JP2002229631A - 製品コストの評価方法とその装置、これらを用いた収益性の評価方法とその装置、投資戦略決定方法 - Google Patents

製品コストの評価方法とその装置、これらを用いた収益性の評価方法とその装置、投資戦略決定方法

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JP2002229631A
JP2002229631A JP2001028540A JP2001028540A JP2002229631A JP 2002229631 A JP2002229631 A JP 2002229631A JP 2001028540 A JP2001028540 A JP 2001028540A JP 2001028540 A JP2001028540 A JP 2001028540A JP 2002229631 A JP2002229631 A JP 2002229631A
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cost
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Masaharu Kojima
正春 小島
Eiji Ichitenmanya
英二 一天満谷
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産計画や投資戦略が将来の実績に合いやす
く、また正しく評価できて、生産や投資戦略が行き詰ま
らないようにする。 【解決手段】 目的物を生産するのに投入する生産総費
用A、この総費用Aのもとに生産した製品の総生産量
B、この総生産量Bにおける製品の良品率ないしはこれ
に代わる製品の良品数Cまたは不良品数、のそれぞれを
パラメータとして取り扱い、これらパラメータから製品
の生産コストを算出して可視化し、これを良品総費用D
として評価し、生産計画や投資戦略を決定し、また評価
することにより、上記の目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として工業生産
における製品コストの評価方法とその装置、これらを用
いた収益性の評価方法、投資戦略決定方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】生産を計画し、収益性を見込み、投資戦
略を立てる上で、製品1つを製造するのに必要な製品コ
ストが、目的に対応した製造原価、工場原価、生産数な
どから予め算出される。従来、製造原価は図1(a)に
製造原価方式の収支を示すように、材料費、人件費、設
備費、諸経費にて算出され、これに配賦費を加えて工場
原価が算出されている。また、生産数は、生産台数と生
産設備の仕様等から割り出した生産能力とで算出してい
る。このように算出した製造原価や工場原価を生産数で
除して製造段階、工場段階での製品1つについて必要な
費用、つまり製品コストを算出している。また、生産計
画や投資戦略、収益性などを評価するのに、製品の引渡
し数と製品コストとを掛け合わせたものを引渡し額とし
て取り扱っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のよ
うな生産計画、投資戦略、収益性の評価では、実際の総
生産量や売上高と総生産量に要した総費用との関係にお
いて、ときとして大きな差が生じ、確度の高い判断がで
きず生産や投資戦略が行き詰まることが多々ある。これ
につき本発明者等が種々に検討し、研究を重ねたとこ
ろ、上記のようにして算出する製造原価や工場原価、売
上高は製品1つにつき実際に必要とした費用が一部欠落
しているのが主な原因であると判明した。
【0004】具体的には、出荷され、引渡される製品は
売りが立つ良品であるのに、この良品が生産されるのに
必要とした総費用が見過されている。例えば、投入材料
の不良材料分や加工の失敗などによる材料ロス、売りが
立たない不良品による製品ロス、不良品の廃棄費や廃棄
に伴う環境費、生産を開始時の立ち上げ教育費や、生産
を開始してから歩留まりを上げたりするために行う作業
者の技能教育費、生産の開始から所定の歩留まり率まで
の立ち上げ期間におけるロスなども、良品を生産するの
に投入した費用として算出されるべきである。
【0005】図29に示す各種製造分野における加工精
度と労働装備率との関係において、製鉄業や建設業、A
V機器組み立てといった加工精度の低い技術分野では工
程不良の改善が製品コストに大きく影響し、半導体分野
や液晶分野といった加工精度の高い技術分野ほど製品の
歩留まり向上が製品コストに大きく影響するので、それ
らが製品コスト改善の大きな対象になる。
【0006】また、電子部品を回路基板などに実装する
場合、図30に示すように挿入型電子部品の手動挿入か
ら挿入機による自動挿入へ、自動挿入からチップ型の電
子部品の装着機による自動装着へ、自動装着からベア半
導体素子のベア実装機による自動接合へと、実装密度の
高まりとともに実装の作業形態が、人手作業が可能な段
階から人手作業ができず装置作業が必須となって行く変
化に伴い、製品コスト改善の対象が、人手作業の管理、
設備のメンテナンス管理、設備操作・運転管理へと順次
に変化し、人手作業が可能な範囲では品質改善やQCサ
ークル活動などが行われていたが、装置作業が必須とな
ると歩留まりの向上や立ち上げ期間の短縮が重要になっ
ている。
【0007】さらに、パーソナルコンピュータ、情報通
信機器、AV機器、家庭電化製品、産業機器、自動車と
いったセット組み立て製品は、図31(a)に示すよう
に工程不良などで不良品となっても手直しをして良品と
することができるが、半導体、液晶パネル、記録媒体、
電池、電子部品、基幹部品といったデバイス製品は、図
31(b)に示すように工程不良などで不良品となる
と、手直しがきかず直ちに仕損となる。
【0008】従って、上記従来の方式では、電子部品の
高密度実装機やデバイス製品の生産における近時の精密
な作業機器になるほど、生産計画や投資戦略に対する実
績が大きくずれて行ったり、生産計画や投資戦力の評価
が実績と合わず生産や投資戦略に行き詰まりが生じやす
い。特に、大量生産時代は大型の量産設備が有益とされ
てきたが、昨今の多様化した顧客の要求に応えるには多
品種少量生産の方が適してきており、設備決定の見極め
も含め適正な投資戦略が困難になっている。
【0009】本発明の目的は、生産計画や投資戦略が将
来の実績に合いやすく、また正しく評価できて、生産や
投資戦略が行き詰まらず、多品種少量生産であっても投
資効果が高められる、製品コストの評価方法とその装
置、これらを用いた収益性の評価方法とその装置、それ
らによる投資戦略決定方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の製品コストの評価方法は、目的物を生産
するのに投入する生産総費用、この総費用のもとに生産
した製品の総生産量、この総生産量における製品の良品
率ないしはこれに代わる製品の良品数または不良品数、
のそれぞれをパラメータとして取り扱い、これらパラメ
ータから製品を生産するコストを算出して可視化し、こ
れを良品総費用として評価することを特徴としている。
【0011】このような構成では、前記パラメータにお
ける総生産量に対応した生産総費用と良品数との関係に
おいて、全良品を生み出すのに必要とした総費用から良
品1つの生産に要した実際の費用を算出して可視化し、
良品総費用として人が評価できるようにするので、製品
コストを抜け費用の影響少なく、または影響なしにほぼ
正しく判断することができ、生産計画や投資戦略を立て
るのに将来の実績に合いやすくできるし、生産計画や投
資戦略、収益性を適正に評価することができ、生産や投
資戦略が行き詰まらないようにできる。特に、設備規模
の大小の違いに良品総費用への種々な影響をも的確に評
価、判定して、多品種少量生産においても投資効果を高
めることができる。
【0012】ここで、製品コストの算出は、例えば、生
産総費用を良品数で除算して行うことができる。
【0013】生産総費用は、初期トレーニング費、設備
状態、工程状況、材料欠陥、製品歩留まり損、工程歩留
まり、廃棄費、立ち上げ技術費、技能教育費、を少なく
とも1つを含むのが有効であり、これらが1つでも多く
含むほど生産総費用の精度は上がる。
【0014】特に、歩留まり損は、製品が不良品である
ことによるロス、不良品を廃棄処理するために必要なロ
スを含むのが有効であり、廃棄処理のロスは、環境対策
費を含むのが有効であり、総生産量は、予想稼働時間を
ベースにした予想生産数に対し実稼働時間における生産
数であるのが有効である。
【0015】生産総費用は、キャッシュフロー対応費、
信頼性能コスト、稼働ロスコスト、システム費、環境
費、の少なくとも1つを含むのが有効であり、1つでも
多く含むほど生産総費用の精度が上がる。
【0016】本発明の製品コストの評価装置は、目的物
を生産するのに投入する生産総費用、この総費用のもと
に生産した製品の総生産量、この総生産量における製品
の良品率ないしはこれに代わる製品の良品数または不良
品数、のパラメータをそれらの入力により収集し、収集
したパラメータから製品を生産するコストを算出する演
算手段と、演算した生産コストを良品総費用として評価
し可視化する可視化手段とを備えたことを特徴としてい
る。
【0017】このような構成では、演算手段は生産総費
用、総生産量、製品の良品に関する数や率などの3種類
のパラメータを入力されれば、これらから自動的に1つ
の製品に要した総費用である生産コストを自動的に正確
に演算することができ、演算された生産コストは可視化
手段によって良品総費用として可視化するので、演算結
果が製品1つの良品総費用として人などに認識され、利
用されるようにすることができる。可視化手段は良品総
費用に専用のものであれば、演算結果だけを数値やグラ
フ類などで可視化して示せばよいが、そうでない場合は
良品総費用であることの意義付けのもとに可視化するの
がよいし、演算パラメータとともに可視化すれば、良品
総費用とその中身が視認されるので好適である。演算手
段は、例えば、生産総費用を良品数で除算して製品コス
トを算出することができ、可視化手段は、演算手段によ
る演算結果を画面に表示する表示手段またはおよび記録
紙に印字する印字手段であるのが好適である。
【0018】演算手段は、手入力、記録媒体、有線また
は無線の通信の少なくとも1つによってパラメータが入
力されるようにすることができ、総生産費用に関するデ
ータは経営系にて作成されたものが入力され、生産総
数、良品率ないしはこれに代わる製品の良品数または不
良品数に関するデータは生産系にて作成されたものが入
力されるようにすると、関係部署のデータが直接入力さ
れるので間違いが生じにくく好適である。
【0019】上記において、さらに、良品率ないしはこ
れに代わる製品の良品数または不良品数に関するデータ
を生産系において集計する集計手段を備え、集計手段は
集計したデータを記録紙、記録媒体、有線、無線の少な
くとも1つによって出力し、演算手段への手または自動
での入力に供するようにすることができる。
【0020】このような構成では、上記の場合に加え、
さらに、生産系に関する必要なデータが集計手段によっ
て自動的に集計され、集計したデータを記録紙、記録媒
体、有線、無線の少なくとも1つによって出力して、
手、あるいは自動で演算手段に入力されるようにするの
で、生産系でのデータ収集に手間が掛からなくなり、長
期の集計にも好適である。集計したデータが自動で演算
手段に入力されると、さらに手間が掛からなくなる。
【0021】集計手段は、生産系における工場毎、生産
ライン毎、生産工程毎、またはおよび生産装置毎、のデ
ータを、それらの制御機器から直接、手入力、記録媒
体、または通信(有線または無線)の少なくとも1つに
よって入力されて、それを集計するものとすることがで
き、これにより、生産系における工場毎、生産ライン
毎、生産工程毎、またはおよび生産装置毎のそれら入力
データから必要な単位ないしは範囲で各種の評価ができ
る。
【0022】本発明の収益性の評価方法は、評価対象と
する、生産を司る生産系において、目的物を生産するの
に投入した生産総費用のデータと、この生産総費用のも
とに生産した製品の総生産量のデータと、この総生産量
における製品の良品率ないしはこれに代わる製品の良品
数または不良品数のデータを収集してパラメータとして
取り扱い、これらパラメータから製品を生産するコスト
を算出してこれを良品総費用として評価し、前記生産系
が製品を引渡すときの引渡し額から良品総費用を差し引
いた額を可視化し、収益性を評価することを特徴として
いる。
【0023】これにより、良品を生産するのに要した総
費用である生産コストを算出して良品総費用として評価
し、引渡し額から良品総費用を差し引いた額を可視化し
人が評価できるようにするので、良品の生産に必要な費
用をほぼもれなく良品の引渡し額から差し引いた実際に
近い収益を人が認識して収益性を適正に評価することが
できる。
【0024】収集するデータの内訳や収集方法は、製品
コストの評価方法の場合と特に変わらない。また、収益
性の評価も工場別、ライン別、工程別、またはおよび装
置別に行うことができる。
【0025】本発明の収益性の評価装置は、評価対象と
する生産系において、目的物を生産するのに投入した生
産総費用のデータと、この生産総費用のもとに生産した
製品の総生産量のデータと、この総生産量における製品
の良品率ないしはこれに代わる製品の良品数または不良
品数のデータ、の良品生産入力により受けて収集し、こ
れら収集したパラメータから製品の生産コストを算出す
る演算手段と、演算結果を良品総費用として評価し、こ
れを前記生産系が製品を引渡すときの引渡し額から差し
引いた額を収益性の評価データとして可視化する可視化
手段とを備えたことを特徴としている。
【0026】このような構成では、上記のような収益性
の評価データを、自動的な演算と可視化によって、手間
なく確実に生成して人に認識させ、生産計画データや投
資戦略データ、あるいは他の工場、ライン、工程、また
はおよび装置、他社、他分野などとの比較に供すること
ができる。
【0027】可視化手段は、演算手段による演算結果を
画面に表示する表示手段またはおよび記録紙に印字する
印字手段であるのが好適である。
【0028】演算手段および可視化手段は、生産ライン
毎に収集した良品生産パラメータおよび引渡し額につき
演算して可視化するようにでき、これによって、収益性
の評価を生産ラインごとに行い、優劣を判定することが
できる。
【0029】良品生産パラメータの入力や収集は、生産
コストの評価方法の場合と特に変わらないし、可視化手
段は製品コストの評価装置のそれと特に変わることはな
い。
【0030】本発明の投資戦略決定方法は、上記製品コ
ストの評価結果における良品総費用を構成する各コス
ト、費用項目毎の条件データにつき、それぞれをシミュ
レートしたときのコスト変化から良品総費用への感度を
判定して、判定の結果を可視化し、感度の高いコスト項
目、費用項目を優先してコスト低減の対象に決定するこ
とを特徴としている。
【0031】このような構成では、良品総費用が良品を
生産するのに必要なコスト、費用項目をほぼ網羅してお
り、それらコスト、費用項目毎の条件データのそれぞれ
につきシミュレートして、それらの良品総費用への感度
を判定するので、感度の高いコスト、費用項目を優先し
てコスト低減の対象にするにも、コストの低減効率が高
いコスト、費用項目を間違いなく選択してそれをターゲ
ットにした効果的なコスト低減を図ることができる。
【0032】感度は、コスト項目データを変化させたと
きのコストの変化を、数値、グラフの少なくとも1つに
て可視化し、コスト項目毎の感度の違いを数値、グラ
フ、感度の順位、感度差の少なくとも1つにて可視化す
ると、感度の順位や感度の違いの度合が分かりやすく優
先順位を判定しやすい。
【0033】本発明の投資戦略決定方法は、また、前記
各場合の製品コストの評価結果によって、他の工場、ラ
イン、工程、またはおよび装置におけるコストデータ、
または他社、他業界のコストデータと比較し、劣ってい
る場合に、優れている他のコストデータを到達しまたは
越えるべき改善目標データと決定することを特徴として
いる。
【0034】このような構成では、他と比較して劣って
いるコスト、費用項目につき、他のコストデータを到達
しまたは越えるべき改善目標データに決定するので、価
格競争に負けないか打ち勝つ製品の生産を目指すことが
でき、特に、そのような目標設定を行うコスト、費用項
目は良品総費用を構成するもので、良品を生産するのに
必要なコスト、費用項目をほぼ網羅して行うので、重要
なコスト、費用項目が脱落して目標設定できない結果を
招くようなことを回避することができる。
【0035】この場合、最も劣り、あるいは一定割合以
上劣っているコスト項目を判定し改善対象に決定する
と、効果的なコスト改善を図ることができる。
【0036】本発明の投資戦略決定方法は、また、前記
収益性の評価方法による評価結果の評価データによっ
て、次世代ラインの仕様またはおよびコスト競争力を判
定し、投資の戦略を決定することを特徴としている。
【0037】このような構成では、次世代ラインの仕様
またはおよびコスト競争力を判定し、投資戦略を決定す
るのに、良品の生産に必要な各コスト、費用項目をほぼ
網羅し、実際の製品コストにほぼ対応する良品総費用を
基に評価した収益性から、次世代ラインの仕様やコスト
競争力を判定するので、良品の生産に必要なコスト、費
用項目が抜けて判定を誤ったり、判定が大きく狂うよう
なことが防止できる。
【0038】本発明の投資戦略決定方法は、前記各場合
の製品コストの評価結果から、その固定費に生産系利益
を加算した限界利益、または損益分岐点を判定し、限界
利益を確保できるようにロス項目、出費項目、生産性の
向上に関する事項、材料および製品の歩留まりの関係を
可視化し、この関係を有利に改善する方針を決定するこ
とを特徴としている。
【0039】このような構成では、固定費に生産系利益
を加算した限界利益、または損益分岐点を判定し、限界
利益を確保できるようにするのに、良品の生産に必要な
各コスト、費用項目をほぼ網羅し、実際の製品コストに
ほぼ対応する良品総費用を基に判断するので、良品の生
産に必要なコスト、費用項目が抜けて判断を誤ったり、
判断が大きく狂うようなことが防止できる。しかも、前
記判断に必要なロス項目、出費項目、生産性向上に関す
る項目、材料および製品の歩留まりの関係を可視化する
ので、互いの関係を人が明確に認識しながらそれらのデ
ータをシミュレートして比較し、好適な条件を容易に作
り出し見つけ出すことができる。
【0040】稼働速度、装置の改造や変更、作業員のシ
フト体制など生産性に関わる項目による増産体制と必要
コストとの関係から、シフトによる生産性向上を実行す
るかどうかを見極めるようにすると、好適な投資戦略を
展開できる。
【0041】本発明の投資戦略決定方法は、また、前記
各場合の製品コストの評価結果から、地域性、生産系の
規模および配置、投資時期によるコストの差、材料、製
品の歩留まり、稼働ロス、によるコストの差につき、他
社と比較して競争力を分析し、製品コスト改善の投資の
戦略を決定することを特徴としている。
【0042】このような構成では、他社との競争力を分
析し、製品コスト改善の投資の戦略を決定するのに、良
品の生産に必要な各コスト、費用項目をほぼ網羅し、実
際の製品コストにほぼ対応する良品総費用の各項目にお
ける必要項目に関し、他社と異なることの多い地域性、
生産系の規模および配置、投資時期などによる他社との
差を配慮するので、他社との競争力を適正に判定し的確
な投資戦略を決定することができる。
【0043】本発明の投資戦略決定方法は、また、前記
各場合の製品コストの評価結果から、生産規模や投資金
額による内製時のコスト力と、材料や製品の歩留まりロ
ス撲滅によるコスト力とを算定し、これらから内製を行
うかどうかを決定することを特徴としている。
【0044】このような構成では、良品の生産に必要な
各コスト、費用項目をほぼ網羅し、実際の製品コストに
ほぼ対応する良品総費用のもとに、生産規模や投資金額
による内製時のコスト力と、材料や製品の歩留まりロス
撲滅によるコスト力とを適正に算定することができ、こ
れらから内製を行うかどうかを的確に決定することがで
きる。
【0045】本発明の投資戦略決定方法は、また、前記
各場合の製品コストの評価結果によって、目標の良品総
費用を達成するための投資条件、またはおよび材料、製
品の歩留まり、および稼働ロスを改善するのに予想され
る投資額を算定し、この投資条件またはおよび投資額に
よって目標の良品総費用を満足するための許容投資額を
決定することを特徴としている。
【0046】このような構成では、良品の生産に必要な
各コスト、費用項目をほぼ網羅し、実際の製品コストに
ほぼ対応する良品総費用を基に、目標の良品総費用を達
成するための投資条件、材料、製品の歩留まり、稼動ロ
スを改善するのに予想される投資条件または投資額が、
必要に応じ適性に設定することができ、的確な投資戦略
を決定することができる。
【0047】本発明の投資戦略決定方法は、また、大規
模生産系における生産開始からフル生産に向けた増産体
制と、小規模生産系における生産開始から生産系増設に
よるフル生産に向けた段階的な増産体制とにつき、所定
の立ち上がり期間経過時点、およびその後の単位通常期
間が経過する時点毎に、前記各場合の製品コストの評価
を段階的に行い、大小2つ以上の生産系における、立ち
上がり期間の立ち上がり歩留まり、および各単位通常期
間における到達歩留まりによる材料ロス、立ち上げ時間
ロスのコストを算出して可視化し、所定の時点での前記
大小2つ以上の生産系の優劣を判定し、生産系の規模切
換え、選定のデータとすることを特徴としている。
【0048】このような構成では、大規模生産系と小規
模生産系との、生産開始からフル生産に向けた段階的な
増産体制につき、所定の立ち上がり期間経過時点、その
後の単位通常期間が経過する時点毎の製品コストを、良
品の生産に必要な各コスト、費用項目をほぼ網羅し、実
際の製品コストにほぼ対応する良品総費用として評価
し、大小2つ以上の生産系における、立ち上がり期間の
立ち上がり歩留まり、および各単位通常期間における到
達歩留まりによる材料ロス、立ち上げ時間ロスのコスト
を適正に算出して可視化するので、人がこれを認識して
所定の時点での大小2つ以上の生産系の優劣を良品総費
用とそれを算出した各コスト項目および費用項目から的
確に判定し、有利な生産系に誤りなく切り替えて行く投
資戦略を決定することができ、近時の大量生産時代から
多品種少量生産時代への変化に対応するのに好適であ
り、多品種少量生産においても投資戦略の効果を高める
ことができる。
【0049】前記優劣の判定は、製品の生産周期内とな
る期間で行うことにより、生産周期内での生産において
無駄なく投資戦略を立てることができる。
【0050】また、前記優劣の判定は、累積利益、到達
している製品コスト、累積投入資金も併せ比較し行うこ
とにより、より厳密な優劣の判定ができ投資戦略の的確
性が向上する。
【0051】前記大小2つ以上の生産系における優劣の
判定に基づく生産系の規模切換えの決定は、切換えによ
るロスも評価して行うことにより、さらに厳密な優劣の
判定ができ、その分投資戦略の的確性がさらに向上す
る。
【0052】本発明のそれ以上の特徴および作用は、以
下に続く詳細な説明および図面の記載から明らかにな
る。本発明の各特徴は可能な限りにおいてそれ単独で、
あるいは種々な組み合わせで複合して用いることができ
る。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
製品コストの評価方法とその装置、これらを用いた収益
性の評価方法とその装置、投資戦略決定方法につき図を
参照しながら詳細に説明し、本発明の理解に供する。
【0054】本実施の形態は、まず、製品コストを良品
の生産に必要な総費用である良品総費用にて評価し、良
品1つを生産するのに要する実際の費用から製品コスト
を適正に捉えられるようにする。これによって、生産計
画、投資戦略が実際の生産とのずれが少なくなるように
立てられるし、生産計画、投資戦略の評価や収益性の評
価が的確に行えるようになる。特に、設備規模の大小の
違いに良品総費用への種々な影響をも的確に評価、判定
して、多品種少量生産においても投資効果を高めること
ができる。
【0055】そこで、図1(b)に示すように、良品を
生産するのに製造段階で必要なコスト、費用を、投入材
料や欠陥材料を含む材料に関する項目、人件費や技能な
どの教育費を含む人に関する項目、設備焼却費、稼動
費、メンテナンス費などを含む設備に関する項目、仕損
材料廃棄費や公害処理費などを含む環境に関する項目の
総和とし、これに配賦費を加算して生産総費用Aとす
る。一方、生産した製品数は良品の数で見て、生産総費
用Aを良品数Cで除することにより良品1つを生産する
のに実際に費やした費用、つまり良品総費用Dを算出す
る。
【0056】良品数Cは図2(a)に示すように、年間
理想稼働時間H0である24時間×365日=8,76
0時間をベースに、定常的な休日数、年次メンテナンス
日数、作業時間稼働率を見た年間生産延べ時間である予
測稼働時間H1に対し、さらに、保全準備時間や設備相
乗稼働率を差し引いた年間の延べ稼働時間H2、つまり
1日の作業員のシフト体制を含む正味稼働時間×年間稼
動日数により年間での正味の延べ稼働時間H2として、
これに設備の生産能力を掛け合わせて算出し、生産量を
予測する。なお、予測した稼働時間は月間での正味の稼
働延べ時間Hmとして短期で評価することも行われる。
【0057】一方、このようにして生産され、予測され
る予測生産量であっても、立ち上がりの悪さや、各種ト
ラブルによって予測通りの稼働ができないことが多く、
図2(b)に示す空運転時間が生じるので、実際の総生
産量Bは予測生産量を下回る。しかも、実際に生産でき
た総生産量Bにおいても歩留まり損失数が発生するの
で、累計歩留まり率から良品算出数量を良品数Cとして
算出し、または見込む。また、歩留まり損失数には素材
欠陥損失数と工程品質損失数とが含まれている。製品コ
ストを改善するには良品総費用Dに関わるコスト、費用
の項目がより具体的であるほど、改良対象が明確になる
し、改良による変化、効果がより明瞭になる。
【0058】ここで、本実施の形態での製品コストの評
価方法として、説明の便宜のために図3に示すような部
品工場1と組み立て工場2とで製品を工場生産する場合
の一例を示すと、目的物を生産するのに投入する図1
(b)に示す工場での生産総費用A、つまり生産系を工
場レベルで見た工場総費用に相当する。この生産総費用
Aのもとに生産した製品の総生産量B、この総生産量B
における製品の良品率C1ないしはこれに代わる製品の
良品数Cまたは不良品数、のそれぞれをパラメータとし
て取り扱い、これらパラメータから製品を生産するコス
トを算出して、紙面上や画面上などに可視化し、これを
良品総費用Dとして評価する。具体的には、工場総費用
Aを良品数Cで除算するか、工場総費用Aに歩留まり率
C1を掛け合わせるかして良品総費用Dを算出すること
ができる。
【0059】このように、前記パラメータにおける総生
産量Bに対応した生産総費用Aと良品数Cとの関係にお
いて、全良品を生み出すのに必要とした生産総費用Aか
ら良品1つの生産に要した実際の費用を算出して紙面上
や画面上などで可視化し、良品総費用Dとして人が評価
できるようにするので、製品コストを抜け費用の影響少
なく、または影響なしにほぼ正しく判断することができ
る。特に、前記可視化は良品総費用Dを演算したパラメ
ータとともに行うことにより、良品総費用Dに併せそれ
の構成内容やそれらの関係をも人が同時に視認すること
ができ、生産状況やコスト改善対象の検討などがより具
体的に的確にできる。
【0060】これらによって、生産計画や投資戦略を立
てるのに将来の実績に合いやすくできるし、生産計画や
投資戦略、収益性を適正に評価することができ、生産や
投資戦略が行き詰まらないようにできる。また、設備規
模の大小の違いに良品総費用への種々な影響をも的確に
評価、判定して、多品種少量生産においても投資効果を
高めることができる。
【0061】生産総費用Aは既述した図1(b)に示す
各項目の費用の総和とするが、説明の便宜のため、図4
に、本発明での限界利益、キャッシュフロー対応費など
を工場利益を含む引渡し額から見る場合の費用項目の分
類、および既述した従来の製造原価方式の費用分類とと
もに示している。
【0062】前記生産総費用Aに、初期トレーニング
費、設備状態、工程状況、材料欠陥、製品歩留まり損、
工程歩留まり、廃棄費、立ち上げ技術費、技能教育費、
といった従来コスト計算に入れられていなかったこれら
コスト項目、費用項目の少なくとも1つを含むことによ
って、従来よりも正確な製品1つあたりの生産に掛かる
生産総費用Aが算出できる。しかも、それらが1つでも
多く含むことにより生産総費用Aおよび良品総費用Dの
精度が高まる。
【0063】さらに、歩留まり損は、製品が不良品であ
るため売りが立たないことによるロス、不良品を廃棄処
理するために必要なロスを含むのが有効であり、廃棄処
理のロスは、環境対策費を含むのが有効であり、総生産
量Bは、前記したように予測稼働時間H2 をベースにし
た予測生産量に対する実稼働時間における生産数である
のが有効である。
【0064】生産総費用Aは、また、図4に示すキャッ
シュフロー対応費、信頼性能コスト、稼働ロスコスト、
システム費、生産に伴う環境費、といった従来コスト計
算に入れられていなかったこれらコスト項目、費用項目
の少なくとも1つを含むことによって、従来よりも正確
な製品1つあたりの生産に掛かる生産総費用Aが算出で
きる。しかも、それらが1つでも多く含むことにより生
産総費用Aおよび良品総費用Dの精度が高まる。
【0065】本実施の形態の上記のような製品コストの
評価方法を達成する装置としては、図3に示すように、
目的物を生産するのに投入する生産総費用A、この生産
総費用Aのもとに生産した製品の総生産量B、この総生
産量Bにおける製品の良品率C1ないしはこれに代わる
製品の良品数Cまたは不良品数、のパラメータをそれら
の入力により収集し、収集したパラメータから製品の生
産コストを算出する演算手段3と、演算した生産コスト
を良品総費用Dとして評価し可視化する可視化手段4と
を備えている。
【0066】演算手段3は生産総費用A、総生産量B、
製品の良品に関する数Cや率C1などの3種類のパラメ
ータを入力されれば、これらから自動的に1つの製品を
生産するコストを自動的に正確に演算することができ、
演算された生産コストは可視化手段4によって良品総費
用Dとして可視化するので、演算結果が製品1つの良品
総費用として人に認識され、利用されるようにすること
ができる。可視化手段4は良品総費用Dに専用のもので
あれば、演算結果だけを数値やグラフ類などで可視化し
て示せばよいが、そうでない場合は良品総費用Dである
ことの意義付けのもとに可視化するのがよい。
【0067】演算手段3は専用機器でもよいが、例え
ば、図3に示す投資戦略室10にて投資戦略や投資戦略
に用いられるコンピュータなど既設のものを共用するこ
とができる。可視化手段4は、図3に示すように演算手
段3による演算結果を画面に表示する表示手段としての
モニタ4aまたはおよび記録紙5に印字する印字手段と
してのプリンタ4bなどが好適である。もっとも、演算
結果を他に利用されるようにするには各種記録ディスク
などよりなる記録媒体11に記録して出力することもで
きる。また、有線、無線によって出力することもでき
る。可視化手段は演算結果だけでなく、既述したように
演算を行ったパラメータをも同時に表示することによ
り、算出した良品総費用Dの中身およびそれらの関係が
同時に視認でき、製品の生産状況やコスト改善対象の検
討、投資戦略が的確に行える。
【0068】演算手段3は、手入力、記録媒体6、有線
または無線7での通信の少なくとも1つによってパラメ
ータが入力されるようにすることができ、主として、生
産総費用Aに関するデータはそれを計画し、実行する例
えば投資戦略室10を含む経営系22にて作成されたも
のが入力され、総生産量Bや良品率C1ないしはこれに
代わる製品の良品数Cまたは不良品数に関するデータは
生産を司る、例えば部品工場1および組み立て工場2を
含む生産系23にて作成されたものが入力されるように
すると、関係部署のデータが直接入力されるので間違い
が生じにくく好適である。
【0069】このような入力のために、特に、良品率C
1ないしはこれに代わる製品の良品数Cまたは不良品数
に関するデータを生産系23において集計する集計手段
21を備えるのが好適であり、集計手段21は、集計し
たデータを各種用紙などの記録紙5、記録媒体6、有
線、無線7の少なくとも1つによって出力し、演算手段
3への手または自動での入力に供するようにすることが
できる。
【0070】経営系22からの生産総費用Aは生産計画
や投資戦略、あるいは生産状況、投資状況、収益状況な
どを教育室51や開発室52などとそれらにあるコンピ
ュータ53、54などを通じ連携しながら管理するのに
演算手段3を用いて行い、記録しておくことにより、そ
れらの内の良品総費用Dを算出するのに必要なデータを
そのまま読み出して利用でき、特別な集計手段は不要と
なる。また、別の演算手段にて生産計画や投資戦略、あ
るいは生産状況、投資状況、収益状況などが管理される
場合でも、その演算手段自身に集計され記憶されること
になるので、それらの必要データの入力を受ければ足り
る。
【0071】集計手段21は生産系23に関するデータ
の内の良品総費用Dの算出に必要なデータを自動的に集
計し、集計したデータを記録紙5、記録媒体、有線、無
線7の少なくとも1つによって出力して、手、あるいは
自動で演算手段3に入力されるようにするので、生産系
23でのデータ収集に手間が掛からなくなり、長期の集
計にも好適である。集計したデータが自動で演算手段3
に入力されると、さらに手間が掛からなくなる。
【0072】生産系23の集計手段21は、生産系23
における部品工場1、組み立て工場2毎、生産ライン3
1〜33、34〜36毎、生産工程37〜48毎、また
はおよび生産装置49a〜49r毎、のデータを、直
接、または手入力、記録媒体、または通信(有線または
無線)の少なくとも1つによって入力されて、それを集
計するものとすることができる。これにより、生産系2
3における工場1、2毎、生産ライン31〜33、34
〜36毎、生産工程37〜48毎、またはおよび生産装
置49a〜49r毎のそれら入力データから必要な単位
ないしは範囲で各種の評価ができる。
【0073】このような集計手段21は部品工場1、組
み立て工場2に設置された生産管理用のコンピュータを
兼用するのが好適である。また、部品工場1、組み立て
2に分かれていることに対応してそれを総合した生産管
理を行う上位コンピュータを設けて演算手段3との間の
データを集中的に授受してもよいし、演算手段3が上位
コンピュータとなって集計し管理してもよい。
【0074】図3に示す例では、集計手段21は部品工
場1および組み立て工場2でのホスト制御装置21a、
21bを個別に持ち、ホスト制御装置21aは対応する
各生産ライン31〜33毎、生産工程37〜42毎の生
産系データが中間制御装置21a1〜21a3から、そ
れら生産ライン31〜33に属する各生産装置49a〜
49l毎の生産系データがそれらに専用の下位制御装置
21a11〜21a22から、それぞれ自動的に入力さ
れ、入力された各データを集計して前記演算手段3に無
線7などにて自動入力する。もっとも、生産工程37〜
45での生産管理やこれらからの生産系データ入力のた
めに別の中間制御装置を設けることもできる。
【0075】ホスト制御装置21bは対応する各生産ラ
イン34〜36毎、生産工程43〜48毎の生産系デー
タが中間制御装置21b1〜21b3から、それら生産
ライン34〜36に属する各生産装置49m〜49r毎
の生産系データがそれらに専用の下位制御装置21b1
1〜21b16から、それぞれ自動的に入力され、入力
された各データを集計して前記演算手段3に無線7など
にて自動入力する。もっとも、生産工程43〜48での
生産管理やこれらからの生産系データの入力のために別
の中間制御装置を設けることもできる。
【0076】本実施の形態の製品コストを上記良品総費
用Dとして評価する手法は、収益性の評価にも好適であ
る。そこで、本実施の形態の収益性の評価方法は、評価
対象とする、生産を司る生産系23において、目的物を
生産するのに投入した生産総費用Aのデータと、この生
産総費用Aのもとに生産した製品の総生産量Bのデータ
と、この総生産量Bにおける製品の良品率C1ないしは
これに代わる製品の良品数Cまたは不良品数のデータを
収集してパラメータとして取り扱い、これらパラメータ
から製品の生産コストを算出してこれを良品総費用Dと
して評価し、前記生産系23が製品を出荷し図3に示す
ように引渡すときの引渡し額Eから良品総費用Dを差し
引いた額を可視化し、収益性を評価する。
【0077】このように、既述した売りが立つ良品を生
産するのに要した総費用である生産コストを算出して良
品総費用Dとして評価し、引渡し額Eから良品総費用D
を差し引いた工場利益Eを可視化し人が評価できるよう
にするので、良品の生産に必要な費用をほぼもれなく良
品の引渡し額Eから差し引いた実際に近い図4に示す工
場利益Fを人が認識して収益性を適正に評価することが
でき、生産系の問題点や努力目標の設定、投資戦略の見
直しや変更、改善を的確に図れる。
【0078】収集するデータの内訳や収集方法は、製品
コストの評価方法の場合と特に変わらない。また、収益
性の評価も工場別、ライン別、工程別、またはおよび装
置別に行うことができる。なお、上記のようなE−D=
Fの演算も演算手段3が良品総費用Dの算出に併せ行う
ことができ、工場利益Fを良品総費用Dと同様にして、
単独で、あるいは良品総費用Dとともに画面表示や印字
などで可視化し、出力することができる。この場合も、
演算した内訳を同時に可視化するのが好適である。
【0079】演算手段3によると上記のような収益性の
評価を、自動的に手間なく確実に生成して人に認識さ
せ、生産計画データや投資戦略データ、あるいは他の工
場、ライン、工程、またはおよび装置、他社、他分野な
どとの比較に供することができる。演算手段3および可
視化手段4は、また、生産ライン毎に収集した良品生産
パラメータおよび引渡し額Eにつき演算して可視化する
ようにでき、これによって、収益性の評価を生産ライン
ごとに行い、優劣を判定することができる。
【0080】本実施の形態の上記のような良品総費用D
やこれによる収益性の評価手法によれば、実際に即した
生産計画や投資戦略を決定することができる。そこで、
以下に幾つかの投資戦略決定方法について述べる。例え
ば、上記製品コストの評価結果における良品総費用を構
成する各コスト、費用項目毎の条件データにつき、それ
ぞれをシミュレートしたときのコスト変化から良品総費
用への感度を判定して、判定の結果を可視化し、感度の
高いコスト、費用項目を優先してコスト低減の対象に決
定する。
【0081】図5〜図13にある型成形品の場合の第1
の具体例を示してある。図5〜図12は良品総費用を構
成する主なコスト、費用項目である、品質歩留まり、人
員、製造経費、直材費、設備歩留まり、スループット、
設備金額、金型費のそれぞれにつき、コスト、費用をA
からFの6段階で低減を図った場合に、良品数量と良品
総費用である製品コストとがどのように変化するかをシ
ミュレートしたもので、傾きの大きなものほど、製品コ
スト改良の感度が高いことを示す。図13は図5〜図1
2におけるシミュレートを重ね合わせたもので、それぞ
れのコスト、費用項目における感度の違いが明瞭に可視
化され、感度順位が明確になる。もっとも、可視化の方
式はどのようにもできる。
【0082】既述したように、良品総費用Dが良品を生
産するのに必要なコスト、費用項目をほぼ網羅してお
り、それらコスト、費用項目毎の条件データのそれぞれ
につき上記のようにシミュレートして、それらの良品総
費用Dつまり製品コストへの感度を判定すると、低減効
率が高いコスト、費用項目を間違いなく選択しそれをタ
ーゲットにする効果的なコスト低減を図ることができ、
上記のようなシミュレートによる評価では感度の違いが
明瞭になるので、そのような評価が誤りなく容易に行
え、的確な投資戦略が展開できる。また、このようなシ
ミュレートおよび可視化にも前記のような演算手段3と
可視化手段4を用いて行える。
【0083】感度は基本的には数値の変化だけでも評価
はできるが、前記のようにグラフにするのが判断しやす
く、図5〜図13に示すように数値も併せ表示するのが
好適である。
【0084】上記の感度判定に基づきコストの低減を図
るのに、感度が最も高いと判断した場合の人件費を削減
して、それにより減少する生産数を設備のスループット
によって補うことが考えられ、図14にその一例を示し
てある。図14に示す例では、人員を5人、4人、3人
と削減したときの良品総費用Dに関係するコスト、費用
項目の変化をシミュレートしている。その結果、製品の
製造原価、工場原価が人員の削減とともに低減してお
り、製品コスト低減の見込みが立っている。
【0085】また、前記各場合の製品コストの評価結果
によって、他の工場、ライン、工程、またはおよび装置
におけるコストデータ、または外部情報としての他社、
他業界のコストデータと比較し、劣っている場合に、優
れている他のコストデータを到達しまたは越えるべき改
善目標データと決定する。これによると、他と比較して
劣っているコスト、費用項目につき、他のコストデータ
を到達しまたは越えるべき改善目標データに決定するの
で、価格競争に負けないか打ち勝つ製品の生産を目指す
ことができ、特に、そのような目標設定を行うコスト、
費用項目は良品総費用Dを構成していて、良品を生産す
るのに必要なコスト、費用項目をほぼ網羅して行うこと
になるので、重要なコスト、費用項目が脱落して正しい
目標設定ができない結果を招くようなことを回避するこ
とができる。この場合、最も劣り、あるいは一定割合以
上劣っているコスト、費用項目を判定し改善対象に決定
すると、効果的なコスト改善を図ることができる。
【0086】本実施の形態での投資戦略決定方法は、ま
た、前記収益性の評価方法による評価データによって、
次世代ラインの仕様またはおよびコスト競争力を判定
し、投資の戦略を決定する。これにより、次世代ライン
の仕様またはおよびコスト競争力を判定し、投資戦略を
決定するのに、良品の生産に必要な各コスト、費用項目
をほぼ網羅し、実際の製品コストにほぼ対応する良品総
費用Dを基に評価した収益性から、次世代ラインの仕様
やコスト競争率を判定するので、良品の生産に必要なコ
スト、費用項目が抜けて判定を誤ったり、判定が大きく
狂うようなことが防止できる。
【0087】本実施の形態の投資戦略決定方法は、ま
た、前記各場合の製品コストの評価結果から、その固定
費に生産系利益、つまり工場利益Fを加算した図4に示
す限界利益G、または損益分岐点を判定し、限界利益G
を確保できるようにロス項目、出費項目、生産性の向上
に関する事項、材料および製品の歩留まりの関係を可視
化し、この関係を有利に改善する方針を決定する。
【0088】図15はある型成形品を具体例に、良品総
費用におけるコスト、費用項目につき、歩留まりを上げ
ていったときの製品コストに対する感度の順位が変化す
る相互の関係を可視化した状態を示している。図16は
歩留まりを上げていったときの良品総費用Dにおけるコ
スト、費用項目と付加益とが工場原価に占める割合が変
化する状態を額と%にてシミュレートしてグラフおよび
表によって可視化しており、図17は作業員を削減して
いったときの良品総費用Dにおけるコスト、費用項目と
付加益とが工場原価に占める割合が変化する状態を額と
%にてシミュレートしてグラフおよび表によって可視化
している。
【0089】これらによれば、良品率とそれを上げるこ
とによるコスト、費用との関係が明瞭になり、損益分岐
点や限界利益Gへの到達条件を容易に判定し有効な投資
戦略を決定することができる。しかも、良品の生産に必
要な各コスト、費用項目をほぼ網羅し、実際の製品コス
トにほぼ対応する良品総費用Dを基に判断するので、良
品の生産に必要なコスト、費用項目が抜けて判断を誤っ
たり、判断が大きく狂うようなことが防止できる。
【0090】また、稼働速度、装置の改造や変更、作業
員のシフト体制など生産性に関わる項目による増産体制
と必要コストとの関係から、シフトによる生産性向上を
実行するかどうかを見極めるようにすると、好適な投資
戦略を展開できる。
【0091】本実施の形態の投資戦略決定方法は、ま
た、前記各場合の製品コストの評価結果から、地域性、
生産系の規模および配置、投資時期によるコストの差、
材料、製品の歩留まり、稼働ロス、によるコストの差に
つき、他社と比較して競争力を分析し、製品コスト改善
の投資の戦略を決定する。
【0092】これにより、他社との競争力を分析し、製
品コスト改善の投資の戦略を決定するのに、良品の生産
に必要な各コスト、費用項目をほぼ網羅し、実際の製品
コストにほぼ対応する良品総費用の各項目における必要
項目に関し、他社と異なることの多い地域性、生産系の
規模および配置、投資時期などによる他社との差を配慮
するので、他社との競争力を適正に判定し的確な投資戦
略を決定することができる。
【0093】本実施の形態の投資戦略決定方法は、ま
た、前記各場合の製品コストの評価結果から、生産規模
や投資金額による内製時のコスト力と、材料や製品の歩
留まりロス撲滅によるコスト力とを算定し、これらから
部品などの内製を行うかどうかを決定する。これによ
り、良品の生産に必要な各コスト、費用項目をほぼ網羅
し、実際の製品コストにほぼ対応する良品総費用Dのも
とに、生産規模や投資金額による内製時のコスト力と、
材料や製品の歩留まりロス撲滅によるコスト力とを適正
に算定することができ、これらから内製を行うかどうか
を的確に決定することができる。
【0094】本実施の形態の投資戦略決定方法は、ま
た、前記各場合の製品コストの評価結果によって、目標
の良品総費用Dを達成するための投資条件、またはおよ
び材料、製品の歩留まり、および稼働ロスを改善するの
に予想される投資額を算定し、この投資条件またはおよ
び投資額によって目標の良品総費用Dを満足するための
許容投資額を決定する。これにより、良品の生産に必要
な各コスト、費用項目をほぼ網羅し、実際の製品コスト
にほぼ対応する良品総費用Dを基に、目標の良品総費用
Dを達成するための投資条件、材料、製品の歩留まり、
稼動ロスを改善するのに予想される投資条件または投資
額が、必要に応じ適性に設定することができ、的確な投
資戦略を決定することができる。
【0095】なお、図18に示すように生産開始からの
歩留まりの立ち上げが理想の立ち上げ線Pに対して、現
実の立ち上げが線Qで示すように遅いと収益性に大きく
影響するので、これを早くする対策が投資戦略上有効と
なるし、歩留まりが100%に到達する対策も重要であ
る。この歩留まりの立ち上げは大型または特殊な装置、
設備になると特に遅いし、なかなか向上できない問題が
ある。大型設備は大きな面積をとる不利もある。
【0096】そこで、本実施の形態の投資戦略決定方法
は、また、2つ以上の大小規模が異なる設備での増産体
制での生産状態の優劣を各種方向から比較し、生産規模
の切換えなど今後の投資戦略を決定する。ここでは、説
明の便宜のため、図19の大規模ラインA(a)〜
(d)に示す大規模生産系における生産開始からフル生
産に向けた8通りの増産体制と、図19の小規模ライン
B(e)〜(g)に示す小規模生産系における生産開始
から生産系増設によるフル生産に向けた立ち上げからの
段階的な2通りの増産体制とにつき、所定の立ち上がり
期間経過時点例えば1年目、およびその後の単位通常期
間が経過する時点例えば1年毎に、前記各場合の製品コ
ストの良品総費用による評価を段階的に行い、大小2つ
の生産系における、図20に示すような立ち上がり期間
の立ち上がり歩留まり、および各単位通常期間における
到達歩留まりによる材料ロス、立ち上げ時間ロスのコス
トを算出して図20、図21のようにグラフや表によっ
て可視化し、所定の時点での前記大小2つの生産系の優
劣を判定し、生産系の規模切換え、選定のデータとす
る。なお、図21のA、Bでは大小2つの生産系の損益
に加え工場利益・限界利益も可視化している。図19〜
図21に示すデータは、それぞれ発光色の違いなどによ
って多品種少量生産となり勝ちなある管型光源を第2の
具体例としたものである。
【0097】図22に前記図19における大規模ライン
Aと小規模ラインBでの増産体制における良品総費用D
の変化を材料の投入量との関係で示しているように、小
規模生産系Bでは目標額28,000円に到達するのが
大規模生産系Aに対して半分強の期間で達成しており、
大規模生産系Aではフル生産になってやっと小規模生産
系Bと逆転する程度であることが分かる。そこで、投資
戦略としては小規模生産系Bによる増産体制を採用する
ことにより、コスト競争、収益性の点で有利になる。ま
た、大規模生産系Aが既設のものであれば、小規模生産
系Bへの切り替えを投資戦略上から決定する。
【0098】特に、大規模生産系Aと小規模生産系Bと
の、生産開始からフル生産に向けた段階的な増産体制に
つき、所定の立ち上がり期間経過時点、その後の単位通
常期間が経過する時点毎の製品コストを、良品の生産に
必要な各コスト、費用項目をほぼ網羅し、実際の製品コ
ストにほぼ対応する良品総費用Dとして評価するので、
大小2つの生産系A、Bにおける、立ち上がり期間の立
ち上がり歩留まり、および各単位通常期間における到達
歩留まりによる材料ロス、立ち上げ時間ロスのコストを
適正に算出して可視化することができる。前記優劣の判
定は、製品の生産周期内となる期間で行うことにより、
生産周期内での生産において無駄なく投資戦略を立てる
ことができる。
【0099】また、前記優劣判定は、累積利益、到達し
ている製品コスト、累積投入資金も併せ比較し行うこと
により、より厳密な優劣の判定ができ投資戦略の的確性
が向上する。前記大小2つの生産系A、Bにおける優劣
の判定に基づく生産系の規模切換えの決定は、切換えに
よるロスも評価して行うことにより、さらに厳密な優劣
の判定ができ、その分投資戦略の的確性がさらに向上す
る。
【0100】なお、図5〜図17、図19〜図22のデ
ータのそれぞれは、全て分析評価の実施事例から得たサ
ンプルに関するものであり、図中の数値や金額は本発明
と直接な関わりはない。
【0101】ここで、図3の演算手段3を用いた良品総
費用の算出による評価操作の手順の具体例について、図
23〜図27に示すフローチャートに従って説明する。
良品総費用の算出による評価の開始によって、図23に
示す生産総費用Aの演算操作と、図24、図25に示す
良品産出量つまり良品数Cの算出操作とを行う。操作手
順は、演算手段3によってモニタ4aに表示した操作画
面上のメッセージや操作キー、表、グラフ、カーソルの
位置、音声などによって逐次、あるいは操作マニュアル
の呼び出し操作によっていつでも、オペレータに告知す
る。
【0102】まず、図23に示す生産総費用Aの算出操
作について述べると、ステップ♯1〜♯5において、図
1に示す材料の項目(M1)、人の項目(M2)、設備
の項目(M3)、経費の項目(M4)、および環境の項
目(M5)のそれぞれについて、必要事項のデータの入
力が終了するまで、集計紙61などの記録に基づいた手
入力や、記録ディスク6、通信などによる自動入力を行
い記憶手段3aに格納する。これらの入力が終わるとス
テップ♯6において演算手段は入力された前記各項目
(M1)〜(M5)の費用および配賦費に関するデータ
を読み込み、それらから生産総費用Aを自動的に演算し
算出する。各演算パラメータおよび演算結果は記憶手段
3aに記憶するとともに、表やグラフなどにて可視化し
モニタ4aに表示する。なお、配賦費の入力も他の項目
(M1)〜(M5)と同様に行う。
【0103】次に、良品産出量の算出は図24に示す算
出操作、図25に示す算出操作によって順次に行う。図
24に示す算出操作ではステップ♯11、ステップ♯1
2にて、生産延べ時間H1に関する項目(T1)、保全
準備時間に関する項目(T2)のそれぞれについて、必
要事項のデータの入力が終了するまで、集計紙61など
の記録に基づいた手入力や、記録ディスク6、通信など
による自動入力を行い、記憶手段に格納する。これらの
入力が終わるとステップ♯13にて演算手段3は正味稼
働延時間H2の項目(T3)に関するデータである生産
延べ時間H1、保全準備時間のデータを読み込み、正味
稼動延時間H2につき演算する。演算した正味稼働時間
H2は次のステップ♯14にて物理的に合わないレベル
かどうか、つまり適正かどうかを上限値や下限値と比較
するなどして判断し、適正でなければステップ♯11か
らの操作を繰り返すことをモニタ4aへのメッセージ表
示や音声などにて要求し、適正であるか、適正になれば
ステップ♯15に進んで演算結果を正味稼動時間H2と
して記憶手段3aに格納し、併せこのときの演算パラメ
ータおよび演算結果を表やグラフにて可視化してモニタ
4aに表示し、図25の処理に進む。
【0104】図25の算出操作では、ステップ♯21に
おいて、設備条件に関する項目(S1)についての必要
事項の入力が終了するまで、集計紙61などの記録に基
づく手入力や、記録ディスク6、通信などによる自動入
力を行う。この入力が終了するとステップ♯22にて演
算手段3は設備能力に関する項目(S2)につき演算を
行う。演算した設備能力は次のステップ♯23にて物理
的に合わないレベルかどうか、つまり適正かどうかを上
限値や下限値と比較するなどして判断し、適正でなけれ
ばステップ♯21からの操作を繰り返すことをモニタ4
aへの表示や音声で要求し、適正であるか、適正になれ
ばステップ♯24に進んで演算結果を予測総生産量とし
て記憶手段3aに格納し、併せこのときの演算パラメー
タおよび演算結果をモニタ4aに表やグラフにて可視化
して表示し、次のステップ♯25に進む。
【0105】ステップ♯25では、生産のための材料の
投入数に関する項目(S4)について、必要事項の入力
が終了するまで、集計紙61などに記録に基づく手入力
や、記録ディスク6、通信などによる自動入力を行い、
記憶手段3aに記憶する。ここで材料の投入数は実数で
あり予測総生産量との差は設備の空運転を意味する。そ
こで、ステップ♯25での入力が終了するとステップ♯
26にて演算手段3は実投入数から総生産量Bの演算を
行い、記憶手段3aに記憶するのに併せ、そのときの演
算パラメータと演算結果を表やグラフにて可視化してモ
ニタ4aに表示し、ステップ♯27に進む。
【0106】ステップ♯27では、不良数に関する項目
(S5)について、必要事項の入力が適正になるまで、
つまり前記全投入数についての不良情報が網羅できるま
で、集計紙61などの記録に基づく手入力や、記録ディ
スク6、通信などによる自動入力を行う。入力が終了す
ると記憶手段に格納し、ステップ♯28に進む。ステッ
プ♯28では、総生産量Bと不良品数とを読み出しそれ
らから良品産出数量つまり良品数Cを演算し、演算結果
を記憶手段3aに記憶するとともに、そのときの演算パ
ラメータおよび演算結果を表やグラフにて可視化してモ
ニタ4aに表示する。
【0107】次に、上記算出操作に基づく良品総費用D
の算出について図26のフローチャートに基づき説明す
ると、ステップ♯31において演算手段3は、図23に
おけるステップ♯1〜♯6による生産総費用Aの処理サ
ブルーチン30aにて演算された生産総費用Aと、図2
4のステップ♯11〜♯15、図25のステップ♯21
〜♯28による良品産出量Cの処理サブルーチン30b
にて演算された良品数Cとから、良品1つを生産するの
に要した総費用を演算し、ステップ♯32にて演算結果
が適正かどうかを判断し、適正でないと処理サブルーチ
ン30a、30bと、ステップ♯31の処理を繰り返す
ことを要求し、適正であるか、適正になると、ステップ
♯33に進んで演算結果を良品総費用Dとして記憶手段
3aに記憶するとともに、表やグラフにて可視化しモニ
タ4aに表示する。
【0108】以上の各演算パラメータおよび演算結果は
モニタ4aや記録紙5、記録ディスク11などによっ
て、必要単位ごとに、あるいは一挙に視認できるように
出力して可視化し、各種の評価、投資戦略に供する。
【0109】なお、上記各場合の入力が、生産系や経営
系から定期的に、あるいは変動がある都度記憶手段3a
に既に入力されているようなシステムを採用している場
合は、既に入力されているデータは必要の都度演算手段
3が読み出せばよいので、入力を省略することができる
し、操作手順の進行に見合って演算パラメータや演算結
果を埋めていくような表などをモニタ4aに表示して算
出操作を進めていくようなシステムでは、良品総費用D
の演算モードの設定があると既に入力されている演算パ
ラメータや既に演算された演算結果があると自動的に該
当欄に埋めておくようにすると、既に入力され演算され
ている入力や演算結果がオペレータに告知でき、操作に
便利である。
【0110】また、良品総費用Dはそれを構成する演算
パラメータが変動するような場合は、変動したパラメー
タを入力し直して再度演算して評価すればよく、投資戦
略の実績評価、コスト競争力、生産規模の大小の違いに
よる増産体制の評価、見直し、今後の対策や選択といっ
た投資戦略が的確に行える。図27に生産総費用Aに関
する演算パラメータが変動して生産総費用A′となった
場合を示し、これによって良品総費用Dが演算し直され
て良品総費用DAに変化している。また、図28に良品
産出量Cを構成する演算パラメータが変動して良品産出
量C′となった場合を示し、これによって良品総費用D
が演算し直されて良品総費用DCに変化している。
【0111】しかも、これらのことは、上記のような演
算パラメータを種々にシミュレートした演算が行えるこ
とを意味し、これによって、既述したような各演算パラ
メータの良品総費用への感度、歩留まりを上げていった
ときの良品総費用への影響度などを、可視化することが
でき、投資戦略に好適である。
【0112】
【発明の効果】本発明によれば、以上の説明から明らか
なように、前記パラメータにおける総生産量に対応した
生産総費用と良品数との関係において、全良品を生み出
すのに必要とした総費用から良品1つの生産に要した実
際の費用を算出して可視化し、良品総費用として人が評
価できるようにするので、製品コストを抜け費用の影響
少なく、または影響なしにほぼ正しく判断することがで
き、生産計画や投資戦略を立てるのに将来の実績に合い
やすくできるし、生産計画や投資戦略、収益性を適正に
評価することができ、生産や投資戦略が行き詰まらない
ようにできる。特に、設備規模の大小の違いに良品総費
用への種々な影響をも的確に評価、判定して、多品種少
量生産においても投資効果を高めることができる。
【0113】また、製品を生産するコストを算出してこ
れを良品総費用として評価し、生産系が製品を引渡すと
きの引渡し額から良品総費用を差し引いた額を可視化
し、収益性を評価することにより、良品の生産に必要な
費用をほぼもれなく良品の引渡し額から差し引いた実際
に近い収益を人が認識して収益性を適正に評価すること
ができる。また、収益性の評価は工場別、ライン別、工
程別、またはおよび装置別に行うことができる。
【0114】さらに、良品総費用が良品を生産するのに
必要なコスト、費用項目をほぼ網羅しており、それらコ
スト、費用項目毎の条件データのそれぞれにつきシミュ
レートして、それらの良品総費用への感度を判定するの
で、感度の高いコスト、費用項目を優先してコスト低減
の対象にするにも、コストの低減効率が高いコスト、費
用項目を間違いなく選択してそれをターゲットにした効
果的なコスト低減を図ることができる。
【0115】また、前記各場合の製品コストの評価結果
によって、他の工場、ライン、工程、またはおよび装置
におけるコストデータ、または他社、他業界のコストデ
ータと比較し、他と比較して劣っているコスト、費用項
目につき、他のコストデータを到達しまたは越えるべき
改善目標データに決定するので、価格競争に負けないか
打ち勝つ製品の生産を目指すことができ、特に、そのよ
うな目標設定を行うコスト、費用項目は良品総費用を構
成するもので、良品を生産するのに必要なコスト、費用
項目をほぼ網羅して行うので、重要なコスト、費用項目
が脱落して目標設定できない結果を招くようなことを回
避することができる。この場合、最も劣り、あるいは一
定割合以上劣っているコスト項目を判定し改善対象に決
定すると、効果的なコスト改善を図ることができる。
【0116】また、次世代ラインの仕様またはおよびコ
スト競争力を判定し、投資戦略を決定するのに、良品の
生産に必要な各コスト、費用項目をほぼ網羅し、実際の
製品コストにほぼ対応する良品総費用を基に評価した収
益性から、次世代ラインの仕様やコスト競争力を判定す
るので、良品の生産に必要なコスト、費用項目が抜けて
判定を誤ったり、判定が大きく狂うようなことが防止で
きる。
【0117】また、固定費に生産系利益を加算した限界
利益、または損益分岐点を判定し、限界利益を確保でき
るようにするのに、良品の生産に必要な各コスト、費用
項目をほぼ網羅し、実際の製品コストにほぼ対応する良
品総費用を基に判断するので、良品の生産に必要なコス
ト、費用項目が抜けて判断を誤ったり、判断が大きく狂
うようなことが防止できる。しかも、前記判断に必要な
ロス項目、出費項目、生産性向上に関する項目、材料お
よび製品の歩留まりの関係を可視化するので、互いの関
係を人が明確に認識しながらそれらのデータをシミュレ
ートして比較し、好適な条件を容易に作り出し見つけ出
すことができる。
【0118】稼働速度、装置の改造や変更、作業員のシ
フト体制など生産性に関わる項目による増産体制と必要
コストとの関係から、シフトによる生産性向上を実行す
るかどうかを見極めるようにして、好適な投資戦略を展
開できる。
【0119】また、良品の生産に必要な各コスト、費用
項目をほぼ網羅し、実際の製品コストにほぼ対応する良
品総費用の各項目における必要項目に関し、他社と異な
ることの多い地域性、生産系の規模および配置、投資時
期などによる他社との差を配慮するので、他社との競争
力を適正に判定し的確な投資戦略を決定することができ
る。
【0120】また、良品の生産に必要な各コスト、費用
項目をほぼ網羅し、実際の製品コストにほぼ対応する良
品総費用のもとに、生産規模や投資金額による内製時の
コスト力と、材料や製品の歩留まりロス撲滅によるコス
ト力とを適正に算定することができ、これらから内製を
行うかどうかを的確に決定することができる。
【0121】また、良品の生産に必要な各コスト、費用
項目をほぼ網羅し、実際の製品コストにほぼ対応する良
品総費用を基に、目標の良品総費用を達成するための投
資条件、材料、製品の歩留まり、稼動ロスを改善するの
に予想される投資条件または投資額が、必要に応じ適性
に設定することができ、的確な投資戦略を決定すること
ができる。
【0122】また、大規模生産系と小規模生産系との、
生産開始からフル生産に向けた段階的な増産体制につ
き、所定の立ち上がり期間経過時点、その後の単位通常
期間が経過する時点毎の製品コストを、良品の生産に必
要な各コスト、費用項目をほぼ網羅し、実際の製品コス
トにほぼ対応する良品総費用として評価し、大小2つ以
上の生産系における、立ち上がり期間の立ち上がり歩留
まり、および各単位通常期間における到達歩留まりによ
る材料ロス、立ち上げ時間ロスのコストを適正に算出し
て可視化するので、人がこれを認識して所定の時点での
大小2つ以上の生産系の優劣を良品総費用とそれを算出
した各コスト項目および費用項目から的確に判定し、有
利な生産系に誤りなく切り替えて行く投資戦略を決定す
ることができ、近時の大量生産時代から多品種少量生産
時代への変化に対応するのに好適であり、近時の生産傾
向となってきている多品種少量生産においても投資戦略
の効果を高めることができる。前記優劣の判定は、製品
の生産周期内となる期間で行うことにより、生産周期内
での生産において無駄なく投資戦略を立てることができ
る。また、前記優劣の判定は、累積利益、到達している
製品コスト、累積投入資金も併せ比較し行うことによ
り、より厳密な優劣の判定ができ投資戦略の的確性が向
上する。前記大小2つ以上の生産系における優劣の判定
に基づく生産系の規模切換えの決定は、切換えによるロ
スも評価して行うことにより、さらに厳密な優劣の判定
ができ、その分投資戦略の的確性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態と従来の製品コストの算出
方式の違いを示し、その(a)は従来の算出方式の模式
図、その(b)は本発明の算出方式の模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る良品算出数量の考え
方を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る良品総費用の算出、
評価をし、収益の評価や投資戦略の決定に利用する装置
を示すブロック図である。
【図4】良品総費用の各場合で見たコスト、費用の項目
を示すブロック図である。
【図5】歩留まり向上と良品数量および良品総費用との
関係を可視化したグラフである。
【図6】人員合理化と良品数量および良品総費用との関
係を可視化したグラフである。
【図7】製造経費削減と良品数量および良品総費用との
関係を可視化したグラフである。
【図8】直材費の削減と良品数量および良品総費用との
関係を可視化したグラフである。
【図9】設備の信頼性向上と良品数量および良品総費用
との関係を可視化したグラフである。
【図10】スループット能力アップと良品数量および良
品総費用との関係を可視化したグラフである。
【図11】設備投資額の低減と良品数量および良品総費
用との関係を可視化したグラフである。
【図12】金型費の削減と良品数量および良品総費用と
の関係を可視化したグラフである。
【図13】図5〜図12のグラフを重ねて示し、個々の
グラフの金額と製品コストへの感度順位を表にて可視化
した図である。
【図14】人員を削減して行ったときの良品総費用にお
けるコスト、費用の項目の金額変化を表にて可視化した
図である。
【図15】歩留まりを上げて行ったときの良品総費用に
おけるコスト、費用の項目の金額変化を表にて可視化し
た図である。
【図16】図15の歩留まりの変化に伴う良品総費用に
おけるコスト、費用項目の金額、割合をグラフおよび表
にて可視化した図である。
【図17】図15の人員を削減して行ったときの良品総
費用におけるコスト、費用の項目の金額変化を表にて可
視化した図である。
【図18】生産開始からの歩留まりの立ち上がり状態を
グラフにて可視化した図である。
【図19】大規模生産ラインと小規模生産ラインの増産
体制における生産量の変化をA、Bの2通りのグラフに
て比較し可視化した図である。
【図20】大規模生産ラインと小規模生産ラインの増産
に伴う歩留まりおよび良品数の変化をグラフおよび表に
て比較し可視化した図である。
【図21】大規模生産ラインと小規模生産ラインの増産
に伴う歩留まり変化に伴う損益・限界利益の変化をグラ
フA、Bにて比較し可視化した図である。
【図22】大規模生産ラインと小規模生産ラインとの増
産体制におけるコスト変化を優劣判定が容易なようにグ
ラフにて比較し可視化した図である。
【図23】演算手段を用いた良品総費用の演算における
生産総費用の算出の段階操作を示すフローチャートであ
る。
【図24】演算手段を用いた良品総費用の演算における
正味稼動述べ時間算出の段階操作を示すフローチャート
である。
【図25】演算手段による良品総費用の演算における良
品産出量産出の段階操作を示すフローチャートである。
【図26】演算手段による良品総費用の演算における最
終段階の操作を示すフローチャートである。
【図27】演算した良品総費用が生産総費用を構成する
演算パラメータの変動により演算結果が変化したときの
良品総費用の演算における最終段階の操作を示すフロー
チャートである。
【図28】演算した良品総費用が良品産出量を構成する
演算パラメータの変動により演算結果が変化したときの
良品総費用の演算における最終段階の操作を示すフロー
チャートである。
【図29】業種や作業分野によって歩留まりの必要度が
変化する関係を可視化したグラフである。
【図30】電子部品を実装する例において人手作業から
装置作業へ変化し、実装密度が高まるにつれ歩留まり、
立ち上げ短縮の必要度が変化する関係をグラフにて可視
化した図である。
【図31】セット組み立て製品は不良品でも手直しによ
り良品とすることができ、デバイス製品は手直しができ
ず即時に仕損となる関係をグラフにて比較し可視化した
図である。
【符号の説明】
A 生産総費用 B 総生産量 C 良品数 D 良品総費用 E 引渡し額 F 工場利益 G 限界利益 H0 年間理想稼動時間 H2 年間の延べ予測稼動時間 1 部品工場 2 組み立て工場 3 演算手段 3a 記憶手段 4 可視化手段 4a モニタ 4b プリンタ 5 記録紙 6、11 記録ディスク 7 無線 10 投資戦略室 21 集計手段 21a、21b ホストコンピュータ 21a1〜21a3、21b1〜21b3 中間制御装
置 21a11〜21a22、21b11〜21b16 下
位制御装置 22 経営系 23 生産系 31〜36 生産ライン 37〜48 生産工程 49a〜49r 生産装置 51 教育室 52 開発室 53、54 コンピュータ

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目的物を生産するのに投入する生産総費
    用、この総費用のもとに生産した製品の総生産量、この
    総生産量における製品の良品率ないしはこれに代わる製
    品の良品数または不良品数、のそれぞれをパラメータと
    して取り扱い、これらパラメータから製品を生産するコ
    ストを算出して可視化し、これを良品総費用として評価
    することを特徴とする製品コストの評価方法。
  2. 【請求項2】 製品を生産するコストの算出は、生産総
    費用を良品数で除算して行う請求項1に記載の製品コス
    トの評価方法。
  3. 【請求項3】 生産総費用は、初期トレーニング費、設
    備状態、工程状況、材料欠陥、製品歩留まり損、工程歩
    留まり、廃棄費、立ち上げ技術費、技能教育費、の少な
    くとも1つを含む請求項1、2のいずれか1項に記載の
    製品コストの評価方法。
  4. 【請求項4】 歩留まり損は、製品が不良品であること
    によるロス、不良品を廃棄処理するために必要なロスを
    含む請求項3に記載の製品コストの評価方法。
  5. 【請求項5】 廃棄処理のロスは、環境対策費を含む請
    求項4に記載の製品コストの評価方法。
  6. 【請求項6】 総生産量は、予想稼働時間をベースにし
    た予想生産数に対する実稼働時間における生産数である
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の製品コストの評価
    方法。
  7. 【請求項7】 生産総費用は、キャッシュフロー対応
    費、信頼性能コスト、稼働ロスコスト、システム費、環
    境費、の少なくとも1つを含む請求項1〜6のいずれか
    1項に記載の製品コストの評価方法。
  8. 【請求項8】 目的物を生産するのに投入する生産総費
    用、この総費用のもとに生産した製品の総生産量、この
    総生産量における製品の良品率ないしはこれに代わる製
    品の良品数または不良品数、のパラメータをそれらの入
    力により収集し、収集したパラメータから製品を生産す
    るコストを算出する演算手段と、演算した生産コストを
    良品総費用として評価し可視化する可視化手段とを備え
    たことを特徴とする製品コストの評価装置。
  9. 【請求項9】 演算手段は、生産総費用を良品数で除算
    して製品コストを算出する請求項8に記載の製品コスト
    の評価装置。
  10. 【請求項10】 可視化手段は、演算手段による演算結
    果または演算結果および演算パラメータを画面に表示す
    る表示手段またはおよび記録紙に印字する印字手段であ
    る請求項8、9のいずれか1項に記載の製品コストの評
    価装置。
  11. 【請求項11】 演算手段は、手入力、記録媒体、有線
    または無線の通信の少なくとも1つによってパラメータ
    が入力される請求項8〜10のいずれか1項に記載の製
    品コストの評価装置。
  12. 【請求項12】 総生産費用に関するデータは経営系に
    て作成されたものが入力され、総生産量、良品率ないし
    はこれに代わる製品の良品数または不良品数に関するデ
    ータは生産系にて作成されたものが入力される請求項8
    〜11のいずれか1項に記載の製品コストの評価装置。
  13. 【請求項13】 良品率ないしはこれに代わる製品の良
    品数または不良品数に関するデータを生産系において集
    計する集計手段を備え、集計手段は集計したデータを記
    録紙、記録媒体、有線、無線の少なくとも1つによって
    出力し、演算手段への手または自動での入力に供する請
    求項12に記載の製品コストの評価装置。
  14. 【請求項14】 集計手段は、生産系における生産現場
    毎、生産ライン毎、生産工程毎、またはおよび生産装置
    毎、のデータを、それらの制御機器から直接、手入力、
    記録媒体、または通信(有線または無線)の少なくとも
    1つによって入力されて、それを集計する請求項13に
    記載の製品コストの評価装置。
  15. 【請求項15】 評価対象とする、生産を司る生産系に
    おいて、目的物を生産するのに投入した生産総費用のデ
    ータと、この生産総費用のもとに生産した製品の総生産
    量のデータと、この総生産量における製品の良品率ない
    しはこれに代わる製品の良品数または不良品数のデータ
    を収集してパラメータとして取り扱い、これらパラメー
    タから製品の生産コストを算出してこれを良品総費用と
    して評価し、前記生産系が製品を引渡すときの引渡し額
    から良品総費用を差し引いた額を可視化し、収益性を評
    価することを特徴とする収益性の評価方法。
  16. 【請求項16】 生産総費用は、初期トレーニング費、
    設備状態、工程状況、材料欠陥、製品歩留まり損、工程
    歩留まり、廃棄費、立ち上げ技術費、技能教育費、の少
    なくとも1つを含む請求項15に記載の収益性の評価方
    法。
  17. 【請求項17】 総生産量は、予測稼働時間をベースに
    した予測生産数に対する実稼働時間における生産数であ
    る請求項15、16のいずれか1項に記載の収益性の評
    価方法。
  18. 【請求項18】 生産総費用は、キャッシュフロー対応
    費、信頼性能コスト、稼働ロスコスト、エネルギー費、
    システム費、の少なくとも1つを含む請求項15〜17
    のいずれか1項に記載の収益性の評価方法。
  19. 【請求項19】 前記生産総費用、総生産量、良品率な
    いしこれに代わる良品数または不良品数の各データは生
    産ライン毎に収集し、生産ライン毎に収益性を評価する
    請求項15〜18のいずれか1項に記載の収益性の評価
    方法。
  20. 【請求項20】 実稼働時間、生産数、歩留まりの各デ
    ータは、工場別、ライン別、工程別、またはおよび装置
    別に収集して可視化し、工場別、ライン別、工程別、ま
    たはおよび装置別に収益性を評価する請求項19に記載
    の収益性の評価方法。
  21. 【請求項21】 評価対象とする生産系において、目的
    物を生産するのに投入した生産総費用のデータと、この
    生産総費用のもとに生産した製品の総生産量のデータ
    と、この総生産量における製品の良品率ないしはこれに
    代わる製品の良品数または不良品数のデータ、の良品生
    産パラメータと、良品を引き渡すときの引渡し額とを入
    力により受けて収集し、収集した良品生産パラメータか
    ら製品の生産コストを算出して、これを良品総費用とし
    て評価するとともに、この良品総費用を前記収集した引
    渡し額から差し引く演算手段と、この演算結果の額を入
    力されて収益性の評価データとして可視化する可視化手
    段とを備えたことを特徴とする収益性の評価装置。
  22. 【請求項22】 可視化手段は、演算手段による演算結
    果まはた演算結果および演算パラメータを画面に表示す
    る表示手段またはおよび記録紙に印字する印字手段であ
    る請求項21に記載の収益性の評価装置。
  23. 【請求項23】 演算手段および可視化手段は、生産ラ
    イン毎に収集したパラメータにつき演算して可視化する
    請求項21、22のいずれか1項に記載の収益性の評価
    装置。
  24. 【請求項24】 演算手段は、手、記録媒体、有線また
    は無線の通信の少なくとも1つによってパラメータが入
    力される請求項21〜23のいずれか1項に記載の製品
    コストの評価装置。
  25. 【請求項25】 良品率ないしはこれに代わる製品の良
    品数または不良品数に関するデータを生産系において集
    計する集計手段を備え、集計手段は集計したデータを記
    録紙、記録媒体、有線、無線の少なくとも1つによって
    出力し、演算手段への手または自動での入力に供する請
    求項24に記載の製品コストの評価装置。
  26. 【請求項26】 集計手段は、生産系における工場毎、
    生産ライン毎、生産工程毎、またはおよび生産装置毎、
    のデータを、それらの制御機器から直接、手入力、記録
    媒体、有線またはおよび無線の通信の少なくとも1つに
    よって入力されて、それを集計する請求項25に記載の
    製品コストの評価装置。
  27. 【請求項27】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    製品コストの評価方法での評価結果における、良品総費
    用を構成する各コスト、費用項目毎の条件データにつ
    き、それぞれをシミュレートしたときのコスト変化から
    良品総費用への感度を判定して、判定の結果を可視化
    し、感度の高いコスト、費用項目を優先してコスト低減
    の対象に決定することを特徴とする投資戦略決定方法。
  28. 【請求項28】 感度は、コスト項目データを変化させ
    たときのコストの変化を、数値、グラフの少なくとも1
    つにて可視化し、コスト項目毎の感度の違いを数値、グ
    ラフ、感度の順位、感度差の少なくとも1つにて可視化
    し、コスト改善の優先順位を決定する請求項27に記載
    の投資戦略決定方法。
  29. 【請求項29】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    製品コストの評価方法での評価結果に基づき、他の工
    場、ライン、工程、またはおよび装置におけるコストデ
    ータ、または他社、他業界のコストデータと比較し、劣
    っている場合に、優れている他のコストデータを到達し
    または越えるべき改善目標データと決定することを特徴
    とする投資戦略決定方法。
  30. 【請求項30】 最も劣り、あるいは一定割合以上劣っ
    ているコスト項目を判定し改善対象に決定する請求項2
    9に記載の投資戦略決定方法。
  31. 【請求項31】 請求項15〜20のいずれか1項に記
    載の収益性の評価方法による評価結果の評価データによ
    って、次世代ラインの仕様またはおよびコスト競争力を
    判定し、投資の戦略を決定することを特徴とする投資戦
    略決定方法。
  32. 【請求項32】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    製品コストの評価結果から、その固定費に生産系利益を
    加算した限界利益、または損益分岐点を判定し、限界利
    益を確保できるようにロス項目、出費項目、生産性の向
    上に関する事項、材料および製品の歩留まりの関係を可
    視化し、この関係を有利に改善する方針を決定すること
    を特徴とする投資戦略決定方法。
  33. 【請求項33】 稼働速度、装置の改造や変更、作業員
    のシフト体制など生産性に関わる項目による増産体制と
    必要コストとの関係から、シフトによる生産性向上を実
    行するかどうかを見極める請求項32に記載の投資戦略
    決定方法。
  34. 【請求項34】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    製品コストの評価結果から、地域性、生産系の規模およ
    び配置、投資時期によるコストの差、材料、製品の歩留
    まり、稼働ロス、によるコストの差につき、他社と比較
    して競争力を分析し、製品コスト改善の投資の戦略を決
    定することを特徴とする投資戦略決定方法。
  35. 【請求項35】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    製品コストの評価結果から、生産規模や投資金額による
    内製時のコスト力と、材料や製品の歩留まりロス撲滅に
    よるコスト力とを算定し、これらから内製を行うかどう
    かを決定することを特徴とする投資戦略決定方法。
  36. 【請求項36】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    製品コストの評価結果によって、目標の良品総費用を達
    成するための投資条件、またはおよび材料、製品の歩留
    まり、および稼働ロスを改善するのに予想される投資額
    を算定し、この投資条件またはおよび投資額によって目
    標の良品総費用を満足するための許容投資額を決定する
    ことを特徴とする投資戦略決定方法。
  37. 【請求項37】 大規模生産系における生産開始からフ
    ル生産に向けた増産体制と、小規模生産系における生産
    開始から生産系増設によるフル生産に向けた段階的な増
    産体制とにつき、所定の立ち上がり期間経過時点、およ
    びその後の単位通常期間が経過する時点毎に、請求項1
    〜7のいずれか1項に記載の製品コストの評価を段階的
    に行い、前記大小2つ以上の生産系における、立ち上が
    り期間の立ち上がり歩留まり、および各単位通常期間に
    おける到達歩留まりによる材料ロス、立ち上げ時間ロス
    のコストを算出して可視化し、所定の時点での前記大小
    2つ以上の生産系の優劣を判定し、生産系の規模を有利
    な側に切換える投資を行うことを特徴とする投資戦略決
    定方法。
  38. 【請求項38】 前記判定は、製品の生産周期内となる
    期間で行う請求項36に記載の投資戦略決定方法。
  39. 【請求項39】 判定は、累積利益、到達している製品
    コスト、累積投入資金も併せ比較し行う請求項37、3
    8のいずれか1項に記載の投資戦略決定方法。
  40. 【請求項40】 生産系の規模切換えの決定は、切換え
    によるロスも評価して行う請求項37〜39のいずれか
    1項に記載の投資戦略決定方法。
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