JP2002227763A - 圧縮機用ピストン及びこれを用いた圧縮機 - Google Patents

圧縮機用ピストン及びこれを用いた圧縮機

Info

Publication number
JP2002227763A
JP2002227763A JP2001024731A JP2001024731A JP2002227763A JP 2002227763 A JP2002227763 A JP 2002227763A JP 2001024731 A JP2001024731 A JP 2001024731A JP 2001024731 A JP2001024731 A JP 2001024731A JP 2002227763 A JP2002227763 A JP 2002227763A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
compressor
connecting portion
cylinder bore
wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001024731A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshikatsu Miyaji
俊勝 宮地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marelli Corp
Calsonic Harrison Co Ltd
Original Assignee
Calsonic Kansei Corp
Calsonic Harrison Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Calsonic Kansei Corp, Calsonic Harrison Co Ltd filed Critical Calsonic Kansei Corp
Priority to JP2001024731A priority Critical patent/JP2002227763A/ja
Publication of JP2002227763A publication Critical patent/JP2002227763A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動機構側の連結部とピストン本体とを連結
する接続部の剛性確保と、軽量化の両立を図る。 【解決手段】 シリンダボア3と摺動する中空のピスト
ン本体18Aと、駆動機構との連結部18Bと、これら
を連結する接続部18Cとを有する圧縮機用ピストン1
8において、接続部18Cの内側壁を円錐面18Jにし
たことにより、接続部18Cの剛性が大きく向上すると
共に、接続部18Cを薄肉に形成することによりピスト
ン18が軽量化されて、圧縮機の振動を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧縮機用ピスト
ンと、これを用いた圧縮機、例えば、車両用空調装置な
どの冷却システムで冷媒ガスを圧縮する圧縮機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開平11−303747号公報に図1
0のような圧縮機用ピストン201が記載されている。
【0003】このピストン201は、斜板式圧縮機に用
いられるものであり、首部203と、シリンダボアに収
容される中空の頭部205とで構成されている。頭部2
05は底部207付きの円筒部209と、蓋部211か
らなり、蓋部211は首部203と一体に形成され、円
筒部209に固定されている。
【0004】首部203は、回転軸に支持された斜板に
シューを介して連結されており、回転軸が回転すると斜
板はピストン201を往復移動させる。そして、このピ
ストン201の往復運動に伴ってシリンダボアに冷媒ガ
スが吸い込まれ、圧縮されて吐き出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のピ
ストン201では、蓋部211に往復移動時にピストン
201に掛かる荷重213(引っ張り荷重と圧縮荷重)
に対して略直角となる壁部215が存在しており、前記
荷重213に対しての剛性(強度)を確保するために、
この壁部215の厚さを円筒部209よりも肉厚に形成
していたので、ピストン201が重くなってしまうとい
う問題があった。
【0006】このように、ピストン201が重くなる
と、駆動時の慣性が大きくなり、特に往復動型の圧縮機
では振動が大きくなる上に、荷重213を負担する蓋部
211にも応分の強度が要求され、これを肉厚にする
と、ピストン201がさらに重くなるという悪循環に陥
る。
【0007】そこで、この発明は、シリンダボアと摺動
するピストン本体と駆動機構側の連結部とを連結する接
続部が薄肉でありながら充分な剛性を備えた圧縮機用ピ
ストンと、このピストンを用いた圧縮機の提供を目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の圧縮機用ピス
トンは、シリンダボアと摺動する中空円筒状のピストン
本体と、駆動機構との連結部と、これらピストン本体と
連結部とを一体に連結する接続部とを有する圧縮機用ピ
ストンであって、前記接続部の内側壁もしくは外側壁の
少なくとも一方を、円錐状の斜面にしたことを特徴とし
ている。
【0009】請求項2の発明は、請求項1に記載の圧縮
機用ピストンであって、前記接続部の内側壁と外側壁の
両方を円錐状の斜面にしたことを特徴としている。
【0010】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載の圧縮機用ピストンであって、前記接続部の斜
面と、ピストンの運動方向に直角な面とがなすシリンダ
ボアとの角度を20°〜60°の範囲内に設定したこと
を特徴としている。
【0011】請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか
に記載の圧縮機用ピストンであって、前記ピストン本体
が、円筒部と、シリンダボアのリアハウジング側でこの
円筒部に固定された底蓋とからなることを特徴としてい
る。
【0012】請求項5の発明は、請求項1〜3の何れか
に記載の圧縮機用ピストンであって、前記接続部の一部
にクランク室内の径方向に連通した貫通部を設けたこと
を特徴としている。
【0013】請求項6の発明は、請求項5に記載の圧縮
機用ピストンであって、前記貫通部とピストンの中空部
とを連通させたことを特徴としている。
【0014】請求項7の圧縮機は、請求項1〜6の何れ
か一項に記載された圧縮機用ピストンと、このピストン
の移動方向に対して傾斜した斜板とを備えると共に、ピ
ストンの連結部が、ピストンシューを介して駆動機構に
連結されており、駆動機構がピストンシューを介してピ
ストンと斜板とを相対回転させ、この相対回転に伴って
ピストンがシリンダボア内を往復移動し、シリンダボア
内に吸入したガスを圧縮することを特徴としている。
【0015】
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、ピ
ストン本体と連結部との間に、従来例のようなピストン
に掛かる荷重に対して直角に存在する壁部215が形成
されず、内側壁と外側壁の少なくとも一方を円錐状の斜
面にした接続部を介して荷重が直線的に伝達されるか
ら、この接続部の剛性と強度が大きく向上する。
【0016】従って、剛性と強度を高めるために、接続
部を肉厚にする必要がなくなり、ピストンがそれだけ軽
量化されるから、ピストンの重量化による圧縮機の振動
等が防止されると共に、ピストンの慣性増大に応じて必
要になる各部の強化によりピストンがさらに重量化する
悪循環から解放される。
【0017】また、軽量化に伴って、ピストンのコスト
を低減することができる。
【0018】請求項2に記載された発明によれば、請求
項1の構成と同等の効果を得ることができると共に、接
続部の内側壁と外側壁の両方を円錐状の斜面(円錐面)
にしたことによって、接続部が、充分な荷重伝達機能を
持ちながら、最も薄肉で軽量になり、軽量化によるコス
ト低減効果をそれだけ期待できる。
【0019】請求項3に記載された発明によれば、請求
項1または請求項2の構成と同等の効果を得ることがで
きる。
【0020】また、接続部の斜面と、ピストンの運動方
向と直角な面とがなすシリンダボアとの角度は、小さく
する程ピストンの全長を短くできるが、小さ過ぎると従
来の構造のように接続部の剛性が低下してしまう。一
方、角度が大きくなる程剛性を向上させることができる
が、大き過ぎるとピストンの全長が長くなるか、あるい
は、シリンダボアと摺動するピストン本体を相対的に短
くしなければならなくなり、ピストンが長くなれば圧縮
機が大型化し、ピストン本体が短くなればピストン本体
からのガス漏れ(ブローバイガス)量が増えることによ
って圧縮機の効率に影響がでてしまう。
【0021】従って、この請求項3は接続部の斜面の最
適な角度範囲を開示するものであり、角度を20°〜6
0°の範囲内に設定したことによって、接続部に充分な
剛性を確保しながら、ピストンが長くなることと圧縮機
の大型化が回避し、もしくは、ピストン本体を短くする
ことによる圧縮機の効率への影響を回避することができ
る。
【0022】また、上記の効果に加えて、このような角
度設定により、円錐状の斜面に形成した接続部を持たな
い従来のピストンと較べて、ピストンの連結部と駆動機
構との間及びピストン本体とシリンダボア間の引っ掛か
りが低減し、ピストン本体とシリンダボアとが円滑に摺
動する。
【0023】請求項4に記載された発明によれば、請求
項1〜3の構成と同等の効果を得ることができる。
【0024】また、ピストン本体の円筒部が接続部と一
体に形成されているから、ピストンを、例えば、冷間鍛
造する場合、接続部の斜面を同時に成形することが可能
になり、それだけ加工コストを低減することができる。
【0025】また、成形方向(鍛造方向)に対する斜面
を接続部に設けたことにより、鍛造方向に対する壁部2
15がある従来例と異なって、この斜面を成型する際に
鍛造型に掛かる負荷が軽減され、型寿命を大幅に延ばす
ことができるまた、ピストン本体の底蓋を円筒部と別体
にしたことにより、底蓋の中心部を肉厚にすることが可
能になり、肉厚にすることによって、ピストンは圧縮行
程での大きな圧力に耐えることができる。
【0026】請求項5に記載された発明によれば、請求
項1〜3の構成と同等の効果を得ることができる。
【0027】また、接続部の一部に貫通部を設けたこと
により、ピストンがさらに軽量化されて低コストになる
と共に、圧縮機の振動が低減される。
【0028】請求項6に記載された発明によれば、請求
項5に記載の構成と同等の効果を得ることができる。
【0029】実施例においては、中空ピストンの中空部
は、中空部を真空引きしながら成型することによって負
圧になっているか、または、大気圧と等圧で成型して密
封されているが、圧縮行程で生じる圧力が底蓋に掛かる
とき中空部内外の差圧が大きくなる。特に後者において
は、ピストンが往復動を繰り返すと、中空部内に密封さ
れた気体が熱膨張される。
【0030】従って、この差圧に耐えるために、例え
ば、中空部壁部の肉厚を厚くしたり、中空部の内側にリ
ブや肉圧部を設けるなどの対策が必要になるから、ピス
トンが重くなり、また、コスト高になる。
【0031】しかし、請求項6の構成によれば、貫通部
とピストンの中空部とを連通させたことにより中空部が
貫通部を介してクランク室側と連通し、中空部とクラン
ク室との差圧が小さくなるから、圧縮行程でピストンに
掛かる負担がそれだけ小さくなり、上記のような重量化
とコスト高とを伴う対策が不要になる。
【0032】また、例えば、斜板式の圧縮機では、圧縮
行程で生じる圧力の一部を潤滑油と共に、ピストンとシ
リンダボアとの隙間を通してクランク室側に逃がし(ブ
ローバイガス)、クランク室内の部材を潤滑・冷却する
ことが行われているが、このような場合、中空部とクラ
ンク室とが連通しているこの構成では、圧縮行程におけ
る中空部(クランク室側)と圧縮側(シリンダボア)と
の差圧が小さくなり、ピストンの負担がそれだけ軽減さ
れるから、ピストンを薄肉にし、さらに軽量にすること
が可能になる。
【0033】請求項7に記載された圧縮機は、請求項1
〜6の何れか一項に記載された圧縮機用ピストンを用い
たことによって、請求項1〜6と同等の効果を得ること
ができる。
【0034】また、この斜板式の往復動圧縮機でピスト
ンに対する荷重方向が変わる(引っ張り荷重と圧縮荷重
の間で変化する)上死点と下死点においても、剛性の高
い接続部はこの負荷に充分耐えることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]本発明の第1実
施形態である圧縮機用ピストン18及びこれを用いた圧
縮機60を図1〜5によって説明する。また、左右の方
向は図1〜4での左右の方向である。
【0036】この圧縮機60は、例えば、車両用空調装
置の冷却システムに用いられており、圧縮機60によっ
て断熱圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、コンデンサ
(凝縮器)で液化し、膨張弁で断熱膨張し、エバポレー
タ(蒸発器)で冷風を作り出しながら加熱されて気化
し、圧縮機60に戻って断熱圧縮される。
【0037】なお、冷媒ガスには適量の潤滑オイルが混
入されている。
【0038】図1のように、圧縮機60は、圧縮機ハウ
ジング1を有している。
【0039】この圧縮機ハウジング1は、周方向に配置
された複数のシリンダボア3を有するシリンダブロック
2と、シリンダブロック2の左側に配置され、シリンダ
ブロック2との間にクランク室5を形成するフロントハ
ウジング4と、シリンダブロック2の右側に吸入板3
0、バルブプレート9、吐出板31、リテーナ32、ガ
スケット33を挟んで配置され、冷媒吸入室7と冷媒吐
出室8とを形成するリヤハウジング6などから構成され
ている。
【0040】冷媒吸入室7は冷媒流路を介してエバポレ
ータ側に接続されており、冷媒吐出室8は冷媒流路を介
してコンデンサ側に接続されている。
【0041】クランク室5の内部には、ドライブシャフ
ト10に固定されたドライブプレート11と、ドライブ
シャフト10の外周に移動自在に弛み嵌合したスリーブ
12と、スリーブ12にピン13によって揺動自在に連
結されたジャーナル14と、ジャーナル14の外周に螺
着された斜板15などが収容されている。
【0042】ジャーナル14は、ドライブプレート11
の長孔16にピン17によって連結されており、ジャー
ナル14(斜板15)の揺動角度は、この長孔16によ
って規制されている。
【0043】また、各シリンダボア3に嵌装されたピス
トン18は、斜板15を挟んだ一対のピストンシュー1
9,19を介して斜板15に連結されている。
【0044】各ピストン18はアルミニューム合金で作
られており、中空のピストン本体18Aと、連結部18
Bと、これらを一体に連結する接続部18Cの各部分か
ら構成されている。
【0045】ピストン本体18Aは、図3,4に示すよ
うに、円筒部18Dと底蓋18Eとから構成されてい
る。
【0046】ピストン18の底蓋18E以外の部分は、
冷間型鍛造されており、必要な切削加工を施した後、底
蓋18Eが円筒部18Dにレーザ溶接、あるいは、電子
ビーム溶接によって接合される。
【0047】また、底蓋18Eの中心部には肉厚部18
Fが形成されており、圧縮行程でピストン18の耐圧性
を向上させている。
【0048】連結部18Bには、斜板15の周縁を上記
のシュー19,19を介して保持する斜板挿入溝18G
が形成されている。各シュー19は半球状の部材であ
り、斜板挿入溝18Gに互いに向き合って形成された半
球状の凹部18H,18Hに摺動自在に嵌め込まれてい
る。
【0049】また、連結部18Bには、クランク室5の
周面と接触し、ピストン18がシリンダボア3に対して
回転することを防止する回り止め部18Iが形成されて
いる。
【0050】接続部18Cは、図3,4に示すように、
内周壁が円錐面18J(円錐状の斜面)になっており、
円錐面18Jの角度は20°〜60°の範囲内に設定さ
れている。
【0051】また、半球状のシュー19との間で力を授
受する力点である凹部18H,18Hの中心点O(ポケ
ットセンター)と円錐面18Jの頂点は、円筒部18D
(ピストン本体18A)の中心線18Kの延長上にあ
る。これにより、ピストン18をシリンダボア3に対し
て傾斜させる力の発生が抑えられ、ピストン18とシリ
ンダボア3との強当たりや片当たりを防止し、磨耗、耐
久性等を向上することができる。
【0052】このようにピストン本体18Aと連結部1
8Bとを連結する接続部18Cの内周壁を円錐状の斜面
である円錐面18Jにしたことにより、圧縮行程の圧縮
応力と吸い込み行程の引っ張り応力の両方が接続部18
C上を直線的に伝達されるから、接続部18Cの剛性と
強度が大きく向上する。
【0053】図5のグラフ70は、圧縮力を受けたとき
接続部18Cに生じる変形量(%)と円錐面18Jの角
度(θ°)との関係を示すグラフである。
【0054】角度0°は、従来例の壁部215と同様
に、接続部18Cが荷重に対して直角をなす場合であ
り、グラフ70のように変形量(%)が大きい。また、
変形量(%)は角度(θ°)を大きくするに連れて小さ
くなり、20°付近で減少割合が小さくなると共に、充
分な変形量(%)の低減効果が得られる領域に入る。
【0055】そこで、上記のように、円錐面18Jの角
度範囲の下限値は20°に設定されている。
【0056】また、変形量(%)は角度(θ°)が大き
い程小さくなるが、角度(θ°)を大きくする程ピスト
ン18が長くなって、圧縮機60が大型化する。
【0057】これを避けるには、ピストン本体18Aを
短くしなければならないが、ピストン本体18Aが短く
なればガス漏れ(ブローバイガス)によって圧縮機60
の効率が低下する等の影響がでてしまう。
【0058】このような理由から、円錐面18Jの角度
範囲の上限値は60°に設定されている。
【0059】また、例えば、ピストン18には吹き付け
によってテフロン(登録商標)樹脂のコーティングが施
されている。このコーティング層の厚さは、例えば、ピ
ストン本体18Aの外周で約70μmであり、連結部1
8Bと接続部18Cで約30μmである。また、吹き付
けた後、ピストン本体18Aのコーティング層は厚さが
40μmになるまで仕上げ研磨される。
【0060】このようなコーティングを施したことによ
り、ピストン本体18Aとシリンダボア3との間には、
ピストン18の倒れを防止しながら適度な隙間が形成さ
れており、圧縮行程においてこの隙間から潤滑オイルを
含んだ冷媒ガスがブローバイガスとなってクランク室5
内へ吹き付けられ、この潤滑オイルによって、各ピスト
ン18の凹部18H,18Hとシュー19との摺動部、
スリーブ12とジャーナル14との摺動部、ドライブプ
レート11の長孔16とピン17との摺動部などが潤滑
・冷却される。
【0061】また、ピストン18の往復運動に伴って、
潤滑オイルがピストン本体18Aの全周にわたってシリ
ンダボア3との間に供給され、ピストン本体18Aとシ
リンダボア3との摺動部を潤滑・冷却する。
【0062】図1のように、フロントハウジング4の左
端部には、軸受け21を介してプーリ20が支承されて
いる。プーリ20の内周には第1駆動伝達プレート22
が螺着されており、ドライブシャフト10の先端部には
第2駆動伝達プレート23が固定されている。
【0063】これらのプレート22,23は、設定値以
上の駆動トルクでは摺動可能に連結され、プーリ20の
回転をドライブシャフト10に伝達するようにされてい
る。
【0064】リヤハウジング6には圧力調整手段40が
配置されており、この圧力調整手段40はエバポレータ
側の冷媒吸入室7とクランク室5との差圧を調整する。
【0065】斜板15の傾斜角度は、圧力調整手段40
によるこの冷媒吸入室7とクランク室5との差圧調整に
よって変化し、この傾斜角度変化に伴って各ピストン1
8のストロークが変わり、冷媒ガスの吐出容量が制御さ
れる。
【0066】こうして、ピストン18と圧縮機60が構
成されている。
【0067】上記のように、ピストン18は、ピストン
本体18Aと連結部18Bとを連結する接続部18Cの
内周壁を円錐面18Jで形成し、圧縮行程と吸い込み行
程の両方で荷重を連結部18Bからピストン本体18A
に直線的に伝達させることによって接続部18Cの剛性
を大きく向上させている。
【0068】従って、剛性を大きくするために接続部1
8Cを肉厚にする必要がなくなると共に、ピストン18
の軽量化が可能になり、ピストン18の重量化による圧
縮機60の振動が防止されると共に、ピストン18の慣
性増大に応じて必要になる各部の強化に伴ってピストン
18がさらに重量化する悪循環から解放される。
【0069】また、軽量化に伴って、ピストン18のコ
ストが低減される。
【0070】しかも、円錐面18Jの角度を20°〜6
0°の範囲内に設定したことによって、上記のように、
接続部18Cに充分な剛性を確保しながら、ピストン1
8が長くなることによる圧縮機60の大型化や、ピスト
ン本体18Aを短くすることによる圧縮機60の効率低
下を回避することができる。
【0071】また、このような角度設定により、従来の
ピストンと較べて、ピストン18の連結部18Bとシュ
ー19との間及びピストン本体18Aとシリンダボア3
との間の引っ掛かりが低減し、ピストン本体18Aとシ
リンダボア3とが円滑に摺動させることができる。
【0072】また、ピストン本体18Aの円筒部18D
が接続部18C側に一体形成されているから、ピストン
18を冷間鍛造する場合、接続部18Cの円錐面18J
を同時に成形することが可能になり、それだけ加工コス
トを低減することができる。
【0073】また、成形方向(鍛造方向)に対して斜め
の円錐面18Jを設けたから、従来例と異なって、鍛造
する際に鍛造型に掛かる負荷が軽減され、型寿命を大幅
に延ばすことができる。
【0074】また、ピストン本体18Aの底蓋18Eを
円筒部18Dと別体にしたことにより、底蓋18Eの中
心に肉厚部18Fを冷間鍛造する場合や鉄板をプレス成
形として設けることが可能になり、肉厚部18Fを設け
たことによって、圧縮行程でのピストン18の耐圧性が
大幅に向上する。
【0075】また、往復動型の圧縮機60において、ピ
ストン18に対する荷重方向が引っ張り荷重と圧縮荷重
の間で変化する上死点と下死点でも、剛性の大きい接続
部18Cはこれらの負荷に充分耐えることができる。
【0076】[第2実施形態]本発明の第2実施形態で
ある圧縮機用ピストン18を図6,7によって説明す
る。このピストン18は、第1実施形態と同様に、圧縮
機60に用いられている。以下、第1実施形態のピスト
ン18との相違点を説明する。
【0077】第2実施形態のピストン18では、図7の
ように、ピストン本体18Aを構成する円筒部18Dと
底蓋部18Eは一体に形成されている。本実施形態で
は、この底蓋部18Eは一定の肉厚としているが、形成
時に肉厚部18Fを設けても良い。
【0078】また、ピストン本体18Aと接続部18C
は別々に冷間型鍛造された後、必要な切削加工を施した
後、レーザ溶接、あるいは、電子ビーム溶接などによっ
て接合される。ピストン本体18Aと接続部18Cとの
間には密封状中空部18Lが形成されている。
【0079】また、図6,7のように、接続部18Cに
はクランク室5内の径方向に連通した貫通部18Mが設
けられており、円錐面18Jはこの貫通部18Mに部分
的に形成されている。
【0080】こうして、第2実施形態のピストン18が
構成されており、このピストン18は、接続部18Cに
円錐面18Jを形成したことによって、第1実施形態と
同等の効果を得られる。
【0081】これに加えて、接続部18Cに貫通部18
Mを設けたことにより、ピストン18がさらに軽量化さ
れて低コストになると共に、圧縮機60の振動が低減さ
れる。
【0082】[第3実施形態]本発明の第3実施形態で
ある圧縮機用ピストン18を図8,9によって説明す
る。このピストン18は、第1,2実施形態と同様に、
圧縮機60に用いられている。以下、第2実施形態のピ
ストン18との相違点を説明する。
【0083】第3実施形態のピストン18では、図8の
ように、接続部18Cに円筒状の連通孔18Nが設けら
れている。この連通孔18Nは貫通部18Mと中空部1
8Lとを連通しており、連通孔18Nを設けたことによ
って、中空部18Lはクランク室5側と連通している。
【0084】こうして構成された第3実施形態のピスト
ン18は、第2実施形態と同等の効果が得られる。
【0085】これに加えて、中空部18Lをクランク室
5と連通させたことにより、中空部18Lとクランク室
5側との差圧が小さくなり、ブローバイガスによってク
ランク室5側の圧力が適度に上昇するので、圧縮行程に
おいて中空部18Lと圧縮側(シリンダボア3)との差
圧が小さくなり、ピストン18に掛かる負担が軽減され
る。
【0086】従って、底蓋部18Eや円筒部18Dの肉
厚を厚くしたり、中空部18Lの内側にリブや肉圧部を
設けるなどの対策が必要なくなり、ピストン18を薄肉
にし、さらに軽量化することが可能になる。
【0087】また、いずれにしても中空部18Lがクラ
ンク室5側と連通するから、中空部18Lがクランク室
5側に対して負圧にするか等圧にするかという成型方法
による差異は無関係になり、従って、中空部18Lとク
ランク室5側とを連通させるこの構成によれば、成型方
法に関する制限から解放される。
【0088】また、接続部18Cに貫通部18Mを設け
る第2,第3実施形態、更には連通孔18Nを設ける第
3実施形態のような構成では、上記のようにピストン本
体18Aと接続部18Cを別体で成形することによっ
て、貫通部18Mや連通孔18Nが成形し易くなる。
【0089】なお、本発明において、第1実施形態のよ
うなピストン本体の底蓋と円筒部との接合(請求項
4)、あるいは、第2,第3実施形態のようなピストン
本体と接続部との接合は、レーザ溶接や電子ビーム溶接
以外に、例えば、接着やカシメ、締結固定等によって行
ってもよい。
【0090】また、第2,第3実施形態においては、接
続部18Cに貫通部18Mを設けた例を示したが、クラ
ンク室5内の径方向に貫通しない、いわゆる肉抜き部と
してもよい。
【0091】また、本発明の圧縮機用ピストンと圧縮機
は、冷却システム以外の用途にも用いることができる。
【0092】また、上記の各実施形態では、圧縮機60
として、静止側のシリンダブロックに保持されたピスト
ンと、回転する斜板との相対回転によってピストンを往
復駆動する斜板式の圧縮機を示したが、請求項1〜6の
ピストンは、往復駆動式の圧縮機の全てに用いて、同等
の効果を得ることができるのは言うまでもない。
【0093】また、本発明の圧縮機は、複数のシリンダ
に順にガス圧を加えるように構成すれば、駆動軸側から
回転を取り出すモータ(例えば、斜板式の油圧モータ)
としても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である圧縮機用ピストン
及びこれを用いた圧縮機を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の圧縮機用ピストンを示す図面で
ある。
【図3】第1実施形態の圧縮機用ピストンを示す縦断面
図である。
【図4】第1実施形態の圧縮機用ピストンを図3と直角
の面で切断して示す縦断面図である。
【図5】接続部の傾斜角度と圧縮力に対する変形量との
関係を示すグラフである。
【図6】第2実施形態の圧縮機用ピストンを示す図面で
ある。
【図7】第2実施形態の圧縮機用ピストンを示す縦断面
図である。
【図8】第3実施形態の圧縮機用ピストンを示す縦断面
図である。
【図9】図8のA矢視図である。
【図10】従来例のピストンを示す縦断面図である。
【符号の説明】
3 シリンダボア 15 斜板 18 ピストン 18A ピストン本体 18B 連結部 18C 接続部 18D 円筒部 18E 底蓋 18F 肉厚部 18J 円錐面(円錐状の斜面) 18L ピストンの中空部 18M 貫通部 19 ピストンシュー 60 圧縮機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H003 AA03 AB07 AC03 CB00 CB05 CE04 3H076 AA06 BB26 BB38 BB41 CC31

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダボア(3)と摺動する中空円筒
    状のピストン本体(18A)と、駆動機構との連結部
    (18B)と、これらピストン本体(18A)と連結部
    (18B)とを一体に連結する接続部(18C)とを有
    する圧縮機用ピストン(18)であって、 前記接続部(18C)の内側壁もしくは外側壁の少なく
    とも一方を、円錐状の斜面(18J)としたことを特徴
    とする圧縮機用ピストン(18)。
  2. 【請求項2】 前記接続部(18C)の内側壁と外側壁
    の両方を円錐状の斜面(18J)にしたことを特徴とす
    る請求項1に記載の圧縮機用ピストン(18)。
  3. 【請求項3】 前記接続部(18C)の斜面(18J)
    と、ピストン(18)の運動方向に直角な面とがなすシ
    リンダボア(3)との角度を20°〜60°の範囲内に
    設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の圧縮機用ピストン(18)。
  4. 【請求項4】 前記ピストン本体(18A)が、円筒部
    (18D)と、シリンダボア(3)のリアハウジング
    (6)側でこの円筒部(18D)に固定された底蓋(1
    8E)とからなることを特徴とする請求項1〜3の何れ
    かに記載の圧縮機用ピストン(18)。
  5. 【請求項5】 前記接続部(18C)の一部にクランク
    室(5)内の径方向に貫通部(18M)を設けたことを
    特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の圧縮機用ピス
    トン(18)。
  6. 【請求項6】 前記貫通部(18M)とピストン(1
    8)の中空部(18L)とを連通させたことを特徴とす
    る請求項5に記載の圧縮機用ピストン(18)。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか一項に記載された
    圧縮機用ピストン(18)と、このピストン(18)の
    移動方向に対して傾斜した斜板(15)とを備えると共
    に、ピストン(18)の連結部(18B)が、ピストン
    シュー(19)を介して駆動機構に連結されており、駆
    動機構がピストンシュー(19)を介してピストン(1
    8)と斜板(15)とを相対回転させ、この相対回転に
    伴ってピストン(18)がシリンダボア(3)内を往復
    移動し、シリンダボア(3)内に吸入したガスを圧縮す
    ることを特徴とする圧縮機(60)。
JP2001024731A 2001-01-31 2001-01-31 圧縮機用ピストン及びこれを用いた圧縮機 Pending JP2002227763A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001024731A JP2002227763A (ja) 2001-01-31 2001-01-31 圧縮機用ピストン及びこれを用いた圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001024731A JP2002227763A (ja) 2001-01-31 2001-01-31 圧縮機用ピストン及びこれを用いた圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002227763A true JP2002227763A (ja) 2002-08-14

Family

ID=18889827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001024731A Pending JP2002227763A (ja) 2001-01-31 2001-01-31 圧縮機用ピストン及びこれを用いた圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002227763A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6781821B2 (en) 2001-10-25 2004-08-24 Sharp Kabushiki Kaisha Electronic apparatus
KR100516858B1 (ko) * 2002-10-22 2005-09-26 한국델파이주식회사 자동차용 사판식 압축기의 피스톤
US7349202B2 (en) 2005-02-28 2008-03-25 Seiko Epson Corporation Data processing device
WO2008146652A1 (ja) * 2007-05-29 2008-12-04 Sanden Corporation 圧縮機用ピストンの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0341178U (ja) * 1989-08-26 1991-04-19
JPH0592474U (ja) * 1992-05-22 1993-12-17 株式会社小松製作所 斜板式ピストンポンプ・モータのシリンダブロックとシャフトの連結構造
JPH09250451A (ja) * 1996-03-19 1997-09-22 Sanden Corp 容量可変型揺動斜板式圧縮機のピストン
JPH10196526A (ja) * 1997-01-10 1998-07-31 Zexel Corp 可変容量型斜板式圧縮機

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0341178U (ja) * 1989-08-26 1991-04-19
JPH0592474U (ja) * 1992-05-22 1993-12-17 株式会社小松製作所 斜板式ピストンポンプ・モータのシリンダブロックとシャフトの連結構造
JPH09250451A (ja) * 1996-03-19 1997-09-22 Sanden Corp 容量可変型揺動斜板式圧縮機のピストン
JPH10196526A (ja) * 1997-01-10 1998-07-31 Zexel Corp 可変容量型斜板式圧縮機

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6781821B2 (en) 2001-10-25 2004-08-24 Sharp Kabushiki Kaisha Electronic apparatus
KR100516858B1 (ko) * 2002-10-22 2005-09-26 한국델파이주식회사 자동차용 사판식 압축기의 피스톤
US7349202B2 (en) 2005-02-28 2008-03-25 Seiko Epson Corporation Data processing device
WO2008146652A1 (ja) * 2007-05-29 2008-12-04 Sanden Corporation 圧縮機用ピストンの製造方法
JP2008297907A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Sanden Corp 圧縮機用ピストンの製造方法
EP2159421A1 (en) * 2007-05-29 2010-03-03 Sanden Corporation Production method of piston for compressor
EP2159421A4 (en) * 2007-05-29 2011-11-09 Sanden Corp MANUFACTURING METHOD OF PISTONS FOR COMPRESSOR

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0780572B1 (en) Swash-plate type compressor
US5495789A (en) Swash plate type compressor with lubricating mechanism between the shoe and swash plate
US20080028927A1 (en) Variable Displacement Swash Plate Type Compressor With Smooth Inclined Moving Feature
US6629823B2 (en) Compressors
US6321635B1 (en) Swash plate type compressor in which lubricating oil is effectively supplied to a shoe mechanism interposed between a piston and a swash plate
US6557454B2 (en) Compressor pistons
JP2002227763A (ja) 圧縮機用ピストン及びこれを用いた圧縮機
US8998592B2 (en) Compressor
JP2001027177A (ja) 可変容量型斜板式圧縮機
KR100332538B1 (ko) 압축기용 중공피스톤 제조방법
US6705204B2 (en) Swash plate-type
JPH09105380A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
EP1158163A2 (en) Piston for swash plate compressor
US6378417B1 (en) Swash plate compressor in which an opening edge of each cylinder bore has a plurality of chamferred portions
JPH09203379A (ja) ピストン式圧縮機
EP1906014A2 (en) Shoe for compressors
US6912948B2 (en) Swash plate compressor
KR100724669B1 (ko) 밀폐형 압축기 및 그 제조 방법 및 냉장ㆍ냉동 장치
JP4314405B2 (ja) 可変容量型斜板式圧縮機
JP2008069748A (ja) 圧縮機用シュー及びその製造方法
US20030164088A1 (en) Compressors and pistons for use in such compressors
US6591735B2 (en) Swashplate compressor piston having an extra support surface
JPH10196515A (ja) 流体機械における駆動シャフトと回転要素の圧入嵌合構造
US20030075041A1 (en) Piston for fluid machine and the fluid machine having the same
JP3384401B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100706