがあり、このためマスターレチクルRiと基板4の
相対姿勢に微小なズレを生じる。このような誤差は、予
め計測され、あるいは実処理中に計測され、これが相殺
されるように、レチクルステージ2又は基板ステージ6
が制御されて、マスターレチクルRiと基板4の姿勢が
整合するように補正されるようになっている。
【0131】このような処理の後、主制御系9は、その
親パターンPiの縮小像を基板4上のショット領域Si
に投影露光する。図4においては、基板4のパターン領
域25内で既に露光された親パターンの縮小像は実線で
示され、未露光の縮小像は点線で示されている。このよ
うにして、図1のN個のマスターレチクルR1〜RNの
親パターンP1〜PNの縮小像を、順次基板4上の対応
するショット領域S1〜SNに露光することで、各親パ
ターンP1〜PNの縮小像は、それぞれ隣接する親パタ
ーンの縮小像と画面継ぎを行いながら露光されたことに
なる。
【0132】これによって、基板4上に図1の親パター
ン36を1/α倍で縮小した投影像26が露光転写され
る。また、前述した方法により基板4の情報マークエリ
アMA2にはバーコードの像が転写される。その後、基
板4上のフォトレジストを現像して、エッチング、及び
残っているレジストパターンの剥離等を施すことによっ
て、基板4上の投影像26は、図9に示すような原版パ
ターン27となって、ワーキングレチクル34が完成す
る。
【0133】次に、上記のように製造された図1のワー
キングレチクル34を用いて露光を行う場合の動作の一
例につき説明する。図15はワーキングレチクル34を
装着した縮小投影型露光装置(デバイス露光装置)の要
部を示している。この図15において、不図示のレチク
ルステージ上に保持されたワーキングレチクル34の下
面に、縮小倍率1/β(βは5、又は4等)の投影光学
系42を介してウエハWが配置されている。ウエハWの
表面にはフォトレジストが塗布され、その表面は投影光
学系42の像面に合致するように保持されている。
【0134】ウエハWは、不図示のウエハホルダを介し
て試料台43上に保持され、試料台43はXYステージ
44上に固定されている。試料台43上の移動鏡45m
X,45mY及び対応するレーザ干渉計によって計測さ
れる座標に基づいて、XYステージ44を駆動すること
によって、ウエハWの位置決めが行われる。
【0135】また、試料台43上に基準マーク47A,
47Bが形成された基準マーク部材46が固定されてい
る。ワーキングレチクル34には、そのパターン領域2
5をX方向に挟むようにアライメントマーク24A,2
4Bが形成されている。このアライメントマーク24
A、24Bが、このワーキングレチクル34のパターン
領域25にパターンを転写する際のアライメントマーク
であった場合は、そのマークを使用してワーキングレチ
クル34のアライメントを行うと、アライメントマーク
24A,24Bとパターン領域25の相対位置誤差の低
減が期待できる。
【0136】これらのアライメントマーク24A,24
Bの上方に、レチクルのアライメント用のアライメント
センサ41A,41Bが配置されている。この場合に
も、基準マーク47A,47B、アライメントマーク2
4A,24B、及びアライメントセンサ41A,41B
を用いて、試料台43(2組のレーザ干渉計によって規
定される直交座標系XY)に対してワーキングレチクル
34のアライメントが行われる。
【0137】その後、重ね合わせ露光を行う場合には、
不図示のウエハ用のアライメントセンサを用いて、ウエ
ハW上の各ショット領域48のアライメントが行われ
る。そして、ウエハW上の露光対象のショット領域48
を順次露光位置に位置決めした後、ワーキングレチクル
34のパターン領域25に対して、不図示の照明光学系
よりエキシマレーザ光等の露光光IL1を照射すること
で、パターン領域25内の原版パターン27を縮小倍率
1/βで縮小した像27Wがショット領域48に露光さ
れる。このようにしてウエハW上の各ショット領域に原
版パターン27の縮小像を露光した後、ウエハWの現像
を行って、エッチング等のプロセスを実行することによ
って、ウエハW上の各ショット領域に半導体デバイスの
あるレイヤの回路パターンが形成される。
【0138】尚、上述した実施形態では、複数のマスタ
ーレチクルRiを用いて、ブランクス4上に順次パター
ンを画面継ぎを行いながら転写するようにしたレチクル
露光装置について説明しているが、このようにして製造
された、あるいは別の方法により製造された複数のワー
キングレチクルを用いて、デバイス基板上に順次パター
ンを画面継ぎを行いがら転写するようにしたデバイス露
光装置(例えば、液晶表示素子の製造用の露光装置)に
ついても同様に適用することができる。例えば、デバイ
ス露光装置を用いてウエハ上にバーコードを形成する場
合、前述の各実施形態で説明した手法をそのまま適用す
ることができる。上述した実施形態における投影露光装
置は、各ショットについて一括露光を順次繰り返すよう
にした一括露光型であるが、各ショットについて走査露
光を順次繰り返すようにした走査露光型にも適用するこ
とができる。
【0139】また、上述した実施の形態では、ショット
領域の形状は矩形状としているが、必ずしも矩形状であ
る必要はなく、例えば、5角形、6角形、その他の多角
形とすることができる。また、各ショットが同一形状で
ある必要もなく、異なる形状や大きさとすることができ
る。さらに、画面継ぎが行われる部分の形状も、長方形
である必要はなく、ジグザグ帯状、蛇行帯状、その他の
形状とすることができる。また、本願明細書中における
「画面継ぎ」とは、パターン同士をつなぎ合わせること
のみならず、パターンとパターンとを所望の位置関係で
配置することをも含む意味である。
【0140】ワーキングレチクル34に形成するデバイ
スパターンを拡大したデバイスパターンを要素パターン
毎に分ける、例えば密集パターンと孤立パターンとに分
けてマスターレチクルに形成し、基板4上での親パター
ン同士のつなぎ部をなくす、あるいは減らすようにして
もよい。この場合、ワーキングレチクルのデバイスパタ
ーンによっては、1枚のマスターレチクルの親パターン
を基板4上の複数の領域にそれぞれ転写することもある
ので、ワーキングレチクルの製造に使用するマスターレ
チクルの枚数を減らすことができる。又は、その拡大し
たパターンを機能ブロック単位で分ける、例えばCP
U、DRAM、SRAM、A/Dコンバータ、D/Aコ
ンバータをそれぞれ1単位として、少なくとも1つの機
能ブロックを、複数のマスターレチクルにそれぞれ形成
するようにしてもよい。
【0141】上述した実施形態では露光用照明光として
波長が193nmのArFエキシマレーザ光としている
が、それ以上の紫外光、例えばg線、i線、及びKrF
エキシマレーザなどの遠紫外(DUV)光、及びF
ーザ(波長157nm)、Arレーザ(波長126n
m)などの真空紫外(VUV)光を用いることができ
る。
【0142】また、Fレーザを用いる露光装置では、
レチクルや濃度フィルタは、蛍石、フッ素がドープされ
た合成石英、フッ化マグネシウム、LiF、LaF
リチウム・カルシウム・アルミニウム・フロライド(ラ
イカフ結晶)又は水晶等から製造されたものが使用され
る。尚、エキシマレーザの代わりに、例えば波長248
nm、193nm、157nmのいずれかに発振スペク
トルを持つYAGレーザなどの固体レーザの高調波を用
いるようにしてもよい。また、DFB半導体レーザ又は
ファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の
単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウム
とイットリビウムの両方)がドープされたファイバーア
ンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変
換した高調波を用いてもよい。
【0143】また、レーザプラズマ光源、又はSORか
ら発生する軟X線領域、例えば波長13.4nm、又は
11.5nmのEUV(Extreme Ultra
Violet)光を用いるようにしてもよい。
【0144】投影光学系は縮小系だけでなく等倍系、又
は拡大系(例えば、液晶ディスプレイ又はプラズマディ
スプレイ製造用露光装置など)を用いてもよい。更に投
影光学系は、反射光学系、屈折光学系、及び反射屈折光
学系のいずれを用いてもよい。さらに、フォトマスクや
半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、液
晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられ
る、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露
光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられる、デバイス
パターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮
像素子(CCDなど)の製造に用いられる露光装置等に
も本発明を適用することができる。
【0145】フォトマスク(ワーキングレチクル)の製
造以外に用いられる露光装置では、デバイスパターンが
転写される被露光基板(デバイス基板)が真空吸着又は
静電吸着などによって基板ステージ6上に保持される。
ところで、EUV光を用いる露光装置では反射型マスク
が用いられ、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は
電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマス
ク、メンブレンマスク)が用いられるので、マスクの原
版としてはシリコンウエハなどが用いられる。
【0146】複数のレンズから構成される照明光学系、
投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をすると
ともに、多数の機械部品からなるレチクルステージや基
板ステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接
続し、さらに総合調整(電気調整、動作確認等)をする
ことにより本実施形態の露光装置を製造することができ
る。尚、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管
理されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
【0147】半導体デバイスは、デバイスの機能・性能
設計を行うステップ、この設計ステップに基づいて、上
述した実施形態の露光装置によりワーキングレチクルを
製造するステップ、シリコン材料からウエハを製造する
ステップ、上述した実施形態の露光装置等によりレチク
ルのパターンをウエハに露光転写するステップ、デバイ
ス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工
程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製
造される。
【0148】尚、以上説明した実施の形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【0149】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、マスクに
形成された縮小コードを、要素コードの配列方向に対し
て直交する方向に順次隣接するように基板上に複数回露
光転写させているので、要素コードの配列方向に対して
直交する方向における寸法が大きなバーコードを形成す
ることができるという効果がある。しかも、バーコード
はマスクに形成された縮小コードを複数回露光転写する
だけで形成されるため、極めて短時間でバーコードを形
成することができるという効果がある。更に、縮小コー
ドの露光転写回数に応じて、要素コードの配列方向に対
して直交する方向におけるバーコードの寸法を任意に設
定することもできるという効果がある。
【0150】また、本発明によれば、マスクにはバーコ
ードの種類に応じて縮小コードが複数形成されているた
め、バーコードを形成するためのマスクの枚数を低減す
ることができるという効果がある。また、例えば、基板
に複数種類のバーコードを形成する場合には、それらの
縮小コードを同一のマスクに形成しておけばレチクルの
交換を省略することができるので、バーコードを形成す
る時間を短縮することもできるという効果がある。
【0151】また、本発明によれば、バーコードを構成
する要素コードが形成されたマスクを用い、要素コード
を基板上に順次露光転写することにより基板上において
バーコードを復元しているため、二次元バーコードのよ
うにバーコードの形状が複雑化した場合であってもバー
コードの要素をなす要素コードを順次転写することで復
元することができ、しかも複雑なバーコードを極めて短
時間で形成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る露光装置の概略構成
を示す図である。
【図2】 濃度フィルタの構成の一例を示す上面図であ
る。
【図3】 本発明の実施形態に係る露光装置が備える濃
度フィルタの構成を示す図である。
【図4】 マスターレチクルの親パターンの縮小像を基
板上に投影する様子を示す要部斜視図である。
【図5】 図5は基板の詳細を示す上面図である。
【図6】 レチクルに形成されるバーコードの構成例を
説明するための図である。
【図7】 バーコードのキャラクタに格納される情報の
一覧を示す図表である。
【図8】 照度分布検出センサの構成の概略を示す図で
ある。
【図9】 マスターレチクルを用いてレチクル(ワーキ
ングレチクル)を製造する際の製造工程を説明するため
の図である。
【図10】 バーコード形成用のマスターレチクルの上
面図である。
【図11】 縮小コードを用いて所望の高さを有するバ
ーコードを形成する様子を示す図である。
【図12】 バーコード形成用の他のマスターレチクル
の上面図である。
【図13】 要素コードを用いて所望の高さを有するバ
ーコードを形成する様子を説明するための図である。
【図14】 レチクルのアライメント機構を示す図であ
る。
【図15】 ワーキングレチクルを装着した縮小投影型
露光装置(デバイス露光装置)の要部を示す図である。
【符号の説明】
2…レチクルステージ(ステージ) 3…投影光学系 4…基板 111…ブラインド B1…バーコード BR1,BR2…マスターレチクル(マスク) D…スキャン方向(配列方向) Ri…マスターレチクル(マスク)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の体系に従って複数の要素コードを
    間欠的に配列して構成されるバーコードを該配列方向に
    直交する方向に縮小した形状を有する縮小コードが形成
    されたマスクを用い、該配列方向に直交する方向に順次
    隣接するように、該縮小コードを基板上に複数回露光転
    写することを特徴とする露光方法。
  2. 【請求項2】 前記マスクには、前記縮小コードが前記
    バーコードの種類に応じて複数形成されたことを特徴と
    する請求項1に記載の露光方法。
  3. 【請求項3】 所定の体系に従って複数の要素コードを
    間欠的に配列して構成されるバーコードを該配列方向に
    直交する方向に縮小した形状を有する縮小コードが前記
    バーコードの種類に応じて複数形成されたことを特徴と
    するマスク。
  4. 【請求項4】 マスクを介して基板を露光する露光装置
    において、 所定の体系に従って複数の要素コードを間欠的に配列し
    て構成されるバーコードを該配列方向に直交する方向に
    縮小した形状を有する縮小コードが前記バーコードの種
    類に応じて複数形成されたマスクと、 前記マスクを移動するステージと、 前記マスクの複数の縮小コードのうち露光転写する縮小
    コード以外の縮小コードに対応する部分を遮蔽するブラ
    インドと、 を備えたことを特徴とする露光装置。
  5. 【請求項5】 所定の体系に従って複数の要素コードを
    間欠的に配列して構成されるバーコードの該要素コード
    が形成されたマスクを用い、基板上で該バーコードが復
    元されるように、該要素コードを該基板上に順次露光転
    写することを特徴とする露光方法。
  6. 【請求項6】 前記マスクには、前記バーコードを構成
    する複数の要素コードが形成されたことを特徴とする請
    求項5に記載の露光方法。
  7. 【請求項7】 所定の体系に従って複数の要素コードを
    間欠的に配列して構成されるバーコードの該複数の要素
    コードが形成されたことを特徴とするマスク。
  8. 【請求項8】 マスクを介して基板を露光する露光装置
    において、 所定の体系に従って複数の要素コードを間欠的に配列し
    て構成されるバーコードの該複数の要素コードが形成さ
    れたマスクと、 前記マスクを移動するステージと、 前記マスクの複数の要素コードのうち露光転写する要素
    コード以外の要素コードに対応する部分を遮蔽するブラ
    インドと、 を備えたことを特徴とする露光装置。
  9. 【請求項9】 所定の体系に従って構成されるコードを
    複数に分割してなる分割コードが形成されたマスクを用
    い、基板上で該コードが復元されるように、該分割コー
    ドを該基板上に順次露光転写することを特徴とする露光
    方法。
  10. 【請求項10】 所定の体系に従って構成される転写用
    のコードを複数に分割してなる分割コードをそれぞれ拡
    大して拡大パターンとし、該拡大パターンの投影光学系
    による縮小像を画面継ぎを行いながらマスク基板に順次
    投影露光することを特徴とするマスク製造方法。
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