JP2002228390A - 吸収式冷凍機用伝熱管およびその製造方法 - Google Patents

吸収式冷凍機用伝熱管およびその製造方法

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JP2002228390A
JP2002228390A JP2001028312A JP2001028312A JP2002228390A JP 2002228390 A JP2002228390 A JP 2002228390A JP 2001028312 A JP2001028312 A JP 2001028312A JP 2001028312 A JP2001028312 A JP 2001028312A JP 2002228390 A JP2002228390 A JP 2002228390A
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tube
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JP2001028312A
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Kazuya Nakada
和也 中田
Shuji Nakano
修治 中野
Toshinori Ozaki
敏範 尾崎
Muneo Kodaira
宗男 小平
Takeshi Nakai
剛 中井
Masaru Horiguchi
賢 堀口
Masaharu Kurita
雅春 栗田
Masahiro Kiyofuji
雅宏 清藤
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Hitachi Cable Ltd
Nihon Parkerizing Co Ltd
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Hitachi Cable Ltd
Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導性を阻害することなく長期にわたって
伝熱管表面の水濡れ性を安定的に確保することができ、
剥がれた親水性被膜による吸水式冷凍機の汚損や運転障
害を防止することのできる吸収式冷凍機用伝熱管および
その製造方法、吸収式冷凍機を提供する。 【解決手段】 伝熱管9、13Aおよび13Bの表面に
コロイダルシリカを含む親水性剤を塗布して加熱処理す
ることによって親水性被膜を形成するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸収式冷凍機用伝熱
管およびその製造方法、吸収式冷凍機に関し、特に、伝
熱管の表面状態を親水性に改質することで水濡れ性を改
善し、伝熱効率を向上させる吸収式冷凍機用伝熱管およ
びその製造方法、吸収式冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の冷凍機として、冷媒および吸収液
を用いて熱交換を行う吸収式冷凍機がある。
【0003】吸収式冷凍機では、水等の冷媒を収容した
蒸発器を臭化リチウム等の吸収液を収容した吸収器と配
管で接続し、蒸発器を真空化することにより蒸発器で発
生させた蒸気冷媒を真空化された吸収器に供給する。蒸
発器には冷水を循環させる伝熱管が設けられており、後
述する凝縮器で凝縮させた冷媒を伝熱管上に滴下させて
いる。吸収器内の吸収液は冷媒によって希釈される。希
釈された吸収液は再生器に供給される。再生器は配管を
介して凝縮器と接続されており、熱源から供給される熱
によって吸収液を加熱することにより発生する蒸気冷媒
を凝縮器に供給する。凝縮器は蒸気冷媒を凝縮させて蒸
発器に供給する。以上のサイクルを繰り返すことで冷水
を連続的に供給している。
【0004】このような吸収式冷凍機によると、蒸発器
内の伝熱管に滴下した冷媒の気化時に気化熱を奪うこと
によって水温を低下させており、冷媒の蒸発、吸収液へ
の吸収、吸収液からの蒸発、および凝縮のサイクルを繰
り返すことによって所定の温度に冷却された冷水を連続
的に供給する。
【0005】上記した吸収式冷凍機では、蒸発器内で伝
熱管に滴下する冷媒の液量が微量であることから伝熱管
表面の水濡れ性を大にして伝熱特性を高める工夫が試み
られている。
【0006】水濡れ性を改善した吸収式冷凍機用伝熱管
として、例えば、特開平9−229586号公報に開示
されるものがある。この伝熱管は、伝熱管表面にウレタ
ン樹脂とシリカゾルの親水性混合物からなり、固形分濃
度が10〜650g/lの溶液を塗布して150〜30
0℃で加熱処理することで厚さ0.1〜10μmの親水
性被膜を形成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の吸収式
冷凍機用伝熱管によると、親水性被膜の厚さが薄いと長
期にわたって水濡れ性を維持することが困難であり、水
濡れ性を維持するために被膜厚さを大にすると伝熱性の
低下を招くという不都合がある。また、高濃度の親水性
溶液を用いて親水性被膜を厚く形成すると伝熱管表面か
ら剥がれやすくなるため、剥がれた親水性被膜が吸収式
冷凍機の内部に堆積して機内汚損を生じるという問題が
ある。また、被膜形成時に高温の加熱処理を施すと親水
性被膜が硬く形成されるため、例えば、吸収式冷凍機の
運転時にポンプ等の軸封部分に剥離した微小片が侵入す
ることによって焼付き等の運転障害の原因となる。
【0008】従って、本発明の目的は、熱伝導性を阻害
することなく長期にわたって伝熱管表面の水濡れ性を安
定的に確保することができ、剥がれた親水性被膜による
吸水式冷凍機の汚損や運転障害を生じることのない吸収
式冷凍機用伝熱管およびその製造方法、吸収式冷凍機を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、銅管の表面にコロイダルシリカを含む親水性
剤を塗布して加熱処理することによって形成された親水
性被膜を有する吸収式冷凍機用伝熱管を提供する。
【0010】また、本発明は上記目的を達成するため、
銅管に表面加工を施して凹凸形状を形成し、前記凹凸形
状を設けられた銅管にコロイダルシリカを含む親水性剤
を塗布し、前記親水性剤を塗布された銅管を加熱処理し
て親水性被膜を形成する吸収式冷凍機用伝熱管の製造方
法を提供する。
【0011】また、本発明は上記目的を達成するため、
冷凍機内に収容されて冷媒との接触に基づいて管内を通
過する液体との熱交換を行う伝熱管と、前記冷媒にシリ
カ固形物を0.01g/lから50g/l含む親水性剤
を供給する親水性剤供給部を有する吸収式冷凍機を提供
する。
【0012】本発明によると、冷媒に対して溶解しうる
特性を示すコロイダルシリカ等の親水性剤からなる親水
性被膜を伝熱管の表面に設けることによって、親水性被
膜を薄く形成できることから熱伝導性の低下を防止でき
る。仮に親水性被膜の剥がれを生じたとしても冷媒に溶
解することにより汚損の発生や吸収式冷凍機の運転障害
の発生を軽減できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、図面を参
照しつつ詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明に係る吸収式冷凍機の概略
構成を示し、純水を冷媒Aとして収容した蒸発器1と、
蒸発器1と配管2を介して接続され、臭化リチウム等の
吸収液Bに冷媒蒸気aを吸収させる吸収器3と、吸収液
Bに吸収された冷媒Aを加熱に基づいて分離する再生器
4と、再生器4と配管5を介して接続され、再生器4で
気化した冷媒蒸気a’を凝縮させる凝縮器6と、凝縮器
6から冷媒Aを蒸発器1に還流する配管7と、蒸発器1
内でポンプ8Aによって圧送される冷媒Aを伝熱管9上
に滴下させる散布管10と、吸収器3から再生器4にポ
ンプ8Bの駆動に基づいて吸収液Bを圧送する配管12
と、再生器4内に収容された吸収液Bを加熱するヒータ
14と、再生器4で再生・濃縮された吸収液Bを伝熱管
13A上に滴下させる散布管15と、散布管15に設け
られるポンプ8Cと、蒸発器1および吸収器3を真空化
する真空ポンプ16を有し、伝熱管13Aは凝縮器6内
に設けられる伝熱管13Bと接続されている。
【0015】伝熱管9、13A、および13Bは、外形
16mm、内径12mm、長さ200mmで表面に1イ
ンチあたり40山フィンの凹凸(谷深さ1/20イン
チ)を付与した散布管10本を1セットとして使用して
おり、説明の便宜上、1本の伝熱管として図示してい
る。伝熱管9は冷水タンク(図示せず)から供給される
12℃の冷水を冷却して冷水タンクに還流するように構
成されている。伝熱管13Aおよび13Bは冷却水タン
ク(図示せず)から供給される30℃の冷却水を伝熱管
13A、13Bを介して冷却水タンクに還流するように
構成されている。
【0016】この吸収式冷凍機による冷却運転は、ま
ず、運転開始前にポンプ8Aおよび8Cを駆動して伝熱
管9および13Aに冷媒Aまたは吸収液Bを散布して伝
熱管表面の付着物を除去するとともに湿潤状態にする。
次に、冷却水タンク(図示せず)から伝熱管13Aおよ
び13Bに冷却水を供給しながら真空ポンプ16を駆動
する。このとき、冷媒Aの蒸発温度が5℃となるように
蒸発器1および吸収器3の内部の圧力を下げる。蒸発器
1内の圧力が低下することによって気化した冷媒蒸気a
は配管2を介して吸収器3に供給される。吸収器3で
は、冷媒蒸気aが伝熱管13Aと接触することにより吸
収液Bに吸収される。ポンプ8Bは冷媒Aを吸収した吸
収液Bを配管12を介して再生器4に供給する。再生器
4に設けられるヒータ14は吸収液Bを加熱して吸収さ
れている冷媒Aを蒸気化する。凝縮器6は配管5を介し
て供給される冷媒蒸気a’を凝縮させる。凝縮した冷媒
Aは配管7を介して蒸発器1に戻る。蒸発器1では、凝
縮器6から供給される冷媒Aをポンプ8Aの駆動に基づ
いて散布管10から伝熱管9に散布することにより管内
の冷水を冷却する。本実施の形態における吸収式冷凍機
では、伝熱管9に供給される冷水の管内流速を2.0m
/sec、散布管10および15の散布ピッチを20m
m、散布量を0.06kg/msとしている。
【0017】表1は、上記した吸収式冷凍機に用いる伝
熱管9、13A、および13Bについて、親水性被膜
(以下、被膜という)を構成する材料(被膜構成)、平
均膜厚、被膜形成時の塗布方法および塗布後のエアブロ
ー、乾燥方法の異なる伝熱管(実施例1〜6)を作成
し、その伝達性能についての測定を行った測定結果を示
す。測定条件は、上記した吸収式冷凍機における実使用
時と同条件で試料管内流速を2.0m/s、伝熱管表面
における冷媒散布ピッチを20mm、冷媒散布量を0.
06kg/msとした。測定項目は熱通過率(kW/m
2K)とし、16時間運転(減圧下)+8時間停止(大
気中放置)の繰り返し運転状態で40日間運転後におけ
る値を判断した。測定値の良否判断は、伝熱管表面が1
00%濡れた理想状態における熱通過率を○レベルと
し、その90〜80%を△レベル、80%以下を×レベ
ルとした。
【表1】 〔実施例1〕実施例1として、被膜をコロイダルシリカ
とガラス状シリカの混合物とし、その膜厚が0.01〜
0.1μmで形成された伝熱管を試料No.1−1〜1−
4として作成した。
【0018】ここで、試料No.0は、比較用として形
成したコロイダルシリカ100%の被膜を有する伝熱管
である。コロイダルシリカ100%の被膜は比較的易溶
性であり、40日間試験後、被膜の外部分が溶解・剥離
し親水性の低下に伴い伝熱性能が低下し、×レベルにな
った。
【0019】試料No.1−1〜1−4は、コロイダル
シリカ90%+ガラス状シリカ10%の被膜組成として
被膜厚さが異なる構成を有する。膜厚が0.001μm
の場合には×レベル、0.01〜1μmの場合○レベル
であった。No.1−1、膜厚0.001μmの場合に
は、鋼管の表面を拡大観察した結果、当初から親水性剤
が銅管表面に均質膜として付着しておらず、水濡れ性が
低下したものと思われる。また、試料No.1−4、1
μmの場合は、親水性が好ましいものの、銅管表面凹凸
の谷地点に親水剤が局部的に堆積しやすく、製作した試
料のうち数本は被膜による熱伝障害の大きいものも存在
した。また、被膜が厚いので剥離した場合には機器内環
境が汚染する障害も生じ易い欠点もある。
【0020】試料No.0とNo.1−3を比較すると、
膜厚が0.1μmと同じであっても、被膜の水溶解性が
異なり、試料No.1−3が長期安定性に優れている。
【0021】なお、シリカ成分の塗布液濃度は、膜厚に
合わせ希薄溶液を用いることが作業性や品質管理上有利
である。すなわち、No.1−1および1−2の膜厚
0.001および0.01μmの場合にはシリカ成分が
0.01g/l前後の液を、0.1および1μmの場合
にはシリカ成分が1g/l前後の液を使用し、必要に応
じて繰返し重ね塗りをすることで、所定膜厚を確保する
ことができる。
【0022】〔実施例2〕実施例2として、被膜をコロ
イダルシリカとガラス状シリカの混合物とし、被膜の乾
燥温度を100〜140℃で形成した伝熱管を試料N
o.2−1〜2−3として作成した。この場合の伝熱性
能は、何れも○レベルであるが、試料No.2−1(乾
燥温度80℃)の場合には、被膜が銅管に強く付着して
おらず、僅かな衝撃により剥離する恐れがあり、取扱い
上の問題を有している。また、試料No.2−3(乾燥
温度180℃)の場合には、被膜が硬質となり、剥離し
た微小片がポンプモータの軸封部分に侵入することで、
被膜剥離が始まると比較的短時間にポンプがロックして
モーターの焼付きを発生する可能性が高いことが別の実
験で確認されている。
【0023】試料No.2−2(乾燥温度140℃)の
場合には、被膜の密着性が好ましく、同時に被膜が軟質
であって剥離した微小片がポンプモータの軸封部分に侵
入しても、ロックしにくいことが別の実験で確認されて
いる。この温度範囲は別の実験によって100〜140
℃であることが確認されている。
【0024】〔実施例3〕実施例3として、被膜をコロ
イダルシリカとガラス状シリカの混合物とし、非油性剤
を用いて銅表面加工を施した伝熱管を試料No.3−1
〜3−3として作成した。具体的には銅管表面に与えた
凹凸の加工法(加工度が大きく皺やかぶりが生じ易い)
およびその後の脱脂方法と親水性剤塗布後の伝熱性能の
関係である。試料No.3−1は、鋼管表面加工油とし
て高粘度の家庭用乳化洗剤(非油性潤滑剤)を使用した
場合であり、当初の銅管に油が付着していなければ、こ
の作業において鋼管表面に油の付着することがなく、同
時に好ましい形状の凹凸が形成でき、銅管表面を水洗し
た後に親水性剤を付与すれば極めて密着性のよい親水性
剤被膜が得られる。したがって、伝熱性能も良好な値に
なっている。
【0025】試料No.3−2は、銅管表面加工油とし
て純水を使用した場合であり、本作業において銅管表面
に油の付着することはないが、水は潤滑性が乏しいこと
から表面の仕上がり状態が劣り、羽立って形成される。
その結果、あとで親水性剤塗布を行っても毛羽立った表
面に沿って均質な被膜を形成することが極めて困難であ
り、その結果、水濡れ性が悪化し、伝熱性能も不良とな
っている。
【0026】試料No.3−3は、銅管表面加工油とし
て潤滑油を使用した場合であり、被加工性は好ましいも
のの皺やかぶり傷内部に油が染み込み易く、有機溶剤や
アルカリ脱脂液に長時間浸潰しても有効な脱脂を行うこ
とができない。脱脂後、加工傷深部に染み込んだ油が時
間の経過に伴い徐々に染み出てくると、その後親水性剤
を塗布しても油が親水性剤水溶液を撥じくことから、均
質な被膜形成を形成することが困難であり、その結果、
水濡れ性が悪化し、伝熱性能も不良となっている。
【0027】〔実施例4〕実施例4として、還元性火炎
で短時間加熱又は電解脱脂することにより親水性剤を塗
布する前段階で銅管の脱脂処理を行った伝熱管を試料N
o.4−1〜4−4として作成した。実施例3では、鋼
管表面を潤滑油を用いて凹凸付与加工すると、表面に生
成した皺や被り傷内部に染込んだ油が、溶剤による通常
の脱脂作業では容易に除去できにくいことを説明した。
【0028】本実施例では、アルゴンガスによって大気
遮断し、銅管の円周方法に4ヶ所にアセチレン火炎(試
料No.4−1)およびLPG−空気火炎(試料No.4
−2)を設け、鋼管を1m/分で搬送した。このような
火炎による加熱を行うことにより、加工傷深部に染み込
んだ油が熱膨張によって表面に滲み出て燃焼するととも
に鋼管表面の酸化物が還元され、銅新生面が形成されて
十分な脱脂のできることが確認された。その後、実施例
3と同様に親水性剤を塗布し、同様に試験した結果、被
膜の密着状況が優れ、伝熱性能は○レベルであった。
【0029】一方、試料No.4−3におけるアルカリ
液電解脱脂(5A/dm2×60sec)された伝熱管
および試料No.4−4におけるエタノール浸漬脱脂
(30℃、5分間浸潰)された伝熱管の場合は、上記の
作用が必ずしも不十分でないと思われ、それぞれ△およ
び×レベルであった。
【0030】〔実施例5〕実施例5として、伝熱管内へ
の親水性剤の侵入障害について親水性剤濃度を変化させ
て親水性処理を行った伝熱管を試料No.5−1〜5−
3として作成した。高濃度のシリカ液を塗布して伝熱管
の親水性処理を行うとき、親水性剤が管内に侵入すると
銅管内部が汚染して白く変色し、商品価値を損ねるとと
もに使用上の障害となることがある。そこで、銅管両端
にキャップを取付けて親水性剤の侵入を防止し、親水性
処理後にキャップを取り外しているが、キャップ着脱に
人手を要するとともに装置の自動化に重大な障害になる
ので、その省略が望ましい。
【0031】試料No.5−1〜5−3では、シリカ固
形物濃度を100g/nあるいは1g/nとし、銅管両
端にキャップを取付けたものと取付けないものを用いて
塗布作業を行なった。その結果、何れの場合も伝熱性能
に問題はないものの、試料No.5‐2の場合には、鋼
管内部に高濃度の親水性剤が侵入し、上述の障害が発生
した。一方、試料No.5−1では、キャップを取り付
けたので本障害が発生しなかった。また、No.5−3
はキャップを取付けることなく、本障害が発生しなかっ
【0032】〔実施例6〕図2は、吸水式冷凍機の蒸発
器1に配管1Bによって接続された親水性剤補給部1C
と、蒸発器1に配置される未処理銅管9Aを示し、実施
例6として、配管1Bに設けられる供給弁1Aを開くこ
とによって蒸発器1にコロイダルシリカを含む親水性剤
20を供給するようにしている。その他の構成は図1に
示す吸水式冷凍機と同一であるので図示および説明は省
略するが、使用開始時に親水性剤補給部1Cから親水性
剤20を供給し、更に散布管10から未処理銅管9Aに
親水性剤20を含んだ冷媒Aを散布することによって未
処理銅管9Aを浸潤化する。浸潤後、機内に高温の乾燥
空気を送り込んで伝熱管表面に親水性被膜を固着させ
る。
【0033】試料No.6−1は、コロイダルシリカの
0.1g/n固形物溶液を親水性処理溶液として用い、
親水性被膜の乾燥は、吸収式冷凍機に空気を1時間供給
する乾燥処理を2回行った。
【0034】試料No.6−2および6−3は、試料N
o.6−1と同様に処理した親水性処理銅管を蒸発器1
に取り付け、1年間運転後、伝熱性能が△レベルに低下
した伝熱管9に散布管10から親水性剤20を含んだ冷
媒Aを散布して再び親水性処理を実施した。ここでは親
水性処理溶液として、0.1g/n固形物溶液(試料N
o.6−2)および50g/n固形物溶液(試料No.6
−3)を用い、浸潤後、機内に高温の乾燥空気を送り込
んで同様に乾燥した。その結果、各伝熱管の性能は何れ
の場合も○レベルであった。なお、親水処理を実施しな
い未処理銅管は×レベル、また、コロイダルシリカの固
形物濃度が0.01g/n以下の場合にも×レベルであ
ることを確認している。
【0035】なお、上記した各実施例では、吸収式冷凍
機に用いる伝熱管として説明したが、他の冷凍機用の伝
熱管として用いることも可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によると、伝
熱管の表面にコロイダルシリカを含む親水性剤を塗布し
て加熱処理することによって親水性被膜を形成するよう
にしたため、熱伝導性を阻害することなく長期にわたっ
て伝熱管表面の水濡れ性を安定的に確保することがで
き、剥がれた親水性被膜による吸水式冷凍機の汚損や運
転障害を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸収式冷凍機の概略構成図
【図2】親水性剤補給部を示す概略構成図
【符号の説明】
1 蒸発器 1A 供給弁 1B 配管 1C 親水性剤補給部 2 配管 3 吸収器 4 再生器 5 配管 6 凝縮器 7 配管 8A ポンプ 8B ポンプ 8C ポンプ 9 伝熱管 9A 未処理銅管 10 散布管 12 配管 13A 伝熱管 13B 伝熱管 14 ヒータ 15 散布管 16 真空ポンプ 20 親水性剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28F 1/12 F28F 1/12 E (72)発明者 中野 修治 東京都中央区日本橋一丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内 (72)発明者 尾崎 敏範 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社総合技術研究所内 (72)発明者 小平 宗男 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社総合技術研究所内 (72)発明者 中井 剛 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社総合技術研究所内 (72)発明者 堀口 賢 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社総合技術研究所内 (72)発明者 栗田 雅春 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社土浦工場内 (72)発明者 清藤 雅宏 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社総合技術研究所内 Fターム(参考) 4D075 BB24Z CA37 DA15 DB06 DC50 EC03

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅管の表面にコロイダルシリカを含む親
    水性剤を塗布して加熱処理することによって形成された
    親水性被膜を有することを特徴とする吸収式冷凍機用伝
    熱管。
  2. 【請求項2】 前記親水性被膜は、コロイダルシリカ単
    体、又はコロイダルシリカとガラス質シリカの混合体か
    らなる親水性剤によって形成される構成の請求項第1項
    記載の吸収式冷凍機用伝熱管。
  3. 【請求項3】 前記親水性被膜は、0.01g/lから
    5g/lのシリカ固形物濃度を有する前記親水性剤を塗
    布された銅管を加熱処理することによって形成される構
    成の請求項第1項又は第2項記載の吸収式冷凍機用伝熱
    管。
  4. 【請求項4】 前記親水性被膜は、前記親水性剤を塗布
    された銅管を100℃から140℃の温度範囲で加熱処
    理することにより形成される構成の請求項第1項、第2
    項、又は第3項記載の吸収式冷凍機用伝熱管。
  5. 【請求項5】 前記親水性被膜は、非油性の潤滑剤を用
    いて凹凸加工された銅管に前記親水性剤を塗布して加熱
    処理することにより形成される構成の請求項第1項、第
    2項、第3項、又は第4項記載の吸収式冷凍機用伝熱
    管。
  6. 【請求項6】 銅管に表面加工を施して凹凸形状を形成
    し、 前記凹凸形状を設けられた銅管にコロイダルシリカを含
    む親水性剤を塗布し、 前記親水性剤を塗布された銅管を加熱処理して親水性被
    膜を形成することを特徴とする吸収式冷凍機用伝熱管の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記銅管の表面に非油性の潤滑剤を塗布
    して表面加工を行う請求項第6項記載の吸収式冷凍機用
    伝熱管の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記凹凸形状を設けられた銅管に前記親
    水性剤としてコロイダルシリカ単体、又はコロイダルシ
    リカとガラス質シリカの混合体溶液を塗布する請求項第
    6項又は第7項記載の吸収式冷凍機用伝熱管の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記親水性被膜の形成厚さに応じて0.
    01g/lから5g/lのシリカ固形物濃度を有する親
    水性剤を前記凹凸形状を設けられた銅管に所定の回数塗
    布する請求項第6項、第7項又は第8項記載の吸収式冷
    凍機用伝熱管の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記凹凸形状を設けられた銅管に還元
    性火炎、又は電解脱脂および洗浄に基づく脱脂処理を施
    した後に前記親水性剤を塗布する請求項第6項、第7
    項、第8項又は第9項記載の吸収式冷凍機用伝熱管の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 前記親水性剤を塗布された銅管を10
    0℃から140℃の温度範囲で加熱処理して前記親水性
    被膜を形成する請求項第6項、第7項、第8項、第9項
    又は第10項記載の吸収式冷凍機用伝熱管の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記凹凸形状を設けられた銅管の管端
    を開口した状態で前記親水性剤を塗布する請求項第6
    項、第7項、第8項、第9項、第10項又は第11項記
    載の吸収式冷凍機用伝熱管の製造方法。
  13. 【請求項13】 冷凍機内に収容されて冷媒との接触に
    基づいて管内を通過する液体との熱交換を行う伝熱管
    と、 前記冷媒にシリカ固形物を0.01g/lから50g/
    l含む親水性剤を供給する親水性剤供給部を有すること
    を特徴とする吸収式冷凍機
  14. 【請求項14】 前記伝熱管は、前記冷凍機内に配置さ
    れた未処理銅管を前記親水性剤で親水性処理して形成さ
    れた前記親水性被膜を表面に有する構成の請求項第13
    項記載の吸収式冷凍機。
  15. 【請求項15】 前記親水性剤供給部は、前記冷凍機の
    所定の運転時間経過時に前記親水性剤を前記冷凍機内に
    供給する構成の請求項第14項又は第13項記載の吸収
    式冷凍機。
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