JP2002228584A - 同位体ガス測定装置 - Google Patents
同位体ガス測定装置Info
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- JP2002228584A JP2002228584A JP2001027592A JP2001027592A JP2002228584A JP 2002228584 A JP2002228584 A JP 2002228584A JP 2001027592 A JP2001027592 A JP 2001027592A JP 2001027592 A JP2001027592 A JP 2001027592A JP 2002228584 A JP2002228584 A JP 2002228584A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 13CO2の吸光度測定において12CO2
の干渉の影響が小さく、同位体ガスの濃度を再現性よく
安定に測定できる同位体ガス測定装置を提供する。 【解決手段】 赤外光源1からの光はセル3、4のサン
プルガスに含まれる12CO2ガスおよび13CO2ガ
スによって吸収された後、赤外検出器11、12により
強度が測定される。12CO2側のセル4および13C
O2側のセル3では、それぞれ他方のガスの干渉影響を
受けているが、セル4においては、13CO2ガスの存
在比率が約1.1%程度であることと、干渉フィルタ9
の光学特性によって、赤外検出器12から得られる出力
には13CO2の干渉を無視することができる。一方、
セル3においては、セル3のあとに設置されたガスセル
6内に封入されている12CO2ガスと、干渉フィルタ
8の光学特性によって、赤外検出器11から得られる出
力には12CO2の干渉の影響を低減することができ
る。
の干渉の影響が小さく、同位体ガスの濃度を再現性よく
安定に測定できる同位体ガス測定装置を提供する。 【解決手段】 赤外光源1からの光はセル3、4のサン
プルガスに含まれる12CO2ガスおよび13CO2ガ
スによって吸収された後、赤外検出器11、12により
強度が測定される。12CO2側のセル4および13C
O2側のセル3では、それぞれ他方のガスの干渉影響を
受けているが、セル4においては、13CO2ガスの存
在比率が約1.1%程度であることと、干渉フィルタ9
の光学特性によって、赤外検出器12から得られる出力
には13CO2の干渉を無視することができる。一方、
セル3においては、セル3のあとに設置されたガスセル
6内に封入されている12CO2ガスと、干渉フィルタ
8の光学特性によって、赤外検出器11から得られる出
力には12CO2の干渉の影響を低減することができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、呼気中の安定同位体を
測定する医療分野で使用される、12Cおよび13Cを
構成元素とする二酸化炭素12CO2および13CO2
を含む被測定ガスを非分散型赤外吸収法を用いて測定す
ることにより、12CO2および13CO2の濃度また
はその濃度比を求める同位体ガス測定装置に関する。
測定する医療分野で使用される、12Cおよび13Cを
構成元素とする二酸化炭素12CO2および13CO2
を含む被測定ガスを非分散型赤外吸収法を用いて測定す
ることにより、12CO2および13CO2の濃度また
はその濃度比を求める同位体ガス測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内での代謝、蓄積、排泄などを検査
するために、従来より同位体トレーサ法と呼ばれる方法
が利用されている。この方法は、生体内にあって追跡す
る目的元素や物質と同様の挙動を示す物質を同位体で標
識してトレーサとし、その同位体を追跡することにより
目的物質の挙動を調べるものである。
するために、従来より同位体トレーサ法と呼ばれる方法
が利用されている。この方法は、生体内にあって追跡す
る目的元素や物質と同様の挙動を示す物質を同位体で標
識してトレーサとし、その同位体を追跡することにより
目的物質の挙動を調べるものである。
【0003】一般に、被測定ガス中の同位体ガス(例え
ば12CO2および13CO2)の測定には、質量分析
装置を用いる方法と、より簡便な非分散型赤外分析計を
用いる方法とが知られている。質量分析計を用いる方法
では、精密な測定が行えるという利点はあるものの、装
置の価格が高く、熟練したオペレータを必要とする。こ
れに対し、非分散型赤外分析計を用いる方法は、装置の
価格が安く取り扱いも容易であることから、今後、大き
く普及するものと思われる。
ば12CO2および13CO2)の測定には、質量分析
装置を用いる方法と、より簡便な非分散型赤外分析計を
用いる方法とが知られている。質量分析計を用いる方法
では、精密な測定が行えるという利点はあるものの、装
置の価格が高く、熟練したオペレータを必要とする。こ
れに対し、非分散型赤外分析計を用いる方法は、装置の
価格が安く取り扱いも容易であることから、今後、大き
く普及するものと思われる。
【0004】非分散型赤外分析計を利用した同位体ガス
測定装置の一例は、特許2885687号公報に記載さ
れている。図2にこの従来の同位体ガス測定装置の概略
構成図を示す。セル25は、12CO2測定用の短い第
1試料セル25aと、13CO2測定用の長い第2試料
セル25bとを含む。セル25の一方の端部には、平板
状のセラミックヒータである光源21と、光源21から
第1試料セル25aおよび第2試料セル25bにそれぞ
れ赤外光を照射するための2つの導波管22、23とか
らなる光源装置20、および赤外光を一定周期で遮断、
通過させる回転式のチョッパ24が設けられている。一
方、セル25の反対側の端部には、セル25を通過した
光を検出するための検出器27、29が配置され、検出
器27、29の直前には12CO2の吸収波長(約42
50nm)を選択的に透過する干渉フィルタ26と、
13CO2の吸収波長(約4415nm)を選択的に透
過する干渉フィルタ28とが設けられている。
測定装置の一例は、特許2885687号公報に記載さ
れている。図2にこの従来の同位体ガス測定装置の概略
構成図を示す。セル25は、12CO2測定用の短い第
1試料セル25aと、13CO2測定用の長い第2試料
セル25bとを含む。セル25の一方の端部には、平板
状のセラミックヒータである光源21と、光源21から
第1試料セル25aおよび第2試料セル25bにそれぞ
れ赤外光を照射するための2つの導波管22、23とか
らなる光源装置20、および赤外光を一定周期で遮断、
通過させる回転式のチョッパ24が設けられている。一
方、セル25の反対側の端部には、セル25を通過した
光を検出するための検出器27、29が配置され、検出
器27、29の直前には12CO2の吸収波長(約42
50nm)を選択的に透過する干渉フィルタ26と、
13CO2の吸収波長(約4415nm)を選択的に透
過する干渉フィルタ28とが設けられている。
【0005】互いに連結した第1試料セル25aおよび
第2試料セル25bに試料ガスを満たし、光源21から
発し導波管22、23を通った赤外光をその試料ガス中
に通過させる。13CO2の存在比率は一般大気で12
CO2の約1.1%と小さいことから、13CO2を測
定する第2試料セル25bは12CO2を測定する第1
試料セル25aと比べて長くしてある。そして、干渉フ
ィルタ26、28により12CO2および13CO2に
対応した波長のみを抜き出し、検出器27、29により
赤外線の吸光度を検出している。干渉フィルタ26、2
8を用いることにより、それぞれのガスの干渉影響を低
減することができる。赤外線の吸光度とガス濃度との関
係をあらかじめ求めておくことにより、検出器27、2
9により得られる赤外線の吸光度より、12CO2およ
び13CO2の濃度を測定することができる。
第2試料セル25bに試料ガスを満たし、光源21から
発し導波管22、23を通った赤外光をその試料ガス中
に通過させる。13CO2の存在比率は一般大気で12
CO2の約1.1%と小さいことから、13CO2を測
定する第2試料セル25bは12CO2を測定する第1
試料セル25aと比べて長くしてある。そして、干渉フ
ィルタ26、28により12CO2および13CO2に
対応した波長のみを抜き出し、検出器27、29により
赤外線の吸光度を検出している。干渉フィルタ26、2
8を用いることにより、それぞれのガスの干渉影響を低
減することができる。赤外線の吸光度とガス濃度との関
係をあらかじめ求めておくことにより、検出器27、2
9により得られる赤外線の吸光度より、12CO2およ
び13CO2の濃度を測定することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】12CO2ガスとその
安定同位体である13CO2ガスの赤外吸収波長領域は
互いに近く(差は約70cm−1)また、同位体の存在
比率が約1.1%と小さいことから、従来実施されてい
る、干渉フィルタ26、28のみを使用して相互のガス
の干渉影響を低減する方法では、13CO2測定結果に
12CO2の干渉の影響が大きく残る。13CO2の赤
外線吸光度とガス濃度との関係を表す校正曲線に12C
O2の干渉の影響を含めることにより、この干渉を取り
除くことは可能であるが、校正曲線の作成が非常に煩雑
になり、実質上困難である。また、 13CO2の吸光度
を測定する検出器側に使用する干渉フィルタ26、28
のバンド幅を狭く設定することにより、12CO2の干
渉の影響を低減することができるが、干渉フィルタ2
6、28のバンド幅を狭く設定するとこの干渉フィルタ
26、28の製造が困難になると同時に製造時のばらつ
きが大きくなり、装置間のばらつきが大きく、再現性の
よい測定を行うことが困難となる。
安定同位体である13CO2ガスの赤外吸収波長領域は
互いに近く(差は約70cm−1)また、同位体の存在
比率が約1.1%と小さいことから、従来実施されてい
る、干渉フィルタ26、28のみを使用して相互のガス
の干渉影響を低減する方法では、13CO2測定結果に
12CO2の干渉の影響が大きく残る。13CO2の赤
外線吸光度とガス濃度との関係を表す校正曲線に12C
O2の干渉の影響を含めることにより、この干渉を取り
除くことは可能であるが、校正曲線の作成が非常に煩雑
になり、実質上困難である。また、 13CO2の吸光度
を測定する検出器側に使用する干渉フィルタ26、28
のバンド幅を狭く設定することにより、12CO2の干
渉の影響を低減することができるが、干渉フィルタ2
6、28のバンド幅を狭く設定するとこの干渉フィルタ
26、28の製造が困難になると同時に製造時のばらつ
きが大きくなり、装置間のばらつきが大きく、再現性の
よい測定を行うことが困難となる。
【0007】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、13CO2の吸光度測定において12
CO2の干渉の影響が小さく、同位体ガスの濃度を再現
性よく安定に測定できる同位体ガス測定装置を提供する
ことを目的とする。
れたものであり、13CO2の吸光度測定において12
CO2の干渉の影響が小さく、同位体ガスの濃度を再現
性よく安定に測定できる同位体ガス測定装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明の同位体ガス測定装置は、被測定ガス中の二
酸化炭素12CO2とその安定同位体13CO2の濃度
を赤外線の吸光度より測定する同位体ガス測定装置であ
って、被測定ガスが内部に流通される試料セルと、試料
セルに赤外光を放射する光源と、試料セルの一方の端面
に設けられ、二酸化炭素12CO2に対応する波長の赤
外光を検出する第1の光検出手段と、試料セルの他方の
端面に設けられ、二酸化炭素13CO2に対応する波長
の赤外光を検出する第2の光検出手段とを備え、第1の
検出器と試料セルとの間に12CO 2の吸収波長を選択
的に透過する干渉フィルタと、第2の検出器と試料セル
との間に13CO2の吸収波長を選択的に透過する干渉
フィルタとを備え、さらに第2の検出器と試料セルとの
間に12CO2を封入したガスセルを備えたものであ
る。ここで、封入する12CO2は純度100%のガス
には限定されず、測定に影響がない程度に13CO2を
含有する場合も含む。
め、本発明の同位体ガス測定装置は、被測定ガス中の二
酸化炭素12CO2とその安定同位体13CO2の濃度
を赤外線の吸光度より測定する同位体ガス測定装置であ
って、被測定ガスが内部に流通される試料セルと、試料
セルに赤外光を放射する光源と、試料セルの一方の端面
に設けられ、二酸化炭素12CO2に対応する波長の赤
外光を検出する第1の光検出手段と、試料セルの他方の
端面に設けられ、二酸化炭素13CO2に対応する波長
の赤外光を検出する第2の光検出手段とを備え、第1の
検出器と試料セルとの間に12CO 2の吸収波長を選択
的に透過する干渉フィルタと、第2の検出器と試料セル
との間に13CO2の吸収波長を選択的に透過する干渉
フィルタとを備え、さらに第2の検出器と試料セルとの
間に12CO2を封入したガスセルを備えたものであ
る。ここで、封入する12CO2は純度100%のガス
には限定されず、測定に影響がない程度に13CO2を
含有する場合も含む。
【0009】13CO2ガスの赤外光の吸光度を検出す
る検出器の前に、13CO2の吸収波長の赤外線を選択
的に透過する干渉フィルタを設置するのに加えて、12
CO 2ガスを封入したガスセルを設置することによっ
て、13CO2の赤外吸光度を測定する前に、12CO
2の吸収波長の赤外線をこのセル中の12CO2ガスが
ほぼ完全に吸収してしまう。これにより、試料ガス中の
12CO2濃度が変化しても12CO2の吸収波長の赤
外線が13CO2ガスの赤外光吸収を検出する検出器に
達することはなく、13CO2の赤外吸光度測定におよ
ぼす12CO2ガスの干渉の影響を取り除くことでき
る。
る検出器の前に、13CO2の吸収波長の赤外線を選択
的に透過する干渉フィルタを設置するのに加えて、12
CO 2ガスを封入したガスセルを設置することによっ
て、13CO2の赤外吸光度を測定する前に、12CO
2の吸収波長の赤外線をこのセル中の12CO2ガスが
ほぼ完全に吸収してしまう。これにより、試料ガス中の
12CO2濃度が変化しても12CO2の吸収波長の赤
外線が13CO2ガスの赤外光吸収を検出する検出器に
達することはなく、13CO2の赤外吸光度測定におよ
ぼす12CO2ガスの干渉の影響を取り除くことでき
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の同位体
ガス測定装置の一実施例の概略構成図である。本発明の
装置は赤外光源1と、13CO2を測定するセル3と、
12CO2を測定するセル4と、ガスセル6と、13C
O2の吸収波長に合わせた中心波長4415nmの干渉
フィルタ8と、12CO2の吸収波長に合わせた中心波
長4250nmの干渉フィルタ9と、13CO2による
赤外吸光度を測定する赤外検出器11と、12CO2に
よる赤外吸光度を測定する赤外検出器12と、信号処理
部13と、セル内にガスを導入する導入口14と、セル
内からガスを排出する排出口15および流量計16と、
ポンプ17と、三方コック18と、二方コック19とか
らなるセル3、4にガスを供給するガス系より構成され
ている。赤外光源1としてタングステンランプを使用し
ており、約2Hzの周波数で点滅駆動させている。13
CO2による赤外吸光度を測定する赤外検出器11とし
てLiTaO3、12CO2による赤外吸光度を測定す
る赤外検出器12としてDLATGSを使用している。
また、セル3の長さは500mm、セル4の長さは15
mmであり、12CO2ガスが封入されたガスセル6の
長さは15mmである。三方コック18にはサンプルガ
スが接続されており、二方コック19には一定濃度の
12CO2および13CO2を含むリファレンスガスが
接続されている。
参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の同位体
ガス測定装置の一実施例の概略構成図である。本発明の
装置は赤外光源1と、13CO2を測定するセル3と、
12CO2を測定するセル4と、ガスセル6と、13C
O2の吸収波長に合わせた中心波長4415nmの干渉
フィルタ8と、12CO2の吸収波長に合わせた中心波
長4250nmの干渉フィルタ9と、13CO2による
赤外吸光度を測定する赤外検出器11と、12CO2に
よる赤外吸光度を測定する赤外検出器12と、信号処理
部13と、セル内にガスを導入する導入口14と、セル
内からガスを排出する排出口15および流量計16と、
ポンプ17と、三方コック18と、二方コック19とか
らなるセル3、4にガスを供給するガス系より構成され
ている。赤外光源1としてタングステンランプを使用し
ており、約2Hzの周波数で点滅駆動させている。13
CO2による赤外吸光度を測定する赤外検出器11とし
てLiTaO3、12CO2による赤外吸光度を測定す
る赤外検出器12としてDLATGSを使用している。
また、セル3の長さは500mm、セル4の長さは15
mmであり、12CO2ガスが封入されたガスセル6の
長さは15mmである。三方コック18にはサンプルガ
スが接続されており、二方コック19には一定濃度の
12CO2および13CO2を含むリファレンスガスが
接続されている。
【0011】次に動作について説明する。まず、二方コ
ック19が開になり、さらに三方コック18によりリフ
ァレンスガスがポンプ17と導通する。ポンプ17と流
量計16により所定量のリファレンスガスが導入口14
よりセル3、4に導入される。赤外光源1からの赤外光
は各セル3、4のリファレンスガスに含まれる12CO
2ガスおよび13CO2ガスによって吸収された後、赤
外検出器11、12により強度が測定され、検出器12
の検出器出力(12CO2の赤外線の吸光度)R12お
よび検出器11の検出器出力(13CO2の赤外線の吸
光度)R13が信号処理部13に記憶される。
ック19が開になり、さらに三方コック18によりリフ
ァレンスガスがポンプ17と導通する。ポンプ17と流
量計16により所定量のリファレンスガスが導入口14
よりセル3、4に導入される。赤外光源1からの赤外光
は各セル3、4のリファレンスガスに含まれる12CO
2ガスおよび13CO2ガスによって吸収された後、赤
外検出器11、12により強度が測定され、検出器12
の検出器出力(12CO2の赤外線の吸光度)R12お
よび検出器11の検出器出力(13CO2の赤外線の吸
光度)R13が信号処理部13に記憶される。
【0012】次に、二方コック19閉になり、さらに三
方コック18によりサンプルガスがポンプ17と導通す
る。ポンプ17と流量計16により所定量のサンプルガ
スが導入口14よりセル3、4に導入される。赤外光源
1からの赤外光は各セル3、4のサンプルガスに含まれ
る12CO2ガスおよび13CO2ガスによって吸収さ
れた後、赤外検出器11、12により強度が測定され
る。12CO2側のセル4および13CO2側のセル3
では、それぞれ他方のガスの干渉影響を受けているが、
12CO2側のセル4においては、13CO2ガスの存
在比率が約1.1%程度であることと、使用する干渉フ
ィルタ9の光学特性によって、赤外検出器12から得ら
れる出力S12には13CO2の干渉を無視することが
できる。一方、13CO2側のセル3においては、セル
3のあとに設置されたガスセル6内に封入されている
12CO2ガスによって、12CO2が吸収する波長の
赤外光がほぼ完全に吸収されてしまう。さらに、その後
に設置された干渉フィルタ8の光学特性によって、検出
器11から得られる出力には12CO2の干渉を低減す
ることができ、信号処理部13において簡単な2次補正
式によってその干渉を除去した後出力S13が得られ、
S12とともに信号処理部13に記憶される。
方コック18によりサンプルガスがポンプ17と導通す
る。ポンプ17と流量計16により所定量のサンプルガ
スが導入口14よりセル3、4に導入される。赤外光源
1からの赤外光は各セル3、4のサンプルガスに含まれ
る12CO2ガスおよび13CO2ガスによって吸収さ
れた後、赤外検出器11、12により強度が測定され
る。12CO2側のセル4および13CO2側のセル3
では、それぞれ他方のガスの干渉影響を受けているが、
12CO2側のセル4においては、13CO2ガスの存
在比率が約1.1%程度であることと、使用する干渉フ
ィルタ9の光学特性によって、赤外検出器12から得ら
れる出力S12には13CO2の干渉を無視することが
できる。一方、13CO2側のセル3においては、セル
3のあとに設置されたガスセル6内に封入されている
12CO2ガスによって、12CO2が吸収する波長の
赤外光がほぼ完全に吸収されてしまう。さらに、その後
に設置された干渉フィルタ8の光学特性によって、検出
器11から得られる出力には12CO2の干渉を低減す
ることができ、信号処理部13において簡単な2次補正
式によってその干渉を除去した後出力S13が得られ、
S12とともに信号処理部13に記憶される。
【0013】以上の動作によって得られる検出器11、
12からの出力R12、R13、S12、S13より、
信号処置部13において12CO2ガスの吸光度A12
および13CO2ガスの吸光度A13を次式により計算
する。 A12=−LN(S12/R12)―――――(1) A13=−LN(S13/R13)―――――(2) あらかじめ各ガスの濃度と吸光度との関係式を測定して
おき、この関係式を用いてA12、A13より各ガスの
濃度を算出し、その比率よりCO2ガスに含まれる安定
同位体の比率を測定することができる。
12からの出力R12、R13、S12、S13より、
信号処置部13において12CO2ガスの吸光度A12
および13CO2ガスの吸光度A13を次式により計算
する。 A12=−LN(S12/R12)―――――(1) A13=−LN(S13/R13)―――――(2) あらかじめ各ガスの濃度と吸光度との関係式を測定して
おき、この関係式を用いてA12、A13より各ガスの
濃度を算出し、その比率よりCO2ガスに含まれる安定
同位体の比率を測定することができる。
【0014】上記実施例では、赤外光源1を点滅駆動す
る構成としているが、点灯時の光量と消灯時の光量との
比、つまり変調率が小さいと暗電流や外光などが誤差要
因となる。そこで、このような場合(例えば、光源の点
灯/消灯の追従性が良好でない場合など)には、点滅制
御をおこなう代わりに、従来用いられているような機械
的チョッパを利用してもよい。
る構成としているが、点灯時の光量と消灯時の光量との
比、つまり変調率が小さいと暗電流や外光などが誤差要
因となる。そこで、このような場合(例えば、光源の点
灯/消灯の追従性が良好でない場合など)には、点滅制
御をおこなう代わりに、従来用いられているような機械
的チョッパを利用してもよい。
【0015】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で種々の変更を
行うことができる。例えば、赤外検出器11、12とし
てLiTaO3およびDLATGSを用いているが、こ
れらに限定されるものではなく、PbSやPbSeなど
の半導体センサ、フォトマルチプライア、ニューマチッ
ク型検出器等を用いることができる。ニューマチック型
検出器を用いる場合には、干渉フィルタ8、9は不要に
なる(詳細については、例えば島津評論、Vol.4
6,No.1,p29−36,1989を参照)。
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で種々の変更を
行うことができる。例えば、赤外検出器11、12とし
てLiTaO3およびDLATGSを用いているが、こ
れらに限定されるものではなく、PbSやPbSeなど
の半導体センサ、フォトマルチプライア、ニューマチッ
ク型検出器等を用いることができる。ニューマチック型
検出器を用いる場合には、干渉フィルタ8、9は不要に
なる(詳細については、例えば島津評論、Vol.4
6,No.1,p29−36,1989を参照)。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、13CO2ガスの赤外
光の吸光度を測定する検出器の前部に、13CO2ガス
の吸収波長の赤外線を選択的に透過する干渉フィルタを
設置することに加えて、12CO2ガスを封入したガス
セルを設置することにより、1 3CO2ガスの吸光度を
測定するための検出器の出力に含まれる12CO2ガス
の干渉の影響を低減させることができ、同位体ガスの濃
度を再現性よく安定に測定することができる。
光の吸光度を測定する検出器の前部に、13CO2ガス
の吸収波長の赤外線を選択的に透過する干渉フィルタを
設置することに加えて、12CO2ガスを封入したガス
セルを設置することにより、1 3CO2ガスの吸光度を
測定するための検出器の出力に含まれる12CO2ガス
の干渉の影響を低減させることができ、同位体ガスの濃
度を再現性よく安定に測定することができる。
【図1】本発明の同位体ガス測定装置の一実施例の概略
構成である。
構成である。
【図2】従来の同位体ガス測定装置の概略構成である。
1---赤外光源 3、4---セル 6---ガスセル 8、9---干渉フィルタ 11、12---赤外検出器 13---信号処理部 14---導入口 15---排出口
フロントページの続き (72)発明者 中野 博司 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所内 (72)発明者 喜多 純一 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所内 Fターム(参考) 2G059 AA01 BB01 CC04 EE01 FF08 GG07 GG10 HH01 JJ03 JJ24 KK01 KK03 MM10 NN01
Claims (1)
- 【請求項1】 被測定ガス中の二酸化炭素12CO2と
その安定同位体13CO2の濃度を赤外線の吸光度より
測定する同位体ガス測定装置であって、前記被測定ガス
が内部に流通される試料セルと、試料セルに赤外光を放
射する光源と、前記試料セルの端面に設けられ、二酸化
炭素12CO2に対応する波長の赤外光を検出する第1
の光検出手段と、前記試料セルの端面に設けられ、二酸
化炭素1 3CO2に対応する波長の赤外光を検出する第
2の光検出手段とを備え、前記第1の検出器と前記試料
セルとの間に12CO2の吸収波長を選択的に透過する
干渉フィルタと、前記第2の検出器と前記試料セルとの
間に13CO2の吸収波長を選択的に透過する干渉フィ
ルタとを備え、さらに前記第2の検出器と前記試料セル
との間に12CO2を封入したガスセルを備えたことを
特徴とする同位体ガス測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001027592A JP2002228584A (ja) | 2001-02-05 | 2001-02-05 | 同位体ガス測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001027592A JP2002228584A (ja) | 2001-02-05 | 2001-02-05 | 同位体ガス測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002228584A true JP2002228584A (ja) | 2002-08-14 |
Family
ID=18892222
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001027592A Pending JP2002228584A (ja) | 2001-02-05 | 2001-02-05 | 同位体ガス測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002228584A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20230044060A (ko) * | 2021-09-24 | 2023-04-03 | 한국원자력연구원 | 회절소자를 포함하는 동위원소 측정 장치 및 이를 이용한 동위원소 측정방법 |
-
2001
- 2001-02-05 JP JP2001027592A patent/JP2002228584A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20230044060A (ko) * | 2021-09-24 | 2023-04-03 | 한국원자력연구원 | 회절소자를 포함하는 동위원소 측정 장치 및 이를 이용한 동위원소 측정방법 |
KR102584122B1 (ko) | 2021-09-24 | 2023-10-06 | 한국원자력연구원 | 회절소자를 포함하는 동위원소 측정 장치 및 이를 이용한 동위원소 측정방법 |
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Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
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A977 | Report on retrieval |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100209 |