JP2002227174A - 軟着底浮体構造物の不同沈下修正方法 - Google Patents

軟着底浮体構造物の不同沈下修正方法

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JP2002227174A JP2001025622A JP2001025622A JP2002227174A JP 2002227174 A JP2002227174 A JP 2002227174A JP 2001025622 A JP2001025622 A JP 2001025622A JP 2001025622 A JP2001025622 A JP 2001025622A JP 2002227174 A JP2002227174 A JP 2002227174A
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建 山中
Hiroki Matsuba
浩樹 松葉
Hiroshi Takiguchi
博 滝口
Akira Muta
晃 牟田
Hidefumi Okumoto
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Shinichi Arioka
真一 有岡
Tetsuro Fukugaki
哲朗 福垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水底地盤の不同沈下に追随して軟着底浮体構
造物の不同沈下が発生した際、軟着底浮体構造物に装備
される浮力調整機構を利用して、水底地盤表面の傾斜を
修正することにより、水底地盤が大きく不同沈下して
も、床レベルでの修正を行うジャッキの盛り替え工事を
行わずに対応できる軟着底浮体構造物の不同沈下修正方
法を提供する。 【解決手段】 潮位変動のある水面に配置される浮体構
造物を水底地盤に軽く着底させることにより、潮位変動
による上下動を回避すると共に、水底地盤の圧密沈下を
減少させるようにした軟着底方式の浮体構造物Aにおい
て、水底地盤Bに一定以上の不同沈下が生じたとき、浮
体構造物のバラスト水aを排出することにより浮体構造
物を浮かせて水平にし、浮体構造物と水底地盤との間に
生じた隙間に固結性の充填材bを注入して、水底地盤表
面の傾斜を修正した後、バラスト水を再注入して、浮体
構造物を水底地盤に軟着底させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潮位変動のある水
面に配置される浮体構造物を水底地盤に軽く着底させる
ことにより、潮位変動による上下動を回避すると共に、
水底地盤の圧密沈下を減少させるようにした軟着底浮体
構造物の不同沈下修正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軟着底方式の浮体構造物は、浮力を受け
て、ほんの僅かな荷重により水底地盤に着底しているた
め、構造物の荷重による水底地盤の圧密沈下を減少でき
る利点があり、しかも、ポンツーン方式の浮体構造物に
見られるような潮位変動による上下動を回避でき、波浪
や風による動揺もない等の利点があるが、常に水底地盤
に着底しているので、水底地盤に不同沈下が発生した
時、それに追随して軟着底浮体構造物が傾斜することに
なり、軟着底浮体構造物の水平度を修正する必要があ
る。
【0003】このような水底地盤の不同沈下に追随する
軟着底浮体構造物の不同沈下に際し、従来では、軟着底
浮体構造物の上に構築された建物の1階床直下に設置し
たジャッキ式のレベル調整機構で建物をジャッキアップ
することにより、床レベルでの修正を行えばよいと考え
られていた。
【0004】しかしながら、この修正方法では、例え
ば、圧密沈下が予想される沖積粘土層の下にあって、圧
密沈下は無視できる程度であると考えられていた洪積層
にまで大きな圧密沈下が発生した場合のように、予想沈
下量に対し、実際の沈下量が大きい場合、ジャッキアッ
プのストロークが不足し、ジャッキの盛り替え工事が必
要になるという問題点があった。この盛り替え工事は、
大掛かりな工事となり、工事費用も莫大なものとなる。
【0005】尚、特公平2−20768号公報に記載さ
れている軟着底浮体構造物では、水面よりも上方に位置
するデッキ部分を支持する複数本の柱脚を内柱と外柱と
から構成し、外柱の内部を浮力調整可能な浮力タンク室
に形成して、各柱脚の下端部を水底地盤に軟着底させる
ように構成する一方、デッキ部分には、各柱脚の内柱が
挿通される複数本の中空状の支柱を設け、支柱と内柱と
の間に、夫々、内柱側に設けた縦方向のラックと支柱側
に設けたウオームとで構成された位置調整装置を設け、
内柱の支柱に対する上下位置、換言すれば、柱脚に対す
るデッキ部分の上下位置を調整することによって、デッ
キ部分を水平に維持するように構成されている。従っ
て、予想沈下量に対し、実際の沈下量が大きい場合、内
柱の継足しによるラックの延長が必要であり、大掛かり
な工事となる点では、ジャッキの盛り替え工事と大差が
ない。また、継ぎ足した内柱がデッキ部分の上面から突
出することになり、デッキ部分を利用する際の障害物と
なり、デッキ部分の用途が制限されるという問題点もあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
留意してなされたものであって、その目的とするところ
は、水底地盤の不同沈下に追随して軟着底浮体構造物の
不同沈下が発生した際、軟着底浮体構造物に当然に装備
される浮力調整機構(バラスト水の注排水機構)を利用
して、軟着底浮体構造物が着底する水底地盤表面の傾斜
を修正することにより、水底地盤の不同沈下が大きくて
も、床レベルでの修正を行うジャッキの盛り替え工事を
行わずに対応できる軟着底浮体構造物の不同沈下修正方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明が講じた技術的手段は、次のとおりであ
る。即ち、請求項1に記載の発明による軟着底浮体構造
物の不同沈下修正方法は、潮位変動のある水面に配置さ
れる浮体構造物を水底地盤に軽く着底させることによ
り、潮位変動による上下動を回避すると共に、水底地盤
の圧密沈下を減少させるようにした軟着底方式の浮体構
造物において、当該浮体構造物が着底する水底地盤に一
定以上の不同沈下が生じたとき、浮体構造物のバラスト
水を排出することにより浮体構造物を浮かせて水平に
し、浮体構造物と水底地盤との間に生じた隙間に固結性
の充填材を注入して、水底地盤表面の傾斜を修正した
後、浮体構造物にバラスト水を再注入して、浮体構造物
を水底地盤に軟着底させることを特徴としている。
【0008】上記の構成によれば、水底地盤に不同沈下
が発生すると、当該水底地盤に軟着底している浮体構造
物も、それに追随して傾斜するが、浮体構造物を軟着底
させる必要上、当然に装備されている浮力調整機構(バ
ラスト水の注排水機構)を利用して、浮体構造物のバラ
スト水を排出することにより、浮体構造物を軟着底に必
要な重量よりもさらに軽くして、水に浮かせ、浮体構造
物を水平にすることができる。
【0009】そして、浮体構造物の浮上により、浮体構
造物と水底地盤との間には、水底地盤の傾斜に対応した
隙間が生じるので、この隙間に固結性の充填材を注入し
て、水底地盤表面の傾斜を修正し、しかる後、浮体構造
物にバラスト水を再注入して浮体構造物の浮力調整(接
地圧の調整)を行い、つまり、浮体構造物の重量を軟着
底に必要な重量に増加させ、浮体構造物を水底地盤に設
計通りの荷重となるように軟着底させるのである。
【0010】従って、浮体構造物上部の床レベルでの修
正を行うジャッキのストロークが短くて済み、水底地盤
の不同沈下が大きくても、ジャッキの盛り替え工事を行
わずに対応できることになる。
【0011】尚、浮体構造物のバラスト水を排出するこ
とにより、浮体構造物を浮かせて水平にするにあたって
は、浮体構造物を、一旦、元のレベル(不同沈下が生じ
る前のレベル)以上に浮かせ、浮体構造物と水底地盤と
の間に生じた隙間に充填材を注入した後、充填材が硬化
する前に、バラスト水を再注入して、浮体構造物を元の
レベル(不同沈下が生じる前のレベル)まで下降させる
ことにより、余分な海水や未硬化の充填材を浮体構造物
によって周囲の水中に押し出し、隙間に満たされた充填
材が硬化した後、更にバラスト水を追加注入して、浮体
構造物を軟着底させるようにしてもよく、あるいは、バ
ラスト水を排出することにより、浮体構造物を元のレベ
ル(不同沈下が生じる前のレベル)まで浮かせ、この状
態で、浮体構造物と水底地盤との間に生じた隙間に充填
材を注入することにより、隙間に入り込んだ海水を充填
材で押し出し、充填材の硬化後、バラスト水を再注入し
て、浮体構造物の重量を増し、浮体構造物を軟着底させ
るようにしてもよいが、後者の方が、作業工程が少なく
て済み、工期の短縮が可能である点で、好ましい。
【0012】請求項2に記載の発明による軟着底浮体構
造物の不同沈下修正方法は、常に水面下に位置する水平
面積の大きい浮体部分と、常に水面よりも上方に位置す
るデッキ部分と、両者を連結する水平面積の小さいコラ
ム部分とから構成され、デッキ部分にはレベル調整機構
を介して床スラブが設けられている半潜式軟着底浮体構
造物において、当該浮体構造物が着底する水底地盤に一
定以上の不同沈下が生じたとき、浮体構造物のバラスト
水を排出することにより浮体構造物を浮かせて水平に
し、浮体構造物と水底地盤との間に生じた隙間に固結性
の充填材を注入して、水底地盤表面の傾斜を修正した
後、浮体構造物にバラスト水を再注入して、浮体構造物
を水底地盤に軟着底させることを特徴としている。
【0013】この構成によれば、請求項1に記載の発明
と同様に、浮体構造物が着底する水底地盤表面の傾斜を
修正することによって、軟着底浮体構造物の不同沈下を
修正するので、水底地盤が大きく不同沈下した場合、床
スラブのレベルでの修正を行うレベル調整機構の調整ス
トロークが短くても、レベル調整機構の盛り替え工事を
行わずに対応できるという利点があり、しかも、潮位が
変動した際の水中に位置する部分の体積変化が小さいの
で、潮位変動による浮力の変動を小さく抑えることがで
きるという利点がある。
【0014】請求項3に記載の発明は、浮体構造物を軟
着底させる水底地盤の上層部が、水面下の沖積粘土層に
セメント系の地盤改良材を注入混合して造成された深層
混合処理改良地盤であり、その下層部である洪積層に不
同沈下が生じた際に、浮体構造物のバラスト水を排出す
ることにより、浮体構造物を浮かせて水平にし、浮体構
造物と深層混合処理改良地盤との間に生じた隙間に固結
性の充填材を注入して、深層混合処理改良地盤の傾斜を
修正した後、浮体構造物にバラスト水を再注入して、浮
体構造物を深層混合処理改良地盤に軟着底させることを
特徴としている。
【0015】この構成によれば、従来、圧密沈下が無視
できる程度であると考えられていた洪積層の不同沈下に
起因する水底地盤表面の傾斜にも対応できる。即ち、水
底地盤の上層部が軟弱な沖積粘土層であっても、これを
深層混合処理改良地盤とすることにより、沖積粘土層で
の圧密沈下が無くなることになる。そして、従来、圧密
沈下が無視できる程度に小さいと考えられていた水底地
盤下層部の洪積層が予想以上に不同沈下した場合には、
水底地盤上層部の深層混合処理改良地盤がそれに追随し
て傾斜することになるが、浮体構造物のバラスト水を排
出することにより、浮体構造物を浮かせて水平にし、浮
体構造物と深層混合処理改良地盤との間に生じた隙間に
固結性の充填材を注入して、深層混合処理改良地盤の傾
斜を修正した後、浮体構造物にバラスト水を再注入し
て、浮体構造物を深層混合処理改良地盤に軟着底させる
ことにより、洪積層の不同沈下に起因する軟着底浮体構
造物の不同沈下を修正できることになる。
【0016】尚、本発明は、単体の軟着底浮体構造物に
付いて適用できることは勿論であるが、請求項4に記載
のように、複数の浮体構造物を相互の上下動と水平軸芯
周りでの回動を許容するルーズな状態に連結し、床スラ
ブを一体的に連結することにより、軟着底浮体構造の大
規模な人工地盤に付いても適用できる。即ち、各々の浮
体構造物が水底地盤の不同沈下に追随するので、予想さ
れる範囲の不同沈下に対しては、レベル調整機構により
床スラブの修正を行い、予想以上に大きく不同沈下した
場合には、浮体構造物が接地する水底地盤表面の傾斜を
修正することによって、これに対応でき、レベル調整機
構による調整ストロークが短くても、レベル調整機構の
盛り替え工事は不要である。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、例えば陸地又は古い時期
に造成された埋立地1aと、その近くに造成された新し
い埋立地1bとの間に残された海面のような潮位変動の
ある水面2に配置された半潜式軟着底浮体構造の大規模
な人工地盤を示す。この人工地盤は、複数のユニット化
された浮体構造物A…を連結することによって構成され
たものである。
【0018】各浮体構造物Aは、水底地盤Bに軽く着底
させることにより、潮位変動による上下動を回避すると
共に、水底地盤Bの圧密沈下を減少させるようにした軟
着底方式を採用したものであって、常に水面2下に位置
する水平面積の大きい浮体部分3と、常に水面2よりも
上方に位置するデッキ部分4と、両者3,4を連結する
水平面積の小さい鉄骨トラス構造のコラム部分5とから
構成されたいわゆる半潜式の浮体構造物であり、潮位変
動による浮力の変動を小さく抑えるようになっている。
【0019】デッキ部分4には、上部に建物を構築可能
な床スラブ7がジャッキ等を用いた多数のレベル調整機
構6を介して支持された状態に設けられている。これら
のレベル調整機構6は、水底地盤Bの予想される範囲の
小さな不同沈下に追随する人工地盤の不同沈下に対応す
るためのものであり、床レベルにおいて修正を行うよう
になっている。
【0020】浮体部分3は、函状に形成されており、内
部が複数の室に仕切られ、各室には図2の(イ)に示す
ように、バラスト水(海水)aが貯留されている。そし
て、水中ポンプ8aとバラスト注排水パイプ8b等で構
成された浮力調整機構(バラスト水の注排水機構)8に
よって、各室内部に収容するバラスト水(海水)aの量
を調整することにより、浮力(水底地盤Bへの接地圧)
を調整できるようになっている。図2の(イ)〜(ロ)
に示す9は、浮体部分3の底を貫通する充填材注入用パ
イプ9aと水中ポンプ9b等で構成された充填材投入装
置であり、必要な時には、デッキ部分4から吊り下げた
パイプ(図示せず)を充填材投入装置9に連結できるよ
うになっている。
【0021】隣接する浮体構造物A…は、例えば、図1
に拡大して図示するように、互いにルーズに係合するリ
ング状の連結金物10a,10b等により、相互の上下
動と水平軸芯周りでの回動を許容するルーズな状態に連
結されており、床スラブ7だけがコンクリートの現場打
ち等により互いに一体的に連結されている。
【0022】図1に示した実施の形態では、前記水底地
盤Bは、その上層部が、水面下の沖積粘土層11にセメ
ント系の地盤改良材を注入混合して造成することにより
圧密沈下が生じないようにした深層混合処理改良地盤B
1であり、その下層部が洪積層B2となっている。12は
埋立て時に沖積粘土層11の上に投入された敷砂、13
は盛砂、14は捨石、15は埋立土である。尚、図示の
例では、浮体部分3の底部を深層混合処理改良地盤B1
に埋め込むことにより、地震時の水平方向への滑動に対
して抵抗させるようにしてある。
【0023】水底地盤Bの上層部である深層混合処理改
良地盤B1は圧密沈下しないから、水底地盤Bの下層部
である洪積層B2に不同沈下が発生すると、これに追随
して深層混合処理改良地盤B1が傾斜することになる。
しかし、洪積層B2の不同沈下が小さい場合、深層混合
処理改良地盤B1の傾斜も僅かであるから、これに追随
する人工地盤の不同沈下に対しては、前記レベル調整機
構6で必要な部位の床スラブ7をコラム部分5に対して
必要量、上昇させることによって対応することができ
る。
【0024】水底地盤Bに前記レベル調整機構6だけで
は対応できない大きな不同沈下が発生した場合、つま
り、人工地盤の造成後、長年月が経過し、水底地盤Bの
下層部である洪積層B2に大きな不同沈下が生じて、深
層混合処理改良地盤B1が大きく傾いた場合、これに軟
着底している浮体構造物Aも大きく傾くことになる。
【0025】この場合には、図2の(イ)〜(ロ)に示
す方法により修正を行うのである。即ち、洪積層B2
大きな不同沈下が生じて、深層混合処理改良地盤B1
大きく傾いた場合、図2の(イ)、(ロ)に示すよう
に、浮体構造物Aの浮体部分3も大きく傾くので、図2
の(ハ)に示すように、各浮体構造物Aの浮体部分3に
収容されているバラスト水aを排出することにより、浮
体構造物Aを浮かせて水平にする。即ち、各浮体構造物
Aに装備されている浮力調整機構8の水中ポンプ8aを
稼動し、バラスト水aを必要量だけ海中に排出して浮体
部分3を軽量にし、各浮体構造物Aの浮体部分3を元の
レベル(不同沈下が生じる前のレベル)まで浮かせる。
【0026】この状態で、図2の(ニ)、(ホ)に示す
ように、浮体構造物Aの浮体部分3と深層混合処理改良
地盤B1との間に生じた隙間Sにモルタルやコンクリー
ト等の固結性の充填材bを注入して、隙間Sに入り込ん
だ海水を充填材bで押し出し、深層混合処理改良地盤B
1の傾斜を修正する。そして、充填材bが荷重を支持す
るのに必要な強度まで硬化したら、再び、前記浮力調整
機構8の水中ポンプ8aを稼動して、浮体部分3にバラ
スト水aを再注入することにより、浮体構造物Aの重量
を増し、浮体構造物Aの浮体部分3を平らになった深層
混合処理改良地盤B1に軟着底させるのである。
【0027】上記の構成によれば、浮体構造物Aが接地
する水底地盤表面Bの傾斜を修正することによって、軟
着底浮体構造物Aの不同沈下を修正するので、床スラブ
7のレベルでの修正を行うレベル調整機構6の調整スト
ロークが短くて済み、水底地盤Bの不同沈下が大きくて
も、レベル調整機構6の盛り替え工事を行わずに対応で
きる。
【0028】尚、図1〜図2に示した実施の形態では、
水中ポンプ8a,9bを使用して浮力調整機構8や充填
材投入装置9を構成したが、メンテナンス性を高めるた
めに、デッキ部分4又はコラム部分5に設置した通常の
ポンプを使用して浮力調整機構8や充填材投入装置9を
構成してもよい。また、図1〜図2に示した実施の形態
では、水底地盤Bのうち、特に軟弱な上層部の沖積粘土
層11を改良して圧密沈下の生じない深層混合処理改良
地盤B1となし、その下層部である洪積層B2が不同沈下
する場合を例にとって本発明を説明したが、本発明は、
これに限定されるものではなく、洪積層B2以外の軟弱
な水底地盤Bに接地する軟着底浮体構造物Aの全てに適
用可能である。例えば、軟着底浮体構造物Aが接地する
水底地盤Bが沖積粘土層である場合や、図3に示すよう
に、古い時期に造成された埋立地1aと、その近くに造
成された新しい埋立地1bとの間に位置する水底地盤B
が、沖積粘土層11と、その上に、埋立て工事で投入さ
れた敷砂12、盛砂13、その上に投入された軽量材1
6や捨石14等で構成されている場合にも適用できる。
【0029】
【発明の効果】本発明は、上述した構成よりなるから、
水底地盤の不同沈下に追随して軟着底浮体構造物の不同
沈下が発生した際、軟着底浮体構造物に当然に装備され
る浮力調整機構(バラスト水の注排水機構)を利用し
て、軟着底浮体構造物が着底する水底地盤表面の傾斜を
修正することにより、水底地盤の不同沈下が大きくて
も、床レベルでの修正を行うジャッキの盛り替え工事を
行わずに対応できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軟着底浮体構造物の不同沈下修正
方法の適用対象を例示する人工地盤の概略断面図であ
る。
【図2】本発明に係る軟着底浮体構造物の不同沈下修正
方法の説明図である。
【図3】本発明に係る軟着底浮体構造物の不同沈下修正
方法の他の適用対象を示す人工地盤の概略断面図であ
る。
【符号の説明】
A…軟着底浮体構造、B…水底地盤、a…バラスト水、
b…充填材。
フロントページの続き (72)発明者 鴻野 良太 大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 山中 建 大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 松葉 浩樹 大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 滝口 博 大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 牟田 晃 大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 奥本 英史 大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 有岡 真一 大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 福垣 哲朗 大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 中原 洸二 大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 林 誠 大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 加藤 浩司 大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潮位変動のある水面に配置される浮体構
    造物を水底地盤に軽く着底させることにより、潮位変動
    による上下動を回避すると共に、水底地盤の圧密沈下を
    減少させるようにした軟着底方式の浮体構造物におい
    て、当該浮体構造物が着底する水底地盤に一定以上の不
    同沈下が生じたとき、浮体構造物のバラスト水を排出す
    ることにより浮体構造物を浮かせて水平にし、浮体構造
    物と水底地盤との間に生じた隙間に固結性の充填材を注
    入して、水底地盤表面の傾斜を修正した後、浮体構造物
    にバラスト水を再注入して、浮体構造物を水底地盤に軟
    着底させることを特徴とする軟着底浮体構造物の不同沈
    下修正方法。
  2. 【請求項2】 常に水面下に位置する水平面積の大きい
    浮体部分と、常に水面よりも上方に位置するデッキ部分
    と、両者を連結する水平面積の小さいコラム部分とから
    構成され、デッキ部分にはレベル調整機構を介して床ス
    ラブが設けられている半潜式軟着底浮体構造物におい
    て、当該浮体構造物が着底する水底地盤に一定以上の不
    同沈下が生じたとき、浮体構造物のバラスト水を排出す
    ることにより浮体構造物を浮かせて水平にし、浮体構造
    物と水底地盤との間に生じた隙間に固結性の充填材を注
    入して、水底地盤表面の傾斜を修正した後、浮体構造物
    にバラスト水を再注入して、浮体構造物を水底地盤に軟
    着底させることを特徴とする軟着底浮体構造物の不同沈
    下修正方法。
  3. 【請求項3】 浮体構造物を軟着底させる水底地盤の上
    層部が、水面下の沖積粘土層にセメント系の地盤改良材
    を注入混合して造成された深層混合処理改良地盤であ
    り、その下層部である洪積層に不同沈下が生じた際に、
    浮体構造物のバラスト水を排出することにより、浮体構
    造物を浮かせて水平にし、浮体構造物と深層混合処理改
    良地盤との間に生じた隙間に固結性の充填材を注入し
    て、深層混合処理改良地盤の傾斜を修正した後、浮体構
    造物にバラスト水を再注入して、浮体構造物を深層混合
    処理改良地盤に軟着底させることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の軟着底浮体構造物の不同沈下修正方法。
  4. 【請求項4】 複数の浮体構造物が相互の上下動と水平
    軸芯周りでの回動を許容するルーズな状態に連結され、
    床スラブが一体的に連結されていることを特徴とする請
    求項2又は3に記載の軟着底浮体構造物の不同沈下修正
    方法。
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