JP2002229792A - プログラム、電子制御装置 - Google Patents

プログラム、電子制御装置

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JP2002229792A
JP2002229792A JP2001023924A JP2001023924A JP2002229792A JP 2002229792 A JP2002229792 A JP 2002229792A JP 2001023924 A JP2001023924 A JP 2001023924A JP 2001023924 A JP2001023924 A JP 2001023924A JP 2002229792 A JP2002229792 A JP 2002229792A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各ソフト部品の必要品質で部品設計が可能なプ
ログラム等を提供する。 【解決手段】コンピュータに所定の機能を実現させるた
めの機能実現プログラムとそのプログラムによる処理の
状態を診断させるための自己診断プログラムとを備えた
複数のソフト部品と各ソフト部品の機能実現プログラム
を呼び出す機能を実現させるためのスケジューラプログ
ラムと自己診断プログラムによる処理を呼び出す機能を
実現させるための全体診断プログラムとを備えた部品プ
ラットフォームとを備え、自己診断プログラム及び全体
診断プログラムの実行優先度を機能実現プログラム及び
スケジューラプログラムの実行優先度より高く設定する
機能を実現させるためのプログラムを含み、自己診断プ
ログラムは診断結果を全体診断プログラムによる処理に
渡し全体診断プログラムは受け取った診断結果に基づく
復帰処理を実行させるためのプログラムを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】プログラム及び電子制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、例えば電子制御装置においては、要求仕様に応じた
機能毎のプログラムをソフト部品として用意し、この複
数のソフト部品を組み合わせて、実行プログラムを生成
し、コンピュータにこの実行プログラムを実行させるこ
とで所望の制御機能を実現している。
【0003】このような制御を正常に実行させるために
は、制御対象のハードウェアが正常な状態でなければな
らない。そこで、このような電子制御装置では、制御対
象のハードウェアを監視し、正常であるか否かを判定す
るダイアグ機能を備えるものがある。例えば、ダイアグ
機能として、ダイアグコードやそのダイアグコードに応
じた復帰処理等は予め仕様として決定しておき、その仕
様に従って処理を行うプログラムを作成し、電子制御装
置のROM等に組み込む。そして電子制御装置がこの実
行プログラムを実行し、ハードウェアの異常が検出され
た場合には、その異常の内容に応じたダイアグコードを
メモリに書き込んで、そのダイアグコードに応じた異常
復帰処理等を行っている。
【0004】しかしながら、ハードウェアが正常な状態
であったとしても、ソフト部品の品質が悪いと処理が正
常に実行されず、制御が正常に行われない。例えば、1
のソフト部品の処理が無限ループに陥ってしまった場合
などソフト部品による処理に異常が発生した場合には、
他のソフト部品の処理に移行せず、制御が正常に行われ
なくなってしまう。そのため使用するすべてのソフト部
品の品質は、最も品質の要求されるソフト部品に合わせ
たレベルまで高める必要がある。よって、多大なコスト
がかかるといった問題があった。
【0005】そこで本発明は、ソフト部品の機能を実現
するために必要な品質レベルで各ソフト部品の部品設計
を行うことを可能とするプログラム及び電子制御装置を
提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上述した
問題点を解決するためになされた請求項1に記載のプロ
グラムによれば、コンピュータは全体診断プログラム及
び自己診断プログラムを機能実現プログラム及びスケジ
ューラプログラムに割り込んで実行する。したがって、
コンピュータは、例えば1のソフト部品の機能実現プロ
グラムによる処理に異常が発生したとしても全体診断プ
ログラム及び自己診断プログラムによる処理を実行する
ことができる。そして、このソフト部品の自己診断プロ
グラムによる処理によって、ソフト部品の機能実現プロ
グラムによる処理の状態を診断し、この診断結果を全体
診断プログラムによる処理に渡し、全体診断プログラム
による処理ではその診断結果に基づいて復帰処理を行
う。よって、1のソフト部品の機能実現プログラムによ
る処理に異常が発生したとしても、復帰処理によって他
のソフト部品の処理に影響を与えないようにすることが
可能となる。したがって、従来のようにすべてのソフト
部品の品質を最も品質の要求されるソフト部品の品質に
合わせる必要がなくなり、各ソフト部品の機能を実現す
るために必要な品質レベルでの部品設計が可能となる。
【0007】こうした復帰処理は、コンピュータが自己
診断プログラムによる診断結果を得る毎にその診断結果
に基づく復帰機能を実現するようにしてもよいし、請求
項2に示す復帰機能を実現するようにしてもよい。例え
ばソフト部品1とソフト部品2がある場合に、前者の場
合には、コンピュータはソフト部品1の自己診断プログ
ラムによる処理を実行した後、その処理による診断結果
に基づいて復帰処理を行い、続いてソフト部品2の自己
診断プログラムによる処理を実行した後、その処理によ
る診断結果に基づいて復帰処理を行う。後者の場合に
は、例えばソフト部品1の自己診断プログラムによる処
理を実行した後、ソフト部品2の自己診断プログラムに
よる処理を実行し、その後それぞれの処理による診断結
果に基づいて復帰処理を行う。すなわち請求項2に記載
のプログラムによれば、コンピュータは複数の自己診断
プログラムによる処理から受け取った複数の前記診断結
果に基づいて復帰を行うことができる。
【0008】また、さらに請求項3に示すようにするこ
とで、コンピュータは自己診断プログラムによる処理で
は検出できない異常を診断して復帰させることができ
る。このような異常としては、例えば、各ソフト部品の
処理状態の不整合、各ソフト部品の処理時間の異常、各
ソフト部品の実行順序の異常等が挙げられる。
【0009】そしてこのような全体診断プログラムによ
る処理は、例えば請求項4に示すようにして、所定の間
隔で実行させるようにするとよい。このようにすれば、
常にプログラムが正常に実行されているか否かを監視
(診断)し、異常が発生した場合に復帰処理をすぐに行
うことが可能となる。
【0010】このような全体診断プログラムによる処理
から自己診断プログラムによる処理を呼び出す手順は、
各ソフト部品による処理間で共通の手順を用いるととも
に、請求項5に示すようにして、全体診断プログラムに
よる処理において各ソフト部品による処理から診断結果
を受け取るようにするとよい。このようにすれば、全体
診断プログラムには、この所定の共通フォーマットの診
断結果に基づいて復帰する処理を実行させるためのプロ
グラムを入れるだけでよくなる。すなわち、自己診断プ
ログラムのインターフェースは部品プラットフォームか
らみて差異がないので、例えば部品プラットフォームの
全体診断プログラムには、同様の手続き(呼び出し及び
復帰処理等)を各ソフト部品毎に行うためのプログラム
を備えるだけでよくなる。したがって、部品プラットフ
ォームでは同一のコード(プログラム)を使用できる範
囲が広くなり、部品プラットフォームのサイズを小さく
することができ、実行に必要なメモリを削減することが
できる。なお、請求項3に記載の全体診断プログラムに
よる診断結果もこの共通のフォーマットを利用するよう
にしてもよい。このようにすれば、さらに同一のプログ
ラムが使用できる範囲が広くなる。
【0011】そしてこの診断結果としての所定の共通フ
ォーマットは、請求項6に示すように異常の度合いを示
す情報とするとよい。この異常の度合いを示す情報とし
ては、請求項7に示す情報を用いるとよい。このように
すれば、部品プラットフォームにおける復帰処理におい
て、異常の度合いに応じて処理内容を変更することがで
きる。
【0012】例えば、所定の共通フォーマットとして
「システムの初期化が必要な異常」という情報を、全体
診断プログラムによる処理が受け取った場合には、請求
項8に示すようにして、システムをリセット実行させる
とよい。なお、診断の内容としては、例えば請求項9に
示すようなチェックを行うようにするとよい。重要パス
の通過チェックとは、例えば、処理上の重要なパスにチ
ェックポイントを設けそのチェックポイントを実行した
場合にその旨を示す情報を書き込んでおき、この書き込
んだ情報を参照して通過すべきチェックポイントを通っ
ているかを判定してチェックを行うものなどをいう。ま
た、処理負荷のチェックは、例えば処理の開始時と終了
時の時間を記憶しておきその差からその処理の実行時間
を求め、想定された実行時間の範囲であるかを判定して
チェックするものなどをいう。状態不整合のチェックと
は、例えば、ある処理の処理状態と別の処理の処理状態
に不整合がないかをチェックすることなどをいう。
【0013】そして、異常を検出した場合には、請求項
10に示すようにしてコンピュータにその異常の内容を
記憶させるとよい。このようにすれば、その記憶された
異常の内容を読み出して分析することで異常要因の解析
等に利用することができる。さて、このように請求項1
〜10のいずれかに記載のプログラムは、コンピュータ
によって実行して、その請求項に記載の機能を実現する
ことができる。例えば、請求項11に示すようにして、
電子制御装置において診断機能及び復帰機能を実現する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施例
について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の
形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発
明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうること
は言うまでもない。
【0015】図1は、実施例としての電子制御装置20
(以下ECU20と称する)を備えたボデー系システム
100を示す図である。ボデー系システム100は、E
CU20としてのD席ドアECU20aとP席ドアEC
U20bとインパネECU20cとボデーECU20d
とを備える。
【0016】これらのECU20は、CPU、ROM、
RAM、I/O、タイマ等を備えるマイコンを備えたコ
ンピュータシステムであり、ROMまたはRAMに書き
込まれたプログラムをCPUが読み込んで実行すること
で、I/Oに接続された装置を制御する。そしてこのC
PUは、スリープ命令実行することによって動作クロッ
クを変更し消費電力を低減するスリープ状態に入る機能
と、ウェイクアップ割込み信号が入力された場合にスリ
ープ状態から通常状態へ復帰する機能とからなるスリー
プ機能を備えている。また、I/Oには入力装置30や
出力装置40や車内LAN50が接続されている。そし
てD席ドアECU20aとP席ドアECU20bは、入
力装置30の状態を読み取ってパケットを生成し車内L
AN50を介してボデーECU20dへ送信する機能を
備える。また、D席ドアECU20aとP席ドアECU
20bとインパネECU20cは、車内LAN50を介
して入力されるボデーECU20dからのパケットの制
御情報に基づいて出力装置40を制御する機能を備え
る。
【0017】D席ドアECU20aはドライバ側のドア
に設置されたECUであり、入力装置30としてD席コ
ントロールスイッチ30aなどが接続されており、出力
装置40としてD席ドアロックモータ40aやD席パワ
ーウインドウモータなどが接続されている。P席ドアE
CU20bは補助席側のドアに設置されたECUであ
り、入力装置30としてP席コントロールスイッチ30
b等が接続され、出力装置40としてP席ドアロックモ
ータ40bやP席パワーウインドウモータなどが接続さ
れている。また、インパネECU20cは、インパネに
設置されたECUであり、例えば、出力装置40として
ブザー40cやランプ40d等が接続されている。な
お、上述したD席コントロールスイッチ30a及びP席
コントロールスイッチ30bには、ドアの施錠または解
錠の指示を入力するためのドアロックスイッチやパワー
ウィンドウの開閉の指示を入力するためのパワーウイン
ドウスイッチ等が含まれる。
【0018】ボデーECU20dは、D席ドアECU2
0aとP席ドアECU20bから車内LAN50に送信
されるパケットを所定時間毎に受信して、I/Oを介し
て取り込み、取り込んだパケットの内容に応じたアプリ
ケーションプログラムを実行して出力装置40の制御が
必要な場合には制御対象のD席ドアECU20aとP席
ドアECU20bとインパネECU20c等への制御情
報を含むパケットを生成して送信する制御処理を行う。
【0019】このようなECU20のROMに記憶さ
れ、CPUによって実行されるプログラムは、図2に示
すように部品プラットフォームと複数のソフト部品から
構成されている。部品プラットフォームは全体診断プロ
グラムとスケジューラプログラムと図示しないデバイス
ドライバ等のシステム全体を管理させるための管理プロ
グラム等からなる。一方、ソフト部品は、自己診断プロ
グラムと要求仕様に応じた機能を実現させるためのプロ
グラムである機能実現プログラム等からなる。なお、全
体診断プログラム及び自己診断プログラムは最上位の実
行レベル(優先度)で実行されるようにプログラムされ
ており、スケジューラプログラムや管理プログラムや機
能実現プログラムは通常の実行レベルで実行されるよう
にプログラムされている。
【0020】管理プログラムは、CPUにI/Oを初期
化させて、全体診断プログラムがタイマ割込みによって
実行されるように設定する処理を実現させるための初期
化プログラムを持つ。すなわち、タイマを所定時間(例
えば5ms)にセットし、全体診断プログラムの開始ア
ドレスをタイマ割込みのエントリ(割込みベクタ)に書
き込むためのプログラムである。CPUに電源が供給さ
れると、CPUはROMから部品プラットフォームの管
理プログラムの初期化プログラムを読み出して実行す
る。この初期化プログラムによる処理によって、CPU
はタイマを所定時間(例えば5ms)にセットし、全体
診断プログラムをタイマ割込みによって実行される処理
として割込みベクタに書き込む。
【0021】スケジューラプログラムは、各ソフト部品
の機能実現プログラムを順次呼び出す機能を実現させる
ためのプログラムであり、CPUは、このスケジューラ
プログラムに従って各ソフト部品の機能実現プログラム
を順次呼び出す処理を行う。すなわち、図2に示すよう
にスケジューラプログラムでは、ソフト部品1の機能実
現プログラムを呼び出すためのプログラムが含まれてお
り、このプログラムに基づいてソフト部品1の機能実現
プログラムを呼び出す(起動する)。こうして、CPU
の処理対象のプログラムは機能実現プログラムとなる。
【0022】機能実現プログラムは、要求仕様に応じた
機能をCPUに実現させるためのプログラムである。例
えばD席ドアECU20aにおける機能実現プログラム
としては、例えばD席コントロールスイッチの状態をI
/Oから読み出して所定のRAM領域に書き込む機能を
実現させるプログラムであったり、D席ドアロックモー
タを所定のフラグが立っている際に動作させる機能を実
現させるプログラムであったり、車内LAN50からパ
ケットを取り込む機能を実現させるプログラムであった
りする。そして、このような機能毎にソフト部品を構成
する。例えば、図2において、ソフト部品1がD席コン
トロールスイッチの状態をI/Oから読み出して所定の
RAM領域に書き込む機能を実現させる機能実現プログ
ラムを含むソフト部品であり、ソフト部品2が車内LA
N50からパケットを取り込む機能を実現させる機能実
現プログラムを含むソフト部品とすることができる。そ
して機能実現プログラムには、その処理の状態を所定の
RAM領域に書き込む機能を備える。すなわち、機能実
現プログラムを実行して得られた変数の値や、プログラ
ムの所定の位置(チェックポイント)を実行した旨を示
す情報や、機能実現プログラム内の各関数(サブルーチ
ン)の実行時間などを記録する。
【0023】CPUは、こうした機能実現プログラムを
実行することで、要求仕様に応じた機能をECU20、
入力装置30、出力装置40に実現させることができ
る。一方、CPUにはタイマによって例えば5ms毎に
タイマ割込みがかかる。そして、このタイマ割込みによ
って、CPUの処理対象は全体診断プログラムへ移行す
ることとなる。
【0024】全体診断プログラムには、各ソフト部品の
自己診断プログラムを呼び出す機能を実現するためのプ
ログラムが含まれる。したがってCPUは、各ソフト部
品の自己診断プログラムを順次呼び出す処理を実行す
る。例えば、図2においてソフト部品1の自己診断プロ
グラムによる処理を実行する。
【0025】各ソフト部品の自己診断プログラムは、各
ソフト部品の機能実現プログラムによる処理によって所
定のRAM領域に書き込まれた値と予めプログラム中に
含まれる値と比較して、処理が正常に行われているか異
常であるかを診断(判断)し、全体診断プログラムによ
る処理に戻る際に、共通フォーマットでその診断結果を
渡す機能を実現させるためのプログラムである。この共
通のフォーマットは、異常の度合いに応じて、「正常,
仕様上の異常,部品レベルの初期化が必要な異常,シス
テムの初期化が必要な異常,動作を禁止すべき異常」の
いずれか1の度合いを示す値(情報)をもつ。
【0026】したがってCPUは、例えば、ソフト部品
1の自己診断プログラムを実行することで、ソフト部品
1の機能実現プログラムによる処理に対する診断結果を
「正常,仕様上の異常,部品レベルの初期化が必要な異
常,システムの初期化が必要な異常,動作を禁止すべき
異常」のいずれか1の度合いを示す値(情報)で全体診
断プログラムによる処理に渡す処理を行う。
【0027】そして、この処理が終了するとCPUの実
行対象は全体診断プログラムに戻る。全体診断プログラ
ムには、ここで受け取った診断結果を記憶する機能を実
現するためのプログラムが含まれる。したがってCPU
は、このプログラムによって診断結果を記憶する処理を
行う。
【0028】そして同様に、CPUは、全体診断プログ
ラムによる処理でソフト部品2の自己診断プログラムに
よる処理を呼び出し、その自己診断プログラムによって
ソフト部品2の機能実現プログラムによる処理に対する
診断結果を「正常,仕様上の異常,部品レベルの初期化
が必要な異常,システムの初期化が必要な異常,動作を
禁止すべき異常」のいずれか1の値で全体診断プログラ
ムによる処理に渡す処理を行う。そして全体診断プログ
ラムによる処理によって、その診断結果を記憶する。
【0029】このようにしてすべてのソフト部品の自己
診断プログラムの処理結果である診断結果を得ることが
できる。全体診断プログラムには、ここでCPUにこの
診断結果に応じて復帰処理を実行させるためのプログラ
ムが含まれる。例えば、次のような処理を実現するため
のプログラムである。すべてのソフト部品の診断結果
が「正常」であれば、割込み処理を終了して、割込み元
の処理に復帰する。診断結果に「仕様上の異常」が含
まれる場合には、その仕様に応じた復帰処理を行う。
診断結果に「部品レベルの初期化が必要な異常」が含ま
れる場合には、そのソフト部品に含まれる初期化ルーチ
ンを実行してそのソフト部品による処理を初期化する復
帰処理を行う。診断結果に「システムの初期化が必要
な異常」が含まれる場合には、CPU20をリセットす
る復帰処理を行う。診断結果に「動作を禁止すべき異
常」が含まれる場合には、そのソフト部品による呼び出
しをスケジューラプログラムによる処理において行わな
いように設定する。
【0030】このようにすることで、各ソフト部品によ
る処理では、あくまで診断結果を部品プラットフォーム
による処理に伝えるのみで、そのことにより部品プラッ
トフォームによる処理に大きく影響を与えることがな
い。つまり、あるソフト部品の機能実現プログラムによ
る処理に異常が発生しても、そのソフト部品による処理
を初期化したりそのソフト部品の実行を禁止したりする
ことで、他のソフト部品の機能実現プログラムを実行さ
せることが可能となる。したがって、全てのソフト部品
を、最も品質の要求されるソフト部品に合わせた品質で
作り込む必要がなくなる。すなわち、各ソフト部品の機
能を実現するために必要な品質レベルで各ソフト部品の
部品設計を行うことが可能となる。したがって、ソフト
部品の設計や作成コストを抑えることができる。
【0031】また、部品プラットフォームによる処理は
各ソフト部品に対して汎用的な処理となる。つまり、自
己診断プログラムによる処理は、部品プラットフォーム
からみてソフト部品間の差異がなく、部品プラットフォ
ームには同様な手続きを組み込むだけでよくなる。つま
り、このような異常検出/復帰の部品間共通フレームワ
ークを採用することにより、各部品の品質レベルに応じ
た部品設計と、確実な異常検出/復帰機能を実現するこ
とができる。そしてこのような共通化により、ソフト部
品の独立性が高まり、部品毎の設計を行うことが容易に
なる。またソフト部品の呼び出し処理や復帰処理の共通
化によりコードの共通化が実現できるため、復帰処理を
実現するためのプログラムを格納するメモリ容量を減ら
すことができ、例えば自動車用の各種制御装置等の組込
システムに適したメモリフットプリントが実現できる。
【0032】なお、全体診断プログラム及び自己診断プ
ログラムの処理にかかる時間は、タイマ割込みの間隔よ
り十分小さくする。また、全てのソフト部品の実行時間
は、タイマ割込みの時間より短くすればよい。なお、さ
らにソフト部品では検出しきれない異常は部品プラット
フォームよる処理で検出し、前述した共通フォーマット
に変換し、必要に応じて処理の間引き、特定のソフト部
品のみの再起動、システムの再起動、復帰不可能なソフ
ト部品の動作禁止等の復帰処理を行うようにするとよ
い。この処理は、上述したソフト部品における処理と同
様にして行うことができる。すなわち、スケジューラプ
ログラムによる処理において、ソフト的なウォッチドッ
グによる重要パスの動作チェック、各ソフト部品の実行
順序のチェック,各ソフト部品の負荷計測(処理時間の
計測)による異常モードチェック等を行いその値を所定
のRAM領域に記憶しておく。そしてタイマ割込みで実
行される全体診断プログラムによる処理で、この記憶さ
れた値に基づいて診断を行い復帰処理内容を決定して、
復帰処理を行う。
【0033】また、全体診断プログラムでは、各部品・
部品プラットフォーム間の状態不整合等をチェックする
ようにしたり、自己診断プログラムによる処理と全体診
断プログラムによる処理が連携して重要パスの動作チェ
ックを行うようにしてもよい。そして、各割込み処理や
部品呼び出し関数に処理時間測定機能を設け、正常状態
での処理負荷レベルを設定し、その範囲を超えた場合に
は、その情報を共通フォーマットに変換し全体診断プロ
グラムによる処理に通知するようにしてもよい。このよ
うなチェックは、例えばチェックを行う箇所に自己診断
プログラムのソースで定義されたマクロを記述すること
によって行うようにしてもよい。このようにすればチェ
ックしたい内容を柔軟に定義することもできる。また、
複数の処理パターンを用意してコンパイラオプション等
のオプション定義により複数のプログラムを生成するよ
うにしてもよい。このようにすれば、例えばデバッグ用
とリリース用のプログラムを1のソースから生成でき
る。
【0034】また、共通のフォーマットは、上述したよ
うな異常の度合いを規定するものでもよいし、例えば、
正常、状態不整合、ROM/RAM異常、ハードブロッ
ク異常、処理負荷異常のようにその異常の状態を示すも
のでもよい。このような場合には全体診断プログラムに
よる処理でその異常の内容に基づいた復帰処理を行うよ
うにすればよい。
【0035】そして、復帰処理は次のようにすることも
できる。すなわち、安全性を最優先することを基本と
し、「外部に判らないように復帰する/外部に判っても
実質影響のないように復帰する/一部の機能を止めてで
も復帰する/復帰をあきらめて完全に停止する」などで
ある。またその復帰機能はソフト部品と部品プラットフ
ォームの双方が持つようにしてもよい。
【0036】そして、ソフト部品や部品プラットフォー
ムによる処理で、何らかの異常を検出した際には、その
異常の要因を不揮発性メモリ等に記憶させておくように
するとよい。このようにすれば、不揮発性メモリの内容
を読み出してチェックすることで、異常要因の解析に利
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の電子制御装置(ECU)を含むボデー
系システムの構成を示す説明図である。
【図2】実施例のECUのROMに記憶されたプログラ
ムの構成及びそのプログラムによるCPUの処理を示す
説明図である。
【符号の説明】
20…電子制御装置(ECU) 20a…D席ドアECU 20b…P席ドアECU 20c…インパネECU 20d…ボデーECU 30…入力装置 30a…D席コントロールスイッチ 30b…P席コントロールスイッチ 40…出力装置 40a…D席ドアロックモータ 40b…P席ドアロックモータ 40c…ブザー 50…車内LAN 100…ボデー系システム

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンピュータに所定の機能を実現させるた
    めの機能実現プログラムと前記機能実現プログラムによ
    る処理の状態を診断させる診断機能を実現させるための
    自己診断プログラムとを含むプログラムである複数のソ
    フト部品と、前記各ソフト部品の前記機能実現プログラ
    ムを呼び出す機能を実現させるためのプログラムである
    スケジューラプログラムと前記自己診断プログラムによ
    る処理を呼び出す機能を実現させるためのプログラムで
    ある全体診断プログラムとを含むプログラムである部品
    プラットフォームとを含むプログラムであって、 前記機能実現プログラム及び前記スケジューラプログラ
    ムの実行中に割込んで前記全体診断プログラムによる処
    理を呼び出す機能を実現させるためのプログラムを含
    み、 前記自己診断プログラムは、診断結果を前記全体診断プ
    ログラムによる処理に渡す機能を実現させるためのプロ
    グラムを含み、 前記全体診断プログラムは、受け取った前記診断結果に
    基づく復帰機能を実現させるためのプログラムを含むこ
    とを特徴とするプログラム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のプログラムにおいて、 前記復帰機能は、複数の前記自己診断プログラムによる
    処理から受け取った複数の前記診断結果に基づいて実現
    されることを特徴とするプログラム。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のプログラムにお
    いて、 前記全体診断プログラムは、前記診断結果として前記ス
    ケジューラプログラムによる処理の状態を診断した結果
    を用いる機能を実現させるためのプログラムを含むこと
    を特徴とするプログラム。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のプログラ
    ムにおいて、 前記機能実現プログラム及び前記スケジューラプログラ
    ムの実行中に割込んで前記全体診断プログラムによる処
    理を呼び出す機能は、所定時間毎のタイマ割込みで実現
    させることを特徴とするプログラム。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のプログラ
    ムにおいて、 前記各ソフト部品における自己診断プログラムは、前記
    診断結果を所定の共通フォーマットで渡す機能を実現さ
    せるためのプログラムであることを特徴とするプログラ
    ム。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のプログラムにおいて、 前記所定の共通フォーマットは、異常の度合いを示す情
    報であることを特徴とするプログラム。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のプログラムにおいて、 前記異常の度合いを示す情報として、正常、仕様上の異
    常、ソフト部品レベルの初期化が必要な異常、システム
    の初期化が必要な異常、ソフト部品の動作を禁止すべき
    異常のいずれか1の情報を含むことを特徴とするプログ
    ラム。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載のプログラ
    ムにおいて、 前記全体診断プログラムは、前記診断結果に基づいて前
    記コンピュータのリセットを実行させるためのプログラ
    ムを含むことを特徴とするプログラム。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載のプログラ
    ムにおいて、 前記自己診断プログラム及び前記全体診断プログラム
    は、重要パスの通過チェック、処理負荷のチェック、状
    態不整合のチェックのうち少なくともいずれか1の診断
    を実行させるためのプログラムを含むことを特徴とする
    プログラム。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載のプログ
    ラムにおいて、 さらに、異常を検出した場合に該異常の内容を記憶装置
    に記憶させる機能を実現させるためのプログラムを含む
    ことを特徴とするプログラム。
  11. 【請求項11】所定の制御対象を制御する機能を備えた
    電子制御装置において、 請求項1〜10のいずれかに記載のプログラムをコンピ
    ュータが実行することにより前記診断機能及び前記復帰
    機能を実現することを特徴とする電子制御装置。
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