JP2002227892A - ブレーキディスク - Google Patents

ブレーキディスク

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JP2002227892A
JP2002227892A JP2001026740A JP2001026740A JP2002227892A JP 2002227892 A JP2002227892 A JP 2002227892A JP 2001026740 A JP2001026740 A JP 2001026740A JP 2001026740 A JP2001026740 A JP 2001026740A JP 2002227892 A JP2002227892 A JP 2002227892A
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JP
Japan
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brake disk
fin
brake
brake disc
heat
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JP2001026740A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Takeuchi
均 竹内
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強制空冷式のブレーキディスクの冷却効率を
向上させるとともに、製造コストを低減させる。 【解決手段】 円板状ブレーキディスク本体2の側面
に、回転方向に対して交差する方向へ延びる放熱用フィ
ン15を回転方向に間隔をおいて複数突設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放熱用フィンを設
けた強制空冷式のブレーキディスクに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のブレーキディスクとして
は、例えば特開昭58−91936号公報に開示された
ものがある。この公報に示されたブレーキディスクは、
円板からなるブレーキディスク本体の外周部に切欠きを
放射状に形成し、この外周部の表裏両面に円環状の摩擦
板をろう付けすることによって形成している。前記切欠
きは、摩擦板の内周縁より径方向の内側から径方向の外
側へ延び、ブレーキディスク本体の外周面に開口させて
いる。このように構成した従来のブレーキディスクにお
いては、回転することにより切欠き内を空気が内周側か
ら外周側へ流れ、この空気によって摩擦板やブレーキデ
ィスク本体が冷却される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように構成した従来のブレーキディスクは、冷却効率
を向上させるためには限界があった。これは、厚みに制
約があるブレーキディスクの内部に冷却風用の空気通路
を形成しなければならないからである。すなわち、空気
との接触面積が大きくなるようにブレーキディスク内の
前記切欠きを大きく形成することはできないからであ
る。
【0004】また、従来のブレーキディスクは、製造コ
ストが高くなるという問題もあった。これは、摩擦板を
ブレーキディスク本体に溶接によって仮付けし、この組
立体を加熱炉で加熱して摩擦板のろう付けを行ってお
り、工数が多くなるとともにろう付け設備が必要になる
からである。
【0005】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、強制空冷式のブレーキディスクの
冷却効率を向上させるとともに、製造コストを低減させ
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明に係るブレーキディスクは、板状ブレーキデ
ィスク本体の側面に、回転方向に対して交差する方向へ
延びる放熱用フィンを回転方向に間隔をおいて複数突設
したものである。
【0007】本発明によれば、放熱用フィンがブレーキ
ディスク本体の周囲の空気を攪拌し、放熱用フィンから
ブレーキディスク本体の熱が大気中に放散されてブレー
キディスク本体が冷却される。このため、ブレーキディ
スク内に通風路を形成する場合に較べて簡単な構造を採
りながら、冷却効率を向上させることができる。
【0008】請求項2に記載した発明に係るブレーキデ
ィスクは、請求項1に記載した発明に係るブレーキディ
スクにおいて、放熱用フィンは、ブレーキディスク本体
の側方に向けて開放される断面コ字状に形成した複数の
フィン本体と、これらのフィン本体どうしを連結する連
結板とによって一体に形成し、前記フィン本体における
ブレーキディスク本体と平行な底壁をボルトによってブ
レーキディスク本体に締結させたものである。
【0009】この発明によれば、複数の放熱用フィンを
一つの組立体として取り扱うことができる。前記組立体
は、1枚の板材を加圧成形することによって形成でき
る。また、フィン本体がブレーキディスクに密着するか
ら、ブレーキディスク本体からフィン本体へ熱が伝導し
易くなる。
【0010】請求項3に記載した発明に係るブレーキデ
ィスクは、請求項1に記載した発明に係るブレーキディ
スクにおいて、放熱用フィンは、山と谷が周方向に並ぶ
断面波形状に成形した円環状の板によって形成したもの
である。この発明によれば、円環状の板を加圧成形する
ことによって放熱用フィンを形成できる。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明に係るブレーキディスクの一実施の形態を図1ないし
図6によって詳細に説明する。ここでは、不整地走行用
小型四輪車のブレーキに本発明を適用する場合の例につ
いて説明する。図1は本発明に係るブレーキディスクの
正面図、図2は同じく側面図、図3は本発明に係るブレ
ーキディスクの断面図で、図1ないし図3は何れもブレ
ーキディスクを被制動用のドライブシャフトに接続した
状態で描いてある。図4は放熱用フィンの正面図、図5
は放熱用フィンの側面図、図6は本発明に係るブレーキ
ディスクと従来のブレーキディスクの制動時の温度を示
すグラフである。
【0012】これらの図において、符号1で示すもの
は、本発明に係るブレーキディスクである。このブレー
キディスク1は、円環板状に形成したブレーキディスク
本体2と、このブレーキディスク本体2の一端面に固定
用ボルト3によって取付けた放熱用部材4とによって構
成している。このブレーキディスク1を制動するブレー
キキャリパーを図1および図2中に符号5で示す。この
ブレーキキャリパー5は、従来からよく知られているよ
うに、ブレーキディスク本体2の外周部の表裏両面にブ
レーキパッド5a(図2参照)を押付ける構造のもので
ある。このブレーキキャリパー5は、図示していないブ
ラケットを介して車体フレームに支持させている。
【0013】前記ブレーキディスク本体2は、1枚の鋼
板によって形成し、図3に示すように、軸心部を前記固
定用ボルト3によってカップリング6に固定している。
このカップリング6は、図2および図3において右側に
位置する第1のドライブシャフト7と、左側に位置する
第2のドライブシャフト8とを接続するためのもので、
ブレーキディスク本体2を固定した円筒状のカップリン
グボス9と、このカップリングボス9内にスプライン嵌
合させた筒状のコマ10とによって構成している。
【0014】前記カップリングボス9は、第2のドライ
ブシャフト8の軸端部にスプライン嵌合させた状態でロ
ックナット11によって締結させている。前記コマ10
は、内周部に第1のドライブシャフト7の軸端部をスプ
ライン嵌合させ、この第1のドライブシャフト7にサー
クリップ12によって固定している。このコマ10の外
周部とカップリング6ボスとの嵌合部は、嵌合溝が球面
に沿って延びるように形成している。このため、第1の
ドライブシャフト7は、カップリング6を中心にして第
2のドライブシャフト8に対して揺動できる。
【0015】前記第1および第2のドライブシャフト
7,8は、不整地走行用小型四輪車の後輪駆動用のもの
であり、車体の前後方向に延びる状態で車体フレームに
回転自在に支持させている。前記第1のドライブシャフ
ト7の他端側にエンジン(図示せず)の出力軸を接続
し、第2のドライブシャフト8の他端側に傘歯車を介し
て後輪軸を接続している。すなわち、ブレーキディスク
1にブレーキパッド5aを押付けることによって、第1
および第2のドライブシャフト7,8とともに後輪が制
動される。
【0016】前記放熱用部材4は、前記ブレーキディス
ク本体2の側方に向けて(軸線方向であってブレーキデ
ィスク本体2から離間する方向に向けて)開放される断
面コ字状に形成した複数(6個)のフィン本体13と、
これらのフィン本体13どうしを連結する一つの円環状
の連結板14とによって構成している。この実施の形態
では、1枚の鋼板を打ち抜き加圧成形により所定の形状
に折曲げることによって、放熱用部材4を形成してい
る。
【0017】前記フィン本体13のコ字状の3辺のうち
互いに対向する2枚の放熱用フィン15は、この実施の
形態では、ブレーキディスク本体2の軸心を中心とする
放射状に延設している。言い換えれば、ブレーキディス
ク1の回転方向に対して交差する方向へ延びるととも
に、回転方向に間隔をおいて並設されるように放熱用フ
ィン15を形成している。これらの放熱用フィン15の
高さ(ブレーキディスク本体2からの突出寸法)は、図
5に示すように、軸心側から外側へ向かうにしたがって
次第に高くなるように設定している。
【0018】前記フィン本体13における2枚の放熱用
フィン15の間に位置する底板16は、ブレーキディス
ク本体2の外面と平行になるように形成するとともに貫
通孔17を穿設しており、この貫通孔17に挿通させた
前記固定用ボルト3によってブレーキディスク本体2に
締結している。このため、放熱用部材4をブレーキディ
スク本体2に固定することによって、底板16の裏面が
ブレーキディスク本体2に密着する。
【0019】上述したように構成したブレーキディスク
1は、回転することによって放熱用フィン15がブレー
キディスク本体2の周囲の空気を攪拌し、この放熱用フ
ィン15から熱が大気中に拡散されることによって冷却
される。したがって、ブレーキディスク1内に通風路を
形成する場合に較べて簡単な構造を採りながら、冷却効
率を向上させることができる。この実施の形態では放熱
用フィン15を放射状に延びる板によって形成している
から、放熱用フィン15によって遠心ファンが構成さ
れ、空気の流通が促進されて冷却効率をより一層向上さ
せることができる。
【0020】また、各放熱用フィン15は、断面コ字状
に形成した複数のフィン本体13と、これらのフィン本
体13どうしを連結する連結板14とによって一体に形
成しているから、複数の放熱用フィン15を一つの組立
体(放熱用部材4)として取り扱うことができ、取り扱
いが容易になる。さらに、前記組立体(放熱用部材4)
は、1枚の板材を打抜き加圧成形することによって形成
しているから、製造コストも低くなる。さらにまた、放
熱用部材4は、フィン本体13がブレーキディスク本体
2に密着するから、ブレーキディスク本体2からフィン
本体13へ熱が伝導し易くなる。
【0021】この実施の形態による放熱用部材4を取付
けたブレーキディスク1(本発明品)と、円板状に形成
して特別な放熱手段をもたないブレーキディスク1(比
較品)とをそれぞれ高速で回転させて急制動と制動解除
とを繰返し、ディスク表面の温度を測定したところ、図
6に示すように、本発明品の方が相対的に低温になるこ
とが実証された。図6(a)は、ブレーキパッド5aが
摺接する部位より径方向の内側の温度変化を示し、同図
(b)は、前記摺接部位の中央での温度変化を示し、同
図(c)は、前記摺接部位より径方向の外側の温度変化
を示している。これらの図から明らかなように、本発明
品は、制動が解除されたときに多く温度が低下する。な
お、この実施の形態では連結板14をフィン本体13の
内周側に設けたが、連結板14はフィン本体13の外周
側に設けてもよい。
【0022】(第2の実施の形態)放熱用フィンは図7
ないし図9に示すように形成することができる。図7は
放熱用フィンの他の実施の形態を示す正面図、図8は同
じく側面図、図9は図7におけるIX−IX線断面図であ
る。これらの図において、前記図1〜図6によって説明
したものと同一もしくは同等の部材については、同一符
号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0023】図7〜図9に示す放熱用部材4は、円環状
に形成した一枚の鋼板を断面波形状に加圧成形すること
によって形成している。前記波形断面を構成する山21
と谷22(図8参照)は、それぞれ断面矩形状に形成
し、円環状の板の周方向に並べて形成している。言い換
えれば、この実施の形態による放熱用部材4は、放熱用
フィン15の突出端から横に延びる連結板23によって
断面コ字状のフィン本体13どうしを接続している。こ
のように放熱用フィン15を形成しても第1の実施の形
態を採るときと同等の効果を奏する。
【0024】第1および第2の実施の形態では、1枚の
板材を加圧成形することによって複数の放熱用フィン1
5を一体に形成する例を示したが、放熱用フィン15を
一体に形成するためには、鍛造や、鋳造または焼結など
の形成方法を採ることができる。また、放熱用フィン1
5をブレーキディスク本体2に突設するためには、第1
および第2の実施の形態で示した構造の他に、放熱用フ
ィン15をブレーキディスク本体2に鍛造、鋳造または
焼結などの形成方法によって一体に形成してもよい。さ
らに、放熱用フィン15は、ブレーキディスク本体2の
両面にそれぞれ突設することができる。この構造を採る
ことにより、より一層冷却効率を向上させることができ
る。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ブ
レーキディスク内に通風路を形成する場合に較べて簡単
な構造を採りながら、冷却効率を向上させることができ
る。このため、強制空冷式のブレーキディスクの冷却効
率を向上させることができるとともに、製造コストを低
減させることができる。また、放熱用フィンはブレーキ
ディスク本体から突出するだけの形状に形成することが
できるから、放熱用フィンの形状・構造を設計する際の
設計上の自由度を高くすることができる。例えば、ブレ
ーキディスク本体の厚みに制約を受けることなくフィン
高さを高く形成することができる。
【0026】請求項2記載の発明によれば、複数の放熱
用フィンを一つの組立体として取り扱うことができるか
ら、放熱用フィンを個々に形成する場合に較べて誤って
紛失してしまうことはなく、しかも、各放熱用フィンが
小さくても取り扱いが簡単になる。また、前記組立体
は、1枚の板材を打抜き加圧成形することによって形成
できるから、製造コストをより一層低減させることがで
きる。さらに、フィン本体がブレーキディスク1に密着
するから、ブレーキディスクからフィン本体へ熱が伝導
し易くなり、放熱効率をより一層向上させることができ
る。
【0027】請求項3記載の発明によれば、円環状の板
を加圧成形することによって放熱用フィンを形成できる
から、製造コストをより一層低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るブレーキディスクの正面図であ
る。
【図2】 本発明に係るブレーキディスクの側面図であ
る。
【図3】 本発明に係るブレーキディスクの断面図であ
る。
【図4】 放熱用フィンの正面図である。
【図5】 放熱用フィンの側面図である。
【図6】 本発明に係るブレーキディスクと従来のブレ
ーキディスクの制動時の温度を示すグラフである。
【図7】 放熱用フィンの他の実施の形態を示す正面図
である。
【図8】 放熱用フィンの他の実施の形態を示す側面図
である。
【図9】 図7におけるIX−IX線断面図である。
【符号の説明】
1…ブレーキディスク、2…ブレーキディスク本体、4
…放熱用部材、15…放熱用フィン。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状ブレーキディスク本体の側面に、
    回転方向に対して交差する方向へ延びる放熱用フィンを
    回転方向に間隔をおいて複数突設したことを特徴とする
    ブレーキディスク。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のブレーキディスクにおい
    て、放熱用フィンは、ブレーキディスク本体の側方に向
    けて開放される断面コ字状に形成した複数のフィン本体
    と、これらのフィン本体どうしを連結する連結板とによ
    って一体に形成し、前記フィン本体におけるブレーキデ
    ィスク本体と平行な底壁をボルトによってブレーキディ
    スク本体に締結させたことを特徴とするブレーキディス
    ク。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のブレーキディスクにおい
    て、放熱用フィンは、山と谷が周方向に並ぶ断面波形状
    に成形した円環状の板によって形成したことを特徴とす
    るブレーキディスク。
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