JP2002229565A - 自動演奏装置 - Google Patents

自動演奏装置

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JP2002229565A
JP2002229565A JP2002018974A JP2002018974A JP2002229565A JP 2002229565 A JP2002229565 A JP 2002229565A JP 2002018974 A JP2002018974 A JP 2002018974A JP 2002018974 A JP2002018974 A JP 2002018974A JP 2002229565 A JP2002229565 A JP 2002229565A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のパート又はチャンネルからなる演奏デ
ータをマージする際に音楽的な不都合をなくす。 【解決手段】 複数のパート又はチャンネルからなる自
動演奏データをマージして、共通のパート又はチャンネ
ルのデータとする場合、当該マージする異なるパート又
はチャンネルのイベントが同じ発音タイミングに相当
し、そのイベント同士が互いに相容れない関係にある場
合は、該マージする異なるパート又はチャンネルの中の
いずれか1つのパート又はチャンネルのイベントのみが
優先的に供給されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は自動伴奏機能を有
するシーケンサ等の自動演奏装置に係り、特に自動演奏
時の演奏曲のアレンジを容易に行うことのできる自動演
奏装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動演奏装置の中には、リズムパ
ート、ベースパート及びコードパートの一部のパートの
演奏については、シーケンシャルな演奏データとは別途
に記憶された伴奏パターンデータに基づいて自動伴奏を
行うものがある。このような自動演奏装置はどの伴奏パ
ターンデータに基づいて自動伴奏を行うのか、予めシー
ケンシャルな演奏データのヘッダや操作子などでパター
ン番号を設定するものや、そのパターン番号を曲の進行
に従って順番に記憶したシーケンシャルな伴奏データを
有するものなどがある。なお、リズムパート以外のベー
スパート及びコードパートは曲の進行に従って別途記憶
されている和音進行データ又はユーザにより指定される
和音に基づきその和音に適した音に変換されるようにな
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動演奏装置の
ように、一部の演奏パートを自動伴奏によって補うタイ
プのものは、伴奏パターンデータを指定するパターン番
号を変更してやるだけで簡単に曲のアレンジを変更する
ことができるので、初心者でも容易に取り扱うことがで
きるという利点がある。また、1つの演奏パートが1つ
のチャンネルすなわち1つの伴奏パターンデータで構成
されている場合には、対応するチャンネルの伴奏パター
ンデータの内容を直接エディットするだけでよいので、
初心者でも容易にエディットすることができるので、曲
のアレンジを容易に変更することができる。ところが、
1つの演奏パートが複数のチャンネルやパートで構成さ
れている場合には、複数のチャンネル間の相互関係に習
熟した者でないと、どのチャンネルをどのようにエディ
ットしてよいのか分からないため、このような演奏パー
トをエディットして曲のアレンジを変更するということ
は初心者にとっては極めて困難な作業であり、初心者が
エディットすると音楽的に不自然なものになってしまう
おそれがあった。また、演奏パートが複数のチャンネル
やパートで構成されている場合に、これらのチャンネル
又はパートの音を共通のデータにマージさせて演奏する
と、両方のイベント同士が互いに相容れない関係(例え
ば、両イベントがハイハットオープンイベントとハイハ
ットクローズイベントである場合や両イベントが同一種
類のイベントでベロシティだけが異なる場合など)にあ
り、音楽的に不自然なものになってしまう場合がある。
【0004】この発明は、複数のチャンネルやパートか
らなる演奏データを演奏する際にも音楽的に自然な演奏
ができる自動演奏装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る自動演奏
装置は、複数のパート又はチャンネルからなる自動演奏
データを供給する供給手段と、前記複数のパート又はチ
ャンネルのデータを共通のパート又はチャンネルのデー
タにマージするものであって、異なるパート又はチャン
ネルのイベントが同じ発音タイミングに相当し、そのイ
ベント同士が互いに相容れない関係にある場合は、自動
演奏データの中のいずれか1つのパート又はチャンネル
のイベントのみが優先的に供給されるようにするマージ
手段とを備えるものである。
【0006】これによれば、供給手段は複数のパート又
はチャンネルからなる自動演奏データを供給する。演奏
パートはメロディパート、リズムパート、ベースパー
ト、コードパートなどの複数のパートからなり、さらに
リズムパートが複数のリズム1パートとリズム2パート
からなる場合や、コードパートが複数のコード1パート
とコード2パートからなる場合がある。また、これらの
演奏パートは複数のチャンネルで構成されている場合も
ある。このとき、マージ手段は、複数パート又は複数チ
ャンネルの音を共通のパート又はチャンネルのデータに
マージさせる。例えば、演奏パートがリズム1パート及
びリズム2パートの2つのパートで構成される場合に両
パートの音をマージさせて1つのリズムパートの音とす
ることがある。このような場合に、異なるパート又はチ
ャンネルのイベントが同じ発音タイミングに相当し、か
つ、そのイベント同士が互いに相容れない関係にある場
合(例えば、両イベントがハイハットオープンイベント
とハイハットクローズイベントである場合や両イベント
が同一種類のイベントでベロシティだけが異なる場合な
ど)は、マージ手段はその中のいずれか1つパート又は
チャンネルのイベントのみが優先的に供給されるように
する。これによって、優先的に演奏されるパート又はチ
ャンネルの音が必ず発音されるようになるので、そのパ
ート又はチャンネルの関係に習熟していない者であって
も、これらのパート又はチャンネルの音を共通のパート
又はチャンネルのデータにマージさせて音楽的に自然な
演奏を行うことができるようになる。
【0007】この発明の別の観点に係る自動演奏装置
は、複数のパート又はチャンネルからなる自動演奏デー
タを供給する供給手段と、前記複数のパート又はチャン
ネルのデータを共通のパート又はチャンネルのデータに
マージするものであって、リズムパートに属する少なく
とも2つの異なるパートをマージする場合において、該
少なくとも2つの異なるパートにおけるイベントが同じ
発音タイミングに相当する場合は、該少なくとも2つの
異なるパートのうち所定の1つのパートのイベントの自
動演奏データが優先的に供給されるようにするマージ手
段とを備えるものである。
【0008】リズムパートに属する少なくとも2つの異
なるパートをマージする場合、同じリズムパートである
が故に、発音タイミングが同じイベントが存在する場
合、上述と同様に、ハイハットオープンイベントとハイ
ハットクローズイベントであったり、両イベントが同一
種類のイベントでベロシティだけが異なる場合であった
り、そのイベント同士が互いに相容れない関係になるこ
とがあり得る。その場合、そのままマージすると音楽的
に不自然なものとなってしまう。そこで、そのような場
合、該少なくとも2つの異なるパートのうち所定の1つ
のパートのイベントの自動演奏データが優先的に供給さ
れるようにすることで、少なくとも2つの異なるパート
をマージしても、音楽的に不自然な事態は起こらないよ
うになる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発
明の一実施例を詳細に説明する。図1はこの発明に係る
自動演奏装置を適用した電子楽器の一実施例を示すハー
ド構成ブロック図である。この実施例においては、マイ
クロプロセッサユニット(CPU)10、ROM11、
RAM12を含むマイクロコンピュータの制御の下に各
種の処理が実行されるようになっている。この実施例で
は1つのCPU10によって自動演奏処理等を行う電子
楽器を例に説明する。この実施例では電子楽器は自動演
奏用のチャンネルとして16チャンネル分の同時発音が
可能である。すなわち、16種類の演奏データを同時再
生可能である。
【0010】CPU10はこの電子楽器全体の動作を制
御するものである。このCPU10に対して、データ及
びアドレスバス1Dを介してROM11、RAM12、
押鍵検出回路13、スイッチ検出回路14、表示回路1
5、音源回路16、タイマ17、MIDIインターフェ
イス(I/F)18及びディスクドライブ19が接続さ
れている。
【0011】ROM11はCPU10のシステム関連の
プログラム、ナンバ『01』から『99』までの99個
の自動伴奏用のスタイルデータ、デフォルト用のCTA
B(Channel Table)、ノート変換テーブ
ル、その他に楽音に関する各種のパラメータやデータな
どを記憶している。RAM12はCPU10がプログラ
ムを実行する際に発生する各種の演奏データや各種のデ
ータを一時的に記憶するものであり、ランダムアクセス
メモリ(RAM)の所定のアドレス領域がそれぞれ割り
当てられ、レジスタやフラグ等として利用される。ま
た、RAM12はユーザが自由に使用することのできる
ナンバ『00』のユーザスタイルデータを記憶する。
【0012】図2はこのROM11及びRAM12に記
憶されているスタイルデータの内容及びデフォルトCT
ABの内容を示す図である。RAM12はナンバ『0
0』のユーザスタイルデータを記憶し、ROM11はナ
ンバ『01』から『99』までの99個のスタイルデー
タとデフォルトCTABを記憶する。スタイルデータは
演奏スタイル(例えば、ポップス、ロック、ジャズ、ワ
ルツなど)毎に設けられている。
【0013】1つのスタイルデータは、ヘッダ部、シー
ケンスデータ部及びCTAB群から構成される。ヘッダ
部にはスタイルの名称などが記憶される。シーケンスデ
ータ部は図2(B)に示すように、初期設定データと各
セクション(メイン、フィルイン、イントロ及びエンデ
ィング)のパターンデータで構成される。初期設定デー
タは各チャンネルの音色、演奏パート名、初期テンポな
どのデータで構成される。メインパターンデータは繰り
返し演奏されるメインの伴奏パターンである。フィルイ
ンパターンデータはフィルイン演奏時の伴奏パターンで
ある。イントロパターンデータはイントロ演奏時の伴奏
パターンである。エンディングパターンデータはエンデ
ィング演奏時の伴奏パターンである。
【0014】各セクションのパターンデータは、図2
(C)に示すよう、マーカー、デルタタイムデータ及び
イベントデータから構成される。マーカーはセクション
とセクションの区切りを示すものであり、メイン、フィ
ルイン、イントロ及びエンディングなどのセクションの
種類を示すデータである。デルタタイムデータはイベン
トとイベントとの間の時間を示すデータである。イベン
トデータは図2(D)に示すように、ノートイベントの
場合は、ノートオン/オフと『1』〜『16』のチャン
ネル番号、ノートナンバ及びベロシティデータなどで構
成される。他のイベントデータ(ピッチベンドやボリュ
ーム制御など)の場合もそのイベントを示すデータやチ
ャンネル番号などで構成される。このデルタタイムデー
タとイベントデータは対で記憶され、同じタイミングの
イベントを示す場合にはデルタタイムデータは『0』と
なっている。
【0015】CTAB群は、図2(E)に示すように、
ノート変換に関する各種情報を各セクション(メイン、
フィルイン、イントロ及びエンディング)の『1』〜
『16』の各チャンネル毎に設けられたCTAB(Ch
annel Table)の複数で構成される。このよ
うにCTABを各セクションの各チャンネル毎に設けた
のは、シーケンスデータ内のコードに基づいてどのよう
にノート変換すべきであるか、その最適の状態が各セク
ションの各チャンネル毎にそれぞれ異なるからである。
【0016】CTABは基本的には各セクションの各チ
ャネル毎に設けられているが、特殊な設定を必要としな
いスタイルのセクションにおけるチャンネルに関して
は、このようなCTABは設けられない。CTABが設
けられていない場合には、ROM11内に設けられてい
るデフォルト用CTABによってノート変換が行われる
ようになっている。このように共通のデフォルトCTA
Bを用いることによってデータ記憶容量を削減すること
ができる。
【0017】図2(E)のCTAB群を構成する各CT
ABは、図2(F)に示すように、チャンネルナンバ、
楽器名、パートナンバ、パートエディットビット、ソー
スルート、ソースタイプ、ノート変換テーブル種類、ノ
ートリミット、チャンネルスイッチ等から構成される。
チャンネルナンバはMIDIチャンネルに対応した
『1』〜『16』のチャンネルナンバであり、1つのセ
クション内のCTABのチャンネルナンバは全て異なる
ようになっている。楽器名はチャンネルナンバで指定さ
れた音源回路16のMIDIチャンネルに設定されるべ
き音色の楽器名である。
【0018】パートナンバはどの演奏パートに関するデ
ータであるかを示すものであり、『1』〜『5』のデー
タで構成される。パートナンバ『1』はリズム1パート
を、パートナンバ『2』はリズム2パートを、パートナ
ンバ『3』はベースパートを、パートナンバ『4』はコ
ード1パートを、パートナンバ『5』はコード2パート
を示す。パートエディットビット(PEB)はそのチャ
ンネルをパート単位で編集してもよいか否かを示す
『0』又は『1』のデータである。パートエディットビ
ットが『1』の場合は1つの演奏パートが複数チャンネ
ルで構成されているので、パート単位での編集はできな
い(複数チャンネルあるうちのどのチャンネルをどのよ
うにエディットすれば音楽的に好ましい状態でエディッ
トできるのかが分からない)ことを示し、『0』の場合
は1つの演奏パートがこのチャンネルだけで構成されて
いるので、パート単位で編集ができることを示す。な
お、1つの演奏パートが1つのチャンネルで構成されて
いても、このチャンネルのエディットを行ってはいけな
い場合などには、パートエディットビット(PEB)が
『1』に設定されている場合もある。
【0019】ソースルートはそのチャンネルのシーケン
スデータ(自動伴奏データ)がどのコードルートで作成
されたかを示すものである。このソースルートのデフォ
ルト値は『C』である。ソースタイプはそのチャンネル
のシーケンスデータ(自動伴奏データ)がどのコードタ
イプで作成されたかを示すものである。このソースタイ
プのデフォルト値はメジャー7th(maj7)であ
る。シーケンスデータ(自動伴奏データ)がどのような
コードルート、コードタイプで作成されている場合であ
っても、このソースルート及びソースタイプに基づいて
そのチャンネルのシーケンスデータをCメジャー7th
の音(ノート変換を行うときの基準の音)に変換するこ
とができる。
【0020】ノート変換テーブル種類は複数のノート変
換テーブルの中から、どれを用いてノート変換を行うの
かを指定するものである。例えば、ノート変換テーブル
にはベースパートに適したL個のノート変換テーブル1
〜L、コードパートに適したM個のノート変換テーブル
1〜M、「全く変換しない」等の種類があるので、ノー
ト変換テーブル種類はこれらの中のどのテーブルに基づ
いて変換を行うかを指定するものである。このノート変
換テーブル種類のデフォルト値は、リズムパートの場合
には「全く変換しない(無変換)」であり、ベースパー
トの場合にはベースパートに適したノート変換テーブル
1であり、コードパートの場合にはコードパートに適し
たノート変換テーブル1である。
【0021】ノートリミットはノート変換によってノー
トナンバを変換した場合に、変換後のノートナンバの範
囲がある音域内に収まるように、その音域の上限及び下
限を規定するものである。チャンネルスイッチは現在押
鍵中のコードルート及びコードタイプが特定の種類であ
る場合に、そのチャンネルの発音を行うように設定する
ためのメモリスイッチであり、全てのコードルート及び
コードタイプに対応してオン・オフを示す『0』又は
『1』のデータで構成されている。1つの演奏パートが
複数チャンネルで構成されている場合に、このチャンネ
ルスイッチを用いて、コードの種類によってチャンネル
を切り換えることができるようにする。このチャンネル
スイッチのデフォルト値は「全てチャンネルを常時発音
させる」である。
【0022】デフォルトCTABは、図2(G)に示す
ように、図2(F)のCTABと同様に各チャンネル毎
にチャンネルナンバCH、楽器名、パートナンバ、パー
トエディットビット(PEB)、ソースルート、ソース
タイプ、ノート変換テーブル種類、ノートリミット、チ
ャンネルスイッチから構成される。この実施例ではチャ
ンネルナンバ『1』〜『5』に対して所定のデフォルト
値が設定されており、これ以外のチャンネルナンバ
『6』〜『16』に対してはデフォルト値は設定されて
いない。
【0023】デフォルトCTABにおいて、楽器名は設
定されていない。パートナンバについては、チャンネル
ナンバ『1』がパートナンバ『1』のリズム1パート
に、チャンネルナンバ『2』がパートナンバ『2』のリ
ズム2パートに、チャンネルナンバ『3』がパートナン
バ『3』のベースパートに、チャンネルナンバ『4』が
パートナンバ『4』のコード1パートに、チャンネルナ
ンバ『5』がパートナンバ『5』のコード2パートにな
るように設定されている。パートエディットビット(P
EB)については、全てのチャンネルナンバ『1』〜
『5』に対して『0』が設定されている。ソースルート
については、チャンネルナンバ『1』〜『5』に『C』
が設定されている。ソースタイプについては、チャンネ
ルナンバ『1』〜『5』にメジャー7th(maj7)
が設定されている。ノート変換テーブル種類について
は、リズムパートのチャンネルナンバ『1』及び『2』
には『無し(無変換)』が、ベースパートのチャンネル
ナンバ『3』にはベースパートに適したノート変換テー
ブル1が、コードパートのチャンネルナンバ『4』及び
『5』にはコードパートに適したノート変換テーブル1
がそれぞれ設定されている。ノートリミットについては
図示していないが上限及び下限の設定は『無し』に設定
されている。チャンネルスイッチについては、『全てチ
ャンネルを常時発音させる』が設定されている。
【0024】鍵盤1Aは発音すべき楽音の音高を選択す
るための複数の鍵を備えており、各鍵に対応したキース
イッチを有しており、また必要に応じて押圧力検出装置
等のタッチ検出手段を有している。鍵盤1Aは音楽演奏
のための基本的な操作子であり、これ以外の演奏操作子
でもよいことはいうまでもない。押鍵検出回路13は発
生すべき楽音の音高を指定する鍵盤1Aのそれぞれの鍵
に対応して設けられたキースイッチ回路を含むものであ
る。この押鍵検出回路13は鍵盤1Aの離鍵状態から押
鍵状態への変化を検出してキーオンイベントを出力し、
押鍵状態から離鍵状態への変化を検出してキーオフイベ
ントを出力すると共にそれぞれのキーオンイベント及び
キーオフイベントに関する鍵の音高を示すキーコード
(ノートナンバ)を出力する。押鍵検出回路13はこの
他にも鍵押し下げ時の押鍵操作速度や押圧力等を判別し
てベロシティデータやアフタタッチデータとして出力す
る。
【0025】スイッチ検出回路14はパネル1B上に設
けられた各々の操作子に対応して設けられており、各々
の操作子の操作状況に応じた操作データをイベント情報
として出力する。表示回路15はパネル1B上に設けら
れた表示手段(LCD2)の表示内容などを制御する。
パネル1Bには各種操作子及びLCD2が設けられてい
る。パネル1Bに設けられている操作子としては、
『0』から『9』の数字及び『+』『−』の付されたス
タイル選択スイッチ、『Yes』の付されたイエススイ
ッチ、『No』の付されたノースイッチ、『リズム
1』、『リズム2』、『ベース』、『コード1』、『コ
ード2』の付されたパート選択スイッチ、『イント
ロ』、『フィルイン』、『メイン』、『エンディング』
の付されたセクション選択スイッチ、『REC』の付さ
れた録音スイッチ、『クリア』の付されたクリアスイッ
チ、『カスタム』の付されたカスタムスイッチ、『スタ
ート/ストップ』の付されたスタート/ストップスイッ
チなどがある。この他にも、パネル1Bには発生すべき
楽音の音色、音量、音高、効果等を選択、設定、制御す
るための各種の操作子を有するが、ここでは実施例の説
明に必要なものだけについて説明する。
【0026】スタイル選択スイッチは、『00』から
『99』までのスタイルナンバを入力することによっ
て、いずれか1つのスタイルナンバを選択するためのス
イッチである。スタイル選択スイッチによって選択され
たスタイル名はLCD2上に表示される。イエススイッ
チ及びノースイッチはLCD2に表示された電子楽器か
らのメッセージに対して操作者が回答するためのもので
ある。パート選択スイッチは編集する演奏パートを指定
するためのスイッチである。セクション選択スイッチは
編集するセクションを指定するためのスイッチである。
録音スイッチはセクション選択スイッチ及びパート選択
スイッチによって選択されたセクション及びパートの演
奏データを編集するモードを指定するためのスイッチで
ある。なお、この実施例では録音スイッチとパート選択
スイッチが同時に操作された場合に、その操作された演
奏パートにおける演奏データの編集を行う編集モードに
移行するようにしている。クリアスイッチは編集モード
にある演奏データを消去するためのスイッチである。カ
スタムスイッチはスタイルナンバ『01』〜『99』の
中からスタイル選択スイッチによって選択されたデータ
をスタイルナンバ『00』のユーザスタイルデータとし
てRAM11のカスタムエリアにコピーするためのスイ
ッチである。スタート/ストップスイッチは自動演奏の
スタート/ストップを制御するためのスイッチである。
【0027】音源回路16は複数の時分割発音チャンネ
ル(この実施例では16チャンネル)で楽音信号の同時
発生が可能であり、データ及びアドレスバス1Dを経由
して与えられた演奏データ(MIDI規格に準拠したデ
ータ)を入力し、この演奏データに基づき楽音信号を発
生する。そして、16個のMIDIチャンネルに対応
し、同時に16種類の音色(パート)にて楽音の発生が
可能である。音源回路16における楽音信号発生方式は
いかなるものを用いてもよい。例えば、発生すべき楽音
の音高に対応して変化するアドレスデータに応じて波形
メモリに記憶した楽音波形サンプル値データを順次読み
出すメモリ読み出し方式、又は上記アドレスデータを位
相角パラメータデータとして所定の周波数変調演算を実
行して楽音波形サンプル値データを求めるFM方式、あ
るいは上記アドレスデータを位相角パラメータデータと
して所定の振幅変調演算を実行して楽音波形サンプル値
データを求めるAM方式等の公知の方式を適宜採用して
もよい。
【0028】音源回路16から発生される楽音信号はア
ンプ及びスピーカから構成されるサウンドシステム1C
を介して発音される。タイマ17は時間間隔を計数した
り、自動演奏のテンポを設定したりするためのテンポク
ロックパルスを発生するものであり、このテンポクロッ
クパルスの周波数はパネル1B上のテンポスイッチ(図
示していない)によって調整される。タイマ17からの
テンポクロックパルスはCPU10に対してインタラプ
ト命令として与えられ、CPU10はインタラプト処理
により自動演奏の各種処理を実行する。この実施例にお
いてはテンポクロックパルスは4分音符につき96回発
生されるものとする。MIDIインターフェイス(I/
F)18及びディスクドライブ19は、演奏データを外
部に出力したり、外部から演奏データを入力したりする
ためのインターフェイスである。なお、これらの装置以
外に、公衆回線、各種ネットワーク、HDD等を介して
演奏データのやりとりを行ってもよい。
【0029】次に、CPU10によって実行される電子
楽器の処理の一例を図3から図7のフローチャートに基
づいて説明する。図3はパネル1B上の各スイッチの操
作に応じて図1の電子楽器のCPU10が処理するカス
タムスタイル作成処理の一例を示す図である。このカス
タムスタイル作成処理は操作者がスタイルナンバ『0
0』のユーザスタイルデータを作成する際にパネル1B
上のスイッチを操作することによって行われる処理であ
る。このカスタムスタイル作成処理は次のようなステッ
プで順番に実行される。
【0030】ステップ31:操作者はLCD2に表示さ
れるスタイル名を見ながらスタイル選択スイッチ『0』
〜『9』、『+』又は『−』を操作して『00』から
『99』までのスタイルナンバを入力し、1つのスタイ
ルナンバを選択する。 ステップ32:操作者がカスタムスイッチ『カスタム』
を操作(オン)すると、それに応じてCPU10はRA
M11のカスタムエリアにステップ31で選択されたス
タイルナンバの演奏データをスタイルナンバ『00』の
ユーザスタイルデータとしてコピーする。
【0031】ステップ33:操作者は編集したいセクシ
ョンに対応するセクション選択スイッチ『イントロ』、
『フィルイン』、『メイン』又は『エンディング』を操
作する。 ステップ34:操作者は録音スイッチ『REC』を操作
(オン)しながら、同時に編集したい演奏パートに対応
するパート選択スイッチ『リズム1』、『リズム2』、
『ベース』、『コード1』又は『コード2』を操作(オ
ン)する。 ステップ35:CPU10はステップ33及び34のス
イッチ操作に応じて、選択されたセクション及びパート
に対応するチャンネルのパートエディットビットをチェ
ックする。すなわち、選択されたセクションのCTAB
の中から選択されたパートナンバに対応するCTABの
中のパートエディットビットの内容を読み出す。 ステップ36:CPU10はステップ35で読み出され
たパートエディットビット(PEB)が『1』であるか
どうかを判定し、『1』(YES)の場合は次のステッ
プ37に進み、『0』(NO)の場合はステップ3Dに
ジャンプする。
【0032】ステップ37:ステップ36でパートエデ
ィットビットが『1』だと判定されたということは、ス
テップ33及び34で選択されたパートの演奏データは
編集できないことを意味するので、CPU10はLCD
2上に「このパートはエディットできません。消去して
いいですか?」というメッセージを表示する。 ステップ38:このメッセージを確認した操作者は、イ
エススイッチ『Yes』又はノースイッチ『No』のい
ずれかを操作(オン)するので、CPU10はイエスス
イッチ『Yes』が操作(オン)されたかどうかを判定
し、操作された(YES)場合は次のステップ3Aに進
み、操作されていない(NO)場合はステップ39に進
む。 ステップ39:ステップ38でイエススイッチ『Ye
s』が操作されていなと判定されたので、今度はCPU
10はノースイッチ『No』が操作(オン)されたかど
うかを判定し、操作された(NO)場合は次のステップ
3Eに進み、操作されていない(NO)場合はステップ
38にリターンする。すなわち、操作者がイエススイッ
チ『Yes』又はノースイッチ『No』のいずれかを操
作(オン)するまでステップ38及びステップ39の判
定を繰り返し行う。
【0033】ステップ3A:ステップ38で操作者がイ
エススイッチ『Yes』を操作したと判定されたので、
CPU10はLCD2から上記メッセージを消去する。 ステップ3B:CPU10はステップ33及び34で選
択された演奏パートに対応するチャンネルのシーケンス
データを消去する。すなわち、シーケンスデータ中から
該チャンネルナンバのついたイベントをサーチし消去し
てシーケンスデータを作り直す。演奏パートが複数チャ
ンネルで構成されている場合にはその全チャンネルのシ
ーケンスデータを消去する。 ステップ3C:CPU10はステップ33及び34で選
択されたパートに対応するチャンネルのCTABをRO
M11内のデフォルトCTABに書き換える。なお、こ
の書き換えの際、チャンネルナンバ、楽器名、パートナ
ンバなどのようにそのCTAB固有のデータはそのまま
維持し、これ以外の値をデフォルトCTABの値に書き
換える。
【0034】ステップ3D:操作者はステップ3Bで消
去されたシーケンスデータに代えて新たなシーケンスデ
ータを記録したり、編集したりする。なお、新たなシー
ケンスデータの作成・記録・編集作業は鍵盤1Aの操作
に応じたリアルタイム入力(オーバーダビング処理)や
図示していない他のスイッチ類の操作に応じたステップ
入力処理、クリア処理又はクォンタイズ処理などによっ
て行われる。 ステップ3E:操作者がノースイッチ『No』を操作し
たとステップ39で判定されたので、CPU10はLC
D2から上記メッセージを消去する。 ステップ3F:スタート/ストップスイッチが操作(オ
ン)されたかどうかを判定し、操作された(YES)場
合は処理を終了し、メインルーチン(図示せず)にリタ
ーンし、操作されていない(NO)場合はステップ33
にリターンし、ステップ33以降の処理を繰り返し行
う。
【0035】図4は操作者によってパネル1B上のスタ
ート/ストップスイッチが操作され、自動演奏のスター
トが指示された場合にCPU10が行うスタート処理の
一例を示す図である。このスタート処理では、電子楽器
がこの実施例のように複数のリズムパート(リズム1パ
ート及びリズム2パート)を有する場合において、音源
回路16が両方のパートの音をそれぞれ独立したMID
Iチャンネルで発音可能な音源であっても、リズムパー
トの音がMIDIチャンネル番号『10』の1つに固定
されているGM(General Midi)システム
の音源であっても支障なく発音できるようにするための
処理を行っている。
【0036】すなわち、リズム1パート及びリズム2パ
ートのようにリズムパートが2つ存在し、かつ、音源回
路16がGMシステムの音源である場合には、両方のパ
ートの音がMIDIチャンネル番号『10』に出力され
なければならない。このとき、両方のパートから同じタ
イミングで同時に発音してはならない複数のイベント
(例えば、ハイハットのオープンとクローズ、同じ種類
のイベントでベロシティが異なるものなど)が発生した
場合には、時間的に後から出力されたイベントが優先的
に発音されるようになる。そこで、この実施例では、例
えば後述する図7のステップ73及び74の処理を行な
うことにより、複数のリズムパートの内、いずれか一つ
をメインのリズムパートとし、残りのものをサブのリズ
ムパートとして、同じタイミングでイベントが発生した
場合にそのメインのリズムパートのイベントを最後に出
力するようにした。これによって、メインのリズムパー
トの音が必ず発音されるようになるので、メインパート
の演奏音が発音されないといった不都合がなくなり、音
楽的に好ましい演奏が可能となる。
【0037】このスタート処理は次のようなステップで
順番に実行される。 ステップ41:図2(B)の初期設定データに基づい
て、音源回路16の各MIDIチャンネルに音色などの
各種設定を行う。 ステップ42:現在の発音モードが第1の発音モードか
どうかを判定し、第1の発音モード(YES)の場合は
次ステップ43に進み、第2の発音モード(NO)の場
合はリターンする。ここで、第1の発音モードとは、リ
ズム1パート及びリズム2パートの2つのリズムパート
の演奏データを1つのMIDIチャンネル分の演奏デー
タにマージして発音することであり、第2の発音モード
とは、2つのリズムパートの演奏データをそれぞれ別々
のMIDIチャンネルの演奏データとして発音すること
である。この発音モードは、図示していないモード選択
スイッチの操作によって設定するか、又は音源回路16
がGMシステムの音源であるかどうかを検出して自動的
に設定してもよい。この場合、音源回路16がGMシス
テムの場合には第1の発音モードが選択され、そうでな
い場合には第2の発音モードが選択される。
【0038】ステップ43:チャンネル番号『10』が
リズム1パートであるかどうかを判定し、リズム1パー
ト(YES)の場合はステップ45に進み、リズム1パ
ート以外(NO)の場合はステップ44に進む。 ステップ44:ステップ43でリズム1パートのチャン
ネル番号が『10』以外のチャンネル番号『n』である
と判定されたので、ここではチャンネル番号『10』の
音色をリズム1パートの音色に変更し、変更前のチャン
ネル番号『10』の音色をチャンネル番号『n』の音色
に変更する。すなわち、互いの音色を交換する。
【0039】ステップ45:リズム1パート及びリズム
2パートの演奏データがチャンネル番号『10』となる
ように、チャンネル入れ替えテーブルを作成する。すな
わち、ステップ43でチャンネル番号『10』がリズム
1パートである(YES)と判定された場合にはリズム
2パートの演奏データをチャンネル番号『10』にする
ためのリズム2パートに関するチャンネル入れ替えテー
ブルを作成する。また、ステップ43でチャンネル番号
『10』がリズム1パートでない(NO)と判定され、
ステップ44で音色交換が行われた場合にはリズム1パ
ート及びリズム2パートの演奏データがチャンネル番号
『10』となるようにチャンネル入れ替えテーブルを作
成する。また、ステップ43の判定時点でチャンネル番
号『10』がリズム2パートであった場合には、ステッ
プ44の音色交換を行い、リズム1パートの演奏データ
をチャンネル番号『10』にするためのリズム1パート
に関するチャンネル入れ替えテーブルを作成する。
【0040】図5は4分音符当たり96回のタイマ割り
込みで実行される再生処理の一例を示す図である。この
再生処理は次のようなステップで順番に実行される。 ステップ51:タイミングレジスタTIMEの値が
『0』かどうかを判定し、『0』(YES)の場合は図
2(A)のシーケンスデータから次のデータを読み出す
タイミングになったことを意味するので次のステップ5
2に進み、『0』以外(NO)の場合はステップ5Bに
進む。
【0041】ステップ52:ステップ51でシーケンス
データの読み出しタイミングになったと判定されたの
で、ここでは、図2(A)のソングデータの中から次の
データを読み出す。 ステップ53:ステップ52で読み出されたデータがデ
ルタタイムデータであるかどうかを判定し、デルタタイ
ムデータ(YES)の場合はステップ58に進み、そう
でない場合はステップ54に進む。
【0042】ステップ54:読み出されたデータがデル
タタイムデータでないとステップ53で判定されたの
で、今度はその読み出されたデータがセクションの区切
りを示すマーカーであるかどうかの判定を行い、マーカ
ー(YES)の場合はステップ57に進み、マーカー以
外の他のデータ(NO)の場合はステップ55に進む。 ステップ55:ステップ54でセクション区切りでない
(NO)と判定されたということは、ステップ52で読
み出されたデータがイベントデータであることを意味す
るので、ここでは、そのイベントを対応チャンネルのC
TAB及びノート変換テーブルに基づいて処理する。た
だし、ノートイベント以外のイベントの場合はこのステ
ップ55の処理は省略する。
【0043】図6はステップ55の処理の詳細を示す図
である。この処理は次のようなステップで順番に実行さ
れる。 ステップ61:ステップ52で読み出されたノートイベ
ントデータに対応するCTABがCTAB群の中に存在
するかどうかを現在演奏中のセクション及びイベントデ
ータ内のチャンネルナンバに基づいて判定し、存在する
(YES)場合はステップステップ63にジャンプし、
存在しない(NO)場合はステップ62に進む。 ステップ62:ステップ61で対応するCTABが存在
しないと判定されたので、ここではそのイベントに対す
るCTABとしてデフォルトCTABを適用する。
【0044】ステップ63:CTAB内のパートナンバ
に基づいてそのCTABがリズムパート以外であるかど
うかを判定し、リズムパート以外のベースパート、コー
ドパート(YES)の場合は次のステップ64に進み、
リズムパート(NO)の場合はリターンして図5のステ
ップ56に進む。 ステップ64:操作者によって押鍵されている現時点の
コードルート及びコードタイプに対応するCTAB内の
チャンネルスイッチデータが『1』(オン)であるかど
うか、すなわち発音すべきパートか否かを判定し、チャ
ンネルスイッチデータが『1』であり、発音すべきパー
トである(YES)と判定された場合には次のステップ
65に進み、『0』であり、発音しないパートである
(NO)と判定された場合にはステップ67に進む。
【0045】ステップ65:CTAB内のノート変換テ
ーブル種類のデータに基づいてノート変換テーブルを選
択する。 ステップ66:CTAB内のデータ、選択されたノート
変換テーブル及び操作者によって押鍵されている現時点
のコードルート及びコードタイプあるいは図示しないコ
ードシーケンサにより再生されたコードルート及びコー
ドタイプに基づいてノートデータを修正する。なお、C
TAB内のソースルート及びソースタイプがシーメジャ
ー7th(Cmaj7)でない場合には、一旦そのノー
トデータをソースルート及びソースタイプをシーメジャ
ー7th(Cmaj7)に対応するように変換する。そ
して、変換されたノートデータをさらにノート変換テー
ブル並びに現時点のコードルート及びコードタイプに応
じて修正して、図5のステップ56に進む。
【0046】ステップ56:ステップ55(図6の処
理)によってノートナンバが修正されたノートイベント
をバッファに書き込み、ステップ52にリターンする。 ステップ57:ステップ54でセクションの区切り(Y
ES)であると判定されたということは、ステップ52
で読み出されたデータがセクションの区切りを示すマー
カーであると判定されたことを意味するので、そのセク
ションの先頭へ移行するか、又は終了する。先頭へ移行
する場合は該セクションの先頭のデルタタイムを読み出
し、タイミングレジスタTIMEへ格納した後、次の割
り込みタイミングまで待機する。
【0047】ステップ58:読み出されたデータがデル
タタイムデータであるとステップ53で判定されたの
で、ここでは、そのデルタタイムデータをタイミングレ
ジスタTIMEに格納する。 ステップ59:タイミングレジスタTIMEの格納値が
『0』かどうか、すなわち、ステップ52で読み出され
たデルタタイムデータが『0』かどうかを判定し、
『0』(YES)の場合は同じタイミングに該当するの
で、ステップ52にリターンし、そのデルタタイムに対
応するイベントデータを読み出してステップ54〜57
の処理を行い、『0』以外(NO)の場合はステップ5
Aに進む。
【0048】ステップ5A:バッファ内のデータを音源
回路16に出力し、ステップ5Bへと進む。 ステップ5B:ステップ51でタイミングレジスタTI
MEの値が『0』でないと判定されたか、又はステップ
58で『0』以外の値がタイミングレジスタTIMEに
格納されてステップ59でタイミングレジスタTIME
の値が『0』でないと判定されたので、ここでは、その
タイミングレジスタTIMEの値を1だけデクリメント
処理してリターンし、次の割り込みタイミングまで待機
する。図7はこのステップ5Aの処理の詳細を示す図で
ある。この処理は次のようなステップで順番に実行され
る。 ステップ71:発音モードは第1の発音モードかどうか
を判定し、第1の発音モード(YES)の場合は次のス
テップ72に進み、第2の発音モード(NO)の場合は
ステップ75にジャンプする。
【0049】ステップ72:ステップ71で第1の発音
モード(YES)と判定されたので、図4のステップ4
5の処理によって作成されたチャンネル入れ替えテーブ
ルに基づいてチャンネル番号の入れ替えを行う。これに
より、リズム1パート及びリズム2パートのイベントの
チャンネル番号は『10』に変更される。 ステップ73:リズム1パートとリズム2パートのノー
トオンイベントが両方バッファ内に存在するかどうかを
判定し、存在する(YES)場合はステップ74に進
み、存在しない(NO)場合はステップ75に進む。つ
まり、前述した通り、リズム1パート及びリズム2パー
トは、同じリズムパートであるため、両方のパートで同
じタイミングで同時に発音してはならない、つまり相容
れない、複数のイベント(例えば、ハイハットのオープ
ンとクローズ、同じ種類のイベントでベロシティが異な
るものなど)が発生される可能性がある。そこで、この
ステップ73では、リズム1パートとリズム2パートの
ノートオンイベントが両方バッファ内に存在するかどう
かを判定することで、該イベント同士が相容れない関係
であることを判定しているのである。
【0050】ステップ74:イベントの出力順序、すな
わちリズム2パートのノートイベントの方がリズム1パ
ートのノートイベントよりも先に出力されるように、バ
ッファ内のデータ並びを変更する。すなわち、この実施
例ではリズム1パートを優先度の高いパートとするよう
にしている。 ステップ75:バッファ内のノートオンイベントをバッ
ファ内の並び順に従って音源回路16に出力し、次の割
り込みタイミングまで待機する。
【0051】このステップ74及び75の処理によっ
て、両方のリズム1パート及びリズム2パートから同じ
タイミングでイベントが発生した場合でも、リズム1パ
ートのイベントの方がリズム2パートのイベントよりも
後で出力されるようになるので、両パートのイベントが
同じ発音タイミングに相当し、かつ、そのイベント同士
が互いに相容れない関係にある場合(例えば、両イベン
トがハイハットオープンイベントとハイハットクローズ
イベントである場合や両イベントが同一種類のイベント
でベロシティだけが異なる場合など)には、音源回路1
6はリズム1パートのイベントに対応した発音だけを優
先的に行うようになる。なお、ここでは、リズム1パー
ト及びリズム2パートのノートイベントの出力タイミン
グを調整する場合について説明したが、そのイベント同
士が互いに相容れない関係にある場合はリズム2パート
のノートイベントを消去してもよいことはいうまでもな
い。
【0052】また、上述の実施例では音源回路及び自動
演奏装置を内蔵した電子楽器について説明したが、自動
演奏処理を行うシーケンサモジュールと、音源回路から
なる音源モジュールとがそれぞれ別々に構成され、各モ
ジュール間のデータの授受を周知のMIDI規格で行う
ように構成されたものにも同様に適用できることは言う
までもない。さらに、上述の実施例では、本発明をリズ
ム、ベース、コードパート等からなる演奏データを繰り
返し読み出す自動伴奏に適用した場合について説明した
が、これに限らずシーケンサタイプの自動演奏に適用し
てもよいことは言うまでもない。
【0053】上述の実施例では、パートエディットビッ
ト(PEB)を各チャンネル毎に持たせる場合について
説明したが、パート毎に持たせるようにしてもよい。す
なわち、実施例ではチャンネル毎に各チャンネルがどの
パートに属するかなどの情報を持たせるようにしたが、
パート毎にどのチャンネルがそのパートに属するかなど
の情報を持たせ、そこにそのパートをエディットしても
よいか否かを示す情報を持たせるようにしてもよい。ま
た、リズムパートの数は3つ以上であってもよい。その
場合、各パートの間に優先度を付与し、優先度の高いパ
ートの音が優先的に発音されるようにすればよい。
【0054】また、上述の実施例では、リズムパートが
リズム1パート及びリズム2パートの2以上の場合につ
いて両パートのイベントをマージして発音する場合につ
いて説明したが、これ以外のパート(ベースパート、コ
ード1パート)についても同様にマージして発音しても
よいことはいうまでもない。また、複数パートのイベン
トをマージして発音する場合だけでなく、複数チャンネ
ルのイベントをマージして発音する場合にも同様に優先
チャンネルを設定し、そのチャンネルのイベントを優先
的に発音するようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】この発明によれば、音楽的に不都合のな
い演奏をすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る自動演奏装置を適用した電子
楽器の一実施例を示すハード構成ブロック図である。
【図2】 図1のROM及びRAMに記憶されているス
タイルデータの内容及びデフォルトCTABの内容を示
す図である。
【図3】 図1のパネル上の各スイッチの操作に応じて
図1の電子楽器のCPUが処理するカスタムスタイル作
成処理の一例を示す図である。
【図4】 操作者によってパネル上のスタート/ストッ
プスイッチが操作され、自動演奏のスタートが指示され
た場合にCPUが行うスタート処理の一例を示す図であ
る。
【図5】 4分音符当たり96回のタイマ割り込みで実
行される再生処理の一例を示す図である。
【図6】 図5のステップ55の処理の詳細を示す図で
ある。
【図7】 図5のステップ5Aの処理の詳細を示す図で
ある。
【符号の説明】
10…CPU、11…ROM、12…RAM、13…押
鍵検出回路、14…スイッチ検出回路、15…表示回
路、16…音源回路、17…タイマ、18…MIDIイ
ンターフェイス、19…ディスクドライブ、1A…鍵
盤、1B…パネル、1C…サウンドシステム、1D…デ
ータ及びアドレスバス、2…LCD
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中薗 裕樹 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 Fターム(参考) 5D378 MM22 MM51 MM55 MM64

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のパート又はチャンネルからなる自
    動演奏データを供給する供給手段と、 前記複数のパート又はチャンネルのデータを共通のパー
    ト又はチャンネルのデータにマージするものであって、
    異なるパート又はチャンネルのイベントが同じ発音タイ
    ミングに相当し、そのイベント同士が互いに相容れない
    関係にある場合は、自動演奏データの中のいずれか1つ
    のパート又はチャンネルのイベントのみが優先的に供給
    されるようにするマージ手段とを備えた自動演奏装置。
  2. 【請求項2】 複数のパート又はチャンネルからなる自
    動演奏データを供給する供給手段と、 前記複数のパート又はチャンネルのデータを共通のパー
    ト又はチャンネルのデータにマージするものであって、
    リズムパートに属する少なくとも2つの異なるパートを
    マージする場合において、該少なくとも2つの異なるパ
    ートにおけるイベントが同じ発音タイミングに相当する
    場合は、該少なくとも2つの異なるパートのうち所定の
    1つのパートのイベントの自動演奏データが優先的に供
    給されるようにするマージ手段とを備えた自動演奏装
    置。
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