JP2002226988A - 積層構造体とその製造方法 - Google Patents

積層構造体とその製造方法

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JP2002226988A
JP2002226988A JP2001026288A JP2001026288A JP2002226988A JP 2002226988 A JP2002226988 A JP 2002226988A JP 2001026288 A JP2001026288 A JP 2001026288A JP 2001026288 A JP2001026288 A JP 2001026288A JP 2002226988 A JP2002226988 A JP 2002226988A
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laminated structure
layer
electroformed
hole
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JP2001026288A
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Tomoo Ikeda
池田  智夫
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電鋳で形成された複数の電鋳層が
強固に接合された積層構造体とその製造方法を提供する
ことを目的としている。 【解決手段】 第2の電鋳層が第1の電鋳層の一平面に
積層して形成され、且つ第2の電鋳層が第1の電鋳層の
一平面に設けられた貫通穴の内壁上にも形成されている
ことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電鋳で形成された複
数の電鋳層が強固に接合された積層構造体とその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気メッキ法の技術を利用して構造体を
製造する方法のことを電鋳法と呼ぶ。この電鋳法は微細
な形状を形成するのに適しており、精密機械の分野では
広く用いられている製造方法である。但し、この製造方
法は薄膜形成に適した電気メッキ法を応用したものであ
るので、厚みのある形状よりも薄板形状の構造体の製造
に適している。
【0003】近年では、剛性の向上や形状の複雑化を目
的として、この電鋳法で製造した複数の板状構造体を積
層させて、新たな別の構造体(積層構造体)を形成する
試みが多くなされるようになってきた。
【0004】以下に、従来なされている積層構造体の製
造方法を説明する。図9は従来の積層構造体、特に段付
き穴を備えた構造体、の製造方法を示した図である。ま
ず図9(a)に示すように、導電性基板30上に感光可
溶性材料からなるポジレジスト46を、一般に知られて
いるフォトリソグラフィー法によって、必要とする形状
にパターン化する。
【0005】次に、導電性基板30上に電鋳法によって
第1の電鋳層115を形成する(図9(b))。この
時、ポジレジスト46は非導電性材料であるので、ポジ
レジスト46上に第1の電鋳層115が形成されること
はない。
【0006】次に、ポジレジスト46が形成されている
部分に、さらに位置合わせをしてポジレジスト47を所
望の形状にパターン化する(図9(c))。
【0007】さらに、第1の電鋳層115上に電鋳法に
よって第2の電鋳層125を形成する(図9(d))。
【0008】最後に、ポジレジスト47、導電性基板3
0を除去して、段付き貫通穴225が穴空けされている
積層構造体15が完成する(図9(e))。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにして製造
された積層構造体15は、第1の電鋳層115の内部応
力と第2の電鋳層125の内部応力の微小な相違によっ
て、第1の電鋳層115と第2の電鋳層125の界面で
剥離が生じてしまう現象が多くあった(図9(e))。
剥離の発生は積層構造体115の部品としての成立を阻
むことになる。
【0010】本発明の目的は、電鋳で形成された複数の
電鋳層が強固に接合された積層構造体とその製造方法を
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の積層構造体は、第1の電鋳層の一平面に第
2の電鋳層が積層して形成され、且つ第1の電鋳層の一
平面に設けられた貫通穴の内壁上にも第2の電鋳層が形
成されていることを特徴としている。
【0012】さらに、前記第1の電鋳層の貫通穴の内壁
が第2の電鋳層が積層して形成されている一平面に対し
て90度未満の角度をなしていることを特徴としてい
る。
【0013】さらに、本発明の積層構造体の製造方法
は、少なくとも一部に導電性を有する基板上に第1の非
導電性材料層をパターン化して形成する工程と、基板上
に電鋳法によって第1の電鋳層を形成する工程と、第1
の非導電性材料層を除去し、第1の電鋳層の一平面に貫
通穴を開口させる工程と、所望の位置に第2の非導電性
材料層をパターン化する工程と、第1の電鋳層の一平面
上および貫通穴の内壁上に電鋳法によって第2の電鋳層
を形成する工程と、第2の非導電性材料層と基板を除去
する工程を有することを特徴としている。
【0014】さらに、前記パターン化された第1の非導
電性材料層は、その底面に対して側壁面が90度未満の
角度なしていることを特徴としている。
【0015】また、前記第1の非導電性材料層が感光可
溶性材料からなり、且つフロント露光法によって露光し
た後、現像してパターン化されていることを特徴として
いる。
【0016】または、前記第1の非導電性材料層が感光
不溶性材料からなり、且つバック露光法によって露光し
た後、現像してパターン化されていることを特徴として
いる。
【0017】(作用)本発明の上記手段により、第1の
電鋳層に設けられた貫通穴に第2の電鋳層を食い込ませ
て構成することができる。これは電鋳法の特性を利用し
たものである。電鋳法は、先にも述べたように、電気メ
ッキ法の一種であるため、メッキ液が入り込むことがで
きる部分には全て電鋳層を形成することが可能である。
そのため第2の電鋳層を第1の電鋳層に設けられた貫通
穴内部にも形成することを可能にした。
【0018】第1の電鋳層に設けられた貫通穴に第2の
電鋳層を食い込ませた構成にすることによって、各電鋳
層の平面方向での、ずれの発生が抑制され、従来よりも
剥離の発生が少なくなった。
【0019】さらに本発明の第1の電鋳層に設けられた
貫通穴は、内壁が第1の電鋳層の平面(第2の電鋳層が
積層される側)に対して90度未満の角度をなしてい
る。この結果、第2の電鋳層は、第1の電鋳層の平面か
ら真上方向に(垂直方向に)剥離することがより難しく
なった。
【0020】以上のように、本発明の積層構造体は、平
面方向にも、垂直方向にも強固に接合された積層構造体
である。
【0021】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は本発明
の一実施形態による積層構造体の断面図である。図1に
示すように、本発明の一実施形態による積層構造体10
は、第1の電鋳層110と第2の電鋳層120の積層構
造からなっており、それら2つの層を貫く段付き貫通穴
220が空けられた形状をしている。また第1の電鋳層
110には段付き貫通穴220とは別の第2の電鋳層1
20によって埋められた穴があけられているが、その穴
の内壁面110aと第1の電鋳層110の一平面110
bがなす角度θは90度未満で構成されている。
【0022】図3は本発明の一実施形態による積層構造
体の製造方法を示した図である。本発明の積層構造体1
0は以下の製造方法によって製造することが可能であ
る。まず図3(a)に示すように、導電性基板30上
に、非導電性で且つ感光可溶性(感光された部分が現像
時に溶解し除去される性質)であるポジレジスト40を
所望の形状にパターン化した。本実施形態ではポジレジ
スト40をLSI分野で広く用いられているフロント露
光法によるフォトリソグラフィー法によってパターン化
し、直径50μmの円パターンと直径12μmの円パタ
ーンを形成した。またその厚みは12μmとした。フロ
ント露光法とは図4に示すような、露光マスク300を
介して感光性材料を直接露光する方法である。感光可溶
性材料からなるポジレジスト40をフロント露光法で露
光し、その後現像すると、図3(a)に示すようにポジ
レジスト40の側壁面40aは底面40bに対して90
度以下の角度で形成される。本実施形態でその角度は8
6度であった。なお本実施形態では、導電性基板30と
して銅板(Cu板)を、ポジレジスト40にクラリアン
トジャパン(株)社製AZ−P4903(商品名)を使
用した。
【0023】次に図3(b)に示すように導電性基板3
0に電流を流しながらニッケル(Ni)電鋳を行うこと
によって、Niからなる第1の電鋳層110を形成し
た。なおこの時、第1の電鋳層110は非導電性である
ポジレジスト40上には形成されない。本実施形態では
10μmの厚みで第1の電鋳層110を形成させた。
【0024】その後、ポジレジスト40をアセトンで溶
解除去させることによって、第1の電鋳層110の一平
面110bに、導電性基板30に突き当たるまで貫通し
た2種類の貫通穴210(図中点線領域)を開口させた
(図3(c))。貫通穴210は図3(a)に示すポジ
レジスト40の形状を転写した穴形状をしている。その
ため、貫通穴210の内壁面110aは第1の電鋳層1
10の一平面110bに対して86度の角度をなしてい
た。
【0025】さらに、2種類の貫通穴210のうち小さ
い方の穴(直径約12μmの穴)に位置合わせをしなが
ら、直径20μmのポジレジスト41をパターン化した
(図3(d))。本工程においても、ポジレジスト41
にクラリアントジャパン(株)社製AZ−P4903
(商品名)を使用し、フロント露光法で露光しパターン
化した。
【0026】さらにその後、今度は導電性基板30と第
1の電鋳層110の両方に電流を流しながらNi電鋳を
行い、図3(e)に示すように第2の電鋳層120を、
第1の電鋳層110上および第1の電鋳層110に構成
される貫通穴210内部の導電性基板30上に同時に1
0μmの厚みで形成した。電鋳法は電気メッキ法の一種
であり、メッキ液中のメッキ材料を電気的に析出させる
ものである。そのため電流が流れる面で且つメッキ液に
触れる面であれば全ての面で第2の電鋳層120が形成
される。よって、微小な貫通穴210内の内壁面110
aにも同様に第2の電鋳層120を形成することができ
る。
【0027】最後に、導電性基板30とポジレジスト4
0を除去して、総厚20μmで小径が約12μm、大径
が約20μmの段付き貫通穴220を備えた積層構造体
10を完成させた(図3(f))。この積層構造体11
は下層が第1の電鋳層110で上層が第2の電鋳層12
0という構造になっているが、第2の電鋳層120は第
1の電鋳層110に空けられた直径50μmの貫通穴2
10内に食い込むようにして形成されている。特に本実
施形態では、貫通穴210の内壁面110aが第1の電
鋳層110の一平面110bに対して鋭角すなわち90
度未満(正確には86度)で形成されている。そのため
第2の電鋳層120を、第1の電鋳層110の一平面1
10bに対して垂直方向(図3(f)における上方向)
に剥離させようとしても容易に剥離させることはできな
かった。以上のようにして第1の電鋳層110と第2の
電鋳層120が強固に接合された積層構造体11を製造
することができた。
【0028】なお、図3(a)におけるポジレジスト4
0のパターン化工程において、そのパターン化条件によ
っては、ポジレジスト40の側壁面40aと底面40b
のなす角度を90度にすることも可能である。その場
合、製造される積層構造体10の第1の電鋳層110に
形成される穴の内壁面110aと一平面110bがなす
角度θも90度になる。本発明では、第1の電鋳層11
0と第2の電鋳層120の接合強度を強くするために
は、穴の内壁面110aと一平面110bがなす角度θ
を90度未満にすることが望ましいが、90度以上であ
っても図9に示すような従来の場合よりも強い強度で接
合することができた。
【0029】また、本実施形態では、第1の電鋳層11
0、第2の電鋳層120ともNi電鋳法により形成し、
どちらもNiからなっているが、本発明において必ずし
もNiである必要はない。電鋳できる材料であればいか
なる材料を使用してもかまわない。また、第1の電鋳層
110と第2の電鋳層120がそれぞれ別の材料からな
っていても問題はない。
【0030】(第2の実施形態)図2は本発明の他の実
施形態による積層構造体の断面図である。図2に示すよ
うに、本発明の一実施形態による積層構造体20は、第
1の電鋳層111と第2の電鋳層121の積層構造から
なっており、それら2つの層を貫く段付き貫通穴221
が空けられた形状をしている。なお、第1の電鋳層11
1と第2の電鋳層121の間には不透明導電性膜61が
形成されている。また第1の電鋳層111には段付き貫
通穴221とは別の第2の電鋳層121によって埋めら
れた穴があけられているが、その穴の内壁面111aと
第1の電鋳層111の一平面111bがなす角度θは9
0度未満で構成されている。
【0031】図7は本発明の他の実施形態による積層構
造体の製造方法の前半工程を示した図である。図8は本
発明の他の実施形態による積層構造体の製造方法の後半
工程を示した図である。本実施形態によれば、まず図7
(a)に示すように、透明性基板31上に不透明導電性
膜60を所望の形状にパターン化した。さらに透明性基
板31の不透明導電性膜60が覆われていない部分に
は、非導電性で且つ感光不溶性(感光された部分が固化
し現像時に残る性質)であるネガレジスト50を所望の
形状にパターン化した。本実施形態ではネガレジスト5
0をバック露光法によるフォトリソグラフィー法によっ
てパターン化した。その結果、直径50μmの円パター
ンと直径12μmの円パターンを形成することができ
た。またその厚みは12μmであった。
【0032】バック露光法について簡単に説明する。図
4はネガレジストのフロント露光によるパターン化とバ
ック露光によるパターン化の相違を示した図である。初
めに所望の形状でパターン化された不透明導電性膜65
(一般的な使用の場合必ずしも導電性である必要はない
が本発明の実施においては導電性が必要である。)が形
成された透明性基板31の一方の面上にネガレジスト5
5を塗被する。
【0033】フロント露光法の場合、この透明性基板3
1の一方の面上に塗被されたネガレジスト55を露光用
マスク300を介して露光する。露光用マスク300に
は光を透過する透明パターンと光を遮断する不透明パタ
ーンが施されており、この露光用マスク300を介して
露光することによって、所定の部分だけを任意に露光す
ることができる。
【0034】以上のようなフロント露光法によって所定
の部分が露光されたネガレジスト55を現像すると、図
4(a)に示すような断面形状でパターン化される。こ
の時パターン化されたネガレジスト56の側壁面は透明
性基板31の平面に対して90度以上の角度で形成され
ることになる。これはフロント露光法の露光方向に起因
している。フロント露光法で露光する場合、ネガレジス
ト55は表面付近(図4ではレジスト55の上表面)の
方が透明性基板31付近よりも強く露光される。ネガレ
ジスト55は強い光で感光されるほど強力に固化され現
像されにくくなるため、図4(a)のような形状(逆台
形)に現像されることになるのである。
【0035】一方、バック露光法では、透明性基板31
のネガレジスト55が塗被されていない他方の面側から
露光する。この時、透明性基板31とネガレジスト55
の間に配置される不透明導電性膜65が露光用マスク3
00の役目をし、所定の部分だけを任意に露光すること
ができる。
【0036】バック露光法によって所定の部分が露光さ
れたネガレジスト55を現像すると、図4(b)に示す
ような断面形状でパターン化される。この時パターン化
されたネガレジスト57の側壁面は透明性基板31の平
面に対して90度以下の角度で形成されることになる。
バック露光法の場合、フロント露光法とは逆に、ネガレ
ジスト55は透明性基板31付近の方が表面付近よりも
強く露光される。そのため図4(b)のような形状(台
形)に現像されることになるのである。
【0037】以上のような理由からバック露光法で露光
する本第2の実施形態では、ネガレジスト50の側壁面
50aはその底面50bに対して90度以下の角度で形
成される。その角度は86度であった。
【0038】なお本実施形態では、透明性基板31とし
て硼珪酸ガラスを、不透明導電性膜60として厚さ0.
2μmの銅(Cu)膜を、ネガレジスト50としてJS
R(株)社製THB−130N(商品名)をそれぞれ使
用した。なおCuからなる不透明導電性膜60は真空成
膜法の一種であるスパッタリング法によって成膜し、パ
ターン化にはフォトリソグラフィー法を利用した。
【0039】次に、図7(b)に示すように不透明導電
性膜60に電流を流しながらニッケル(Ni)電鋳を行
うことによって、Niからなる第1の電鋳層111を形
成した。なおこの時、第1の電鋳層111は非導電性で
あるネガレジスト50上には形成されない。本実施形態
では10μmの厚みで第1の電鋳層111を形成させ
た。
【0040】その後、ネガレジスト50を10%の水酸
化カリウム(KOH)水溶液で溶解除去させることによ
って、第1の電鋳層111の一平面111bに、透明性
基板31に突き当たるまで貫通した2種類の貫通穴21
1(図中点線領域)を開口させた(図7(c))。貫通
穴211は図7(a)に示すネガレジスト50の形状を
転写した穴形状をしている。そのため、貫通穴211の
内壁面111aは第1の電鋳層111の一平面111b
に対して86度の角度をなしていた。
【0041】次に、透明性基板31の第1の電鋳層11
1が形成されている一方の面全面にCuからなる不透明
導電性膜61を0.1μmの厚さで成膜した(図7
(d))。成膜方法にはスパッタリング法を使用した。
この時、貫通穴211はその深さ(=10μm)、より
も開口部寸法(=直径約12μmおよび直径約50μ
m)の方が大きいため、穴内部にも十分な厚みで不透明
導電性膜61を成膜することができた。
【0042】さらに、2種類の貫通穴211のうち小さ
い方の穴(直径約12μmの穴)に位置合わせをしなが
ら、直径20μmのネガレジスト51をパターン化した
(図8(a))。本工程において、ネガレジスト51に
JSR(株)社製THB−130N(商品名)を使用
し、フロント露光法で露光しパターン化した。
【0043】さらにその後、不透明導電性膜61に電流
を流しながらNi電鋳を行い、図8(b)に示すように
第2の電鋳層121を不透明導電性膜61上に10μm
の厚みで形成した。この時、微小な貫通穴211内の内
壁面111aにも同様に第2の電鋳層121を形成する
ことができる。
【0044】最後に、透明性基板31と不透明導電性膜
60およびネガレジスト51を除去して、総厚20μm
(不透明導電性膜61は極薄膜であるので省略する。)
で小径が約12μm、大径が約20μmの段付き貫通穴
221を備えた積層構造体20を完成させた(図8
(c))。この積層構造体20は下層が第1の電鋳層1
11、中層が不透明導電性膜61、上層が第2の電鋳層
121という三層構造になっているが、第2の電鋳層1
21は第1の電鋳層111に空けられた直径50μmの
貫通穴211内に食い込むようにして形成されている。
特に本実施形態では、貫通穴210の内壁面111aが
第1の電鋳層111の一平面111bに対して鋭角すな
わち90度未満(正確には86度)で形成されている。
そのため各々の層を強固に接合することができた。
【0045】(第3の実施形態)図5は本発明のさらに
別の実施形態による積層構造体の製造方法を示した図で
ある。まず図5(a)に示すように銅板からなる導電性
基板30上に感光可溶性材料からなるポジレジスト42
を直径200μmの円パターンで形成した。その厚みは
12μmであった。本実施形態ではポジレジスト42に
クラリアントジャパン(株)社製AZ−P4903(商
品名)を使用し、フロント露光法によって露光しパター
ン化した。
【0046】次に、導電性基板30上にNi電鋳法によ
って、Niからなる第1の電鋳層112を10μmの厚
さで形成した(図5(b))。
【0047】さらに、ポジレジスト42をアセトンで除
去した後、前記ポジレジスト42が取り除かれた導電性
基板30上に、ポジレジスト42よりも小さなパターン
でポジレジスト43を形成した(図5(c))。ポジレ
ジスト43にはJSR(株)社製THB−611P(商
品名)を使用し、フロント露光法によって、直径30μ
m、高さ20μmの円パターンを形成した。
【0048】その後、今度は導電性基板30と第1の電
鋳層112の両方に電流を流しながらNi電鋳を行い、
図5(d)に示すように第2の電鋳層122を、第1の
電鋳層112上および導電性基板30上に10μmの厚
みで形成した。
【0049】最後に、導電性基板30とポジレジスト4
3を除去して、総厚20μmで直径約30μmの貫通穴
222を備えた積層構造体12を完成させた(図5
(e))。この積層構造体12においても、第1の電鋳
層112に第2の電鋳層122が食い込んだ構造を形成
することができ、各々を強固に接合することができた。
【0050】(第4の実施形態)図6は本発明のその他
の実施形態による積層構造体の製造方法を示した図であ
る。まず図6(a)に示すように銅板からなる導電性基
板30上に感光可溶性材料からなるポジレジスト44を
直径50μmの円パターンで形成した。その厚みは12
μmであった。本実施形態ではポジレジスト44にはク
ラリアントジャパン(株)社製AZ−P4903(商品
名)を使用し、フロント露光法によって露光しパターン
化した。
【0051】次に、導電性基板30上にNi電鋳法によ
って、Niからなる第1の電鋳層113を10μmの厚
さで形成した(図6(b))。
【0052】さらに、ポジレジスト44をアセトンで除
去した後、第1の電鋳層113上の所定の位置にポジレ
ジスト45を所望の形状で形成した(図6(c))。ポ
ジレジスト45にはクラリアントジャパン(株)社製A
Z−P4903(商品名)を使用し、フロント露光法に
よって、直径12μm、高さ12μmの円パターンを形
成した。
【0053】その後、導電性基板30と第1の電鋳層1
13の両方に電流を流しながらNi電鋳を行い、図6
(d)に示すように第2の電鋳層123を、第1の電鋳
層113上および導電性基板30上に10μmの厚みで
形成した。
【0054】最後に、導電性基板30とポジレジスト4
5を除去して、直径が約12μmで深さが10μmの窪
み230を備えた総厚20μmの積層構造体13を完成
させた(図6(e))。この積層構造体13において
も、第1の電鋳層113に第2の電鋳層123が食い込
んだ構造を形成することができ、各々を強固に接合する
ことができた。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、電鋳で形成された複数
の電鋳層が強固に接合された積層構造体を達成すること
ができた。その結果、積層構造体自体の剛性を高めるこ
とができた。さらに本発明によれば、第1の電鋳層に空
けられた穴の内壁を、第2の電鋳層が積層して形成され
る側の一平面に対して90度未満の角度で形成すること
によって、より強固に第1の電鋳層と第2の電鋳層を接
合することができた。上述の穴の内壁と第1の電鋳層の
一平面の角度を90度未満にする形状は、感光可溶性材
料をフロント露光法で露光してパターン化する工程もし
くは、感光不溶性材料をバック露光法で露光してパター
ン化する工程のどちらかを有した製造方法で達成でき
た。さらに本発明によれば、三次元的に形状が異なる複
雑な形状を容易に形成することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による積層構造体の断面図
である。
【図2】本発明の他の実施形態による積層構造体の断面
図である。
【図3】本発明の一実施形態による積層構造体の製造方
法を示した図である。
【図4】ネガレジストのフロント露光によるパターン化
とバック露光によるパターン化の相違を示した図であ
る。
【図5】本発明のさらに別の実施形態による積層構造体
の製造方法を示した図である。
【図6】本発明のその他の実施形態による積層構造体の
製造方法を示した図である。
【図7】本発明の他の実施形態による積層構造体の製造
方法の前半工程を示した図である。
【図8】本発明の他の実施形態による積層構造体の製造
方法の後半工程を示した図である。
【図9】従来の積層構造体の製造方法を示した図であ
る。
【符号の説明】
10、12、13、15、20 積層構造体 30 導電性基板 31 透明性基板 40、41、42、43、44、45、46、47 ポ
ジレジスト 40a 側壁面 40b 底面 50、51、55、56、57 ネガレジスト 50a 側壁面 50b 底面 60、61、65 不透明導電性膜 110、111、112、113、115 第1の電鋳
層 110a、111a 内壁面 110b、111b 一平面 120、121、122、123、125 第2の電鋳
層 210、211 貫通穴 220、221、225 段付き貫通穴 222 貫通穴 230 窪み

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電鋳で形成された複数の電鋳層からなる
    積層構造体であって、 第1の電鋳層の一平面に第2の電鋳層が積層して形成さ
    れ、かつ前記第1の電鋳層の一平面に設けられた穴の内
    壁上にも前記第2の電鋳層が形成されている積層構造
    体。
  2. 【請求項2】 前記第1の電鋳層の穴の内壁が前記第2
    の電鋳層が形成されている前記第1の電鋳層の一平面に
    対して90度未満の角度をなしていることを特徴とする
    請求項1に記載の積層構造体。
  3. 【請求項3】 電鋳で形成された複数の電鋳層からなる
    積層構造体の製造方法であって、 導電性を有する基板上に第1の非導電性材料層をパター
    ン化して形成する工程と、 前記基板上に電鋳法によって第1の電鋳層を形成する工
    程と、 前記第1の非導電性材料層を除去し、前記第1の電鋳層
    の一平面に穴を開口させる工程と、 前記基板の所望の位置に第2の非導電性材料層をパター
    ン化して形成する工程と、 前記第1の電鋳層の一平面上および前記穴の内壁上に電
    鋳法によって第2の電鋳層を形成する工程と、 前記第2の非導電性材料層と前記基板とを除去する工程
    とを有する積層構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記パターン化された第1の非導電性材
    料層は、その底面に対して側壁面が90度未満の角度な
    していることを特徴とする請求項3に記載の積層構造体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の非導電性材料層が感光可溶性
    材料であり、かつフロント露光法によって露光した後、
    現像してパターン化されていることを特徴とする請求項
    3に記載の積層構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の非導電性材料層が感光不溶性
    材料であり、かつバック露光法によって露光した後、現
    像してパターン化されていることを特徴とする請求項3
    に記載の積層構造体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011089168A (ja) * 2009-10-22 2011-05-06 Seiko Instruments Inc 電鋳体、その製造方法、及び時計部品

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